JP2018042089A - 撮像装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】合成モード時に、フレームごとに黒レベルが変動することに起因する画像品位の低下を抑制する。【解決手段】IIRフィルタ部402、403は、OB領域から出力された黒レベルに基づき補正値(Yn)を各々が生成する。HDRモード時には、CPU113は、フレーム単位で露出レベルを異ならせて撮像素子103から画像を出力させ、合成部107は、有効画素領域200から出力され補正部105により補正値Ynで補正された画像であって互いに露出レベルが異なる画像を合成する。HDRモード時には、CPU113は、第1補正部105Hにおける補正値Ynの生成に使用する生成部として、IIRフィルタ部402とIIRフィルタ部403とをフレーム単位(奇数/偶数)で切り替える。【選択図】図4

Description

本発明は、異なる露出で撮影した画像を合成してダイナミックレンジを拡大する技術に関する。
従来、ビデオカメラ等の撮像装置において、限られた出力範囲のなかで輝度の低い箇所から輝度の高い個所までを表現するハイダイナミックレンジ(HDR)技術が知られている。HDRには様々な方式があるが、その1つとして画像合成による方式がある。この方式は、異なる露出により得られる輝度レベルの異なる2枚の画像を部分的に合成することで、限られた出力範囲でもダイナミックレンジが広がっているように見せる手法である。通常、暗部は露出レベルを高くしないと黒潰れし、明部は露出レベルを低くしないと白とびする。画像合成によるHDRによれば、暗部と明部とを共に表現できるように輝度レベルの低い画像と高い画像とを部分的に合成することで、黒潰れせず白とびしない画像が得られる。
また、近年、静止画だけでなく動画でもHDR合成技術が用いられており、応答性の低いレンズの絞りの調整ではなく、応答性の高い露光時間やゲインの調整を採用することで、輝度レベルの異なる画像が取得される。また、撮像素子から取得される画像に対して、フレーム毎に撮像素子内の遮光画素領域(OB:オプティカルブラック部)の出力を元に、シェーディングの補正や、撮像素子内のアンプオフセットのばらつきに起因する縦線の補正が行われている。
特開2015−154199号公報
しかしながら、フレーム単位で異なる露出で取得した画像をHDR合成する場合、フレーム単位で露光時間または撮像素子内の列アンプのゲインが切り替わることになる。露光時間や列アンプのゲインが変化すると暗電流が大きく変化するため、OBの出力がフレーム単位で変動してしまう。OBの出力は、黒基準レベルとして有効画素領域から出力される画像の補正に用いられることから、OBの出力がフレーム単位で変動すると、画像の補正に影響する。特に、シェーディングの補正、及び縦線の補正においては、ノイズの影響を抑えるべくフィルタ処理により応答性を低くしている。そのため、黒基準レベルが適正の黒基準レベルになるまでに時間を要してしまい、誤補正や補正の遅れが生じ、それにより輝度の急激な変化(パカツキ)、縦線が発生するおそれがある。
ここで、特許文献1では、列アンプのゲイン(増幅値)が切り替わる前に、列アンプのゲインの切り替え後の補正データを生成し収束させることで、出力画像における縦線の発生を抑制している。しかし、特許文献1では、OBの出力がフレーム単位で変動する場合に対処できない。
本発明は、合成モード時に、フレームごとに黒レベルが変動することに起因する画像品位の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、画素が二次元の行列状に配置され、有効画素領域と遮光画素領域とを有する撮像素子と、前記遮光画素領域から出力された黒レベルに基づき補正値を各々が生成する複数の生成部を有する補正手段と、合成モード時に、フレーム単位で露出レベルを異ならせて前記撮像素子から画像を出力させる制御手段と、前記合成モード時に、前記有効画素領域から出力され前記補正手段により前記補正値で補正された画像であって互いに露出レベルが異なる画像を合成する合成手段と、を有し、前記制御手段は、前記合成モード時には、前記補正手段における、前記補正値の生成に使用する生成部をフレーム単位で切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、合成モード時に、フレームごとに黒レベルが変動することに起因する画像品位の低下を抑制することができる。
撮像装置のブロック図である。 撮像素子のRGBベイヤの画素配列を示す図である。 画像データ読み出し時のタイミングチャートである。 第1補正部の構成を示すブロック図である。 入力画素数に対する補正値の変化を示す図である。 第2補正部の構成を示すブロック図である。 HDRモードの初期動作等の処理のフローチャートである。 初期2回路動作の例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置のブロック図である。この撮像装置は、フレームごとに異なる露出で撮影した画像を合成してダイナミックレンジの高い画像を生成し、動画として出力及び記録を行えるビデオカメラ等として構成される。
この撮像装置は、レンズ群100、絞り部101、レンズDr102、撮像素子103、CPU113(制御手段)を有する。レンズ群100には、被写体像からの光量を収束、及び焦点を合わせるためのAF機構、ズーム機構が組み込まれ、レンズ群100はレンズDr102により制御される。絞り部101は、レンズDr102により制御され、撮像素子103に入射される光量を調整する。レンズDr102は、CPU113により制御され、AF機構/ズーム機構を駆動し、絞り部101を被写体の明るさに応じて駆動する。撮像素子103は、CMOSセンサ等で構成され、CPU113によって制御される。撮像素子103は、レンズ群100を通過した被写体象の光を電気信号に変換する半導体撮像素子を有し、各画素の出力を順次、映像エンジンIC104に出力する。CPU113は、不図示のRAM、ROMを有し、ROMに格納された制御プログラムを実行して各ブロックの制御を司る。RAMは各種情報を記憶すると共に、CPU113が制御プログラムを実行する際のワークエリアとなる。
図2は、撮像素子103のRGBベイヤの画素配列を示す図である。撮像素子103は、画素が二次元の行列状に配置され、有効画素領域200と遮光画素領域であるHOB201、VOB202とを有する。HOB201は水平オプティカルブラック部、VOB202は垂直オプティカルブラック部である。有効画素領域200は光に反応し、実際の画像生成に使用される領域である。すなわち、有効画素領域200は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して出力する。HOB201、VOB202はいずれも、画素の光電変換素子に光が当たらないように遮光部を設けたOB領域(オプティカルブラック領域)であり、光が当たらないので常に黒レベルを出力する。特に、HOB201は、垂直方向のシェーディングを補正するためのOB領域であり、VOB202は水平方向の固定パターン(縦線)を補正するためのOB領域であり、いずれも常時、黒レベルを出力する。なお、撮像素子103は、列アンプ114を有している(図1)。列アンプ114は、撮像素子103の画素列に対応して列数分だけ設けられる。
図1に示す映像エンジンIC104は、撮像素子103から入力される画像データに対して、補正処理のほか、輝度レベルの異なる画像の合成、画像処理等を行う。映像エンジンIC104は、補正部105(補正手段)、第1画像処理部106、合成部107(合成手段)及び第2画像処理部108を有する。補正部105は、撮像素子103から入力される遮光画像データ(HOBデータ/VOBデータ)を基に、垂直方向及び水平方向の補正を行う。補正部105は、HOBデータにより垂直方向の補正を行う第1補正部105Hと、VOBデータにより水平方向の縦線補正を行う第2補正部105Vとで構成される。第1画像処理部106は、キズ補正、カラーバランス等、デジタルゲインの調整等を行う。合成部107は、輝度レベルの異なる2枚の画像を領域毎に合成する。第2画像処理部108は、γ、デジタルゲインの調整、映像信号への変換(現像処理)を行う。映像エンジンIC104から出力される画像データは記録部109、表示部110に入力される。記録部109は、第2画像処理部108で現像された画像データを記録する。表示部110は、現像された画像データをモニタ用に表示する。操作部111は、CPU113に接続され、ユーザが各種設定等を行うのに用いられる。温度センサ112は、撮像素子103の温度を検出し、その検出結果をCPU113のA/D入力に供給する検出手段である。
装置電源のオン後、CPU113は各種初期設定を行い、ユーザにより操作部111で入力されたモードの設定に従い撮像素子103からの画像信号の読み出しを開始する。本実施の形態の撮像装置は、輝度レベルの異なる2枚の画像を合成することにより、高ダイナミックレンジの画像を生成する合成モード(以後、HDRモードと称する)を実現可能である。以下、主として撮影モードがHDRモードに設定されている場合について説明する。
CPU113は、レンズDr102を介して絞り101やレンズ群100のAFを、被写体の明るさ、距離により適正値に設定し、撮像素子103に対して露光時間及び列アンプ114のゲイン(以下「列アンプゲイン」と記す)を設定する。列アンプ114は撮像素子内に列毎に配置された増幅器であり、画像出力レベルに応じてゲインが設定される。本実施の形態では、列アンプゲインは、1倍(×1)、2倍(×2)、4倍(×4)と、離散的に設定され得るものとする。露光時間は、撮像素子103内に蓄積された電荷をリセットしてから電荷の読み出しを行うまでの時間であり、露光時間が長いほど撮像素子103からの出力は大きくなる。露光時間は出力レベルに応じて適宜制御される。
なお、HDRモード時(合成モード時)の画像合成においては、CPU113は、フレーム毎に列アンプ114及び露光時間を変えることで露出レベルを制御する。そしてCPU113は、所望の輝度レベルの高い画像と低い画像とを合成することで、高ダイナミックレンジの画像を得る。撮像素子103からの読み出しにおいては、CPU113は、VOB202から1行ずつVOBデータである黒画像を補正部105に転送し、さらにHOB201、有効画素領域200の画像データを1行ずつ、補正部105に転送する。
次に、図3を用いてHDRモード時の撮像素子103からの読み出しの態様を説明する。図3は、画像データ読み出し時のタイミングチャートである。VD信号300は、映像エンジンIC104から1フレーム毎に出力されるタイミング信号であり、1/60[s]毎に出力される。VD信号300の出力タイミングを基に、読み出し信号301により1ライン毎に読み出しが行われる。全ラインの読み出しが終了すると1フレーム分の読み出しが終了する。
HDRモードは、輝度レベルの高い画像と低い画像を合成するモードである。HDRモード時には、CPU113は、フレーム単位で露出レベルを第1露出レベルと第1露出レベルよりも高い第2露出レベルとに交互に切り替える。具体的には、CPU113は、奇数フレームでは第1露出レベルとし、輝度レベルの低い出力(画像302、304)を得る。CPU113は、偶数フレームでは第2露出レベルとし、輝度レベルの高い出力(画像303、305)を得る。CPU113は、フレームごとに、露光時間または列アンプゲインを変えることでの露出レベル(輝度レベル)を変更する。図3の例では、CPU113は、奇数フレーム時は露光時間を短くすることで輝度レベルを低く、偶数フレームは露光時間を長くすることで輝度レベルを高くするか、もしくは列アンプゲインを低く/高くすることで輝度レベルを低く/高くする。このようにして、CPU113は、フレーム毎に輝度レベルを変え、撮像素子103からの読み出しを行う。また、補正部105はHOBデータ及びVOBデータをフィルタ処理して補正値を作成し、補正値により画像データを補正する補正処理を行う。この補正処理の詳細について、図4〜図6を用いて説明する。
図4は、第1補正部105Hの構成を示すブロック図である。第1補正部105Hは、HOBデータからHOBの補正値を生成し、垂直方向のシェーディングを補正する。まず、撮像素子103からの出力は分岐部400に入力される。分岐部400は、CPU113による設定に従って、HOB画素の出力(HOBデータ)のみ第1セレクタ401に転送し、HOB画素以外(VOB画素、有効画素)の出力(VOBデータ、有効画素データ)は減算部405に転送するよう信号を分岐させる。第1セレクタ401に入力されるHOBデータは黒レベルのデジタルデータある。第1セレクタ401は、奇数フレーム時は第1IIRフィルタ部402(第1の生成部)、偶数フレーム時は第2IIRフィルタ部403(第2の生成部)に入力されるように制御する。HDRモードでない時は、フレームに限らず、第1IIRフィルタ部402または第2IIRフィルタ部403のいずれか片方のIIRフィルタ部だけに入力されるように制御してもよい。また、HDRモード時であっても、状況によっては片方のIIRフィルタ部だけに入力されるように制御してもよい。それらの際に使用される片方のIIRフィルタ部はいずれでもよいが、予め定めたいずれかでよく、例えば、第1IIRフィルタ部402とされる。
第1IIRフィルタ部402と第2IIRフィルタ部403の内部回路構成は共通であり、各々の回路は、入力されるHOBデータの黒レベルを基にHOBの補正値を生成する。HOBの補正値Ynは、次の数式1によって算出される。
[数1]
Yn=K・Xn+(1−K)・Yn−1
ここで、Kはフィルタ係数であり、0<K<1の範囲で設定される。Xnは入力されるHOBデータ、Yn−1は1つ前のHOBデータの入力時に算出された補正値(すなわち、前回値)である。補正値Ynは保存され、次回の算出時の前回値Yn−1として記憶される。補正値YnはRAMに格納される。このように、補正値の前回値Yn−1と最新のHOBデータである黒レベル(Xn)とに所定の重み付けを行って補正値Ynが更新される。なお、補正値Ynの最初の算出時には、Yn−1値は存在しないので、Yn−1値には、初期値として任意の値を設定するか、もしくは調整工程時あるいは電源オン時に取得される適正な黒レベルを初期値として設定しても良い。
HOBデータに基づく補正値Ynの生成・更新が繰り返されると、補正値Ynは徐々に適正な黒レベルに近づいていく。フィルタ係数Kが小さいほど、前回の補正結果の重みづけが大きくなるので補正値Ynが適正値になるまでに要する時間が長くなるが、入力されるHOB画素のノイズの影響を受けにくい。逆に、フィルタ係数Kが大きいほど、入力されるHOBデータの重みづけが大きくなるので、補正値Ynが適正値になるまでに要する時間は短くなるが、HOBデータのノイズの影響が大きくなる可能性がある。
図5に、入力画素数に対する補正値Ynの変化を示す。図5の例では、Yn−1値の初期値が“0”、入力されるHOBデータの黒レベルが理想的に常に“80”であり、フィルタ係数Kを“1/256”とした場合の遷移を示す。横軸に入力される画素数、縦軸に補正値Ynを示し、適正値の黒レベル“80”へ変化していく様子が示されている。図5の曲線から分かるように、フィルタ係数Kが1/256だと、HOBデータの黒レベルが多少変動しても補正値Ynの影響が少なくノイズの影響を受けにくい。しかし、黒レベルの適正値が変動した場合に、補正値Ynが適正な値になるまで時間を要する。
第1IIRフィルタ部402、第2IIRフィルタ部403のそれぞれで、数式1を用いて、補正値Ynが算出され、今回値が記憶される。第1IIRフィルタ部402は輝度レベルの低い奇数フレーム用の補正値Ynを算出し、第2IIRフィルタ部403では輝度レベルの高い偶数フレーム用の補正値Ynを算出する。IIRフィルタ部402、403は、各々が生成した補正値Ynを、自身による次回の生成まで保持する。HOB201の画素は1ライン毎に40画素程度存在する。各IIRフィルタ部402、403は、1ライン分のHOBデータが入力された時点の補正値Ynを第2セレクタ404に出力する。
第2セレクタ404は、奇数フレーム時は第1IIRフィルタ部402からの補正値Yn、偶数フレーム時は第2IIRフィルタ部403からの補正値Ynを選択し、選択した補正値Ynを減算部405へ出力する。減算部405は、有効画素データから補正値Ynとの差分をとる(有効画素データから補正値Ynを減算する)ことで、垂直方向のシェーディング補正を行う。HOB201の画素はライン毎に配置され、1ライン毎に補正値Ynは更新されるので、垂直方向のオフセット成分を補正することができる。
HDRモード時には、露光時間や列アンプゲインがフレーム毎に変化するため、暗電流と列アンプゲインのばらつきにより適正の黒レベルが変化する。仮に1つのIIRフィルタ部で補正値を生成すると、補正値が適正レベルに落ち着くまで時間を要するので誤補正や補正遅延となってしまう。そこで本実施の形態では、第1補正部105Hでは2つのIIRフィルタ部402、403を用いて補正値を生成し、垂直シェーディング補正を行う。減算部405で補正された有効画素データは、撮像素子103の列アンプゲインのばらつきによる縦線を補正するために第2補正部105Vへ転送される。
図6は、第2補正部105Vの構成を示すブロック図である。第2補正部105Vは、奇数フレーム用と偶数フレーム用で一対のIIRフィルタ部を列数分有する。例えば、HDサイズのように水平方向に1920列ある場合、IIRフィルタ部は1920列×2=3840だけ存在する。図6に示すIIRフィルタ部の後の最初の数字(X)が列を表現し、Oは奇数フレーム、Eは偶数フレームを表現している。例えば、IIRフィルタ部1_Oは1列目で奇数フレームに対応し、IIRフィルタ部1_Eは1列目で偶数フレームに対応する。IIRフィルタ部2_Oは2列目で奇数フレームに対応し、IIRフィルタ部2_Eは2列目で偶数フレームに対応する。奇数フレーム用、偶数フレーム用のIIRフィルタ部をIIRフィルタ部X_O、X_Eと記す(Xは列)。
奇数フレーム用、偶数フレーム用のIIRフィルタ部X_O、X_Eの構成は互いに共通であり、しかも第1補正部105HのIIRフィルタ部402、403と同じ回路を有している。従って、入力画素数とVOBの補正値との関係も図5に示したのと同じとなる。IIRフィルタ部X_O、X_Eは各々、数式1を用いてVOBの補正値を算出する。その際、数式1において、YnはVOBの補正値、Xnは入力されるVOBデータ、Yn−1はVOBの補正値の前回値と置き換える。各々の補正値Ynは保存され、次回の算出時の前回値Yn−1として記憶される。なお、VOBの補正値YnはRAMに格納される。
第1補正部105Hから出力された画像データは分岐部600に入力される。分岐部600は、入力された画像データのうちVOBデータについては第1セレクタ601に転送し、それ以外の有効画素データについては減算部603に転送するように信号を分岐させる。第1セレクタ601に入力されるVOBデータは黒レベルのデジタルデータある。第1セレクタ601は、入力されるVOBデータが奇数フレーム/偶数フレームのいずれに対応するか、及び、何列目であるかによって、それぞれの条件に適したIIRフィルタ部を選択し、選択したIIRフィルタ部へVOBデータを転送する。例えば、3列目で奇数フレームに対応するVOBデータが入力された場合、IIRフィルタ部3_Oに入力され、4列目で偶数フレームに対応するVOBデータが入力された場合、IIRフィルタ部4_Eに入力される。
このように、1行目−1列目から順次入力されるVOBデータの水平画素分の入力が終了すると、2行目、3行目・・・と、VOBデータが入力される。IIRフィルタ部に入力されたVOBデータは、第1補正部105Hでの処理と基本的に同様に処理される。ここではVOBデータは、列ごとにフィルタ処理され、列ごと、奇数・偶数のフレームごとに、数式1を用いてVOBの補正値Ynが算出・記憶され、第2セレクタ602に出力される。
第2セレクタ602は、減算部603に対して有効画素データに適したVOBの補正値を選択して出力する。第2補正部105Vは、減算部603で、有効画素データからVOBの補正値Ynを減算することで、列アンプのオフセットばらつきに起因する縦線の補正を行う。露光時間または列アンプゲインが変わると黒レベルが変化する。そこで、輝度レベルの低いフレーム(奇数フレーム)と輝度レベルの高いフレーム(偶数フレーム)との間で、使用するIIRフィルタ部を切り替えることで、適切なVOBの補正値で補正することが可能となる。
減算部603で補正された有効画素データは第1画像処理部106へ出力される(図1)。第1画像処理部106は、画像合成前に必要な画像処理を行うが、特に明るさが足りない場合にゲインをかけたり、部分領域検出のためにエッジ強調処理を行ったりなどの処理を行う。第1画像処理部106は、このような処理を輝度レベルの低い画像、輝度レベルの高い画像のそれぞれに対して行って、合成部107へ出力する。合成部107では、ダイナミックレンジが広がるように、黒潰れするような画像領域については輝度レベルの高いフレームから選択すると共に、白とびするような画像領域については輝度レベルの低いフレームから選択する。このようにして、合成部107は輝度レベルの異なる2つのフレームから1フレームの画像を合成する。
第2画像処理部108は、ガンマ、ホワイトバランス、画像合成時の境界エッジ処理などの画像処理を行うと共に、表示部110へ出力するための現像処理、記録部109へ記録するための任意のフォーマットへの変換処理等を行う。操作部111によって記録/非記録、表示/非表示の設定をユーザによって指示される。第2画像処理部108は指示に従って、記録部109への画像転送、表示部110への画像転送を行う。
CPU113は、映像エンジンIC104と通信を行い、被写体の明るさや輝度レベル差を常に検出し、高ダイナミックレンジに最適な露出レベルを算出し、必要に応じて撮像素子103に対して各フレームの露光時間及び列アンプゲインを可変制御する。例えばCPU113は、よりダイナミックレンジを広げたい場合は奇数フレームと偶数フレームの輝度レベルの差を大きくするよう制御する。また、被写体の明暗差が大きくない場合は、無駄にダイナミックレンジを広げる必要はないので、CPU113は、奇数フレームと偶数フレームの明暗差を小さくするか、もしくは画像合成を行わないという制御をしてもよい。
なお、HDRモード時に、補正値の生成に使用するIIRフィルタ部をフレーム単位で切り替えるモードを複数モード(第1モード)とする。HDRモード時に、IIRフィルタ部を切り替えることなく、1つ(VOBに関しては列数分である1つの群)のIIRフィルタ部だけを補正値の生成に使用するモードを単一モード(第2モード)とする。そして、複数モードと単一モードとを選択的に採用可能に構成してもよい。単一モードでは、補正部105でのIIRフィルタ処理は1回路(1つのIIRフィルタ部の系統で成る回路)で行われる。
例えば、VOBデータとHOBデータとの適正黒レベルの差は、奇数フレーム/偶数フレームの露光時間差が大きいほど、また撮像素子の温度が高いほど大きくなる。そこでCPU113は、温度センサ112により検出される撮像素子103の温度が低く(所定温度以下)、且つ、奇数フレーム/偶数フレーム間の露光時間差が小さい(所定時間差以下)である場合は、単一モードを採用してもよい。そしてそれ以外の場合は複数モードを採用してもよい。これにより、適正黒レベルの差が大きくなるような状況に対して補正遅延や誤補正を効果的に防止できる。
本実施の形態によれば、HDRモード時には、CPU113は、フレーム単位で露出レベルを異ならせて撮像素子103から画像を出力させる。CPU113は、第1補正部105Hにおける補正値Ynの生成に使用する生成部として、IIRフィルタ部402とIIRフィルタ部403とをフレーム単位(奇数/偶数)で切り替える。また、CPU113は、第2補正部105VにおけるVOBの補正値の生成に使用する生成部として、IIRフィルタ部X_OとIIRフィルタ部X_Eとをフレーム単位(奇数/偶数)で切り替える。これにより、露出が異なる画像をフレーム単位で取得する場合に黒基準レベルを規定するOB出力がフレーム単位で変動することに起因する課題を解消できる。すなわち、ノイズの影響を抑えつつ、補正遅延や誤補正を防止でき、輝度のパカツキや縦線の発生を抑制できる。よって、合成モード時に、フレームごとに黒レベルが変動することに起因する画像品位の低下を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
HDRモードへの切替時は、補正値(HOB、VOBの各補正値)の初期値が決まっておらず、奇数フレーム/偶数フレームそれぞれのIIRフィルタ部で生成される補正値が適正値となるまでに時間を要してしまい、パカツキや縦線が発生するおそれがある。そこで、本発明の第2の実施の形態では、主として装置電源立ち上げ時及びHDRモード移行時における黒レベル変動時の制御を工夫する。撮像装置の構成は第1の実施の形態で説明したのと同様である。図7及び図8を加えて本実施の形態を説明する。
図7は、HDRモードの初期動作等の処理のフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU113が備えるROM等の記憶部に格納されたプログラムをRAMに読み出してCPU113が実行することにより実現される。この処理は、撮像装置の電源がオンにされたことにより開始される。
本実施の形態では、CPU113は、HDRモードへの移行時に、フレームごとに最適露出条件を決定する。また、フレームごとの露出レベルの差(輝度レベル差)を保つために、「列アンプ制御」または「露光時間制御」により露出条件を制御する。すなわち、「列アンプ制御」は、HDRモード時において、奇数フレーム及び偶数フレームのそれぞれに対して列アンプゲインを用いて輝度レベル差を保つ制御態様であり、「露光時間制御」は、露光時間により輝度レベル差を保つ制御態様である。なお、複数モード、単一モードについては第1の実施の形態で説明したのと同じ意味である。
まずステップS701では、CPU113は、各補正値(HOB、VOBの各補正値)の初期値の候補を取得する。すなわち、CPU113は、絞り101を完全に絞ることでダーク画像を取得し、露光時間を1/60[s]に設定して、各列アンプゲイン(×1倍、×2倍、×4倍)に対応する初期値の候補を取得する。CPU113はさらに、列アンプゲインを×1倍に設定し、所定の露光時間(1/60、1/250、1/500)に対応する初期値の候補を取得する。このように、CPU113は、装置電源のオン時に、全画素を遮光した状態での撮像素子103の出力から初期値の候補を取得する。すなわちCPU113は、列アンプのゲインの代表値(×1倍、×2倍、×4倍)と露光時間の代表値(1/60、1/250、1/500[s])との複数の組み合わせによる複数の初期値の候補を取得する。なお、列アンプゲイン×1倍に対応する候補と露光時間1/60に対応する候補は、取得の際の条件が同じであるので共用できる。絞り101を完全に絞ることで、撮像素子103の全領域を黒画像とすることが可能となるので、HOB201、VOB202だけでなく有効画素領域200を黒画像用に使うことが可能である。1フレームで初期値の候補を取得できるので、出画時間への影響は少ない。
初期値の候補の取得においては、CPU113はまず、露光時間を1/60[s]で列アンプゲインを×1に設定したときに入力される黒画像(HOBデータ)を第1補正部105HのIIRフィルタ部に順次入力する。CPU113はまた、同様の条件に設定したときに入力される黒画像(VOBデータ)を第2補正部105VのIIRフィルタ部に列毎に入力する。そして、CPU113は、1フレーム入力終了後の各補正値を初期値の候補(1/60[s]で列アンプゲインが×1に対応する候補)としてメモリに記憶する。
次にCPU113は、露光時間を1/60[s]で列アンプゲインを×2に設定したときに入力される黒画像(HOBデータ)を第1補正部105HのIIRフィルタ部に順次入力する。CPU113はまた、同様の条件に設定したときに入力される黒画像(VOBデータ)を第2補正部105VのIIRフィルタ部に列毎に入力する。そして、CPU113は、1フレーム入力終了後の各補正値を初期値の候補(1/60[s]で列アンプゲインが×2に対応する候補)としてメモリに記憶する。CPU113は、列アンプゲイン×4についても同様の処理を実施し、各補正値を初期値の候補(1/60[s]で列アンプゲインが×4に対応する候補)としてメモリに記憶する。
さらに、同様にして、CPU113は、露光時間を1/250、1/500[s]で列アンプゲインを×1に設定したときに入力される黒画像に基づいて、各補正値を算出する。そしてCPU113は、各補正値を初期値の候補(1/250、1/500[s]で列アンプゲインが×1に対応する各候補)としてメモリに記憶する。従って、第1補正部105Hに関する初期値の候補は5種類が取得され、第2補正部105Vに関する初期値の候補は5種類×水平画素分が取得される。
なお、列アンプのゲインの代表値と露光時間の代表値との複数の組み合わせの数や態様は例示したものに限定されない。例えば、露光時間制御によるHDRモード時の各フレームの列アンプゲインの代表値は×1倍のみとするが、×2、×4の組み合わせでの制御を行う場合は、それらの列アンプゲインと露光時間との組み合わせによる初期値の候補を取得するようにしてもよい。
なお、ステップS701ではさらに、初期値の候補の取得が完了すると、CPU113は、絞り101を開けてHDRモードではない通常撮影モードにて撮像素子からの読み出しを行う。そして、ステップS702で、CPU113は、撮影モードがHDRモードに移行するか否かを判別する。このモード変更はユーザから指示される。次に、ステップS703では、CPU113は、撮像素子103からの画像データより、HDRモードでの輝度レベルの高い偶数フレーム、輝度レベルの低い奇数フレームの各々に適した最適露出条件(露光時間/列アンプゲイン)を算出・決定する。ステップS704では、CPU113は、これから実施するHDRモードの制御態様が、「列アンプ制御」または「露光時間制御」のいずれであるかを判別する。ここで、列アンプ制御、露光時間制御については第1の実施の形態で説明した通りである。HDRモードの制御態様は、HDRモードへの移行時にユーザによって指定可能である。
そして、HDRモードの制御態様が列アンプ制御である場合は、CPU113は、処理をステップS705へ進め、補正値をロードする。すなわち、CPU113は、初期値の候補のうち、偶数フレーム、奇数フレームの各最適露出条件における列アンプゲインに対応する候補を補正部105H、105VのIIRフィルタ部の各々に初期値として(数式1のYn−1値として)設定する。例えばCPU113は、奇数フレームについて、列アンプゲインが×1の場合は、×1に対応する候補を、第1IIRフィルタ部402、IIRフィルタ部X_Oのそれぞれに初期値としてロードする。またCPU113は、偶数フレームについて、列アンプゲインが×2の場合は、×2に対応する候補を、第2IIRフィルタ部403、IIRフィルタ部X_Eのそれぞれに初期値としてロードする。その後、処理はステップS712に進む。
ステップS712では、CPU113は、第1の実施の形態で述べたような2回路動作による補正処理、すなわち、複数モードの実行を開始する。そして、ステップS713では、CPU113は、通常モードへの切り替え指示があると、通常モードへ切り替えてから処理をステップS702に戻し、電源オフが指示されると図7の処理を終了させる。
ステップS704で、HDRモードの制御態様が露光時間制御である場合は、CPU113は、温度センサ112から撮像素子103の温度を取得して、ステップS708に進む。ステップS708では、CPU113は、撮像素子103の温度が所定温度以下(撮像素子温度≦所定温度)で、且つ、奇数フレーム/偶数フレーム間の露光時間差が所定時間差以下(露光時間差≦所定時間差)であるか否かを判別する。そして、撮像素子温度≦所定温度で且つ露光時間差≦所定時間差という条件が成立する場合は、CPU113は、ステップS709へ移行し、単一モードの実行を開始して、処理をステップS713に進める。
ここで、撮像素子温度が高いほど暗電流が増加するので、露光時間差による黒レベルの変動は撮像素子温度が高いほど大きく、撮像素子温度が低いほど小さい。また、奇数フレームと偶数フレームとの間の露光時間差が大きければ黒レベルの変動が大きく、露光時間差が小さいほど黒レベルの変動が小さい。それゆえCPU113は、上記条件が成立する場合は、黒レベル変動が十分に小さいと推測できるので、単一モードによる1回路動作で補正部105を動作させる。偶数フレーム、奇数フレームの黒レベルの変動が小さいので1回路のIIRフィルタ部で補正することで、垂直シェーディング、水平縦線を正確に補正することが可能である。なお、CPU113は、撮像素子温度と露光時間差との関係をテーブルデータとして持ち、両者の関係から、複数モード、単一モードのいずれを選択するかを決定してもよい。
一方、ステップS708で、撮像素子温度≦所定温度で且つ露光時間差≦所定時間差という条件が成立しない場合は、CPU113は、複数モードを採用するべく、処理をステップS710に進める。ステップS710では、CPU113は、最適露出条件における露光時間がいずれかの代表値(1/60、1/250、1/500)に近いか否かを判別する。ここで、露光時間と最も近い代表値との差が所定以内である場合に、露光時間が代表値に近いと判別されるとし、偶数フレーム、奇数フレームの各露光時間について判断される。偶数フレーム、奇数フレームの各露光時間のうちいずれかが代表値から遠いと判別された場合は、処理はステップS711に進む。なお、上記条件は、第1補正部105H、第2補正部105Vのそれぞれについて判別され、判別結果によって処理が分岐する。その判別の結果、CPU113は、露光時間がいずれかの代表値に近い場合は処理をステップS706へ進め、そうでない場合は処理をステップS711に進める。
ステップS706では、CPU113は、最適露出条件における露光時間に最も近い代表値に対応する候補を、各IIRフィルタ部に初期値としてロードする。その後、処理はステップS712に進む。例えば奇数フレームの露光時間が1/260だとすると1/250に近く、偶数フレームの露光時間が1/60だとすると1/60に近い(同一である)。この場合は、露光時間1/250[s]、1/60[s]に対応する候補が初期値としてロードされる。
ステップS711では、CPU113は、「初期2回路動作」を実行する。この初期2回路動作の詳細は図8で説明するが、ここで概説すると、CPU113は、最適露出条件における露光時間と同じかまたは最も近い代表値に対応する候補を初期値として設定する。そしてCPU113は、使用するIIRフィルタ部の切り替えを所定回数(例えば2回とするが数は問わない)、交互に繰り返し、露出条件を最適露出条件へと徐々に近づけていく。そして、所定回数の切り替えが完了すると、ステップS712での複数モードが開始される。
図8は、ステップS711で実行される初期2回路動作の例を示すタイミングチャートである。奇数フレームについての最適露出条件における露光時間が1/800[s]、偶数フレームについての最適露出条件における露光時間が1/80[s]であるとする。VD信号800は1フレーム毎に出力される。実線で示されるリセット信号801は、撮像素子103内の電荷をリセットするための信号である。破線で示される読み出し信号802は、撮像素子103から画像データを読み出すタイミングを規定する。リセット信号801から読み出し信号802までの区間が露光時間となる。また、「IIRフィルタ奇」は奇数フレームに対応するIIRフィルタ部が作動しており、「IIRフィルタ偶」は偶数フレームに対応するIIRフィルタ部が動作していることを示している。
奇数フレームについては最適露出条件における露光時間が1/800[s]である。そこでCPU113は、代表値の中で1/800に一番近い1/500[s]に露光時間を設定し、さらに1/500[s]に対応する候補を初期値としてロードして、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。CPU113は、次の奇数フレームの読み出し時には露光時間を1/650[s]に設定し、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。CPU113は、更に次の奇数フレーム読み出し時には露光時間を1/800[s]に設定し、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。これにて、奇数フレームに関する初期2回路動作は完了する。
一方、偶数フレームについては最適露出条件における露光時間が1/80[s]である。そこでCPU113は、代表値の中で1/80に一番近い1/60[s]に露光時間を設定し、さらに1/60[s]に対応する候補を初期値としてロードして、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。CPU113は、次の偶数フレームの読み出し時には露光時間を1/70[s]に設定し、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。CPU113は、更に次の偶数フレーム読み出し時には露光時間を1/80[s]に設定し、IIRフィルタ部を動作させて補正値を更新する。これにて、偶数フレームに関する初期2回路動作は完了する。
このように、露光時間を徐々に変えていくことで、HDRモードの初期動作時における黒レベルの変動を小さくし、パカツキや縦線を改善することができる。初期2回路動作が完了すると、CPU113は、ステップS712に遷移し、通常の2回路動作である複数モードを開始する。なお、初期2回路動作時には、最適露出条件における露光時間とは異なる値に露光時間が設定されている。そこで、画像合成前の第1画像処理部106におけるデジタルゲインで調整することで、最適露出条件時の画像と同等の輝度レベルになるように補正してもよい。
本実施の形態によれば、合成モード時に複数モードを実行することで、フレームごとに黒レベルが変動することに起因する画像品位の低下を抑制することに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、HDRモードへの移行時に、フレームごとに決定した最適露出条件と撮像素子温度とに基づいて、複数モードまたは単一モードのいずれかを採用するので、黒レベルの変動の程度の予測に応じてモードを選択できる。特に、列アンプ制御の場合は複数モードが採用され、複数モードの動作を開始するにあたって、初期値の候補のうち最適露出条件における列アンプゲインに対応する候補がIIRフィルタ部に初期値として設定される。これにより、露光時間による黒レベルの変動を小さくすることができる。
また、露光時間制御の場合、撮像素子温度が所定温度以下で且つ第1露出レベルに対応する露光時間と前記第2露出レベルに対応する露光時間との差(露光時間差)が所定時間差以下という条件が成立する場合は、単一モードが採用される。これにより、黒レベルの変動が小さいと推測される場合に処理を簡素化できる。一方、この条件が成立しない場合は、代表値のうち最適露出条件における露光時間と同じかまたは最も近い代表値に対応する候補がIIRフィルタ部に初期値として設定されて、複数モードが開始される。これにより、黒レベルの変動が大きいと推測される場合に、黒レベルの変動を小さくすることができる。
また、IIRフィルタ部に初期値が設定された後、露出条件を最適露出条件へ徐々に遷移させてから複数モードの動作が開始される。これにより、HDRモードの初期動作時における黒レベルの変動を小さくすることができる。
なお、本実施の形態において、ステップS708でNOと判別された場合でも、被写体の動きが激しいときは、ステップS711を省略してステップS712に移行するようにしてもよい。
なお、HDRモード時に使用するIIRフィルタ部を切り替える処理を第1補正部105H、第2補正部105Vのいずれかだけに適用する構成も本発明に含まれる。
なお、上記各実施の形態では、HDRモード時に、2つ(または2つの群)のIIRフィルタ部が奇数フレームと偶数フレームとで切り替え対象となる例を説明した。しかし、IIRフィルタ部は3つ(または3つの群)以上を設け、それらのうち2つ(または2つの群)のIIRフィルタ部を切り替え対象としてもよい。また、3枚以上の画像を合成するような合成モードを採用した場合に、3つ(または3つの群)以上のIIRフィルタ部を順番に切り替える制御を行うようにしてもよい。
なお、本発明はビデオカメラだけでなく、デジタルスチルカメラ、テレビカメラ等の各種の撮像装置に適用可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
103 撮像素子
105 補正部
107 合成部
113 CPU
200 有効画素領域
201 HOB
202 VOB
402、403、X_O、X_E IIRフィルタ部

Claims (15)

  1. 画素が二次元の行列状に配置され、有効画素領域と遮光画素領域とを有する撮像素子と、
    前記遮光画素領域から出力された黒レベルに基づき補正値を各々が生成する複数の生成部を有する補正手段と、
    合成モード時に、フレーム単位で露出レベルを異ならせて前記撮像素子から画像を出力させる制御手段と、
    前記合成モード時に、前記有効画素領域から出力され前記補正手段により前記補正値で補正された画像であって互いに露出レベルが異なる画像を合成する合成手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記合成モード時には、前記補正手段における、前記補正値の生成に使用する生成部をフレーム単位で切り替えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記生成部には、第1の生成部と第2の生成部とが含まれ、
    前記制御手段は、前記合成モード時には、フレーム単位で露出レベルを第1露出レベルと前記第1露出レベルよりも高い第2露出レベルとに交互に切り替え、露出レベルを前記第1露出レベルにしたときは前記第1の生成部を使用し、露出レベルを前記第2露出レベルにしたときは前記第2の生成部を使用するよう、前記生成部を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記遮光画素領域には水平オプティカルブラック部が含まれ、前記生成部は前記水平オプティカルブラック部に対応して複数あることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記遮光画素領域には垂直オプティカルブラック部が含まれ、前記生成部は、前記垂直オプティカルブラック部に対応して列ごとに複数あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記生成部は、前記補正値の前回値と前記遮光画素領域から出力された最新の黒レベルとに所定の重み付けを行って前記補正値を更新することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像素子の温度を検出する検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記合成モード時には、前記補正値の生成に使用する生成部をフレーム単位で切り替える第1モードと、前記第1の生成部または前記第2の生成部のいずれかだけを前記補正値の生成に使用する第2モードとを選択的に採用可能であり、
    前記制御手段は、前記撮像素子の温度が所定温度以下で且つ前記第1露出レベルに対応する露光時間と前記第2露出レベルに対応する露光時間との差が所定時間差以下である場合は前記第2モードを採用し、それ以外の場合は前記第1モードを採用することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  7. 前記撮像素子の温度を検出する検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記合成モード時には、前記補正値の生成に使用する生成部をフレーム単位で切り替える第1モードと、前記第1の生成部または前記第2の生成部のいずれかだけを前記補正値の生成に使用する第2モードとを選択的に採用可能であり、
    前記制御手段は、前記合成モードへの移行時に、フレームごとに露出条件を決定し、該決定した露出条件と前記撮像素子の温度とに基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードのいずれかを採用することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  8. 前記制御手段は、前記合成モード時に、前記撮像素子内の列アンプのゲインを制御する列アンプ制御により露出条件を制御する場合は前記第1モードを採用することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記制御手段は、装置電源のオン時に、全画素を遮光した状態での前記撮像素子の出力から、前記列アンプのゲインの代表値と露光時間の代表値との複数の組み合わせによる複数の初期値の候補を取得し、
    前記制御手段は、前記第1モードの動作を開始するにあたって、前記複数の初期値の候補のうち前記決定した露出条件における前記列アンプのゲインに対応する候補を前記複数の生成部に初期値として設定することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記制御手段は、前記合成モード時に、露光時間を制御する露光時間制御により露出条件を制御する場合、前記撮像素子の温度が所定温度以下で且つ前記決定した露出条件における前記第1露出レベルに対応する露光時間と前記第2露出レベルに対応する露光時間との差が所定時間差以下である場合は、前記第2モードを採用することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  11. 前記制御手段は、前記合成モード時に、露光時間を制御する露光時間制御により露出条件を制御する場合、前記撮像素子の温度が所定温度より高いかまたは、前記決定した露出条件における前記第1露出レベルに対応する露光時間と前記第2露出レベルに対応する露光時間との差が所定時間差より大きい場合は、前記第1モードを採用することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  12. 前記制御手段は、装置電源のオン時に、全画素を遮光した状態での前記撮像素子の出力から、前記撮像素子内の列アンプのゲインの代表値と露光時間の代表値との複数の組み合わせによる複数の初期値の候補を取得し、
    前記制御手段は、前記合成モード時に、前記露光時間制御で露出条件を制御する場合であって且つ前記第1モードを採用する場合は、前記代表値のうち前記決定した露出条件における露光時間と同じかまたは最も近い代表値に対応する候補を前記複数の生成部に初期値として設定することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記制御手段は、前記複数の生成部に前記初期値を設定した後、露出条件を前記決定した露出条件へ徐々に遷移させてから、前記第1モードの動作を開始することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 画素が二次元の行列状に配置され、有効画素領域と遮光画素領域とを有する撮像素子と、前記遮光画素領域から出力された黒レベルに基づき補正値を各々が生成する複数の生成部を有する補正手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
    合成モード時に、前記有効画素領域から出力され前記補正手段により前記補正値で補正された画像であって互いに露出レベルが異なる画像を合成する合成ステップと、を有し、
    前記合成モード時に、フレーム単位で露出レベルを異ならせて前記撮像素子から画像を出力させると共に、前記補正手段における、前記補正値の生成に使用する生成部をフレーム単位で切り替える制御ステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  15. 請求項13に記載の撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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