JP2018049388A - 入力検出装置、電子機器、制御プログラムおよび入力検出方法 - Google Patents

入力検出装置、電子機器、制御プログラムおよび入力検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オーバーフローに起因する入力操作の誤検出を効果的に抑制する。【解決手段】入力検出装置(1)は、操作入力面(11a)の所定箇所で検出された検出信号出力値が限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定部(15)と、オーバーフローしていると判定された場合に、所定箇所におけるイベントデータを無効化するとともに、所定箇所の周辺領域で検出された複数の差分値に基づいて、入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出部(16)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、入力検出装置、電子機器、制御プログラムおよび入力検出方法に関する。
従来から、スマートフォン等の電子機器に搭載されたタッチパネル、特に静電容量式のタッチパネルについて、温度変化等の使用環境の変化に起因して検出された静電容量値に変化が生じ、その結果、入力操作を誤検出するという問題があった。
そこで、この問題を解決すべく、近年では、検出された静電容量値を様々な方法でキャリブレーションする技術の研究・開発が進められている。
例えば、特許文献1には、単位時間に、閾値を超えるタッチセンサ(タッチパネル)が出力した信号に対応する反応面積が第1の面積以上であるか否かを判断し、反応面積が第1の面積以上である場合に、タッチセンサが出力する信号をオフセット調整するキャリブレーションを実施する電子機器が開示されている。
特開2014−119931号公報(2014年6月30日公開)
特許文献1に開示された電子機器は、タッチセンサを構成するX軸方向のセンス線とY軸方向のセンス線との交点での静電容量変化が、当該電子機器の信号処理を行う回路において正常な検出動作が可能な範囲内の変化であることを前提にキャリブレーションを実施するものである。しかしながら、上記電子機器には、急激な温度変化等によって、上記交点での静電容量変化が上記範囲を超えてオーバーフローした場合に対処する機能が備わっていない。また、上記オーバーフローした場合に対処する技術について、特許文献1には記載も示唆もされていない。
したがって、キャリブレーションの実施のみではセンサ感度を適正化できないような急激な温度変化等があった場合に、上記電子機器では、入力操作の誤検出を抑制することができないという問題があった。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャリブレーションの実施のみではセンサ感度を適正化できないような急激な温度変化等があった場合においても、入力操作の誤検出を抑制できるようにすることにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る入力検出装置は、操作入力面における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出装置であって、上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定部と、上記オーバーフロー判定部にて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出部と、を備えている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る入力検出方法は、操作入力面における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出方法であって、上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定ステップと、上記オーバーフロー判定ステップにて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出ステップと、を含んでいる。
本発明の一態様によれば、操作入力面のオーバーフローしている箇所にて入力操作が行われた場合でも、実際に操作入力が行われた箇所を精度高く検出することができ、オーバーフローに起因する入力操作の誤検出を効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態1に係る入力検出装置が搭載されたスマートフォンの主要部を示すブロック図である。 (a)は、図1に示すスマートフォンの操作入力面における、セグメント毎の検出信号出力値を示すグラフの一例である。(b)は、上記操作入力面において、タッチ入力が検出された場合のセグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。 上記操作入力面の特定の箇所がオーバーフローしていると判定された場合において、(a)は、セグメント毎の検出信号出力値を示すグラフの一例である。(b)は、セグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。 タッチ入力ポイントの座標値算出方法の一例を示す平面図である。 センサ感度のキャリブレーションが必要と判定された場合において、(a)は、セグメント毎の検出信号出力値を示すグラフの一例である。(b)は、セグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。 本発明の実施形態1に係る入力検出装置による入力検出の方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る入力検出装置が搭載されたスマートフォンの操作入力面について、(a)は、LCD非点灯時においてタッチ入力が検出された場合のセグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。(b)は、上記操作入力面の特定の箇所がオーバーフローしていると判定された場合における、セグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。(c)は、LCD点灯時のセグメント毎のDiffer値を示すグラフの一例である。 本発明の実施形態2に係る入力検出装置による入力検出の方法を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照しながら、詳細に説明する。なお、本実施形態以下の各実施形態においては、本発明に係る入力検出装置によって操作入力面に対する入力操作が検出される電子機器として、スマートフォンを一例に挙げて説明する。このスマートフォンに、本発明に係る入力検出装置が搭載されることにより、当該スマートフォンの操作入力面に対する入力操作を検出するものとする。
また、本発明に係る入力検出装置を搭載することが可能な電子機器としては、スマートフォンの他、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、タブレット端末、冷蔵庫等の家電製品や、自動車などの各種製品が想定される。さらに、本発明に係る入力検出装置は、上記のような機器に搭載されている必要は必ずしもない。例えば、本発明に係る入力検出装置が外部の情報処理装置に搭載され、スマートフォン等の製品の操作入力面への入力操作に係る情報を情報処理装置とスマートフォン等の製品との間で送受信することにより、操作入力面に対する入力操作を検出してもよい。
<スマートフォンの機能的構成>
先ず、図1〜図5を参照して、スマートフォン100の機能的構成について説明する。図1は、スマートフォン100の主要部を示すブロック図である。図2の(a)は、スマートフォン100の操作入力面11aにおける、定常状態(操作入力面11aにタッチ入力がなされていない状態)におけるセグメント毎の検出信号出力値を示すグラフである。また、図2の(b)は、操作入力面11aにおいて、定常状態時とタッチ入力が検出された時の各場合のセグメント毎のDiffer値を示すグラフである。
図3は、操作入力面11aの特定の箇所がオーバーフローしていると判定された場合において、(a)は、定常状態のセグメント毎の検出信号出力値を示すグラフである。また、(b)は、この時のセグメント毎のDiffer値を示すグラフである。図4は、タッチ入力ポイントの座標値算出方法の一例を示す平面図である。
図5は、センサ感度のキャリブレーションが必要と判定された場合において、(a)は、定常状態時のセグメント毎の検出信号出力値を示すグラフである。(b)は、この時のセグメント毎のDiffer値を示すグラフである。
ここで、「Differ値」とは、検出された検出信号出力値とセグメント毎の基準特性データ(基準値)との差分、すなわち、各セグメントに配置された交差部12a−3における検出信号出力の定常状態からの変化量を表す値である。
スマートフォン100(電子機器)は、パーソナルコンピュータ・PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)等の機能を併せ持った多機能の携帯電話機である。図1に示すように、スマートフォン100は、表示部11、操作入力処理部12、記憶部13および制御部14を備えている。
表示部11は、タッチパネル(不図示)および表示処理を行う回路などを有し、タッチパネルの操作入力面11aに画像およびカーソルなどを表示させる。タッチパネルは、表示部11の一部および操作入力処理部12の一部として動作する。
操作入力処理部12は、タッチパネルおよび操作入力処理を行う回路などを有し、ユーザによる操作を入力可能な操作入力面11aからのタッチ入力(入力操作)の検出を行う。また、操作入力処理部12は、操作入力面11aに表示されたカーソルの位置などの算出も行う。タッチ入力には、ユーザの指等が操作入力面11aに接触する場合の他、近接する場合も含まれる。
ここで、操作入力処理部12によるタッチ入力の検出は、具体的には、操作入力処理部12に形成されたセンサ電極12aによって行われる。センサ電極12aは、複数のX検出電極12a−1と複数のY検出電極12a−2とが平面視で互いに直交するように、すなわちマトリックス状に、操作入力処理部12における操作入力面11a(または操作入力面11aと対向する面)内に一様に配されている(図4参照)。複数のX検出電極12a−1と複数のY検出電極12a−2とからなるマトリックスは、例えば4mm〜5mmピッチで構成される。
操作入力面11aにユーザの指等が接触または接近すると、X検出電極12a−1とY検出電極12a−2とが交差する交差部12a−3(電極)における電極間の検出信号出力の値が変化する。スマートフォン100では、操作入力面11aを構成する複数のセグメント毎に交差部12a−3が対応付けられて配置されており、これら複数の交差部12a−3における静電容量値に対応する検出信号出力の値の変化に基づいて、タッチ入力が検出される。ここで、交差部12a−3は、CPU(制御部14)へ出力される座標データとして、100dot/mm〜200dot/mmの分解能を有している。
なお、本実施形態以下の各実施形態では、表示部11の一部と操作入力処理部12の一部とが一体化したタッチパネルを例に挙げて説明しているが、これらは、それぞれ個別のデバイスであってもよい。
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などで構成され、スマートフォン100が備える各部の動作に必要なデータを記憶する。また、記憶部13は、キャリブレーション実施により更新されたセグメント毎の基準特性データを校正部17から取得し(基準特性データ、校正部17ともに後述)、記憶部13内のメモリ領域13aに格納する。あるいは、キャリブレーション実施がスマートフォン100の周囲における温度変化に起因する場合、上記の更新された基準特性データを温度変化特性データとして、記憶部13内のメモリ領域13bに格納する。記憶部13は、スマートフォン100の内部に具備されてもよいし、スマートフォン100の外部に具備されてもよい。
制御部14は、例えばCPUであり、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによってスマートフォン100が備える各部の動作を統括的に制御する。また、制御部14は、入力検出装置1を備えている。
入力検出装置1は、操作入力面11aを構成する複数のセグメント(複数の箇所)における各静電容量に基づく検出信号出力値に対応するDiffer値(差分値)と、タッチ閾値(第1閾値)との差異に基づき、操作入力面11aに対するタッチ入力を検出する。図1に示すように、入力検出装置1は、オーバーフロー判定部15、座標算出部16および校正部17を備えている。
ここで、基準特性データは、操作入力面11aにタッチ入力がなされていない定常状態での、各セグメントに配置された交差部12a−3における静電容量に対応する検出信号出力値である。
図2の(a)に示すように、定常状態においてもセグメント毎の交差部12a−3の基準特性データ分布は均一ではなく、タッチパネルの遠端に位置する交差部12a−3から近端に位置する交差部12a−3にかけて、基準特性データが直線的に傾斜した分布になっている(図中のLb)。これは、タッチパネルに搭載されたICチップと、X検出電極12a−1およびY検出電極12a−2の各々との配線距離の違いに起因するものである。
このような定常状態の基準特性データの分布態様に合わせて、図2の(a)に示すように、セグメント毎にUpperLimit(限界値:図中のLu)およびLowerLimit(限界値:図中のLl)を設定する。UpperLimitは、各セグメントに対応する交差部12a−3において操作入力処理部12および入力検出装置1が正常な検出動作が可能な検出信号出力の最大値である。また、LowerLimitは、各セグメントに対応する交差部12a−3において操作入力処理部12および入力検出装置1が正常な検出動作が可能な検出信号出力の最小値である。
UpperLimitおよびLowerLimitは、ともにセグメント毎の固有値であり、予め記憶部13、あるいは後述するオーバーフロー判定部15内のメモリ等に格納される。また、Differ値については、図2の(b)に示すように、定常状態では、各セグメントともにDiffer値は略ゼロになる(図中、実線のLd)。
タッチ閾値は、基準特性データに所定の大きさの値を加えた値として設定されており、タッチ入力を検出するための閾値である。すなわち、図2の(b)に示すように、操作入力面11aのあるセグメントにおいて検出されたDiffer値がタッチ閾値を超えた場合(図中の破線において、タッチ閾値を超えて盛り上がっている部分)、当該セグメントにおいてタッチ入力がなされたことを検出する。
オーバーフロー判定部15は、まず、操作入力処理部12によって検出された、操作入力面11aの特定のセグメント(所定箇所)の静電容量値に対応する検出信号出力値を、第1判定閾値(第2閾値)および第2判定閾値(第2閾値)と比較する。そして、検出された検出信号出力値が第1判定閾値または第2判定閾値を超えた場合、オーバーフロー判定部15は、当該検出信号出力値を、当該特定のセグメントに対応するUpperLimitおよびLowerLimitと比較する。
第1判定閾値は、UpperLimitよりも小さい所定の値で設定された閾値であり、第2判定閾値は、LowerLimitよりも大きな所定の値で設定された閾値である。これら2つの判定閾値を設定することにより、オーバーフロー発生の有無を判定する必要がない程度の検出信号出力の変化でもオーバーフロー発生の有無を判定するといった、無駄な判定を抑制することができる。ここで、「検出された検出信号出力値が第1判定閾値または第2判定閾値を超えた場合」とは、当該検出信号出力値が第1判定閾値より大きくなった場合または第2判定閾値より小さくなった場合を指す。
第1・第2判定閾値は、予め記憶部13、あるいはオーバーフロー判定部15内のメモリ等に格納される。
次に、検出された検出信号出力値がUpperLimitまたはLowerLimitを超えた場合、オーバーフロー判定部15は、当該特定のセグメントに対応する交差部12a−3の検出信号出力がオーバーフローしていると判定する。ここで、「検出された検出信号出力値がUpperLimitまたはLowerLimitを超えた場合」とは、当該検出信号出力値がUpperLimitより大きくなった場合またはLowerLimitより小さくなった場合を指す。また、「オーバーフロー」とは、操作入力面11aのセンサ感度のキャリブレーションのみでは操作入力処理部12および入力検出装置1が正常な検出動作ができない程度まで、交差部12a−3の検出信号出力の変化が大きくなった場合を指す。
例えば、スマートフォン100の周囲の温度が急激に変化してオーバーフローが発生した場合、図3の(a)に示すように、特定のセグメントの検出信号出力値が当該特定のセグメントのUpperLimitを超える程度まで大きく変化する。このような状態では、図3の(b)に示すように上記特定のセグメントのDiffer値がタッチ閾値より大きくなり、実際にはタッチ入力されていないにも拘らず、タッチ入力が誤検出されてしまう。
このようにオーバーフローが発生した場合、特定のセグメントにおいて、タッチ入力が誤検出されてしまう程度にDiffer値が異常な変化をしていることから、センサ感度のキャリブレーションのみで対処することは困難な状態になっている。それゆえ、まずは、オーバーフロー判定部15でオーバーフローが発生しているか否かを判定し、オーバーフローへの対処の要否を判断する。
座標算出部16は、オーバーフロー判定部15によって、操作入力面11aの特定のセグメント(以下、「オーバーフローポイント」とする)がオーバーフローしていると判定された場合、当該オーバーフローポイントで検出されたDiffer値がタッチ閾値を超えたときに、まず、当該オーバーフローポイントにおける検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化する。
ここで、イベントデータとは、例えばオーバーフローポイントの座標値、当該オーバーフローポイントに対応付けられた所定のオブジェクトの実行結果などを指す。また、イベントデータの無効化は、座標算出部16または制御部14等で行われる。
また、座標算出部16は、オーバーフローポイントの周辺領域で検出された複数のDiffer値に基づいて、操作入力面11aにおける実際にタッチ入力が行われた箇所(以下、「タッチ入力ポイント」とする)の座標値を算出する。具体的には、座標算出部16は、図4に示すように、平面視においてオーバーフローポイントPoの周囲を取り囲む8つの交差部12a−3の各々に対応するセグメントSa〜Shを、オーバーフローポイントPoの周辺領域として設定する。
なお、本実施形態以下の各実施形態において、操作入力面11aの特定の箇所の座標値は、操作入力面11aを含む仮想平面上に形成した2つの座標軸(X軸、Y軸、ともに図4参照)により規定される座標(X座標、Y座標)で表される。X軸は、X検出電極12a−1の延伸方向であるX方向に対して平行であり、Y軸は、Y検出電極12a−2の延伸方向であるY方向に対して平行である。X軸、Y軸および原点は、上述の仮想平面上であればどの位置に設定してもよい。
次に、座標算出部16は、オーバーフローポイントPoの周辺領域で検出された8つのDiffer値に基づいて、それぞれ定常状態を基準とする変化量の大きさ・増減の程度を比較する等の処理を行うことにより、タッチ入力ポイントの座標値を算出する。
例えば、図4において、ユーザの指等がオーバーフローポイントPoをタッチした場合、当該オーバーフローポイントPoに対応する交差部12a−3のDiffer値が最も変化するとともに、周囲の8つの交差部12a−3のDiffer値も変化する。この時、周囲の8つの交差部12a−3のDiffer値は、すべて略同一となる。
また、オーバーフローポイントPoをタッチした状態からユーザの指等がスライドして、例えばセグメントSbに近づいた場合、当該セグメントSbに対応する交差部12a−3のDiffer値が最も増加する。また、セグメントSbの近傍に位置する、セグメントSaおよびScのそれぞれに対応する交差部12a−3のDiffer値も、セグメントSbに準じて増加する。一方、セグメントSbから遠い位置にあるセグメントSe〜Sgについては、それぞれに対応する交差部12a−3のDiffer値は減少する。
この時、座標算出部16は、オーバーフローポイントPoの周辺領域で検出された、変化後の8つのDiffer値をそれぞれ比較し、Differ値が最も増加した交差部12a−3に対応するセグメントSbをタッチ入力ポイントに決定する。そして、セグメントSbの座標値を算出することにより、タッチ入力ポイントの座標値を決定する。
あるいは、周囲の8つの交差部12a−3のDiffer値に基づいて、例えば当該8つのDiffer値から、内挿計算等によりタッチされたオーバーフローポイントPoの座標値を求めてもよい。
このように、オーバーフローポイントPoで取得された検出信号出力値から得られたイベントデータを無効化するとともに、当該ポイントPoの周辺領域で検出された複数のDiffer値に基づいてタッチ入力ポイントの座標値を算出することで、オーバーフローへの対処がなされる。
校正部17は、オーバーフロー判定部15によって特定のセグメントの検出信号出力値と第1判定閾値との比較がなされた結果、当該検出信号出力値が第1判定閾値を超えないことが判明した場合、当該特定のセグメントで検出されたDiffer値を校正閾値(第3閾値)と比較する。
また、校正部17は、オーバーフロー判定部15によって特定のセグメントの検出信号出力値とUpperLimitとの比較がなされた結果、当該検出信号出力値がUpperLimitを超えないことが判明した場合、当該特定のセグメントで検出されたDiffer値を校正閾値と比較する。
校正閾値は、タッチ閾値よりも小さい値で設定された閾値であり、タッチ入力に起因して急激なDiffer値の変化があった操作入力面11aの箇所を精度高く捕捉しつつ、交差部12a−3で発生するタッチ入力の誤検出を抑制するための閾値である。校正閾値は、予め記憶部13、あるいは校正部17内のメモリ等に格納される。
また、校正部17は、特定のセグメントで検出されたDiffer値が校正閾値よりも大きくなったときに、操作入力面11aのセンサ感度をキャリブレーションする。このキャリブレーションを実施することにより、校正部17は、操作入力面11aの各セグメント(複数の箇所)に対応する複数の基準特性データ(基準値)を更新する。
ここで、「操作入力面11aのセンサ感度」とは、操作入力処理部12における操作入力面11aと対向する面内に一様に配された、センサ電極12aのセンサ感度を指す。
具体的には、例えばスマートフォン100の周囲の温度が変化した場合、図5の(a)に示すように、タッチ入力がなくても、各セグメントの基準特性データが、当初の定常状態から全体的に増加する(図中、破線のLbが実線のLb−1の位置まで移動)。また、図5の(b)に示すように、各セグメントのDiffer値についても、定常状態から全体的に増加する(図中、破線のLdが実線のLd−1の位置まで移動)。
そして、各セグメントのDiffer値が校正閾値を超える程度まで増加した場合、タッチ閾値とDiffer値とのマージンが少なくなり、僅かな検出信号出力の変化でもDiffer値がタッチ閾値を超えるセグメントが発生することとなる。
したがって、操作入力面11aのセンサ感度をキャリブレーションすることにより、増加後の基準特性データ、すなわち温度変化特性データ(図5の(a)の実線Lb−1)を、各セグメントの新たな基準特性データとして更新する。これにより、各セグメントのDiffer値は再びLd(図中、破線のLd)の値に略戻る。
<入力検出装置による入力検出の方法>
次に、図6を参照して、入力検出装置1による入力検出の方法について説明する。図6は、入力検出装置1による入力検出の方法を示すフローチャートである。
タッチパネル(すなわち、スマートフォン100)の起動後(ステップ101:以下、「S101」と略記する)、入力検出装置1は、操作入力面11aから各セグメントの基準特性データを取得し(S102)、記憶部13内のメモリ領域13aに格納させる(S103)。
次に、入力検出装置1は、操作入力面11aの各セグメントをモニタして、それぞれのDiffer値を取得する(S104)。そして、Differ値をタッチ閾値と比較し、Differ値がタッチ閾値を超えるセグメントがあるか、すなわち、タッチ入力が行われたセグメントがあるかを検出する(S105)。S105でYES(以下、「Y」と略記する)と判定した場合、スマートフォン100が当該タッチ入力に対応するイベントを実施(S116)した後、再びS104の処理を行う。
一方、S105でNO(以下、「N」と略記する)と判定した場合、オーバーフロー判定部15は、操作入力面11aの各セグメントをモニタして、それぞれの検出信号出力値を取得する(S106)。そして、検出信号出力値を第1判定閾値および第2判定閾値と比較し、検出信号出力値が第1判定閾値または第2判定閾値を超えるセグメントがあるかを判定する(S107)。
S107でYと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、第1判定閾値または第2判定閾値を超えた検出信号出力値と、UpperLimitまたはLowerLimitとを比較する。そして、当該検出信号出力値が、UpperLimitまたはLowerLimitを超えるかを判定する(S108:オーバーフロー判定ステップ)。
S108でYと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、特定のセグメント(オーバーフローポイント)でオーバーフローが発生している旨の判定結果を座標算出部16に送信する。判定結果を受信した座標算出部16は、その後、オーバーフローポイントで検出されたDiffer値がタッチ閾値を超えたときに、当該オーバーフローポイントから取得されたイベントデータを無効化する(S109:イベントデータ無効化ステップ(座標算出ステップ))。一方、S108でNと判定した場合、後述するS112の処理に移行する。
次に、座標算出部16は、オーバーフローポイントの周辺領域から検出された、複数のDiffer値を取得する(S110:Differ値取得ステップ(座標算出ステップ))。そして、これら複数のDiffer値に基づいて、タッチ入力ポイントの座標値を算出する(S111:座標算出ステップ)。
一方、S107でNと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、検出信号出力値が第1判定閾値を超えるセグメントが存在しない旨の判定結果を校正部17に送信する。判定結果を受信した校正部17は、Differ値が校正閾値よりも大きいセグメントがあるかを判定する(S112)。
S112でYと判定した場合、校正部17は、操作入力面11aのセンサ感度のキャリブレーションを実施し(S113)、基準特性データを再構築する(S114)。そして、記憶部13内のメモリ領域13aに格納されている基準特性データを、再構築した基準特性データに更新する(S115)。一方、S112でNと判定した場合、再びS104の処理を行う。
なお、S115において、再構築された基準特性データを、温度特性データとして記憶部13内のメモリ領域13bに格納してもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図1、図7および図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
なお、本実施形態では、表示部11としてLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)を採用している場合において、LCD点灯時に発生するタッチ入力の誤検出を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る入力検出装置2はスマートフォン200に搭載されている。入力検出装置2以外のスマートフォン200の構成については、スマートフォン100と同様である。また、入力検出装置2が、オーバーフロー判定部15、座標算出部16および校正部17を備えている点は、実施形態1に係る入力検出装置1と同様である。
一方、入力検出装置2は、オーバーフロー判定部15が、オーバーフロー発生判定の要否に際し検出信号出力値でなくDiffer値を用いている点で、実施形態1に係る入力検出装置1と異なる。
<LCD点灯時におけるDiffer値の変化>
図7を参照して、LCD点灯時における、操作入力面11aの各セグメントから検出されるDiffer値の変化について説明する。
図7は、入力検出装置2が搭載されたスマートフォン200のLCDについて、(a)は、LCD非点灯時においてタッチ入力が検出された場合のセグメント毎のDiffer値を示すグラフである。(b)は、操作入力面11aの特定の箇所がオーバーフローしていると判定された場合における、セグメント毎のDiffer値を示すグラフである。(c)は、LCD点灯時のセグメント毎のDiffer値を示すグラフである。
図7の(a)に示すように、LCD非点灯時においては、LCDの各セグメントから検出されるDiffer値は、タッチ入力が無い場合には定常状態の特性を維持している。すなわち、各セグメントともにDiffer値は略ゼロになる(図中、実線のLd)。したがって、LCD非点灯時において周囲の温度変化等がない場合、Differ値がタッチ閾値を超えるセグメント(図中の破線において、タッチ閾値を超えて盛り上がっている部分)が、そのままタッチ入力ポイントとなる。
一方、LCDを点灯した場合においてノイズの影響が大きくなると、図7の(b)に示すように、セグメントによってはDiffer値がLCD非点灯時から大きく変化する(図中、実線のLd−2の状態)。そして、Differ値の変化の程度によっては、タッチ入力が行われていないにも拘らず、Differ値がタッチ閾値を超えるセグメントが発生し、タッチ入力の誤検出の原因となる。
入力検出装置2のオーバーフロー判定部15は、このような、タッチ入力が行われていないにも拘らずDiffer値がタッチ閾値を超えるセグメントを、オーバーフローポイントとして判定する。入力検出装置2のオーバーフロー判定部15によるオーバーフローポイントの有無の判定は、実施形態1に係る入力検出装置1のオーバーフロー判定部15と同様に、検出信号出力値と、UpperLimitおよびLowerLimitとの比較によって行われる。
ここで、入力検出装置2のオーバーフロー判定部15は、検出信号出力値と、UpperLimitおよびLowerLimitとの比較に先立ち、LCDの各セグメントから検出されたDiffer値を、それぞれタッチ閾値よりも小さい第3判定閾値(第2閾値)と比較する。Differ値が第3判定閾値を超えるセグメントが存在しない場合、入力検出装置2のオーバーフロー判定部15は、検出信号出力値とUpperLimitおよびLowerLimitとの比較を行わない。
本実施形態では、第3判定閾値が、オーバーフロー発生判定の要否を判定するための閾値となる。また、オーバーフローポイントの有無の判定に用いられる検出信号出力値は、第3判定閾値を超えたDiffer値に対応する検出信号出力値が対象となる。
また、LCDを点灯した場合においてノイズの影響が小さくても、図7の(c)に示すように、セグメントによってはDiffer値がLCD非点灯時から変化する(図中、実線のLd−3の状態)。入力検出装置2の校正部17は、変化後のDiffer値において校正閾値を超えるものが存在する場合、実施形態1に係る入力検出装置1の校正部17と同様に、LCDのセンサ感度をキャリブレーションする。
入力検出装置2の校正部17は、LCDのセンサ感度をキャリブレーションすることにより、LCD点灯時においてLCDの各セグメントから検出されたDiffer値をクリア、すなわち略ゼロにする。これによって、LCD点灯時において各セグメントから検出されたDiffer値が、略LCD非点灯時の状態に戻る(図中、破線のLdの状態)。
<入力検出装置による入力検出の方法>
次に、図8を参照して、入力検出装置2による入力検出の方法について説明する。図8は、入力検出装置2による入力検出の方法を示すフローチャートである。
タッチパネルの起動後(S201)、入力検出装置2は、LCD非点灯時におけるLCDの各セグメントのDiffer値を取得し(S202)、記憶部13内のメモリ領域13aに格納させる(S203)。
次に、入力検出装置2は、操作入力面11aの各セグメントをモニタして、それぞれのDiffer値を取得する(S204)。そして、Differ値をタッチ閾値と比較し、Differ値がタッチ閾値を超えるセグメントがあるか、すなわち、タッチ入力が行われたセグメントがあるかを判定する(S205)。S205でYと判定した場合、スマートフォン200が当該タッチ入力に対応するイベントを実施(S215)した後、再びS204の処理を行う。
一方、S205でNと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、LCD点灯時におけるLCDの各セグメントをモニタして、それぞれのDiffer値を取得する(S206)。そして、Differ値を第3判定閾値と比較し、Differ値が第3判定閾値を超えるセグメントがあるかを判定する(S207)。
S207でYと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、第3判定閾値を超えたDiffer値に対応する検出信号出力値と、UpperLimitおよびLowerLimitとを比較する。そして、当該検出信号出力値が、UpperLimitまたはLowerLimitを超えるかを判定する(S208:オーバーフロー判定ステップ)。
S208でYと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、特定のセグメント(オーバーフローポイント)でオーバーフローが発生している旨の判定結果を座標算出部16に送信する。判定結果を受信した座標算出部16は、その後、オーバーフローポイントで検出されたDiffer値がタッチ閾値を超えたときに、当該オーバーフローポイントから取得されたイベントデータを無効化する(S209:イベントデータ無効化ステップ(座標算出ステップ))。一方、S208でNと判定した場合、後述するS212の処理に移行する。
次に、座標算出部16は、オーバーフローポイントの周辺領域から検出された、複数のDiffer値を取得する(S210:Differ値取得ステップ(座標算出ステップ))。そして、これら複数のDiffer値に基づいて、タッチ入力ポイントの座標値を算出する(S211:座標算出ステップ)。
一方、S207でNと判定した場合、オーバーフロー判定部15は、Differ値が第3判定閾値を超えるセグメントが存在しない旨の判定結果を校正部17に送信する。判定結果を受信した校正部17は、Differ値が校正閾値よりも大きいセグメントがあるかを判定する(S212)。
S212でYと判定した場合、校正部17は、操作入力面11aのセンサ感度のキャリブレーションを実施し(S213)、操作入力面11aの各セグメントから検出されたDiffer値をクリアする(S214)。一方、S212でNと判定した場合、再びS204の処理を行う。
なお、本実施形態では、入力検出装置2のオーバーフロー判定部15がDiffer値を用いてオーバーフローポイント発生判定の要否を判定しているが、Differ値に代えて検出信号出力値を用いてもよい。また、実施形態1に係る入力検出装置1のオーバーフロー判定部15について、検出信号出力値に代えてDiffer値をオーバーフローポイントの有無の判定に用いてもよい。
〔実施形態3〕
入力検出装置1および2の制御ブロック(特にオーバーフロー判定部15、座標算出部16および校正部17)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、入力検出装置1および2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る入力検出装置(1、2)は、操作入力面(11a)における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出装置であって、上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定部(15)と、上記オーバーフロー判定部にて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域(セグメントSa〜Sh)で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出部(16)と、を備えている。
上記構成によれば、オーバーフロー判定部は、操作入力面の所定箇所から検出された検出信号出力値が限界値を超えた場合に、所定箇所に対応する電極の検出信号出力値がオーバーフローしていると判定する。それゆえ、操作入力面におけるオーバーフローポイント(電極の検出信号出力値がオーバーフローしている操作入力面の所定箇所)を確実に検出することができる。
また、上記構成によれば、座標算出部は、オーバーフローポイントにて入力操作が検出された場合(検出信号出力値と基準値との差分値が第1閾値を超えた場合)、当該ポイントから取得されたイベントデータ(座標値等)を無効化する。それゆえ、オーバーフローポイントにて誤検出された入力操作に基づく、誤った所定データの取得・処理を防止することができる。
さらに、上記構成によれば、座標算出部は、オーバーフローポイントにて入力操作が検出された場合、当該オーバーフローポイントの周辺領域で検出された複数の差分値に基づいて、実際に入力操作が行われた操作入力面の箇所の座標値を算出する。それゆえ、オーバーフローポイントにて入力操作が検出された場合でも、実際に操作入力が行われた箇所を精度高く検出することができ、オーバーフローに起因する入力操作の誤検出を効果的に抑制することができる。
本発明の態様2に係る入力検出装置(1、2)は、上記態様1において、上記オーバーフロー判定部は、上記所定箇所で検出された検出信号出力が、オーバーフロー発生判定の要否を判定するための第2閾値を超えた場合に、上記所定箇所で検出された検出信号出力値を上記限界値と比較して、当該検出信号出力値がオーバーフローしているか否かを判定することが好ましい。
上記構成によれば、オーバーフロー判定部は、操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力が第2閾値を超えたものの、当該検出信号出力に対応する検出信号出力値が限界値を超えなかった場合、オーバーフロー発生の有無を判定しない。したがって、オーバーフロー発生の有無を判定する必要がない程度の検出信号出力の変化でも当該判定するといった、無駄なオーバーフロー発生の有無の判定を抑制することができる。
本発明の態様3に係る入力検出装置(1)は、上記態様1または2において、上記オーバーフロー判定部にて、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えないと判定された場合に、上記所定箇所の上記差分値を上記第1閾値よりも小さい第3閾値と比較し、上記所定箇所の上記差分値が上記第3閾値を超えたときに、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションする校正部(17)を、さらに備えていることが好ましい。
上記構成によれば、校正部は、オーバーフロー判定部がオーバーフロー発生の有無を判定しない場合において、所定箇所の差分値が第3閾値を超えたときに操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションする。したがって、オーバーフローが生じない程度の温度変化等があった場合でも、入力操作の誤検出を抑制できることから、温度変化等の程度に拘らず、入力操作の誤検出を効果的に抑制することができる。
本発明の態様4に係る入力検出装置(1)は、上記態様3において、上記校正部は、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションすることにより、上記操作入力面の複数の箇所に対応する複数の基準値を更新することが好ましい。
上記構成によれば、例えば温度変化により操作入力面の複数の箇所の基準値が変動した場合でも、当該複数の箇所について、変動後の基準値を新たな基準値として更新する。それゆえ、温度変化等の程度に拘らず、入力操作の誤検出を効果的に抑制することができる。
本発明の態様5に係る入力検出装置(2)は、上記態様3において、上記校正部は、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションすることにより、上記操作入力面の複数の箇所にて検出された複数の上記差分値を略ゼロにすることが好ましい。
上記構成によれば、例えばLCD点灯時に発生するノイズにより操作入力面の複数の箇所の基準値が変動した場合でも、当該複数の箇所にて検出された複数の差分値を略ゼロにする。それゆえ、温度変化等の程度に拘らず、入力操作の誤検出を効果的に抑制することができる。
本発明の態様6に係る電子機器(スマートフォン100、200)は、上記態様1から5のいずれかに係る入力検出装置(1、2)が搭載されている。上記構成によれば、オーバーフローに起因する入力操作の誤検出を効果的に抑制できる電子機器を実現することができる。
本発明の態様7に係る入力検出方法は、操作入力面における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出方法であって、上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定ステップ(S108、S208)と、上記オーバーフロー判定ステップにて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出ステップ(S109〜S111、S209〜S211)と、を含んでいる。
上記構成によれば、オーバーフローに起因する入力操作の誤検出を効果的に抑制できる入力検出方法を実現することができる。
本発明の各態様に係る入力検出装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記入力検出装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記入力検出装置をコンピュータにて実現させる入力検出装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、2 入力検出装置
11a 操作入力面
12a−3 交差部(電極)
15 オーバーフロー判定部
16 座標算出部
17 校正部

Claims (8)

  1. 操作入力面における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出装置であって、
    上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定部と、
    上記オーバーフロー判定部にて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出部と、を備えたことを特徴とする入力検出装置。
  2. 上記オーバーフロー判定部は、上記所定箇所で検出された検出信号出力が、オーバーフロー発生判定の要否を判定するための第2閾値を超えた場合に、上記所定箇所で検出された検出信号出力値を上記限界値と比較して、当該検出信号出力値がオーバーフローしているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の入力検出装置。
  3. 上記オーバーフロー判定部にて、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えないと判定された場合に、上記所定箇所の上記差分値を上記第1閾値よりも小さい第3閾値と比較し、上記所定箇所の上記差分値が上記第3閾値を超えたときに、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションする校正部を、さらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の入力検出装置。
  4. 上記校正部は、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションすることにより、上記操作入力面の複数の箇所に対応する複数の基準値を更新することを特徴とする請求項3に記載の入力検出装置。
  5. 上記校正部は、上記操作入力面のセンサ感度をキャリブレーションすることにより、上記操作入力面の複数の箇所にて検出された複数の上記差分値を略ゼロにすることを特徴とする請求項3に記載の入力検出装置。
  6. 上記請求項1から5のいずれか1項に記載の入力検出装置が搭載されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の入力検出装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記オーバーフロー判定部および上記座標算出部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
  8. 操作入力面における複数の箇所で検出した検出信号出力値と基準値との差分値と、第1閾値との差異に基づき、上記操作入力面に対する入力操作を検出する入力検出方法であって、
    上記操作入力面の所定箇所で検出された検出信号出力値を、上記所定箇所に対応する検出信号出力の限界値と比較し、上記所定箇所で検出された検出信号出力値が上記限界値を超えた場合に、当該検出信号出力値がオーバーフローしていると判定するオーバーフロー判定ステップと、
    上記オーバーフロー判定ステップにて上記オーバーフローしていると判定された場合には、上記所定箇所における検出信号出力値の検出によって得られたイベントデータを無効化するとともに、上記操作入力面における上記所定箇所の周辺領域で検出された複数の上記差分値に基づいて、上記操作入力面における上記入力操作が行われた箇所の座標値を算出する座標算出ステップと、を含んでいることを特徴とする入力検出方法。
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