JP2018053771A - 蒸気発生装置および地熱発電システム - Google Patents

蒸気発生装置および地熱発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】作動媒体が、地中へ漏液することを抑止することが可能で、かつ効率よく発電に適した温度まで作動媒体を昇温さえることの可能な、蒸気発生装置および蒸気発生装置を備えた発電システムを提供する。【解決手段】蒸気タービン式発電装置に用いる蒸気発生装置であって、地盤中に設置され底板を有する筒体よりなり、底部から所定の高さに至る範囲に水密区画が設けられた漏液保護管と、略U字状の単管よりなり、折曲げ部が水密区画に配置されるよう漏液保護管の中空部に挿入され、作動媒体を、蒸気タービン式発電装置に供給する作動媒体出口および流入させる作動媒体入口を備える蒸気発生管と、を備え、漏液保護管の水密区画に作動媒体の液漏れを検知する漏液検知装置を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させて発電する際に用いる作動媒体を供給するための蒸気発生装置、および蒸気発生装置を備えた地熱発電システムに関する。
従来より、地熱資源を利用して受熱させた水やペンタン等の作動媒体により、タービンを回転させて発電する地熱発電装置が広く知られているとともに、作動媒体を受熱させる装置として、例えば、特許文献1に開示されているような、二重管を用いた熱交換器が知られている。
特許文献1に開示されている二重管を用いた熱交換器は、地盤中に埋設されて作動媒体である液体と地熱資源との熱交換を行う外管と、当該外管の内方に同軸となるように配置された内管とを有し、外管と内管との間の隙間に液体の下降流路が形成されている。これにより、下降流路を流下する液体は、地熱資源との間で熱交換が行われて昇温し、内管内を上昇する。上昇した液体は、地上部で発電機に接続された蒸気タービンを駆動したのちに低温低圧の蒸気となり、再度二重管外側流路に供給される。
このような、作動媒体である液体を循環利用する二重管を用いた熱交換器は、地熱資源を利用するのみで不純物を大量に含む地熱蒸気や熱水を直接利用するものではない。このため、効率よく発電することができるとともに、発電設備の早期劣化を抑制することができる。
特開2014−227962号公報
しかし、作動媒体として一般に用いられる、ペンタンやアンモニア水等の低温で沸騰する液体は危険物であるとともに、外管内における下端部近傍では圧力の高い状態となっている。したがって、外管内の下降流路を流下する作動媒体が、外管の連結継ぎ目等から地盤へ漏えいすることのないよう、十分な対策を講じる必要がある。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させる作動媒体の、蒸気発生装置からの漏液を抑止することが可能で、かつ効率よく発電に適した温度まで作動媒体を昇温さえることの可能な、蒸気発生装置および蒸気発生装置を備えた発電システムを提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の蒸気発生装置は、蒸気タービン式発電装置に用いる蒸気発生装置であって、地盤中に設置され底板を有する筒体よりなり、少なくとも地熱資源と隣接する領域を含む中空部の底部から所定の高さに至る範囲に、水密区画が設けられた漏液保護管と、略U字状の単管よりなり、少なくとも折曲げ部が前記水密区画に配置されるよう前記漏液保護管の中空部に挿入され、前記作動媒体を、前記蒸気タービン式発電装置に供給する作動媒体出口および前記蒸気タービン式発電装置から流入させる作動媒体入口を備える蒸気発生管と、を備え、前記漏液保護管の水密区画に、前記作動媒体の液漏れを検知する漏液検知装置を備えることを特徴とする。
上記の蒸気発生装置によれば、作動媒体が、地盤深くに位置し高圧となる蒸気発生管の折曲げ部近傍から漏液することがあった場合にも、漏液保護管の水密区画内に封止されるため、周辺地盤へ漏出することを抑止できる。これにより、危険物であるものの、発電効率の向上に寄与するペンタン等の低温で沸騰する液体を、作動媒体として安全に活用することが可能となる。
また、蒸気発生管の折曲げ部を配置した漏液保護管内の水密区画が、水を介して蒸気発生管内の作動媒体と地熱資源との間で熱交換を行う熱交換エリアとして機能する。このため、蒸気発生管の折曲げ部の形状を適宜変更し、水密区画に配置される蒸気発生管の長さが長く確保することにより、地熱資源が低温であっても効率よく水を介して作動媒体との熱交換を行って、作動媒体を発電に最適な所望の温度とすることが可能となる。
これにより、水密区画を構築する漏液保護管の高さ範囲は、地熱資源の高温度帯域の中でも比較的低温である浅部に接触させてもよいため、地熱資源の高温度帯域を深く掘り下げる必要がなく、施工性が向上するとともに漏液保護管および蒸気発生管に生じやすい高温腐食の進行を遅滞させることが可能となる。
さらに、漏液保護管内の水密区画に漏液検知装置を備えることから、蒸気発生管から作業媒体の液漏れが生じた場合にも、早期の段階で液漏れを検知して改修等の液漏れ対策を講じることができるため、安全でかつ長期にわたって蒸気発生装置を稼働させることが可能となる。
前記蒸気発生装置は、前記水密区画の上方に気密区画が形成され、該気密区画に、前記作動媒体の液漏れを検知する漏液検知装置を備えるとともに、前記蒸気発生管が前記漏液保護管と間に間隔を設けて配置されることを特徴とする。
上記の蒸気発生装置によれば、前記水密区画の上方に気密空間が形成される。これにより、不慮の事態により作動媒体が、蒸気発生管のいずれの位置から漏液した場合にも、早期の段階で液漏れを検知できるとともに、液漏れした作動媒体を漏液保護管の水密区画もしくは気密区画内に封止できる。したがって、液漏れした作動媒体の、周辺地盤へ漏出や気中への拡散を、確実に抑止することが可能となる。
また、気密区画において、蒸気発生管と漏液保護管との間に空気層が形成されるため、熱交換エリアとして機能する水密区画を通過した後の作業媒体が水密区画で得た熱量を、蒸気発生管内を上昇する途中で地山に奪われることがない。また、略U字状の蒸気発生管では、折曲げ部の両側からそれぞれ延在する一般部どうしも間隔を有して配置されるため、水密区画を通過した後の作業媒体が水密区画で得た熱量を、蒸気発生管内を上昇する途中で、水密区画に向かって流下する作業媒体に奪われることもない。
このように、水密区画を通過した後の作動媒体は、水密区画にて得た発電可能な程度にタービンを回転させるための熱量の一部を、蒸気発生管内を上昇する途中で無駄に消失することが回避される。これにより、発電に適した温度を確実に維持しつつ、蒸気タービン式発電装置に供給することが可能となる。
上記の蒸気発生装置を備えた地熱発電システムは、前記蒸気発生装置より供給された前記作動媒体にて、前記蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させて発電することを特徴とする。
上記の地熱発電システムによれば、漏液保護管を備えた蒸気発生装置を利用して、蒸気タービン式発電装置に作動媒体を供給し発電する。これにより、作業媒体の周辺地盤への漏出や気中への拡散を確実に抑止できるため、作動媒体として低温で沸騰する液体を採用し、蒸気タービン式発電装置における発電効率を大幅に向上しつつ、安全に発電することが可能となる。
本発明によれば、漏液検知装置を備え、かつ熱交換エリアとして機能する水密区画を漏液保護管内に設け、当該漏液保護管内に蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させる作動媒体の循環路となる蒸気発生管を挿入配置することから、作業媒体が地中へ漏液することを抑止することが可能で、かつ効率よく発電に適した温度まで作業媒体を昇温することの可能となる。
本実施の形態の地熱発電システムの概略を示す図である。 本実施の形態の蒸気発生装置に備える漏液検知装置の詳細を示す図である。 本実施の形態の蒸気発生装置に備える蒸気発生管の折曲げ部の他の事例を示す図である。
本発明の蒸気発生装置は、蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させて発電する際に用いる作動媒体を供給するための装置であり、蒸気タービン式発電装置とともに地熱発電システムを構成するものである。以下に、本発明の蒸気発生装置および蒸気発生装置を備えた地熱発電システムを、図1〜図3を用いて説明する
まず、蒸気発生装置1とともに地熱発電システム10を構成する蒸気タービン式発電装置2におよび作動媒体3について説明する。図1で示すように、蒸気タービン式発電装置2は、気水分離器21、タービン22、発電機23、復水器24、循環水タンク25及びポンプを備えており、地熱発電に広く採用されているバイナリー式の発電装置と同様の設備である。
また、地熱発電システム10に用いる作動媒体3は、蒸気となってタービン22を回転することができる流体であればいずれでもよいが、本実施の形態では、ペンタン・イソブタンといった有機物質、代替フロン、アンモニア・水混合液など危険物であるものの、低温で沸騰する物質を採用する。
上述する蒸気タービン式発電装置2との間で作動媒体3が循環される蒸気発生装置1は、蒸気タービン式発電装置2のタービン22を回転させた後の作動媒体3が供給されると、供給された作動媒体3と地熱資源4との間で熱交換をさせたのち、発電に適した温度となった作動媒体3を再度、蒸気タービン式発電装置2に供給する装置である。
蒸気発生装置1は、作動媒体3の循環路を形成する蒸気発生管5と、蒸気発生管5を収納する筒状体よりなる漏液保護管6とを備えている。
蒸気発生管5は、従来の地熱井に用いられている耐高温腐食性の鋼管を、略U字状に折曲げて製造したものであり、折曲げ部51と、折曲げ部51の両側からそれぞれ、鉛直方向上向きに延在する一般部を有する。このような形状の蒸気発生管5は、一般部が間隔を設けて隣り合う態様で、その端部各々を地表面上に露出させた状態で、地盤中に配置されている。
そして、地上に露出する一方の端部には、作動媒体3を蒸気タービン式発電装置2に供給するための作動媒体出口55が形成され、他方の端部には、作動媒体3を蒸気タービン式発電装置2から流入させるための作動媒体入口52が形成されている。したがって、作動媒体入口52と折曲げ部51との間に位置する一般部は、作動媒体3の作動媒体入口路53となり、折曲げ部51と作動媒体出口55の間に位置する一般部は、作動媒体出口路54となる。
一方、蒸気発生管5を収納する漏液保護管6は、蒸気発生管5と同様に耐高温腐食性の鋼管よりなり、蒸気発生管5を収納するような態様で、地盤中に鉛直状に貫入されている。そして、その底部は底板61によって閉塞されるとともに、上端部は蓋材62により密閉され、さらに中空部の所定高さ位置には仕切り板63が設置されている。
蓋材62と仕切り板63にはそれぞれ、蒸気発生管5の作動媒体入口路53および作動媒体出口路54が貫通可能な孔が2つ設けられている。つまり、漏液保護管6の中空部は仕切り板63により上下に区画されており、この上下各々の空間に跨るようにして、作動媒体入口路53および作動媒体出口路54が配置される。
本実施の形態では、漏液保護管6に管径の異なる2種類の鋼管を採用し、小径鋼管の上方に大径鋼管を同軸上に配置することで、漏液保護管6を構成している。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、漏液保護管6を1つの鋼管で製造し、水密区画7と気密区画24の断面積を同じ大きさに形成してもよい。また、蓋材62と仕切り板63はそれぞれ、漏液保護管6に対していずれの手段にて固定してもよいが、本実施の形態では、漏液保護管6に対して蓋材62を溶接により気密に固定し、また、パッカー64を介して漏液保護管6に仕切り板63を液密に固定している。
このような構成の蒸気発生装置1は、漏液保護管6の仕切り板63より下方の空間に、地熱資源4との間で効率よく熱交換を行うことの可能な水71が充填されて水密区画7を形成している。これにより水密区画7は水71を介して、蒸気発生管5内を循環路とする作動媒体3と地熱資源4との間で熱交換が行われる領域として機能する。一方、仕切り板63より上方の空間には、熱の伝達量が小さい空気81を充填し、気密区画8を形成している。これにより気密区画8は空気81によって、蒸気発生管5内を循環路とする作動媒体3の熱が周辺地盤に放熱されることのない、断熱領域として機能する。
なお、気密区画8は空洞のままでもよいが、蒸気発生管5が安定して設置されるよう、空気81を保持可能な多孔質材料を配置する構成としてもよい。また、気密区画8を充填する充填物は、必ずしも空気81に限定されるものではない。熱を伝達しにくく、地盤や気中に漏出しても害を及ぼすことのない物質であれば、いずれの充填材を充填してもよい。さらに、水密区画7を充填する液体も、必ずしも水71に限定されるものではない。地熱資源4との間で効率よく熱交換を行うことが可能で、かつ地盤に漏出しても害を及ぼすことのない物質であれば、いずれの液体を水密に充填してもよい。
ところで、これら水密区画7および気密区画8は、上述する機能だけにとどまらず、蒸気発生管5を循環路とする作動媒体3が、不慮の事態により蒸気発生管5から漏液することがあった場合に、作動媒体3を漏液保護管6内に封止して周辺地盤への漏出や気中への拡散を抑止する機能を有する。
そこで、本実施の形態では、水密区画7に液中漏液検知装置91を設置するとともに、気密区画8に気中漏液検知装置92を設置することにより、作動媒体3の漏液を監視し検知することの可能な構成としている。
図1および図2で示すように、水密区画7に設置する液中漏液検知装置91は、漏液保護管6の蓋材62および仕切り材63を貫通し、下端が水密区画7に配置され上端が地上に配置された筒状の計量管911を備えるとともに、計量管の上端に少なくとも液圧計912、水温計913および液質センサ914が設置されている。これらを用いて、水密区画7内の液圧変動、温度変化、液質の変化を常時モニタリングすることにより、水密区画7内における作動媒体3の漏液を検知する。
一方、気密区画8に設置する気中漏液検知装置92は、漏液保護管6の蓋材62を貫通し、下端が気密区画8に配置され上端が地上に配置された筒状の計量管921を備えるとともに、計量管の上端に少なくとも図示しない気圧計、温度計およびガスセンサが設置されている。これらを用いて、気密区画8の気圧変動、温度変化、ガス質の変化を常時モニタリングすることにより、気密区画8内における作動媒体3の漏液を検知する。
上述する構成の蒸気発生装置1により、蒸気発生管5の作動媒体入口52から供給された作動媒体3は、作動媒体入口路53を流下することにより気密区画8を通過したのち、水密区画7において水7を介して地熱資源4との間で熱交換が行われる。このとき、水密区画7は地盤深くに位置するため、蒸気発生管5における折曲げ部51近傍の作動媒体3が高圧状態となりやすく、蒸気発生管5からの漏液が生じやすい環境にある。
しかし、漏液することがあった場合にも作動媒体3は、液中漏液検知装置91により早期の段階で検知さえるとともに、漏液保護管6の水密区画7内に封止されるため、周辺地盤へ漏出することを抑止できる。
熱交換により折曲げ部51近傍で蒸気と高温の液体が混合した状態となった作動媒体3は、作動媒体出口55に向かって作動媒体出口路54を上昇し、気密区画8を通過する。地山は、地表に近づくにつれてその温度が低下するが、作動媒体出口路54と漏液保護管6との間には、図1で示すように、空気層が存在する。このため、作動媒体出口路54を上昇する作動媒体3は、水密区画7で得た熱量を地山に奪われることがない。また、作動媒体出口路54と作動媒体入口路53との間にも同じく空気層が存在するため、作動媒体出口路54を上昇する作動媒体3が、作動媒体入口路53を流下する作動媒体3に熱量を奪われることもない。
このように、水密区画8を通過した後の作動媒体3は、水密区画8にて得た発電可能な程度にタービン22を回転させるための熱量の一部を、作動媒体出口路54を上昇する途中で無駄に消失することが回避される。これにより、発電に適した温度を維持しつつ作動媒体出口55から蒸気タービン式発電装置2へ、作動媒体3供給することが可能となる。
なお、気密区画8において不慮の事態により、作動媒体出口路54または作動媒体入口路53から作動媒体3が漏液した場合にも、気中漏液検知装置92により早期の段階で検知されるとともに気密区画8に封止されるため、周辺地盤へ漏出や気中への拡散を確実に抑止することが可能となる。
こうして、蒸気発生装置1と蒸気タービン式発電装置2によりなる地熱発電システム10では、蒸気発生装置1の水密区画7にて熱交換された作動媒体3が、作動媒体出口55を介して蒸気タービン式発電装置2に供給され、気水分離器21を通過することにより蒸気と高温の液体に分離された後、蒸気のみがタービン22に送られて発電機23を回して発電する。なお、高温の液体は、復水器24に供給される。
一方、タービン22を回した作動媒体3は復水器24に供給され、気水分離器21にて分離された作動媒体3の高温の液体とともに、冷却水により凝縮されて液体となり、循環水タンク25に送られた後、ポンプ圧送により作動媒体入口52を介して蒸気発生装置1に流入し、同様の処理を繰り返す。こうして地熱発電システム10は、蒸気発生装置1と地熱発電設備2との間で作動媒体3を循環させながら、発電することとなる。
なお、作動媒体3にてタービン22を回転し発電するためには、蒸気タービン式発電装置2に供給される直前の作動媒体3の温度に、少なくとも150℃以上が要求される。このため、熱交換エリアとして機能する水密区画7の体積、水密区画7に配置される蒸気発生装置1の長さは、作動媒体3を発電に最適な所望の温度まで上昇させることが可能な大きさとなるよう設定する。
これら水密区画7の体積および水密区画7に配置される蒸気発生装置1の長さを設定するにあたっては、作動媒体入口52に流入する際の作動媒体3の温度、水密区画7近傍における地熱資源4の温度、蒸気タービン式発電装置2が発電するべき発電量(一般には約2000Kw)、作動媒体3を気水分離器21に供給した際に得られる蒸気量(一般には作動媒体3全体に対して約20%)、水密区画7を通過する作動媒体3の流速、作動媒体3として採用する液体の種類等を考慮するとよい。
また、一般に、地熱資源4と作動媒体3との間で熱交換を行う際に介在する水密区画7内の温度は、150℃を超え200℃を超えない程度の範囲が好ましい。これは、150℃より低い場合、作動媒体3に対して発電可能な程度に前記タービン22を回転させるための熱量を伝導することが困難であり、200℃を大きく超えると、蒸気発生装置1をなす漏液保護管6および蒸気発生管5の高温腐食が早期に進行しやすいことによる。
さらに、水密区画7に設置する液中漏液検知装置91および気密区画8に設置する気中漏液検知装置92に警報機能を付与して漏液をモニタリングしておき、水密区画7もしくは気密区画8にて漏液が検知された場合には、地熱発電システム10の運転を停止させる等の制御を可能にしておくとよい。こうすると、蒸気発生管5から作業媒体3の漏液が生じた場合に、早期の段階で改修等の対策を講じることができるため、安全でかつ長期にわたって蒸気発生装置および地熱発電システム10を稼働させることが可能となる。
本発明の蒸気発生装置1および地熱発電システム10は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、図1で示すように、蒸気発生管5の折曲げ部51について、水平直線部を有する形状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図3で示すような蛇腹状やコイル状等、水密区画7に位置する蒸気発生管5の長さを長く確保できる形状に製造し、蒸気発生管5と水71との接触距離を長くとることのできる構造にするとよい。こうすると、地熱資源4が低温であっても、効率よく水71を介して作業媒体3と地熱資源4との熱交換を行って、作動媒体3を発電に最適な所望の温度とすることが可能となる。
また、本実施の形態では、作動媒体入口路53、折曲げ部51、作動媒体出口路54の管径を一律としたが、折曲げ部51に対して作動媒体出口路54の管径を大きくしてもよい。こうすると、折曲げ部51から作動媒体出口路54に流入する作動媒体3は、より確実に減圧されて効率よく沸騰して蒸気となる。このため、作動媒体出口路54を上昇する作動媒体3の上昇速度を速めることが可能となる。
さらに、作動媒体入口路53および作動媒体出口路54は、必ずしも鉛直に配置することに限定されるものではなく、傾斜状や曲線状に配置する構成としてもよく、また、気密空間8は必ずしも設けなくてもよい。
加えて、本実施の形態では、作動媒体3を蒸気発生装置1と蒸気タービン式発電装置2との間で循環させたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、循環水タンク25において、使用後の作動媒体3と新たな作動媒体3の入れ替えを行ってもよい。
1 蒸気発生装置
2 蒸気タービン式発電装置
21 気水分離器
22 タービン
23 発電機
24 復水器
25 循環水タンク
3 作動媒体
4 地熱資源
5 蒸気発生管
51 折曲げ部
52 作動媒体入口
53 作動媒体入口路
54 作動媒体出口路
55 作動媒体出口
6 漏液保護管
61 底板
62 蓋材
63 仕切り材
64 パッカー
7 水密区画
71 水
8 気密区画
81 空気
91 液中漏液検知装置
911 計量管
912 液圧計
913 水温計
914 液質センサ
92 気中漏液検知装置
921 計量管
10 地熱発電システム

Claims (3)

  1. 蒸気タービン式発電装置に用いる蒸気発生装置であって、
    地盤中に設置され底板を有する筒体よりなり、少なくとも前記地熱資源と隣接する領域を含む中空部の底部から所定の高さに至る範囲に、水密区画が設けられた漏液保護管と、
    略U字状の単管よりなり、少なくとも折曲げ部が前記水密区画に配置されるよう前記漏液保護管の中空部に挿入され、前記作動媒体を、前記蒸気タービン式発電装置に供給する作動媒体出口および前記蒸気タービン式発電装置から流入させる作動媒体入口を備える蒸気発生管と、を備え、
    前記漏液保護管の水密区画に、前記作動媒体の液漏れを検知する漏液検知装置を備えることを特徴とする蒸気発生装置。
  2. 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
    前記蒸気発生装置は、前記水密区画の上方に気密区画が形成され、
    該気密区画に、前記作動媒体の液漏れを検知する漏液検知装置を備えるとともに、前記蒸気発生管が前記漏液保護管と間に間隔を設けて配置されることを特徴とする蒸気発生装置。
  3. 請求項1または2に記載の蒸気発生装置を備えた地熱発電システムであって、
    前記蒸気発生装置より供給された前記作動媒体にて、前記蒸気タービン式発電装置に備えたタービンを回転させて発電することを特徴とする地熱発電システム。
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