JP2018053060A - 炭素質燃料のガス化方法、製鉄所の操業方法およびガス化ガスの製造方法 - Google Patents

炭素質燃料のガス化方法、製鉄所の操業方法およびガス化ガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭素質燃料を高い収率でガス化できる炭素質燃料のガス化方法、炭素質燃料から高い収率でガス化ガスを製造できるガス化ガスの製造方法、および、炭素質燃料を高い収率でガス化して用いる製鉄所の操業方法を提供する。【解決手段】 ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することにより、もしくは、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、この課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、石炭などの炭素質燃料をガス化する、炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法、および、製鉄所の操業方法に関する。
石炭などの炭素質燃料をガス化して高発熱量の生成ガスに変換する方法は、過去、多くの技術が開示されてきた。
例えば、特許文献1には、石炭ガス化炉で生成した生成ガスの一部を抜出して、抜き出した生成ガスを酸素で燃焼させてCO2とH2Oに変換し、このCO2とH2Oとの混合ガスを石炭ガス化炉に石炭を供給する搬送ガスとする石炭ガス化設備が開示されている。
特許文献1の石炭ガス化設備では、このような構成を有することにより、N2で石炭を搬送する場合と比較して、生成ガスの燃焼熱を高めている。
また、特許文献2には、純酸素を供給するガス化炉であって、ガス化炉に製鋼炉から発生するCO2を含む製鉄副生ガスを供給して、石炭ガス化で生成するチャーと製鉄副生ガス中のCO2との反応により生成するCOによって、生成ガスを改質して発熱量を増加させる方法が開示されている。
特開2000−355693号公報 特開2007−9069号公報
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の設備は、ガス化炉で生成した生成ガスの一部を抜出して酸素で燃焼させてCO2とH2Oに変換し、このCO2とH2O混合ガスを石炭の搬送ガスとする。
そのため、搬送ガスとしてガス化炉内に供給されるCO2とH2Oの比率を任意に制御することができない。その結果、下記の式(1)および式(2)の各反応量を制御して、生成ガスを高い収率で製造することができない。
C+CO2 → 2CO (1)
C+H2O → CO+H2 (2)
また、特許文献2に記載の方法は、製鉄副生ガス中のCO2およびガス化炉で得られるチャーによって、上記式(1)によって生成ガスを改質する方法であり、製鉄副生ガス中のCO2濃度に依存して改質効率が決まる方法である。
そのため、生成ガスを高い収率で製造することができない問題点を有することは、特許文献1に記載の設備と同じである。
したがって本発明の目的は、炭素質燃料を高い収率でガス化できる炭素質燃料のガス化方法、炭素質燃料から高い収率でガス化ガスを製造できるガス化ガスの製造方法、および、炭素質燃料を高い収率でガス化して利用する製鉄所の操業方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、炭素質燃料のガス化において、ガス化炉に、空気、酸素富化空気、酸素から選ばれる酸化剤に加え、製鉄副生ガスおよび過剰なスチームを供給することが有効であることを見出した。
また、本発明者らは、炭素質燃料のガス化において、ガス化炉に、空気、酸素富化空気、酸素から選ばれる酸化剤に加え、製鉄副生ガスに過剰なスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスを供給することも有効であることも見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
すなわち、本発明の炭素質燃料のガス化方法の第1の態様は、炭素質燃料をガス化するにあたり、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することを特徴とする炭素質燃料のガス化方法を提供する。
また、本発明の炭素質燃料のガス化方法の第2の態様は、炭素質燃料をガス化するにあたり、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することを特徴とする炭素質燃料のガス化方法を提供する。
このような本発明の炭素質燃料のガス化方法において、前記製鉄副生ガスが、高炉ガス、シャフト炉ガスおよび冶金炉発生排ガスから選ばれる1種以上であるのが好ましい。
また、前記製鉄副生ガスは、CO濃度が5vol%以上で、N2濃度が60vol%以下であるのが好ましい。
さらに、前記炭素質燃料が、泥炭、褐炭および亜瀝青炭から選ばれる1種以上であるのが好ましい。
また、本発明のガス化ガスの製造方法の第1の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給して、前記炭素質燃料をガス化することを特徴とするガス化ガスの製造方法を提供する。
また、本発明のガス化ガスの製造方法の第2の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給して、前記炭素質燃料をガス化することを特徴とするガス化ガスの製造方法を提供する。
また、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明の第1の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法を提供する。
また、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明の第2の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法を提供する。
また、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明の第1の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法を提供する。
さらに、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明の第2の態様は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法を提供する。
本発明の炭素質燃料のガス化方法およびガス化ガスの製造方法によれば、炭素質燃料を高い収率でガス化することができ、炭素質燃料のガス化を低コストで行い、生成ガス(ガス化ガス)を安価に製造できる。また、本発明の製鉄所の操業方法によれば、炭素質燃料を高い収率でガス化して、生成したガスを製鉄所のエネルギー源や酸化鉄の還元に用いることにより、製鉄所における操業コストを低減できる。
本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の一例を説明するための概念図である。 本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の別の例を説明するための概念図である。
以下、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法、および、製鉄所の操業方法について、添付の図面に示される好適例を基に詳細に説明する。
図1および図2に、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法、および、製鉄所の操業方法を説明するための概念図を示す。図1は、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の第1の態様に対応するものであり、図2は、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の第2の態様に対応するものである。
なお、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明は、図1あるいは図2に示す方法で生成した生成ガスを、製鉄所におけるエネルギーの少なくとも一部として用いるものであり、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明は、図1あるいは図2に示す方法で生成した生成ガスを、製鉄所での酸化鉄の還元における還元材の少なくとも一部として用いるものである。
本発明は、このような構成を有することにより、石炭等の炭素質燃料をガス化して生成した生成ガス(ガス化ガス)を、高収率で製造できる。
以下の説明では、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の第1の態様を、まとめて『本発明の第1の態様』とも言う。また、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法の第2の態様を、まとめて『本発明の第2の態様』とも言う。
本発明は、石炭等の炭素質燃料をガス化するものである。
本発明の第1の態様においては、炭素質燃料が供給されるガス化炉10に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、製鉄副生ガスおよび過剰のスチーム(水蒸気)とを供給することにより、炭素質燃料をガス化する。
また、本発明の第2の態様においては、ガス化炉10に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、製鉄副生ガスに過剰のスチームを供給してシフト変性することによって生成したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、炭素質燃料をガス化する。
以下の説明では、『製鉄副生ガスおよびスチーム』と『シフト変性製鉄副生ガス』とを区別する必要がない場合には、両者を『ガス化剤』とも言う。
図1に示す本発明の第1の態様において、ガス化炉10には、炭素質燃料を供給するための原料供給管12、製鉄副生ガスおよびスチームを供給するためのガス化剤供給管14、酸化剤を供給するための酸化剤供給管16、灰分を排出するための排出口18、および、生成ガスを回収するための回収管20が設けられる。回収管20には、サイクロン24が接続され、サイクロン24の固形分の排出口は、連結管26によってガス化炉10に接続されている。
他方、図2に示す本発明の第2の態様においては、ガス化炉10のガス化剤供給管14に、シフト変性器30が接続され、このシフト変性器30に、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームが供給され、シフト変性器30でシフト変性した製鉄副生ガス(シフト変性製鉄副生ガス)が、ガス化剤供給管14からガス化炉10に供給される。
本発明において、ガス化炉10には制約はない。従って、ガス化炉10は、固定床式、流動床式、噴流床式などの各種形式のガス化炉を用いることができる。従って、例えば、流動層式ガス化炉であれば、一般的な気泡流動層の他に、高速流動層、外部循環流動層、内部循環流動層など、公知の各種形式の流動層ガス化炉を用いることができる。
ガス化原料となる炭素質燃料は、図示しない供給器によって所定量が切り出されて、原料供給管12からガス化炉10内に、連続的あるいは断続的に定量供給される。
ガス化原料となる炭素質燃料としては、石炭、バイオマス、廃タイヤや廃プラスチック等の廃棄物類等、公知の各種の炭素質燃料を用いることができる。
中でも、炭素質燃料は、泥炭、褐炭、亜瀝青炭から選ばれる1種以上であるのが好ましい。泥炭や褐炭や亜瀝青炭は、比較的ガス化し易い炭素質燃料であると共に、比較的安価で、かつ、大量に存在する資源であるため、好ましく用いられる。
ガス化炉10として、流動床式のガス化炉等を用いる場合には、炭素質燃料は、ガス化炉10の内部で適正に流動化して、ガス化炉10の内部で均一に分布するよう、粒径を0.1〜10mmに粉砕・分級するのが好ましく、粒径を0.5〜8mmの範囲に粉砕・分級するのがより好ましい。
炭素質燃料の粒径が0.1mmより細かいと、炭素質燃料が飛散してしまう可能性があり、さらに、酸化剤および/またはガス化剤の送風動力が大きくなってしまう可能性が有る。炭素質燃料の粒径が10mmより大きいと、炭素質燃料が流動化しなくなり、生成ガス収率が低下するため、好ましくない。
本発明においては、炭素質燃料は、図1および図2に示すように、ガス化剤(製鉄副生ガス、あるいは、シフト変性製鉄副生ガス)よりも上部に供給することが好ましい。これにより、炭素質燃料が効率良くガス化剤と接触し、高い収率で生成ガスが得られる。
本発明において、炭素質燃料の供給方式には制約はなく、乾式供給でもよく、水スラリー等を用いる湿式供給でもよい。
炭素質燃料の供給量にも制約はなく、ガス化炉の大きさや供給できる製鉄副生ガス、あるいは、シフト変性製鉄副生ガスの量等に応じて、炭素質燃料のガス化を適正に行える供給量を、適宜、設定すればよい。
また、本発明においては、炭素質燃料を直接流動化させるため、流動媒体を用いてもよい。
流動媒体を用いる場合は、アルミナ粉、マグネシア粉、生石灰粉、石灰石粉、珪砂などガス化反応条件下で安定なものであれば、任意の流動媒体を用いることができる。流動媒体を用いる場合は、粒径を20〜2000μmに揃えるのが好ましく、粒径を30〜1000μmに揃えるのがより好ましい。流動媒体の粒径が20μm未満の場合は、ガス化炉10から飛散する流動媒体が多くなってしまい、コスト高になる可能性がある。流動媒体の粒径が2000μmより大きい場合は、酸化剤等の供給量によっては、安定した流動層を形成できない可能性がある。
酸化剤は、酸化剤供給管16から供給される。
酸化剤としては、空気、酸素富化空気、酸素から選ぶことができる。なお、本発明において、酸素とは純酸素のことを意味する。なお、酸素富化空気については、酸素濃度に特別な制約はない。
また、酸化剤の供給量は、ガス化炉の大きさ、炭素質燃料の供給量や種類などに応じて、適宜、選択すればよい。
前述のように、図1に示す本発明の第1の態様において、ガス化剤供給管14には、製鉄副生ガスおよび過剰なスチームが供給される。なお、過剰なスチームとは、後述する式(3)において、製鉄副生ガスに含まれるCOに対して過剰の量という意味である。
製鉄副生ガスには、COおよびH2Oが含まれる。また、ガス化炉10内は、高温である。従って、製鉄副生ガスおよびスチームをガス化炉10に供給すると、ガス化炉10内が高温で、かつ、スチームが存在することから、ガス化炉10の内部で式(3)のシフト反応が進行し、製鉄副生ガスに含有されるCOおよびH2Oから、CO2およびH2が生成する。
CO+H2O → CO2+H2 ・・・ 式(3)
従って、ガス化炉10内は、結果的に、シフト変性で生成されたCO2およびH2に加え、過剰に添加したスチームの余剰分のH2Oが供給された場合と同様の状態となる。
他方、前述のように、図2に示す本発明の第2の態様において、ガス化剤供給管14にはシフト変性器30が接続される。
図2に示す例において、シフト変性器30に製鉄副生ガスおよび過剰のスチームが、共に公知の方法で流量を調節されて供給される。なお、必要に応じて、製鉄副生ガス、もしくは、水蒸気、もしくは、製鉄副生ガスと水蒸気との混合ガスを予熱してもよい。
また、ガス化剤供給管14すなわちガス化炉10には、シフト変性器30でシフト変性された製鉄副生ガス(シフト変性製鉄副生ガス)が供給される。
シフト変性器30に製鉄副生ガスおよび過剰のスチームが供給されると、シフト変性器30内において、前述の式(3)のシフト反応が進行して、製鉄副生ガスに含有されるCOおよびH2OからCO2およびH2が生成する。
従って、シフト変性製鉄副生ガスには、シフト変性で生成されたCO2およびH2に加え、過剰に添加したスチームの余剰分のH2Oが含まれる。
すなわち、前述の図1に示す例と同様、図2に示す例においても、ガス化炉10には、CO2、H2およびH2Oが供給される。
なお、シフト変性器30には制約はなく、固定床反応器、流動床反応器など、シフト変性反応を行うことができる公知の反応器を用いることができる。
シフト変性器30には、通常、市販のシフト触媒が充填される。なお、シフト触媒としては低温シフト触媒と高温シフト触媒とが有るが、本発明では、そのどちらも用いることができる。
シフト反応は比較的反応速度の速い反応であるので、図1に示す本発明の第1の態様のように、ガス化炉10に製鉄副生ガスおよびスチームを供給し、ガス化炉内部でシフト反応を進行させることが可能である。
しかしながら、ガス化炉10の滞留時間を長くできないような場合、および/または、シフト反応を厳密に制御したい場合などには、図2に示す本発明の第2の態様のように、シフト変性器30を外部に設置して、シフト変性器30に製鉄副生ガスおよび過剰のスチームを供給して、シフト変性器30で生成したシフト変性製鉄副生ガスをガス化炉10に供給するのが好ましい。
前述のように、図1に示す本発明の第1の態様においては、ガス化炉10に製鉄副生ガスおよび過剰のスチームを供給することで、ガス化炉10内にはCO2、H2およびH2Oが供給された状態となる。また、図2に示す本発明の第2の態様においては、ガス化炉10にはCO2、H2およびH2Oを含むシフト変性製鉄副生ガスが供給される。
さらに、ガス化炉10には、酸化剤供給管16から、空気、酸素富化空気および酸素から選択される酸化剤が供給される。
前述のように、ガス化原料である炭素質燃料は原料供給管12から、連続的あるいは断続的に、ガス化炉10の内部に定量供給される。ガス化炉10の内部に供給された炭素質燃料は、CO2、H2およびH2Oと、酸化剤とによって、ガス化される。
ガス化炉10内においては、CO2およびH2に加え、H2Oや、生成したH2と酸化剤との反応で生成したにH2Oよって、下記の式(4)〜式(7)のような各種の改質反応や、式(8)のような水素化分解反応で、炭素質燃料のガス化が進行すると考えられる。なお、下記の式では、炭素質燃料の分解で生成した炭化水素を、CH4およびC26で代表している。
C+CO2 → 2CO ・・・ 式(4)
C+H2O → CO+H2 ・・・ 式(5)
CH4+CO2 → 2CO+2H2 ・・・ 式(6)
CH4+H2O → CO+3H2 ・・・ 式(7)
26+H2 → 2CH4 ・・・ 式(8)
ここで、本発明の第1の態様においては、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームをガス化炉10に供給することにより、ガス化炉10内において式(3)のシフト反応が生じる。また、本発明の第2の態様においては、製鉄副生ガスをシフト変性して生成したシフト変性製鉄副生ガスをガス化炉10に供給する。従って、本発明においては、ガス化炉10には、製鉄副生ガスのシフト変性によって生成されるH2が供給される。
そのため、本発明では、特に上記式(8)に示される水素化分解反応が好適に進行し、生成ガスとはならない常温で液体や固体の炭素数の大きな炭化水素が、水素化分解反応によって、炭素数が4(ブタン)以下の常温で気体の炭化水素となる。
その結果、本発明によれば、炭素質燃料を高い収率でガス化することができる。
さらに、本発明においては、炭素質燃料のガス化に製鉄副生ガスを用いる。
そのため、本発明によれば、製鉄所において副次的に発生した製鉄副生ガスを、そのまま用いることができるので、非常に効率がよく、また、炭素質燃料のガス化に用いるガス化剤を安価にできる。
製鉄副生ガスは、CO濃度が5vol%以上で、N2濃度が60vol%以下であるのが好ましい。
製鉄副生ガスのCO濃度を5vol%以上とすることにより、シフト変性によって得られるガス化剤中のH2およびCO2の濃度を充分に高くして、生成ガス収率を向上できる。また、製鉄副生ガスのN2濃度を60vol%以下とすることにより、充分な気体燃料の燃焼熱を得られると共に、シフト反応速度も向上できる。
製鉄副生ガスの具体例としては、上述した好ましいガス組成の観点から、特に高炉ガスやシャフト炉ガス(一般的なガス組成は、CO:10〜30vol%、CO2:10〜30vol%、N2:30〜55vol%、H2:0〜10vol%)が好ましい。
また、製鉄副生ガスとしては、高炉ガスやシャフト炉ガス以外のCOを含有する製鉄副生ガスを用いてもよいが、上述した好適範囲のガス組成を有するものが好ましい。このような製鉄副生ガスとしては、転炉ガスなどの冶金炉発生排ガスを好適に用いることができる。これ以外にも、製鉄所内の燃焼炉から排出される排ガスも利用可能である。
以上のような製鉄副生ガスは、1種を単独で若しくは2種以上を混合して用いることができる。
他方、スチームは、本発明を実施する工場等の設備内の蒸気配管からスチームを供給するのが、最も簡便である。あるいは、水を気化して、ガス化炉10専用のスチームとして供給してもよい。
スチームの圧力には制約はなく、低圧、中圧、高圧の各種のスチームが使用できる。また、スチームは、飽和スチームであっても、過飽和スチームであってよい。
本発明において、炭素質燃料と反応するH2、CO2およびH2Oの濃度に制約はない。
すなわち、本発明の第1の態様においては、ガス化炉10に供給する製鉄副生ガスおよびスチームに起因するH2、CO2およびH2Oの濃度に制約はない。また、本発明の第2の態様においては、シフト変性製鉄副生ガスに含まれるH2、CO2およびH2Oの濃度に制約はない。
ここで、生成ガスの収率を確保する一方で、生成ガス中のCO2の残留を抑えるなどの観点から、H2O濃度は5〜70vol%程度であるのが好ましい。また、生成ガスの収率を確保する観点から、H2濃度およびCO2濃度は、共に、3vol%以上であるのが好ましい。また、同様の観点から、炭素質燃料と反応するH2、CO2およびH2Oの好ましい組成は、H2O:20〜70vol%、H2:5〜40vol%、CO2:5〜40vol%である。
従って、本発明の第1の態様においては、上記の各成分の濃度を実現できるように、ガス化炉10に供給する製鉄副生ガスとスチームとの量比を調節するのが好ましい。また、本発明の第2の態様においては、シフト変性製鉄副生ガスにおけるH2、CO2およびH2Oの濃度が上記の範囲を満たすように、シフト変性器30に供給する製鉄副生ガスとスチームとの量比を調節するのが好ましい。
なお、ガス化剤、および、ガス化剤に起因してガス化炉10内で生成されるガスには、これらの成分の他に、他の成分(例えば、N2など)が含まれることを妨げない。
また、本発明において、ガス化炉10への製鉄副生ガスおよびスチーム、あるいは、ガス化炉10へのシフト変性製鉄副生ガスの供給量には制約はなく、ガス化炉10の大きさや炭素質燃料の供給量等に応じて、炭素質燃料のガス化を適正に行える供給量を、適宜、設定すればよい。
図1および図2に示される例においては、酸化剤とガス化剤とを、別々の供給管(供給管)から供給している。本発明は、これに限定はされず、酸化剤とガス化剤とを同じ供給管から供給してもよい。
しかしながら、製鉄副生ガスあるいはシフト変性製鉄副生ガスと、酸化剤とを、同じ供給管から供給すると、供給管内で製鉄副生ガスあるいはシフト変性製鉄副生ガスが酸化されてしまうため、好ましく無い。従って、少なくとも製鉄副生ガスあるいはシフト変性製鉄副生ガスと、酸化剤とは、別々の供給管から供給するのが好ましい。
さらに、酸化剤は、ガス化剤よりも下方からガス化炉10に供給するのが好ましい。
前述のように、炭素質燃料は、ガス化剤よりも上部に供給することが好ましい。また、本発明においては、通常、酸化剤の供給量は、ガス化剤の供給量よりも多い。加えて、ガス化炉10内における生成ガスの流れは、下方から上方である。
そのため、供給量の多い酸化剤を、ガス化剤よりも下方から供給することにより、ガスの流速によって炭素質燃料の流動性を好適に確保できると共に、炭素質燃料、ガス化剤および酸化剤を効率良く混合して、ガス化を促進できる。
なお、本発明の第1の態様においては、製鉄副生ガスとスチームとを、別々の供給管から供給してもよい。さらに、スチームは、酸化剤と共に供給しても配管内で酸化することは無いので、本発明の第1の態様においては、スチームと酸化剤とを、同じ供給管から供給してもよい。
本発明において、炭素質燃料のガス化反応温度にも制約は無いが、ガス化反応温度は600〜1500℃が好ましく、800〜1200℃がより好ましい。
反応温度を600℃以上とすることにより、生成ガスの収率を向上できると共に、高粘性のタール状物質の副生も防止して、配管の閉塞などのトラブルの発生を防止できる。また、反応温度を1500℃以下とすることにより、燃焼熱の高い生成ガスを得ることができる。さらに、反応温度を1500℃以下とすることにより、ガス化炉に投入する熱源の量を抑制して、コストを低減できる点でも好ましい。
ガス化炉の加熱方法にも制約はなく、外熱式ヒーターを用いる方法、ガス化炉を被覆するジャケットに加熱媒体を供給して加熱する方法等、炭素質燃料のガス化におけるガス化炉の加熱に利用されている公知の方法で行えばよい。
ガス化炉10における炭素質燃料のガス化による生成ガス(ガス化ガス)は、回収管20から排出される。
ガス化炉10(回収管20)の下流には、サイクロン24が設けられる。炭素質燃料のガス化によって生成したチャーや未反応の炭素質燃料と、生成ガスとが、サイクロン24によって分離される。サイクロン24の固形分の排出口は、連結管26によってガス化炉10に接続されており、生成ガス収率を高くするために、生成ガスから分離されたチャーや未反応の炭素質燃料は、連結管26からガス化炉10に戻される。
なお、サイクロン24はガス化炉10の内部に設置しても、図示例のようにガス化炉10の外部に設置しても良い。また、直列多段のサイクロンとして、チャーなどの分離効率を高めてもよい。
さらに、サイクロン24の下流にバグフィルターなどの集塵機を設置して、分離効率を高めてもよい。サイクロン24の下流に配置された集塵機によって分離したチャーや未反応の炭素質燃料も、通常、生成ガス収率を高くするためにガス化炉に戻される。
炭素質燃料のガス化で生成する、炭素質燃料由来の灰分は、通常、ガス化炉の下部の排出口18から排出される。
本発明のガス化ガスの製造方法は、本発明の炭素質燃料のガス化方法と同様の処理を行って、ガス化ガスを製造するものである。
具体的には、本発明のガス化ガスの製造方法は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、第1の態様においては、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームを供給して、第2の態様においては、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスを供給して、炭素質燃料をガス化する、ガス化ガスの製造方法である。
後に実施例でも示すが、本発明によれば、炭素質燃料から、高い収率で生成ガスを得ることができる。そのため、本発明のガス化ガスの製造方法によれば、高い収率でガス化ガスを製造して、ガス化ガスの製造コストを低減できる。
また、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明は、本発明の炭素質燃料のガス化方法と同様の処理を行って生成したガスを、製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いるものである。
具体的には、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、第1の態様においては、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームを供給することにより、第2の態様においては、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスを供給することにより、炭素質燃料をガス化して、炭素質燃料のガス化によって生成したガスを、製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いる、製鉄所の操業方法である。
本発明による生成ガスは、燃料ガスとして広範囲の用途を持っているが、前述のように製鉄副生ガスを用いるため、製鉄所内におけるエネルギー源として利用することが合理的である。具体的には、自家発電設備用燃料、鉄鉱石焼結用燃料ガス、高炉熱風炉用燃料ガス、あるいは、種々の副生ガスを混合して製造するミックスガスの原料ガス等を挙げることができる。
後に実施例でも示すが、本発明によれば、炭素質燃料から、高い収率で生成ガスを得ることができる。そのため、本発明の製鉄所の操業方法の第1の発明によれば、製鉄所で使用するエネルギーのコストを低減できる。
さらに、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明は、本発明の炭素質燃料のガス化方法と同様の処理を行って生成したガスを、酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いるものである。
具体的には、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明は、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤とに加え、第1の態様においては、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームを供給することにより、第2の態様においては、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスを供給することにより、炭素質燃料をガス化して、炭素質燃料のガス化によって生成したガスを、酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いる、製鉄所の操業方法である。
本発明による生成ガスは、CO、H2、炭素数1〜4の炭化水素を含むガスである。そのため、この生成ガスは、高炉やシャフト炉等に投入する酸化鉄の還元材として利用することもできる。ここで、酸化鉄とは、鉄鉱石の他に、高炉や転炉等で発生する酸化鉄を含有するダストやスラッジ類も含まれる。
後に実施例でも示すが、本発明によれば、炭素質燃料から、高い収率で生成ガスを得ることができる。そのため、本発明の製鉄所の操業方法の第2の発明によれば、製鉄所における酸化鉄の還元コストを低減できる。
以上、本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の炭素質燃料のガス化方法、ガス化ガスの製造方法および製鉄所の操業方法について、より詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは、もちろんである。
[実施例1]
乾式供給によって石炭を1〜3ton/h供給できる流動層ガス化試験炉を準備した。なお、本設備は小型の試験炉のため、生成ガスは、分析のためのサンプリング以外は、既設の商業ガス化炉のガス精製設備で処理した。
ガス化試験炉には、酸化剤として、純酸素が供給できるようになっている。また、それとは別の、純酸素の供給配管より上部に位置した配管で、高炉ガス(組成 CO:22%、H2:5%、CO2:23%、N2:50%)と、工場内の低圧スチーム(圧力3.5kgG)とをガス化炉に供給できるようになっている。
用いた石炭は中国製であり、発熱量が27100kJ/kg、工業分析の結果、固有水分が7.5質量%、固定炭素が51.3質量%、揮発分が32.3質量%、灰分が8.9質量%であった。
石炭の供給速度を1ton/hとし、純酸素の供給量を402Nm3/h、高炉ガスの供給量を130dry−Nm3/h、スチームの供給量を94kg/h、ガス化温度を1000℃として、流動媒体は使用せずに、石炭を直接流動化させ、石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:64vol%、H2:25vol%、CH4:8vol%、N2:3vol%の組成の生成ガス(低位燃焼熱:3250kcal/Nm3)を、炭素基準で86%の収率で得られた。
石炭流動層に高炉ガスとスチームとを供給したことによって、高い収率で生成ガスを製造できた。
なお、炭素基準の生成ガス収率は、以下のようにして求めた。
本発明において、ガス化炉(流動層ガス化試験装置)に供給する炭素源は、炭素質燃料と、製鉄副生ガスである。前述のように、実施例1においては、炭素質燃料として石炭を用い、製鉄副生ガスとして高炉ガス用いている。
なお、酸化剤として空気あるいは酸素富化空気を用いる場合には、酸化剤にもCO2に起因する炭素が含まれるが、此処に含まれる炭素は、非常に微量な誤差レベルであるので無視してよい。
ガス化炉に供給する炭素質燃料の供給量をAkg/h、炭素質燃料の炭素濃度をxwt%とすると、炭素質燃料による炭素のガス化炉への供給量β[kmol/h]は、下記式で算出できる。なお、下記式において、『12』は炭素の原子量である。
β[kmol/h]=(A/12)×(x/100)
また、ガス化炉に供給する製鉄副生ガスの供給量をBNm3/h、製鉄副生ガスのCO2濃度をyvol%とすると、製鉄副生ガスによる炭素のガス化炉への供給量γ[kmol/h]は、下記式で算出できる。なお、下記式において、『22.4』は1molの気体の体積(L)である。
γ[kmol/h]=(B/22.4)×(y/100)
すなわち、β+γ[kmol/h]が、ガス化炉に供給する炭素の量となる。
一方、ガス化炉で生成される生成ガスの量をCNm3/hとする。
前述のように、生成ガスには、炭素化合物として、CO、CO2、炭素数1の炭化水素(C1)、炭素数2の炭化水素(C2)、炭素数3の炭化水素(C3)および炭素数4の炭化水素(C4)が含まれる。ここで、生成ガス中におけるCOの含有量をZ1vol%、同CO2の含有量をZ2vol%、同C1の含有量をZ3vol%、同C2の含有量をZ4vol%、同C3の含有量をZ5vol%、同C4の含有量をZ6vol%とすると、生成ガス中の炭素の量α[kmol/h]は、下記式となる。なお、下記式において、『22.4』は1molの気体の体積(L)である。
α[kmol/h]=
{C×[(Z1+Z2+Z3+2Z4+3Z5+4Z6)/100]}/22.4
ここで、本発明においては、ガス化炉で生成される生成ガスの中には、製鉄副生ガスに起因する炭素も含まれる。これに応じて、生成ガス中の炭素の量αから、製鉄副生ガス分の炭素の供給量γを減算して、下記式によって炭素基準の生成ガス収率[%]を算出する。
生成ガス収率[%]=[(α−γ)/(β+γ)]/100
[実施例2]
純酸素の供給量を356Nm3/h、高炉ガスの供給量を83dry−Nm3/h、スチームの供給量を60kg/hとした以外は、実施例1と同様にして石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:65vol%、H2:24vol%、CH4:8vol%、N2:3vol%の組成の生成ガス(低位燃焼熱:3310kcal/Nm3)が、炭素基準で75%の収率で得られた。
供給した高炉ガスを減らしたので、生成ガス収率がやや低下すると共に、高炉ガス由来のN2が減少した分、低位燃焼熱が僅かに高くなった。
[実施例3]
純酸素の供給量を339Nm3/h、ガス化温度を900℃とした以外は、実施例1と同様にして石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:64vol%、H2:19vol%、CH4:13vol%、N2:4vol%の組成の生成ガス(低位燃焼熱:3530kcal/Nm3)が、炭素基準で82%の収率で得られた。
[実施例4]
純酸素の供給量を301Nm3/h、ガス化温度を900℃とした以外は、実施例2と同様にして石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:vol66%、H2:vol18%、CH4:vol13%、N2:3vol%なる組成の生成ガス(低位燃焼熱:3570kcal/Nm3)が、炭素基準で71%の収率で得られた。
実施例3に比べ、供給した高炉ガスを減らしたので、生成ガス収率がやや低下すると共に、高炉ガス由来のN2が減少した分、低位燃焼熱が僅かに高くなった。
[比較例1]
純酸素の供給量を279Nm3/hとし、高炉ガスおよびスチームは供給しなかった以外は、実施例1と同様にして石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:69vol%、H2:22vol%、CH4:9vol%、N2:0vol%なる組成の生成ガス(低位燃焼熱:3400kcal/Nm3)が、炭素基準で56%の収率で得られた。
本例では、高炉ガスおよびスチームを供給しなかったため、生成ガス収率が大きく低下した。これは、実施例1において高炉ガスおよびスチームから生成された水素が、本例では発生しないために、炭化水素の水素化分解が促進されないためである。なお、実施例1,2に比べ、低位燃焼熱が僅かに高くなったが、これは、高炉ガスに由来するN2が無いので、生成ガス中にN2が含まれないためである。
[比較例2]
純酸素の供給量を237Nm3/hとし、高炉ガスおよびスチームは供給しなかった以外は、実施例3と同様にして石炭のガス化実験を行った。
その結果、CO:71vol%、H2:16vol%、CH4:13vol%、N2:0vol%なる組成の生成ガス(低位燃焼熱:3660kcal/Nm3)が、炭素基準で52%の収率で得られた。
比較例1と同様、高炉ガスおよびスチームを供給しなかったため、生成ガス収率が大きく低下した。これは、比較例1と同様に、高炉ガスおよびスチームから生成された水素が、本例では発生しないために、炭化水素の水素化分解が促進されないためである。
実施例1〜4、ならびに、比較例1および2より、ガス化炉に高炉ガスおよびスチームを供給することの効果を確認できた。
鉄鋼業や発電業などで使用する燃料ガスの生成や製鉄所における酸化鉄の還元に好適に利用可能である。
10 ガス化炉
12 原料供給管
14 ガス化剤供給管
16 酸化剤供給管
18 排出口
20 回収管
24 サイクロン
26 連結管
30 シフト変性器

Claims (11)

  1. 炭素質燃料をガス化するにあたり、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することを特徴とする炭素質燃料のガス化方法。
  2. 炭素質燃料をガス化するにあたり、ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することを特徴とする炭素質燃料のガス化方法。
  3. 前記製鉄副生ガスが、高炉ガス、シャフト炉ガスおよび冶金炉発生排ガスから選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の炭素質燃料のガス化方法。
  4. 前記製鉄副生ガスは、CO濃度が5vol%以上で、N2濃度が60vol%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の炭素質燃料のガス化方法。
  5. 前記炭素質燃料が、泥炭、褐炭および亜瀝青炭から選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の炭素質燃料のガス化方法。
  6. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給して、前記炭素質燃料をガス化することを特徴とするガス化ガスの製造方法。
  7. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給して、前記炭素質燃料をガス化することを特徴とするガス化ガスの製造方法。
  8. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法。
  9. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを製鉄所のエネルギーの少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法。
  10. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスおよび過剰のスチームとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法。
  11. ガス化炉に、炭素質燃料と、空気、酸素富化空気および酸素から選ばれる酸化剤と、製鉄副生ガスに過剰のスチームを添加してシフト変性したシフト変性製鉄副生ガスとを供給することにより、前記炭素質燃料をガス化して、生成したガスを酸化鉄の還元材の少なくとも一部として用いることを特徴とする製鉄所の操業方法。
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