JP2018046010A - 金属原子含有粒子、接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法 - Google Patents

金属原子含有粒子、接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属原子含有粒子の金属部の突起の成分を比較的低温で金属拡散又は溶融変形させ、他の粒子又は他の部材に接合させることができ、接続信頼性を高めることができる金属原子含有粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された金属部とを備え、前記金属部が外表面に複数の突起を有し、前記金属部の前記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか又は前記金属部の前記突起が、400℃以下で溶融変形可能であり、前記金属部の前記突起がない部分の融点が、400℃を超える。【選択図】図1

Description

本発明は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された金属部とを備え、該金属部が外表面に複数の突起を有する金属原子含有粒子に関する。また、本発明は、上記金属原子含有粒子を用いた接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。これらの異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記接続構造体としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、錫、銀及び銅の三元系の合金被膜を有する導電性粒子が開示されている。特許文献1では、接続抵抗が低く接続時の電流容量が大きく、しかもマイグレーションが防止されることが記載されている。
下記の特許文献2には、金属又は合金の粒子が列状に複数個連結してなる粒子連結体から構成されている突起を有する導電性粒子が開示されている。
WO2006/080289A1 特開2012−113850号公報
近年、異方性導電材料を用いて接続構造体を得る際に、電極の接続工程において、従来よりも低圧力での接続、いわゆる低圧実装が行われている。例えば、柔軟なフレキシブルプリント基板上に、駆動用半導体チップを直接実装する場合には、フレキシブルプリント基板の変形を抑えるために、低圧での実装を行う必要がある。
しかし、低圧での実装においては、導電性粒子と電極との物理接触が不十分なために、十分な導通特性が得られない場合がある。また、実装後、高温高湿下の環境条件で、異方性導電材料中のバインダー樹脂の収縮により、所望の導通特性が得られない場合がある。
本発明の目的は、金属原子含有粒子の金属部の突起の成分を比較的低温で金属拡散又は溶融変形させ、他の粒子又は他の部材に接合させることができ、接続信頼性を高めることができる金属原子含有粒子を提供することである。また、本発明は、上記金属原子含有粒子を用いた接続材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された金属部とを備え、前記金属部が外表面に複数の突起を有し、前記金属部の前記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか又は前記金属部の前記突起が、400℃以下で溶融変形可能であり、前記金属部の前記突起がない部分の融点が、400℃を超える、金属原子含有粒子が提供される。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の前記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含む。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の前記突起が、400℃以下で溶融変形可能である。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の前記突起が、はんだを含む。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の前記突起におけるはんだの含有量が50重量%以上である。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の前記突起がない部分が、はんだを含まないか、又ははんだを40重量%以下で含む。
本発明に係る金属原子含有粒子のある特定の局面では、前記金属部の外表面の表面積の全体100%中、前記突起がある部分の表面積が10%以上である。
本発明の広い局面によれば、上述した金属原子含有粒子と、樹脂とを含む、接続材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した金属原子含有粒子であるか、又は、前記金属原子含有粒子と樹脂とを含む接続材料である、接続構造体が提供される。
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、前記第2の接続対象部材が、第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記金属原子含有粒子により電気的に接続されており、前記金属原子含有粒子における前記金属部の前記突起が、はんだを含み、前記金属原子含有粒子の前記第1の電極又は前記第2の電極に接する部分が、はんだ合金を含む。
本発明の広い局面によれば、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との間に、上述した金属原子含有粒子を配置するか、又は、前記金属原子含有粒子と樹脂とを含む接続材料を配置する工程と、前記金属原子含有粒子を加熱して、前記金属部の前記突起の成分を金属拡散又は溶融変形させ、前記金属原子含有粒子又は前記接続材料によって、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部を形成する工程とを備える、接続構造体の製造方法が提供される。
本発明に係る接続構造体の製造方法のある特定の局面では、前記金属原子含有粒子における前記金属部の前記突起が、はんだを含み、前記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、前記第2の接続対象部材が、第2の電極を有し、前記接続部を形成する工程において、前記第1の電極と前記第2の電極とを、前記金属原子含有粒子により電気的に接続し、前記金属原子含有粒子の前記第1の電極又は前記第2の電極に接する部分において、前記突起に含まれるはんだを合金化させ、はんだ合金を形成する。
本発明に係る金属原子含有粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された金属部とを備え、上記金属部が外表面に複数の突起を有し、上記金属部の上記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか又は上記金属部の上記突起が、400℃以下で溶融変形可能であり、上記金属部の上記突起がない部分の融点が、400℃を超える。これにより、特に低圧実装の際に、金属原子含有粒子の金属部の突起を実装温度と圧力により、電極と上記金属原子含有粒子との間に金属結合を形成することができるため、従来の物理接触よりも飛躍的に優れた導通特性を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の第4の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第5の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の第6の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を用いた接続構造体の変形例を模式的に示す断面図である。 金属部における突起部分を説明するための図である。 金属部における突起がある部分を説明するための図である。 金属部における突起がない部分を説明するための図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(金属原子含有粒子)
本発明に係る金属原子含有粒子は、基材粒子と、金属部とを備える。上記金属部は、上記基材粒子の表面上に配置されている。本発明に係る金属原子含有粒子では、上記金属部が外表面に複数の突起を有する。本発明に係る金属原子含有粒子では、上記金属部の上記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか、又は上記金属部の上記突起が、400℃以下で溶融変形可能である。本発明に係る金属原子含有粒子では、上記金属部の上記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含んでいてもよく、上記金属部の上記突起が、400℃以下で溶融変形可能であってもよい。本発明に係る金属原子含有粒子では、上記金属部の上記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含み、かつ、上記金属部の上記突起が、400℃以下で溶融変形可能であってもよい。本発明に係る金属原子含有粒子では、上記金属部の上記突起がない部分の融点は、400℃を超える。
なお、本発明において金属拡散とは、熱、圧力、変形などにより金属原子が金属部や接合部において拡散することをいう。
なお、本発明において溶融変形とは、その成分の一部または全部が溶融することにより、外部の圧力により容易に変形しやすくなる状態のことをいう。
本発明では、上記の構成が備えられているので、突起に含まれる上記成分が金属拡散又は溶融変形し、接合部分との間で金属結合を形成することができる。特に電極と接合させた場合は、電極と導電粒子間に金属結合を形成することができるため、従来の物理接触よりも飛躍的に優れた導通特性を得ることができる。
本発明に係る金属原子含有粒子は、好ましくは金属部の突起を比較的低温で溶融変形させることができる。このため、溶融後に固化させて、他の粒子又は他の部材に接合させることができる。また、複数の金属原子含有粒子を溶融接合させることができる。また、金属原子含有粒子を接続対象部材に溶融接合させることができる。また更に、金属原子含有粒子を電極に溶融接合させることができる。
また、本発明では、上記の構成が備えられているので、金属部の突起の金属拡散又は溶融変形可能な温度以上、金属部の突起がない部分の融点の温度以下に加熱することで、金属部の突起がない部分の過度な溶融変形を防ぐことができ、金属部の突起がない部分の厚みを確保できるので、接続信頼性を高めることができる。
上記金属部の上記突起の成分が金属拡散しうる温度及び上記金属部の上記突起の上記溶融変形温度は、上記突起の材料を選択することで、達成することができる。例えば、突起にはんだを含ませたり、はんだ合金を用いたりすることで、上記金属部の上記突起の成分が金属拡散しうる温度及び上記金属部の上記突起の溶融変形温度を400℃以下にすることが容易である。
上記金属部の上記突起の溶融変形温度を効果的に低くするために、上記金属部は、上記突起の先端に、融点が400℃以下である部分を有していてもよく、上記突起の表面に、融点が400℃以下である部分を有していてもよく、上記突起の内部に、融点が400℃以下である部分を有していてもよい。
導電接続時に、突出した形状を維持し、接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部は、上記突起の内部に、融点が400℃以下である部分を有することが好ましく、上記突起の外表面の材料の融点は400℃を超えていてもよい。上記金属部が、上記突起の内部に、融点が400℃以下である部分を有する場合に、該融点が400℃以下である部分の外側に、融点が400℃を超える部分が存在し、かつ該融点が400℃を超える部分の厚みは、200nm以下(好ましくは100nm以下)であることが好ましい。
突起による溶融接合性をより一層高め、接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部の上記突起が、はんだを含むことが好ましい。
突起による溶融接合性をより一層高め、接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部の上記突起におけるはんだの含有量が50重量%以上であることが好ましい。
突起による溶融接合性をより一層高め、接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部の上記突起がない部分が、はんだを含まないか、又ははんだを40重量%以下(好ましくは10重量%以下)で含むことが好ましい。上記金属部の上記突起がない部分のはんだの含有量は少ない方が好ましい。
突起による溶融接合性をより一層高め、接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部の隆起している部分の内側の部分(突起がある部分のうち、突起を除く部分)が、はんだを含まないか、又ははんだを40重量%以下(好ましくは10重量%以下)で含むことが好ましい。上記金属部の上記突起がない部分のはんだの含有量は少ない方が好ましい。
なお、本明細書において、突起とは、金属部の隆起している部分を意味する(図1に対応する図9の斜線部分)。
本明細書において、突起がある部分とは、金属部の隆起している部分と、金属部の隆起している部分の内側の部分とを意味する(図1に対応する図10の斜線部分)。金属部の隆起している部分と金属部の隆起していない部分との境界点と導電性粒子の中心とを結ぶ直線が、突起がある部分と突起がない部分との境界線である。
本明細書において、突起がない部分とは、金属部の突起がない部分を除く部分である(図1に対応する図11の斜線部分)。金属部の隆起している部分と金属部の隆起していない部分との境界点と導電性粒子の中心とを結ぶ直線が、突起がある部分と突起がない部分との境界線である。
接続信頼性を効果的に高める観点からは、金属部の外表面の表面積の全体100%中、突起がある部分の表面積(表面積の割合(X))は好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。突起がある部分の表面積の割合が多いほど、突起による効果がより一層効果的に得られる。
400℃の加熱時に、突起の体積の全体100体積%中、5体積%以上が溶融可能であることが好ましく、10体積%以上が溶融可能であることがより好ましく、20%以上が溶融可能であることが更に好ましく、30体積%以上が溶融可能であることが特に好ましく、50体積%以上が溶融可能であることが最も好ましい。400℃の加熱時に溶融可能な体積が、上記の好ましい範囲であると、突起による溶融接合性をより一層高めることができ、接続信頼性を効果的に高めることができる。400℃の加熱時に溶融可能な体積が大きいほど、突起を効果的に溶融変形させることができる。
上記金属部の突起成分の金属拡散状態は、以下のようにして評価される。
金属原子含有粒子の含有量が10重量%である導電ペーストを用意する。
銅電極を上面に有する透明ガラス基板を用意する。また、金電極を下面に有する半導体チップを用意する。
上記透明ガラス基板上に、導電ペーストを塗工し、導電ペースト層を形成する。次に、導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層する。その後、導電ペースト層の温度が250℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、0.5MPaの圧力をかけて導電ペースト層を250℃で硬化させて、接続構造体を得る。
接続構造体の中心付近を通るように機械研磨し、イオンミリング装置を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出す。なお、接続構造体の機械研磨を容易にするために、接続構造体を樹脂中に埋め込み、樹脂中に埋め込まれた接続構造体を機械研磨してもよい。
次いで、透過型電子顕微鏡FE−TEMを用いて、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により、金属原子含有粒子と銅電極及び金電極との接触部分を線分析、又は、元素マッピングすることにより、金属の拡散状態を観察する。
上記金属の拡散状態を観察することにより、金属原子含有粒子の外周が銅電極及び金電極に対して金属拡散していることを確認することができる。
また、上記金属の拡散状態のマッピングにより、金属原子含有粒子の外周と銅電極及び金電極との接触割合を算出することができ、これにより定量を行うこともできる。
上記金属部の突起の溶融変形温度は、以下のようにして評価される。
上記金属部の突起の溶融変形温度は、示差走査熱量計(ヤマト科学社製「DSC−6300」)を用いて測定できる。上記測定は、金属原子含有粒子15gを用いて、昇温範囲30℃から500℃、昇温速度5℃/min.、窒素パージ量5ml/min.の測定条件で行う。
次に、上記の測定で得られた溶融温度で上記金属部の突起が溶融していることを確認する。金属原子含有粒子1gを容器に入れ、電気炉に入れる。電気炉にて上記測定で得られた溶融温度と同じ温度を設定し、窒素雰囲気で10分間加熱する。その後、加熱した金属原子含有粒子を電気炉から取出し、走査型電子顕微鏡を用いて突起の溶融状態(又は溶融後の固化状態)を確認する。なお、突起の先端や、突起の表面や、突起の内部などの突起の一部の領域を溶融させることで、突起を溶融変形させてもよい。
本発明に係る金属原子含有粒子は、上記金属部の上記突起を比較的低温で溶融接合させることができるので、2つの接続対象部材の接続に用いることができる。2つの接続対象部材間に、金属原子含有粒子における上記金属部の上記突起において溶融接合させることで、強固な接続を発揮する接続部を形成することができ、接続信頼性を高めることができる。
また、本発明に係る金属原子含有粒子は、導電接続に用いてもよい。さらに、本発明に係る金属原子含有粒子は、ギャップ制御材(スペーサ)としても用いることができる。
複数の上記突起の平均高さ(a)は、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、好ましくは5000nm以下、より好ましくは1000nm以下、更に好ましくは800nm以下である。上記突起の平均高さ(a)が上記下限以上であると、溶融変形温度がより一層低くなる。上記突起の平均高さ(a)が上記上限以下であると、突起が過度に折れにくくなる。
上記突起の平均高さ(a)は、金属原子含有粒子1個に含まれる突起の高さの平均である。上記突起の高さは、金属原子含有粒子の中心と突起の先端とを結ぶ線(図1に示す破線L1)上における、突起が無いと想定した場合の金属部の仮想線(図1に示す破線L2)上(突起が無いと想定した場合の球状の金属原子含有粒子の外表面上)から突起の先端までの距離を示す。すなわち、図1においては、破線L1と破線L2との交点から突起の先端までの距離を示す。
複数の上記突起の基部の平均径(b)は、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下である。上記平均径(b)が上記下限以上であると、突起が過度に折れにくくなる。上記平均径(b)が上記上限以下であると、接続信頼性がより一層高くなる。
上記突起の基部の平均径(b)は、金属原子含有粒子1個に含まれる突起の基部の径の平均である。基部の径は、突起における基部のそれぞれの最大径である。
複数の上記突起の平均高さ(a)の、複数の上記突起の基部の平均径(b)に対する比(平均高さ(a)/平均径(b))は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。上記比(平均高さ(a)/平均径(b))が上記下限以上であると、接続信頼性がより一層高くなる。上記比(平均高さ(a)/平均径(b))が上記上限以下であると、突起が過度に折れにくくなる。
突起の過度の折れを抑え、突起による溶融接合性をより一層高め、接続信頼性を効果的に高める観点からは、複数の上記突起の形状は、針状又は球体の一部の形状であることが好ましい。針状の形状は、角錐状、円錐状又は回転放物面状であることが好ましく、円錐状又は回転放物面状であることがより好ましく、円錐状であることが更に好ましい。上記突起の形状は、角錐状であってもよく、円錐状であってもよく、回転放物面状であってもよい。本発明では、回転放物面状も、先細りしている針状に含まれる。回転放物面状の突起では、基部から先端にかけて先細りしている。
上記金属原子含有粒子1個あたりの上記金属部の外表面の突起は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。突起の数の上限は金属原子含有粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。なお、上記金属原子含有粒子に含まれる突起は、先細りしている針状でなくてもよく、更に上記金属原子含有粒子に含まれる突起の全てが、先細りしている針状である必要はない。
接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属原子含有粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上であり、好ましくは10000N/mm以下、より好ましくは8000N/mm以下である。
上記金属原子含有粒子の上記圧縮弾性率(10%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で金属原子含有粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:金属原子含有粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:金属原子含有粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:金属原子含有粒子の半径(mm)
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、金属原子含有粒子1は、基材粒子2と、金属部3とを備える。
金属部3は、基材粒子2の表面上に配置されている。金属原子含有粒子1は、基材粒子2の表面が金属部3により被覆された被覆粒子である。金属部3は、基材粒子2の表面全体を覆う連続皮膜である。
金属原子含有粒子1は金属部3の外表面に、複数の突起1aを有する。金属部3は外表面に、複数の突起3aを有する。複数の突起1a,3aの形状は、先細りしている針状であり、本実施形態では回転放物面状である。
金属部3は、第1の金属部3Xと、第2の金属部3Yとを有する。第2の金属部3Yは、粒子であり、例えばはんだである。第1の金属部3Xは、金属部3の第2の金属部3Yを除く部分である。第2の金属部3Yは、400℃以下で溶融変形可能である。第1の金属部3Xの融点は、400℃を超える。第1の金属部3Xは、400℃で溶融変形しない。
1つの突起1a,3aの内部に、1つの第2の金属部3Yが配置されている。本実施形態では、突起1a,3aが、400℃以下で金属拡散しうる第2の金属部3Yを含んでいる。また、第2の金属部3Yの存在によって、突起1a,3aが、400℃以下で第2の金属部3Yと第1の金属部3Xとの間で金属拡散が起こり、400℃以下で溶融変形可能な突起を形成する。若しくは第2の金属部3Yによって、突起1a,3aが、400℃以下で溶融変形可能である。金属部3は、第1の部分と、該第1の部分よりも厚みが厚い第2の部分とを有する。複数の突起1a,3aを除く部分が、金属部3の上記第1の部分である。複数の突起1a,3aは、金属部3の厚みが厚い上記第2の部分である。第1の部分には、第2の金属部3Yが存在しないため、実装時においても金属拡散に起因する溶融変形可能な部分は形成されず、その厚みを確保することができる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、金属原子含有粒子1Aは、基材粒子2と、金属部3Aとを備える。
金属原子含有粒子1と金属原子含有粒子1Aとでは、金属部のみが異なっている。すなわち、金属原子含有粒子1では、1層構造の金属部3が形成されているのに対し、金属原子含有粒子1Aでは、2層構造の金属部3Aが形成されている。
金属部3Aは、第1の金属部3AXと、第2の金属部3AYと、第3の金属部3AZとを有する。第1,第2,第3の金属部3AX,3AY,3AZは、基材粒子2の表面上に配置されている。
第1の金属部3AXは、内層である。第2の金属部3AYは、外層である。基材粒子2と第2の金属部3AYとの間に、第1の金属部3AXが配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の金属部3AXが配置されており、第1の金属部3AXの外表面上に第2の金属部3AYが配置されている。第1の金属部3AXの外形は球状である。金属原子含有粒子1Aは金属部3Aの外表面に、複数の突起1Aaを有する。金属部3Aは、外表面に複数の突起3Aaを有する。第2の金属部3AYは外表面に、複数の突起を有する。複数の突起1Aa,3Aaの形状は、先細りしている針状であり、本実施形態では回転放物面状である。
第3の金属部3AZは、粒子であり、例えばはんだである。第3の金属部3AZは、400℃以下で溶融変形可能である。第1,第2の金属部3AX,3AYの融点は、400℃を超える。第1,第2の金属部3AX,3AYは、400℃で溶融変形しない。
1つの突起1Aa,3Aaの内部に、1つの第3の金属部3AZが配置されている。本実施形態では、突起1Aa,3Aaが、400℃以下で金属拡散しうる第3の金属部3AZを含んでいる。また、第3の金属部3AZの存在によって、突起1Aa,3Aaが第2の金属部3AYと第3の金属部3AZとの間で金属拡散が起こり、400℃以下で溶融変形可能な突起を形成する。若しくは第3の金属部3AZによって、突起1Aa,3Aaが、400℃以下で溶融変形可能である。
第3の金属部3AZは、第2の金属部3AYの内部に配置されている。第3の金属部3AZは、第1の金属部3AXの内部に配置されていない。第3の金属部3AZは、第1の金属部3AXの外表面上に配置されている。第3の金属部3AZは、第1の金属部3AXに接している。第3の金属部3AZは、第1の金属部3AXに接しなくてもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、金属原子含有粒子1Bは、基材粒子2と、金属部3Bとを備える。
金属原子含有粒子1と金属原子含有粒子1Bとでは、金属部のみが異なっている。
金属部3Bは、第1の金属部3BXと、第2の金属部3BYと、第3の金属部3BZとを有する。第1,第2,第3の金属部3BX,3BY,3BZは、基材粒子2の表面上に配置されている。
第1の金属部3BXは、内層である。第2の金属部3BYは、外層である。基材粒子2と第2の金属部3BYとの間に、第1の金属部3BXが配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の金属部3BXが配置されており、第1の金属部3BXの外表面上に第2の金属部3BYが配置されている。金属原子含有粒子1Bは金属部3Bの外表面に、複数の突起1Baを有する。金属部3Bは、外表面に複数の突起3Baを有する。第1の金属部3BXは外表面に、複数の突起を有する。第2の金属部3BYは外表面に、複数の突起を有する。複数の突起1Ba,3Baの形状は、先細りしている針状であり、本実施形態では回転放物面状である。
第3の金属部3BZは、粒子であり、例えばはんだである。第3の金属部3BZは、400℃以下で溶融変形可能である。第1,第2の金属部3BX,3BYの融点は、400℃を超える。第1,第2の金属部3BX,3BYは、400℃で溶融変形しない。
突起1Ba,3Baの内部に、第3の金属部3BZが配置されている。1つの突起1Ba,3Baの内部に、1つの第3の金属部3BZが配置されている。本実施形態では、突起1Ba,3Baが、400℃以下で金属拡散しうる第3の金属部3BZを含んでいる。また、第3の金属部3BZの存在によって、突起1Ba,3Baが、第3の金属部3BZ、第1の金属部3BX及び第3の金属部3BZとの間で金属拡散が起こり、400℃以下で溶融変形可能な突起を形成する。若しくは第3の金属部3BZによって、突起1Ba,3Baが、400℃以下で溶融変形可能である。
第3の金属部3BZの一部の領域は、第1の金属部3BXの内部に配置されている。第3の金属部3BZの一部の領域は、第2の金属部3BYの内部に配置されている。第3の金属部3BZは、基材粒子2の表面上に配置されている。第3の金属部3BZは、基材粒子2に接している。第3の金属部3BZは、基材粒子2に接していなくてもよい。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、金属原子含有粒子1Cは、基材粒子2と、金属部3Cとを備える。
金属原子含有粒子1と金属原子含有粒子1Cとでは、金属部のみが異なっている。
金属部3Cは、第1の金属部3CXと、第2の金属部3CYとを有する。金属原子含有粒子1Cは金属部3Cの外表面に、複数の突起1Caを有する。金属部3Cは、外表面に複数の突起3Caを有する。複数の突起1Ca,3Caの形状は、先細りしている針状であり、本実施形態では回転放物面状である。
第2の金属部3CYは、粒子であり、例えばはんだである。第1の金属部3CXは、金属部3Cの第2の金属部3CYを除く部分である。第2の金属部3CYは、400℃以下で溶融変形可能である。第1の金属部3CXの融点は、400℃を超える。第1の金属部3CXは、400℃で溶融変形しない。
1つの突起1Ca,3Caの内部に、複数の第2の金属部3CYが配置されている。本実施形態では、突起1Ca,3Caが、400℃以下で金属拡散しうる第2の金属部3CYを含んでいる。また、第2の金属部3CYの存在によって、突起1Ca,3Caが、第2の金属部3CYと第1の金属部3CXとの間で金属拡散が起こり、400℃以下で溶融変形可能な突起を形成する。若しくは第2の金属部3CYによって、突起1Ca,3Caが、400℃以下で溶融変形可能である。
金属原子含有粒子1Cのように、突起を溶融変形可能にするために、1つの突起に対して、400℃以下で溶融変形可能な領域を複数形成してもよい。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、金属原子含有粒子1Dは、基材粒子2と、金属部3Dとを備える。
金属原子含有粒子1と金属原子含有粒子1Dとでは、金属部のみが異なっている。
金属部3Dは、第1の金属部3DXと、第2の金属部3DYとを有する。金属原子含有粒子1Dは金属部3Dの外表面に、複数の突起1Daを有する。金属部3Dは、外表面に複数の突起3Daを有する。第2の金属部3DYは外表面に、複数の突起を有する。複数の突起1Da,3Daの形状は、球体の一部の形状であり、本実施形態では半球状である。
第2の金属部3DYは、粒子であり、例えばはんだである。第1の金属部3DXは、金属部3Dの第2の金属部3DYを除く部分である。第2の金属部3DYは、400℃以下で溶融変形可能である。第1の金属部3DXの融点は、400℃を超える。第1の金属部3DXは、400℃で溶融変形しない。
突起1Da,3Daの内部に、第2の金属部3DYが配置されている。1つの突起1Da,3Daの内部に、1つの第2の金属部3DYが配置されている。本実施形態では、突起1Da,3Daが、400℃以下で金属拡散しうる第2の金属部3DYを含んでいる。また、第2の金属部3DYの存在によって、突起1Da,3Daが、第2の金属部3DYと第1の金属部3DXとの間で金属拡散が起こり、400℃以下で溶融変形可能な突起を形成する。若しくは第2の金属部3DYによって、突起1Da,3Daが、400℃以下で溶融変形可能である。
金属原子含有粒子1,1Dのように、突起の形状は適宜変更することができ、突起の先端は、尖っていなくてもよい。
図6は、本発明の第6の実施形態に係る金属原子含有粒子を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、金属原子含有粒子1Eは、基材粒子2と、金属部3Eとを備える。
金属原子含有粒子1と金属原子含有粒子1Eとでは、金属部のみが異なっている。
金属部3Eは、第1の金属部3EXと、第2の金属部3EYとを有する。第1,第2の金属部3EX,3EYは、基材粒子2の表面上に配置されている。
基材粒子2と第2の金属部3EYとの間に、第1の金属部3EXが配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の金属部3EXが配置されており、第1の金属部3EXの外表面上に第2の金属部3EYが配置されている。第1の金属部3EXの外形は球状である。金属原子含有粒子1Eは金属部3Eの外表面に、複数の突起1Eaを有する。金属部3Eは、外表面に複数の突起3Eaを有する。複数の第2の金属部3EYが、第1の金属部3EXの外表面上の一部の領域に配置されている。第2の金属部3EY自体が突起である。複数の突起1Ea,3Eaの形状は、先細りしている針状であり、本実施形態では回転放物面状である。
第2の金属部3EYは、回転放物面状の粒子であり、例えばはんだ又ははんだ合金である。第2の金属部3EYは、400℃以下で溶融変形可能である。第1の金属部3EXの融点は、400℃を超える。第1の金属部3EXは、400℃で溶融変形しない。
本実施形態では、突起1Ea,3Eaが、400℃以下で金属拡散しうる第2の金属部3EYを含んでいる。または第2の金属部3EYによって、突起1Ea,3Eaが、400℃以下で溶融変形可能である。
金属原子含有粒子1Eのように、突起を溶融変形可能にするために、400℃以下で溶融可能な金属部が、金属部の外表面に位置していてもよい。
以下、金属原子含有粒子をより詳しく説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリロキシ」は「アクリロキシ」と「メタクリロキシ」との一方又は双方を意味する。また、「(メタ)アクリロ」は、「アクリロ」と「メタクリロ」との双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有していてもよく、コアシェル粒子であってもよい。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。
上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが更に好ましく、樹脂粒子であってもよく、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。これらの好ましい基材粒子の使用により、2つの接続対象部材の接続用途に好適な金属原子含有粒子が得られる。
上記基材粒子が樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であると、上記金属原子含有粒子が変形しやすく、上記金属原子含有粒子の柔軟性が高くなる。このため、接続後に、衝撃吸収性が高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。2つの接続対象部材の接続用途に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記無機シェルを形成するための材料としては、上述した基材粒子を形成するための無機物が挙げられる。上記無機シェルを形成するための材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記コアの粒径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下、最も好ましくは10μm以下である。上記コアの粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、2つの接続対象部材の接続用途に好適に使用可能になる。例えば、上記コアの粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記金属原子含有粒子を用いて2つの接続対象部材を接続した場合に、金属原子含有粒子と接続対象部材との接触面積が充分に大きくなり、かつ金属部を形成する際に凝集した金属原子含有粒子が形成されにくくなる。また、金属原子含有粒子を介して接続された2つの接続対象部材の間隔が大きくなりすぎず、かつ金属部が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記コアの粒径は、上記コアが真球状である場合には直径を意味し、上記コアが真球状以外の形状である場合には、最大径を意味する。また、コアの粒径は、コアを任意の粒径測定装置により測定した平均粒径を意味する。例えば、レーザー光散乱、電気抵抗値変化、撮像後の画像解析などの原理を用いた粒度分布測定機が利用できる。
上記シェルの厚みは、好ましくは100nm以上、より好ましくは200nm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。上記シェルの厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると2つの接続対象部材の接続用途に好適に使用可能になる。上記シェルの厚みは、基材粒子1個あたりの平均厚みである。ゾルゲル法の制御によって、上記シェルの厚みを制御可能である。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子を形成するための金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上である。上記基材粒子の粒子径は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは400μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上であると、接続信頼性がより一層高くなる。さらに、基材粒子の表面に金属部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した金属原子含有粒子が形成されにくくなる。基材粒子の平均粒子径が上記上限以下であると、金属原子含有粒子が充分に圧縮されやすく、接続信頼性がより一層高くなる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
接続信頼性のヒートサイクル試験での接続部のクラック又は剥離の発生をより一層抑え、応力負荷時のクラックの発生をより一層抑える観点からは、上記基材粒子は、シリコーン樹脂を含む粒子(シリコーン粒子)であることが好ましい。上記基材粒子の材料は、シリコーン樹脂を含むことが好ましい。
上記シリコーン粒子の材料は、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とであるか、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物であるか、もしくは、ラジカル重合性基を両末端に有するシラン化合物であることが好ましい。これらの材料を反応させた場合には、シロキサン結合が形成される。得られるシリコーン粒子において、ラジカル重合性基及び炭素数5以上の疎水基は一般に残存する。このような材料を用いることで、0.1μm以上、500μm以下の1次粒子径を有するシリコーン粒子を容易に得ることができ、しかもシリコーン粒子の耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができる。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジビニルメトキシビニルシラン、ジビニルエトキシビニルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、及び1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、炭素数5以上の疎水基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメチルメトキシフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ヘキサフェニルジシロキサン、1,3,3,5−テトラメチル−1,1,5,5−テトラペニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、及びオクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基はケイ素原子に直接結合していることが好ましく、炭素数5以上の疎水基はケイ素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルビニルジメトキシシラン、フェニルビニルジエトキシシラン、フェニルメチルビニルメトキシシラン、フェニルメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルビニルメトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、フェニルジビニルメトキシシラン、フェニルジビニルエトキシシラン、及び1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジビニルジシロキサン等が挙げられる。
シリコーン粒子を得るために、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを用いる場合、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とは重量比で、1:1〜1:20で用いることが好ましく、1:5〜1:15で用いることがより好ましい。
シリコーン粒子を得るためのシラン化合物の全体において、ラジカル重合性基の数と炭素数5以上の疎水基の数とは、1:0.5〜1:20であることが好ましく、1:1〜1:15であることがより好ましい。
耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、10%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン粒子は、1つのケイ素原子に2つのメチル基が結合したジメチルシロキサン骨格を有することが好ましく、上記シリコーン粒子の材料は、1つのケイ素原子に2つのメチル基が結合したシラン化合物を含むことが好ましい。
耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、10%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン粒子は、上述したシラン化合物を、ラジカル重合開始剤により反応させて、シロキサン結合を形成させることが好ましい。一般に、ラジカル重合開始剤を用いて、0.1μm以上、500μm以下の1次粒子径を有するシリコーン粒子を得ることは困難であり、100μm以下の1次粒子径を有するシリコーン粒子を得ることが特に困難である。これに対して、ラジカル重合開始剤を用いる場合でも、上記シラン化合物を用いることで、0.1μm以上、500μm以下の1次粒子径を有するシリコーン粒子を得ることができ、100μm以下の1次粒子径を有するシリコーン粒子を得ることもできる。
上記シリコーン粒子を得るために、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシラン化合物を用いなくてもよい。この場合には、金属触媒を用いずに、ラジカル重合開始剤を用いて、シラン化合物を重合させることができる。結果として、シリコーン粒子に金属触媒が含まれないようにすることができ、シリコーン粒子における金属触媒の含有量を少なくすることができ、更に耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、10%K値を好適な範囲に制御することができる。
上記シリコーン粒子の具体的な製造方法としては、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等でシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン粒子を作製する方法等がある。シラン化合物の重合を進行させてオリゴマーを得た後、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等で重合体(オリゴマーなど)であるシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン粒子を作製してもよい。例えば、ビニル基を有するシラン化合物を重合させて、末端においてケイ素原子に結合したビニル基を有するシラン化合物を得てもよい。フェニル基を有するシラン化合物を重合させて、重合体(オリゴマーなど)として、側鎖においてケイ素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。ビニル基を有するシラン化合物とフェニル基を有するシラン化合物とを重合させて、重合体(オリゴマーなど)として、末端においてケイ素原子に結合したビニル基を有しかつ側鎖においてケイ素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。
シリコーン粒子は、複数の粒子を外表面に有していてもよい。この場合に、シリコーン粒子は、シリコーン粒子本体と、シリコーン粒子本体の表面上に配置された複数の粒子とを備えていてもよい。上記複数の粒子としては、シリコーン粒子及び球状シリカ等が挙げられる。上記複数の粒子の存在によって、シリコーン粒子の凝集を抑えることができる。
[金属部]
上記金属部の上記突起は、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか、又は、上記金属部の上記突起が、400℃以下で溶融変形可能である。金属拡散しうる温度を低くすることで、接合部分との間で金属結合を形成することができる。このため、上記金属拡散しうる温度は、350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、250℃以下が更に好ましく、200℃以下が特に好ましい。上記金属拡散しうる温度は、金属の種類により制御することができる。
または、上記金属部の上記突起は、400℃以下で溶融変形可能であることが好ましい。
上記金属部の上記突起は、350℃以下で溶融変形可能であることが好ましく、300℃以下で溶融変形可能であることがより好ましく、250℃以下で溶融変形可能であることが更に好ましく、200℃以下で溶融変形可能であることが特に好ましい。上記金属部における上記突起の溶融変形温度が、上記の好ましい範囲であると、溶融変形温度を低くするができ、加熱時のエネルギーの消費量を抑えることができ、更に接続対象部材等の熱劣化を抑えることができる。上記突起の溶融変形温度は、突起の金属の種類により制御することができる。上記金属部及び上記突起は、200℃を超える部分を有していてもよく、250℃を超える部分を有していてもよく、300℃を超える部分を有していてもよく、350℃を超える部分を有していてもよく、400℃を超える部分を有していてもよい。
上記金属部の材料は特に限定されない。上記金属部の材料は金属を含むことが好ましい。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、リチウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、ルテニウム、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
本発明では、上記金属部の突起が400℃以下で溶融変形可能であるように、金属部の材料が選ばれるのが好ましい。上記金属部は、はんだを含むことが好ましい。
接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記金属部の材料は、銀、銅、金、パラジウム、錫、インジウム又は亜鉛を含むことが好ましく、金、銀を含むことがより好ましい。接続信頼性を効果的に高める観点からは、上記銀は、銀単体又は酸化銀として含まれていてもよい。酸化銀としては、AgO及びAgOが挙げられる。
銀を含む金属部100重量%中、銀の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは90重量%以下、80重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよく、40重量%以下であってもよく、20重量%以下であってもよく、10重量%以下であってもよい。銀の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接合強度が高くなり、接続信頼性がより一層高くなる。
上記銅は、銅単体又は酸化銅として含まれていてもよい。
銅を含む金属部100重量%中、銅の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは90重量%以下、80重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよく、40重量%以下であってもよく、20重量%以下であってもよく、10重量%以下であってもよい。銅の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接合強度が高くなり、接続信頼性がより一層高くなる。
上記はんだは、融点が450℃以下である金属(低融点金属)であることが好ましい。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは160℃以下である。また、上記はんだは錫を含む。上記はんだに含まれる金属100重量%中、錫の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記はんだにおける錫の含有量が上記下限以上であると、接続信頼性がより一層高くなる。
なお、上記錫の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定可能である。
上記はんだを用いることで、はんだが溶融して電極に接合し、はんだが電極間を導通させる。例えば、はんだと電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、はんだの使用により、はんだと電極との接合強度が高くなる結果、はんだと電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性及び接続信頼性が効果的に高くなる。
上記はんだを構成する低融点金属は特に限定されない。該低融点金属は、錫、又は錫を含む合金であることが好ましい。該合金は、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、錫、錫−銀合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることが好ましい。錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることがより好ましい。
上記はんだは、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだの組成としては、例えば亜鉛、金、銀、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、上記はんだは、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むか、又は錫とビスマスとを含むことが好ましい。
接続強度をより一層高めるために、上記はんだは、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。また、接続強度をさらに一層高める観点からは、上記はんだは、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。接続強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、はんだ100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上、好ましくは1重量%以下である。
上記金属部は、1つの層により形成されていてもよい。金属部は、複数の層により形成されていてもよい。
上記基材粒子の表面上に金属部を形成する方法は特に限定されない。金属部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。金属部の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
金属部の外表面に400℃以下で溶融変形可能である凹凸形状を有する突起を形成する方法としては、以下の方法等が挙げられる。錫ナノ粒子を金めっきで被覆し複合化させ熱処理することにより金−錫合金半田を形成する方法。錫ナノ粒子を銀めっきで被覆し複合化させ熱処理することにより銀−錫合金半田を形成する方法。錫ナノ粒子を銅めっきで被覆し複合化させ熱処理することにより錫−銅合金半田を形成する方法。錫ナノ粒子をビスマスめっきで被覆し複合化させ熱処理することにより錫−ビスマス合金半田を形成する方法。亜鉛ナノ粒子を錫めっきで被覆し複合化させ熱処理することにより錫−亜鉛合金半田を形成する方法。インジウムナノ粒子を錫めっきで被覆し複合化させ熱処理することにより錫−インジウム合金半田を形成する方法。錫めっきを突起凹凸部に析出させ純錫半田を形成する方法。
無電解めっきにより形成する方法では、一般的に、触媒化工程と、無電解めっき工程とが行われる。以下、無電解めっきにより、樹脂粒子の表面に、銅及びニッケルを含む合金めっき層及び金属部の外表面に400℃以下で溶融変形可能である凹凸形状を有する突起を形成する方法の例を説明する。
上記触媒化工程では、無電解めっきによりめっき層を形成するための起点となる触媒を、樹脂粒子の表面に形成させる。
上記触媒を樹脂粒子の表面に形成させる方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。塩化パラジウムと塩化スズとを含む溶液に、樹脂粒子を添加した後、酸溶液又はアルカリ溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法。硫酸パラジウムとアミノピリジンとを含有する溶液に、樹脂粒子を添加した後、還元剤を含む溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法。上記還元剤として、リン含有還元剤が用いられる。また、上記還元剤として、リン含有還元剤を用いることで、リンを含む金属部を形成できる。
上記無電解めっき工程では、ニッケル含有化合物、錯化剤及び還元剤を含有するめっき液を用いる無電解ニッケル−リン合金めっき方法において、還元剤として次亜リン酸化合物を含み、還元剤の反応開始金属触媒としてニッケル含有化合物を含み、かつ非イオン性界面活性剤を含むニッケル−リン合金めっき液を用いることが好ましい。
ニッケル−リン合金めっき浴中に樹脂粒子を浸漬することにより、触媒が表面に形成された樹脂粒子の表面に、ニッケル−リン合金を析出させることができ、ニッケル及びリンを含む金属部を形成できる。
上記ニッケル含有化合物としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、及び硝酸ニッケル等が挙げられる。上記ニッケル含有化合物は、硫酸ニッケルであることが好ましい。
上記リン含有還元剤としては、次亜リン酸、及び次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。上記リン含有還元剤に加えて、ボロン含有還元剤を用いてもよい。上記ボロン含有還元剤としては、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。
上記錯化剤としては、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム等のモノカルボン酸系錯化剤、マロン酸ニナトリウム等のジカルボン酸系錯化剤、コハク酸ニナトリウム等のトリカルボン酸系錯化剤、乳酸、DL−リンゴ酸、ロシェル塩、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム等のヒドロキシ酸系錯化剤、グリシン、EDTA等のアミノ酸系錯化剤、エチレンジアミン等のアミン系錯化剤、及びマレイン酸等の有機酸系錯化剤等が挙げられる。上記錯化剤としては、これら有機酸系錯化剤の塩からなる群より選択される少なくとも1種の錯化剤を含有する錯化剤等も挙げられる。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤が挙げられ、特に非イオン性界面活性剤が好適である。好ましい非イオン性界面活性剤は、エーテル酸素原子を含むポリエーテルである。好ましい非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン、及びエチレンジアミンのポリオキシアルキレン付加物等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール又はフェノールエトキシレートである。上記界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。分子量1000程度(例えば、500以上、2000以下)のポリエチレングリコールが特に好ましい。
次に、錫ナノ粒子スラリーをニッケル及びリンを含む金属部の表面上に吸着させ、錫ナノ粒子表面に無電解銀めっきを形成する。
上記無電解めっき工程では、銀含有化合物、錯化剤及び還元剤を含有するめっき液を用いる無電解銀めっき方法において、還元剤としてヒドラジン、非イオン性界面活性剤及び硫黄含有有機化合物を含む銀めっき液を用いることが好ましい。
銀めっき浴中に樹脂粒子を浸漬することにより、触媒が表面に形成された樹脂粒子の表面に、銀を析出させることができ、銀を含む金属部を形成できる。
上記銀含有化合物としては、シアン化銀カリウム、硝酸銀、チオ硫酸銀ナトリウム、グルコン酸銀、銀−システイン錯体、メタンスルホン酸銀が好ましい。
上記還元剤としては、ヒドラジン、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ホルマリン、及びブドウ糖である。
400℃以下で溶融変形可能である凹凸形状を有する突起を形成するための還元剤としては、ヒドラジン一水和物、塩酸ヒドラジン、及び硫酸ヒドラジンが好ましい。
上記錯化剤としては、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム等のモノカルボン酸系錯化剤、マロン酸ニナトリウム等のジカルボン酸系錯化剤、コハク酸ニナトリウム等のトリカルボン酸系錯化剤、乳酸、DL−リンゴ酸、ロシェル塩、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム等のヒドロキシ酸系錯化剤、グリシン、EDTA等のアミノ酸系錯化剤、エチレンジアミン等のアミン系錯化剤、及びマレイン酸等の有機酸系錯化剤等が挙げられる。上記錯化剤としては、これら有機酸系錯化剤の塩からなる群より選択される少なくとも1種の錯化剤を含有する錯化剤等も挙げられる。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤が挙げられ、特に非イオン性界面活性剤が好適である。好ましい非イオン性界面活性剤は、エーテル酸素原子を含むポリエーテルである。好ましい非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン、及びエチレンジアミンのポリオキシアルキレン付加物等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール又はフェノールエトキシレートである。上記界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。分子量1000程度(例えば、500以上、2000以下)のポリエチレングリコールが特に好ましい。
また、上記の非イオン性界面活性剤等を用いなくても、400℃以下で溶融変形可能である凹凸形状を有する突起が得られる。より低温で溶融変形可能である凹凸形状を有する突起を形成するためには、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、分子量1000程度(例えば、500以上、2000以下)のポリエチレングリコールを用いることが特に好ましい。
上記硫黄含有有機化合物としては、スルフィド又はスルホン酸基を有する有機化合物、チオ尿素化合物、及びベンゾチアゾール化合物等が挙げられる。上記スルフィド又はスルホン酸基を有する有機化合物としては、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸カリウム塩、炭酸−ジチオ−o−エチルエステル、ビススルホプロピルジスルフィド、ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィド・ジナトリウム塩、3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)プロピルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムプロピルスルホベタイン、1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホネート、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルスルホン酸ナトリウム塩、3−メルカプト−1−エタンスルホン酸カリウム塩、炭酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステル、ビススルホエチルジスルフィド、3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)エチルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムエチルスルホベタイン、1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホネート、及びチオ尿素化合物等が挙げられる。上記チオ尿素化合物としては、チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、及びアリルチオ尿素等が挙げられる。
また、上記の硫黄含有有機化合物等を用いなくても、針状の形状を有する突起が得られる。より頂角が鋭利に先細りしている形状の突起を形成するためには、硫黄含有有機化合物を用いることが好ましく、チオ尿素を用いることが特に好ましい。
複数の突起の平均高さ(a)の、複数の上記突起の基部の平均径(b)に対する比(平均高さ(a)/平均径(b))は、金属部の厚みに依存し、めっき浴への浸漬時間で制御することができる。めっき温度は好ましくは30℃以上、好ましくは100℃以下であり、まためっき浴への浸漬時間は好ましくは5分以上である。
次に、錫ナノ粒子スラリーをニッケル及びリンを含む金属部の表面上に吸着させ、錫ナノ粒子表面に無電解銀めっきを形成し、窒素雰囲気で熱処理する事で突起心材の錫と錫突起部分に接した銀めっきが相互拡散し、銀−錫合金半田が形成される。半田合金化の窒素雰囲気下での熱処理温度は好ましくは100℃以上、好ましくは200℃以下であり、また熱処理時間は好ましくは3分以上である。
上記突起がない部分における金属部全体の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは400nm以下である。
金属部全体の厚みが上記下限以上であると、金属部の剥離が抑えられる。金属部全体の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と金属部との熱膨張率の差が小さくなり、基材粒子から金属部が剥離し難くなる。上記金属部の厚みは、金属部が複数の金属部(第1の金属部と第2の金属部)を有する場合には、金属部全体の厚み(第1,第2の金属部の合計の厚み)を示す。
上記金属部が複数の金属部を有する場合に、最外層の上記突起がない部分における金属部の厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。上記金属部が複数の金属部を有する場合に、上記最外層の金属部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の金属部による被覆を均一にでき、耐腐食性が充分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。また、上記最外層が内層の金属部よりも高価である場合に、最外層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記金属部の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、金属原子含有粒子の断面を観察することにより測定可能である。
[芯物質]
上記金属原子含有粒子は、上記金属部の表面を隆起させている複数の芯物質を備えることが好ましく、上記金属部内において、複数の上記突起を形成するように、上記金属部の表面を隆起させている複数の芯物質を備えることがより好ましい。上記芯物質が上記金属部中に埋め込まれていることによって、上記金属部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、金属原子含有粒子及び金属部の外表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。例えば、無電解めっきにより芯物質を用いずに突起を形成する方法として、無電解めっきにより金属核を発生させ、基材粒子又は金属部の表面に金属核を付着させ、更に無電解めっきにより金属部を形成する方法等が挙げられる。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより金属部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより金属部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより金属部を形成する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面上に芯物質を配置する方法としては、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質が上記金属部中に埋め込まれていることによって、上記金属部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、金属原子含有粒子の導電性の表面及び金属部の表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
上記突起を形成する方法としては、以下の方法等が挙げられる。基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより金属部を形成する方法。基材粒子の表面に無電解めっきにより金属部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより金属部を形成する方法。基材粒子の表面に無電解めっきにより金属部を形成する途中段階で芯物質を添加する方法。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。上記芯物質の材料である金属としては、上記金属部の材料として挙げた金属を適宜使用可能である。
上記芯物質の材料の具体例としては、チタン酸バリウム(モース硬度4.5)、ニッケル(モース硬度5)、シリカ(二酸化ケイ素、モース硬度6〜7)、酸化チタン(モース硬度7)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。上記無機粒子は、ニッケル、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが好ましく、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることがより好ましい。上記無機粒子は、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが更に好ましく、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが特に好ましい。上記芯物質の材料のモース硬度は好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上、特に好ましくは7.5以上である。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
[絶縁性物質]
本発明に係る金属原子含有粒子は、上記金属部の外表面上に配置された絶縁性物質を備えることが好ましい。この場合には、金属原子含有粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の金属原子含有粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で金属原子含有粒子を加圧することにより、金属原子含有粒子の金属部と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。金属部が外表面に複数の突起を有するので、金属原子含有粒子の金属部と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁性物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁性物質は、絶縁性粒子であることが好ましい。
上記絶縁性物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記金属部の表面上に絶縁性物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁性物質が脱離し難いことから、上記金属部の表面に、化学結合を介して上記絶縁性物質を配置する方法が好ましい。
上記金属部の外表面、及び絶縁性粒子の表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。金属部の外表面と絶縁性粒子の表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。金属部の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミンなどの高分子電解質を介して絶縁性粒子の表面の官能基と化学結合していても構わない。
上記絶縁性物質の平均径(平均粒子径)は、金属原子含有粒子の粒子径及び金属原子含有粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁性物質の平均径が上記下限以上であると、金属原子含有粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の金属原子含有粒子における金属部同士が接触し難くなる。絶縁性粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と金属原子含有粒子との間の絶縁性物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁性物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁性物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
(接続材料)
本発明に係る接続材料は、2つの接続対象部材を接続する接続部を形成するために好適に用いられる。上記接続材料は、上述した金属原子含有粒子と、樹脂とを含む。上記接続材料は、複数の金属原子含有粒子の金属部の突起を金属拡散又は溶融変形させた後に固化させることで、上記接続部を形成するために用いられることが好ましい。
上記樹脂は特に限定されない。上記樹脂は、上記金属原子含有粒子を分散させるバインダーである。上記樹脂は、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂を含むことが好ましく、硬化性樹脂を含むことがより好ましい。上記硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。上記光硬化性樹脂は、光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記金属部の突起が金属酸化物を含む場合に、還元剤が用いられることが好ましい。上記還元剤としては、アルコール化合物(アルコール性水酸基を有する化合物)、カルボン酸化合物(カルボキシ基を有する化合物)及びアミン化合物(アミノ基を有する化合物)等が挙げられる。上記還元剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アルコール化合物としては、アルキルアルコールが挙げられる。上記アルコール化合物の具体例としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール及びイコシルアルコール等が挙げられる。また、上記アルコール化合物としては、1級アルコール型化合物に限られず、2級アルコール型化合物、3級アルコール型化合物、アルカンジオール及び環状構造を有するアルコール化合物も使用可能である。さらに、上記アルコール化合物として、エチレングリコール及びトリエチレングリコールなど多数のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。また、上記アルコール化合物として、クエン酸、アスコルビン酸及びグルコースなどの化合物を用いてもよい。
上記カルボン酸化合物としては、アルキルカルボン酸等が挙げられる。上記カルボン酸化合物の具体例としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸及びイコサン酸等が挙げられる。また、上記カルボン酸化合物は、1級カルボン酸型化合物に限られず、2級カルボン酸型化合物、3級カルボン酸型化合物、ジカルボン酸及び環状構造を有するカルボキシル化合物も使用可能である。
上記アミン化合物としては、アルキルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物の具体例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン及びイコデシルアミン等が挙げられる。また、上記アミン化合物は分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有するアミン化合物としては、2−エチルヘキシルアミン及び1,5−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物は、1級アミン型化合物に限られず、2級アミン型化合物、3級アミン型化合物及び環状構造を有するアミン化合物も使用可能である。
上記還元剤は、アルデヒド基、エステル基、スルホニル基又はケトン基などを有する有機物であってもよく、カルボン酸金属塩などの有機物であってもよい。カルボン酸金属塩は金属粒子の前駆体としても用いられる一方で、有機物を含有しているために、金属酸化物粒子の還元剤としても用いられる。
上記接続材料は、上記金属原子含有粒子及び上記樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記接続材料は、導電接続に用いられることが好ましく、導電接続材料であることが好ましい。上記接続材料は、異方導電接続に用いられることが好ましく、異方導電接続材料であることが好ましい。上記接続材料は、ペースト及びフィルム等として使用され得る。上記接続材料がフィルムである場合には、金属原子含有粒子を含むフィルムに、金属原子含有粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記ペーストは、導電ペーストであることが好ましく、異方性導電ペーストであることがより好ましい。上記フィルムは、導電フィルムであることが好ましく、異方性導電フィルムであることがより好ましい。
上記接続材料100重量%中、上記樹脂の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、10重量%以上であってもよく、30重量%以上であってもよく、50重量%以上であってもよく、70重量%以上であってもよく、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続信頼性がより一層高くなる。
上記接続材料100重量%中、上記金属原子含有粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。上記接続材料100重量%中、上記金属原子含有粒子の含有量は、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下、80重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよく、40重量%以下であってもよく、20重量%以下であってもよく、10重量%以下であってもよい。上記金属原子含有粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続信頼性がより一層高くなる。また、上記金属原子含有粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1,第2の接続対象部材間に、金属原子含有粒子を十分に存在させることができ、金属原子含有粒子によって、第1,第2の接続対象部材間の間隔が部分的に狭くなるのをより一層抑制できる。このため、接続部の放熱性が部分的に低くなるのを抑制することもできる。
上記接続材料は、金属原子含有粒子とは別に、基材粒子を有さない金属原子含有粒子を含んでいてもよい。
上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子としては、金属粒子及び金属化合物粒子等が挙げられる。上記金属化合物粒子は、金属原子と、該金属原子以外の原子とを含む。上記金属化合物粒子の具体例としては、金属酸化物粒子、金属の炭酸塩粒子、金属のカルボン酸塩粒子及び金属の錯体粒子等が挙げられる。上記金属化合物粒子は、金属酸化物粒子であることが好ましい。例えば、上記金属酸化物粒子は、還元剤の存在下で接続時の加熱で金属粒子となった後に焼結する。上記金属酸化物粒子は、金属粒子の前駆体である。上記金属のカルボン酸塩粒子としては、金属の酢酸塩粒子等が挙げられる。
上記金属粒子及び上記金属酸化物粒子を構成する金属としては、銀、銅、ニッケル及び金等が挙げられる。銀又は銅が好ましく、銀が特に好ましい。従って、上記金属粒子は、好ましくは銀粒子又は銅粒子であり、より好ましくは銀粒子である。上記金属酸化物粒子は、好ましくは酸化銀粒子又は酸化銅粒子であり、より好ましくは酸化銀粒子である。銀粒子及び酸化銀粒子を用いた場合には、接続後に残渣が少なく、体積減少率も非常に小さい。該酸化銀粒子における酸化銀としては、AgO及びAgOが挙げられる。
上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子は、400℃未満の加熱で焼結することが好ましい。上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子が焼結する温度(焼結温度)は、より好ましくは350℃以下、好ましくは300℃以上である。上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子が焼結する温度が上記上限以下又は上記上限未満であると、焼結を効率的に行うことができ、更に焼結に必要なエネルギーを低減し、かつ環境負荷を小さくすることができる。
上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子を含む接続材料は、平均粒子径が1nm以上、100nm以下である金属粒子を含む接続材料であるか、又は平均粒子径が1nm以上、50μm以下である金属酸化物粒子と還元剤とを含む接続材料であることが好ましい。このような接続材料を用いると、接続時の加熱で、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子同士を良好に焼結させることができる。上記金属酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは5μm以下である。上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の粒子径は、基材粒子を有さない金属原子含有粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子を有さない金属原子含有粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記接続材料100重量%中、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは99重量%以下、更に好ましくは90重量%以下である。上記接続材料の全量が、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子であってもよい。上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の含有量が上記下限以上であると、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子をより一層緻密に焼結させることができる。この結果、接続部における放熱性及び耐熱性も高くなる。
上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子が金属酸化物粒子である場合に、還元剤が用いられることが好ましい。上記還元剤としては、アルコール化合物(アルコール性水酸基を有する化合物)、カルボン酸化合物(カルボキシ基を有する化合物)及びアミン化合物(アミノ基を有する化合物)等が挙げられる。上記還元剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アルコール化合物としては、アルキルアルコールが挙げられる。上記アルコール化合物の具体例としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール及びイコシルアルコール等が挙げられる。また、上記アルコール化合物としては、1級アルコール型化合物に限られず、2級アルコール型化合物、3級アルコール型化合物、アルカンジオール及び環状構造を有するアルコール化合物も使用可能である。さらに、上記アルコール化合物として、エチレングリコール及びトリエチレングリコールなど多数のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。また、上記アルコール化合物として、クエン酸、アスコルビン酸及びグルコースなどの化合物を用いてもよい。
上記カルボン酸化合物としては、アルキルカルボン酸等が挙げられる。上記カルボン酸化合物の具体例としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸及びイコサン酸等が挙げられる。また、上記カルボン酸化合物は、1級カルボン酸型化合物に限られず、2級カルボン酸型化合物、3級カルボン酸型化合物、ジカルボン酸及び環状構造を有するカルボキシル化合物も使用可能である。
上記アミン化合物としては、アルキルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物の具体例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン及びイコデシルアミン等が挙げられる。また、上記アミン化合物は分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有するアミン化合物としては、2−エチルヘキシルアミン及び1,5−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。上記アミン化合物は、1級アミン型化合物に限られず、2級アミン型化合物、3級アミン型化合物及び環状構造を有するアミン化合物も使用可能である。
さらに、上記還元剤は、アルデヒド基、エステル基、スルホニル基又はケトン基などを有する有機物であってもよく、カルボン酸金属塩などの有機物であってもよい。カルボン酸金属塩は金属粒子の前駆体としても用いられる一方で、有機物を含有しているために、金属酸化物粒子の還元剤としても用いられる。
上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の焼結温度(接合温度)よりも低い融点を有する還元剤を用いると、接合時に凝集し、接合部にボイドが生じやすくなる傾向がある。カルボン酸金属塩の使用により、該カルボン酸金属塩は接合時の加熱により融解しないため、ボイドが生じるのを抑制できる。なお、カルボン酸金属塩以外にも有機物を含有する金属化合物を還元剤として用いてもよい。
上記還元剤が用いられる場合には、上記接続材料100重量%中、上記還元剤の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。上記還元剤の含有量が上記下限以上であると、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子をより一層緻密に焼結させることができる。この結果、接合部における放熱性及び耐熱性も高くなる。
上記還元剤が用いられる場合には、上記接続材料100重量%中、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは60重量%以上である。上記還元剤が用いられる場合には、上記接続材料100重量%中、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子の含有量は、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下、より一層好ましくは99.5重量%以下、更に好ましくは99重量%以下、特に好ましくは90重量%以下、最も好ましくは80重量%以下である。
上記接続材料がペーストである場合に、該ペーストに用いられるバインダーは特に限定されない。上記バインダーは、上記基材粒子を有さない金属原子含有粒子が焼結する際に、消失することが好ましい。上記バインダーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記バインダーの具体例としては溶媒等が挙げられる。上記溶媒としては、脂肪族系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、パラフィン系溶媒及び石油系溶媒等が挙げられる。
上記脂肪族系溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等が挙げられる。上記ケトン系溶媒としては、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。上記芳香族系溶媒としては、トルエン及びキシレン等が挙げられる。上記エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸イソプロピル等が挙げられる。上記エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、及びジオキサン等が挙げられる。上記アルコール系溶媒としては、エタノール及びブタノール等が挙げられる。上記パラフィン系溶媒としては、パラフィン油及びナフテン油等が挙げられる。上記石油系溶媒としては、ミネラルターペン及びナフサ等が挙げられる。
(接続構造体)
本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部が、上記金属原子含有粒子又は上記接続材料により形成されている。上記接続部の材料が、上記金属原子含有粒子又は上記接続材料である。
上記接続構造体において、上記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、上記第2の接続対象部材が、第2の電極を有する。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記金属原子含有粒子により電気的に接続されており、上記金属原子含有粒子における上記金属部の上記突起が、はんだを含み、上記金属原子含有粒子の上記第1の電極又は上記第2の電極に接する部分が、はんだ合金を含むことが好ましい。この場合には、より一層強固に接続された接続構造体を得ることができ、接続信頼性をより一層高めることができる。また、上記突起に含まれるはんだが上記電極の材料と合金化していることが好ましい。この場合には、更に一層強固に接続された接続構造体を得ることができ、接続信頼性を更に一層高めることができる。上記金属原子含有粒子の上記第1の電極に接する部分と上記第2の電極とに接する部分との双方が、はんだ合金を含むことが好ましい。
本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との間に、上記金属原子含有粒子を配置するか、又は、上記接続材料を配置する工程を備える。本発明に係る接続構造体の製造方法は、上記金属原子含有粒子を加熱して、上記金属部の上記突起を金属拡散又は溶融変形させ、上記金属原子含有粒子又は上記接続材料によって、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部を形成する工程を備える。
上記接続構造体の製造方法において、上記金属原子含有粒子における上記金属部の上記突起が、はんだを含み、上記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、上記第2の接続対象部材が、第2の電極を有する。上記接続構造体の製造方法では、上記接続部を形成する工程において、上記第1の電極と上記第2の電極とを、上記金属原子含有粒子により電気的に接続し、上記金属原子含有粒子の上記第1の電極又は上記第2の電極に接する部分において、上記突起に含まれるはんだを合金化させ、はんだ合金を形成することが好ましい。この場合には、より一層強固に接続された接続構造体を得ることができ、接続信頼性をより一層高めることができる。また、上記突起に含まれるはんだが上記電極の材料と合金化させることが好ましい。この場合には、更に一層強固に接続された接続構造体を得ることができ、接続信頼性を更に一層高めることができる。上記金属原子含有粒子の上記第1の電極に接する部分と上記第2の電極とに接する部分との双方に、はんだ合金を形成することが好ましい。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
図7に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、金属原子含有粒子1と樹脂(硬化した樹脂など)とを含む。接続部54は、金属原子含有粒子1を含む接続材料により形成されている。接続部54の材料は、上記接続材料である。接続部54は、接続材料を硬化させることにより形成されていることが好ましい。なお、図7では、金属原子含有粒子1の金属部3の突起3aは、金属拡散及び溶融変形した後固化している。接続部54では、複数の金属原子含有粒子1の接合体を含む。接続構造体51では、金属原子含有粒子1と第1の接続対象部材52とが接合しており、金属原子含有粒子1と第2の接続対象部材53とが接合している。
金属原子含有粒子1にかえて、金属原子含有粒子1A,1B,1C,1D,1Eなどの他の金属原子含有粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の金属原子含有粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が金属原子含有粒子1により電気的に接続されている。接続構造体51では、金属原子含有粒子1と第1の電極52aとが接合しており、金属原子含有粒子1と第2の電極53aとが接合している。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記接続材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10Pa〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120℃〜220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記金属原子含有粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、SUS電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る金属原子含有粒子を用いた接続構造体の変形例を模式的に示す断面図である。
図8に示す接続構造体61は、第1の接続対象部材62と、第2の接続対象部材63,64と、第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材63,64とを接続している接続部65,66とを備える。接続部65,66は、金属原子含有粒子1と、他の金属原子含有粒子67とを含む接続材料を用いて形成されている。接続部65,66の材料は、上記接続材料である。
第1の接続対象部材62の第1の表面(一方の表面)側に接続部65及び第2の接続対象部材63が配置されている。接続部65は、第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材63とを接続している。
第1の接続対象部材62の第1の表面とは反対の第2の表面(他方の表面)側に接続部66及び第2の接続対象部材64が配置されている。接続部66は、第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材64とを接続している。
第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材63,64との間にそれぞれ、金属原子含有粒子1と、他の金属原子含有粒子67とが配置されている。本実施形態では、金属原子含有粒子1が焼結した焼結物の状態である。第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材63,64間に、金属原子含有粒子1が配置されている。金属原子含有粒子1によって、第1の接続対象部材62と第2の接続対象部材63,64とが接続されている。
第2の接続対象部材63の接続部65側とは反対の表面に、ヒートシンク68が配置されている。第2の接続対象部材64の接続部66側とは反対側の表面に、ヒートシンク69が配置されている。従って、接続構造体61は、ヒートシンク68、第2の接続対象部材63、接続部65、第1の接続対象部材62、接続部66、第2の接続対象部材64及びヒートシンク69がこの順で積層された部分を有する。
第1の接続対象部材62としては、整流ダイオード、パワートランジスタ(パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ及びトライアック等に用いられるSi,SiC,GaNなどが材料であるパワー半導体素子等が挙げられる。このような第1の接続対象部材62を備える接続構造体61では、接続構造体61の使用時に、第1の接続対象部材62において大きな熱量が発生しやすい。従って、第1の接続対象部材62から発生した熱量を、ヒートシンク68,69などに効率的に放散させる必要がある。このため、第1の接続対象部材62とヒートシンク68,69との間に配置されている接続部65,66には、高い放熱性と高い信頼性が求められる。
第2の接続対象部材63,64としては、セラミック、プラスチックなどが材料である基板等が挙げられる。
接続部65,66は、上記接続材料を加熱して、上記金属原子含有粒子の先端を溶融させた後に固化させることにより形成されている。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
基材粒子S1として、粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A1)を得た。
懸濁液(A1)を、硫酸ニッケル25g/L、硝酸タリウム15ppm及び硝酸ビスマス10ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B1)を得た。
また、硫酸ニッケル100g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、硝酸タリウム25ppm、及び硝酸ビスマス10ppmを含むニッケルめっき液(C1)(pH5.5)を用意した。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム10g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸3.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D1)(pH8.0)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(B1)に、上記ニッケルめっき液(C1)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C1)の滴下速度は12.5mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部としてニッケル−リン合金金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E1)を得た。
その後、粒子混合液(E1)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F1)を得た。
次に、金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて粒子混合液(F1)に添加し、ニッケル−リン合金金属部上に芯物質が付着された粒子を含む粒子混合液(G1)を得た。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(G1)に上記金めっき液(D1)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D1)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部及び金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例2)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
上記懸濁液(A1)を、シアン化金カリウム2g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.5g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C2)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム10g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸3.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D2)(pH8.0)を用意した。
また、錫溶液として、塩化錫20g/L、ニトリロ三酢酸50g/L、チオ尿素2g/L、及びエチレンジアミン四酢酸7.5g/Lを含む混合液を、硫酸にてpH7.0に調整した錫めっき液(E2)を用意した。
また、錫突起形成用還元液として、水素化ホウ素ナトリウム10g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む混合液を、pH10.0に調整した還元液(F2)を用意した。
粒子が分散している60℃の粒子混合液(C2)に、上記金めっき液(D2)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D2)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。このようにして、基材粒子S1の表面上に金金属部が配置されている粒子を含む粒子混合液(G2)を得た。
その後、粒子混合液(G2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に金金属部を配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(H2)を得た。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(H2)に上記錫めっき液(E2)を徐々に入れた。その後、還元液(F2)を徐々に滴下することで錫突起核を形成し、金金属部上に錫突起核が付着された粒子を含む粒子混合液(I2)を得た。
その後、粒子混合液(I2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に金金属部を配置し、錫突起が形成されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(J2)を得た。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(J2)に上記金めっき液(D2)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D2)の滴下速度は1mL/分、滴下時間は10分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例3)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B3)を得た。
粒子混合液(B3)を、シアン化金カリウム2g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.5g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C3)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム20g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸7.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D3)(pH8.0)を用意した。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(B3)に上記金めっき液(D3)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D3)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例4)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B4)を得た。
粒子混合液(B4)を、シアン化金カリウム2g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.5g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C4)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム10g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸3.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D4)(pH8.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル100g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、硝酸タリウム25ppm、及び硝酸ビスマス10ppmを含むニッケルめっき液(E4)(pH5.5)を用意した。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(B4)に上記金めっき液(D4)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D4)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。このようにして、基材粒子S1の表面上に金金属部が配置されている粒子を含む粒子混合液(F4)を得た。
その後、粒子混合液(F4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に金金属部を配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(G4)を得た。
次に、粒子が分散している50℃の粒子混合液(G4)に上記ニッケルめっき液(E4)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(E4)の滴下速度は2.5mL/分、滴下時間は10分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に金金属部及びニッケル−リン合金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例5)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B5)を得た。
粒子混合液(B5)を、硝酸銀5g/L、コハク酸イミド10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.1g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C5)を得た。
また、無電解銀めっき液として、硝酸銀30g/L、コハク酸イミド100g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む銀めっき液(D5)(pH7.0)を用意した。
次に、粒子が分散している55℃の粒子混合液(B5)に上記銀めっき液(D5)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D5)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に銀金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例6)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
懸濁液(A1)を、硫酸ニッケル25g/L、硝酸タリウム15ppm及び硝酸ビスマス10ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B6)を得た。
また、硫酸ニッケル100g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、硝酸タリウム25ppm、及び硝酸ビスマス10ppmを含むニッケルめっき液(C6)(pH5.5)を用意した。
また、無電解銀めっき液として、硝酸銀30g/L、コハク酸イミド100g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む銀めっき液(D6)(pH7.0)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(B6)に上記ニッケルめっき液(C6)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C6)の滴下速度は12.5mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部としてニッケル−リン合金金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E6)を得た。
その後、粒子混合液(E6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F6)を得た。
次に、金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて粒子混合液(F6)に添加し、ニッケル−リン合金金属部上に芯物質が付着された粒子を含む粒子混合液(G6)を得た。
次に、粒子が分散している55℃の粒子混合液(G6)に上記銀めっき液(D6)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D6)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部及び銀金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例7)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B7)を得た。
粒子混合液(B7)を、硫酸銅20g/L、及びエチレンジアミン四酢酸30g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C7)を得た。
また、無電解銅めっき液として、硫酸銅230g/L、エチレンジアミン四酢酸150g/L、グルコン酸ナトリウム100g/L、及びホルムアルデヒド35g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH10.5に調整した銅めっき液(D7)を用意した。
次に、粒子が分散している55℃の粒子混合液(B7)に上記銅めっき液(D7)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(D7)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銅めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に銅金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例8)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
懸濁液(A1)を、硫酸ニッケル25g/L、硝酸タリウム15ppm及び硝酸ビスマス10ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B8)を得た。
また、硫酸ニッケル100g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、硝酸タリウム25ppm、及び硝酸ビスマス10ppmを含むニッケルめっき液(C8)(pH5.5)を用意した。
また、無電解銅めっき液として、硫酸銅130g/L、エチレンジアミン四酢酸100g/L、グルコン酸ナトリウム80g/L、及びホルムアルデヒド30g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH10.5に調整した銅めっき液(D8)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(B8)に上記ニッケルめっき液(C8)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C8)の滴下速度は12.5mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部としてニッケル−リン合金金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E8)を得た。
その後、粒子混合液(E8)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F8)を得た。
次に、金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて粒子混合液(F8)に添加し、ニッケル−リン合金金属部上に芯物質が付着された粒子を含む粒子混合液(G8)を得た。
次に、粒子が分散している55℃の粒子混合液(G8)に上記銅めっき液(D8)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(D8)の滴下速度は25mL/分、滴下時間は15分間で、無電解銅めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部及び銅金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例9)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
懸濁液(A1)を、硫酸ニッケル25g/L、硝酸タリウム15ppm及び硝酸ビスマス10ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B9)を得た。
また、硫酸ニッケル100g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、硝酸タリウム25ppm、及び硝酸ビスマス10ppmを含むニッケルめっき液(C9)(pH5.5)を用意した。
また、無電解錫めっき液として、塩化錫20g/L、ニトリロ三酢酸50g/L、チオ尿素2g/L、チオリンゴ酸1g/L、エチレンジアミン四酢酸7.5g/L、及び三塩化チタン15g/Lを含む混合液を、硫酸にてpH7.0に調整した錫めっき液(D9)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(B9)に上記ニッケルめっき液(C9)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C9)の滴下速度は12.5mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部としてニッケル−リン合金金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E9)を得た。
その後、粒子混合液(E9)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F9)を得た。
次に、金属錫粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて粒子混合液(F9)に添加し、ニッケル−リン合金金属部上に芯物質が付着された粒子を含む粒子混合液(G9)を得た。
次に、粒子が分散している70℃の粒子混合液(G9)に上記錫めっき液(D9)を徐々に滴下し、無電解錫めっきを行った。錫めっき液(D9)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は25分間で、無電解錫めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部及び錫金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例10)
1.シリコーンオリゴマーの作製
温浴槽内に設置した100mlのセパラブルフラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン1重量部と、0.5重量%p−トルエンスルホン酸水溶液20重量部とを入れた。40℃で1時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム0.05重量部を添加した。その後、ジメトキシメチルフェニルシラン10重量部、ジメチルジメトキシシラン49重量部、トリメチルメトキシシラン0.6重量部、及びメチルトリメトキシシラン3.6重量部を添加し、1時間撹拌を行った。その後、10重量%水酸化カリウム水溶液1.9重量部を添加して、85℃まで昇温してアスピレーターで減圧しながら、10時間撹拌、反応を行った。反応終了後、常圧に戻し40℃まで冷却して、酢酸0.2重量部を添加し、12時間以上分液漏斗内で静置した。二層分離後の下層を取り出して、エバポレーターにて精製することでシリコーンオリゴマーを得た。
2.シリコーン粒子材料(有機ポリマーを含む)の作製
得られたシリコーンオリゴマー30重量部に、tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩40重量%水溶液(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5〜89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH−20」)の5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。温浴槽中に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約1μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄し、凍結乾燥を行った。乾燥後、粒子の凝集体が目的の比(平均2次粒子径/平均1次粒子径)になるまでボールミルにて粉砕して、粒子径が3.0μmのシリコーン粒子(基材粒子S2)を得た。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S2に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例11)
シリコーンオリゴマーの代わりに両末端アクリルシリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−2445」)を用いたこと以外は、実施例10と同様の方法で粒子径が3.0μmのシリコーン粒子(基材粒子S3)を得た。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S3に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例12)
基材粒子S1と粒子径のみが異なり、粒子径が2.0μmである基材粒子S4を用意した。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S4に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例13)
基材粒子S1と粒子径のみが異なり、粒子径が10.0μmである基材粒子S5を用意した。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S5に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例14)
基材粒子S1と粒子径のみが異なり、粒子径が35.0μmである基材粒子S6を用意した。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S6に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例15)
エチレングリコールジメタクリレート100gと、イソボルニルアクリレート800gと、シクロヘキシルメタクリレート100gと、過酸化ベンゾイル35gとを混合し、均一に溶解させて、モノマー混合液を得た。5kgのポリビニルアルコール1重量%水溶液を作製し、反応釜にて入れた。この中に前述したモノマー混合液を入れ、2〜4時間攪拌することで、モノマーの液滴が所定の粒子径になるように、粒子径を調整した。この後90℃の窒素雰囲気下で9時間反応を行い、粒子を得た。得られた粒子を熱水にて数回洗浄した後、分級操作を行い、粒子径が35.0μmの基材粒子S7を得た。
上記基材粒子S1を上記基材粒子S7に変更したこと以外は実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例16)
実施例15の基材粒子S7と粒子径のみが異なり、粒子径が50.0μmである基材粒子S8を用意した。上記基材粒子S7を上記基材粒子S8に変更したこと以外は、実施例1と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例17)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
金属インジウム粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B17)を得た。
粒子混合液(B17)を、シアン化金カリウム2g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.5g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C17)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム20g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸7.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D17)(pH8.0)を用意した。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(B17)に上記金めっき液(D17)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D17)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例18)
実施例1の懸濁液(A1)を用意した。
アルミナ粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(B18)を得た。
粒子混合液(B18)を、シアン化金カリウム2g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸0.5g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C18)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム10g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、硝酸タリウム5ppm、エチレンジアミン四酢酸3.0g/L、水酸化ナトリウム20g/L、及びジメチルアミンボラン10g/Lを含む金めっき液(D18)(pH8.0)を用意した。
また、錫溶液として、塩化錫20g/L、ニトリロ三酢酸50g/L、チオ尿素2g/L、及びエチレンジアミン四酢酸7.5g/Lを含む混合液を、硫酸にてpH7.0に調整した錫めっき液(E18)を用意した。
また、錫突起形成用還元液として、水素化ホウ素ナトリウム10g/L、及び水酸化ナトリウム5g/Lを含む混合液を、pH10.0に調整した還元液(F18)を用意した。
粒子が分散している60℃の粒子混合液(C18)に、上記金めっき液(D18)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D18)の滴下速度は2mL/分、滴下時間は45分間で、無電解金めっきを行った。このようにして、基材粒子S1の表面上に金金属部が配置されている粒子を含む粒子混合液(G18)を得た。
その後、粒子混合液(G18)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に金金属部を配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(H18)を得た。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(H18)に上記錫めっき液(E18)を徐々に入れた。その後、還元液(F18)を徐々に滴下することで錫突起核を形成し、金金属部上に錫突起核が付着された粒子を含む粒子混合液(I18)を得た。
その後、粒子混合液(I18)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に金金属部を配置し、錫突起が形成されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(J18)を得た。
次に、粒子が分散している60℃の粒子混合液(J18)に上記金めっき液(D18)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D18)の滴下速度は1mL/分、滴下時間は10分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に金金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)及び突起を備える金属原子含有粒子を得た。
(実施例19)
酸化チタン粒子スラリー(平均粒子径150nm)を用意した。
アルミナ粒子スラリーを酸化チタン粒子スラリーに変更したこと以外は実施例18と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例20)
金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径150nm)を用意した。
アルミナ粒子スラリーを金属ニッケル粒子スラリーに変更したこと以外は実施例18と同様にして金属部を形成して、金属原子含有粒子を得た。
(実施例21)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコを用意した。上記セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した。その後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例1で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例1)
実施例1の基材粒子S1を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の上記基材粒子S1を、超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(a1)を得た。
懸濁液(a1)を、硫酸ニッケル50g/L、硝酸タリウム30ppm及び硝酸ビスマス20ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(b1)を得た。
また、硫酸ニッケル200g/L、次亜リン酸ナトリウム85g/L、クエン酸ナトリウム30g/L、硝酸タリウム50ppm、及び硝酸ビスマス20ppmを含むニッケルめっき液(c1)(pH6.5)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(b1)に上記ニッケルめっき液(c1)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(c1)の滴下速度は25mL/分、滴下時間は60分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されており、金属部を備える金属原子含有粒子(金属部全体の厚み:0.1μm)を得た。
(比較例2)
金属ニッケル粒子スラリー(三井金属社製「2020SUS」、平均粒子径150nm)1gを3分間かけて比較例1と同様の懸濁液(a1)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む粒子混合液(b2)を得た。
粒子混合液(b2)を、硫酸ニッケル50g/L、硝酸タリウム30ppm及び硝酸ビスマス20ppmを含む溶液中に入れ、粒子混合液(c2)を得た。
また、硫酸ニッケル200g/L、次亜リン酸ナトリウム85g/L、クエン酸ナトリウム30g/L、硝酸タリウム50ppm、及び硝酸ビスマス20ppmを含むニッケルめっき液(d2)(pH6.5)を用意した。
粒子が分散している50℃の粒子混合液(c2)に上記ニッケルめっき液(d2)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(d2)の滴下速度は25mL/分、滴下時間は60分間で、無電解ニッケルめっきを行った(Niめっき工程)。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−リン合金金属部が配置されており、表面に突起を有する金属部を備える金属原子含有粒子(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)を得た。
(評価)
(1)突起の平均高さの測定
得られた金属原子含有粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、金属原子含有粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した金属原子含有粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の金属原子含有粒子を無作為に選択し、それぞれの金属原子含有粒子の突起を観察した。得られた金属原子含有粒子における突起の高さを計測し、それを算術平均して突起の平均高さ(a)とした。
(2)突起の基部の平均径の測定
得られた金属原子含有粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、金属原子含有粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した金属原子含有粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の金属原子含有粒子を無作為に選択し、それぞれの金属原子含有粒子の突起を観察した。得られた金属原子含有粒子における突起の基部径を計測し、それを算術平均して突起の基部の平均径(b)とした。
(3)金属原子含有粒子の面積に対する突起部分の占有面積割合(突起がある部分の表面積の割合)の測定
走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率を6000倍に設定し、20個の金属原子含有粒子を無作為に選択し、それぞれの金属原子含有粒子を撮影した。その後、FE−SEM写真を市販の画像解析ソフトにより解析した。
平坦化等の画像処理を施した後、突起部分の面積を求め、金属部の外表面の表面積の全体100%中の突起がある部分の表面積の割合を求めた。20個の金属原子含有粒子について金属部の外表面に対する突起の占有面積を求めて、平均値を採用した。
(4)金属部全体の厚みの測定
得られた金属原子含有粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、金属原子含有粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した金属原子含有粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の金属原子含有粒子を無作為に選択し、それぞれの金属原子含有粒子の金属部を観察した。得られた金属原子含有粒子における金属部全体の厚みを計測し、それを算術平均して金属部の厚みとした。
(5)金属原子含有粒子の圧縮弾性率(10%K値)
得られた金属原子含有粒子の上記圧縮弾性率(10%K値)を、23℃の条件で、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。10%K値を求めた。
(6)接続構造体Aでの金属部の突起の溶融変形及び固化状態
得られた金属原子含有粒子を含有量が10重量%となるように、三井化学社製「ストラクトボンドXN−5A」に添加し、分散させて、異方性導電ペーストを作製した。
L/Sが30μm/30μmである銅電極パターンを上面に有する透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが30μm/30μmである金電極パターンを下面に有する半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、作製直後の異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が250℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、0.5MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を250℃で硬化させて、接続構造体Aを得た。接続構造体Aを得るために、電極間を0.5MPaの低圧で接続した。
得られた接続構造体Aを、Kulzer社製「テクノビット4000」に入れて硬化させ、接続構造体検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中の接続構造体の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出した。
そして、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、得られた接続構造体Aを断面観察することで、金属原子含有粒子の金属部の突起が溶融変形した後固化しているか否かを判定した。
[金属部の突起の溶融変形及び固化状態の判定基準]
A:金属部の突起が溶融変形した後固化している
B:金属部の突起が溶融変形した後固化していない
(7)接続構造体Aでの金属部の突起の接合状態
上記(6)の評価で得られた接続構造体Aにおいて、接続構造体Aを断面観察することで、金属部の突起の接合状態を判定した。
[金属部の突起の接合状態の判定基準]
A:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が溶融変形した後固化し、電極及び他の金属原子含有粒子と接合している
B:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が溶融変形した後固化し、電極及び他の金属原子含有粒子と接合していない
(8)接続構造体Aでの金属部の突起の金属拡散状態
上記(6)の評価で得られた接続構造体Aにおいて、接続構造体Aを断面観察することで、金属部の突起の金属拡散状態を判定した。
透過型電子顕微鏡FE−TEM(日本電子社製「JEM−2010FEF」)を用いて、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により、金属原子含有粒子と銅電極パターン及び金電極パターンとの接触部分を線分析または、元素マッピングすることにより、金属部の突起の拡散状態を観察した。
[金属部の突起の拡散状態の判定基準]
A:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が銅電極パターン及び金電極パターンと金属拡散している
B:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が銅電極パターン及び金電極パターンと金属拡散していない
(9)接続構造体Aにおける接続信頼性
上記(6)の評価で得られた接続構造体A15個の上下の電極間の接続抵抗を、4端子法により測定した。接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続信頼性を下記の基準で判定した。
[接続信頼性の判定基準]
○○○:接続抵抗が1.0Ω以下
○○:接続抵抗が1.0Ωを超え、2.0Ω以下
○:接続抵抗が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
△:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗が5.0Ωを超える
(10)接続構造体Bでの金属部の突起の溶融変形及び固化状態
得られた金属原子含有粒子を含有量が5重量%となるように、日本スペリア社製「ANP−1」(金属原子含有粒子を含む)に添加し、分散させて、焼結銀ペーストを作製した。
第1の接続対象部材として、接続面にNi/Auめっきが施されたパワー半導体素子を用意した。第2の接続対象部材として、接続面にCuめっきが施された窒化アルミニウム基板を用意した。
第2の接続対象部材上に、上記焼結銀ペーストを、約70μmの厚みとなるように塗布し、接続用銀ペースト層を形成した。その後、接続用銀ペースト層上に、上記第1の接続対象部材を積層して、積層体を得た。
得られた積層体を130℃のホットプレートで60秒間プレヒートした。その後、積層体を10MPaの圧力をかけて300℃で3分加熱することにより、焼結銀ペーストに含まれている上記金属原子含有粒子を焼結させて、焼結物と金属原子含有粒子とを含む接続部を形成し、該焼結物により上記第1,第2の接続対象部材を接合して、接続構造体Bを得た。
得られた接続構造体Bを、Kulzer社製「テクノビット4000」に入れて硬化させ、接続構造体検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中の接続構造体の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、金属原子含有粒子の断面を切り出した。
そして、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、得られた接続構造体Bを断面観察することで、金属原子含有粒子の金属部の突起が溶融変形した後固化しているか否かを判定した。
[金属部の突起の溶融変形及び固化状態の判定基準]
A:金属部の突起が溶融変形した後固化している
B:金属部の突起が溶融変形した後固化していない
(11)接接続構造体Bでの金属部の突起の接合状態
上記(10)の評価で得られた接続構造体Bにおいて、接続構造体Bを断面観察することで、金属部の突起の接合状態を判定した。
[金属部の突起の接合状態の判定基準]
A:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が溶融変形した後固化し、電極及び他の金属原子含有粒子と接合している
B:接続部中で、金属原子含有粒子における金属部の突起が溶融変形した後固化し、電極及び他の金属原子含有粒子と接合していない
(12)接続構造体Bにおける接続信頼性
上記(10)の評価で得られた接続構造体Bを、冷熱衝撃試験機(エスペック社製:TSA−101S−W)に入れ、最低温度−40℃で保持時間30分、最高温度200℃で保持時間30分の処理条件を1サイクルとして3000サイクル後にせん断強度試験機(レスカ社製「STR−1000」)で接合強度の測定を行った。
[接続信頼性の判定基準]
○○○:接合強度が50MPa以上
○○:接合強度が40MPaを超え、50MPa以下
○:接合強度が30MPaを超え、40MPa以下
△:接合強度が20MPaを超え、30MPa以下
×:接合強度が20MPa以下
(13)接続構造体Bにおけるパワー半導体素子の平坦度
上記(10)の評価で得られた接続構造体Bのパワー半導体素子の平坦度を高精度レーザー変位計(キーエンス社製「LK−G5000」)にて、最大変位量と最低変位量を測定した。得られた測定値から、上記平坦度を下記式により求めた。
平坦度(μm)=最大変位量(μm)−最低変位量(μm)
[平坦度の判定基準]
○○○:平坦度が0.5μm以下
○○:平坦度が0.5μmを超え、1μm以下
○:平坦度が1μmを超え、5μm以下
△:平坦度が5μmを超え、10μm以下
×:平坦度が10μmを超える
詳細及び結果を表1,2に示す。
Figure 2018046010
Figure 2018046010
なお、突起における球状は、球の一部の形状を含む。なお、比較例2では、400℃まで加熱しても、突起の成分が金属拡散せず、突起が溶融変形しないことを確認した。
なお、はんだを含む金属部を形成した実施例の金属原子含有粒子では、接続構造体において、はんだと電極の材料とが合金化し、金属原子含有粒子の電極に接する部分が、はんだ合金を含んでいた。
1,1A,1B,1C,1D,1E…金属原子含有粒子
1a,1Aa,1Ba,1Ca,1Da,1Ea…突起
2…基材粒子
3,3A,3B,3C,3D,3E…金属部(金属層)
3a,3Aa,3Ba,3Ca,3Da,3Ea…突起
3X,3AX,3BX,3CX,3DX,3EX…第1の金属部
3Y,3AY,3BY,3CY,3DY,3EY…第2の金属部
3AZ,3BZ…第3の金属部
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部
61…接続構造体
62…第1の接続対象部材
63,64…第2の接続対象部材
65,66…接続部
67…他の金属原子含有粒子
68,69…ヒートシンク

Claims (12)

  1. 基材粒子と、
    前記基材粒子の表面上に配置された金属部とを備え、
    前記金属部が外表面に複数の突起を有し、
    前記金属部の前記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含むか又は前記金属部の前記突起が、400℃以下で溶融変形可能であり、
    前記金属部の前記突起がない部分の融点が、400℃を超える、金属原子含有粒子。
  2. 前記金属部の前記突起が、400℃以下で金属拡散しうる成分を含む、請求項1に記載の金属原子含有粒子。
  3. 前記金属部の前記突起が、400℃以下で溶融変形可能である、請求項1又は2に記載の金属原子含有粒子。
  4. 前記金属部の前記突起が、はんだを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子。
  5. 前記金属部の前記突起におけるはんだの含有量が50重量%以上である、請求項4に記載の金属原子含有粒子。
  6. 前記金属部の前記突起がない部分が、はんだを含まないか、又ははんだを40重量%以下で含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子。
  7. 前記金属部の外表面の表面積の全体100%中、前記突起がある部分の表面積が10%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子と、
    樹脂とを含む、接続材料。
  9. 第1の接続対象部材と、
    第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子であるか、又は、前記金属原子含有粒子と樹脂とを含む接続材料である、接続構造体。
  10. 前記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、
    前記第2の接続対象部材が、第2の電極を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記金属原子含有粒子により電気的に接続されており、
    前記金属原子含有粒子における前記金属部の前記突起が、はんだを含み、
    前記金属原子含有粒子の前記第1の電極又は前記第2の電極に接する部分が、はんだ合金を含む、請求項9に記載の接続構造体。
  11. 第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との間に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属原子含有粒子を配置するか、又は、前記金属原子含有粒子と樹脂とを含む接続材料を配置する工程と、
    前記金属原子含有粒子を加熱して、前記金属部の前記突起の成分を金属拡散又は溶融変形させ、前記金属原子含有粒子又は前記接続材料によって、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部を形成する工程とを備える、接続構造体の製造方法。
  12. 前記金属原子含有粒子における前記金属部の前記突起が、はんだを含み、
    前記第1の接続対象部材が、第1の電極を有し、
    前記第2の接続対象部材が、第2の電極を有し、
    前記接続部を形成する工程において、前記第1の電極と前記第2の電極とを、前記金属原子含有粒子により電気的に接続し、前記金属原子含有粒子の前記第1の電極又は前記第2の電極に接する部分において、前記突起に含まれるはんだを合金化させ、はんだ合金を形成する、請求項11に記載の接続構造体の製造方法。
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