JP2018048008A - カップ取出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層カップを最下位置のカップから連続して取り出すことができ、また異なるサイズのカップに対しても極めて簡単に適合させることができ、それでいて各段のカップを安定且つ確実に支持及び開放することできるカップ取出装置を提供する。【解決手段】本発明によれば、各段のカップ開口外周縁部と支持(係合)する一対のアームからなるカップ保持部を上下2段に分けて配置し、そして各段のアームの間に配置された上下段のカム部を回転させることにより、上下2段に分かれて配置された一対のアームを挟持位置と退避位置との間で上下互い違いに移動できるようにしたカップ取出装置が提供される。【選択図】 図1
Description
本発明は、複数段に積み上げられた積層カップの最下位置のカップから順に取り出すカップ取出装置に関する。
従来、紙製やプラスチック製の断面逆台形状に形成されたカップが複数段に積み上げられ、かかる積層カップから最下位置のカップを順に取り出すカップ取出装置が知られている。
従来のカップ取出装置として、例えば、実用新案登録第3033137号公報(特許文献1)には、フォーク状に形成された2つの受板を上下2段に分けて対向して配置し、最下位置のカップよりも一つ上段のカップの開口外周縁部を支持及び開放する受板を水平方向に往復操作することにより、同時に最下位置のカップを開放及び支持する受板を水平方向に移動させて、下段の受板に支持された積層カップの最下位置のカップを繰り出して取り出す構成が開示されている。また、実開平6−78339号公報(特許文献2)には、下段紙コップ縁支持部と上段紙コップ縁支持部とが所定角度ずれて形成されたカムを積層コップの周囲に複数個配置し、リング状に形成されたカム回転板を周方向に往復操作することにより、各カムを一度に回転させて下段紙コップ縁支持部の支持及び開放と上段紙コップ縁支持部の開放及び支持を互い違いに作動させることにより、下段紙コップ縁支持部に支持された積層コップの最下位置のコップを繰り出して取り出す構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のカップ取出装置では、最下位置のカップを取り出すためには、上下2段に分かれて対向して配置された受板を水平方向に往復操作しなければならないため、連続して円滑に最下位置のカップを取り出すことが困難であり、このため、電動モーター等の駆動装置を取り付けて自動化するのも困難であるという問題があった。さらに、特許文献1に記載のカップ取出装置では、カップサイズの違いに対応するためには、上下2段に分かれて対向して配置された各々の受板をカップサイズに応じて取り替えなければならないため(特許文献1の段落[0015]参照)、カップサイズの変更が極めて煩雑であり現実的に対応不可能であるという問題があった。
一方、特許文献2に記載のコップ取出装置では、紙コップの径が異なる場合には、カム位置調節板に対する各カムの取付け位置を変更することにより、特許文献1に記載されたカップ取出装置よりも比較的簡単に、異なる大きさの紙コップに適合させることができるという利点がある(特許文献2の段落[0018]参照)。
しかしながら、特許文献2に記載のコップ取出装置では、積層コップの周囲に配置された複数のカムを、カム回転板を介して一度に回転させなければならないために構造が複雑となり、このため、電動モーター等の駆動装置を取り付けて自動化するのも困難であるという問題があった。さらに、特許文献2に記載のコップ取出装置は、各段の紙コップの縁と当接し支持する各カムの下段紙コップ縁支持部及び上段紙コップ縁支持部の支持面が極めて小さいため、カムを積層コップの周囲に複数個配置しても各段の紙コップを安定且つ確実に支持することができないという本質的な問題があった。
本発明は、手動操作においても自動操作においても、複数段に積み上げられた積層カップを最下位置のカップから連続して順に取り出すことができ、また異なるサイズのカップに対しても、極めて簡単に異なる大きさのカップに適合させることができ、それでいて、各段のカップを安定且つ確実に支持及び開放することできるカップ取出装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、積層されたカップを安定且つ確実に支持及び開放することでき、異なるサイズのカップに対しても簡単に適合させることもでき、さらに連続して最下位置のカップから順に取り出すのに適したカップ保持機構について鋭意検討を重ねた結果、カップの開口外周縁部に沿うように湾曲した係合爪を有しており且つ回動自在に連結された一対のアームを上下2段に分けて配置することにより上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のカップ取出装置は、
断面逆台形状で開口外周縁部がカールされたカップが複数段に積み上げられた積層カップの最下位置のカップから順に取り出すカップ取出装置において、
基部と、
最下位置のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な下段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の下段アームと、前記下段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の下段アームを付勢する付勢手段とから構成されている下段カップ保持部と、
最下位置のカップよりも一つ上段のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な上段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の上段アームと、前記上段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の上段アームを付勢する付勢手段と、前記下段カップ保持部の下段係合爪の退避位置への移動に連動して下方へ傾動されて最下位置のカップの開口外周縁部の上部を押し下げ当該最下位置のカップを強制落下させる押下げ片とから構成されている上段カップ保持部と、
前記基部に回転自在に取り付けられたカム軸と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の下段アームの間で前記下段アームに摺接するように配置される下段カム部であって、前記下段カム部の回転により前記一対の下段アームを開閉させて前記一対の下段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記下段カム部と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の上段アームの間で前記上段アームに摺接するように配置される上段カム部であって、前記上段カム部の回転により前記一対の上段アームを開閉させて前記一対の上段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記上段カム部とを備えているものである。
断面逆台形状で開口外周縁部がカールされたカップが複数段に積み上げられた積層カップの最下位置のカップから順に取り出すカップ取出装置において、
基部と、
最下位置のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な下段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の下段アームと、前記下段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の下段アームを付勢する付勢手段とから構成されている下段カップ保持部と、
最下位置のカップよりも一つ上段のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な上段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の上段アームと、前記上段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の上段アームを付勢する付勢手段と、前記下段カップ保持部の下段係合爪の退避位置への移動に連動して下方へ傾動されて最下位置のカップの開口外周縁部の上部を押し下げ当該最下位置のカップを強制落下させる押下げ片とから構成されている上段カップ保持部と、
前記基部に回転自在に取り付けられたカム軸と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の下段アームの間で前記下段アームに摺接するように配置される下段カム部であって、前記下段カム部の回転により前記一対の下段アームを開閉させて前記一対の下段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記下段カム部と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の上段アームの間で前記上段アームに摺接するように配置される上段カム部であって、前記上段カム部の回転により前記一対の上段アームを開閉させて前記一対の上段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記上段カム部とを備えているものである。
本発明によれば、複数段に積み上げられた積層カップの最下位置のカップ及び最下位置のカップよりも一つ上段のカップは、カップの開口外周縁部に沿うように湾曲した係合爪を有しており且つ回動自在に連結された一対のアームにより支持(係合)及び開放(非係合)されるので、各段のカップ開口外周縁部と係合し支持する係合爪の接触面積、当接長さを大きくすることができ、挟持位置において各段のカップを安定且つ確実に支持することができる。
このため、本発明のカップ取出装置において、下段アームの下段係合爪及び/又は上段アームの上段係合爪は積層カップの開口外周縁部に沿うように、平面視において内側が凹むように湾曲した円弧形状を有していることが好ましい。
また、下段アームの下段係合爪と上段アームの上段係合爪との間隔は、該間隔に積層カップにおけるカールされた開口外周縁部が確実に挿入されるように、該開口外周縁部の厚みと対応していることが好ましい。
さらに、上段係合爪の厚みは、最下位置のカップと最下位置のカップよりも一つ上段のカップとの間に過不足無く挿入されるように、積層カップにおける各カップの開口外周縁部の上下間隔と対応していることが好ましい。
また、本発明では、前記上段カップ保持部は、前記下段カップ保持部の下段係合爪の退避位置への移動に連動して下方へ傾動されて最下位置のカップの開口外周縁部の上部を押し下げ当該最下位置のカップを強制落下させる押下げ片を備えている。これにより、最下位置のカップがその一つ上段のカップに強く嵌まり込んでいても、下段カップ保持部の下段係合爪が退避位置へ移動したときには最下位置のカップを強制落下させることができ、最下位置のカップを確実に取り出すことができる。
前記押下げ片は、前記上段係合爪の一部分を構成して傾動可能に軸支され且つ当該押下げ片の下面から下方へ延びる可動片が垂下形成されており、挟持位置から退避位置へ移動する前記下段係合爪により前記可動片が押動されて前記押下げ片が下方へ傾動するように構成することができる。また、前記上段係合爪には、前記下段係合爪が退避位置から挟持位置へ移動すると前記押下げ片が下方へ傾動する前の初期位置に戻るように前記押下げ片を上方へ傾動させる重り又は付勢手段が設けられていることが好ましく、さらに、前記上段係合爪には、前記押下げ片が当該上段係合爪よりも上方へ傾動しないようにストッパーが設けられていることが好ましい。
前記押下げ片は、前記上段係合爪の一部分を構成して傾動可能に軸支され且つ当該押下げ片の下面から下方へ延びる可動片が垂下形成されており、挟持位置から退避位置へ移動する前記下段係合爪により前記可動片が押動されて前記押下げ片が下方へ傾動するように構成することができる。また、前記上段係合爪には、前記下段係合爪が退避位置から挟持位置へ移動すると前記押下げ片が下方へ傾動する前の初期位置に戻るように前記押下げ片を上方へ傾動させる重り又は付勢手段が設けられていることが好ましく、さらに、前記上段係合爪には、前記押下げ片が当該上段係合爪よりも上方へ傾動しないようにストッパーが設けられていることが好ましい。
また、本発明によれば、各段のカップ開口外周縁部と係合し支持する一対のアームからなるカップ保持部を上下2段に分けて配置し、そして各段のアームの間に配置された上下段のカム部を回転させることにより、各段のアームを挟持位置と退避位置とへ移動できるようにしたので、カム軸へ回動力さえ伝達できれば、手動操作においても自動操作においても、複数段に積み上げられた積層カップを最下位置のカップから連続して容易に取り出すことができる。
具体的には、下段カム部及び上段カム部は、両カム部の同調した回転により、
(a)積層カップを保持するため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(b)下段カップ保持部からカップを排出するため、一対の下段係合爪を退避位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(c)上段カップ保持部から下段カップ保持部へのカップの受け入れ準備をするため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、そして
(d)上段カップ保持部から下段カップ保持部へカップを供給するため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を退避位置へ配置するステップとを順番に繰り返すことで、複数段に積み上げられた積層カップを最下位置のカップから連続して容易に取り出すことができる。また、本発明のカップ取出装置では、異なるサイズのカップに対しても、異なる大きさの下段カム部及び上段カム部へ入れ替えるのみで極めて簡単に適合させることができる。
(a)積層カップを保持するため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(b)下段カップ保持部からカップを排出するため、一対の下段係合爪を退避位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(c)上段カップ保持部から下段カップ保持部へのカップの受け入れ準備をするため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、そして
(d)上段カップ保持部から下段カップ保持部へカップを供給するため、一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ一対の上段係合爪を退避位置へ配置するステップとを順番に繰り返すことで、複数段に積み上げられた積層カップを最下位置のカップから連続して容易に取り出すことができる。また、本発明のカップ取出装置では、異なるサイズのカップに対しても、異なる大きさの下段カム部及び上段カム部へ入れ替えるのみで極めて簡単に適合させることができる。
このため、本発明のカップ取出装置において、下段カム部と上段カム部は一体的に成形されていてもよく、この場合、構造が単純化され下段及び上段カム部の強度向上が図られると共に、異なる大きさの下段カム部及び上段カム部への入れ替えも容易になる。
また、一対の下段アームはそれらの回動軸において互いに連結されており、そして一対の上段アームもそれらの回動軸において互いに連結されていることが好ましく、さらに、一対の下段アームの回動軸は一対の上段アームの回動軸と同軸であることがより好ましい。上段及び下段アームのそれぞれが回動軸において互いに連結されていたり、或いは上段及び下段アームの回動軸が同軸であると、こられの部品から構成される下段カップ保持部及び上段カップ保持部の部品点数を最小化することができるので、カップ取出装置の構造が単純化され信頼性向上やコスト低減を図ることができる。
さらに、本発明によれば、電動モーター等のカム軸を回転する駆動手段と、下段カム部及び上段カム部が、上述した(a)ステップから(d)ステップまでの各ステップを順番に繰り返すように駆動手段の回転を制御する制御手段をさらに備えることにより、カップ取出装置を簡単に自動化することができる。勿論、カム軸へ、人手によりカム軸を回転する操作ハンドルを取り付ければ、カップ取出装置を簡単に手動化することもできる。
また、本発明のカップ取出装置において、上述した駆動手段及び制御手段により自動化を図る場合、下段カップ保持部から排出されたカップを検出する排出カップ検知手段と、上段カップ保持部に保持された積層カップを検出する積層カップ検知手段とを設け、排出カップ検知手段及び/又は積層カップ検知手段からの信号に基づいて、制御手段により駆動手段の回転を制御するようにすれば、誤作動が軽減され、カップ取出装置の信頼性が大幅に向上する。
本発明のカップ取出装置によれば、手動操作においても自動操作においても、複数段に積み上げられた積層カップを最下位置のカップから連続して順に取り出すことができ、また異なるサイズのカップに対しても、極めて簡単に異なる大きさのカップに適合させることができ、それでいて、各段のカップを安定且つ確実に支持(係合)及び開放(非係合)することできるという優れた作用効果を奏することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るカップ取出装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
本発明の一実施形態に係るカップ取出装置1は、断面逆台形状で開口外周縁部20がカールされたカップ2が複数段に積み上げられた積層カップCの最下位置のカップ2から1個ずつ順に取り出す装置である。図1には、本実施形態に係るカップ取出装置1の全体構成を示した概要図が示されており、図2には、本実施形態に係るカップ取出装置1の各部の構成を示す分解斜視図が示されている。
図1,2に示されているように、カップ取出装置1は、図示しないケース内に取り付けられる基部3を有しており、基部3には、一対の下段アーム40L,40Rからなる下段カップ保持部4と、一対の上段アーム50L,50Rからなる上段カップ保持部5と、カム軸6に一体的に形成された下段カム部60及び上段カム部61が、いずれも回動自在に取り付けられている。
図3には、本実施形態のカップ取出装置1における基部3の平面図が示されている。図3を参照して理解されるように、基部3には、積層カップCを配置するための開口部30と、下段カップ保持部4の一対の下段アーム40L,40Rを回動自在に連結し、さらに上段カップ保持部5の一対の上段アーム50L,50Rを回動自在に連結する回動軸7を取り付けるための孔31と、そして下段カップ保持部4及び上段カップ保持部5をそれぞれに挟持位置と退避位置とへ移動させる下段カム部60及び上段カム部61を備えたカム軸6を取り付けるための孔32が設けられている。また、基部3には、開口部30から連続した凹部33が形成されている。この凹部33には、上段カップ保持部5に設ける可動片83が配置される。
基部3は、カップ取出装置1のケース(図示せず)内において下段カップ保持部4と、上段カップ保持部5と、下段カム部60及び上段カム部61を備えたカム軸6を支持するために配置されるものであるため、カップ取出装置1のケース内に取り付け可能な形状であればどのような形状を有していてもよい。また、開口部30は、カップ取出装置1において供給するカップ2を通過させることができる大きさを有していれば、円形、矩形、多角形又はそれらの複合形状であってもよい。
図4には、下段カップ保持部4を構成する一対の下段アーム40L,40Rの平面図が示されている。図2,4を参照して理解されるように、下段カップ保持部4は一対の左方下段アーム40L及び右方下段アーム40Rを含んでおり、左方下段アーム40L及び右方下段アーム40Rはそれぞれに平面視において略L字形状を有しており、さらに左方下段アーム40Lは右方下段アーム40Rと略鏡面対称の形状となるように構成されている。
左方下段アーム40L及び右方下段アーム40Rはそれぞれに、一方の端部側である根元端近傍において、回動軸7を貫通させることにより相互に回動可能に連結し、且つ基部3へ回動自在に取り付けるための連結孔41L,41Rを有しており、そして他方の端部側である先端付近においては、積層カップCのカールされた開口外周縁部20と係合し下から支持するために、積層カップCの開口外周縁部20に沿うように、平面視において内側が凹むように湾曲した円弧形状の下段係合爪42L,42Rを有している。なお、左右の下段係合爪42L,42Rは、円弧形状となった内側部分が内側端に向かうに従って先細りのクサビ状に形成されるようにしてもよい。また、左方下段アーム40L及び右方下段アーム40Rはそれぞれに、下段係合爪42L,42Rに隣接して、左方下段係合爪42L及び右方下段係合爪42Rを互いに近接させるように付勢するバネ43が取り付けられるように突起44L,44Rを備えている。
さらに、本実施形態では、右方下段アーム40Rは、連結孔41R,41Lにおいて左方下段アーム40Lと連結された後、左方下段アーム40Lと同じ平面内で開閉できるように、連結部において左方下段アーム40Lの肉厚分だけ上方へ変位した段違い部45を有している。勿論、段違い部45は左方下段アーム40Lに設けてもよく、この場合、右方下段アーム40Rは連結部においても上下方へ変位しない平坦な形状が採用される。
左方下段アーム40L及び右方下段アーム40Rは、必ずしも平面視において略L字形状を有していたり、或いは鏡面対称の形状である必要はなく、下段アーム40L,40Rの回動により下段係合爪42L,42Rを移動させて積層カップCの開口外周縁部20を支持できる形状であれば、略直線状のI字形状や湾曲したC字形状等どのような形状であってもよい。
ただし、本実施形態のように、下段アーム40L,40Rの形状を略L字形状とする等して、下段係合爪42L,42Rの全体形状(例えば円弧を代表する接線、円弧の起点及び終点を結ぶ直線など)が、それぞれの連結孔41L,41Rを通る直線に対して平行とはならず、連結孔41L,41Rから遠い側の下段係合爪42L,42Rの先端部において対向する下段係合爪42R,42Lへ向けて近接するように傾けて配置されるようにしてもよい。
上述のように下段係合爪42L,42Rの全体形状をそれぞれの連結孔41L,41Rを通る直線に対して傾けて配置すると、下段係合爪42L,42Rの開閉角度の変化率は、その時の連結孔41L,41Rを通る直線の開閉角度の変化率よりも小さくなるので、多少の異なる大きさのカップ2に対しても、下段係合爪42L,42Rの接触面積、当接長さを殆ど減じることなく積層カップCを安定且つ確実に支持することができるようになる。
このため、本実施形態のカップ取出装置1の場合、下段カップ保持部4が挟持位置にある時、下段係合爪42L,42Rの間に底面を挿入できる断面逆台形状のカップ2であれば、開口外周縁部20の径が異なるカップ2であっても異なる大きさの下段及び上段カム部60,61へ入れ替えることなく適合させることができる。また、そもそも本実施形態の下段係合爪42L,42Rは積層カップCの開口外周縁部20に沿うように、平面視において内側が凹むように湾曲した円弧形状を有しているので、積層カップCの開口外周縁部20と係合し支持する接触面積、当接部分が大きく、挟持位置において積層カップCを安定して確実に支持することができる。
図5には、上段カップ保持部5を構成する一対の上段アーム50L,50Rの平面図が示されている。図2,5を参照して理解されるように、上段カップ保持部5は一対の左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rを含んでおり、下段カップ保持部4と同様に、左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rはそれぞれに平面視において略L字形状を有しており、さらに左方上段アーム50Lは右方上段アーム50Rと略鏡面対称の形状となるように構成されている。
左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rはそれぞれに、一方の端部側である根元端近傍において、回動軸7を貫通させることにより相互に回動可能に連結し、且つ基部3へ回動自在に取り付けるための連結孔51L,51Rを有しており、そして他方の端部側である先端付近においては、積層カップCのカールされた開口外周縁部20と係合し下から支持するために、積層カップCの開口外周縁部20に沿うように、平面視において内側が凹むように湾曲した円弧形状の上段係合爪52L,52Rを有している。なお、左右の上段係合爪52L,52Rは、円弧形状となった内側部分が内側端に向かうに従って先細りのクサビ状に形成されるようにしてもよい。また、左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rはそれぞれに、上段係合爪52L,52Rに隣接して、下段アーム40L,40Rの突起44L,44Rとの干渉を避けるための切り欠き部56L,56Rを有しており、さらに左方上段係合爪52L及び右方上段係合爪52Rを互いに近接させるように付勢するバネ53が取り付けられるように突起54L,54Rを備えている。
さらに、本実施形態では、右方上段アーム50Rは、連結孔51R,51Lにおいて左方上段アーム50Lと連結された後、左方上段アーム50Lと同じ平面内で開閉できるように、連結部において左方上段アーム50Lの肉厚分だけ上方へ変位した段違い部55を有している。勿論、段違い部55は左方上段アーム50Lに設けてもよく、この場合、右方上段アーム50Rは連結部においても上下方へ変位しない平坦な形状が採用される。
なお、本実施形態において、上段係合爪52L,52Rの厚みは、最下位置のカップ2と最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2との間に過不足無く挿入されるように、積層カップCにおける各カップ2の開口外周縁部20の上下間隔と略同じかそれ以下の大きさに設定されている。
左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rは、下段アーム40L,40Rと同様に、必ずしも平面視において略L字形状を有していたり、或いは鏡面対称の形状である必要はなく、上段アーム50L,50Rの回動により上段係合爪52L,52Rを移動させて積層カップCの開口外周縁部20を支持できる形状であれば、略直線状のI字形状や湾曲したC字形状等どのような形状であってもよい。
ただし、本実施形態のように、上段アーム50L,50Rの形状を略L字形状とする等して、上段係合爪52L,52Rの全体形状(例えば円弧を代表する接線、円弧の起点及び終点を結ぶ直線など)が、それぞれの連結孔51L,51Rを通る直線に対して平行とはならず、連結孔51L,51Rから遠い側の上段係合爪52L,52Rの先端部において対向する上段係合爪52R,52Lへ向けて近接するように傾けて配置されるようにしてもよい。
上述のように上段係合爪52L,52Rの全体形状をそれぞれの連結孔51L,51Rを通る直線に対して傾けて配置すると、上段係合爪52L,52Rの開閉角度の変化率は、その時の連結孔51L,51Rを通る直線の開閉角度の変化率よりも小さくなるので、多少の異なる大きさのカップ2に対しても、上段係合爪52L,52Rの接触面積、当接長さを殆ど減じることなく積層カップCを安定且つ確実に支持することができるようになる。
このため、本実施形態のカップ取出装置1の場合、上段カップ保持部5が挟持位置にある時、上段係合爪52L,52Rの間に底面を挿入できる断面逆台形状のカップ2であれば、開口外周縁部20の径が異なるカップ2であっても異なる大きさの下段及び上段カム部60,61へ入れ替えることなく適合させることができる。また、そもそも本実施形態の上段係合爪52L,52Rは積層カップCの開口外周縁部20に沿うように、平面視において内側が凹むように湾曲した円弧形状を有しているので、積層カップCの開口外周縁部20と係合し支持する接触面積、当接部分が大きく、挟持位置において積層カップCを安定して確実に支持することができる。
また、本実施形態では、下段アーム40L,40Rの下段係合爪42L,42Rと上段アーム50L,50Rの上段係合爪52L,52Rとの間隔は、積層カップCにおけるカールされた開口外周縁部20の厚みと略同じかそれ以上の間隔に設定されている。このため、本実施形態では、積層カップCにおけるカールされた開口外周縁部20が確実に下段係合爪42L,42Rと上段係合爪52L,52Rとの間に挿入される。
また、図6も参照して、上段カップ保持部5には、下段カップ保持部4の下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)へ移動することと連動して下方へ傾動されて最下位置のカップ2の開口外周縁部20の上部を押下げる押下げ片81が設けられている。これにより、最下位置のカップ2がその一つ上段のカップ2に強く嵌まり込んでいても、下段カップ保持部4の下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)へ移動したときには最下位置のカップ2が強制落下される。
具体的には、押下げ片81は、上段係合爪52L,52Rにおいてカップ2の開口外周縁部20を支持する内側端から外側に向かって一定範囲を略長方形状に切り取った形状及び大きさを有して上段係合爪52L,52Rの一部分を構成し、この押下げ片81の外側端部に軸部82を取り付けて押下げ片81が傾動可能に上段係合爪52L,52Rに軸支されている。押下げ片81の外側端部の下面には、下段係合爪42L,42Rよりも下方へ延びる可動片83が垂下形成されている。これにより、挟持位置(P1)から退避位置(Q1)へ移動する下段係合爪42L,42Rの外側端部により可動片83が押動されることにより、押下げ片81の内側端が下方へ向かうように押下げ片81が傾動される(図6(b))。
また、可動片83には、下部の外側面に重り84が設けられている。これにより、下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)から挟持位置(P1)へ移動すると重り84により可動片83が下段係合爪42L,42Rに押動される前の元の位置に復帰移動し、押下げ片81が下方へ傾動する前の初期位置(図6(a))に戻るようになる。従って、下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)にあるとき以外は、押下げ片81が傾いて上段係合爪52L,52Rから垂れ下がった状態にあることはなく、押下げ片81を上段係合爪52L,52Rと一致した定常位置(初期位置)の姿勢に保持することができる。なお、このような重り84に代えて、押下げ片81の上面と押下げ片81より外側位置の上段係合爪52L,52Rの上面との間にバネ(付勢手段)を取り付けることにより押下げ片81が傾動前の初期位置に戻るように付勢するようにしてもよい。
また、上段係合爪52L,52Rの上面には、押下げ片81を跨ぐストッパー板85が設けられている。これにより、可動片83に重り84を設けて押下げ片81を初期位置に復帰移動させるように構成していても、押下げ片81が上段係合爪52L,52Rの上面よりも上方へ傾動した状態となることが防止される。従って、上段係合爪52L,52Rが退避位置(Q2)から挟持位置(P2)へ移動して最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2の開口外周縁部20の下部を確実に受け止めることができる。なお、ストッパー板85は、上段係合爪の上面に設けられた軸溝(軸部82を配置するための溝)に蓋をする機能をも有している。
図7には、本実施形態のカップ取出装置1において、下段カム部60及び上段カム部61がカム軸6に一体的に取り付けられたカム部の斜視図が示されている。図7に示されているように、カム軸6は、一の端部にカム軸6を基部3の孔32へ回動自在に取り付けるための固定部分62と、他の端部に外部からカム軸6へ回動力を伝授するための接続部分63を備えており、そして固定部分62と接続部分63との間に下段カム部60及び上段カム部61が一体的に取り付けられている。また、本実施形態では、固定部分62は耐久性、耐磨耗性等を考慮して金属材料から作製されており、そして接続部分63は回動力の伝授を容易にするため、固定部分62よりも大きな軸径を有し、その断面は多角形状とすることにより滑り止め加工が施されている。
下段カム部60は、一対の下段アーム40L,40Rの間で下段アーム40L,40Rに摺接するように配置され、そして下段カム部60の回転により一対の下段アーム40L,40Rを開閉させて、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる。
このため、下段カム部60は、一対の下段アーム40L,40Rと摺接することにより、下段アーム40L,40Rを閉じた状態へ動かし、そして一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置へ移動させる底部カム面600と、カム軸6からの距離がカム軸6から底部カム面600までの距離よりも長く、一対の下段アーム40L,40Rと摺接することにより、下段アーム40L,40Rを開いた状態へ動かし、そして一対の下段係合爪42L,42Rを退避位置へ移動させる頂部カム面601とを備えている。また、本実施形態においては、底部カム面600は、回転方向において約120°の範囲でカム軸6に対称に2ヶ所設けられており、頂部カム面601は、底部カム面600の間で、回転方向において約60°の範囲でカム軸6に対称に2ヶ所設けられている。
上段カム部61は、下段カム部60と同様に、一対の上段アーム50L,50Rの間で上段アーム50L,50Rに摺接するように配置され、そして上段カム部61の回転により一対の上段アーム50L,50Rを開閉させて、一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる。
このため、上段カム部61は、一対の上段アーム50L,50Rと摺接することにより、上段アーム50L,50Rを閉じた状態へ動かし、そして一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置へ移動させる底部カム面610と、カム軸6からの距離がカム軸6から底部カム面610までの距離よりも長く、一対の上段アーム50L,50Rと摺接することにより、上段アーム50L,50Rを開いた状態へ動かし、そして一対の上段係合爪52L,52Rを退避位置へ移動させる頂部カム面611とを備えている。また、本実施形態においては、底部カム面610は、回転方向において120°の範囲でカム軸6に対称に2ヶ所設けられており、頂部カム面611は、底部カム面610の間で、回転方向において60°の範囲でカム軸6に対称に2ヶ所設けられている。
本実施形態では、下段カム部60及び上段カム部61は、回転方向において互いに90°位相をずらして配置されており、またカム軸6の軸方向においても、下段カップ保持部4と上段カップ保持部5の離間距離に相当する分の長さだけ互いに離されて配置されている。また、本実施形態では構造の単純化及び強度向上を図ることを目的として、下段カム部60と上段カム部61はカム軸6の接続部分63と一体的に成形されている。このため、本実施形態では、1つのカム軸6を回転させれば、下段カップ保持部4及び上段カップ保持部5は退避位置と挟持位置との間で後述する所定の開閉動作を繰り返すことができる。
なお、下段カム部60及び上段カム部61における底部カム面や頂部カム面の形状(高さ、長さ等)は、カップ2のサイズや、下段カップ保持部4及び上段カップ保持部5に求められる開閉動作に応じて任意に定めることができ、本実施形態の形状に限定されるものではない。また、カム軸6、下段カム部60及び上段カム部61に用いられる材料や一体的成形の必要性も特に限定されるものではない。
次に、図1,2を参照して、本実施形態に係るカップ取出装置1の構成及びその組付け態様について説明する。
下段カップ保持部4の一対の下段アーム40L,40R及び上段カップ保持部5の一対の上段アーム50L,50Rは、共通する1つの回転軸7を介して基部3へ回動自在に取り付けられる。具体的には、基部3の孔31の上に、左方下段アーム40L、右方下段アーム40R、左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rの順で各アームを積み重ね、下段カップ保持部4の連結孔41L,41R、上段カップ保持部5の連結孔51L,51R及び基部3の孔31に回転軸7を挿通することによりネジ止めされる。
回転軸7は、下段アーム40L,40R及び上段アーム50L,50Rの回動を滑らかにするために金属製のスリーブ70及び金属製のワッシャー71を含んでおり、スリーブ70の中に長ネジ72を挿通し、基部3の裏側でナット73締めすることにより取り付けることができるようになっている。また、基部3、左方下段アーム40L、右方下段アーム40R、左方上段アーム50L及び右方上段アーム50Rのそれぞれの間には、各アーム間の隙間調整を兼ねて、各アームの滑らかな回動を保証するための樹脂製のワッシャー74が挿入されている。
下段アーム40L,40R及び上段アーム50L,50Rを基部3への組み付けた後、左方下段アーム40Lの突起44Lと右方下段アーム40Rの突起44Rには、下段係合爪42L,42Rが互いに近接するように付勢するバネ43が取り付けられ、そして左方上段アーム50Lの突起54Lと右方上段アーム50Rの突起54Rには、上段係合爪52L,52Rが互いに近接するように付勢するバネ53が取り付けられる(図1参照)。
なお、本実施形態のカップ取出装置1では、下段カップ保持部4と上段カップ保持部5は、アームの動きによってカップ2の開口外周縁部20と支持(係合)ないし開放(非係合)できる構成であれば、下段アーム40L,40Rの回動軸と上段アーム50L,50Rの回動軸は別々に設けられていてもよい。また、例えば左方下段アーム40Lと左方上段アーム50Lを一の回動軸で支持し、右方下段アーム40Rと右方上段アーム50Rを他の回動軸で支持するように配置してもよい。
本実施形態のカップ取出装置1では、一対の下段アーム40L,40Rはそれらの回動軸7において互いに連結されており、そして一対の上段アーム50L,50Rも下段アーム40L,40Rの回動軸と同軸の回動軸7において互いに連結されているので、これらの部品から構成される下段カップ保持部4及び上段カップ保持部5の部品点数を最小化することができ、カップ取出装置1の構造が単純化され信頼性向上やコスト低減が図られている。
また、一対の下段アーム40L,40Rの間には下段カム部60が摺接するように配置され、そして一対の上段アーム50L,50Rの間には上段カム部61が摺接するように配置されたカム軸6が基部3へ回動自在に取り付けられる。本実施形態の場合、カム軸6の基部3への取り付けは、基部3の孔32へカム軸6の固定部分62を挿通させることにより行われる。
このように本実施形態に係るカップ取出装置1では、各段のカップ開口外周縁部20と支持(係合)する一対のアーム40L,40R及び50L,50Rからなるカップ保持部4,5を上下2段に分けて配置し、そして各段のアーム40L,40R及び50L,50Rの間に配置された上下段のカム部60,61を回転させることにより、各段のアーム40L,40R及び50L,50Rを挟持位置と退避位置とへ移動できるようにしたので、カム軸6へ回動力さえ伝達できれば、手動操作においても自動操作においても、複数段に積み上げられた積層カップCを最下位置のカップ2から連続して容易に取り出すことができる。
また、本実施形態に係るカップ取出装置1では、異なるサイズのカップ2に対しても、異なる大きさの下段カム部60及び上段カム部61へ入れ替えるのみで、極めて簡単に適合させることができる。
次に、本実施形態に係るカップ取出装置1において、断面逆台形状で開口外周縁部20がカールされたカップ2が複数段に積み上げられた積層カップCの最下位置のカップ2から順に取り出す動作について、以下に詳しく説明する。
図8〜10には、本実施形態に係るカップ取出装置1における(a)〜(d)ステップのカップ取出動作を示した平面図及び断面図が示されている。ここで、下段カップ保持部4の下段係合爪42L,42Rが最下位置のカップ2の開口外周縁部20と係合する位置を「挟持位置P1」と呼び、最下位置のカップ2の開口外周縁部20と係合しない位置を「退避位置Q1」と呼ぶ。また、上段カップ保持部5の上段係合爪52L,52Rが最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2の開口外周縁部20と係合する位置を「挟持位置P2」と呼び、最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2の開口外周縁部20と係合しない位置を「退避位置Q2」と呼ぶ。
本実施形態に係るカップ取出装置1では、少なくとも上段カップ保持部5の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置した状態において、上段カップ保持部5の上にカップが複数段に積み上げられた積層カップCがセットされる。
そして、本実施形態に係るカップ取出装置1では、下段カム部60及び上段カム部61は、両カム部60,61の同調した回転により、
(a)積層カップCを保持するため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図8)と、
(b)下段カップ保持部4からカップ2を排出するため、一対の下段係合爪42L,42Rを退避位置Q1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図9)と、
(c)上段カップ保持部5から下段カップ保持部4へのカップ2の受け入れ準備をするため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図10)と、そして
(d)上段カップ保持部5から下段カップ保持部4へカップ2を供給するため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを退避位置Q2へ配置するステップ(図11)とを順番に繰り返すことにより、複数段に積み上げられた積層カップCを最下位置のカップ2から連続して容易に取り出すことができる。
(a)積層カップCを保持するため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図8)と、
(b)下段カップ保持部4からカップ2を排出するため、一対の下段係合爪42L,42Rを退避位置Q1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図9)と、
(c)上段カップ保持部5から下段カップ保持部4へのカップ2の受け入れ準備をするため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを挟持位置P2へ配置するステップ(図10)と、そして
(d)上段カップ保持部5から下段カップ保持部4へカップ2を供給するため、一対の下段係合爪42L,42Rを挟持位置P1へ配置し且つ一対の上段係合爪52L,52Rを退避位置Q2へ配置するステップ(図11)とを順番に繰り返すことにより、複数段に積み上げられた積層カップCを最下位置のカップ2から連続して容易に取り出すことができる。
より具体的には、(a)ステップでは、積層カップCの最下位置のカップ2は、その開口外周縁部20が下段係合爪42L,42Rと係合しているため、下段係合爪42L,42R上に保持されており、そして最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2も、その開口外周縁部20が上段係合爪52L,52Rと係合しているため、上段係合爪52L,52R上に保持されている(図8)。
(b)ステップでは、下段係合爪42L,42Rは挟持位置P1から退避位置Q1へ移動するので、積層カップCの最下位置のカップ2の開口外周縁部20と下段係合爪42L,42Rとの係合が解除される。このとき、左右の下段係合爪42L,42Rの退避位置(Q1)への移動に連動して左右の上段係合爪52L,52Rにおける各可動片83が各下段係合爪42L,42Rに押動され、左右の上段係合爪52L,52Rの各押下げ片81は、内側端が下方へ向かうように傾動して最下位置のカップ2の開口外周縁部20の上部を押下げる。従って、下段係合爪42L,42Rの係合解除により最下位置のカップ2が自重で落下されず最下位置のカップ2がその一つ上段のカップ2に強く嵌まり込んでいても、下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)へ移動したときには最下位置のカップ2を強制落下させて取り出すことができる。一方、最下位置のカップ2よりも一つ上段のカップ2は、その開口外周縁部20が上段係合爪52L,52Rと係合しているため、上段係合爪52L,52R上に保持された状態が維持される(図9)。
(c)ステップでは、退避位置Q1へ移動していた下段係合爪42L,42Rはバネ43の付勢力により挟持位置P1へ復帰するため、上段カップ保持部5から下段カップ保持部4へのカップ2の受け入れ準備が完了する。このとき、下段係合爪42L,42Rが退避位置(Q1)から挟持位置(P1)へ移動すると左右の上段係合爪52L,52Rにおける各可動片83が重り84により元の位置に復帰移動し、押下げ片81が上方へ傾動して初期位置に戻される。一方、最下位置のカップ2よりも一つ上段にあったカップ2(今は最下位置のカップ2となっている。)は、その開口外周縁部20が上段係合爪52L,52Rと係合しているため、上段係合爪52L,52R上に保持された状態が維持される(図10)。
(d)ステップでは、上段係合爪52L,52Rは挟持位置P2から退避位置Q2へ移動するので、最下位置のカップ2よりも一つ上段にあったカップ2(今は最下位置のカップ2)の開口外周縁部20と上段係合爪52L,52Rとの係合が解除され、最下位置のカップ2よりも一つ上段にあったカップ2(今は最下位置のカップ2)は自重により下段カップ保持部4へ供給される。一方、下段係合爪42L,42Rはバネ43の付勢力により挟持位置P1へ復帰しているため、上段カップ保持部5から供給されたカップ2を下段係合爪42L,42R上に受け入れる(図11)。そして、退避位置Q2へ移動していた上段係合爪52L,52Rはバネ53の付勢力により挟持位置P2へ復帰することにより、カップ取出装置1における積層カップCの最下位置のカップ2からの取出し動作は、上述した(a)ステップへ戻る(図8)。
図示しないが、本実施形態によれば、さらに電動モーター等のカム軸6の接続部分63を回転する駆動手段と、下段カム部60及び上段カム部61が、上述した(a)ステップから(d)ステップまでの各ステップを順番に繰り返すように駆動手段の回転を制御する制御手段をさらに備えることにより、カップ取出装置1を簡単に自動化することができる。
この場合、電動モーター等の駆動手段は、操作スイッチのオン操作又はセンサー(接触又は非接触)に手をかざす等の動作に基づく信号入力により駆動させることができる。
勿論、カム軸6の接続部分63を手動によりカム軸6を回転する操作ハンドルを取り付ければ、カップ取出装置1を簡単に手動化することもできる。
この場合、電動モーター等の駆動手段は、操作スイッチのオン操作又はセンサー(接触又は非接触)に手をかざす等の動作に基づく信号入力により駆動させることができる。
勿論、カム軸6の接続部分63を手動によりカム軸6を回転する操作ハンドルを取り付ければ、カップ取出装置1を簡単に手動化することもできる。
さらに、本実施形態のカップ取出装置1において、上述した駆動手段及び制御手段により自動化を図る場合、下段カップ保持部4から排出されたカップ2を検出する排出カップ検知手段と、上段カップ保持部5に保持された積層カップCを検出する積層カップ検知手段とを設け、排出カップ検知手段及び/又は積層カップ検知手段からの信号に基づいて、制御手段により駆動手段の回転を制御するようにすれば、誤作動が軽減され、カップ取出装置1の信頼性が大幅に向上する。
1 カップ取出装置
2 カップ
20 開口外周縁部
3 基部
30 開口部
31,32 孔
4 下段カップ保持部
40L,40R 下段アーム
41L,41R 連結孔
42L,42R 下段係合爪
43 バネ(付勢手段)
44L,44R 突起
45 段違い部
5 上段カップ保持部
50L,50R 上段アーム
51L,51R 連結孔
52L,52R 上段係合爪
53 バネ(付勢手段)
54L,54R 突起
55 段違い部
56L,56R 切り欠き部
6 カム軸
60 下段カム部
600 底部カム面
601 頂部カム面
61 上段カム部
610 底部カム面
611 頂部カム面
62 固定部分
63 接続部分
7 回動軸
70 スリーブ
71 金属製のワッシャー
72 長ネジ
73 ナット
74 樹脂製のワッシャー
81 押下げ片
82 軸部
83 可動片
84 重り
85 ストッパー板
P1,P2 挟持位置
Q1,Q2 退避位置
2 カップ
20 開口外周縁部
3 基部
30 開口部
31,32 孔
4 下段カップ保持部
40L,40R 下段アーム
41L,41R 連結孔
42L,42R 下段係合爪
43 バネ(付勢手段)
44L,44R 突起
45 段違い部
5 上段カップ保持部
50L,50R 上段アーム
51L,51R 連結孔
52L,52R 上段係合爪
53 バネ(付勢手段)
54L,54R 突起
55 段違い部
56L,56R 切り欠き部
6 カム軸
60 下段カム部
600 底部カム面
601 頂部カム面
61 上段カム部
610 底部カム面
611 頂部カム面
62 固定部分
63 接続部分
7 回動軸
70 スリーブ
71 金属製のワッシャー
72 長ネジ
73 ナット
74 樹脂製のワッシャー
81 押下げ片
82 軸部
83 可動片
84 重り
85 ストッパー板
P1,P2 挟持位置
Q1,Q2 退避位置
Claims (9)
- 断面逆台形状で開口外周縁部がカールされたカップが複数段に積み上げられた積層カップの最下位置のカップから順に取り出すカップ取出装置において、
基部と、
最下位置のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な下段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の下段アームと、前記下段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の下段アームを付勢する付勢手段とから構成されている下段カップ保持部と、
最下位置のカップよりも一つ上段のカップの開口外周縁部と係合する挟持位置と係合しない退避位置とへ移動可能な上段係合爪を有し前記基部に回動自在に取り付けられている一対の上段アームと、前記上段係合爪を挟持位置へ移動するように前記一対の上段アームを付勢する付勢手段と、前記下段カップ保持部の下段係合爪の退避位置への移動に連動して下方へ傾動されて最下位置のカップの開口外周縁部の上部を押し下げ当該最下位置のカップを強制落下させる押下げ片とから構成されている上段カップ保持部と、
前記基部に回転自在に取り付けられたカム軸と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の下段アームの間で前記下段アームに摺接するように配置される下段カム部であって、前記下段カム部の回転により前記一対の下段アームを開閉させて前記一対の下段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記下段カム部と、
前記カム軸に取り付けられており且つ前記一対の上段アームの間で前記上段アームに摺接するように配置される上段カム部であって、前記上段カム部の回転により前記一対の上段アームを開閉させて前記一対の上段係合爪を挟持位置と退避位置とへ交互に移動させる前記上段カム部とを備えているカップ取出装置。 - 請求項1に記載のカップ取出装置において、
前記押下げ片は、前記上段係合爪の一部分を構成して傾動可能に軸支され且つ当該押下げ片の下面から下方へ延びる可動片が垂下形成されており、挟持位置から退避位置へ移動する前記下段係合爪により前記可動片が押動されて前記押下げ片が下方へ傾動するように構成されているカップ取出装置。 - 請求項1又は2に記載のカップ取出装置において、
前記上段係合爪には、前記下段係合爪が退避位置から挟持位置へ移動すると前記押下げ片が下方へ傾動する前の初期位置に戻るように前記押下げ片を上方へ傾動させる重り又は付勢手段が設けられているカップ取出装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記上段係合爪には、前記押下げ片が当該上段係合爪よりも上方へ傾動しないようにストッパーが設けられているカップ取出装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記下段係合爪と前記上段係合爪との間隔は、積層カップにおけるカールされた開口外周縁部の厚みと対応しているカップ取出装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記下段カム部と前記上段カム部は、一体的に成形されているカップ取出装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記一対の下段アームはそれらの回動軸において互いに連結されており、
前記一対の上段アームはそれらの回動軸において互いに連結されているカップ取出装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記一対の下段アームの回動軸は、前記一対の上段アームの回動軸と同軸であるカップ取出装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカップ取出装置において、
前記下段カム部及び前記上段カム部は、両カム部の同調した回転により、
(a)積層カップを保持するため、前記一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ前記一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(b)前記下段カップ保持部からカップを排出するため、前記一対の下段係合爪を退避位置へ配置し且つ前記一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、
(c)前記下段カップ保持部へカップを受け入れるため、前記一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ前記一対の上段係合爪を挟持位置へ配置するステップと、そして
(d)前記上段カップ保持部からカップを供給するため、前記一対の下段係合爪を挟持位置へ配置し且つ前記一対の上段係合爪を退避位置へ配置するステップとを順番に繰り返す構成とするカップ取出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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ID=61765987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016185160A Pending JP2018048008A (ja) | 2016-09-23 | 2016-09-23 | カップ取出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018048008A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109879065A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-06-14 | 童·林约翰 | 具有堆叠纸杯铲松结构的手钳 |
KR20210049358A (ko) * | 2019-10-25 | 2021-05-06 | (주)크레템 | 약제 포장용 블리스터 시트 공급기 |
-
2016
- 2016-09-23 JP JP2016185160A patent/JP2018048008A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109879065A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-06-14 | 童·林约翰 | 具有堆叠纸杯铲松结构的手钳 |
KR20210049358A (ko) * | 2019-10-25 | 2021-05-06 | (주)크레템 | 약제 포장용 블리스터 시트 공급기 |
WO2021080354A3 (ko) * | 2019-10-25 | 2021-07-15 | (주)크레템 | 약제 포장용 블리스터 시트 공급기 |
KR102515162B1 (ko) * | 2019-10-25 | 2023-03-30 | (주)크레템 | 약제 포장용 블리스터 시트 공급기 |
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