JP2018044920A - イムノクロマトグラフィー用試薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高感度なイムノクロマトグラフィー検査用の試薬組成物を提供することを主な課題とする。【解決手段】本発明として、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油もしくはポリオキシエチレンヒマシ油、またはその誘導体を含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物を挙げることができる。また、当該試薬組成物等で検体から被検物質(抗原)を抽出すること、抽出された被検物質(抗原)を含むサンプル液をイムノクロマト試験片に展開すること、およびイムノクロマト試験片から当該被検物質(抗原)を検出することを含むイムノクロマトグラフィー検査法も挙げることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、免疫化学反応を利用した検査法の技術分野に属する。本発明は、具体的にはイムノクロマトグラフィー検査に用いられる抽出液に関するものである。より具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等を含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物に関するものである。
イムノクロマトグラフィー検査法(イムノクロマトとも称す)は、検体から目的の抗原を抽出し、当該抗原に対する抗体をライン状に固定化したメンブレン上に、当該抽出液を毛細管現象により展開し、メンブレン上において抗原抗体反応を起こさせることにより当該抗原を検出する免疫化学的検査方法の一つである。一般的には、抗原抗体反応の結果、抗原が存在する場合には、色素化合物、金コロイド等の検出手段によって呈色しメンブレン上に視認可能なラインが現れることになる。イムノクロマトを用いることにより、少ない検体量から、簡単な操作により、短時間(3〜30分程度)で、しかも特別な分析機器も必要とせず、検査を行うことができる。イムノクロマトはその簡便さから病院、検査機関、保健所等の様々な場所において、生体試料または食品におけるウイルス、病原菌、疾患・バイオマーカー、アレルギー原性物質、または毒物の存在を確認するための第一次の検査法として広く汎用的に使用されている。
イムノクロマトは非常に簡便な方法ではあるが、例えば酵素免疫測定法(EIA)と比較すると酵素による増感処理の段階を有しないため感度が比較的低く、検体中に抗原が十分量存在しない場合においては、陽性であっても視認できるほど十分な呈色ラインが検出されないおそれがある。そのため、検体の提供者がインフルエンザウイルス等のウイルス、または病原菌に感染している場合においても、感染初期の段階においては検出することができず、感染の早期発見のために使用することが難しい場合がある。その問題を克服するため、即ちイムノクロマトの検出感度を向上するために、これまでも様々な試行錯誤が行われている。
例えば、特許文献1では、イムノクロマトにおいて、検体処理液や展開溶媒に使用される組成物の組成を改良することによって、抗体の非特異的反応を抑制すること、および検出の迅速、簡便、高精度化することが試みられている。具体的には組成物に含まれる緩衝液にN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン緩衝液およびカゼインを使用し、さらに界面活性剤として非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルを使用することにより、イムノクロマトの検出感度の向上が図られている。
特許文献2では、インフルエンザウイルスのM1タンパク質を検出するためのイムノクロマトにおいて、界面活性剤の種類を最適化することにより検出感度の増強が図られている。当該方法の主な特徴は、従来検出の標的として用いられていたインフルエンザウイルスの核タンパク質ではなく、マトリックスタンパク質であるM1タンパク質を標的としていることにある。当該方法は、インフルエンザウイルスを含む検体を、パルミチル基、ステアリル基またはオレイル基の少なくとも一つの基を持つ界面活性剤を含む検体処理液と接触させる工程を含む方法であり、当該方法によりイムノクロマトによるインフルエンザM1タンパク質の検出感度を向上することができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyoxyethylene hydorogenated castor oil、POE−HCO)は、主に医薬品製剤の分野において乳化剤または可溶化剤として使用されているノニオン界面活性剤である。その性質はポリオキシエチレン(POE)単位の重合度によって変化するため、その使用目的に応じて、様々な重合度を有するPOE−HCOが合成されている。POE−HCOの特徴は、油性の成分に対して非常に高い乳化能または可溶化能を有することである。しかし、POE−HCOは、従来、生化学反応、免疫化学反応の実験・検査用試薬として使用されることは少ない。
特開2010−19786号公報 国際公開第2015/037635号
近年、早期発見、早期治療が重要とされており、迅速、簡便且つ高感度に、感染初期などの抗原含量が低い段階でも抗原を十分に検出できる検査法の開発が不可欠である。そのため、従来のイムノクロマトよりもさらに高感度な方法が求められており、各種の高感度技術が開発されているが、簡便でしかも汎用性のある方法は未だ開発されていないのが実情である。
本発明は、目的とする抗原を高感度で検出することができ、しかも汎用的に使用可能であるイムノクロマト検査用試薬組成物を提供することを主な課題とする。また、それを含むキットや検査法などを提供することも課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、イムノクロマト用試薬組成物ないし抽出液にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等を添加することにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明として、例えば、次のものを挙げることができる。
[1]ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油もしくはポリオキシエチレンヒマシ油、またはその誘導体を含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物。
[2]上記[1]に記載の試薬組成物が、検体から被検物質(抗原)を抽出するための検体抽出液。
[3]検体が、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、痰、角結膜拭い液、尿、膣分泌液である、上記[2]に記載の検体抽出液。
[4]被検物質(抗原)が、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、インスリン様成長因子結合タンパク1である、上記[2]または[3]に記載の検体抽出液。
[5]上記[1]に記載の試薬組成物または上記[2]〜[4]のいずれか一項に記載の検体抽出液、およびイムノクロマト試験片を有することを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用キット。
[6]上記[1]に記載の試薬組成物または上記[2]〜[4]のいずれか一項に記載の検体抽出液で検体から被検物質(抗原)を抽出すること、抽出された被検物質(抗原)を含むサンプル液をイムノクロマト試験片に展開すること、およびイムノクロマト試験片から当該被検物質(抗原)を検出することを含む、イムノクロマトグラフィー検査法。
本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物(以下、「本発明組成物」という。)または検体抽出液によれば、イムノクロマトによる標的抗原の非特異的反応を抑制しながらも、同時に、標的抗原の検出感度を大幅に増強することができる。また、本発明組成物を用いることにより、あるいは本発明のキットまたは検査法を用いることにより、少量の検体または低い抗原量しか含まない、例えば、感染初期段階の検体からも、迅速、簡便、且つ高感度で標的抗原を検出することができる。
イムノクロマト検査法に用いられる試験片の一例を示す。 各界面活性剤を含有する抽出液の検出感度を表す。縦軸は、吸光度差(mAbs)を示す。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の各含有量における検出感度を表す。縦軸は、吸光度差(mAbs)を示す。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の各含有量における検出感度を表す。縦軸は、吸光度差(mAbs)を示す。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の各含有量における検出感度を表す。縦軸は、吸光度差(mAbs)を示す。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の各含有量における検出感度を表す。縦軸は、吸光度差(mAbs)を示す。
以下、本発明について詳述する。
1 本発明組成物について
本発明組成物は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油もしくはポリオキシエチレンヒマシ油、またはその誘導体(以下、これらをまとめて「ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等」ともいう。)を含むことを特徴とする。本発明組成物は、イムノクロマトグラフィー検査法において、検体から被検物質(抗原)を抽出するための抽出物ないし抽出液として主に用いられるが、それに加えて例えば、検体を処理するための処理液、試験片上へ展開する際の展開液、標的抗原の検出段階に使用するための検出液としても用いられる。
本発明組成物に含みうるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、一般に下記の構造式(I)で表される化合物である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油はポリオキシエチレンヒマシ油を水添したものである。式中nで表されるポリオキシエチレン(POE)単位の重合度の合計としては特に制限されないが、例えば10〜100の範囲内が適当であり、20〜80の範囲内であることが好ましい。具体的には、POE単位の合計重合度として、例えば、20、30、40、50、60、80、100を挙げることができる。通常、POEの重合度が高くなるほど親水性(HLB値)は高くなる。当該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、例えば、NIKKOL HCO−60等(日光ケミカルズ社製)、ユニオックス(登録商標)HC−60等(日油社製)、エマノーンCH−40等(花王社製)、コリフォールRH−40等(BSAFジャパン社製)、EMALEX HC−60等(日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等(カネダ株式会社製)として市販されており、本発明においてはこれら市販品をそのまま、または適宜加工して用いることができる。
Figure 2018044920
本発明組成物に含みうるポリオキシエチレンヒマシ油は、一般に下記の構造式(II)で表される化合物である。式中のnについては上記POE−HCOと同様である。当該ポリオキシエチレンヒマシ油も市販されており、本発明においては市販品をそのまま、または適宜加工して用いることができる。
Figure 2018044920
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等はその誘導体であってもよい。かかる誘導体としては、例えば、末端のエチレン基が飽和または不飽和の脂肪酸で修飾されたモノ脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、末端のエチレン基がコハク酸で修飾されたポリオキシエチレン硬化ヒマシ油コハク酸を挙げることができる。
本発明においては、上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明組成物中、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等は、通常、0.1〜15重量%の範囲内で含むことができるが、0.5〜10重量%の範囲内で含むことが好ましく、1〜5重量%の範囲内で含むことがより好ましい。含有量が0.1重量%未満であると検出感度の増幅効果が見られないおそれがあり、一方、15重量%より多いと本発明組成物の粘度が高くなりすぎるため、イムノクロマトを行う際の溶液の展開速度が遅くなるおそれがあり、また当該組成物の取り扱いが難しくなり簡便で迅速な検査に支障をきたすおそれがある。なお、後述する試験例で示す通り、本発明者らは、当該濃度範囲において、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の含有量の高い方がイムノクロマトの感度が高いことも見出した。
本発明組成物は、通常、溶液状であるが、それ以外の形態、例えば、固体、半固体であってもよい。被検物質(抗原、アナライト)を含む本発明組成物をイムノクロマト試験片に展開する前に溶液状であればよい。
本発明組成物には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等以外に従来のイムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物に含まれる他の成分を含み得る。かかる他の成分としては、例えば、緩衝液、pH調整剤、界面活性剤、非特異的反応抑制剤、塩、防腐剤を挙げることができる。
上記緩衝液としては、本発明組成物の使用されるpH範囲で緩衝能を有するものであれば特に制限されないが、例えば、MES緩衝液、HEPES緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液が挙げられる。
上記pH調整剤としては、pH調整剤として通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、酢酸、硫酸が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤としては、イムノクロマトグラフィー検査用に通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween20等)、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(TritonX−100等)、ポリオキシエチレンp−t−ノニルフェニルエーテル(TritonN等)、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸、CHAPS等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これら界面活性剤の濃度としては、例えば、0.001〜15重量%の範囲内が適当であり、0.02〜10重量%の範囲内が好ましい。
上記非特異反応抑制剤としては、非特異反応抑制剤として通常用いられるものであれば特に制限されないが、非特異的反応を抑制することが公知の添加剤、例えば、非特異的反応を抑制するために用いられる蛋白質、例えば、牛血清アルブミン、カゼイン、もしくはゼラチン;高分子化合物、例えば、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、もしくはデキストラン;イオン性界面活性剤;またはポリアニオン、例えば、デキストラン硫酸、ヘパリン、ポリスチレンスルホン酸、コンドロイチン硫酸が挙げられる。これらの非特異反応抑制剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これら非特異反応抑制剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
上記塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。これらの塩は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。塩の濃度としては、例えば、1mM〜500mMの範囲内が適当であり、5mM〜200mMの範囲内が好ましく、10mM〜50mMの範囲内がより好ましい。濃度が1mMより低くなると、タンパク質の抽出作用が不十分になるおそれがある。
上記防腐剤は、製品化し販売する際など、本発明組成物を長期保存する必要がある場合に添加することができる。当該防腐剤としては、防腐剤として通常使用されるものであれば特に制限されないが、例えば、アジ化ナトリウム、抗生物質が挙げられる。これら防腐剤の濃度としては、例えば、0.001〜5重量%の範囲内が適当であり、0.01〜2重量%の範囲内が好ましい。
本発明組成物は、さらにその使用目的に応じて様々な成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有することができる。例えば、検体から抽出された被検物質(抗原)を含む本発明組成物をイムノクロマト上に展開する場合には、溶液状態である必要があるから、その溶媒としての水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の有機溶媒、またはそれらの混合物を挙げることができる。
2 本発明に係る検体抽出液について
本発明組成物は、イムノクロマトグラフィー検査に供される生体試料等の検体から被検物質(抗原)を抽出するための検体抽出液(以下、「本発明抽出液」という。)として使用することができる。
生体試料等の検体は、直接ないし綿棒や注射器などの手段を用いて採取することができる。そして、採取された検体と本発明抽出液とを適宜混合し撹拌することにより、被検物質(抗原)を、検体中に含まれる生体細胞、ウイルス、病原菌等から抽出することができ、その後、当該処理液をイムノクロマトグラフィー検査に供することができる。
本発明において検査しうる生体試料等の検体としては、通常、イムノクロマトに供される検体であれば特に制限されないが、例えば、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、唾液、痰、角結膜拭い液、涙、尿、膣分泌液、羊水、乳頭分泌液、血液、血清、血漿、髄液、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞または糞便からの抽出物、植物の抽出液、食品の抽出液が挙げられる。これらの中でも鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、痰、角結膜拭い液、尿、膣分泌液が好適な検体として挙げることができる。
本発明において検出しうる被検物質(抗原)としては、通常、イムノクロマトで検出されるものであれば特に制限されないが、例えば、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス等のウイルス、レジオネラ菌、病原性大腸菌等の病原菌、インスリン様成長因子結合タンパク1、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン等の疾患・バイオマーカー、アレルギー原性物質、毒物が挙げられる。これらの中でも、本発明は、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、インスリン様成長因子結合タンパク1の検出に使用されることが好ましく、インフルエンザウイルスに使用されることがより好ましい。
3 本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査用キットについて
本発明は、本発明組成物または本発明抽出液、およびイムノクロマト試験片を有することを特徴とするイムノクロマトグラフィー検査用キット(以下、「本発明キット」という。)を含む。
当該イムノクロマト試験片は、図1にも示されるように、通常、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、吸収パッド、および支持体(バッキングシート)から主として構成される。以下、イムノクロマト試験片の主な部材について説明する。
3.1 サンプルパッド
サンプルパッドは、本発明組成物または本発明抽出液により調製されたサンプル液(被検物質を含む)を滴下するための部材である。サンプルパッドの特性により滴下サンプルの展開の流量が調節される。
当該サンプルパッドの素材としては、例えば、セルロース、セルロース誘導体、セルロース/ポリエチレン、ポリエチレン、グラスファイバー、不織布が挙げられる。この中、セルロース/ポリエチレン、不織布が好ましい。当該サンプルパッドは、これら素材の1種から形成されていても2種以上から形成されていてもよい。
3.2 コンジュゲートパッド
コンジュゲートパッドは、サンプル液中に含まれる標的抗原とその抗体とを免疫化学反応により結合させるための部材である。そこには適当な検出手段で標識された1種以上の抗体(標識抗体、コンジュゲート体)が担持されている。かかる標識抗体は、標的抗原に対する抗体が使用される。かかる抗体の由来動物種としては、イムノクロマトに用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、サル、ラット、ブタ、ヒトが挙げられるが、マウス、ウサギ、ヤギ由来であることが好ましく、マウス由来であることがより好ましい。当該抗体の分子種としては、イムノクロマトに用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、IgG、IgM、IgA、IgEを挙げることができる。
上記検出手段としては、通常、抗体の標識に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、着色粒子、着色セルロース、金属コロイド(金コロイド、白金コロイド等)、着色ラテックス、色素、蛍光色素が挙げられる。これらの中でも着色セルロース、金コロイド、白金コロイド、着色ラテックスが好ましく、着色セルロースがより好ましい。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
当該コンジュゲートパッドの素材としては、例えば、セルロース、セルロース誘導体、プラスチック(ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、グラスファイバーが挙げられる。この中、ポリエステルが好ましい。当該コンジュゲートパッドは、これら素材の1種から形成されていても2種以上から形成されていてもよい。
3.3 メンブレン
メンブレンは、標的抗原を検出する役割を担う重要な部材である。そこには標的抗原に対する抗体が固定されたテストライン、および標識抗体に対する抗体が固定されたコントロールラインが設けられている。
当該メンブレンの素材としては、毛細管現象によりサンプルを吸収し移動させることができるものであれば特に制限されないが、例えば、セルロース、ニトロセルロースや酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ガラス繊維、ポリオレフィン、セルロース、これらの混合繊維からなる人工ポリマーを挙げることができる。これらの中でもニトロセルロースが好ましい。当該メンブレンは、これら素材の1種から形成されていても2種以上から形成されていてもよい。
テストラインに固定される抗体(テストライン抗体)には、標的抗原に対する1種以上の抗体が使用される。かかる抗体の由来動物種としては、イムノクロマトに用いられる抗体であれば特に制限されないが、例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、サル、ラット、ブタ、ヒトが挙げられるが、マウス、ウサギ、ヤギ由来であることが好ましく、マウス由来であることがより好ましい。当該抗体の分子種としては、イムノクロマトに用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、IgG、IgM、IgA、IgEが挙げられる。
コントロールラインに固定される抗体(コントロールライン抗体)には、コンジュゲートパッドに含まれる標識抗体に対する1種以上の抗体が使用される。かかる抗体の由来動物種としては、イムノクロマトに用いられる抗体であれば特に制限されないが、例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、サル、ラット、ブタ、ヒトが挙げられるが、マウス、ウサギ、ヤギ由来であることが好ましく、マウス由来であることがより好ましい。当該抗体の分子種としては、イムノクロマトに用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、IgG、IgM、IgA、IgEが挙げられる。
メンブレンへのテストライン抗体およびコントロールライン抗体の固定方法としては、常法により行うことができる。具体的には、例えば、メンブレンの素材としてニトロセルロースを用いる場合は、例えばスクロースを含むホウ酸緩衝液を用いて抗体を希釈し、メンブレン上に滴下し、デシケータ等で乾燥する方法により行うことができる。
3.4 吸収パッド
吸収パッドは、未反応の標識抗体や展開溶媒などを吸収するための部材である。
当該吸収パッドの素材としては、未反応の標識抗体や展開溶媒等を吸収可能であれば特に制限されないが、例えば、セルロース、セルロース誘導体、グラスファイバー、不織布が挙げられる。この中、セルロースが好ましい。当該吸収パッドは、これら素材の1種から形成されていても2種以上から形成されていてもよい。
3.5 支持体
支持体(バッキングシート)は、通常、メンブレン等の上述の部材の下に置かれ、上述の各部材を貼り付けたテストストリップ(試験片)を形成するための部材である。
当該支持体の素材としては、そのような機能を有しうるものであれば特に制限されないが、例えば、プラスチック、紙を挙げることができる。この中、プラスチックが好ましい。当該支持体は、これら素材の1種から形成されていても2種以上から形成されていてもよい。
3.6 その他
本発明キットには、他に例えば、検査時にイムノクロマト試験片を設置するために用いられるイムノクロマト試験片用容器(ハウジングケース)を含みうる。
上記イムノクロマト試験片用容器は、イムノクロマトグラフィーによる検査をより簡便容易にすることができる。当該容器の形状としては、例えば、イムノクロマト試験片のサンプルパッドとメンブレンのテストラインとコントロールラインの上部だけに開口を有するものを挙げることができる。当該容器自体は中身を入れ替えることにより何度でも再利用することができるものでもよい。
4 本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査法
本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査法(以下、「本発明検査法」という。)は、本発明組成物または本発明抽出液を用いて検体から被検物質(抗原)を抽出すること、抽出された被検物質(抗原)を含むサンプル液をイムノクロマト試験片に展開すること、およびイムノクロマト試験片から当該被検物質(抗原)を検出することを含む。本発明検査法を用いることにより、イムノクロマトによって標的抗原を迅速、簡便、且つ高感度で検出することができる。以下、図1に示す試験片Aを使用した本発明検査法について説明する。
試験片Aは、サンプルパッド3、コンジュゲートパッド2、メンブレン1、吸収パッド4、および支持体5からなり、支持体5上にメンブレン1を積載し、当該メンブレン1の一端にコンジュゲートパッド2を積載し、その上部にサンプルパッド3を積載し、メンブレン1の他端側には吸収パッド4を積載した構成を有する。コンジュゲートパッド2には前述した検出手段で標識された、標的抗原に対する標識抗体が担持されており、メンブレン1は標的抗原に対する抗体が固定されたテストライン11と標識抗体に対する抗体が固定されたコントロールライン12とを有する。
本発明検査法を行うに際しては、例えば、綿棒等で採取した検体を本発明抽出液に入れ懸濁し、抗原を検体から抽出する。そして、サンプルパッド3上に本発明抽出液で処理された検体サンプル液を滴下する。そうすることで、検体サンプル液は毛細管現象によりサンプルパッド3からコンジュゲートパッド2へ、そしてメンブレン1上に展開される。
検体サンプル液中の標的抗原は、コンジュゲートパッド2を通過する際にコンジュゲートパッド2に担持された標識抗体と免疫複合体を形成し、そのままメンブレン1の一端へと展開される。そして、当該複合体とメンブレン1のテストライン11上に存在する抗体とが免疫化学反応を起こし結合し、呈色することにより視認可能なラインがメンブレン上に現れる。このように呈色した場合は、当該検体は陽性と判定することができる。また、その呈色度合いを目視や適当な分析機器(例えば、イムノクロマトリーダー、分光光度計)で測ることにより当該陽性の強度を判定することができる。なお、標識抗体が有する検出手段として、例えば蛍光色素を用いた場合には、テストライン11に紫外線等を照射し、それによる呈色の有無やその程度により陽性か否かを判定することができる。
一方、テストライン11の後にはコントロールライン12があり、そこに存在する抗体と免疫複合体未形成の標識抗体とが免疫化学反応を起こし結合し呈色することにより、イムノクロマトが問題なく行われたことを視認することができる。
検体サンプル液がメンブレン1上を展開通過した後は、吸収パッド4により未反応の標識抗体等が吸収される。なお、検体中に抗原が含まれていなかった場合は、テストライン11は呈色せず、コントロールライン12のみが呈色することになる。この場合、当該検体は陰性と判定することができる。
以下、実施例、試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はそれら実施例等に限定されるものではない。なお、以下において、HCO−20、30、40、または60は、ポリオキシエチレン単位の重合度が、それぞれ20、30、40、または60である、日光ケミカルズ社製のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE−HCO)であることを表す。「%」表記は、重量%を意味する。
<前処理済みサンプルパッドの調製>
サンプルパッドとしてセルロースとポリエチレンからなるシート(旭化成せんい社製、210mm×300mm)を用いた。6%スキムミルク、1%BSAおよび2%Tween20を含むリン酸緩衝液(pH7.4)を27.8mL塗布し、50℃で120分間送風乾燥させ、デシケータ内で一晩乾燥し、前処理済みサンプルパッドを作製した。
<抗体固定化メンブレンの調製>
(1)抗インフルエンザA型抗体固定化メンブレンの調製
メンブレンとしてニトロセルロースからなるシート(ミリポア社製、180mm×25mm)を用いた。6%スクロースを含むホウ酸緩衝液(pH9.0)で2.0mg/mLの濃度になるようにマウス抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を希釈した。この溶液をメンブレン上に0.1μL/mmになるように塗布し、37℃で30分間送風乾燥させ、デシケータ内で一晩乾燥し、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体固定化メンブレンを作製した。
(2)抗インフルエンザB型抗体固定化メンブレンの調製
メンブレンとしてニトロセルロースからなるシート(ミリポア社製、180mm×25mm)を用いた。6%スクロースを含むホウ酸緩衝液(pH9.0)で1.0mg/mLの濃度になるようにマウス抗インフルエンザB型モノクローナル抗体を希釈した。この溶液をメンブレン上に0.1μL/mmになるように塗布し、37℃で30分間送風乾燥させ、デシケータ内で一晩乾燥し、抗インフルエンザB型モノクローナル抗体固定化メンブレンを作製した。
<標識抗体塗布コンジュゲートパッドの調製>
(1)コンジュゲートパッドの前処理
コンジュゲートパッドとしてポリエステルからなるシート(Ahlstrom社製、180mm×10mm)を用いた。0.05%Tween20を含む溶液に浸し、50℃で60分間送風乾燥させ、デシケータ内で一晩乾燥し、前処理済みコンジュゲートパッドを作製した。
(2)着色粒子で標識した抗体の調製
(2−1)抗インフルエンザA型モノクローナル抗体の標識
青色セルロース粒子(旭化成せんい社製)70μLに630μLのホウ酸緩衝液(pH8.5)とPBSで1.0mg/mLの濃度になるように希釈したマウス抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を70μL加え、37℃で2時間送風環境下に静置した。次いで、1%カゼインを含むホウ酸緩衝液(pH8.5)を8.4mL加え、更に37℃で1時間送風環境下に静置した。その後、13,400×gで20分間遠心分離を行い、上清を除去した後、ホウ酸緩衝液(pH10.0)を8.4mL加えた。再度、13,400×gで20分間遠心分離を行い、上清を除去した後、0.2%カゼインおよび10%トレハロースを含むホウ酸緩衝液(pH9.2)で0.09%の粒子濃度になるように希釈した。これにより青色セルロース粒子で標識された抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(標識抗体)を調製した。
(2−2)抗インフルエンザB型モノクローナル抗体の標識
赤色セルロース粒子(旭化成せんい社製)70μLに630μLの10mMホウ酸緩衝液(pH8.5)とPBSで1.0mg/mLの濃度になるように希釈したマウス抗インフルエンザB型モノクローナル抗体を70μL加え、37℃で2時間送風環境下に静置した。次いで、1%カゼインを含む100mMホウ酸緩衝液(pH8.5)を8.4mL加え、更に37℃で1時間送風環境下に静置した。その後、13,400×gで20分間遠心分離を行い、上清を除去した後、ホウ酸緩衝液(pH10.0)を8.4mL加えた。再度、13,400×gで20分間遠心分離を行い、上清を除去した後、0.2%カゼイン及び10%トレハロースを含むホウ酸緩衝液(pH9.2)で0.09%の粒子濃度になるように希釈した。これにより赤色セルロース粒子で標識された抗インフルエンザB型モノクローナル抗体(標識抗体)を調製した。
(3)コンジュゲートパッドへの標識抗体の塗布
上記(2)で調製したA型およびB型の標識抗体を1:1で混合した溶液425μLを、上記(1)で調製した前処理済みコンジュゲートパッドに均一になるように塗布し、37℃で30分間送風乾燥させ、デシケータ内で一晩乾燥し、A型およびB型の標識抗体を塗布したコンジュゲートパッドを作製した。
<試験片の組立>
バッキングシート(Adhesives Research社製、180mm×60mm)からなる基材に、上記作製した前処理済みサンプルパッド、抗体固定化メンブレン、標識抗体を塗布したコンジュゲートパッドおよび吸収パッド(ミリポア社製、180mm×10mm)を貼り合せて4mm幅に切断し、A型インフルエンザウイルス試験片およびB型インフルエンザウイルス試験片とした。
<抽出液用緩衝液の調製>
200mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウムを含む200mMトリス緩衝液(pH7.5)を含む抽出液用緩衝液を調製した。
<吸光度の測定>
吸光度の測定は、イムノクロマトリーダー(C10066, 浜松ホトニクス社製)を用いて行い、光源は緑色LED(520nm)を使用した。測定法は、それぞれの試験例に記載の測定法を用いた。
[試験例1]界面活性剤の感度への影響
1%の界面活性剤を含む抽出液になるよう、表1の界面活性剤を前記<抽出液用緩衝液の調製>で作製した抽出液用緩衝液に添加し、HCO−40またはHCO−60を含有する本発明抽出液、および界面活性剤含有抽出液を調製した。
Figure 2018044920
不活化A型インフルエンザウイルス抗原原液を、各々の本発明抽出液、または界面活性剤含有抽出液で200倍希釈し、陽性検体とした。陽性検体80μLをA型インフルエンザウイルス試験片のサンプルパッド部分に滴下し、展開し、8分後に吸光度を測定した。対象として、表1の界面活性剤の代わりに1.5%Triton X−100および0.5%Tween20を抽出液に添加したものを使用した(以下、「従来抽出液」という。)。界面活性剤の影響を比較するため、コントロールに界面活性剤を含まない抽出液用緩衝液を使用した。
得られた吸光度から、コントロールの吸光度を差し引いた結果を図2に示す。HCO−40およびHCO−60を含有する本発明抽出液において強い増感効果が得られた。
[試験例2]ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量と感度との関係
HCO−40またはHCO−60を抽出液用緩衝液に添加し、1、2、および3%のHCO−40またはHCO−60を含有する本発明抽出液を調製した。
不活化A型インフルエンザウイルス抗原原液を各々の本発明抽出液で200倍希釈し、陽性検体とした。陽性検体80μLをA型インフルエンザウイルス試験片のサンプルパッド部分に滴下し、展開し、8分後に吸光度を測定した。界面活性剤の影響を比較するため、コントロールに界面活性剤を含まない抽出液用緩衝液を使用した。
得られた吸光度から、コントロールの吸光度を差し引いた結果を図3に示す。HCO−40またはHCO−60のどちらの場合においても、本発明抽出液におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量の増加と共に検出感度が増感することが示された。
[試験例3]その他のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と感度との関係
HCO−20またはHCO−30を抽出液用緩衝液に添加し、1、2、および3%のHCO−20またはHCO−30を含有する本発明抽出液を調製した。
不活化A型インフルエンザウイルス抗原原液を、各々の本発明抽出液で200倍希釈し、陽性検体とした。陽性検体80μLをA型インフルエンザウイルス試験片のサンプルパッド部分に滴下し、展開し、8分後に吸光度を測定した。界面活性剤の影響を比較するため、コントロールに界面活性剤を含まない抽出液用緩衝液を使用した。
得られた吸光度から、コントロールの吸光度を差し引いた結果を図4に示す。HCO−20またはHCO−30を含有する本発明抽出液において、含有量の増加と共に検出感度が増感することが示された。
[試験例4]複数の界面活性剤共存下でのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の効果
Triton X−100、Tween20、およびHCO−40を抽出液用緩衝液に添加し、3%のTriton X−100、0.5%のTween20、および0.5〜2%のHCO−40の複数の界面活性剤を含有する本発明抽出液を調製した。
不活化A型インフルエンザウイルス抗原原液を、各々の本発明抽出液で600倍希釈し、陽性検体とした。陽性検体80μLをA型インフルエンザウイルス試験片のサンプルパッド部分に滴下し、展開し、8分後に吸光度を測定した。界面活性剤の影響を比較するため、コントロールに界面活性剤を含まない抽出液用緩衝液を使用した。
得られた吸光度から、コントロールの吸光度を差し引いた結果を図5に示す。複数の界面活性剤を含有する本発明抽出液においても、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量の増加と共に検出感度が増感することが示された。
[試験例5]その他の抗体におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の効果
HCO−40を抽出液用緩衝液に添加し、1、2、および3%のHCO−40含有する本発明抽出液を調製した。
不活化B型インフルエンザウイルス抗原原液を、各々の本発明抽出液で4000倍希釈し、陽性検体とした。陽性検体80μLをB型インフルエンザウイルス試験片のサンプルパッド部分に滴下し、8分後に吸光度を測定した。界面活性剤の影響を比較するため、コントロールに界面活性剤を含まない抽出液用緩衝液を使用した。
得られた吸光度から、コントロールの吸光度を差し引いた結果を図6に示す。インフルエンザウイルスBの抗原および抗体を用いた場合においても、本発明抽出液中のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量の増加と共に検出感度が増感することが示された。
本発明組成物ないし本発明抽出物を用いれば、従来と比較して、迅速、簡便、そしてより高感度に目的の抗原をイムノクロマトグラフィーにより検出することができることから、本発明は、インフルエンザなどの疾患に罹患しているかどうかを早期に判定する検査において有用である。
A 試験片
1 メンブレン
11 テストライン
12 コントロールライン
2 コンジュゲートパッド
3 サンプルパッド
4 吸収パッド
5 支持体

Claims (6)

  1. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油もしくはポリオキシエチレンヒマシ油、またはその誘導体を含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用試薬組成物。
  2. 請求項1に記載の試薬組成物が、検体から被検物質(抗原)を抽出するための検体抽出液。
  3. 検体が、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、痰、角結膜拭い液、尿、膣分泌液である、請求項2に記載の検体抽出液。
  4. 被検物質(抗原)が、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、インスリン様成長因子結合タンパク1である、請求項2または3に記載の検体抽出液。
  5. 請求項1に記載の試薬組成物または請求項2〜4のいずれか一項に記載の検体抽出液、およびイムノクロマト試験片を有することを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用キット。
  6. 請求項1に記載の試薬組成物または請求項2〜4のいずれか一項に記載の検体抽出液で検体から被検物質(抗原)を抽出すること、抽出された被検物質(抗原)を含むサンプル液をイムノクロマト試験片に展開すること、およびイムノクロマト試験片から当該被検物質(抗原)を検出することを含む、イムノクロマトグラフィー検査法。
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