JP2018046177A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト化が可能な太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】太陽電池の製造方法は、結晶系シリコン基板110の表面にi型の第1非晶質シリコン層111が形成されることを含む。第1非晶質シリコン層の表面に第1導電型の第2非晶質シリコン層111pが形成される。第2非晶質シリコン層内に第2導電型の不純物元素が選択的に注入される。不純物元素が注入された第2非晶質シリコン層の領域の導電型を反転させることにより、第2導電型の非晶質シリコン領域111nが形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関する。
結晶系シリコンを基板とする太陽電池(結晶系太陽電池)の中で、ヘテロタイプのバックコンタクト型(HBC型)結晶系太陽電池は、高い発電効率が確認され、多方面から注目されている。
HBC型結晶系太陽電池では、シリコン基板の裏面(受光面の反対側に位置する面)に、i型の非晶質シリコン層が配置され、非晶質シリコン層にn型非晶質シリコン領域とp型非晶質シリコン領域とが離間するように配置されている。非晶質シリコン層にn型非晶質シリコン領域とp型非晶質シリコン領域とが配置された構成を得るため、HBC型結晶系太陽電池では、成膜工程、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程が複数回、繰り返される(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−243797号公報
しかしながら、上記の製造工程では、製造工程数が増え、製造ラインのコストが上昇し、太陽電池の低コスト化が困難な状況にある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、低コスト化が可能な太陽電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る太陽電池の製造方法は、結晶系シリコン基板の表面にi型の第1非晶質シリコン層が形成されることを含む。
前記第1非晶質シリコン層の表面に第1導電型の第2非晶質シリコン層が形成される。
前記第2非晶質シリコン層内に第2導電型の不純物元素が選択的に注入される。前記不純物元素が注入された前記第2非晶質シリコン層の領域の導電型を反転させることにより、前記領域に第2導電型の非晶質シリコン領域が形成される。
これにより、太陽電池の製造工程数がより削減され得る。この結果、製造ラインのコストが減少する。
上記の太陽電池の製造方法においては、前記不純物元素のドーズ量は、2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下であってもよい。
これにより、太陽電池においては、最適なライフタイムが得られる。
上記の太陽電池の製造方法においては、前記不純物元素が注入された後、前記非晶質シリコン領域に200℃以上280℃以下での加熱処理がなされてもよい。
これにより、太陽電池においては、さらに最適なライフタイムが得られる。
上記の太陽電池の製造方法においては、前記加熱処理の時間は、少なくとも30分間行われてもよい。これにより、太陽電池においては、さらに最適なライフタイムが得られる。
上記の太陽電池の製造方法においては、前記第2非晶質シリコン層は、イオン注入または化学的気相成長法により形成されてもよい。
これにより、第2非晶質シリコン層は、結晶となりにくく、非晶質状態を維持する。
上記の太陽電池の製造方法においては、i型の第3の非晶質シリコン層が前記第1非晶質シリコン層が形成された前記結晶系シリコン基板の前記表面とは反対側の表面にさらに形成されてもよい。
これにより、結晶系シリコン基板の上下の主面に非晶質シリコン層が設けられ、非晶質シリコン層によるパシベーション効果が促進し、結晶系シリコン基板で発生したキャリアのライフタイムが長くなる。
上記の太陽電池の製造方法においては、前記不純物元素は、非質量分離型のイオン注入法によって注入されてもよい。
これにより、大面積に渡り不純物元素を注入することができるので、太陽電池製造におけるスループットが向上する。
また、上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る太陽電池の製造方法は、結晶系シリコン基板の表面にi型の第1非晶質シリコン層が形成されることを含む。
前記第1非晶質シリコン層内に第1導電型の非晶質シリコン領域が選択的に形成される。
前記第1非晶質シリコン層内及び前記非晶質シリコン領域内に前記非晶質シリコン領域の導電型が反転しないように第2導電型の不純物元素が注入される。前記第1非晶質シリコン層の前記表面に、第2導電型の第2非晶質シリコン層と、第1導電型の前記非晶質シリコン領域と、が形成される。
これにより、太陽電池の製造工程数がより削減され得る。この結果、製造ラインのコストが減少する。
以上述べたように、本発明によれば、製造工程に要されるコストがより低減する。
図Aは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法により製造される太陽電池の概略構成図である。図Bは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法に適用されるイオン注入装置の概略構成図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法の概略的フロー図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明する概略断面図である。 図Aは、本実施形態に係るサンプルの電流電圧曲線を示す概略的なグラフ図である。図Bは、図Aのデータを取得したサンプルの概略断面図である。 本実施形態に係るp型非晶質シリコン層の暗導電率を示す概略的なグラフ図である。 図Aは、本実施形態に係るサンプルのドーズ量とライフタイムとの関係を示す概略的なグラフ図である。図B及び図Cは、図Aのデータを取得したサンプルの概略断面図である。 本実施形態に係る低温加熱処理における加熱温度と処理時間との関係を示す表図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法の変形例を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る太陽電池の製造方法の変形例を説明する概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
[太陽電池の概要]
図1Aは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法により製造される太陽電池の概略構成図である。
図1Aに示す太陽電池100は、HBC型結晶系太陽電池である。太陽電池100は、n型の結晶系シリコン基板110と、i型の非晶質シリコン層111(第1非晶質シリコン層)と、p型非晶質シリコン層111p(第2非晶質シリコン層)と、n型非晶質領域111n(非晶質シリコン領域)と、i型の非晶質シリコン層(第3非晶質シリコン層)112と、反射防止膜120と、n側電極130nと、p側電極130pとを具備する。
本実施形態において「i型」とは、意図的にp型(第1導電型)またはn型(第2導電型)の不純物元素をドーピングしていないことを意味する。また、「非晶質シリコン層」、「非晶質領域」は、水素化非晶質シリコン層を含む。また、本実施形態では、p型を第1導電型、n型を第2導電型としたが、p型を第2導電型、n型を第2導電型として入れ替えても、同じ効果が得られる。
太陽電池100では、結晶系シリコン基板110の下面(第1面)110aに非晶質シリコン層111が設けられている。非晶質シリコン層111の上面111bは、結晶系シリコン基板110の下面110aに接している。非晶質シリコン層111の厚さd1は、例えば、p型非晶質シリコン層111pが化学的気相成長法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成される場合には、5nm以上150nm以下であり、p型非晶質シリコン層111pがイオン注入法で形成される場合には、10nm以上190nm以下に予め形成される。非晶質シリコン層111の下面111aには、p型非晶質シリコン層111pと、n型非晶質領域111nとが設けられている。
p型非晶質シリコン層111pは、非晶質シリコン層111の下面111aにp型の不純物元素が注入されて形成された層または下面111aにCVD法によって形成された層である。p型非晶質シリコン層111pは、Z軸方向において非晶質シリコン層111に接する。p型非晶質シリコン層111pと結晶系シリコン基板110との間には、非晶質シリコン層111の一部が存在する。p型非晶質シリコン層111pは、非晶質シリコン層111の下面111aの側において露出している。p型非晶質シリコン層111pの厚さdpは、例えば、5nm以上100nm以下である。
n型非晶質領域111nは、p型非晶質シリコン層111pにn型の不純物元素が注入されて形成された局在領域である。n型非晶質領域111nは、p型非晶質シリコン層111pに、いわゆるカウンタドープ法により形成される。n型非晶質領域111nは、p型非晶質シリコン層111pに選択的に設けられている。n型非晶質領域111nは、Y軸方向においてp型非晶質シリコン層111pに接する。n型非晶質領域111nは、Z軸方向において非晶質シリコン層111に接する。n型非晶質領域111nと結晶系シリコン基板110との間には、非晶質シリコン層111の他の一部が存在する。n型非晶質領域111nは、非晶質シリコン層111の下面111aの側において露出している。n型非晶質領域111nの厚さdnは、例えば、5nm以上100nm以下である。
p側電極130pは、p型非晶質シリコン層111pに接続されている。n側電極130nは、n型非晶質領域111nに接続されている。p側電極130pまたはn側電極130nは、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の少なくともいずれかを含む。
また、太陽電池100では、受光面が結晶系シリコン基板110の下面110aとは反対側に位置している。例えば、結晶系シリコン基板110の上面110b(第2面)は、太陽光を効率よく取り込むために凹凸構造(テクスチャ構造)を有する。上面110bには、上面110bの凹凸表面に沿って、i型の非晶質シリコン層(第2の非晶質シリコン層)112が設けられている。非晶質シリコン層112の厚さは、例えば、5nm以上150nm以下である。また、非晶質シリコン層112上には、太陽光の反射による光量損失を抑制するために、反射防止膜120が設けられている。
このように、太陽電池100では、結晶系シリコン基板110の上面111bから太陽光を受光し、上面111bとは反対側に電極構造(裏面電極構造)が設けられている。これにより、太陽電池100では、電極が受光面にない構造となり、電極による太陽光のシャドウロスが抑制される。
また、太陽電池100では、結晶系シリコン基板110の下面110aが非晶質シリコン層111で覆われ、上面110bが非晶質シリコン層112で覆われている。これにより、結晶系シリコン基板110と非晶質シリコン層111、112との界面(ヘテロ接合界面)でのキャリア(正孔、電子)の再結合が抑制されて(パッシベーション効果)、結晶系シリコン基板110で発生したキャリアのライフタイムが長くなる。この結果、太陽電池100では、高い開放電圧(Voc)が得られる。
また、本実施形態では、非晶質シリコン層111にp型非晶質シリコン層111pを形成した後、n型非晶質領域111nがカウンタドープ法またはCVD法により形成される。これにより、製造工程数が減少し、製造ラインのコストが減少する。さらに、p型非晶質シリコン層111pを形成するときには、マスクを用いない。これにより、p型非晶質シリコン層111pの位置あわせが不要になり、製造過程が簡便になる。
また、イオン注入法としては、非質量分離型のイオン注入(プラズマドーピング)が用いられる。非質量分離型のイオン注入法は、大面積に渡り不純物元素を注入することができるので、太陽電池製造におけるスループットが向上する。
なお、非晶質シリコン層111に不純物元素をイオンの状態で導入するものであれば、手法は非質量分離型のイオン注入法には限らず、質量分離型のイオン注入法などでも可能である。以下の説明では、不純物導入法の代表例として非質量分離型のイオン注入法を用いて詳述する。簡便のため、非質量分離型のイオン注入を「イオン注入」と表現することとする。次に、イオン注入を行う装置を説明する。なお、p型非晶質シリコン層111pがCVD法によって形成される場合は、通常のCVD装置が用いられ、p型非晶質シリコン層111pが非晶質シリコン層111の下面111aに形成される。
[イオン注入装置の概要]
図1Bは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法に適用されるイオン注入装置の概略構成図である。
図1Bに示すイオン注入装置1000は、真空槽1001(下側真空槽)と、真空槽1002(上側真空槽)と、絶縁部材1003と、ステージ1004と、ガス供給源1005とを具備する。イオン注入装置1000は、さらに、RF導入コイル1100と、永久磁石1101と、RF導入窓(石英窓)1102と、電極1200と、電極1201と、直流電源1300と、交流電源1301とを具備する。
真空槽1002は、真空槽1001よりも小径で、絶縁部材1003を介して真空槽1001上に設けられている。真空槽1001及び真空槽1002は、ターボ分子ポンプ等の真空排気手段により減圧状態を維持することができる。ステージ1004は、真空槽1001内に設けられている。ステージ1004は、基板S1を支持することができる。ステージ1004内には、基板S1を加熱する加熱機構が設けられてもよい。基板S1は、太陽電池100の製造用の半導体ウェーハ、ガラス基板等である。また、真空槽1002内にはガス供給源1005によってイオン注入用のガスが導入される。
RF導入コイル1100は、RF導入窓1102上に永久磁石1101を囲むように配置される。永久磁石1101の形状は、リング状である。RF導入コイル1100の形状は、コイル状である。RF導入コイル1100の直径は、基板S1のサイズに応じて適宜設定できる。真空槽1002内にイオン注入用のガスが導入されて、RF導入コイル1100に交流電源1301から所定の電力が供給されると、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電により真空槽1002内にプラズマ1010が発生する。
電極1200は、複数の開口を有する電極(例えば、メッシュ電極)であり、絶縁部材1003に支持されている。電極1200の電位は、浮遊電位である。これにより、真空槽1002と電極1200とによって囲まれた空間に、安定したプラズマ1010が発生する。
電極1200の下には、複数の開口を有する別の電極(例えば、メッシュ電極)1201が配置されている。電極1201は、基板S1に対向している。電極1201とRF導入コイル1100との間には直流電源1300が接続され、電極1201には負の電位(加速電圧)が印加される。これにより、プラズマ1010中の正イオンが電極1201によってプラズマ1010から引き出される。
引き出された正イオンは、メッシュ状の電極1200、1201を通過して基板S1(非晶質シリコン層111)にまで到達することができる。イオン注入装置1000において、正イオンの加速電圧は、例えば、1kV以上30kV以下の範囲で設定することができる。また、ステージ1004には、加速電圧を調整できるバイアス電源を接続してもよい。
真空槽1002には、基板S1に注入する不純物元素(n型不純物元素またはp型不純物元素)を含むガスが導入される。このガスによって真空槽1002内にプラズマ1010が形成されて、プラズマ1010中のn型不純物イオンまたはp型不純物イオンが基板S1に注入される。n型不純物イオンは、例えば、P、PX、PX 、PX 等の少なくも1つである。ここで、「X」は、水素、ハロゲン(F、Cl)のいずれかである。p型不純物イオンは、例えば、B、BY、BY 、BY 、B 、B 、B 等の少なくも1つである。ここで、「Y」は、水素、ハロゲン(F、Cl)のいずれかである。
n型非晶質領域111nの不純物元素及びp型非晶質シリコン層111pの不純物元素の濃度は、n型非晶質領域111n及びp型非晶質シリコン層111pの導電率が最適になるように調整される。但し、n型非晶質領域111nに注入される不純物元素の濃度は、結晶系シリコン基板110におけるn型不純物元素の濃度より高く設定される。
本実施形態では、プラズマ1010を形成する手段として、ICP方式に限らず、電子サイクロトン共鳴プラズマ(Electron Cyclotron resonance Plasma)方式、ヘリコン波励起プラズマ(Helicon Wave Plasma)方式等でもよい。
また、本実施形態では、不純物元素の非晶質シリコン層111への注入を行う際に、イオン注入用のガスに水素を含むガス(例えば、PH、BH等)を添加してもよい。これにより、非晶質シリコン層111に水素が注入されて、非晶質シリコン層111の構造欠陥が修復される。これにより、キャリアの構造欠陥での再結合が抑制され、n型非晶質領域111n及びp型非晶質シリコン層111pに到達するキャリアの総量が増加する。これにより、光電変換効率が向上し、開放電圧(Voc)が上昇する。
[太陽電池の製造方法]
図2は、本実施形態に係る太陽電池の製造方法の概略的フロー図である。
例えば、結晶系シリコン基板110の下面110aに、例えば、CVD法によって、i型の非晶質シリコン層111が形成される(ステップS10)。さらに、結晶系シリコン基板110の上面110bに、例えば、CVD法によってi型の非晶質シリコン層112が形成される。
次に、非晶質シリコン層111内にp型の不純物元素を注入するか、または、CVD法により、非晶質シリコン層111の表面にp型非晶質シリコン層111pが形成される(ステップS20)。
次に、p型非晶質シリコン層111p内にn型の不純物元素を選択的に注入され、n型の不純物元素が選択的に注入された領域の導電型を反転させることにより、この領域にn型非晶質領域111nが形成される(ステップS30)。
このような製造方法によれば、裏面電極構造を形成するために、p型非晶質シリコン層111p及びn型非晶質領域111nを形成するために、成膜工程、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程のそれぞれを複数回繰り返す必要がなくなり、太陽電池を製造する製造工程数がより削減する。
本実施形態に係る太陽電池の製造方法の具体的な工程を説明する。
図3A〜図5Bは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明する概略断面図である。
まず、図3Aに示すように、結晶系シリコン基板110の上面110bに凹凸が形成される。例えば、結晶系シリコン基板110の上面110bには、Y軸方向にマスクM1が周期的に配置される。そして、マスクM1から露出された結晶系シリコン基板110の上面110bに、エッチング溶液(例えば、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液等)を接触させる。これにより、マスクM1から露出された上面110bがウェットエッチングにより除去され、結晶系シリコン基板110の上面110bに凹凸が形成される。マスクM1は、この後、除去される。
次に、図3Bに示すように、結晶系シリコン基板110の下面110aに、非晶質シリコン層111がCVD法等により形成される。CVD法で用いられる原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH)及びジシラン(Si)の少なくともいずれかの成膜用ガスが用いられる。また、この成膜用ガスには、水素(H)が添加されてもよい。ここで、非晶質シリコン層111の厚さd1は、p型非晶質シリコン層111pがCVD法で形成される場合には、5nm以上150nm以下に調整される。p型非晶質シリコン層111pがイオン注入法で形成される場合には、10nm以上190nm以下に調整される。また、結晶系シリコン基板110の上面110bにも、非晶質シリコン層112がCVD法等により形成される。
次に、図4Aに示すように、非晶質シリコン層111の下面111aの全域に、p型非晶質シリコン層111pがCVD法またはイオン注入法により形成される。p型非晶質シリコン層111pは、非晶質シリコン層111の下面111aの全域に形成されることから、p型非晶質シリコン層111pを下面111aに選択的に形成するための位置あわせが略される。また、CVD法またはイオン注入法によってp型非晶質シリコン層111pを形成することにより、p型非晶質シリコン層111pは、結晶となりにくく、非晶質状態を維持する。p型非晶質シリコン層111pの不純物濃度は、例えば、1×1015(atoms/cm)以上1×1017(atoms/cm)以下である。
p型非晶質シリコン層111pがCVD法により形成される場合には、上記の成膜用ガスに、例えば、ジボラン(B)等のガスが添加される。これにより、非晶質シリコン層111の下面111aにp型非晶質シリコン層111pが形成される。
p型非晶質シリコン層111pがイオン注入法により形成される場合には、上述したp型不純物イオンが非晶質シリコン層111の下面111aの全域に注入される。これにより、非晶質シリコン層111の下面111aから5nm以上100nm以下の深さ部分がp型非晶質シリコン層111pに変化する。
イオン注入法の場合、p型不純物イオンの加速エネルギーは、例えば、2KeV以上20KeV以下であることが好ましい。これにより、p型非晶質シリコン層111pは、例えば、高温(例えば、1000℃前後)で加熱処理されることなく活性化される。ここで、p型不純物イオンの加速エネルギーが2KeVより小さくなると、p型非晶質シリコン層111pの活性化が不充分となり充分な暗導電率が得られなくなる。一方、p型不純物イオンの加速エネルギーが20KeVより大きくなると、p型不純物イオンが非晶質シリコン層111を突き抜けて結晶系シリコン基板110にまで到達したり、p型非晶質シリコン層111pに欠陥が発生しやすくなったりする。このような場合、結晶系シリコン基板110で発生したキャリアがp型非晶質シリコン層111p中の多数キャリアまたはp型非晶質シリコン層111p中の欠陥によって捕獲され、キャリアのライフタイムが短くなる。
次に、図4Bに示すように、p型非晶質シリコン層111pにマスクM2を対向させる。マスクM2については、開口M2hがn型非晶質領域111nが形成される位置に対応するように位置あわせが行われる。マスクM2は、板状のマスクであり、バッチごとの繰り返し使用が可能になっている。また、マスクM2は、p型非晶質シリコン層111pと離れて配置されているが、p型非晶質シリコン層111pに接触させてもよい。
次に、図5Aに示すように、n型不純物イオン150nがp型非晶質シリコン層111p内の所定領域に選択的に注入される。これにより、n型非晶質領域111nがp型非晶質シリコン層111pに選択的に形成される。n型不純物イオン150nは、例えば、上述したn型不純物イオンである。例えば、マスクM2を介してp型非晶質シリコン層111pにn型不純物イオン150nを照射すると、マスクM2によって遮蔽されないn型不純物イオン150nが開口M2hを通過する。そして、開口M2hを通過したn型不純物イオン150nは、p型非晶質シリコン層111pの所定領域に選択的に注入される。この後、マスクM2は、除去される。
n型不純物イオン150nは、n型不純物イオンが注入されるp型非晶質シリコン層111pの領域の導電型がn型に反転するまでp型非晶質シリコン層111pに注入される。また、n型不純物イオン150nは、n型非晶質領域111nが非晶質シリコン層111に接し、結晶系シリコン基板110に到達しない程度に注入される。
n型不純物イオン150nの加速エネルギーは、例えば、2KeV以上20KeV以下であることが好ましい。この加速エネルギーにより、n型非晶質領域111nは、高温加熱処理(例えば、1000℃前後)がなされることなく、活性化される。ここで、n型不純物イオン150nの加速エネルギーが2KeVより小さくなると、n型非晶質領域111nの活性化が不充分となり、n型非晶質領域111nの充分な暗導電率が得られなくなる。一方、n型不純物イオン150nの加速エネルギーが20KeVより大きくなると、n型不純物イオン150nが非晶質シリコン層111を突き抜けて結晶系シリコン基板110にまで到達しやすくなったり、n型非晶質領域111nに欠陥が発生しやすくなったりする。このような場合、結晶系シリコン基板110で発生したキャリアがn型非晶質領域111n中の多数キャリアまたはn型非晶質領域111n中で捕獲され、キャリアのライフタイムが短くなる。
また、n型不純物イオン150nのドーズ量は、2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下に設定される。これにより、太陽電池100においては、最適なライフタイムが得られる。ここで、n型不純物イオン150nのドーズ量が2×1015(ions/cm)より小さくなると、カウンタドープが充分になされず、p型非晶質シリコン層111pが選択的にn型領域にならない場合がある。一方、n型不純物イオン150nのドーズ量が1×1017(ions/cm)より大きくなると、非晶質シリコン層111またはn型非晶質領域111nに欠陥が発生しやすくなる。このような場合、結晶系シリコン基板110で発生したキャリアが非晶質シリコン層111中の欠陥またはn型非晶質領域111n中の欠陥に捕獲され、ライフタイムが短くなる。
また、p型非晶質シリコン層111pにn型不純物元素が注入された後、n型非晶質領域111nには、200℃以上280℃以下の加熱処理が施されてもよい。このような加熱処理により、例えば、非晶質シリコン層111内で発生したダングリングボンドが水素によって終端されたり、n型不純物イオンがより充分に活性化されたりして、キャリアのライフタイム低減が抑制される。ここで、加熱処理における温度が200℃より小さくなると、ダングリングボンドの水素終端またはn型不純物イオンの活性化が不充分になりキャリアのライフタイムが低下する。一方、加熱処理における温度が280℃より大きくなると、非晶質シリコン層111及び非晶質シリコン層112が結晶に転位しやすくなり、非晶質シリコン層111、112によるパシベーション効果が失われる。
また、加熱処理の時間は、少なくとも30分間行われる。加熱処理の時間は、加熱温度に応じて変化させて、例えば、30分以上300分以下の範囲の時間に設定される。加熱処理の時間が30分より短くなると、ダングリングボンドの水素終端またはn型不純物元素の活性化が不充分になりキャリアのライフタイムが低下する。一方、加熱処理の時間が300分より長くなると、加熱温度が高いほど、非晶質シリコン層111及び非晶質シリコン層112が結晶に転位しやすくなり、非晶質シリコン層111、112によるパシベーション効果が失われる。
次に、図5Bに示すように、非晶質シリコン層112上には、反射防止膜120がCVD法、スパッタリング法等によって形成される。さらに、n型非晶質領域111nに接続されたn側電極130nが形成される。また、p型非晶質シリコン層111pに接続されたp側電極130pが形成される。なお、非晶質シリコン層112については、n型非晶質領域111n及びp型非晶質シリコン層111pを形成した後に、反射防止膜120の形成する前に形成してもよい。
このように、本実施形態によれば、n型非晶質領域111n及びp型非晶質シリコン層111pを形成するために、成膜工程、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程のそれぞれを複数回行う必要がなくなり、太陽電池を製造する製造工程数がより削減する。これにより、太陽電池を製造する製造コストがより低減する。
また、本実施形態によれば、非晶質シリコン層111に、p型不純物イオンを注入した後において、不純物イオンの活性化を行う高温加熱処理(例えば、1000℃前後)を要しない。また、p型非晶質シリコン層111pにn型不純物イオンを注入した後においても、不純物イオンの活性化を行う高温加熱処理を要しない。これにより、太陽電池100は、簡便に製造される。さらに、太陽電池100においては、高温加熱処理を要しないことから、非晶質シリコン層111、112が非晶質状態を維持し、非晶質シリコン層111、112によるパシベーション効果が失われない。
また、本実施形態によれば、カウンタドープにおけるn型不純物イオン150nのドーズ量が2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下に設定される。これにより、太陽電池100においては、キャリアのライフタイムが最適になる。
また、本実施形態によれば、p型非晶質シリコン層111p内にn型不純物元素が注入された後、200℃以上280℃以下の低温加熱処理が行われてもよい。また、低温加熱処理の時間は、少なくとも30分間行われ、例えば、30分以上300分以下に設定されてもよい。これにより、キャリアのライフタイムがさらに最適になる。
[太陽電池の評価]
図6Aは、本実施形態に係るサンプルの電流電圧曲線を示す概略的なグラフ図である。図6Bは、図6Aのデータを取得したサンプルの概略断面図である。
図6Aの横軸は、電圧(V)であり、縦軸は、電流値(規格値(n.u.))である。
図6Bに示すサンプル200は、n型の結晶系シリコン基板210と、i型の非晶質シリコン層211a、211bと、p型非晶質シリコン層211pと、n側電極230nと、p側電極230pとを具備する。結晶系シリコン基板210は、非晶質シリコン層211aと非晶質シリコン層211bとの間に設けられている。p型非晶質シリコン層211pは、非晶質シリコン層211a内に設けられている。n側電極230nは、非晶質シリコン層211bに接続されている。p側電極230pは、p型非晶質シリコン層211pに接続されている。
結晶系シリコン基板210は、例えば、上述した結晶系シリコン基板110と同じ基板である。非晶質シリコン層211a、211bは、例えば、上述した非晶質シリコン層111と同じ条件で形成される。p型非晶質シリコン層211pは、非晶質シリコン層211aに上述したp型不純物イオンが注入されて形成される。ここで、p型不純物イオンの加速エネルギーは、例えば、2KeVである。p型不純物イオンのドーズ量は、例えば、1×1016(ions/cm)である。また、サンプル200には、p型不純物イオンが注入された後、高温加熱処理(例えば、1000℃前後)が行われていない。
サンプル200は、p側領域としてのp型非晶質シリコン層211pとn側領域としての結晶系シリコン基板110とを有する。すなわち、サンプル200は、pnダイオード構造を有している。サンプル200の電流電圧曲線を測定すると、図6Aに示すように整流特性を示すことが判明している。つまり、高温加熱処理を要さずに、i型の非晶質シリコン層211aにp型不純物イオンを注入することにより、p型非晶質シリコン層211pがp型半導体領域として機能している。すなわち、高温加熱処理を要さずに、i型の非晶質シリコン層211aにp型不純物イオンを注入することにより、非晶質シリコン層211a内でp型不純物イオンが充分に活性化される。
以上のことから、太陽電池100においては、イオン注入法で形成されたp型非晶質シリコン層111pがp型の半導体領域として充分に機能する。または、イオン注入法で形成されたn型非晶質領域111nがn型の半導体領域として充分に機能する。
図7は、本実施形態に係るp型非晶質シリコン層の暗導電率を示す概略的なグラフ図である。
図7の横軸は、p型不純物イオン(例えば、ボロンイオン)の加速エネルギー(KeV)である。図7の縦軸は、暗導電率(S/cm)である。
図7に示すように、p型不純物イオンの加速エネルギーが2KeVからさらに上昇すると、p型非晶質シリコン層111pの暗導電率は、すなわち、p型不純物イオンの加速エネルギーが上昇するほど、p型不純物イオンの活性化がさらに促進される。つまり、半導体特性としての暗導電率は、イオン注入後の加熱温度ではなく、p型不純物イオンの加速エネルギーによって制御できる。
図8Aは、本実施形態に係るサンプルのドーズ量とライフタイムとの関係を示す概略的なグラフ図である。図8B及び図8Cは、図8Aのデータを取得したサンプルの概略断面図である。
図8Aの横軸は、ドーズ量(ions/cm)であり、縦軸は、キャリアのライフタイム(規格値(n.u.))である。縦軸のライフタイム値は、図8Bに示すサンプル300のライフタイム(μs)に対する図8Cに示すサンプル300のライフタイム(μs)の割合である。図8Aの横軸、縦軸は、対数表示になっている。
図8Bに示すサンプル300は、n型の結晶系シリコン基板310と、i型の非晶質シリコン層311a、311bと、p型非晶質シリコン層311pと、SiN層315とを具備する。結晶系シリコン基板310は、非晶質シリコン層311aと非晶質シリコン層311bとの間に設けられている。p型非晶質シリコン層311pは、非晶質シリコン層211a上に設けられている。サンプル300は、結晶系シリコン基板310内に発生したキャリアのライフタイムを測定し得るサンプルである。
結晶系シリコン基板310は、例えば、上述した結晶系シリコン基板110と同じ基板である。非晶質シリコン層311a、311bは、例えば、上述した非晶質シリコン層111と同じ条件で形成される。p型非晶質シリコン層311pは、例えば、上述したCVD法により形成される。
図8Bに示すサンプル300に対して、p型非晶質シリコン層311pにn型不純物イオンによるカウンタドープを行い、p型非晶質シリコン層311pをn型非晶質領域311nに変化させる。この変化させたサンプルが図8Cに示されている。ここで、n型不純物イオン(例えば、リンイオン)の加速エネルギーは、例えば、5KeVである。n型不純物イオンのドーズ量は、例えば、1×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下である。また、図8Cに示すサンプル300には、n型不純物イオンが注入された後、低温加熱処理が行われている。ここでの低温加熱処理は、例えば、250℃、3時間である。
図8Cに示すサンプル300のライフタイムを図8Aに示す。サンプル300におけるライフタイムは、n型不純物イオンのドーズ量が1×1016(ions/cm)のとき最大値を示している。ここで、ライフタイムの目標値を、例えば、0.2以上と定めたとき、n型不純物イオンのドーズ量が2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下に設定されたとき、所望のライフタイムが得られることが判明している。さらに、ライフタイムの目標値を、例えば、0.8以上と定めたとき、n型不純物イオンのドーズ量が6×1015(ions/cm)以上5×1016(ions/cm)以下に設定されたとき、特に好ましいライフタイムが得られることが判明している。
また、n型不純物イオンによるドーズ量が2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下に設定されたときの低温加熱処理の最適条件を図9に示す。
図9は、本実施形態に係る低温加熱処理における加熱温度と処理時間との関係を示す表図である。図9の横欄には、時間(min)が示され、縦欄には、温度(℃)が示されている。図9には、所望のライフタイム(例えば、650(μs)以上)が得られる条件が「○」で示され、所望のライフタイムが得られない条件は、「N1」、「N2」で示されている。
所望のライフタイムを得るには、200℃以上280℃以下の低温加熱処理が行われ、処理時間は、少なくとも30分間行うことが適切であることが判明している。
例えば、処理時間は、加熱温度に応じて変化させる。例えば、所望のライフタイムを得るには、加熱温度が200℃のときは、処理時間が240分以上300分以下であることが好ましく、加熱温度が250℃のときは、処理時間が30分以上300分以下であることが好ましく、加熱温度が280℃のときは、処理時間が30分以上240分以下であることが好ましい。「N1」で示された条件では、温度が低すぎるか、または、時間が短すぎるかにより低温加熱処理の効果がなく、「N2」で示された条件では、加熱処理が過剰になり、非晶質シリコン層111、112が結晶に転位し、非晶質シリコン層111、112によるパシベーション効果が失われる傾向にある。なお、加熱温度が200℃以上250℃以下では、加熱時間が300分を超えても、非晶質シリコン層111、112は、結晶に転位しにくい結果が得られている。
[太陽電池の製造方法の変形例]
図10A〜図11は、本実施形態に係る太陽電池の製造方法の変形例を説明する概略断面図である。
例えば、図10Aに示すように、結晶系シリコン基板110の下面110aに、非晶質シリコン層111がCVD法等により形成される。非晶質シリコン層111の厚さd1は、10nm以上190nm以下に調整される。また、結晶系シリコン基板110の上面110bには、非晶質シリコン層112がCVD法等により形成される。
次に、図10Bに示すように、非晶質シリコン層111にマスクM2を対向させる。マスクM2については、開口M2hがn型非晶質領域111nが形成される位置に対応するように位置あわせが行われる。マスクM2は、非晶質シリコン層111と離れて配置されているが、非晶質シリコン層111に接触させてもよい。
次に、マスクM2を介してn型不純物イオン150nが非晶質シリコン層111内の所定領域に選択的に注入される。これにより、n型非晶質領域111nが非晶質シリコン層111内に選択的に形成される。n型不純物イオン150nは、n型非晶質領域111nが結晶系シリコン基板110に到達しない程度に非晶質シリコン層111内に注入される。この後、マスクM2は、除去される。
n型不純物イオン150nの加速エネルギーは、例えば、2KeV以上20KeV以下であることが好ましい。この加速エネルギーにより、n型非晶質領域111nは、高温加熱処理(例えば、1000℃前後)がなされることなく、活性化される。
次に、図11に示すように、p型不純物イオン150pが非晶質シリコン層111内及びn型非晶質領域111n内に注入される。ここで、p型不純物イオン150pは、n型非晶質領域111nの導電型が反転しないように、非晶質シリコン層111内及びn型非晶質領域111n内に注入される。これにより、非晶質シリコン層111の下面111aに、p型非晶質シリコン層111pと、n型非晶質領域111nとが形成される。また、
非晶質シリコン層111の厚さd1は、例えば、5nm以上150nm以下である。
p型非晶質シリコン層111pは、n型非晶質領域111nを除く非晶質シリコン層111の下面111aの全域に形成されることから、p型非晶質シリコン層111pを下面111aに選択的に形成するための位置あわせが略される。また、イオン注入法によってp型非晶質シリコン層111pを形成することにより、p型非晶質シリコン層111pは、結晶となりにくく、非晶質状態を維持する。
p型不純物イオン150pの加速エネルギーは、例えば、2KeV以上20KeV以下であることが好ましい。これにより、p型非晶質シリコン層111pは、例えば、高温(例えば、1000℃前後)で加熱処理されることなく活性化される。
また、p型不純物イオン150pが非晶質シリコン層111及びn型非晶質領域111nに注入された後、p型非晶質シリコン層111pには、200℃以上280℃以下の加熱処理が施されてもよい。加熱処理の時間は、少なくとも30分間行われ、例えば、30分以上300分以下である。このような加熱処理により、例えば、非晶質シリコン層111内で発生したダングリングボンドが水素によって終端されたり、p型不純物イオンがより充分に活性化されたりして、キャリアのライフタイム低減が抑制される。
この後は、非晶質シリコン層112上に反射防止膜120がCVD法、スパッタリング法等によって形成される。さらに、n型非晶質領域111nに接続されたn側電極130nが形成される。また、p型非晶質シリコン層111pに接続されたp側電極130pが形成される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
100…太陽電池
110a…下面
110b…上面
110…結晶系シリコン基板
111…非晶質シリコン層
111p…p型非晶質シリコン層
111n…n型非晶質領域
111b…上面
111a…下面
112…非晶質シリコン層
120…反射防止膜
130n…n側電極
130p…p側電極
150n…n型不純物イオン
150p…p型不純物イオン
200、300…サンプル
210、310…結晶系シリコン基板
211a、211b、311a、311b…非晶質シリコン層
211p、311p…p型非晶質シリコン層
230n…n側電極
230p…p側電極
311n…n型非晶質領域
315…SiN層
1000…イオン注入装置
1001、1002…真空槽
1003…絶縁部材
1004…ステージ
1005…ガス供給源
1010…プラズマ
1100…RF導入コイル
1101…永久磁石
1102…RF導入窓
1200、1201…電極
1300…直流電源
1301…交流電源
M1、M2…マスク
M2h…開口
S1…基板

Claims (8)

  1. 結晶系シリコン基板の表面にi型の第1非晶質シリコン層を形成し、
    前記第1非晶質シリコン層の表面に第1導電型の第2非晶質シリコン層を形成し、
    前記第2非晶質シリコン層内に第2導電型の不純物元素を選択的に注入して、前記不純物元素が注入された前記第2非晶質シリコン層の領域の導電型を反転させることにより、前記領域に第2導電型の非晶質領域を形成する
    太陽電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記不純物元素のドーズ量は、2×1015(ions/cm)以上1×1017(ions/cm)以下である
    太陽電池の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記不純物元素が注入された後、前記非晶質領域に200℃以上280℃以下での加熱処理がされる
    太陽電池の製造方法。
  4. 請求項3に記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記加熱処理の時間は、少なくとも30分間行われる
    太陽電池の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記第2非晶質シリコン層は、化学的気相成長法またはイオン注入により形成される
    太陽電池の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記第1非晶質シリコン層が形成された前記結晶系シリコン基板の前記表面とは反対側の表面に、i型の第3の非晶質シリコン層がさらに形成される
    太陽電池の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載された太陽電池の製造方法であって、
    前記不純物元素は、非質量分離型のイオン注入法によって注入される
    太陽電池の製造方法。
  8. 結晶系シリコン基板の表面にi型の第1非晶質シリコン層を形成し、
    前記第1非晶質シリコン層内に第1導電型の非晶質領域を選択的に形成し、
    前記第1非晶質シリコン層内及び前記非晶質領域内に前記非晶質領域の導電型が反転しないように第2導電型の不純物元素を注入して、前記第1非晶質シリコン層の前記表面に、第2導電型の第2非晶質シリコン層と、第1導電型の前記非晶質領域と、を形成する
    太陽電池の製造方法。
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