JP2018048951A - 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 - Google Patents
嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018048951A JP2018048951A JP2016185499A JP2016185499A JP2018048951A JP 2018048951 A JP2018048951 A JP 2018048951A JP 2016185499 A JP2016185499 A JP 2016185499A JP 2016185499 A JP2016185499 A JP 2016185499A JP 2018048951 A JP2018048951 A JP 2018048951A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anaerobic
- particle
- water
- analysis
- cross
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
Description
上記埋設材としては、エポキシ樹脂以外に例えば炭素ペースト等も考えられるが、ペーストの成分である溶剤中に酸素や水分等、固体触媒成分を変質させうる物質が一定量存在するため、上記問題を解決するには至らなかった。
そこで我々は、大気非暴露型冷却断面加工装置(クライオ型クロスセクションポリッシャ(CCP))に着目するに至った。
CCPは、液体窒素等を用いた試料の冷却を伴った切断装置であり、CCPを用いてオレフィン類重合用固体触媒成分を加工する場合、支持板兼徐熱板(シリコンウェハー)上に予め両面炭素テープを設置した上でオレフィン類重合用固体触媒成分を散布すれば、測定試料を樹脂内部に埋設しなくても加工することができ、上記支持板を載置するステージ温度を冷却しながら断面加工することにより加工時の熱ダメージを低減し得ると考えられた。
しかしながら、本発明者等が上記方法について検討したところ、切断面の状態は、上記エポキシ樹脂等に埋設する方法に比較すれば改善するものの、依然として一部溶融したような状態になっており、正確な断面解析を行える状態にはなり得なかった。
(1)嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法であって、
平均直径が100μm以下であり表面に熱伝導性被膜を有する嫌気性・禁水性粒子を、
不活性雰囲気下、大気非暴露型冷却断面加工装置を用いて−70℃以下の温度条件下で切断加工した後、
得られた切断面に対し、エネルギー分散型X線検出器を2個以上有する走査型電子顕微鏡を用いて元素別マッピング解析を行い、得られた元素別マッピング解析結果と、粒子切断面のSEM撮影画像とを重ね合わせる
ことを特徴とする嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法、
(2)前記嫌気性・禁水性粒子が、マグネシウム、ハロゲンおよびチタンを必須成分として含むオレフィン類重合用固体触媒成分またはその前駆体の粒子である上記(1)に記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法、
(3)前記嫌気性・禁水性粒子の切断面における元素別マッピング解析を、EDS多変量イメージ解析ソフトウェアを用いて行う、上記(1)または(2)に記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法、
(4)前記マッピング解析を行う際に、マグネシウムのK線、炭素のK線、塩素のK線、金のL線および金のM線の中から選択されるいずれか一種以上の特性X線を用いる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法
を提供するものである。
平均直径が100μm以下であり表面に熱伝導性被膜を有する嫌気性・禁水性粒子を、
不活性雰囲気下、大気非暴露型冷却断面加工装置を用いて−70℃以下の温度条件下で切断加工した後、
得られた切断面に対し、エネルギー分散型X線検出器を2個以上有する走査型電子顕微鏡を用いて元素別マッピング解析を行い、得られた元素別マッピング解析結果と、粒子切断面のSEM撮影画像とを重ね合わせる
ことを特徴とするものである
嫌気性・禁水性粒子としては、例えば、無機酸化物や金属ハロゲン化合物、樹脂ビーズ等を支持体とし、これにチタン等の遷移金属化合物および必要に応じ内部電子供与性化合物を担持してなるオレフィン重合用固体触媒成分もしくはその前駆体や、該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物等の助触媒および必要に応じ外部電子供与性化合物からなる固体状のオレフィン重合用触媒や、金属酸化物、金属ハロゲン化合物等を支持体とする担持型メタロセン触媒等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記オレフィン類重合用固体触媒成分もしくはその前駆体としては、マグネシウム、ハロゲンおよびチタンを必須成分として含むオレフィン類重合用固体触媒成分もしくはその前駆体を挙げることができる。
上記平均直径が100μmを超えると切断加工時の加工時間が長時間化し、粒子内部構造の簡便な分析、評価が困難になる。
嫌気性・禁水性粒子の平均直径の下限は特に制限されないが、通常1μm以上であり、好ましくは5μm以上である。
熱伝導性被膜の構成成分としては、汎用的で熱伝導性に優れる物であれば特に制限されないが、100(W・m−1・K−1)以上の熱伝導率を有するものが好ましく、110(W・m−1・K−1)以上の熱伝導率を有するものがより好ましく、120(W・m−1・K−1)以上の熱伝導率を有するものがさらに好ましい。
熱伝導性被膜の構成成分の熱伝導率の上限は特に制限されないが、通常、500(W・m−1・K−1)以下である。
熱伝導性被膜の構成成分として、具体的には、炭素、オスミウム、金および白金等から選ばれる一種以上を挙げることができ、オスミウム、金および白金等から選ばれる一種以上が好ましく、金であることが好ましい。
嫌気性・禁水性粒子表面に対する熱伝導性膜の形成方法としては、チャンバー内に膜形成用物質の昇華ガスまたはプラズマ化したガスを供給し、嫌気性・禁水性粒子表面に熱伝導性物質の薄膜を形成する化学蒸着法(CVD法)や、密閉されたチャンバー内に固体(基盤)などに付着させた嫌気性・禁水性粒子を設置し、真空下または不活性雰囲気下、膜形成用物質(ターゲット)を高温で蒸発させるか飛散(スパッタリング)させ、該粒子表面に付着させて薄膜を形成する物理蒸着法(PVD法)等を挙げることができ、嫌気性・禁水性粒子に化学変化を生じることなく膜形成可能なPVD法により熱伝導性膜を製膜することが好ましい。
熱伝導性被膜が、嫌気性・禁水性粒子を回転させつつ形成されたものである場合、膜形成時における嫌気性・禁水性粒子の回転速度(回転数)に特に制限はないが、100rpm以下が好ましく、70rpm以下がより好ましく、50rpm以下がさらに好ましい。
嫌気性・禁水性粒子表面の微細構造を観察する上では、熱伝導性被膜の厚みが0.01nm以上であることにより、粒子上に連続した被膜を容易に形成することができ、帯電を抑制して正確な画像を容易に得ることができる。
なお、本出願書類において、熱伝導性被膜の厚みは、嫌気性・禁水性粒子の切断面を走査型電子協顕微鏡で観察したときの、5箇所の厚みの算術平均値を意味する。
蒸着時間が上記時間内であることにより、十分な膜厚を有する熱伝導性被膜を形成することができ、後述する切断加工時において、高温のプラズマによる熱伝導性被膜の剥がれや帯電を容易に抑制することができる。
インターバル法とは、塗膜処理と撹拌を複数回繰り返す方法であり、一例を挙げると、「一定時間塗膜→塗膜停止・粒子かき混ぜ→一定時間塗膜→塗膜停止・粒子かき混ぜ→一定時間塗膜」等というように、熱伝導性物質を塗膜後、嫌気性・禁水性粒子を撹拌して嫌気性・禁水性粒子中の塗膜未形成部を露出させ、さらに一定時間塗膜形成する操作を、繰り返し行う方法である。
一方、熱伝導性被膜形成後、嫌気性・禁水性粒子は密閉容器内で保存することが好ましく、密閉容器内に保存した状態で後述する断面加工装置や走査型電子顕微鏡へ移動させ、大気中の水分や酸素との接触を極力避けることが好ましい。
不活性雰囲気が真空雰囲気である場合、真空度が10-4Pa以内であることが好ましい。
上記温度条件下で断面加工を施すことにより、嫌気性・禁水性粒子に対する熱ダメージを抑制しつつ精度よく断面加工を施すことができる。
断面加工時の加速電圧は、10kV以下であることが好ましく、7kV以下であることがより好ましく、5kV以下であることがさらに好ましい。
間欠加工する方法を実施する場合、全加工時間が長時間化して簡潔な処理を行い難くなることから、間欠加工時間は、全加工時間に対し、半分以下とすることが好ましい。
上記熱伝導性物質としては、オスミウム、金、白金等から選ばれる一種以上を挙げることができる。試料粒子が断面加工部に伝導性物質の被膜を有することにより、断面加工部の観察時にチャージアップ等に起因する観察画像の不鮮明化を抑制することができる。
断面加工部に設ける熱伝導性被膜の厚みは、被膜が厚すぎると断面加工部位の微細構造を覆い隠してしまい、精度よい分析評価ができないため、0.1〜30nmであることが好ましく、0.1〜20nmであることがより好ましく、0.1〜15nmであることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、上記断面加工部に設けられる熱伝導性被膜の厚みも、走査型電子顕微鏡で観察したときの、5箇所の厚みの算術平均値を意味する。
低真空モードで観察することにより、プラスイオンが試料に帯電した電子を中和し、嫌気性・禁水性粒子を帯電させることなく観察することができる。
このようにして観察された粒子断面加工部位のSEM撮影画像例を図1に示す。
図1において、白色で示された部位が、組織部(平面部)を示し、黒色示された部位が、凹部を示している。
図3の下図に示すように、特性X線ピークが二以上存在する場合、粒子表面(平面部、図3の「I」部分)および粒子凹部(図3の「II」部分)から発生する特性X線を比較すると、粒子凹部から発生した特性X線は平面部から発生する特性X線より脱出深さ距離が長くなるため、試料粒子自身による吸収をより強く受ける低エネルギー側のピークが、高エネルギー側のピークと比較してより小さく検出される。
一方、エッジ部の穴側とは反対側から発生したX線(図4に示す特性X線「4」)を、図4の左側に記載のEDS検出器で収集すると、X線の脱出深さ距離が長くなるため、試料粒子自身による吸収が大きくなり高エネルギー側のピークがより強調された波形となる。
上記特性X線として、具体的には、マグネシウムのK線、塩素のL線、炭素のK線、酸素のK線等が挙げられ、マグネシウムのK線、塩素のL線および炭素のK線の中から選択される一種以上が好ましい。
上記特性X線として、具体的には、オスミウムのL線およびM線、金のL線およびM線、白金のL線およびM線から選ばれる一種以上を挙げることができる。
なお、本出願書類において、粒子表面(平面部)はエッジ部を含まないものとする。
具体的には、表面からの主成分波形の強度分布マップを反射電子線画像に重ね合わせ、閾値を設定後、平面部だけの2値化像を作成することにより、粒子断面加工部位の空隙部率と組織部率を求めることができる。
例えば、二塩化マグネシウム表面においては、加速電圧1kVの電子線を照射した場合、電子線が深さ方向に最大40nmまで到達しており(図7参照)、加速電圧3kVでは最大200nmであり(図8参照)、さらに加速電圧10kVでは最大1,500nmまで到達する(図9参照)。
空隙部と組織部とを把握するためには、凹部の深さ方向を把握し、解析する元素の特性X線を決定した後、粒子表面(平面部)および凹部の、2つのマッピングデータを分離する必要がある。
上記2つのマッピングデータを分離する前の特性X線スペクトルは、試料粒子から実際に発生する主成分スペクトルとはかなり形状が異なる場合があり、例えば、マイナスピークの存在や、強度分布マップにおけるマイナススコアーの発生などにより影響を受ける場合もある。
加工断面部位からの、2種類の特性X線からの主成分波形の強度分布マップを反射電子線像に重ね合わせ(図10参照)、閾値を設定後、粒子表面(平面部)だけの2値化像を作成することにより(図11参照)、組織部の面積(平面部の面積)を求め、下記式により、組織部率(面積%)および空隙部率(面積%)を求めることができる。
組織部率(%)={組織部(平面部)の面積÷断面加工部の面積}×100
空隙部率(%)={(断面加工部の面積−組織部の面積)÷断面加工部の面積}×100
なお、図11において、白色で示された部位が、組織部(平面部)を示し、黒色示された部位が、凹部を示している。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
<固体触媒成分の調製>
窒素ガスで充分置換された、撹拌器および還流冷却器を具備した容量500mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム20g、トルエン160mlおよびフタル酸ジ−n−ブチル4.8mlを装入して懸濁液を形成し、該懸濁液を−5℃まで冷却した。
一方、窒素ガスで充分置換され、撹拌器を具備した容量500mlの丸底フラスコに、予め四塩化チタン40mlおよびトルエン40mからなる混合溶液を−5℃に冷却しておき、該混合溶液中に、上記懸濁液を全量添加した。
懸濁液の添加終了後、−5℃で1時間保持し、その後105℃まで昇温し、105℃で1時間30分間、撹拌しながら反応させた。
反応終了後、撹拌を停止し、固液を分離して上澄み液を抜き出し、次いで、90℃のトルエン200mlを新たに装入、撹拌し、撹拌停止後に固液を分離し、上澄み液を抜き出すことを3回繰り返して洗浄した。
新たにトルエン160mlおよび四塩化チタン40mlを添加し、108℃で1時間撹拌しながら反応させた後、40℃のn−ヘプタン200mlで7回洗浄し、最後にロータリー真空ポンプで減圧乾燥して粉末状の固体触媒成分を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のマグネシウム含有量は21重量%、チタン含有量は2.8質量%、内部電子供与体含有量は18重量%であり、また、得られた固体触媒成分の平均直径は37.8μmであった。
(1)熱伝導性膜の被膜
(i)蒸着作業用グローブボックスの中に、蒸着用の金ターゲットと回転ステージを具備したイオンスパッター(日本電子(株)製、JFC−1600)を載置し、当該グローブボックスに、製造例1で得られた固体触媒成分、スパチュラ、プラスチック製浅底容器、予め導電性両面テープを貼り付けたシリコンウェハー(タテ5mm×ヨコ10mm×厚さ0.7mm)および密閉型CCP用トランスファーベッセル(日本電子(株)製、型番IB-19520 CCP用)を格納し、グローブボックス内部の窒素置換を充分に行った。
(ii)上記グローブボックス内において、固体触媒成分約500mgをプラスチック製浅底容器内に採取した後、このプラスチック製浅底容器をイオンスパッターのステージ上にセットし、到達真空度10Pa以下、印加電圧30mAの条件下、30rpmの速度でステージを回転させつつ、金蒸着を30分間実施した。
(iii)次いで、上記固体触媒成分入りのプラスチック製浅底容器を一旦イオンスパッターから取り出し、浅底容器内の固体触媒成分をスパチュラで混ぜ合わせ、再度イオンスパッターのステージ上にセットし、到達真空度10Pa以下、印加電圧30mAの条件下、30rpmの速度でステージを回転させつつ金蒸着を5分間実施した。
(iv)上記(iii)の一連の操作を計4回繰り返し、固体触媒成分の表面全体に、合計で5回金蒸着を施した。
引き続き、上記グローブボックス内において、シリコンウェハー上に貼り付けた導電性両面テープの表面に、上記(1)で得られた金蒸着済みの固体触媒成分を、粒子が重なり合わない程度の量散布し、密閉型CCP用トランスファーベッセルにシリコンウェハーを格納した。
次いで、上記グローブボックスから上記密閉型CCP用トランスファーベッセルを取り出して、CCP断面加工装置(日本電子(株)製、型番IB-19520 CCP)に固定した後、真空度を10-4以下、CCPステージ温度を−120℃以下に維持しつつ、アルゴンイオンビームによる固体触媒成分の断面加工を、加速電圧4.0kVで5時間かけて実施した。
インレンズショットキー形電子銃およびセミインレンズ形対物レンズを有し、あらかじめ2本のEDS検出器(サーモフィッシャーサイエンティフィック製X線マイクロアナライザー、NORANTM System 7 Ultra Dry、有効面積60mm2)を、互いにSEM鏡筒を介して反対位置に(SEM鏡筒を介して180°対向する位置に)設置したFE−SEM(日本電子(株)製、型番JSM-7610F)に対し(図12参照)、(2)で得られた断面加工済みの固体触媒成分を、CCP断面加工装置から取り外したトランスファーベッセルごとセットして、加速電圧3kV、拡大倍率3,000倍で、断面加工部の反射電子像による観察を行った。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。
上記の固体触媒成分200粒について金蒸着膜の平均厚みを確認したところ、90nmであった。
次いで、加速電圧3kV、カウント時間30分間、拡大倍率3,000倍の条件で、観察部位におけるスペクトルデータを得、マグネシウムのK線について、EDS多変量イメージ解析ソフトウェア(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、COMPASS)を用い、それぞれ特性X線マッピングを行い、試料表面からの主成分波形の強度分布マップを反射電子線像に重ね合わせ、閾値を設定後、粒子表面(平面部)だけの2値化像(図12参照)を作成することにより、組織部の面積(平面部の面積)を求め、下記式により、組織部率(面積%)および空隙部率(面積%)を求めた。
組織部率(%)={組織部(平面部)の面積÷断面加工部の面積}×100
空隙部率(%)={(断面加工部の面積−組織部の面積)÷断面加工部の面積}×100
なお、図12において、白色で示された部位が、組織部(平面部)を示し、黒色示された部位が、凹部を示している。
上記の解析操作を、断面加工済みの固体触媒成分200粒について同様に行い、平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。結果を表1に示す。
なお、塩化マグネシウム粒子の表面における電子線の焦点深度は、電子線の加速電圧を変化させて測定し、演算用ソフト(エレクトロンフライトシミュレーター バージョン3.1−LV、Small World LLC社製)を用い、モンテカルロシミュレーションにより求めた結果、加速電圧1kVにおける焦点深度は深さ方向に40nm程度であり、加速電圧3kVでは200nm程度、加速電圧10kVでは1,500nm程度であった。
実施例1で観察した固体触媒成分200粒に代えて、実施例1で観察した粒子とは異なる粒子500粒について解析操作を行った以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
実施例1で観察した固体触媒成分200粒に代えて、実施例1で観察した粒子とは異なる粒子1500粒について解析操作を行った以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
実施例1で観察した固体触媒成分200粒に代えて、実施例1で観察した粒子とは異なる粒子100粒について解析操作を行った以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
実施例1で観察した固体触媒成分200粒に代えて、実施例1で観察した粒子とは異なる粒子50粒について解析操作を行った以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
マグネシウムのK線に代えて、塩素のK線を用いて特性X線マッピングを行った以外は、実施例1と同様にして、断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
実施例1において、断面加工済みの固体触媒成分を、蒸着用の金ターゲットと回転ステージを具備したイオンスパッター(日本電子(株)製、JFC−1600)にセットし、断面加工部に対し、到達真空度10Pa以下、印加電圧30mAの条件下、30rpmの速度でステージを回転させつつ15分間の金蒸着をさらに行うとともに、マグネシウムのK線に代えて、金のL線を解析に用い特性X線マッピングを行った以外は、実施例1と同様にして、断面加工(切断)処理、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
なお、上記の固体触媒成分200粒について、断面加工部に設けた金蒸着膜の平均厚みを確認した所、49nmであった。
実施例7において、断面加工部に対し15分間の金蒸着を行うことに代えて5分間の金蒸着を行った以外は、実施例7と同様にして、断面加工(切断)処理、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
なお、上記の固体触媒成分200粒について、断面加工部に設けた金蒸着膜の平均厚みを確認した所、20nmであった。
実施例1において、CCPステージ温度−90℃で断面加工を行った以外は、実施例1と同様にして断面加工(切断)処理、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。断面加工部に溶融等は確認されず、鮮明度の高い観察結果を得ることができた。結果を表1に示す。
実施例1において、FE−SEMに備えるEDS検出器(サーモフィッシャーサイエンティフィック製X線マイクロアナライザー、NORANTM System 7 Ultra Dry、有効面積60mm2)を、2個から1個に変更した以外は(図13参照)、実施例1と同様にして、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。結果を表1に示す。
図13において、白色で示された部位が、組織部(平面部)を示し、黒色示された部位が、凹部を示している。
実施例1において、粒子表面に(1)熱伝導性膜の被膜を行うことなくそのまま(2)CCP断面加工を施した以外は、実施例1と同様にして断面加工(切断)処理、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。
断面加工部を観察したところ、一部が溶融した状態が確認された。結果を表1に示す。
実施例1において、CCPステージ温度−50℃で断面加工を行った以外は、実施例1と同様にして断面加工(切断)処理、FE−SEM装置による断面観察およびX線スペクトルデータの解析を行い、固体触媒成分の平均組織率(%)および平均空隙率(%)を求めた。
断面加工部を観察したところ、一部が溶融した状態が確認された。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法であって、
平均直径が100μm以下であり表面に熱伝導性被膜を有する嫌気性・禁水性粒子を、
不活性雰囲気下、大気非暴露型冷却断面加工装置を用いて切断加工した後、
得られた切断面に対し、エネルギー分散型X線検出器を2個以上有する走査型電子顕微鏡を用いて元素別マッピング解析を行い、得られた元素別マッピング解析結果と、粒子切断面のSEM撮影画像とを重ね合わせる
ことを特徴とする嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法。 - 前記嫌気性・禁水性粒子が、マグネシウム、ハロゲンおよびチタンを必須成分として含むオレフィン類重合用固体触媒成分またはその前駆体の粒子である請求項1に記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法。
- 前記嫌気性・禁水性粒子の切断面における元素別マッピング解析を、EDS多変量イメージ解析ソフトウェアを用いて行う、請求項1または請求項2に記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法。
- 前記マッピング解析を行う際に、マグネシウムのK線、炭素のK線、塩素のK線、金のL線および金のM線の中から選択されるいずれか一種以上の特性X線を用いる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016185499A JP2018048951A (ja) | 2016-09-23 | 2016-09-23 | 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016185499A JP2018048951A (ja) | 2016-09-23 | 2016-09-23 | 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018048951A true JP2018048951A (ja) | 2018-03-29 |
Family
ID=61767417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016185499A Pending JP2018048951A (ja) | 2016-09-23 | 2016-09-23 | 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018048951A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2021075170A1 (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-22 | ||
EP4238935A4 (en) * | 2020-10-28 | 2024-10-23 | Toho Titanium Co Ltd | SOLID CATALYST FOR OLEFIN POLYMERIZATION, METHOD FOR PRODUCING THE SOLID CATALYST |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08222172A (ja) * | 1995-02-16 | 1996-08-30 | Hitachi Ltd | 電子顕微鏡 |
JP2005148003A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Canon Inc | 断面加工装置及び断面評価方法 |
JP2006058270A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 被検査物の断面分析方法 |
JP2014506996A (ja) * | 2011-02-15 | 2014-03-20 | オックスフォード インストルメンツ ナノテクノロジー ツールス リミテッド | 複数の画像を用いる材料識別 |
JP2015000831A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | 国立大学法人大阪大学 | アナターゼ型酸化チタン粒子の製造方法およびアナターゼ型酸化チタン粒子 |
JP2016080575A (ja) * | 2014-10-20 | 2016-05-16 | 日本電子株式会社 | 散布図表示装置、散布図表示方法、および表面分析装置 |
-
2016
- 2016-09-23 JP JP2016185499A patent/JP2018048951A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08222172A (ja) * | 1995-02-16 | 1996-08-30 | Hitachi Ltd | 電子顕微鏡 |
JP2005148003A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Canon Inc | 断面加工装置及び断面評価方法 |
JP2006058270A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 被検査物の断面分析方法 |
JP2014506996A (ja) * | 2011-02-15 | 2014-03-20 | オックスフォード インストルメンツ ナノテクノロジー ツールス リミテッド | 複数の画像を用いる材料識別 |
JP2015000831A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | 国立大学法人大阪大学 | アナターゼ型酸化チタン粒子の製造方法およびアナターゼ型酸化チタン粒子 |
JP2016080575A (ja) * | 2014-10-20 | 2016-05-16 | 日本電子株式会社 | 散布図表示装置、散布図表示方法、および表面分析装置 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
MAIN CHANG ET AL.: "Ziegler-Natta catalysts for propylene polymerization: Morphology and crystal structure of a fourth-g", JOURNAL OF CATALYSIS, vol. Volume 239, Issue 2, 25 April 2006, JPN6020013454, 25 April 2006 (2006-04-25), pages 347 - 353, ISSN: 0004251189 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2021075170A1 (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-22 | ||
JP7410164B2 (ja) | 2019-10-18 | 2024-01-09 | 株式会社日立ハイテク | 検査システム、及び非一時的コンピュータ可読媒体 |
EP4238935A4 (en) * | 2020-10-28 | 2024-10-23 | Toho Titanium Co Ltd | SOLID CATALYST FOR OLEFIN POLYMERIZATION, METHOD FOR PRODUCING THE SOLID CATALYST |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Brodusch et al. | Nanometres‐resolution Kikuchi patterns from materials science specimens with transmission electron forward scatter diffraction in the scanning electron microscope | |
Keller et al. | Transmission EBSD from 10 nm domains in a scanning electron microscope | |
Mast et al. | Characterization of nanomaterials by transmission electron microscopy: Measurement procedures | |
Zachman et al. | Site-specific preparation of intact solid–liquid interfaces by label-free in situ localization and cryo-focused ion beam lift-out | |
Brodusch et al. | Scanning Electron Microscopy versus Transmission Electron Microscopy for Material Characterization: A Comparative Study on High‐Strength Steels | |
JP2011163872A (ja) | 微粒子分析方法 | |
Nohl et al. | Low-voltage SEM of air-sensitive powders: From sample preparation to micro/nano analysis with secondary electron hyperspectral imaging | |
Pollard et al. | Characterisation of the Structure of Graphene | |
Ledeuil et al. | New insights into micro/nanoscale combined probes (nanoAuger, μXPS) to characterize Ag/Au@ SiO 2 core–shell assemblies | |
Miculescu et al. | A STUDY ON THE INFLUENCE OF THE PRIMARY ELECTRON BEAM ON NANODIMENSIONAL LAYERS ANALYSIS. | |
JP2014521106A (ja) | 電子線回折データの収集・処理方法 | |
Pal et al. | Electron energy loss spectroscopy for polymers: a review | |
JP2018048951A (ja) | 嫌気性・禁水性粒子内部の分析方法 | |
Han et al. | Quantitative material analysis using secondary electron energy spectromicroscopy | |
Xu et al. | Application of high-spatial-resolution secondary ion mass spectrometry for nanoscale chemical mapping of lithium in an Al-Li alloy | |
Phaneuf | FIB for materials science applications-A review | |
Datye et al. | Scanning Electron Microscopy (SEM) | |
JP2017526152A (ja) | サンプルの準備及びコーティングのためのイオンビーム装置及び方法 | |
Andrzejczuk et al. | STEM study of Li4Ti5O12 anode material modified with Ag nanoparticles | |
JP2003007241A (ja) | 走査型電子顕微鏡と集束イオンビーム装置との共用試料ホルダー及び透過型電子顕微鏡用の試料作製方法 | |
JP7440309B2 (ja) | 複合材料評価方法 | |
JP6646290B2 (ja) | 試料中の元素の測定方法、及び濃度分布の可視化方法 | |
Lenz et al. | Correlative Nano‐Computed Tomography and Focused Ion‐Beam Sectioning: A Case Study on a Co‐Base Superalloy Oxide Scale | |
Gryboś et al. | Morphology, Structure, and Chemical Composition: Transmission Electron Microscopy and Elemental Analysis | |
Rice et al. | Beam broadening in transmission and conventional EBSD |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190722 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20190724 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200318 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200421 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20201027 |