本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
実施形態に係る車両運転支援装置1について説明する。車両運転支援装置1は、車両2に搭載され、当該車両2の走行中に、当該車両2の運転に関わる種々の情報を記録するドライブレコーダ(ディジタルタコグラフ)である。なお、車両運転支援装置1は、ドライブレコーダ等に限定されない。車両運転支援装置1は、運転を記録するためのメインカメラ11を兼用しつつ、メインカメラ11により撮影した画像において道路の一定距離毎における路面標示(菱形マークMK)の出現頻度に基づいて、車両2の運転者に注意情報を報知する。車両運転支援装置1は、各種電子部品を含む車載器として構成される。車両運転支援装置1は、車両2に後付けで搭載可能なものであってもよいし、車両2の製造時に当該車両2に組み込まれるものであってもよい。以下、車両運転支援装置1について詳細に説明する。
車両運転支援装置1は、図1に示すように、撮影部10と、車載器本体20とを備える。撮影部10は、車両2に設置され、車両2の外側を撮影するものである。撮影部10は、メインカメラ11と、オプションカメラ12とを備える。メインカメラ11は、車両2の走行方向の前方を撮影するものであり、車両2の前方の走行路面や車両2の前方を走行する前方車両等を撮影する。メインカメラ11は、走行路面や前方車両等を連続的に撮影できるように、例えば、図示しないルームミラーの近傍に所定の俯角をもって固定される。これにより、メインカメラ11は、車両2から前方に所定距離だけ遠方の位置まで撮影することができる。メインカメラ11の画角(視野角)は、例えば、当該メインカメラ11が撮像した撮影画像において、図2に示す車両2の車線Rd1が所定の領域に映るように設定される。つまり、メインカメラ11の画角は、車両2の車線Rd1における走行路面の両側の区画線Lを撮影可能に設定されている。メインカメラ11は、画像処理部25に接続されており、車両2の前方を撮影した撮影画像(撮影映像)を画像処理部25に出力する。
オプションカメラ12は、車両2の前方以外を撮影するものであり、例えば、車両2の右側後方を撮影するサイドビューカメラである。オプションカメラ12は、車両2の右側後方を走行する右側車両を撮影する。オプションカメラ12は、例えば、右側車両を連続的に撮影することができるように、右側のサイドミラーに固定される。なお、撮影部10は、オプションカメラ12を備えていなくてもよい。メインカメラ11及びオプションカメラ12は、単眼カメラであってもよいし、ステレオカメラであってもよい。また、メインカメラ11及びオプションカメラ12が撮像する撮影画像は、モノクロであってもよいしカラーであってもよい。
車載器本体20は、モニタ部21と、音声振動出力部22と、GPS(Global Positioning System)23と、I/F(インターフェース)部24と、画像処理部25と、記録媒体26と、制御部27とを備える。ここで、車両運転支援装置1は、ドライブレコーダの基本機能として、車両2の走行中に、当該車両2の運転に関わる種々の情報を記録する。車両運転支援装置1は、例えば、撮影部10により車両2の前方や右側後方を撮影し、撮影した撮影画像を記録媒体26に記録すると共に、運転者による運転操作状況を示す運行データを記録媒体26に記録する。運行データは、例えば、車両2の急ブレーキや衝撃等を検出する加速度センサから出力されるトリガ出力、車両2のイグニションスイッチから出力されるIGN信号、手動スイッチ(SW)、ブレーキ操作、ウィンカー操作、車速パルス、走行経路等である。車両運転支援装置1は、電源がオンしている間、常時撮影画像を記録媒体26に記録する常時録画形式や、加速度センサから出力されるトリガ出力時に自動的に撮影画像を記録媒体26に記録するイベント記録形式等がある。
モニタ部21は、情報を表示する表示装置である。モニタ部21は、画像処理部25に接続されており、画像処理部25により画像処理された撮影画像を表示する。モニタ部21は、NTSC(National Television Standard Committee)エンコーダー21aと、モニタ21bとを備える。NTSCエンコーダー21aは、撮影画像を所定の形式に符号化し、符号化した撮影画像をモニタ21bに出力する。モニタ21bは、表示画面が運転者に対向して設けられ、NTSCエンコーダー21aから出力された撮影画像を表示画面に表示する。
音声振動出力部22は、車両2の運転者に対して種々の通知を発する出力装置である。音声振動出力部22は、音声出力部22aと、バイブレータ22bとを備える。音声出力部22aは、聴覚情報(音声情報、音情報)を出力する聴覚情報出力装置であり、当該聴覚情報を出力することで種々の通知を発する。音声出力部22aは、制御部27に接続されており、当該制御部27によってその駆動が制御される。バイブレータ22bは、振動情報を出力する振動機器であり、当該振動情報を出力することで種々の通知を発する。バイブレータ22bは、制御部27に接続されており、当該制御部27によってその駆動が制御される。
GPS23は、車両2の位置情報として、車両2の位置情報(緯度経度座標)を受信する受信機である。GPS23は、GPS衛星が配信する車両2の位置情報を表すGPS信号を受信する。GPS23は、制御部27に接続されており、受信したGPS信号に応じた位置情報を制御部27に出力する。
I/F部24は、制御部27と外部機器とを有線又は無線により接続するものである。I/F部24は、制御部27と外部機器とをコネクタにより接続したり、各種信号のプロトコル変換等を行ったりする。I/F部24は、車両信号I/F24aと、PC(Personal Computer)設定用I/F24bと、CAN(Controller Area Network)変換部24cと、通信モジュール24dとを備える。車両信号I/F24aは、ブレーキやウィンカー、イグニションスイッチ等の車両制動部と制御部27とを接続する。PC設定用I/F24bは、図示しない外部のPC端末と制御部27とを接続する。CAN変換部24cは、他機器3と制御部27とを接続し、他機器3と制御部27との間で送受信される信号をCAN用の通信プロトコルに変換する。通信モジュール24dは、外部のサーバー4と制御部27とを無線接続し、サーバー4と情報を送受信する。
画像処理部25は、画像を処理するものである。画像処理部25は、ROM(Read Only Memory)25aと、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)25bと、デコーダー25cと、画像判定用CPU(Central Processing Unit)25dとを備える。
ROM25aは、不揮発性のメモリであり、データの読み出し専用の記憶装置である。ROM25aは、画像判定用CPU25dに接続されており、画像判定用CPU25dにより実行される画像を判定するためのプログラム等を予め記憶している。ROM25aは、例えば、テンプレートマッチングで用いるテンプレート画像を予め記憶している。ROM25aは、テンプレート画像として、図2に示す菱形マーク(◇マーク)MKを識別するための画像や、走行路面の区画線Lを識別するための画像等を予め記憶している。ここで、菱形マークMKは、撮影画像データに含まれる路面標示であり、道路Rdの路面上に形成され信号のない横断歩道Hが存在することを示すマークである。菱形マークMKは、菱形の形状に形成され、車線Rd1の略中央に運転者が認識可能に形成されている。菱形マークMKは、車両2の前方から横断歩道Hを見て、横断歩道Hの手前に二つ所定の間隔をあけて形成されている。菱形マークMKは、例えば、車両2の前方から横断歩道Hを見て、横断歩道Hの手前50mに一つ形成され、さらに、横断歩道Hの手前30mに一つ形成されている。これにより、運転者は、信号のない横断歩道Hが車両2の前方にあることに早目に気づくことができる。横断歩道Hは、道路Rdにおいて道路標識等によって指示された歩行者の横断場所である。なお、横断歩道Hは、自転車横断帯が一緒に形成される場合もある。自転車横断帯は、道路Rdにおいて道路標識等によって指示された自転車の横断場所である。
SDRAM25bは、揮発性のメモリであり、データの読み書きが可能な記憶装置である。SDRAM25bは、画像判定用CPU25dに接続されており、画像判定用CPU25dによる演算結果を一時記憶する。
デコーダー25cは、撮影部10に接続されており、撮影部10から出力される撮影画像を所定のデータ形式に復号する復号器である。デコーダー25cは、撮影部10から出力される撮影画像を復号し、復号した撮影画像データを画像判定用CPU25dに出力する。
画像判定用CPU25dは、撮影画像データから菱形マークMKや区画線L等の被写体を判定するものである。画像判定用CPU25dは、例えば、メインカメラ11により撮影された撮影画像データから菱形マークMKを判定する。画像判定用CPU25dは、例えば、周知のテンプレートマッチングにより撮影画像データに菱形マークMKが含まれるか否かを判定する。画像判定用CPU25dは、判定した菱形マークMKの個数を示す菱形マーク個数情報を制御部27に出力する。
記録媒体26は、車両運転支援装置1で取得される情報を記録するメモリである。記録媒体26は、例えば、種々のインターフェースを介して車両運転支援装置1に脱着可能なメモリ(リムーバブルメディア)である。記録媒体26は、例えば、様々な形式のメモリカードを用いることができる。記録媒体26は、撮影部10により撮影された撮影画像や、運転者による運転操作状況を示す運行データ(トリガ出力、IGN信号、手動スイッチ(SW)、ブレーキ操作、ウィンカー操作、車速パルス、走行経路等)を記録する。
制御部27は、車載器本体20を制御するものであり、ROM27aと、SDRAM27bと、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)27cと、制御系処理CPU27dとを備える。
ROM27aは、不揮発性のメモリであり、データの読み出し専用の記憶装置である。ROM27aは、制御系処理CPU27dに接続されており、制御系処理CPU27dにより実行される車載器本体20を制御するためのプログラム等を予め記憶している。ROM27aは、例えば、後述する通常モードM0、第一注意喚起モードM1及び第二注意喚起モードM2を示すマップデータを予め記憶している。
SDRAM27bは、揮発性のメモリであり、データの読み書きが可能な記憶装置である。SDRAM27bは、制御系処理CPU27dに接続されており、制御系処理CPU27dによる演算結果を一時記憶する。
EEPROM27cは、不揮発性のメモリであり、データの読み書きが可能な記憶装置である。EEPROM27cは、制御系処理CPU27dに接続されており、制御系処理CPU27dによる演算結果を記憶する。
制御系処理CPU27dは、車載器本体20の各部を統括的に制御する中央演算処理装置である。制御系処理CPU27dは、周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御系処理CPU27dは、上述のように、音声振動出力部22、GPS23、I/F部24、画像処理部25、記録媒体26等が接続されており、これらとの間で種々の電気信号の入出力を行う。また、制御系処理CPU27dは、ROM27aに記憶されているプログラムを実行し、車載器本体20の機能を実現するために必要な様々な処理を行う。制御系処理CPU27dは、画像判定用CPU25dとデータのやり取りを行う(マイコン間通信)。制御系処理CPU27dは、例えば、車両2が備えるイグニションスイッチから出力されるIGNオン信号を停止状態において受け付けると、起動して車載器本体20を起動状態にする一方、イグニションスイッチから出力されるIGNオフ信号を起動状態において受け付けると、動作を停止して車載器本体20を停止状態にする。制御系処理CPU27dは、機能概念的に、運転支援部27fを含んで構成される。
運転支援部27fは、車両2の運転を支援するものである。運転支援部27fは、例えば、菱形マークMKの個数に基づいて車両2の運転を支援する。運転支援部27fは、例えば、菱形マークMKが道路Rdの一定距離P毎に出現する出現頻度に基づいて、車両2の運転者に注意を促すための注意情報を報知する。ここで、注意情報は、例えば、「スピードの出し過ぎに注意しましょう。」等の音声や画像等によるメッセージである。運転支援部27fは、画像判定用CPU25dから出力される菱形マーク個数情報から菱形マークMKの出現頻度を道路Rdの一定距離P毎に求める。運転支援部27fは、例えば、図3に示すように、一定距離P毎(例えば、数十メートル毎)に菱形マークMKの個数をカウントする。なお、図3は、説明の理解を容易にするために、1個の菱形マークMKが2個の菱形マークMK(1個の横断歩道H)に相当するように図示している。菱形マークMKをカウントする一定距離Pは、任意に設定することができる。運転支援部27fは、図3及び図4に示すように、例えば、区間E1において一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が0個であると判定する。また、運転支援部27fは、例えば、区間E2において一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が2個(横断歩道Hの出現頻度が1回)であると判定する。また、運転支援部27fは、例えば、区間E3において一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が4個(横断歩道Hの出現頻度が2回)であると判定する。
運転支援部27fは、菱形マークMKの一定距離P毎の出現頻度に基づいて注意情報を報知するか否かを判定するための速度閾値を変更する。運転支援部27fは、例えば、菱形マークMKの出現頻度が予め定められた基準値未満の場合、速度閾値を相対的に高くし、菱形マークMKの出現頻度が基準値以上の場合、注意情報を報知する速度閾値を相対的に低くする。運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が0回の場合)、速度閾値を第一速度閾値(例えば35km/h)に設定する。なお、本実施形態では、道路Rdの制限速度が40km/hであることを想定している。制限速度は、道路Rdの路面に形成された数字マークに基づいて認識してもよいし、地図データとGPS23の位置情報とに基づいて認識してもよい。運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個以上、かつ、4個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が1回の場合)、速度閾値を第一速度閾値よりも低い第二速度閾値(例えば30km/h)に設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が4個以上の場合(横断歩道Hの出現頻度が2回以上の場合)、速度閾値を第二速度閾値よりも低い第三速度閾値(例えば25km/h)に設定する。運転支援部27fは、車両2の速度が速度閾値を超える場合、注意情報を報知する。
運転支援部27fは、菱形マークMKの出現頻度に基づいて注意情報を報知する鳴動回数や音量等の度合を変更する。運転支援部27fは、例えば、菱形マークMKの出現頻度が予め定められた基準値未満の場合、注意情報を報知する度合を相対的に小さくし、菱形マークMKの出現頻度が基準値以上の場合、注意情報を報知する度合を相対的に大きくする。運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が0回の場合)、注意情報を報知する鳴動回数を第一基準回数(例えば1回)に設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個以上、かつ、4個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が1回の場合)、注意情報を報知する鳴動回数を第一基準回数よりも多い第二基準回数(例えば2回)に設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が4個以上の場合(横断歩道Hの出現頻度が2回以上の場合)、注意情報を報知する鳴動回数を第二基準回数よりも多い第三基準回数(例えば3回)に設定する。運転支援部27fは、設定した基準回数で音声出力部22a等から注意情報を報知する。
また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が0回の場合)、注意情報を報知する音声出力部22aの音量を第一基準音量(例えばレベル1)に設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個以上、かつ、4個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が1回の場合)、音声出力部22aの音量を第一基準音量よりも大きい第二基準音量(例えばレベル2)に設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が4個以上の場合(横断歩道Hの出現頻度が2回以上の場合)、音声出力部22aの音量を第二基準音量よりも大きい第三基準音量(例えばレベル3)に設定する。音声出力部22aは、設定された基準音量で音声出力部22aから注意情報を報知する。
ここで、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が0回の場合)、第一速度閾値(35km/h)、第一基準回数(1回)、及び、第一基準音量(レベル1)を設定するモードを通常モードM0という(図5参照)。また、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個以上、かつ、4個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が1回の場合)、第二速度閾値(30km/h)、第二基準回数(2回)、及び、第二基準音量(レベル2)を設定するモードを第一注意喚起モードM1という(図6参照)。また、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が4個以上の場合(横断歩道Hの出現頻度が2回以上の場合)、第三速度閾値(25km/h)、第三基準回数(3回)、及び、第三基準音量(レベル3)を設定するモードを第二注意喚起モードM2という(図7参照)。制御系処理CPU27dは、通常モードM0、第一注意喚起モードM1、及び、第二注意喚起モードM2に基づいて注意情報を報知する。
次に、図8を参照して、車両運転支援装置1の動作例について説明する。制御系処理CPU27dは、例えば、IGNオン信号を停止状態において受け付けると、起動して車載器本体20を起動状態にする。そして、制御系処理CPU27dは、通常モードM0を設定する(ステップS1)。制御系処理CPU27dは、例えば、注意情報を報知する速度閾値を第一速度閾値(35km/h)に設定し、注意情報を報知する鳴動回数を第一基準回数(1回)に設定し、及び、音声出力部22aの音量を第一基準音量(レベル1)に設定する。次に、画像判定用CPU25dは、撮影画像データに菱形マークMKが含まれるか否かを判定する(ステップS2)。画像判定用CPU25dは、例えば、テンプレートマッチングにより撮影画像データに菱形マークMKが含まれるか否かを判定する。画像判定用CPU25dは、撮影画像データに菱形マークMKが含まれる場合(ステップS2;Yes)、菱形マークMKの個数を示す菱形マーク個数情報を制御系処理CPU27dに出力する。制御系処理CPU27dの運転支援部27fは、菱形マーク個数情報に基づいて菱形マークMKの個数をカウントする(ステップS3)。運転支援部27fは、例えば、図3に示すように、一定距離P毎(例えば、数十メートル毎)に菱形マークMKの個数をカウントする。運転支援部27fは、一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が基準値以上であるか否かを判定する(ステップS4)。運転支援部27fは、一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が基準値以上である場合(ステップS4;Yes)、通常モードM0であるか否かを判定する(ステップS5)。運転支援部27fは、通常モードM0である場合(ステップS5;Yes)、注意喚起モードを設定する(ステップS6)。運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が2個以上、かつ、4個未満の場合(横断歩道Hの出現頻度が1回の場合)、第一注意喚起モードM1を設定する。また、運転支援部27fは、例えば、一定距離Pにおける菱形マークMKの出現頻度が4個以上の場合(横断歩道Hの出現頻度が2回以上の場合)、第二注意喚起モードM2を設定する。運転支援部27fは、設定された第一又は第二注意喚起モードM1、M2に基づいて注意情報を報知する。次に、運転支援部27fは、電源がオフされたか否かを判定する(ステップS7)。例えば、運転支援部27fは、イグニションスイッチから出力されるIGNオフ信号を受け付けたか否かを判定する。運転支援部27fは、電源がオフされたと判定した場合(ステップS7;Yes)、処理を終了する。
なお、上述のステップS2で、画像判定用CPU25dは、撮影画像データに菱形マークMKが含まれない場合(ステップS2;No)、運転支援部27fは、上述のステップS3の処理を省略し菱形マークMKの個数をカウントしない。また、上述のステップS4で、運転支援部27fは、一定距離P毎における菱形マークMKの出現頻度が基準値未満である場合(ステップS4;No)、運転支援部27fは、注意喚起モードであるか否かを判定する(ステップS8)。運転支援部27fは、注意喚起モードである場合(ステップS8;Yes)、通常モードM0を設定し(ステップS9)、ステップS7に移行する。注意喚起モードでない場合(ステップS8;No)、上述のステップS9の処理を省略してステップS7に移行する。また、上述のステップS5で、運転支援部27fは、通常モードM0でない場合(ステップS5;No)、上述のステップS6の処理を省略してステップS7に移行する。
以上のように、実施形態に係る車両運転支援装置1は、撮影部10により撮影された撮影画像に含まれる菱形マークMKであって、道路Rdの路面上に形成され横断歩道Hが存在することを示す菱形マークMKが道路Rdの一定距離P毎に出現する出現頻度に基づいて、車両2の運転者に注意を促すための注意情報を報知する。これにより、車両運転支援装置1は、例えば、菱形マークMKが道路Rdの一定距離P毎に出現する出現頻度が相対的に多い場合、横断歩道Hを横断する横断者が多いと予測し運転者に注意を積極的に促すことができる。従って、車両運転支援装置1は、横断者に配慮した運転を支援することができる。信号のない横断歩道Hは、幹線道路から分岐した支線道路に比較的多く設けられる。このため、車両運転支援装置1は、車両2が支線道路を走行する場合に好適である。
また、車両運転支援装置1において、運転支援部27fは、菱形マークMKの出現頻度に基づいて注意情報を報知するか否かを判定するための速度閾値を変更する。これにより、車両運転支援装置1は、菱形マークMKの出現頻度が相対的に多い場合、速度閾値を低くすることができる。従って、車両運転支援装置1は、横断歩道Hを横断する横断者が多いと予測される場合、車両2の速度が相対的に遅い時点で運転者に注意情報を報知することができる。
また、車両運転支援装置1において、運転支援部27fは、菱形マークMKの出現頻度が予め定められた基準値未満の場合、注意情報を報知する速度閾値を相対的に高くし、菱形マークMKの出現頻度が基準値以上の場合、速度閾値を相対的に低くする。これにより、車両運転支援装置1は、横断歩道Hを横断する横断者が多いと予測される場合、速度閾値を下げることにより車両2の速度が遅い時点で運転者に注意情報を報知することができる。
また、車両運転支援装置1において、運転支援部27fは、菱形マークMKの出現頻度に基づいて注意情報を報知する度合を変更する。これにより、車両運転支援装置1は、菱形マークMKの出現頻度が相対的に多い場合、注意情報を報知する回数を多くしたり、注意情報を報知する音量を大きくしたりすることができる。従って、車両運転支援装置1は、横断歩道Hを横断する横断者が多いと予測される場合、運転者に注意を積極的に促すことができる。
また、車両運転支援装置1において、運転支援部27fは、菱形マークMKの出現頻度が予め定められた基準値未満の場合、注意情報を報知する度合を相対的に小さくし、菱形マークMKの出現頻度が基準値以上の場合、度合を相対的に大きくする。これにより、車両運転支援装置1は、横断歩道Hを横断する横断者が多いと予測される場合、注意情報の報知回数や音量等の度合を上げることにより、運転者に注意を積極的に促すことができる。
〔変形例〕
次に、実施形態の変形例について説明する。注意喚起モードは、第一注意喚起モードM1と第二注意喚起モードM2との二つの注意喚起モードを有する例について説明したが、三つ以上の注意喚起モードを有するものとしてもよいし、一つの注意喚起モードを有するものとしてもよい。また、通常モードM0、第一注意喚起モードM1、第二注意喚起モードM2は、一般道、高速道、専用道等に応じて用意される。
また、モードに応じて注意情報の内容(メッセージ)を変更してもよい。例えば、モードが通常モードM0から第一注意喚起モードM1、第二注意喚起モードM2へと注意レベルが上がるに従って、運転者の注意をより引きつける内容にしてもよい。例えば、第一注意喚起モードM1では、「横断者に注意して走行しましょう。」等の内容で報知し、第二注意喚起モードM2では、「横断者が多い区間です。横断者に注意してください。」等の内容で報知する。
また、注意情報を報知する度合は、注意情報を報知する回数、注意情報を報知する音量以外を含んでもよい。
また、菱形マークMKは、横断歩道Hが存在することを示す路面標示であれば、菱形マークMK以外であってもよい。
また、車両運転支援装置1は、菱形マークMKの一定距離P毎の出現頻度を記録媒体26に記録しておき、同じ道路Rdを走行する場合に、記録媒体26から菱形マークMKの一定距離P毎の出現頻度を読み出して注意情報を報知してもよい。
また、車両運転支援装置1は、菱形マークMKの一定距離P毎の出現頻度に基づいて、音声出力部22a等により注意情報を運転者に報知する例について説明したが、これに限定されない。車両運転支援装置1は、例えば、車両2が自動運転モードに設定されている場合、菱形マークMKの一定距離P毎の出現頻度に基づいて、車両2を自動的に制動し車両2の速度を制限してもよい。