JP2018048700A - 逆止弁及びこれを使用した圧縮機 - Google Patents

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田口 幸彦
Yukihiko Taguchi
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Abstract

【課題】冷媒の逆流が発生したときに、高応答性を持って円滑に閉弁することができる逆止弁及びこれを使用した圧縮機を提供する。【解決手段】吐出室から吐出される冷媒を高圧側外部冷媒回路に供給する吐出通路に配設された逆止弁200であって、筒状に形成され軸方向の一端側に前記吐出室と連通する入口孔202aを有し、軸方向の他端側に高圧側外部冷媒回路と連通する出口孔203b1を有する弁室203cと、弁室の筒状内周面に摺動支持され、前記入口孔を閉塞する閉弁位置と、この入口孔を開放する開弁位置との間で軸方向に移動可能な弁体201とを備え、弁体は、入口孔を開閉する弁部201eと、高圧側外部冷媒回路から逆流する冷媒を軸方向から受けて閉弁位置に向かう推力を発生する推力発生部201fと、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、空調システムや冷凍装置の冷媒吐出通路に用いられる逆止弁及びこれを使用した圧縮機に関する。
この種の圧縮機として、例えば特許文献1に記載された逆止弁を有する可変容量式の圧縮機が提案されている。
この特許文献1に記載された圧縮機は、クランク室に回転軸に対して軸方向へ傾動可能な斜板を収容し、この斜板によってシリンダボア内に配置されたピストンを往復動させることにより、冷媒を吸入してから圧縮して吐出室に吐出する。吐出室は、吐出通路を介して外部冷媒回路に連通されている。この吐出通路に外部冷媒回路からの冷媒の逆流を阻止する逆止弁が配置されている。
ここで、逆止弁が配置された吐出通路は、吐出室から回転軸の軸方向と平行に延長する連通孔と、この連通孔に連続する連通孔より拡径された収容孔と、この収容孔と直交して外部冷媒回路に接続される接続孔とを備えている。
収容孔内には、逆止弁が軸方向に摺動可能に配置されている。この逆止弁は、中央部の円柱形状の被案内部とこの被案内部の両端に連続する被案内部より小径の閉鎖部とで本体部が形成されている。被案内部には両端の閉鎖部まで延長する貫通孔が形成されている。
そして、吐出室から冷媒を吐出する場合には、吐出される冷媒によって連通孔側の閉鎖部が、押されることにより、閉鎖部による連通孔の閉塞状態が解除されて冷媒が一方の閉鎖部の外周から貫通孔を通じて他方の閉鎖部の外周を通って接続孔に向かい、この接続孔から外部冷媒回路に出力される。
一方、外部冷媒回路から冷媒が逆流する場合には、他方の閉鎖部側の圧力が高くなることにより、逆止弁が連通孔側に移動して、一方の閉鎖部によって吐出室に連通する連通孔が閉塞されて閉弁状態となる。
特開2015−209785号公報
上記先行技術では、冷媒の逆流が開始されるときには、逆止弁の他方の閉鎖部が接続孔に対向しており、一方の閉鎖部は連通孔から離間して連通孔が開放状態となったままとなっている。このため、接続孔から逆流する冷媒は、他方の閉鎖部の外周面に衝突し、冷媒流が閉鎖部を逆止弁の閉弁方向に効果的に押圧するように構成されていない。
また他方の閉鎖部の外周面に衝突する冷媒流によって、他方の閉鎖部の外周面を収容孔の周面に向けて押圧する横力が作用する。閉鎖部の外径は被案内部の外径より小さいので、横力によって逆止弁が傾き、逆止弁の閉弁方向の移動を円滑に行なうことができないという課題もある。
そこで、本発明は、上記特許文献1に記載された先行技術の課題に着目してなされたものであり、冷媒の逆流が発生したときに、高応答性を持って円滑に閉弁することができる逆止弁及びこれを使用した圧縮機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る逆止弁の一態様は、吐出室から吐出される冷媒を高圧側外部冷媒回路に供給する吐出通路に配設された逆止弁であって、筒状に形成され軸方向の一端面に吐出室と連通する入口孔を有し、軸方向の他端面に高圧側外部冷媒回路と連通する出口孔を有する弁室と、弁室の筒状内周面に摺動支持され、入口孔を閉塞する閉弁位置と、この入口孔を開放する開弁位置との間で軸方向に移動可能な弁体とを備え、弁体は、入口孔を開閉する弁部と、高圧側外部冷媒回路から前記出口孔を通って逆流する冷媒流を軸方向から受けて閉弁位置に向かう推力を発生する推力発生部と、を備えている。
また、本発明に係る圧縮機の一態様は、複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、吸入室及び吐出室が形成されたシリンダヘッドと、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に配置されたバルブプレートと、吐出室から吐出される冷媒を高圧側外部冷媒回路に供給する吐出通路とを備え、吐出通路に、上記構成を有する逆止弁を配置している。
本発明の一態様によれば、高圧側外部冷媒回路の圧力が吐出室の圧力より高い状態となって、冷媒の逆流が発生する際に、逆流する冷媒を推力発生部で軸方向から受けて弁体の閉弁位置への移動を円滑に行なうことができる。このため、冷媒逆流時の逆止弁の閉弁方向の応答性を高めて吐出室への冷媒の逆流を確実に防止することができる。
本発明に係る圧縮機の第1の実施形態を示す全体構成図である。 図1に適用する制御弁を示す断面図である。 図1に適用する逆止弁を示す図であって、(a)は閉弁状態の断面図、(b)は開弁状態の断面図、(c)は弁体の拡大断面図である。 第1の実施形態における逆止弁の変形例を示す断面図である。 本発明に係る逆止弁の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る逆止弁の第2の実施形態の変形例を示す断面図である。 本発明に係る逆止弁の第3の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る逆止弁及びこれを使用した圧縮機の第4の実施形態を示す全体構成図である。 図8に適用する本発明に係る逆止弁を示す図であって、(a)は閉弁状態の断面図、(b)は開弁状態の断面図である。 である。本発明に係る逆止弁の第5の実施形態を示す断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
〔第1の実施形態〕
まず、本発明に係る圧縮機の第1の実施形態について図1〜図4を伴って説明する。
本発明に係る圧縮機の一態様は、図1に示すように、例えば車輛空調システムを構成する冷凍装置に使用される可変容量圧縮機100である。この可変容量圧縮機100は、同一円周上に複数のシリンダボア101aを形成したシリンダブロック101と、このシリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104とを備えている。
シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって規定されるクランク室140内を横断して、駆動軸110が設けられ、その中心部の周囲には、斜板111が配置されている。斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112とリンク機構120を介して連結し、駆動軸110に沿ってその傾角が変化可能となっている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121と、から構成されている。
斜板111の貫通孔111bは斜板111が最大傾角と最小傾角の範囲で傾動可能となるように形状が定められており、貫通孔111bには駆動軸110と当接する最大傾角規制部と最小傾角規制部とが形成されている。斜板111が駆動軸110に対して直交するときの斜板111の傾角を0°とした場合、貫通孔111bの最小傾角規制部は斜板111をほぼ0°まで傾角変位可能なように形成されている。
ロータ112と斜板111との間には斜板111を最小傾角に向けて最小傾角に至るまで付勢する傾角減少バネ114が装着され、また斜板111とバネ支持部材116との間には斜板111の傾角を増大する方向に付勢する傾角増大バネ115が装着されている。最小傾角において傾角増大バネ115の付勢力は傾角減少バネ114の付勢力より大きく設定されているので、斜板111は駆動軸110が回転していないときは、傾角減少バネ114と傾角増大バネ115の付勢力がバランスする傾角に位置する。
駆動軸110の一端は、フロントハウジング102の外側に突出したボス部102a内を貫通して外側まで延在し、電磁クラッチ170に連結されている。なお、駆動軸110とボス部102aとの間には、軸封装置130が挿入され、可変容量圧縮機100の内部と外部とを遮断している。駆動軸110とロータ112の連結体は、ラジアル方向に軸受131、132で支持され、スラスト方向に軸受133、スラストプレート134で支持されている。なお、駆動軸110のスラストプレート134への当接部とスラストプレート134との隙間は調整ネジ135により所定の隙間に調整されている。
したがって、外部駆動源(エンジン)からの回転動力が電磁クラッチ170に伝達される。この電磁クラッチ170が駆動軸110に連結されていないときには、駆動軸110には回転動力が伝達されず、駆動軸110は停止している。この状態から電磁クラッチ170が連結状態となると、駆動軸110に回転動力が伝達され、駆動軸110は電磁クラッチ170の入力側と同期して回転可能となる。
シリンダボア101a内には、ピストン136が配置されている。ピストン136のクランク室140側に突出している端部の内側空間には、斜板111の外周部が収容され、斜板111は一対のシュー137を介してピストン136と連動する構成となっている。したがって駆動軸110による斜板111の回転によりピストン136がシリンダボア101a内を往復動することが可能となる。
シリンダヘッド104には、中央部に円環状の隔壁104aで区画された吸入室141と、隔壁104aと外周壁104bとで区画され吸入室141を環状に取り囲む吐出室142とが形成されている。吸入室141は、シリンダボア101aとは、バルブプレート103に設けられた吸入孔103a、及び、吸入弁(図示せず)を介して連通している。吐出室142は、シリンダボア101aとは、吐出弁(図示せず)、及び、バルブプレート103に設けられた吐出孔103bを介して連通している。
フロントハウジング102、センターガスケット(図示せず)、シリンダブロック101、シリンダガスケット(図示せず)、吸入弁体形成板(図示せず)、バルブプレート103、吐出弁体形成板106、ヘッドガスケット107、シリンダヘッド104は、これらの順で接合され、複数の通しボルト105により締結されて、圧縮機ハウジングをなす。
シリンダヘッド104には、吸入側外部冷媒回路と吸入室141とを連通する吸入通路141aが形成され、この吸入通路141aによって吸入室141は空調システムや冷凍装置の吸入側外部冷媒回路と接続されている。吸入通路141aはシリンダヘッド104の径方向外側から吐出室142の一部を横切るように直線状に伸びている。
また、吐出室142は吐出通路104cを介して空調システムの高圧側外部冷媒回路と接続されている。また、シリンダヘッド104には、高圧側外部冷媒回路と吐出室142とを接続する吐出通路104cが形成され、この吐出通路104cによって吐出室142は空調システムや冷凍装置の高圧側外部冷媒回路と接続されている。
この吐出通路104cには、高圧側外部冷媒回路から吐出室142へ向かう冷媒の逆流を防止する逆止弁200が配置されている。吐出通路104cは、逆止弁200を収容する軸方向に延長する収容室104c1と、この収容室104c1から径方向に外方に延長する連通路104c2と、この連通路104c2の他端に連通する高圧側外部冷媒回路が接続する吐出ポート104c3とから構成される。逆止弁200の構成については後述する。
シリンダヘッド104にはさらに制御弁300が設けられている。制御弁300は吐出室142とクランク室140とを連通する吐出ガス供給通路145の開度を調整し、クランク室140への吐出ガス導入量を制御する。またクランク室140内の冷媒は、バルブプレート103に形成されたオリフィス103cを含む排出通路146を経由して、吸入室141へ流れる。
したがって、制御弁300によりクランク室140の圧力を変化させ、斜板111の傾角、つまりピストン136のストロークを変化させることにより、可変容量圧縮機100の吐出容量を可変制御することができる。
制御弁300内には吸入室141の圧力が導入され、図2に示すように、制御弁300は、吐出ガス供給通路145を開閉する弁体311と、弁体311と連結することにより吸入室141の圧力が上昇すると弁体に作用する開弁力を低下させ、吸入室141の圧力が低下すると弁体に作用する開弁力を増大させる感圧部312と、コイル321に通電すると、弁体311に電磁力による閉弁力を作用させる電磁アクチュエータ320と、コイル321の通電を遮断(OFF)すると、弁体311を感圧部312から切り離して吐出ガス供給通路145の開度を最大に開放する付勢手段330と、を備えている。
電磁アクチュエータ320のプランジャ322と弁体311はロッド323を介して連結固定されており、付勢手段330は、プランジャ322、ロッド323及び弁体311の一体構成物を、弁体311の開弁方向に付勢するバネで構成されている。
制御弁300は吸入室141の圧力が上昇すると吐出ガス供給通路145の開度を減少させてクランク室140の圧力を低下させ、吸入室141の圧力が低下すると吐出ガス供給通路145の開度を増大させてクランク室140の圧力を上昇させる。したがって、制御弁300は吸入室141の圧力が電磁アクチュエータ320のコイル321に流れる電流により設定された所定の値になるように吐出ガス供給通路145の開度を自律的に調整して、可変容量圧縮機の100吐出容量を可変制御する。
空調システムや冷凍装置の作動時、つまり電磁クラッチ170が連結されて駆動軸110が回転される可変容量圧縮機100の作動状態では、外部信号に基づいて制御弁300のコイルに流れる電流が調整され、吸入室141の圧力が所定値になるように吐出容量が可変制御されるので、外部環境に応じて、吸入室141の圧力を最適に制御することができる。
また、電磁クラッチ170の連結状態が解除されて駆動軸110が停止し可変容量圧縮機100の作動が停止すると、制御弁300のコイル321への通電もOFFされるので、吐出ガス供給通路145の開度は最大に開放され、吐出室142内の冷媒はクランク室140に排出されるようになっている。
なお、電磁クラッチ170が連結状態で可変容量圧縮機100が作動状態で制御弁300のコイル321への通電をOFFすると、吐出ガス供給通路145の開度は最大に開放され、吐出室142内の冷媒はクランク室140に排出されて吐出容量が最小となる。
次に、本発明に係る逆止弁200の構造について図3を伴って詳細に説明する。
逆止弁200は、一端を開放した有底筒状のケース203と、このケース203の開放端部を閉塞するとともに入口孔202aが形成された弁座形成部材202と、ケース203に閉弁位置と開弁位置との間に摺動可能に配設された弁体201と、を備えている。逆止弁200は、弁体201を閉弁方向すなわち弁座形成部材202に向かう方向に付勢する弾性部材は備えておらず、弁体201は高圧側外部冷媒回路から吐出室142へ向かう逆流冷媒によって弁座形成部材202に向かう推力を発生する。
弁体201は、内部に案内通路201aを軸方向すなわち摺動方向に形成した摺動筒部201bと、この摺動筒部201bの一端面を閉塞する端板部201cと、摺動筒部201bの端板部201c側の端部に形成された内部の案内通路201aを外周面に半径方向で連通する開口部201dとを備えている。
端板部201cは、外側端面が弁座形成部材202に形成された弁座202bに接離して入口孔202aを開閉する弁部201eとされている。また、端板部201cは、内側端面が案内通路201aを通じて高圧側外部冷媒流路から逆流する逆流冷媒流を受けて軸方向推力を発生する推力発生部201fとされている。この推力発生部201fは、案内通路201aと正対し、案内通路201aで軸方向に案内された逆流冷媒流が衝突する冷媒受け面201f1を有し、この冷媒受け面201f1に衝突する逆流冷媒流の動圧によって閉弁位置すなわち弁座形成部材202に向かう推力を発生する。
開口部201dは、円周方向に所定間隔を保って形成された半径方向に延長する複数の貫通孔で形成されている。この開口部201dは、吐出通路104cの中で最も流路断面積が小さい絞り部となるように流路断面積が設定されている。
ここで、案内通路201a、摺動筒部201b及び端板部201cは同軸上に形成されている。
摺動筒部201bの開口端面201b1には、案内通路201aと摺動筒部201bの外周面とを半径方向に連通する連通路(溝)201b2が形成されている。なお、摺動筒部201bの開口部201dを形成した端部及び弁部201eを形成する端板部201cの外径は、図3(c)に示すように、摺動筒部201bの他部の外径と同等か小さく設定されている。
弁体201は、例えば樹脂材料で形成されるが、金属材料としても良い。
弁座形成部材202は、ケース203の開放端部を閉塞する端壁となるとともに、収容室104c1と吐出室142とを仕切るものである。この弁座形成部材202は、一端が吐出室142と連通し、他端がケース203の内部に開口する軸方向の入口孔202aと、入口孔202aのケース203内の開口の周囲に配置され、弁部201eが接離する弁座202bと、入口孔202aの吐出室142側の周囲に形成されたフランジ部202cと、を有する。
フランジ部202cの外周面202c1は、収容室104c1の吐出室142側の開口に圧入固定されている。したがって、弁座形成部材202は、金属材料、例えば黄銅系の材料で形成されている。なお、固定方法を圧入によらない方法をとれば、弁座形成部材202を、樹脂材料で形成することも可能である。
ケース203は、両端を開放した筒状部203aと、この筒状部203aの弁座形成部材202とは反対側を閉塞する端板部203bとで有底筒状に形成され、弁座形成部材202と協働して弁体201を収容する弁室203cを区画する。
筒状部203aは、大径部203a1とこの大径部203a1より小径の小径部203a2とを備えている。大径部203a1は、開放端部が弁座形成部材202に嵌合固定され、弁体201の弁部201eが配置されたときに弁室203cの冷媒通過領域203c1を区画する。小径部203a2は、弁体201の摺動筒部201bの外周面を摺動可能に支持する、端板部203bは小径部203a2の端面を閉塞し、中央に弁室203cと収容室104c1とを連通する出口孔203b1が形成されている。
出口孔203b1は入口孔202aに正対するように配置されており、大径部203a1、小径部203a2及び出口孔203b1は、入口孔202aに対してほぼ同軸に配置されている。この出口孔203b1の内径は、弁体201の摺動筒部201bの案内通路201aの内径より大きく設定され、且つ摺動筒部201bの外径より小さく設定されている。このため、弁体201の摺動筒部301bの開口端面201b1の内周側部が出口孔203b1を通じて外部に露出されている。この開口端面201b1の露出領域は冷媒が逆流したときに冷媒流の一部が衝突する冷媒受け面201b3を構成している。
ケース203は、例えば樹脂材料で形成されるが、金属材料としても良い。
ケース203の小径部203a2の内周面と弁体201の摺動筒部201bの外周面との間の隙間は、吐出通路104cを冷媒流とともに流れる可変容量圧縮機100内の異物が引っかからない程度に小さく設定されている。この隙間は、例えば0.1〜0.3mm程度に設定されている。
弁座202bと弁部201eとの当接部は面接触で、かつ当接部の面粗度を高精度とすることが望ましい。このようにすれば、弁部201eが弁座202bに当接した時、当接部に冷媒と共に循環する潤滑用オイルの薄膜が介在して弁座202bと弁部201eとの間に貼り付き力が作用し、弁部201eが弁座202bに安定に保持されるとともに弁漏れを抑制できる。
逆止弁200は、図3(a)に示すように、閉弁位置で弁部201eが弁座202bに当接すると吐出通路104cを閉鎖する。
このとき、弁室203cは、弁体201の摺動筒部201bによって、弁部201eが配置された冷媒通過領域203c1と摺動筒部201bの開口端面201b1側の弁室203cの冷媒通過領域203c2とに区画され、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1と摺動筒部201bの開口端面201b1側の弁室203cの冷媒通過領域203c2とは、弁体201の開口部201d及び案内通路201aで連通している。
したがって、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1は、開口部201d、内部の案内通路201a、摺動筒部201bの開口端面201b1側の弁室203cの冷媒通過領域203c2及び出口孔203b1を介して収容室104c1と連通している。
また、弁部201eが弁座202bから離間して、図3(b)に示すように、開弁位置となると、入口孔202aと弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1とが連通し、摺動筒部201bの開口端面201b1がケース203の端板部203bの弁室203c側の面203b2に当接する。この開弁位置では、摺動筒部201bの開口端面201b1側の弁室203cの冷媒通過領域203c2は実質的に無くなる。このため、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1は、開口部201d、内部の案内通路201aを介して直接出口孔203b1に連通して、逆止弁200が最大開度となる。ケース203の端板部203bは、弁座202bの反対側への弁体201の移動を規制して開弁位置を規制する規制部となっている。
この開弁位置では、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1と出口孔203b1とを、摺動筒部201bの外周面とケース203の小径部203a2の内周面との間の隙間及び連通路201b2を経由して連通する補助通路が形成されている。
なお、補助通路としての連通路201b2は、ケース203の端板部203b側に形成しても良い。
次に、逆止弁200の動作を説明する。
先ず、弁部201eが弁座202bに当接して吐出通路104cを閉鎖している弁体201が閉弁位置にあるものとする。この閉弁状態で、電磁クラッチ170を連結状態とし、制御弁300のコイル321に通電されて可変容量圧縮機100が作動したとき、ピストン136の往復動によりシリンダボア101aに吸入された冷媒が圧縮されて吐出室142に吐出される。このため、弁部201eに作用する吐出室142の圧力が弁室203c側の圧力より大きくなると逆止弁200が開弁位置に移動し、摺動筒部201bの開口端面201b1がケース203の端板部203bの弁室側の面203b2に当接して逆止弁200が最大開度となる。
このとき弁体201は、弁部201eに衝突する入口孔202aからの吐出冷媒流によって押圧されてケース203の端板部203bに当接する開弁位置で保持される。このとき、開口部201dが吐出通路104cの絞り部を形成しているので、冷媒循環量が大きくなると、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1の圧力が摺動筒部201bの開口端面201b1側の弁室203cの冷媒通過領域203c2の圧力より高くなる。このため、弁体201は入口孔202a側及び出口孔203b1間の静圧差による力によっても、ケース203の端板部203bに押圧保持される。
また、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1と出口孔203b1とを連通する、摺動筒部201bの外周面とケース203の小径部203a2の内周面との間の隙間及び連通路201b2を経由する補助通路が形成されている。このため、摺動筒部201bの外周面と小径部203a2の内周面との間の隙間に微小な冷媒流があり、摺動筒部201bの外周面と小径部203a2の内周面との間の隙間に異物が滞留することがない。したがって、弁体201の軸方向の移動が異物によって阻害されることが回避できる。
この弁体201が開弁位置にある開弁状態から電磁クラッチ170の連結状態を解除し、駆動軸110の回転が停止して可変容量圧縮機100の作動が停止すると、吐出室142の圧力が低下(吸入室141の圧力は上昇)して空調システムや冷凍装置の圧力がバランス状態に向かう。このとき吐出室142の圧力が収容室104c1の圧力より低くなると、収容室104c1から内部の案内通路201aを経由して吐出室142に向けて冷媒が逆流する。
なお、電磁クラッチ170の連結状態の解除とほぼ同時に制御弁のコイル321への通電もOFFとなるので、吐出ガス供給通路145は付勢手段330によって最大に開放される。このため、吐出室142内の冷媒はクランク室140に速やかに排出されて吐出室142の圧力が低下する。ここで、電磁クラッチ170の連結状態が解除される前に吐出ガス供給通路145が最大に開放されると、吐出容量が最小となって吐出室142の圧力が急速に低下する。
したがって、可変容量圧縮機100の作動が停止すると、瞬時に、出口孔203b1から案内通路201aを経由して入口孔202aに向けて強制的に冷媒が逆流する。
冷媒が逆流すると冷媒流が開口端面201b1の及び推力発生部201fの冷媒受け面201f1に衝突し、弁体201を弁座202bに向けて移動させる推力(押圧力)が発生して、弁体201が弁座202b側に移動する。これによって、弁部201eが弁座202bに当接して入口孔202aが閉鎖され、吐出室142への冷媒の逆流が直ちに防止される。
吐出室142の圧力が収容室104c1の圧力より低い時は、弁体201に作用する出口孔203b1及び入口孔202a間の静圧差(背圧)の力で弁部201eが弁座202bに押圧保持される。
また、空調システムや冷凍装置の圧力がバランスして、吐出室142の圧力が収容室104c1の圧力と同等となると、弁部201eを弁座202bに向けて押圧する背圧の力が無くなる。しかしながら、弁座202bと弁部201eとの間には潤滑用オイルの薄膜が介在しているので弁座202bと弁部201eとの間に貼り付き力が作用し、弁部201eが弁座202bに当接する閉弁位置に保持され続ける。
逆止弁200は、弁体201を閉弁方向に付勢する弾性体を有していないので、可変容量圧縮機100が作動すると常時最大開度を維持し、逆止弁200の圧力損失が大幅に低減するとともに、弁体201が弁座202bを繰り返し叩くチャタリングの発生を防止できる。
このように、上記第1の実施形態によると、空調システムや冷凍装置の高圧側外部冷媒回路から冷媒が逆流する際に、冷媒が出口孔203b12から案内通路201aを逆流し、この逆流冷媒が、主に推力発生部201fを構成する冷媒受け面201f1に衝突することにより、この推力発生部201fで弁体201f1を閉弁方向に向かわせる推力を発生することができる。
このとき、冷媒受け面201f1に衝突する逆流冷媒流が案内通路201aによって弁体201の軸方向すなわち摺動方向に閉弁位置に向かうように案内され、冷媒受け面201f1に正対する方向から衝突するので、逆流冷媒の動圧を高効率で閉弁位置に向かう推力に変換することができる。したがって、冷媒の逆流時に高応答性を持って弁体201を閉弁位置に摺動させることができる。
しかも、摺動筒部201bの外周の摺動面に径変化がないので、弁体201が傾くことがなく、弁体201をスムースに閉弁位置に摺動させることができる。
また、逆流冷媒の発生に伴って、直ちに弁体201が閉弁位置に摺動するので、内部の案内通路201a及び開口部201dを通り、冷媒通過領域203c1を通って入口孔202aに流れる冷媒量を前述した特許文献1に記載された先行技術に比較して減少させることができる。
なお、上記第1の実施形態では、逆止弁200を構成する弁体201を、図3に示すように、有底筒状に形成し、弁部201eが配置された弁室203cの冷媒通過領域203c1と出口孔203b1とは、内部の案内通路201aで連通する構成とした。しかしながら、本発明に係る逆止弁は、上記構成に限定されるものではなく、図4に示すように、弁体201を中実柱状に形成し、内部の案内域203c1と出口孔203b1とを連通する案内通路201gを形成するようにしても良い。
案内通路201gは、弁体201の外周面に軸方向に延設された溝で構成され、この溝は、閉弁位置で弁体201の開口端面201b1から弁部201eの端面側で所定幅の開口部201g1を形成するように延長されている。そして、案内通路201gを構成する溝の弁部201e側の端面が軸方向と直交する冷媒受け面201h1とされ、この冷媒受け面201h1と弁体201の開口端面201b1とで冷媒が逆流したときの逆流冷媒を受けて閉弁方向の軸方向推力を発生する推力発生部201hとされている。なお、案内通路201gを構成する溝は複数本形成してもよい。
なお、可変容量圧縮機100をクラッチ機構の無いクラッチレス圧縮機とした場合、例えば空調システムや冷凍装置の非作動状態(制御弁OFF)で外部駆動源(エンジン)が作動すると、可変容量圧縮機100は最小の吐出容量を維持するが、逆止弁200は、弁体201を閉弁方向に付勢するバネを有していないので、僅かな吐出室142の圧力の昇圧及び吸入室141の圧力の低下によって、逆止弁200は開弁してしまう。このため、空調システムや冷凍装置の非作動状態であっても冷媒が僅かに外部冷媒回路を循環してしまう問題が発生する。したがって、本発明に係る逆止弁200は、クラッチ機構又はモータによって駆動軸110の回転を停止できる圧縮機に適用することが好ましい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明に係る逆止弁の第2の実施形態について図5を伴って説明する。
この第2の実施形態では、前述した第1の実施形態における弁座形成部材及びケースを圧縮機のハウジングを利用して構成するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図5に示すように、前述した第1の実施形態における吐出通路104cの形状を変更して、ケース及び弁座形成部材に相当する部分を、吐出通路104cを形成する周壁104d1と端壁104d2で構成してシリンダヘッド104に一体に逆止弁220を形成している。
弁体221は、摺動筒部221bの外径が弁部221eを形成した端板部221cの外径よりかなり大きく設定されていることを除いては、前述した第1の実施形態における図2(c)の弁体201と同様の構成を有する。したがって、弁体221は、内部に案内通路221aを形成した厚みが厚い摺動筒部221bと、この摺動筒部221bの一端を閉塞する端板部221cと、内部の案内通路221aを外周面に連通させる開口部221dと、開口端面221b1に形成した案内通路221aと摺動筒部221bの外周面とを半径方向に連通する連通路(溝)221b2とを備えている。端板部221cの外側端面が弁部221eとされている。端板部221cの内側端面が案内通路221aと正対する逆流冷媒を受ける冷媒受け面221f1とされ、軸方向の閉弁方向の推力を発生する推力発生部221fとされている。また、弁体221の開口端面221b1の内周側も冷媒受け面221b3とされている。
一方、シリンダヘッド104に形成された吐出通路104cは、吐出ポート104c3と、吐出ポート104c3に連設され摺動筒部221bの外周面が摺動支持される周壁104d1と弁部221eが接離する弁座を成す端壁104d2とによって区画された弁室104c4と、端壁104d2を貫通して弁室104c4と吐出室142とを連通する入口孔104c5とで構成されている。
弁室104c4は、吐出ポート104c3より重力方向下方に形成されているので、弁体221は弁部221eが重力方向下方に向けた状態で弁室104c4に重力方向に摺動可能に配置されている。
吐出ポート104c3側の周壁104d1の端部には、端壁104d2の反対側への弁体221の移動を開弁位置で規制する規制部222が配置されている。規制部222は、例えば止め輪で構成され、止め輪の径方向内側が弁室104c4と吐出ポート104c3とを連通する出口孔222aを成している。
この第2の実施形態によると、逆止弁220としての専用部品は、弁体221と規制部222のみとなり、部品点数が少なく、構造が簡素化されている。
また、弁体221は、弁部221eを重力方向下方に向けた状態で弁室104c4に配置されているため、弁部221eが弁座(端壁104d2)に当接した時、弁体221の自重によって弁部201eが弁座(端壁104d2)に押圧保持される。このためには吐出通路104cは、垂線に対して±45°の範囲の角度で配置されることが望ましい。
また、図5の逆止弁220は、吐出ポート104c3の軸方向に隣接して、吐出ポート104c3の軸方向に弁体221が動作する構成であるので、吐出ポート104c3のレイアウトによらず逆止弁220を容易に配置できる。
なお、図5の逆止弁220において、弁座の面粗度を高精度とすべく、専用の弁座形成部材を備え、端壁104d2上に配置するようにしても良い。
また、図6に示すように、規制部222は、弁体221を弁室104c4に挿入した後に、吐出ポート104c3側の弁室の周壁104d1の一部を塑性変形させて弁室の径方向内側に突出させた形成するようにしても良い。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明に係る逆止弁の第3の実施形態について図7を伴って説明する。
この第3の実施形態では、弁体221の開弁位置を規制する規制部を外部冷媒回路の接続部で構成したものである。
すなわち、第3の実施形態では、図7に示すように、前述した第2の実施形態における規制部222が省略され、これに代えて外部冷媒回路の接続部400を弁体221の開弁位置を規制する規制部としていることを除いては、上述した第2の実施形態と同様の構成を有し、図6との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
ここで、高圧側外部冷媒回路の接続部400は、吐出ポート104c3内に侵入し吐出通路104cを外気から遮断する嵌合部401と、接続部400をシリンダヘッド104に固定するためのフランジ部402とを有し、嵌合部401の先端面401aが端壁104d2の反対側への弁体221の移動を規制する規制部を構成している。
また、嵌合部401内の弁室104c4に開口する通路部分401bが出口孔を構成している。
この第3の実施形態によると、規制部222が高圧側外部冷媒回路の接続部400に置換されているだけで、その他の構成については第2の実施形態と同様であるので、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、逆止弁220としての専用部品は、弁体221のみとなり、第2の実施形態に比較して構造をさらに簡素化することができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明に係る逆止弁及びこれを使用した圧縮機の第4の実施形態について図8及び図9を伴って説明する。
この第4の実施形態では、圧縮機の吐出ポートをシリンダヘッドに代えてシリンダブロックに形成するようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図8に示すように、可変容量圧縮機100´は、吐出ポート101bがシリンダブロック101の重力方向上側に配置されている。したがって吐出通路143は、吐出室142及び吐出ポート101b間にシリンダヘッド104からバルブプレート103を貫通してシリンダブロック101に跨って形成されている。この吐出通路143は、図9(a)及び(b)に拡大図示するように、吐出室142に連通するシリンダヘッド104側の連通孔143aと、ヘッドガスケット151に形成された貫通孔151aと、吐出弁形成板139に形成された貫通孔139aと、バルブプレート103に形成された貫通孔103dと、吸入弁形成板138に形成された入口孔138aと、シリンダガスケット150に形成した貫通孔150aと、連通孔143aにヘッドガスケット151、吐出弁形成板139、バルブプレート103、吸入弁形成板138及びシリンダガスケット150を介して対向する弁室143bと、弁室143bの吸入弁形成板138とは反対側に連通する出口孔143cと、出口孔143cの弁室143bとは反対側で重力方向に外側に向かって吐出ポート101bに連通する連通孔143dとで構成されている。連通孔143a、ヘッドガスケット151の貫通孔151a、吐出弁形成板139の貫通孔139a、バルブプレート103の貫通孔103d、吸入弁形成板138の入口孔138a、シリンダガスケット150の貫通孔150a、弁室143b及び出口孔143cは駆動軸110と平行にほぼ同軸に配置されている。
弁室143bには、弁体201が摺動可能に配置され、弁室143bと弁体201とで逆止弁240が構成されている。
逆止弁240を構成する弁体201は、図9(a)及び(b)に拡大図示するように、第1の実施形態と同一の構成を有する。したがって、図3(c)との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。したがって、弁体201の摺動筒部201bの開口端面201b1の冷媒受け面201f2と案内通路201aの弁部201e側を閉塞する端板部201cの内側端面に形成された冷媒受け面201f1とが、冷媒が逆流したとき、冷媒流を受け止めて軸方向に閉弁位置に向かう推力を発生する推力発生部201fを構成している。
弁体201は、シリンダブロック101のシリンダボア101aより径方向外側のバルブプレート103側の端面に形成された弁室143bに配置されている。
弁室143bは、駆動軸110の軸線とほぼ平行に筒状壁面に形成され、開放端部がバルブプレート103に隣接して配置された、吸入弁が一体的に形成された吸入弁形成板138で閉塞されている。
弁室143bは、弁部201eが配置された大径部143b1と、摺動筒部201bの外周面を摺動支持する、大径部143b1より小径の小径部143b2とを有する。
吸入弁形成板138には、弁室143bと連通孔143aとを連通する入口孔138aの弁室143bの開放端部に対面する周囲の領域に、弁部201eが当接する弁座138bを形成している。
弁部201eが弁座138bに当接すると入口孔138aが閉鎖されて逆止弁240が吐出通路143を閉鎖する閉弁状態となる。また弁部201eが弁座138bから離間して摺動筒部201bの開口端面201b1が弁室143bの端壁143eに当接すると、入口孔138aが最大に開放されて逆止弁240が最大開度となる開弁位置となる。
この逆止弁240自体の動作は、弁体201の弁部201eが吸入弁形成板138の弁座に当接する点以外は前述した第1の実施形態と同様であり、動作の詳細説明はこれを省略する。
この第4の実施形態では、逆止弁240としての専用部品は弁体201のみであり、第3の実施形態と同様に構造を簡素化できる。
なお、弁室143bの開放端部を閉塞する部材は、シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間に挟持される、他の圧縮機構成部材(バルブプレート103、吐出弁を形成した吐出弁形成板139、シリンダガスケット150、ヘッドガスケット151)であっても良い。ここで、吐出弁形成板139及びヘッドガスケット151で弁室143bの開口端部を閉塞する場合には、バルブプレート103に大径部143b1に対応する貫通孔を形成すればよい。
吸入弁形成板138、バルブプレート103及び吐出弁形成板139は、面粗度が高精度に仕上げられているので、弁座形成部材として好適である。またシリンダガスケット150及びヘッドガスケット151を弁座形成部材とする場合は、ラバーコーティングされているものが望ましい。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図10を伴って説明する。
この第5の実施形態では、第4の実施形態において、バルブプレートを挟んだ反対側のシリンダヘッドに弁室を形成するようにしたものである。
すなわち、第5の実施形態では、可変容量圧縮機100´の構造が、図10に示すように、第4の実施形態におけるシリンダブロック101の弁室143b及び逆止弁240が省略され、これらに代えてバルブプレート103を挟む反対側のシリンダヘッド104に弁室104e及び逆止弁260が配置されている。またシリンダブロック101の出口孔143cが連通孔143fに変更されている。
弁室104eは、駆動軸110の軸線とほぼ平行に筒状に形成され、開放端部がシール部材としてのヘッドガスケット151で閉塞されている。ヘッドガスケット151は、ラバーコーティングされているものが望ましい。
逆止弁260を構成する弁体221は、前述した第2の実施形態と同一の構成を有し、図5との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
弁体201の弁部221eが接離する弁座を成す弁室の端壁104gには、弁室104eと吐出室142とを連通する入口孔104hが形成されている。
また、弁体221の摺動筒部221bの開口端面221b1が当接するヘッドガスケット151の周囲領域は、端壁104gと反対側への弁体221の移動を規制する規制部151bとなっており、規制部151bには、弁室104eと吐出ポート101bとを連通する出口孔151cが開口している。
そして、入口孔104h、弁室104e、ヘッドガスケット151の出口孔151c、吐出弁形成板139の貫通孔139a、バルブプレート103の貫通孔103d、吸入弁形成板138の貫通孔138a、シリンダガスケット150の貫通孔150a、シリンダブロック101の連通孔143f及び143dで吐出通路143が形成されている。
弁部221eが弁座(端壁104f)に当接する閉弁位置となると入口孔104hが閉鎖されて逆止弁260が吐出通路143を閉鎖する。また弁部221eが弁座(端壁104g)から離間して摺動筒部221bの開口端面221b1が規制部151aに当接する開弁位置となると、入口孔104hが最大に開放されて逆止弁260が最大開度となる。なお、逆止弁260の動作は、第1の実施形態の場合と同じである。
この第5の実施形態によると、逆止弁260の構成でも第4の実施形態における図9の場合と同様に、逆止弁260としての専用部品は弁体221のみであり、構造が簡素化できる。また、ラバーコーティングされているヘッドガスケット151では、規制部151aに弁体の他端面221b1が衝突したとき衝撃が緩和されるという作用効果がある。
なお、弁室104eの開放端部を閉塞する部材は、シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間に挟持される、他の圧縮機構成部材(吸入弁形成板138、バルブプレート103、吐出弁が一体形成された吐出弁形成板139、シリンダガスケット150)であっても良い。ここで、弁室104eの開口端部を閉塞する部材として、吸入弁形成板138及びシリンダガスケット150を適用する場合には、バルブプレート103に弁室104eの周壁104d1に相当する貫通孔を形成する。
以上、本発明の第1〜第5の実施形態について説明してきたが、本発明はこれらに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、上述した第1〜第5の実施形態において、弁体201の他端面に開口する案内通路201aの開口径を、出口孔203b1の開口径と同等か、又は出口孔203b1の開口径より大きく設定して、出口孔203b1から逆流した冷媒流がほぼすべて端板部201cに形成した冷媒受け面201f1に衝突するようにしても良い。このようにすれば、推力発生部201fで発生する弁体201を押圧する軸方向の推力が弁体201の先端側に集中することになり、弁体201がスムースに弁座202bに向かう閉弁方向に移動できる。
また、上記第1〜第5の実施形態では、圧縮機が往復動式の可変容量圧縮機である場合について説明したが、固定容量式圧縮機にも本発明を適用することができる。またスクロール、ベーン等他の圧縮機構を備えた圧縮機に本発明を適用することができる。
さらに、圧縮機は空調システムや冷凍装置に使用されるものであり、使用する冷媒は限定されるものではなく、任意の冷媒を適用することができる。
100…可変容量圧縮機、101…シリンダブロック、101a…シリンダボア、101b…吐出ポート、102…フロントハウジング、103…バルブプレート、103a…吸入孔、103a…吐出孔、104…シリンダヘッド、104c…吐出通路、104c3…吐出ポート、104c4…弁室、104e…弁室、104g…端壁、104h…入口孔、110…駆動軸、111…斜板、112…ロータ、120…リンク機構、136…ピストン、137…シュー、141…吸入室、142…吐出室、143…吐出通路、143a…連通孔、143b…弁室、143b1…大径部、143b2…小径部、143c…出口孔、143d…連通孔、200…逆止弁、201…弁体、201a…案内通路、201b…摺動筒部、201c…端板部、201d…開口部、201e…弁部、201f…推力発生部、201f1,201f2…冷媒受け面、201h…推力発生部、201h1…冷媒受け面、202…弁座形成部材、203…ケース、203a…筒状部、203a1…大径部、103a2…小径部、203b…端板部、203c…弁室、203c1,203c2…冷媒通過領域、221…弁体、221a…案内通路、221b…摺動筒部、221c…端板部、221d…開口部、221e…弁部、221f…推力発生部、221f1,221f2…冷媒受け面、222…規制部、240,260…逆止弁、300…制御弁、400…接続部、401…嵌合部

Claims (11)

  1. 吐出室から吐出される冷媒を高圧側外部冷媒回路に供給する吐出通路に配設された逆止弁であって、
    筒状に形成され軸方向の一端側に前記吐出室と連通する入口孔を有し、軸方向の他端面に前記高圧側外部冷媒回路と連通する出口孔を有する弁室と、
    前記弁室の筒状内周面に摺動支持され、前記入口孔を閉塞する閉弁位置と、当該入口孔を開放する開弁位置との間で軸方向に移動可能な弁体とを備え、
    前記弁体は、前記入口孔を開閉する弁部と、前記高圧側外部冷媒回路から前記出口孔を通って逆流する冷媒流を軸方向から受けて前記閉弁位置に向かう推力を発生する推力発生部と、を備えている
    ことを特徴とする逆止弁。
  2. 前記弁体は、前記入口孔を開閉する弁部と、一端が前記出口孔に対向して開口し、前記高圧側外部冷媒回路から逆流する冷媒流を軸方向に案内する案内通路と、該案内通路の他端側で逆流する冷媒流によって閉弁位置に向かう推力を発生する推力発生部と、該推力発生部側で前記案内通路を前記弁部が配置された弁室の領域と連通させる開口部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
  3. 前記推力発生部は、前記冷媒通路の他端側に形成された逆流する冷媒流が軸方向から衝突する冷媒受け面を有し、該冷媒受け面に衝突する冷媒によって前記閉弁位置に向かう推力を発生することを特徴とする請求項2に記載の逆止弁。
  4. 前記入口孔、前記出口孔、前記案内通路及び前記推力発生部は、同軸上に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の逆止弁。
  5. 前記案内通路の開口面積は、前記出口孔の断面積以上に形成されていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の逆止弁。
  6. 前記開口部は、前記冷媒吐出通路において絞り部を形成するように断面積が設定されていることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の逆止弁。
  7. 前記弁体は、一端が前記出口孔に対向して開口し、他端が閉塞された前記冷媒通路が形成された有底筒状体で構成され、該有底筒状体の底板部の外側端面が前記弁部とされ、前記底板部の内側端面が前記冷媒受け面とされ、前記冷媒受け面位置の周壁に前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の逆止弁。
  8. 複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、
    吸入室及び吐出室が形成されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に配置されたバルブプレートと、
    前記吐出室から吐出される冷媒を高圧側外部冷媒回路に供給する吐出通路とを備え、
    前記吐出通路に、請求項1から7の何れか1項に記載の逆止弁を配置したことを特徴とする圧縮機。
  9. 前記冷媒吐出通路は前記高圧側外部冷媒回路が接続する吐出ポートを有し、前記弁室は前記吐出ポートの軸方向に配置されて前記吐出ポートを形成する圧縮機ハウジング構成部材に一体に形成され、前記弁体は、前記弁部が重力方向下方に向けて、前記弁室に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の圧縮機。
  10. 前記冷媒吐出通路は、前記シリンダヘッドから前記バルブプレートに形成した貫通孔通じて前記シリンダブロックに跨って形成され、前記シリンダブロックの外周面上に前記高圧側外部冷媒回路が接続する吐出ポートが配置され、前記貫通孔を前記入口孔として前記弁室が前記シリンダブロックに一体に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の圧縮機。
  11. 前記弁体の弁部は、前記入口孔周囲の前記バルブプレート及び該バルブプレートの前記シリンダブロック側に配置された吸入弁形成板の何れか一方に接触することを特徴とする請求項10に記載の圧縮機。
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