JP2018048620A - 密閉レシプロ圧縮機 - Google Patents

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隆二 渡辺
Ryuji Watanabe
隆二 渡辺
落合 芳宏
Yoshihiro Ochiai
芳宏 落合
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Abstract

【課題】低回転運転時においても各摺動部に十分な潤滑油を供給することができる密閉レシプロ圧縮機を提供する。【解決手段】密閉レシプロ圧縮機(1)は、密閉容器(2)内に、電動モータ(4)と、圧縮機構(6)と、電動モータの駆動力を圧縮機構に伝達する回転軸(14)と、を収容し、回転軸は、主軸部(24)と、主軸部の下部に設けられた偏心軸部(22)とから構成されると共に、油路(70)を備えており、偏心軸部の下部には、密閉容器の内底部に貯留された潤滑油を油路の入口まで汲み上げるための給油機構(80)が取り付けられている。給油機構は、偏心軸部に取り付けられた回転部(81)と、静止部(85)と、から構成され、回転部と静止部とが協働して第1の粘性ポンプ及び遠心ポンプとして機能する。【選択図】図3

Description

本発明は、密閉型のレシプロ圧縮機に関する。
密閉型のレシプロ圧縮機としては、密閉容器内に、電動要素と、電動要素の駆動力が回転軸を介して伝達される圧縮要素とが収容され、回転軸と一体に回転することにより密閉容器内底部の油溜め部に貯留された潤滑油を電動要素及び圧縮要素の各摺動部に供給する給油機構を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の密閉レシプロ圧縮機において、潤滑油は、油溜め部から、回転軸に穿設された油孔と回転軸の外表面に設けられた油溝とから構成される油路を経て上方へ汲み上げられ、電動要素及び圧縮要素の各摺動部に供給される。
油溜め部から油路へ潤滑油を導入する給油機構は、回転軸の偏心軸部下端の油孔開口部に取り付けられ、先端が回転軸の主軸部の中心軸線に近づく方向に傾斜した傾斜部を有するパイプによって構成されている。パイプの先端は、油溜め部に貯留された潤滑油に浸漬されており、回転軸が回転すると、傾斜部内の潤滑油に作用する遠心力の傾斜方向の分力によって、潤滑油が上方へ汲み上げられるようになっている。すなわち、当該パイプは、遠心ポンプとして機能する。
一方、油溝は回転軸の外表面において螺旋状に形成されており、回転軸が回転すると、潤滑油は、螺旋状の油溝に沿って上方へ汲み上げられる。すなわち、当該油溝は、粘性ポンプとして機能する。
このように、特許文献1の密閉レシプロ圧縮機は、遠心ポンプとして機能する給油機構によって、粘性ポンプとして機能する部位(油溝)を有する油路へ、潤滑油を汲み上げるように構成されている。
特開2011−157831号公報
ところで、密閉型のレシプロ圧縮機は、冷凍サイクルの構成要素として用いられることが多いが、冷凍サイクルのエネルギー効率を向上させるためには、冷凍負荷に応じて圧縮機の回転数を最適制御する必要がある。すなわち、冷凍負荷が高い場合には圧縮機を高回転数で運転する一方、冷凍負荷が低い場合には圧縮機を低回転数で運転することが望ましい。このような回転数の最適制御を実現するため、電動要素としては、インバータモータ等の可変速モータが用いられる。
ところが、特許文献1の密閉レシプロ圧縮機のように、油路へ潤滑油を汲み上げる給油機構が、遠心ポンプとして機能するものとして構成されている場合、遠心ポンプの汲み上げ能力は回転数の低下と共に急激に低下するため、低回転運転時には各摺動部に十分な潤滑油を供給することができず、摩耗や焼き付きが発生する虞があった。そのため、このような密閉レシプロ圧縮機は、約2,000rpmより低い回転数では運転することができず、冷凍サイクルのエネルギー効率の向上に限界があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、低回転運転時においても各摺動部に十分な潤滑油を供給することができる密閉レシプロ圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の密閉レシプロ圧縮機は、密閉容器内に、電動モータと、圧縮機構と、前記電動モータの駆動力を前記圧縮機構に伝達する回転軸と、が収容され、前記回転軸は、主軸部と、前記主軸部の下部に設けられた偏心軸部とから構成されると共に、油路を備えており、前記偏心軸部の下部には、前記密閉容器の内底部に貯留された潤滑油を前記油路の入口まで汲み上げるための給油機構が取り付けられており、前記給油機構は、前記偏心軸部に取り付けられた回転部と、静止部と、から構成され、これら回転部と静止部とが協働して第1の粘性ポンプ及び遠心ポンプとして機能することを特徴とする。
好ましくは、前記回転部は、下端部が開放され、内面に螺旋状の溝が形成された有底円筒形のスリーブを備え、前記静止部は、外面が円筒面として形成されると共に、前記スリーブの内部に配置され、前記主軸部の中心軸線に対する前記スリーブの中心軸線の同軸度はφ0.5以下であるとよい。
好ましくは、前記偏心軸部は、下端面から上方へ向けて穿設された凹部を備え、当該凹部には前記油路が開口しており、前記回転部は、前記スリーブの底壁から上方へ突設され、中心に前記底壁をも貫通する貫通孔を有するボス部を備え、前記ボス部は、前記凹部に嵌合されており、前記貫通孔の中心軸線は、前記スリーブの中心軸線からオフセットしているとよい。
好ましくは、前記回転軸は、前記密閉容器により弾性的に支持されたフレームによって支持されており、前記静止部は、前記主軸部の中心軸線周りの回転を規制された状態で前記フレームにより支持されているとよい。
好ましくは、前記油路は、前記回転軸に穿設された油孔と、前記回転軸の外表面に設けられた螺旋状の油溝とから構成され、該油溝により第2の粘性ポンプとして機能するとよい。
好ましくは、前記油孔は、前記主軸部の軸方向に延在する軸方向油孔と、当該軸方向油孔から分岐して径方向外方へ延在する径方向油孔とから構成され、前記主軸部には、前記軸方向油孔のうち前記径方向油孔が分岐する位置よりも上方の位置から前記径方向油孔の延在方向に対して径方向において逆向きに前記主軸部の下端面まで延在し、前記潤滑油に混入したガスを前記密閉容器内へ戻すガス抜き孔が設けられているとよい。
本発明の密閉レシプロ圧縮機においては、回転軸が油路を備えると共に、回転軸の下部に給油機構が取り付けられており、回転部と静止部とから構成される給油機構が、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)及び遠心ポンプとして機能する。このように、本発明の密閉レシプロ圧縮機は、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)及び遠心ポンプとして機能する給油機構によって、例えば粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)として機能する部位を有する油路へ、潤滑油を汲み上げるように構成されている。すなわち、特許文献1の密閉レシプロ圧縮機における給油機構が、遠心ポンプとしてのみ機能するのに対して、本発明の密閉レシプロ圧縮機における給油機構は、粘性ポンプ及び遠心ポンプとして機能する。これより、特許文献1の密閉レシプロ圧縮機では、遠心ポンプと粘性ポンプによって潤滑油を汲み上げるのに対し、本発明の密閉レシプロ圧縮機では、油路が例えば粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)として機能する場合、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)と遠心ポンプと粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)、即ち遠心ポンプと2つの粘性ポンプによって潤滑油を汲み上げることが可能である。そのため、本発明の密閉レシプロ圧縮機は、低回転運転時においても、各摺動部に十分な潤滑油を供給することができる。したがって、摩耗や焼き付きを発生させることなく、より低い回転数においても運転することができ、冷凍サイクルのエネルギー効率の向上に寄与することが可能である。
本発明の密閉レシプロ圧縮機の縦断面図である。 本発明の密閉レシプロ圧縮機の圧縮機構の要部拡大図である。 本発明の密閉レシプロ圧縮機における潤滑油の流れを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の圧縮機1の縦断面図、図2は、圧縮機1の圧縮機構6の要部拡大図、図3は、圧縮機1における潤滑油の流れを示す説明図である。
圧縮機1は、密閉型のレシプロ圧縮機であり、例えば自動販売機、冷蔵・冷凍ショーケース等に組み込まれた図示しない冷凍サイクルの構成機器として使用される。
冷凍サイクルは、圧縮機1の作動流体としての冷媒が循環する経路を備え、冷媒には例えば非可燃性の自然冷媒である二酸化炭素冷媒が用いられる。
図1に示されるように、圧縮機1はトップシェル2aとボトムシェル2bとから構成される密閉容器2を備え、密閉容器2内には、電動モータ4と、電動モータ4の駆動力が伝達される圧縮機構6とが収容されている。
電動モータ4は、給電により磁界を発生するステータ8と、ステータ8で発生した磁界により回転するロータ10とから構成され、ロータ10はステータ8の内側の同軸上に配置され、後述するクランクシャフト14の主軸部24に焼き嵌め固定されている。ステータ8には密閉容器2に固定された図示しない電装部及びリード線を介して圧縮機1外から給電される。
圧縮機構6は、クランクシャフト(回転軸)14、後述するフレーム36のシリンダブロック部16、ピストン18、コネクティングロッド20などから構成され、クランクシャフト14は主軸部24と、主軸部24の下部に設けられた偏心軸部22とから構成される。
図2に示されるように、シリンダブロック部16には、シリンダボア26が一体に形成され、シリンダボア26の開口を閉じるように、シリンダブロック部16側から順にシリンダガスケット28、後述する吸入バルブ50、バルブプレート30、ヘッドガスケット32、シリンダヘッド34がボルトによって押圧固定されている。
図1に示されるように、フレーム36は、上部の円筒部40と下部のシリンダブロック部16を含んでいる。シリンダブロック部16にはステータ8が載置され、フレーム36は図示を省略した手段により密閉容器2に弾性的に支持されている。
円筒部40は、その内周面において主軸部24を摺動支持するように構成され、円筒部40の上端面にはロータ10のスラスト荷重を受けるリング状のスラストレース44が配置されている。
図2に示されるように、バルブプレート30は冷媒ガスの吸入孔46と吐出孔48とを備え、吸入孔46、吐出孔48は何れもリードバルブである吸入バルブ50、吐出バルブ52によってそれぞれ開閉される。
シリンダヘッド34は冷媒ガスの吸入室54、吐出室56を備え、ピストン18の圧縮行程において吐出バルブ52が開くことにより、吐出室56は吐出孔48を介してシリンダボア26と連通する。一方、ピストン18の吸入行程において吸入バルブ50が開くことにより、吸入室54は吸入孔46を介してシリンダボア26と連通する。
密閉容器2には、図示を省略した吸入パイプと吐出パイプとが固定され、吸入及び吐出パイプの一端はシリンダヘッド34の吸入室54と吐出室56とにそれぞれ接続されている。このうち、吐出パイプと吐出室56とは、圧縮された冷媒ガスが漏洩しないよう気密に接続されている。一方、吸入パイプと吸入室54とは、圧縮機1の運転中に発生する振動に起因するシリンダヘッド34と密閉容器2との相対変位を吸収し得るよう、相互に移動可能な態様で接続されている。このため、吸入パイプと吸入室54との接続は完全に気密なものではなく、当該接続部から密閉容器2の内部へ、吸入圧力の冷媒ガスの一部が漏出するようになっている。
コネクティングロッド20には、一端にクランクシャフト14の偏心軸部22が回転自在に連結される大端部62が設けられ、他端にピストン18が往復動自在に連結される小端部64が設けられている。小端部64はピストン18にピストンピン66にて連結され、ピストンピン66は固定ピン68によってピストン18からの抜け止め措置が施されている。
この状態においてクランクシャフト14が回転すると、コネクティングロッド20がピストンピン66を支点とし偏心軸部22の偏心回転と連動して揺動運動し、コネクティングロッド20の揺動運動に連動してピストン18がシリンダボア26内を往復運動する。
密閉容器2のボトムシェル2b内底部には、断面視凹状の油溜め部69が形成されており、電動モータ4及び圧縮機構6の各摺動部を潤滑する潤滑油が少量貯留される。
潤滑油を上方へ汲み上げるために、クランクシャフト14は、図3に示すように、油路70を備えている。油路70は、クランクシャフト14に穿設された油孔71と、クランクシャフト14の外表面に設けられた油溝72とから構成されている。
油孔71は、クランクシャフト14の偏心軸部22の下端面から上方へ向けて穿設された凹部22aの最奥部から主軸部24の中途にかけて穿設されている。油孔71は、主として主軸部24の軸方向に延在する軸方向油孔71aと、当該軸方向油孔71aから分岐して径方向に延在する径方向油孔71bとからなり、後述の貫通孔83aを含んで構成されている。径方向油孔71bは、フレーム36の円筒部40の下端部近傍の高さ位置において、軸方向油孔71aの外側壁、すなわちクランクシャフト14の主軸部24の中心軸線Cからの距離が大きい側の壁から径方向外方へ延在し、主軸部24の外表面に開口している。
油溝72は、第1油溝72aと第2油溝72bとから構成されている。
第1油溝72aは、主軸部24の外表面において、径方向油孔71bが開口する位置を起点として上方へ向け、螺旋状に形成されている。第1油溝72aは、フレーム36の円筒部40の上端面と略同一の高さ位置、換言すれば、スラストレース44と略同一の高さ位置において終端している。
第2油溝72bは、主軸部24の外表面において、第1油溝72aの終端と同一の高さ位置を起点として上方へ向け、螺旋状に形成されている。第2油溝72bの始端は、第1油溝72aの終端とは異なる周方向位置に配置されているが、第2油溝72bは、第1油溝72aと同一の回転方向の螺旋状に形成されており、主軸部24の上端面24aにおいて終端している。
一方、主軸24内には、軸方向油孔71aを構成する孔の最奥部、具体的には径方向油孔71bが分岐する位置よりも上方の位置から、径方向油孔71bの延在方向に対して径方向において逆向きに主軸24の下端面まで延在するガス抜き孔74が穿設されている。
クランクシャフト14の偏心軸部22の下部には、油溜め部69に貯留された潤滑油を軸方向油孔71aの入口まで汲み上げるためのオイルポンプ(給油機構)80が取り付けられている。
オイルポンプ80は、図3に示すように、回転部81と静止部85とから構成されている。これらのオイルポンプ80を構成する部材は、例えば樹脂により形成することができる。
回転部81は、スリーブ82と、ボス部83と、フランジ部84とから構成されている。
スリーブ82は、下端部が開放された有底円筒形の部分である。円筒部の内面には、螺旋状の突起82aが設けられ、当該突起82aの間は螺旋状の溝82bとなっている。なお、図示した実施例においては、厚さ一定の円筒壁の内面に螺旋状の突起82aを設けることにより、その間に螺旋状の溝82bを形成しているが、厚さ一定の円筒壁の内面に螺旋状の溝を形成してもよい。
ボス部83は、スリーブ82の底壁82cから上方へ突設されており、その中心部には貫通孔83aが穿設されている。貫通孔83aは、スリーブ82の底壁82cをも貫通しており、これにより、スリーブ82の内部をボス部83の上方、ひいては油孔71の軸方向油孔71aと連通させている。すなわち、貫通孔83aは軸方向油孔71aや径方向油孔71bとともに油孔71の一部を構成しており、貫通孔83aの中心は、軸方向油孔71aと同様にスリーブ82の円筒部の中心からオフセットしている。ボス部83の外表面には全周に亘る溝が形成されており、この溝にOリング等のシール部材が嵌め込まれている。
フランジ部84は、スリーブ82の底壁82cと略同一の高さ位置から水平に延在しており、ボルト等の締結部材を挿通するための貫通孔を有する。
回転部81は、偏心軸部22の凹部22aにボス部83を嵌合した状態で、フランジ部84をボルト等の締結部材を用いて偏心軸部22に締結することにより、クランクシャフト14に固定される。この状態において、スリーブ82の円筒部は、クランクシャフト14の主軸部24と同軸に配置されている。好ましくは、主軸部24の中心軸線に対するスリーブ82の円筒部の中心軸線の同軸度がφ0.5以下であるとよい。なお、同軸度の定義は、「JIS B0021:1998 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式」の「18.13.2 軸線の同軸度公差」による。
静止部85は、上端部が開放された有底円筒形の部材であり、その円筒部の外径は、スリーブ82の円筒部の内面に設けられた螺旋状の突起82aの内径より僅かに小さく形成されている。静止部85は、その円筒部の外面がスリーブ82の円筒部の内面と対向するようにスリーブ82の内部に配置され、これにより、スリーブ82の円筒部の内面に形成された螺旋状の溝82bは、その径方向内側の開放端部が静止部85の円筒部の外面によって覆われ、螺旋状の流路を形成する。なお、静止部85は、スリーブ82の円筒部の内面と対向する円筒部を有するものであれば、必ずしも上端部が開放された有底円筒形の部材である必要はなく、上部及び下部が閉鎖された中空円筒部材、または、中実円柱部材であってもよい。
静止部85の底壁の下面には、ワイヤ挿通部85aが設けられている。当該ワイヤ挿通部85aに設けられた穴には、フレーム36に取り付けられたブラケット37により支持されたワイヤ38が挿通されており、これにより、静止部85は、スリーブ82の内部において、クランクシャフト14の主軸部24の中心軸線C周りの回転を規制された状態で、フレーム36により支持される。また、静止部85は、ワイヤ挿通部85aがワイヤ38の長手方向に相対的に移動し得る状態で支持されている。このため、後述するようにスリーブ82が回転している時、当該スリーブ82の円筒部の内面と接触すると、接触部とは反対方向へ押されて接触状態から解放されるようになっている。すなわち、スリーブ82と静止部85とは自動的に調心されるようになっており、後述するように、粘性ポンプとしての円滑な動作が可能となっている。
油溜め部69は、少量の潤滑油をオイルポンプ80の下端部以上の油面高さとなるように貯留可能な大きさ及び深さを有して形成される。
以下、圧縮機1の動作及び作用について説明する。
圧縮機1では、ステータ8に給電することによって主軸部24に固定されたロータ10が回転され、ひいてはクランクシャフト14が回転され、コネクティングロッド20を介しピストン18がシリンダボア26内で往復運動する。そして、このピストン18の往復運動により、冷凍サイクルからシリンダボア26へ冷媒ガスが吸入され、この冷媒ガスはシリンダボア26で圧縮され、更に冷凍サイクルへ吐出される。
詳しくは、ピストン18がシリンダボア26の容積を減少する方向に動作し、シリンダボア26内の冷媒ガスが圧縮され、シリンダボア26内の圧力が冷媒ガスの吐出圧力を超えると、シリンダボア26内の圧力と吐出室56内の圧力との差により吐出バルブ52が開く。そして、圧縮された冷媒ガスは、吐出孔48を経て吐出室56に導かれ、図示を省略した吐出パイプを経て冷凍サイクルに吐出される。
次に、ピストン18の動作が上死点からシリンダボア26内の容積が増加する方向に転じると、シリンダボア26内の圧力は低下する。シリンダボア26内の圧力が低下すると、シリンダボア26内の圧力と吐出室56内の圧力との差に応じて吐出バルブ52は閉じる。
シリンダボア26内の圧力が冷媒ガスの吸入圧力以下になると、シリンダボア26内の圧力と吸入室54内の圧力との差に応じて吸入バルブ50が開く。そして、冷凍サイクルの冷媒ガスは、図示を省略した吸入パイプを経て吸入室54に導かれ、吸入孔46を経てシリンダボア26内に吸入される。
次に、ピストン18の動作が下死点からシリンダボア26内の容積が減少する方向に転じると、シリンダボア26内の冷媒ガスが再び圧縮される。このようにして、冷凍サイクルからのシリンダボア26への冷媒ガスの吸入、シリンダボア26での冷媒ガスの圧縮、冷凍サイクルへの冷媒ガスの吐出という一連のプロセスが繰り返される。
圧縮機1の運転中、クランクシャフト14の回転に伴って偏心軸部22が偏心回転すると、オイルポンプ80の回転部81のボス部83は、偏心軸部22と共に偏心回転するが、スリーブ部82は、前述したように、クランクシャフト14の主軸部24と同軸に配置されているため、当該中心軸線Cの周りに回転する。すなわち、オイルポンプ80の回転部81のスリーブ部82は、静止部85の周りを回転する。これにより、油溜め部69に貯留された潤滑油は、スリーブ82と静止部85との間に形成された螺旋状の流路内を上方へ汲み上げられる。
すなわち、オイルポンプ80のうち、スリーブ82と静止部85との間に形成された螺旋状の流路は、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)として機能する。
次に、静止部85の上端部に達した潤滑油は、スリーブ82の底壁82cとの間に形成された空間に流入し、ボス部83の貫通孔83aの入口に達する。このとき、貫通孔83aの中心がスリーブ82の円筒部の中心からオフセットしているため、潤滑油は遠心力の作用を受けて径方向外方へ流されることになる。
すなわち、オイルポンプ80のうち、スリーブ82からボス部83への遷移部は、遠心ポンプとして機能する。
さらに、潤滑油は、下流の流路において生じるポンプ作用により、ボス部83の貫通孔83a及び軸方向油孔71aの内部を上昇する。
軸方向油孔71aの内部では、遠心力の作用により、潤滑油は主に外側壁に沿って流れ、当該外側壁に開口している径方向油孔71bに流入する。このとき、潤滑油に混入している冷媒ガスが潤滑油から分離され、分離された冷媒ガスはガス抜き孔74を経て密閉容器2内の空間へ戻される。潤滑油中に冷媒ガスが混入している場合、潤滑油の流れが冷媒ガスの気泡によって分断されることにより、潤滑油の円滑な流れが阻害される虞がある。これに対し、本発明の圧縮機1では、潤滑油に混入した冷媒ガスがガス抜き孔74の作用によって分離されるため、潤滑油は円滑に流れることができる。
径方向油孔71bに流入した潤滑油は、主軸部24の外表面に達すると、第1油溝72aに流入する。潤滑油は、螺旋状に形成された当該第1油溝72a内を上方へ汲み上げられ、その際、フレーム36の円筒部40と主軸部24との摺動部を潤滑する。第1油溝72aの終端部において、潤滑油は、スラストレース44によって一旦堰き止められた後、主軸部24の外周をトラバースするように流れて第2油溝72bに流入し、螺旋状に形成された当該第2油溝72b内を上方へ汲み上げられる。
すなわち、油路70は、クランクシャフト14の主軸部24の外表面に設けられた油溝72(第1油溝72a及び第2油溝72b)により、粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)として機能する。
第2油溝72bから流出した潤滑油は、上方へ向けて次第に拡径されたロータ10の内面10aに沿ってさらに上方へ汲み上げられる。
ロータ10の内面10aの上端部に達した潤滑油は、ロータ10の最上部に円周方向に沿って設けられた複数のフィン10bの間の隙間を通って、遠心力によって径方向外方へ、密閉容器2内部の空間に向けて飛散する。飛散した潤滑油は、その一部がステータ8内の隙間を通って落下してゆき、このときステータ8を冷却する。落下した潤滑油の一部は、一旦フレーム36の上面に溜まった後、フレーム36に設けられた油孔36aを経てシリンダボア26内へ落下し、ピストン18とシリンダボア26の間、コネクティングロッド20と偏心軸部22及びピストンピン66の間などの摺動部を潤滑する。最終的に、潤滑油は、油溜め部69に戻る。
以上のように、本発明の圧縮機1は、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)及び遠心ポンプとして機能するオイルポンプ80(給油機構)によって、粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)として機能する部位(油溝72)を有する油路70へ、潤滑油を汲み上げるように構成されている。すなわち、背景技術欄で述べた特許文献1の密閉レシプロ圧縮機における給油機構が、遠心ポンプとしてのみ機能するのに対して、本発明の圧縮機1における給油機構は、粘性ポンプ及び遠心ポンプとして機能する。このように、特許文献1の密閉レシプロ圧縮機では、遠心ポンプと粘性ポンプによって潤滑油を汲み上げるのに対し、本発明の密閉レシプロ圧縮機では、粘性ポンプ(第1の粘性ポンプ)と遠心ポンプと粘性ポンプ(第2の粘性ポンプ)、即ち遠心ポンプと2つの粘性ポンプによって潤滑油を汲み上げるようにしている。このため、本発明の圧縮機1は、低回転運転時においても、各摺動部に十分な潤滑油を供給することができる。したがって、摩耗や焼き付きを発生させることなく、より低い回転数、例えば約1,000rpmにおいても運転することができ、冷凍サイクルのエネルギー効率の向上に寄与するという優れた効果を奏する。
1 密閉レシプロ圧縮機
2 密閉容器
4 電動モータ
6 圧縮機構
14 クランクシャフト(回転軸)
22 偏心軸部
22a 凹部
24 主軸部
36 フレーム
69 油溜め部
70 油路(第2の粘性ポンプ)
71 油孔
72 油溝
80 オイルポンプ(給油機構、第1の粘性ポンプ、遠心ポンプ)
81 回転部
82 スリーブ
82b 螺旋状の溝
82c 底壁
83 ボス部
83a 貫通孔
85 静止部

Claims (6)

  1. 密閉容器内に、電動モータと、圧縮機構と、前記電動モータの駆動力を前記圧縮機構に伝達する回転軸と、が収容される密閉レシプロ圧縮機であって、
    前記回転軸は、主軸部と、前記主軸部の下部に設けられた偏心軸部とから構成されると共に、油路を備えており、
    前記偏心軸部の下部には、前記密閉容器の内底部に貯留された潤滑油を前記油路の入口まで汲み上げるための給油機構が取り付けられており、
    前記給油機構は、前記偏心軸部に取り付けられた回転部と、静止部と、から構成され、これら回転部と静止部とが協働して第1の粘性ポンプ及び遠心ポンプとして機能する
    ことを特徴とする密閉レシプロ圧縮機。
  2. 前記回転部は、下端部が開放され、内面に螺旋状の溝が形成された有底円筒形のスリーブを備え、
    前記静止部は、外面が円筒面として形成されると共に、前記スリーブの内部に配置され、
    前記主軸部の中心軸線に対する前記スリーブの中心軸線の同軸度はφ0.5以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の密閉レシプロ圧縮機。
  3. 前記偏心軸部は、下端面から上方へ向けて穿設された凹部を備え、当該凹部には前記油路が開口しており、
    前記回転部は、前記スリーブの底壁から上方へ突設され、中心に前記底壁をも貫通する貫通孔を有するボス部を備え、
    前記ボス部は、前記凹部に嵌合されており、
    前記貫通孔の中心軸線は、前記スリーブの中心軸線からオフセットしている
    ことを特徴とする、請求項2に記載の密閉レシプロ圧縮機。
  4. 前記回転軸は、前記密閉容器により弾性的に支持されたフレームによって支持されており、
    前記静止部は、前記主軸部の中心軸線周りの回転を規制された状態で前記フレームにより支持されている
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の密閉レシプロ圧縮機。
  5. 前記油路は、前記回転軸に穿設された油孔と、前記回転軸の外表面に設けられた螺旋状の油溝とから構成され、該油溝により第2の粘性ポンプとして機能する
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の密閉レシプロ圧縮機。
  6. 前記油孔は、前記主軸部の軸方向に延在する軸方向油孔と、当該軸方向油孔から分岐して径方向外方へ延在する径方向油孔とから構成され、
    前記主軸部には、前記軸方向油孔のうち前記径方向油孔が分岐する位置よりも上方の位置から前記径方向油孔の延在方向に対して径方向において逆向きに前記主軸部の下端面まで延在し、前記潤滑油に混入したガスを前記密閉容器内へ戻すガス抜き孔が設けられている
    ことを特徴とする、請求項5に記載の密閉レシプロ圧縮機。
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