JP2018050647A - 創傷被覆材 - Google Patents

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Hiroshi Sawazato
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Abstract

【課題】治癒後の皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こしにくく、さらに創面に使用時に患者の痛みが殆どなく、滲出液、血液などの体液と接触した際に殺菌あるいは細胞増殖効果のある種々のイオンが徐放され、傷口に使用された後は過剰な血液や滲出液を吸収して過湿潤を防ぐ創傷被覆材を提供する。
【解決手段】創傷被覆材は生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維中に、ガラス構成成分としてBあるいはCaOを含有するガラス粉末が含有されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、切創、裂傷、挫傷、火傷、褥瘡などの創面に対し、優れた治癒効果を示す創傷被覆材に関する。
従来、創傷の治療としてまず消毒を行い、その後ガーゼで創面を保護する治療が行われている。しかしこのような治療方法は消毒によって表皮の細胞が死んでしまう。また創面が乾燥することによって表皮の細胞が増殖しにくくなることが近年分かってきた。
そこで形成外科医の夏井睦らは、消毒液とガーゼを用いた治療を行う代わりに創面の湿潤環境を保ち、細胞増殖を促進する治療法(moist wound healing)を提唱し、現在ではこの治療方法が広く普及している(非特許文献1)。このような治療方法において、創面の湿潤環境を保つために用いられる材料は創傷被覆材と呼ばれている。
創傷被覆材はドレッシング材とも呼ばれ、創傷治療において創面の湿潤環境を保つために用いられる。現在普及している創傷被覆材にはポリウレタンフィルム、ハイドロコロイド被覆材、ポリウレタンフォーム被覆材、アルギン酸塩被覆材などがあり、これらの製品は創面から流出する血液あるいは滲出液を保持し、湿潤環境を維持することによって表皮細胞の遊走、増殖を促進する効果がある。
ポリウレタンフィルム、ハイドロコロイド被覆材、ポリウレタンフォーム被覆材、アルギン酸塩被覆材などの創傷被覆材は創面から流出する滲出液を保持し、湿潤環境を維持することによって表皮細胞の遊走、増殖を促進する効果があり、患者が持つ本来の自然治癒力を最大限に引き出すことが可能である。しかし高齢者など治癒能力が低い患者の場合、創傷が褥瘡の場合、創面開口部の体積、面積が大きい場合、創面に継続的に力が加わる場合などは、これらの創傷被覆材を使用して治療をしたとしても治癒に相当な期間を要する。治癒時間の増加は、滲出液の多量流出やコラーゲンの異常産出などを引き起こし、表皮の炎症や瘢痕形成などが生じる懸念がある。
さらに糖尿病患者の場合は創傷被覆材を使用したとしても免疫機能の異常、蛋白質の不足状態、酸素の不足などが原因となって創傷治癒遅延を発症し、創面からの細菌が侵入することによって重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
そこで近年、ガラス繊維が滲出液、血液に接触した際に創傷治癒効果と抗菌性が発揮されるガラス成分が、創面に溶出する事を特徴とした創傷被覆材が開発されている(特許文献1)。
これからの創傷治療 夏井 睦 著 医学書院 (2003/08) WO2011/085092
特許文献1のような繊維径がナノオーダーのガラス繊維は、以下のようにして作製される。まず溶融ガラスを吐出する吐出ノズルを備えた貴金属製のノズル部材にガラスを供給し、ノズル部材を通電加熱してガラスをリメルトした後、ノズル部材の底面に設けられた一つ以上のガラス吐出ノズルから流下させる。この時、吐出ノズルの近傍に設置したエアーノズルから流下した溶融ガラスに対して吐出ノズルの全面、側面、および全周方向から高速エアーを吹き付けてガラスを延伸させ、ガラスを繊維状に成形する。この方法はメルトブロー法と呼ばれる。このような方法でガラス繊維を作製した場合、繊維と共にガラスビーズ(あるいはショット)と呼ばれるガラス体が発生する。ここで、ガラスビーズとは、繊維径よりはるかに大きい粒径(例えば最大寸法が500μm以上)を持ち、表面張力によってガラスの一部若しくは全体が略球状となったガラス体であり、真球状、楕円球状等の形態で単独又は連結して存在したり、或いはこれらが繊維に連結した状態で存在する。この様なガラスビーズは、繊維に比べて単位質量あたりの比表面積が小さいことから、体液等に溶解しにくく、それゆえ混入するガラスビーズの割合が多くなると、創傷被覆材から十分な量のCaあるいはBが溶出し難くなる。また、長期間皮下に残存する傾向があるため、治癒後の皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こす可能性がある。また創面に使用する際の患者の痛みが増加する。
メルトブロー法においてビーズが発生する確率は、紡糸過程における種々のパラメーター、すなわち融液の粘度、加速度、表面張力に左右される。融液の粘度、表面張力は融液の温度によって変化する。また、融液の加速度はエアーの流速や方向によって変化する。このためビーズ発生を抑制する為には、ノズル直下の融液温度やエアー流速や方向を厳密に制御することが求められる。しかしメルトブロー法は、高速エアーが吐出ノズルに衝突する際にノズル部材が機械的に振動したり、吐出ノズル直下において気圧が周期的に変動したりする為、前述したパラメーターを厳密に制御することが難しい。上記のような理由から、メルトブロー法によってガラス繊維を作製する場合、ガラスビーズの発生をゼロに近づける事は大変困難である。
一方メルトブロー法以外のファイバーの作製方法として、エレクトロスピニング法(あるいは電界紡糸法)がある。エレクトロスピニング法は、原料を溶媒に溶かして溶液化した後、この溶液を吐出ノズルに供給し、吐出ノズルとターゲット電極の間に高電圧を印加し、電気的な力で溶液をターゲットに向けて連続的に噴射、延伸させると共に溶媒を蒸発させて繊維化させる方法である。エレクトロスピニング法はメルトブロー法の様な機械振動が発生しにくいので、比較的前述したパラメーターを制御しやすい製法である。このため、前述のパラメーターを適切に設定することによりビーズ混入量が極めて少ないファイバーを効率的に製造する事ができる。原料を誘導加熱などの方法によって溶融して液状化する必要がある場合は、溶融エレクトロスピニング法を用いる。しかし溶融エレクトロスピニング法は吐出ノズルに高電圧が印加される際、吐出ノズルと誘導加熱部のコイル部との間にスパーク発生の可能性があり、装置本体の故障の恐れが考えられる。このため、ガラスの様な溶融に高温を必要とする材料は溶融エレクトロスピニング法によって繊維化することが難しい。他にも金属アルコキシドとアルコールや水、触媒の混合溶液を調整し、加水分解及び重合によって溶液をゾル化し、さらに反応を進ませた粘性溶液を吐出ノズルに供給し、高電圧を印加して静電引力によって繊維化させた後、加熱・乾燥させるいわゆるゾルゲル法を用いたエレクトロスピニング法によってガラス繊維を作製する事も可能であるが、金属アルコキシドは高価であるため、製造コストが高くなるという問題がある。上記のような理由から、エレクトロスピニング法によってガラスを繊維化する事は大変困難である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、治癒後の皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こしにくく、さらに創面への使用時に患者の痛みが殆どなく、滲出液、血液などの体液と接触した際に殺菌あるいは細胞増殖効果のある種々のイオンが徐放され、傷口に使用された後は過剰な血液や滲出液を吸収して過湿潤を防ぐ創傷被覆材を提供することを目的とする。
本発明の創傷被覆材は生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維中に、ガラス構成成分としてBあるいはCaOを含有するガラス粉末が含有されていることを特徴とする。なお本発明における「ガラス粉末」とは、ポリマー繊維の平均繊維径より平均粒径が小さいガラス粉粒体を意味する。
上記本発明の創傷被覆材は、ポリマー繊維が滲出液、血液に接触した際に、ポリマー繊維の表面に露出したガラス粉末から表皮細胞の栄養素となるCa(カルシウム)あるいは、細菌に対して殺菌効果を有するB(ホウ素)が溶出する。またポリマー繊維は滲出液、血液によって加水分解され、この反応が進むことによってポリマー繊維の内部に存在するガラス粉末も滲出液、血液に接触する。この機能により、ガラス粉末からCaあるいはBを継続的に溶出させることが可能となる。溶出したBあるいはCaは創面に供給され、創傷治癒プロセスの促進あるいは、創面への細菌の臨界的定着や感染を防止するための殺菌性の付与が可能になる。またガラス粉末はガラスビーズよりサイズが小さく、また表面の大部分がポリマーで覆われた状態で存在するため、治癒後の皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こしにくく、さらに創面への使用時に患者の痛みが殆どない。
またポリマー繊維は、繊維間に空隙を有していることから、傷口に使用された後は過剰な滲出液を吸収して過湿潤を防ぐ。これらの効果が相まって創傷を早期に治癒させることができる。なお加水分解されたポリマー繊維は、最終的にバクテリアの酵素反応により生体内で水と炭酸ガスに分解され、体外に排出される。
また生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維は、特に深い創傷に使用された場合は哺乳類の細胞外マトリクス(ECM)の構造を模倣した足場としての役割を発揮し、結果として細胞の遊走や増殖を促進することができる。
本発明においては、ガラス粉末の平均粒径が50μm以下であることが好ましい。
上記構成を採用すれば、皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こしにくく、さらに創面への使用時に患者の痛みが殆どない創傷被覆材を提供できる。
本発明においては、ガラス粉末が、SiO 0〜70%、B 5〜80%、CaO 1〜50%を含有するガラスからなることが好ましい。
本発明においては、ガラス粉末が、酸化物換算の質量%で、さらにMgO 0〜20%、NaO 0〜20%、KO 0〜40%、P 0〜20%を含有することが好ましい。
本発明においては、ガラス粉末が、300〜500μmの粒度に分級された比重×0.256の重量分のガラスを37℃、60mlの擬似体液中に2日間浸漬し、1回/日の撹拌を行った溶出試験において、擬似体液中のB濃度が0.1〜70mMかつCa濃度が3.0〜14mMとなることが好ましい。
本発明においては、ポリマー繊維の平均繊維径が1μm〜100μmであることが好ましい。
上記構成を採用すれば、創面から流出する過剰な血液や滲出液を吸収し、創面の過湿潤を防ぐことが出来る。
本発明においては、ポリマー繊維が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類、ポリトリメチレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネート類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロースなどの多糖類誘導体、シルクフィブロイン、ゼラチン、コラーゲンなどのたんぱく質類やこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明においては、ポリマー繊維がポリ乳酸系共重合体を含有することが好ましい。
上記構成を採用すれば、ガラス粉末の溶解速度とポリマー繊維の分解速度を整合させることが可能となり、結果として創傷治療を促進するCaあるいはBを十分に創傷面に供給することができる。
本発明においては、ポリマー繊維がさらにカルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリルアミド、ヒアルロン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の吸湿性ポリマーを含有することが好ましい。
上記構成を採用すれば、創傷被覆材の弾力性が向上して取り扱いが容易になると共に、創面の乾燥を防ぐことが出来る。
以下、本発明の創傷被覆材について詳述する。
本発明の創傷被覆材は、生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維の表面または内部に、ガラス構成成分としてBあるいはCaOを含有するガラス粉末が埋入されている。
(1)ポリマー繊維
本発明の創傷被覆材において使用するポリマー繊維は、創部に使用されると滲出液や血液を吸収し、創面が過湿潤になるのを防ぐ機能を有する。
またポリマー繊維は、生分解性及び/または生体吸収性高分子を主成分とするものであり、人体の組織内で分解を受け、体内での残留・蓄積を生じないという特徴がある。詳述すると、ポリマー繊維は水分に接触すると加水分解を起こして分子鎖が切断され、最終的にバクテリアの酵素反応により生体内で水と炭酸ガスに分解された後体外へ排出される。この機能により、ポリマー繊維内部に埋め込まれたガラス粉末も滲出液や血液と接触可能となり、ガラス粉末からCaあるいはBを継続的に溶出させることが可能となる。
このような高分子としては、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリリンゴ酸、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類、ポリトリメチレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネート類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロースなどの多糖類誘導体、シルクフィブロイン、ゼラチン、コラーゲンなどのたんぱく質類やこれらの誘導体が挙げられる。
生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維は、重合比によって分解速度がコントロールできる異種高分子の共重合体からなることが好ましい。このような共重合体としては、例えばポリ乳酸系重合体が挙げられる。
生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維は、平均繊維径が1μm〜100μmであることが好ましい。平均繊維径は5μm〜80μm、10μm〜50μm、特に15μm〜45μmであることが好ましい。平均繊維径が細すぎるとポリマー繊維を紡糸する際にガラス粉末によって繊維が切断しやすくなり、生産性が悪化する。一方平均繊維径が太すぎると創傷被覆材の空隙率が低下して水分の吸収量が低下し、創面に多くの水分が残存して過湿潤になりやすい。
生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維は、生分解性及び/または生体吸収性のポリマーに吸湿性高分子を複合化させることによって、創面の乾燥を防ぐ効果を付与することも出来る。吸湿性高分子は水分と接触した際にその一部を創面に残すと共に、過剰な水分を吸収する機能を有する。このような吸湿性高分子としては、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリルアミド、ヒアルロン酸などが挙げられる。複合化の手法としては、ポリマー繊維と吸湿性高分子を主成分とする繊維を混ぜ合わせる方法、ポリマー繊維のマトリクス中に吸湿性高分子を分散させる方法などが挙げられる。
なおポリマー繊維には、創傷治癒促進のために少量の薬理学的活性成分を含有することができる。例えば抗生物質(例えばグルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼニトウム、サルファ剤)、消毒剤(例えばポピドン、ヨード)、抗炎症剤(例えばヒドコロルチゾン、トリアムシノロン・アセトニド)、皮膚保護材(例えば酸化亜鉛)などを配合することができる。
(2)ガラス粉末
本発明の創傷被覆材においてガラス粉末は、ガラス構成成分としてBあるいはCaOを含有するガラスからなる。ガラス粉末は、表皮細胞の栄養素となるCa(カルシウム)あるいは、細菌に対して殺菌効果を有するB(ホウ素)を溶出する事を特徴とする。同時に創傷被覆材の保型性の向上に寄与する。
以下、本発明の創傷被覆材においてガラス粉末を構成する成分の作用と、その含有量を規定した理由を説明する。尚、各成分の含有範囲の説明において、%表示は質量%を指す。
SiOは、ガラス骨格構造を形成する主要成分である。また、ガラスの粘度を上昇させる成分である。さらにガラスの溶解速度を調整することが出来る成分である。SiOの含有量は好ましくは0〜70%、0〜50%、15〜45%、25〜45%、30〜43%、特に35〜43%であることが好ましい。SiOの含有量が多くなりすぎるとガラスの血液あるいは滲出液に対する溶解速度が低下して、創傷被覆材として必要な細胞増殖の効果、殺菌効果が得にくくなる。さらに溶融温度(100.2dPa・sの粘度に相当する温度)が高くなって製造コストが増加する。SiOの含有量が少なすぎるとガラスの溶解速度が上昇し、結果的にBの溶出量が増えて過剰な殺菌効果が働いてしまう。
は、SiOと同様にガラス網目構造において、その骨格をなす成分であるが、SiOのようにガラスの溶融温度を高くすることはなく、むしろ溶融温度を低下させる働きがある。また、SiOと同様にガラスの溶解速度を調整することが出来る成分である。さらに、血液あるいは滲出液に溶出することにより、殺菌効果を発揮する成分である。Bの含有量は好ましくは5〜80%、10〜35%、11〜30%、12〜27%、特に12〜20%であることが好ましい。Bの含有量が少なすぎると創面への細菌の臨界的定着、感染を防止するための殺菌性を得ることができない。さらにガラスの溶解速度が低下して、創傷被覆材として必要な細胞増殖の効果や、殺菌効果が得にくくなる。一方Bの含有量が多すぎるとガラスの溶解速度が上昇して創面に対して過剰な殺菌効果が働いてしまう。
本発明の創傷被覆材において、ガラスの溶解速度は、ガラス組成のSi(シリコン)とB(ボロン)のモル比(B/Si)によって変化する。B/Siの値が大きい程ガラスネットワーク中のBの割合が大きくなり、化学的耐久性が低下してガラスの溶解速度が大きくなる。よってCaの溶出量を増やして細胞増殖を促進するためには、B/Siの値が大きいほど有利である。しかしB/Siの値を大きくするためにはガラスのB含有量を増加させる必要があり、結果的にBの溶出量が増えて過剰な殺菌効果が働いてしまう。
B/Siの値は、好ましくは0.1〜20.0であり、0.2〜10.0、0.3〜7.0、0.4〜2.0、特に0.4〜1.8が好ましい。B/Siの値が小さすぎると、創傷被覆材として必要な細胞増殖の効果や殺菌効果が得にくくなる。一方、B/Siの値が大きすぎると過剰な殺菌効果が働き、細胞の増殖が抑制されてしまう。
CaOはガラスの粘度を低下させる成分であり、また血液あるいは滲出液に溶出すると、細胞増殖を促進する効果を発揮する成分である。CaOの含有量は好ましくは1〜50%、5〜40%、10〜35%、15〜30%、特に15〜25%であることが好ましい。CaOの含有量が少なすぎると細胞増殖を促進する効果が得にくくなる。CaOの含有量が多すぎると液相温度が高くなって、ガラス溶融時に失透し、均質なガラスを得にくくなる。またガラス粉末の表面に反応生成物(例えばカルサイト、CaCO3)が析出しやすくなり、ガラスの溶解速度が低下して創傷被覆材として必要な細胞増殖の効果や殺菌効果が得にくくなる。
MgOは、ガラス原料を溶融し易くする融剤としての働きを有する成分であると同時に溶融温度の低下に非常に有効であり、溶融時にガラスの泡切れを良くし、均質なガラスを作るのに役立つ成分である。MgOの含有量は好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0.5〜8%である。MgO含有量が多すぎるとガラスの粘度が低下し、液相粘度が低くなることから、創傷被覆材をメルトブロー法等の方法で作製する場合にはガラスビーズの混入量が増加する。さらに、血液あるいは滲出液へのMg(マグネシウム)の溶出量が増加し、相対的にCaの溶出量が著しく低下する。
アルカリ金属酸化物であるNaO、KOはガラスの粘度を低下させ、溶融性や成形性を高める成分である。NaO及びKOの含有量の合量(NaO+KO)は、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%、さらに好ましくは15〜25%である。NaO+KOが少なすぎると、ガラスの溶融温度が高くなって製造コストが増加する。NaO+KOが多すぎると、血液あるいは滲出液へのNa(ナトリウム)及びK(カリウム)の溶出量が増加し、相対的にCaの溶出量が著しく低下する。また創面におけるpHの上昇を招き、表皮細胞への酸素供給量が低下してしまう。
NaOはガラスの粘度を低下させることによって、ガラスの溶融性や成形性を高める成分である。NaOの含有量は好ましくは0〜20%、1〜15%、特に2〜10%であることが好ましい。NaOの含有量が多すぎると、血液あるいは滲出液へのNaの溶出量が増加し、相対的にCaの溶出量が著しく低下する。さらに創面におけるpHの上昇を招き、表皮細胞への酸素供給量が低下してしまう。
Oはガラスの粘度を低下させることによって、ガラスの溶融性や成形性を高める成分である。KOの含有量は好ましくは0〜40%、5〜30%、7〜20%、特に7〜15%であることが好ましい。KOの含有量が多すぎると、血液あるいは滲出液へのKの溶出量が増加し、相対的にCaの溶出量が著しく低下する。さらに創面におけるpHの上昇を招き、表皮細胞への酸素供給量が低下する。
はそれ自身でガラス化し、ガラスの網目を構成する成分である。さらに、非晶質リン酸カルシウム層の形成に寄与する成分である。Pの含有量は好ましくは0〜20%であり、1〜8%、2.5〜8%、2.5〜6%、特に3.2〜5%であることが好ましい。Pの含有量が多すぎると、ガラス表面にリン酸カルシウムからなる反応層が形成しやすくなり、溶出したCaが反応層に取り込まれて創面のCa濃度が低下し、細胞増殖を促進する効果が得にくくなる。
また上記した成分(SiO、B、CaO、MgO、NaO、KO、P)以外の成分も含みうる。ただし上記した成分の含有量が合量で98%以上、特に99%以上となるように組成を調節することが望ましい。その理由は、これらの成分の合量が98%未満の場合、意図しない異種成分の混入によって血液あるいは滲出液へのガラスの溶解速度が低下する。その結果、創傷被覆材としての特性が低下したり、生体適合性が低下する等の不都合が生じ易くなる。
上記した成分以外の成分として、例えば殺菌効果の向上のために、Cu、Ag、Zn、Sr、Ba、Fe、F、Mo、Au、Mn、Sn、Ce、Cl、La、W、Nb、Y等を合量で2%まで含有してもよい。
ガラス粉末は、平均粒径が50μm以下であることが好ましい。平均粒径は40μm以下、30μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。ガラス粉末の平均粒径が大きすぎると、治癒後の皮膚に違和感や炎症、外傷性刺青、肥厚性瘢痕を引き起こしやすくなる。さらに創面に使用時に、患者に痛みが生じやすい。なおガラス粉末の平均粒径の下限値は特に制限されるものではないが、製造上或いは取り扱い上の制約等を考慮すると0.1μm以上とすることが好ましい。ここで「ガラス粉末の平均粒径」は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって体積累計50%の粒径を表わすD50の粒径を測定することによって求めたものである。
ガラス粉末は、300〜500μmの粒度に分級された比重×0.256の重量分のガラスを37℃、60mlの擬似体液中に2日間浸漬し、1回/日の撹拌を行った溶出試験において、擬似体液中のB濃度が0.1〜70mMかつCa濃度が3.0 〜20mMとなることが好ましい。この溶出試験による擬似体液中のB濃度が0.1mMより少ない場合、創傷被覆材として必要な殺菌効果が得にくくなる。一方、B濃度が70mMより多い場合、患者自身の細胞の増殖が抑制される可能性がある。また、Ca濃度が3.0mMより少ない場合、創傷被覆材として必要な細胞増殖の効果が得にくくなる。一方、Ca濃度が20mMより多い場合、細胞増殖の効果が持続しにくくなり、頻繁に創傷被覆材を交換する必要が生じる。
なおポリマー繊維中には、上記した粉末状のガラス体に限定されるものではなく、繊維状、フレーク状等種々の形状のガラス体を含んでいてもよい。
(3)創傷被覆材の製造方法
次に本発明の創傷被覆材を製造する方法を説明する。なお本発明の創傷被覆材を製造する方法はこれに限られるものではない。
まず、あらかじめ組成が調整された生分解性及び/または生体吸収性の高分子を溶媒に溶解させて高分子溶液を作製する。前記生分解性及び/または生体吸収性の高分子としては、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリリンゴ酸、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類、ポリトリメチレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネート類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロースなどの多糖類誘導体、シルクフィブロイン、ゼラチン、コラーゲンなどのたんぱく質類やこれらの誘導体が利用可能である。また、前記溶媒は、生分解性高分子を溶解可能で、かつ紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、アセトン、クロロホルム、エタノール、2−プロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、1−プロパノール、ジクロロメタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、蟻酸、ヘキサフルオロ− 2 − プロパノール、ヘキサフルオロアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルモルホリン−N−オキシド、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、および上記溶媒の混合溶媒等が挙げられる。
次に、ガラス粉末を作製する。まず調合したガラス原料バッチをガラス溶融炉に投入して溶融、ガラス化し、均質化する。次に溶融ガラスをフィルム状に成形した後、ガラスを粉砕し、粉末にする。粉砕には、例えばボールミル式やハンマー式粉砕機等を利用可能である。次に前記粉末ガラスを分級し、10μm以下の粉末ガラスのみを抽出する。分級方法としては、例えば目開きが10μm以下の篩を用いる方法や空気分級器によって比重差を利用して分級する方法が利用可能である。
なお本発明の創傷被覆材におけるガラス粉末は、粉砕以外の方法によって作製する事も可能である。例えば、粘度が101.0dPa・s以下のガラス融液に高圧エアーを吹き付けてガラス融液を飛散させ、表面張力によってガラス融液を球状化する方法を採用する事もできる。
続いて、高分子溶液とガラス粉末を混練して紡糸原液を作製する。
さらに、前記紡糸原液をノズル部材に供給し、吐出ノズルから連続的に溶液を噴射しつつ、吐出ノズルとターゲット電極の間に高電圧を印加する。吐出ノズルから噴射された液体は繊維状に延伸され、さらに紡糸原液中の溶媒が揮発する事によって細径化する。通常の紡糸は大気下、室温で行われるが、揮発が不十分である場合には陰圧下で行うことや、高温の雰囲気下で行うことも可能である。また、紡糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は0〜50℃の範囲である。
上記のような方法により、生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維中にガラス粉末が含まれる綿状の創傷被覆材を作製することができる。また前記ポリマー繊維を紡糸直後にコンベア上に連続的に堆積させることにより、不織布状に成形する事もできる。
なお本発明の創傷被覆材におけるポリマー繊維は、エレクトロスピニング法以外の方法でも作製することが可能である。例えば生分解性及び/または生体吸収性の高分子を溶融し、この高分子融液にガラス粉末を投入して混合、撹拌して紡糸原液を作製する。さらに前記紡糸原液を吐出ノズルを備えたノズル部材に供給し、ノズル部材から流下した紡糸原液に対し、吐出ノズルの側面、両面または全周から高速エアーを吹き付ける事によって前記紡糸原液を繊維化する、いわゆるメルトブロー法を採用する事もできる。
以上の工程によって作製された本発明の創傷被覆材は、ガラスビーズの混入が無いため表皮の炎症や瘢痕形成を引き起こしにくく、さらに創面に使用時に患者の痛みが殆どない。しかも滲出液、血液などの体液と接触した際に殺菌あるいは細胞増殖効果のある種々のイオンが徐放されるとともに、過剰な滲出液を吸収して過湿潤を防ぐことによって創傷治癒プロセスを促進する事が可能である。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお以下の実施例は例示であり、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)ガラス試料
表1は、本発明で使用するガラス粉末の組成例(試料No.1〜6)を示している。
まず、表1のガラス組成になるように、天然原料、化成原料等の各種ガラス原料を秤量、混合して、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを白金ロジウム合金製坩堝に投入した後、間接加熱電気炉内で1200〜1550℃で4時間加熱して、溶融ガラスを得た。尚、均質な溶融ガラスを得るために、加熱時に、耐熱性撹拌棒を用いて、溶融ガラスを複数回攪拌した。続いて得られた溶融ガラスを冷間ロール成形機のロール上に流しだし、急冷してフィルム状のガラス試料を得た。さらに得られたフィルム上のガラス試料を粉砕し、ボールミル式粉砕機によって微粉砕した。このような方法により、ガラス粉末を得た。得られた各試料につき、疑似体液中での溶出試験を測定した。結果を表1に示す。
なお溶出試験は次のようにして測定した。前述した方法によって得た溶融ガラスを耐火性鋳型内に流し出し、空気中で放冷して塊状のガラス試料を得た。続いて塊状のガラス試料を粉砕し、直径300〜500μmの粒度のガラスを比重×0.256の重量分だけ精秤し、続いて容量100mlのポリプロピレン容器(PP容器)に擬似体液60mlを入れ、ガラス試料を浸漬して、37℃、2日間の条件で溶出試験を行った。その際、1回/日の撹拌を行った。撹拌は前記PP容器を手で数回振る事によって行った。溶出試験後に試験溶液を濾過し、ICP−OESを用いて溶出液中のB、Ca濃度を定量した。
擬似体液は以下のようにして作製した。まず100mlの蒸留水を入れたビーカーをスターラーにセットした。次に各試薬(7.995g/LのNaCl、0.353g/LのNaHCO3、0.224g/LのKCl、0.174g/LのK2HPO4、0.305g/LのMgCl2・6H2O、0.368g/LのCaCl2・2H2O、0.071g/LのNa2SO4)を秤量し、それぞれの試薬が完全に溶けてから次の試薬を順に蒸留水に加えて溶かし、溶液を作製した。なお薬包紙についた試薬は、蒸留水をかけて溶液に溶かした。次に10mlの35%塩酸に蒸留水90mlを加えて希釈塩酸を作製し、これを濁りがなくなるまで溶液に少しずつ加えた。次に溶液を2Lのビーカーに移し、825mlの蒸留水を加えてホットスターラーで撹拌した。次にpHメーターを準備し、スポイトで希釈塩酸を徐々に入れて溶かし、pH2にした。続いて6.057(g/L)のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(トリスバッファー)を溶液に入れて溶かし、pH8にした後、ホットスターラーで加熱しながら希釈塩酸を徐々に加え、最終的に液温37℃においてpH7.25の溶液にした。この溶液を有栓メスシリンダーに移し、蒸留水を加えて1Lにし、溶液が混合されるようによく振り混ぜた。このようにして得られた溶液をポリビンに移したのち、冷蔵庫内で1日以上保管して、実験に用いる疑似体液を得た。
なお擬似体液中の無機イオン濃度の理論値は、Naが142.0、Kが5.0、Mg2+が1.5、Ca2+が2.5、Clが148.8、HPO4−が1.0である。(単位はすべてmM)。
(2)創傷被覆材の作製
上記のようにして準備したガラス試料を用いて、本発明の創傷被覆材(実施例1、2)を作製する。
[実施例1]
ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)の共重合比が30:70となるPLAとPGAの共重合体(PLGA)の粉末を調整する。続いてPLGAの10%ジクロロメタン溶液を調製し、溶液に対して0.5%のポリエチレングリコールを室温で加え、均一な溶液を得た。続いて粉末状のガラス試料No.1(平均粒径:13μm)を投入し、マグネチックスターラーを用いてよく混合する。この混合溶液を吐出ノズルを備えたポットに投入し、吐出ノズルとターゲット間に高電圧を印加して空気中でエレクトロスピニング法によって紡糸を行い、綿状の創傷被覆材を得る。(平均繊維径:43.1μm)。
[実施例2]
ポリビニルアルコール(PVA)を純水に投入して均一になるまで撹拌し、水溶液を得る。続いてポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)の共重合比が50:50となるPLAとPGAの共重合体(PLGA)の粉末を調整する。続いてPVAとPLGAの比率が重量%で10:90となるように、PVA水溶液にPLGAとポリエチレングリコールを室温で加えて均一な溶液を得る。続いて粉末状のガラス試料No.2(平均粒径:5μm)を投入し、マグネチックスターラーを用いてよく混合する。この混合溶液を吐出ノズルを備えたポットに投入し、吐出ノズルとターゲット間に高電圧を印加して空気中でエレクトロスピニング法によって紡糸を行い、メッシュ上に連続的に堆積させて不織布状の創傷被覆材を得る。(平均繊維径:21.5μm)。
なお、ポリマー繊維の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡(HITACHI s−3400N typeII)を用いて各繊維の二次電子像または反射電子像を撮像し、前記走査型電子顕微鏡の測長機能を用いて50本の各繊維の直径を測定し、その平均値を平均繊維径とする方法により求める。
また、ガラス粉末の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(SIMADZU SALD−2200)によって体積累計50%の粒径を表わすD50の粒径を測定することによって求める。

Claims (10)

  1. 生分解性及び/または生体吸収性のポリマー繊維中に、ガラス構成成分としてBあるいはCaOを含有するガラス粉末が含有されていることを特徴とする創傷被覆材。
  2. ガラス粉末の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. ガラス粉末が、酸化物換算の質量%で、SiO 0〜70%、B 5〜80%、CaO 1〜50%を含有するガラスからなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の創傷被覆材。
  4. ガラス粉末が、酸化物換算の質量%で、さらにMgO 0〜20%、NaO 0〜20%、KO 0〜40%、P 0〜20%を含有するガラスからなることを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の創傷被覆材。
  5. ガラス粉末が、300〜500μmの粒度に分級された比重×0.256の重量分のガラスを37℃、60mlの擬似体液中に2日間浸漬し、1回/日の撹拌を行った溶出試験において、擬似体液中のB濃度が0.1〜70mMかつCa濃度が3.0〜14mMとなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の創傷被覆材。
  6. ポリマー繊維の平均繊維径が1μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜5に記載の創傷被覆材。
  7. ポリマー繊維が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類、ポリトリメチレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネート類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロースなどの多糖類誘導体、シルクフィブロイン、ゼラチン、コラーゲンなどのたんぱく質類やこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の創傷被覆材。
  8. ポリマー繊維が、ポリ乳酸系共重合体を含有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の創傷被覆材。
  9. ポリマー繊維がさらにカルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリルアミド、ヒアルロン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の吸湿性ポリマーを含有する事を特徴とする請求項7又は8に記載の創傷被覆材。
  10. 調合したガラス原料をガラス溶融炉に投入して溶融、ガラス化した後、得られたガラスを粉砕、分級し所望の粒径のガラス粉末を得る工程、生体吸収性及び/または生体溶解性のポリマー原料を溶融し、ポリマーとガラス粉末を混合する工程、ポリマー融液とガラス粉末の混合体をノズル部材に供給し、静電紡糸法にて繊維化する工程を有することを特徴とする創傷被覆材の製造方法。
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