JP3206826U - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】RTSノイズのような一定範囲内で変動するノイズが発生する場合であっても、高画質な画像を得ることができる画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置30は、RTSノイズ画素判定部302aによって周辺画素の全てにおいて点滅欠陥ノイズが発生すると判定された場合、周辺画素の画素値の平均値を代表値として算出する一方、RTSノイズ画素判定部302aによって周辺画素の少なくとも1つが点滅欠陥ノイズを発生しないと判定された場合、周辺画素の画素値における中央値を代表値として算出する代表値算出部302cと、注目画素の画素値、複数の候補値および代表値に基づいて、注目画素の画素値を補正する補正値算出部302eと、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、2次元状に配置された複数の画素を有する撮像素子に生じるRTSノイズのような一定範囲内で変動する点滅欠陥ノイズを補正する画像処理装置に関する。
近年、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子において、画素および該画素から信号を読み出す読み出し回路の微細化が進んでいる。このような微細化では、感度の低下および様々なノイズの増加が問題となっている。感度の低下に対しては、複数の画素を1つの読み出し回路で共有させて信号を読み出す共有画素構造をとることで、撮像素子における回路に必要な面積を削減し、各画素の開口率(受光部の割合)を増加させることによって、感度を向上させている。
一方、撮像素子で発生するノイズには、暗電流による暗電流ショットノイズおよび読み出し回路での熱雑音等に起因するランダムノイズ以外にも、画素値が常に異常値を示す欠陥画素、および画素値が撮像毎に変動する点滅欠陥ノイズ等がある。このような点滅欠陥ノイズの中には、読み出し回路に起因するRTS(Random Telegraph Signal)ノイズがある。このRTSノイズを補正する技術として、撮影された画像における注目画素の画素値、該注目画素の周辺画素の画素値および予め撮像素子の画素毎に検出したRTSノイズのノイズレベル(以下、「RTSノイズレベル」という)に基づいて、注目画素に対してRTSノイズの影響があるか否かを判定し、RTSノイズの影響があると判定された場合、この注目画素の画素値に対してRTSノイズレベルだけ加算または減算する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2012−105063号公報
ところで、RTSノイズは、一定範囲内で変動するため、上述した特許文献1のように、常に同じRTSノイズレベルを注目画素の画素値に対して加算または減算するだけでは過補正が発生することによって、十分な画質を得ることができないという問題点があった。
本考案は、上記に鑑みてなされたものであって、RTSノイズのような一定範囲内で変動する点滅欠陥ノイズが発生する場合であっても、高画質な画像を得ることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本考案に係る画像処理装置は、2次元状に配置され、外部から光を受光し、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子が生成した複数の画像データに含まれる点滅欠陥ノイズを補正する画像処理装置であって、前記読み出し回路の位置情報または前記複数の画素の各々の位置情報と、前記読み出し回路に起因する点滅欠陥ノイズに関する特徴量と、を対応付けたノイズ情報を記録するノイズ情報記録部と、前記ノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に基づいて、注目画素に前記点滅欠陥ノイズが発生するか否かを判定するノイズ画素判定部と、前記ノイズ画素判定部によって前記注目画素に前記点滅欠陥ノイズが発生すると判定された場合、前記ノイズ情報記録部が記録する前記ノイズ情報と前記注目画素の画素値とに基づいて、前記点滅欠陥ノイズを補正する補正量を示す複数の候補値を算出する候補値算出部と、前記注目画素における周辺画素の画素値から代表値を算出する代表値算出部と、前記注目画素の画素値、前記複数の候補値および前記代表値に基づいて、前記注目画素の画素値を補正する補正値算出部と、を備え、前記ノイズ画素判定部は、前記ノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に基づいて、前記周辺画素の全てにおいて前記点滅欠陥ノイズが発生するか否かをさらに判定し、前記代表値算出部は、前記ノイズ画素判定部によって前記周辺画素の全てにおいて前記点滅欠陥ノイズが発生すると判定された場合、前記周辺画素の画素値の平均値を前記代表値として算出する一方、前記ノイズ画素判定部によって前記周辺画素の少なくとも1つが前記点滅欠陥ノイズを発生しないと判定された場合、前記周辺画素の画素値における中央値を前記代表値として算出することを特徴とする。
本考案によれば、RTSノイズのような一定範囲内で変動する点滅欠陥ノイズが発生する場合であっても、高画質な画像を得ることができるという効果を奏する。
図1は、本考案の一実施の形態に係る撮像システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、本考案の一実施の形態に係る撮像素子の要部の構成を模式的に示す概略図である。 図3は、本考案の一実施の形態に係る撮像素子に光が当たらないように遮光した場合において、RTSノイズが発生しているときに、アンプ部から出力されるアンプ出力の変動を示す図である。 図4は、RTSノイズが発生しているアンプ部を用いて読み出された画素値の分布を示す図である。 図5は、本考案の一実施の形態に係る画像処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図6は、図5の代表値算出処理の概要を示すフローチャートである。 図7は、ランダムノイズモデルの一例を示す図である。 図8は、図5の補正値算出処理の概要を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本考案を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本考案が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
〔撮像システムの構成〕
図1は、本考案の一実施の形態1に係る撮像システムの構成を模式的に示すブロック図である。図1に示す撮像システム1は、撮像装置10と、画像処理装置30と、表示装置40と、を備える。
〔撮像装置の構成〕
まず、撮像装置10の構成について説明する。撮像装置10は、図1に示すように、光学系101と、絞り102と、シャッタ103と、ドライバ104と、撮像素子105と、アナログ処理部106と、A/D変換部107と、操作部108と、メモリI/F部109と、記録媒体110と、揮発メモリ111と、不揮発メモリ112と、バス113と、撮像制御部114と、第1外部I/F部115と、を備える。
光学系101は、複数のレンズを用いて構成される。光学系101は、例えばフォーカスレンズとズームレンズとを用いて構成される。
絞り102は、光学系101が集光した光の入射量を制限することで露出の調整を行う。絞り102は、撮像制御部114の制御のもと、光学系101が集光した光の入射量を制限する。
シャッタ103は、撮像素子105の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ103は、例えばフォーカルプレーンシャッタ等を用いて構成される。
ドライバ104は、後述する撮像制御部114の制御のもと、光学系101、絞り102およびシャッタ103を駆動する。例えば、ドライバ104は、光学系101を光軸O1に沿って移動させることによって、撮像装置10のズーム倍率の変更またはピント位置の調整を行う。
撮像素子105は、後述する撮像制御部114の制御のもと、光学系101が集光した光を受光して画像データ(電気信号)に変換して出力する。撮像素子105は、複数の画素が二次元状に配置されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。この各画素の前面には、ベイヤー配列のRGBフィルタが配置されている。なお、撮像素子105は、ベイヤー配列に限定されず、例えばFovionのような積層型の形式でも勿論かまわない。また、用いるフィルタはRGBに限定されず、補色フィルタ等任意のフィルタを適用できる。また、別途、異なるカラー光を時分割で照射可能な光源を配置し、撮像素子105には、フィルタを配置せず、照射する色を変更しながら順次取り込んだ画像を使用してカラー画像を構成できるようにしてもよい。
ここで、撮像素子105の構成について詳細に説明する。図2は、撮像素子105の要部の構成を模式的に示す概略図である。なお、図2に示す撮像素子105は、画素の開口率向上により感度を向上させるため、複数の画素で読み出し回路を共有している例を示している。なお、図2に示す撮像素子105は、水平方向(横方向)に2画素×垂直方向(縦方向)に4画素の8画素に対して、1つの読み出し回路が配置されている。なお、図2においては、水平方向(横方向)に2画素×垂直方向(縦方向)に4画素の8画素に対して、1つの読み出し回路を1グループとする例を説明したが、本実施の形態1の撮像素子105上には、上述した画素および読み出し回路が、水平方向および垂直方向に並んで配置されている。
図2に示すように、撮像素子105は、露光により光を受光し、光電変換を行うことによって、露光量に対応した電荷を発生する複数の画素105a(フォトダイオード)と、複数の画素105aの各々に設けられ、撮像制御部114の制御に応じて開閉する複数の第1スイッチ105bと、複数の画素105aの各々から出力された信号(電荷)を垂直方向に転送する垂直転送線105cと、複数の画素105aの各々から出力された信号を蓄積するFD部105d(Floating Diffusion)と、FD部105dから出力された信号を増幅するアンプ部105eと、撮像制御部114の制御に応じて開閉する第2スイッチ105fと、第2スイッチ105fを制御する制御線105gと、アンプ部105eで増幅された電気信号を転送する転送線105hと、を備える。
このように構成された撮像素子105は、画素105a(1)〜105a(8)における露光量に対応する信号を画素値として読み出す場合、まず、FD部105dをリセット状態にして、撮像制御部114が第1スイッチ105b(1)のみをオンとすることで、画素105a(1)に発生した電荷をFD部105dに転送する。その後、撮像素子105は、撮像制御部114が第2スイッチ105fをオンとすることで、FD部105dに蓄積された電荷をアンプ部105eによって増幅させて画素値として読み出す(出力する)。次に、撮像素子105は、FD部105dをリセット状態にして、撮像制御部114が第1スイッチ105b(2)のみをオンとすることで、画素105a(2)に発生した電荷をFD部105dに転送する。その後、撮像素子105は、撮像制御部114が第2スイッチ105fをオンとすることで、FD部105dに蓄積された電荷をアンプ部105eによって増幅させて画素値として読み出す。撮像素子105は、このような読み出し動作を順次行うことによって、画素105a(1)〜105a(8)における露光量に対応する信号を順次画素値として出力することができる。なお、本実施の形態1では、アンプ部105eが複数の画素105aの各々から電荷を読み出す読み出し回路として機能する。
図1に戻り、撮像装置10の構成の説明を続ける。
アナログ処理部106は、撮像素子105から入力されるアナログ信号に対して、所定のアナログ処理を施してA/D変換部107へ出力する。具体的には、アナログ処理部106は、撮像素子105から入力されるアナログ信号に対して、ノイズ低減処理およびゲインアップ処理等を行う。例えば、アナログ処理部106は、アナログ信号に対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるようにゲインアップを行う。
A/D変換部107は、アナログ処理部106から入力されるアナログ信号に対して、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データ(以下、「RAW画像データ」という)を生成し、バス113を介して揮発メモリ111に出力する。なお、A/D変換部107は、後述する撮像装置10の各部に対してRAW画像データを直接出力するようにしてもよい。なお、上述したアナログ処理部106とA/D変換部107を撮像素子105に設け、撮像素子105がデジタルのRAW画像データを直接出力するようにしても良い。
操作部108は、撮像装置10の各種の指示を与える。具体的には、操作部108は、撮像装置10の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り替える電源スイッチ、静止画撮影の指示を与えるレリーズスイッチ、撮像装置10の各種設定を切り替える操作スイッチおよび動画撮影の指示を与える動画スイッチ等を有する。
記録媒体110は、撮像装置10の外部から装着されるメモリカードを用いて構成され、メモリI/F部109を介して撮像装置10に着脱自在に装着される。また、記録媒体110は、撮像制御部114の制御のもと、メモリI/F部109を介してプログラムおよび各種情報それぞれを不揮発メモリ112に出力してもよい。
揮発メモリ111は、バス113を介してA/D変換部107から入力されるRAW画像データを一時的に記憶する。例えば、揮発メモリ111は、アナログ処理部106、A/D変換部107およびバス113を介して、撮像素子105が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記憶する。揮発メモリ111は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等を用いて構成される。
不揮発メモリ112は、撮像装置10を動作させるための各種プログラム、プログラムの実行中に使用される各種データを記録する。また、不揮発メモリ112は、プログラム記録部112aと、第1外部I/F部115を介して入力される撮像素子105におけるRTSノイズのRTSノイズ位置情報を記録するRTSノイズ情報記録部112bと、ランダムノイズモデルを記録するランダムノイズモデル情報記録部112cと、を有する。不揮発メモリ112は、Flashメモリ等を用いて構成される。
バス113は、撮像装置10の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成され、撮像装置10の内部で発生した各種データを撮像装置10の各構成部位に転送する。
撮像制御部114は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、操作部108からの指示信号やレリーズ信号に応じて撮像装置10を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って撮像装置10の動作を統括的に制御する。例えば、撮像制御部114は、操作部108からセカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置10における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置10における撮影動作とは、撮像素子105が出力した画像データに対し、アナログ処理部106およびA/D変換部107が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、撮像制御部114の制御のもと、バス113およびメモリI/F部109を介して記録媒体110に記録される。
第1外部I/F部115は、バス113を介して外部の機器から入力される情報を不揮発メモリ112または揮発メモリ111へ出力する一方、バス113を介して外部の機器へ揮発メモリ111が記録する情報、不揮発メモリ112が記憶する情報および撮像素子105が生成した画像データを出力する。具体的には、第1外部I/F部115は、バス113を介して画像処理装置30に撮像素子105が生成した画像データを出力する。
〔画像処理装置の構成〕
次に、画像処理装置30の構成について説明する。画像処理装置30は、第2外部I/F部301と、RTSノイズ補正部302と、画像処理部303と、を備える。
第2外部I/F部301は、撮像装置10の第1外部I/F部115を介して撮像素子105によって生成された画像データおよび不揮発メモリ112から出力されたRTSノイズに関するRTSノイズ情報を取得し、取得した画像データおよびRTSノイズ情報をRTSノイズ補正部302へ出力する。
RTSノイズ補正部302は、撮像装置10の不揮発メモリ112のRTSノイズ情報記録部112bに記録されているRAW画像に対してRTSノイズを補正するRTSノイズ補正処理を行い、この補正を行ったRAW画像を画像処理部303へ出力する。RTSノイズ補正部302は、RTSノイズ画素判定部302aと、候補値算出部302bと、代表値算出部302cと、ランダムノイズ量推定部302dと、補正値算出部302eと、を有する。
RTSノイズ画素判定部302aは、撮像装置10のRTSノイズ情報記録部112bに記録されているRTSノイズ情報を、第2外部I/F部301、第1外部I/F部115およびバス113を介して取得し、取得したRAW画像上の画素においてRTSノイズが発生するか否かを判定し、判定結果を候補値算出部302bおよび代表値算出部302cへ出力する。具体的には、RTSノイズ画素判定部302aに対して画素の位置が入力されると、その画素に対応するRTSノイズ情報が撮像装置10のRTSノイズ情報記録部112bに記録されているかを判定し、記録されていればRTSノイズ情報(RTSノイズが有りを示す情報)を出力する一方、撮像装置10のRTSノイズ情報記録部112bに記録されていなければ、RTSノイズが発生しない画素と見なし、RTSノイズ情報を出力しない。また、RTSノイズ画素判定部302aは、RTSノイズ情報に基づいて、注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素でRTSノイズの発生の可能性があるか否かを判定する。
候補値算出部302bは、注目画素のRAW画像における画素値と、RTSノイズ画素判定部302aの判定結果とに基づいて、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生すると判定されている場合、注目画素の画素値に対する補正量の候補値を複数算出し、注目画素のRAW画像における画素値と、算出した複数の候補値を代表値算出部302c、ランダムノイズ量推定部302dおよび補正値算出部302eそれぞれへ出力する。
代表値算出部302cは、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生すると判定されている場合には、注目画素における周囲の少なくともRTSノイズ画素判定部302aによってRTSノイズが発生しないと判定されている画素と、後述するランダムノイズ量推定部302dが算出した注目画素に対応するランダムノイズ量の参照値とに基づいて、RTSノイズが発生しない場合の画素値に相当する代表値を算出する。代表値算出部302cは、注目画素のRAW画像における画素値と、複数の候補値と、上述で算出した代表値と、を補正値算出部302eへ出力する。また、代表値算出部302cは、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素の周辺画素の全てにおいてRTSノイズが発生すると判定された場合、注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素の画素値の平均値を算出し、この平均値を代表値として算出する一方、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素の周辺画素の少なくとも1つがRTSノイズを発生しないと判定された場合、注目画素の周辺画素の画素値における中央値を代表値として算出する。
ランダムノイズ量推定部302dは、撮像装置10のランダムノイズモデル情報記録部112cが記録するランダムノイズモデルに基づいて、画素値に対応するランダムノイズ量を推定し、推定結果を代表値算出部302cへ出力する。即ち、ランダムノイズ量推定部302dに対して画素値を入力すると、その画素値に対応するランダムノイズ量が出力される。
補正値算出部302eは、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生する可能性がある画素と判定されている場合、候補値算出部302bが算出した複数の候補値に基づいて、注目画素の画素値を補正する。具体的には、補正値算出部302eは、注目画素のRAW画像における画素値と、候補値算出部302bによって算出された複数の候補値と、代表値算出部302cによって算出された代表値と、に基づいて、RTSノイズを補正した画素値を算出して、画像処理部303へ出力する。より具体的には、補正値算出部302eは、候補値算出部302bが算出した複数の候補値の中から、代表値算出部302cが算出した代表値に補正結果が最も近くなるような候補値に基づいて、注目画素の画素値を補正する。これに対して、補正値算出部302eは、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生しない画素と判定されている場合、注目画素のRAW画像における画素値をそのまま出力する。
画像処理部303は、RTSノイズ補正部302によってRTSノイズが補正された画像データに対して、所定の画像処理を行って表示装置40へ出力する。ここで、所定の画像処理とは、少なくとも、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、撮像素子がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理、カラーマトリクス演算処理、γ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理、ノイズ低減処理等を含む基本の画像処理を行う。また、画像処理部303は、予め設定された各画像処理のパラメータに基づいて、自然な画像を再現する画像処理を行う。ここで、各画像処理のパラメータとは、コントラスト、シャープネス、彩度、ホワイトバランスおよび階調の値である。
〔表示装置の構成〕
次に、表示装置40の構成について説明する。表示装置40は、画像処理装置30から入力される画像データに対応する画像を表示する。表示装置40は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネル等を用いて構成される。
以上の構成を有する撮像システム1は、画像処理装置30がRTSノイズを補正し、表示装置40が画像処理装置30によって画像処理が施された画像データに対応する画像を表示する。
〔RTSノイズの発生原因と特性〕
次に、RTSノイズの発生原因とRTSノイズの特性について説明する。
図3は、撮像素子105に光が当たらないように遮光した場合において、RTSノイズが発生するときに、アンプ部105eから出力されるアンプ出力の変動を示す図である。図4は、RTSノイズが発生するアンプ部105eを用いて読み出された画素値の分布を示す図である。
RTSノイズは、アンプ部105eにおけるゲート酸化膜にトラップ準位が存在した場合、ランダムなタイミングで、このトラップ準位に電荷が捕獲されたり、放出されたりすることで発生する。このため、図3に示すように、RTSノイズが発生するアンプ部105eでは、アンプ出力Vが約Vrtsの範囲でランダムに変動する。また、電位の変動は、一瞬で起こらず、わずかな時間τを要する。
一般に、撮像素子105では、画素105aから読み出した画素値からノイズを低減するため、相関二重サンプリング処理(以下、「CDS処理」という))が行われる。CDS処理では、撮像制御部114が撮像素子105のリセットスイッチ(図示せず)をオンにして、FD部105dの電荷をリセットさせ、さらに、撮像制御部114が第2スイッチ105fをオンにして、リセット状態を作り、リセット状態の信号(基準信号)を読み出す(出力する)。次に、CDS処理では、撮像制御部114が第1スイッチ105b(または第1スイッチ105b(1)〜105b(8)のいずれか)のみをオンにして、画素105aで発生した電荷をFD部105dに転送し、さらに第2スイッチ105fをオンにした読み出し状態(出力状態)を作り、読み出し状態の信号を読み出す(出力する)。続いて、CDS処理では、読み出し状態の信号からリセット状態の信号(基準信号)を減算することで得られる信号を画素値として変換する。
図3に示すように、撮像素子105は、CDS処理により、タイミングtr1(リセット状態)およびタイミングts1(読み出し状態)それぞれの信号を読み出すと、タイミングtr1およびタイミングts1それぞれのアンプ出力Vがほぼ同様であるため、主にランダムノイズによる影響を受け、読み出された画素値が図4に示す分布Aのような0を中心とした分布となる。同様に、撮像素子105は、タイミングtr2(リセット状態)とタイミングts2(読み出し状態)でも、タイミングtr2およびタイミングts2それぞれのアンプ出力Vがほぼ同様であるため、読み出された画素値が図4に示す分布Aのようになる。
一方、撮像素子105は、CDS処理により、タイミングtr3(リセット状態)およびタイミングts3(読み出し状態)それぞれの信号を読み出すと、タイミングtr3のアンプ出力と比べタイミングts3のアンプ出力が約Vrts低いため、2つの信号の差をとると、アンプ出力の変化量であるVrtsに対応する画素値であるRTS_Value分マイナス方向にシフトし、読み出された画素値が−RTS_Valueを中心とした分布Bとなる。
これに対して、撮像素子105は、CDS処理により、タイミングtr4(リセット状態)およびタイミングts4(読み出し状態)それぞれの信号を読み出すと、タイミングtr4のアンプ出力に比べてタイミングts4のアンプ出力が約Vrts高いため、2つの信号の差をとるとアンプ出力の変化量であるVrtsに対応する画素値であるRTS_Value分プラス方向にシフトし、読み出された画素値がRTS_Valueを中心とした分布Cとなる。
ここで、図3のアンプ出力の変動は、時間τを要して生じるため、電位が変動している途中で信号を読み出す場合もある。この場合、リセット状態の読み出しタイミングおよび読み出し状態の読み出しタイミングの間で、アンプ出力差が−Vrtsより大きく、Vrtsより小さい。この結果、撮像素子105から読み出された画素値も、−RTS_Valueより大きく、RTS_Valueより小さな値となる。時間τは、撮像素子105の条件(例えば温度や駆動電圧等)が一定であれば、ほぼ一定になると考えられるため、−RTS_Valueより大きくRTS_Valueより小さな画素値が同様の確率で発生する。ここでは、これらの画素値の発生頻度をαnoiseと定義する。また、分布Bおよび分布Cの各々は、中央値のみ異なるが、それ以外は同様の分布となる。このため、以下においては、分布Aに対する分布Bまたは分布Cの割合をαrtsと定義する。このαrtsは、アンプ部105eのアンプ出力の変動周期が短いほど、大きくなる。
このように、CDS処理によりRTSノイズが発生するアンプ部105eを用いて読み出された画素値は、図4のような分布となる。なお、撮像素子105に光が当たっている条件では、読み出し状態の電位が露光量に応じて変化する。しかしながら、RTSノイズによる電位の変化は、露光量によらず一定である。即ち、RTSノイズは、露光量に依存せず、−RTS_Value以上、RTS_Value以下の範囲で正常な画素値に対してランダムに変動する特性を有する。なお、図4において、分布A、分布B、分布Cを模式的に示したが、一般には正規分布となる。
また、RTSノイズは、読み出し回路(アンプ部105e)に起因するノイズであるため、図2に示すように、複数の画素105aの各々が1つの読み出し回路を共有している場合、全ての共有画素(画素105a(1)〜105a(8))において同様の特性のRTSノイズが発生する。
また、図2に示した読み出し回路(アンプ部105e)以外にも、撮像素子105の列方向で共有しているカラムアンプやソースフォロア等においても、RTSノイズが発生する場合がある。この場合、同じカラムアンプおよびソースフォロアを共有する列方向の全ての画素においても同様の特性のRTSノイズが発生する。本実施の形態では、読み出し回路(アンプ部105e)以外の回路で発したRTSノイズにも適用することができる。
このようにRTSノイズは、被写体を固定して同じ条件で撮影した場合、撮影により得られた画像の画素値が一定範囲内(−RTS_Value以上、RTS_Value以下)で振幅(変動)するような点滅欠陥ノイズの一種となる。
〔画像処理装置の処理〕
次に、画像処理装置30が実行する処理について説明する。図5は、画像処理装置30が実行する処理の概要を示すフローチャートであり、画像処理装置30が実行するメインルーチンのフローチャートである。
まず、RTSノイズ補正部302は、後述するステップS102〜ステップS105の処理を順次行うための注目画素を設定する(ステップS101)。なお、RTSノイズ補正部302は、RAW画像における画素毎に左上から右下に向かってラスタ順に、0より大きい整数を1、2、3、・・・と順にインデックスとして割り当てる。次に、RTSノイズ補正部302は、ステップS101が実行される毎に、カウンタを1ずつ増加させる(図5の処理が開始される時点でカウンタは0にリセットする)。RTSノイズ補正部302は、カウンタが示しているインデックスが割り当てられている画素を注目画素として設定する。即ち、RTSノイズ補正部302によってステップS701が最初に実行されると、RTSノイズ補正部302が0にリセットされたカウンタを1増加させるため、カウンタが1を示し、左上の画素が注目画素となる。RTSノイズ補正部302がステップS101の処理を2回(2回目)実行すると、カウンタが2を示すため、左上の画素の右側の画素が注目画素となる。
続いて、RTSノイズ画素判定部302aは、第2外部I/F部301、第1外部I/F部115およびバス113を介して、撮像装置10の不揮発メモリ112のRTSノイズ情報記録部112bが記録するRTSノイズ情報を取得し、取得したRTSノイズ情報に基づいて、注目画素においてRTSノイズが発生している可能性があるか否かを判定する(ステップS102)。即ち、RTSノイズ画素判定部302aは、注目画素が含まれる共有画素ブロックの位置情報が、RTSノイズ情報に含まれているか否か判定する。具体的には、RTSノイズ画素判定部302aは、注目画素が含まれる共有画素ブロックの位置情報が、RTSノイズが発生する可能性がある共有ブロックとしてRTSノイズ情報に含まれているか否かを判定する。RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生する可能性がありと判定(注目画素が含まれる共有画素ブロックの位置情報が、RTSノイズ情報に含まれていると判定)された場合(ステップS102:Yes)、画像処理装置30は、後述するステップS103へ移行する。これに対して、RTSノイズ画素判定部302aによって注目画素においてRTSノイズが発生している可能がないと判定(注目画素が含まれる共有画素ブロックの位置情報が、RTSノイズ情報に含まれていないと判定)された場合(ステップS102:No)、画像処理装置30は、後述するステップS106へ移行する。この場合において、RTSノイズ画素判定部302aは、注目画素においてRTSノイズが発生している可能性がないと判定した場合、この注目画素のRAW画像における画素値をそのまま補正後の画素値として代表値算出部302cへ出力する。
ステップS103において、候補値算出部302bは、RTSノイズを補正するための補正量の候補値を複数算出する。具体的には、候補値算出部302bは、注目画素に対応するRTS_Value(RTSノイズ画素判定部302aから出力されるRTSノイズに含まれるRTSノイズ情報に含まれている)に基づいて、0以上RTS_Value以下の画素値として取り得る値全て(RAW画像として整数のみを取り得る場合、0以上RTS_Value以下の全ての整数)を候補値とする(候補値算出方法1)。なお、候補値算出部302bは、撮像制御部114によって撮像素子105のカラムアンプ等に設定されたアンプゲイン値が、RTSノイズ検出時(アンプゲイン値=G0とする)と、RTSノイズ補正時(アンプゲイン値=G1とする)とで異なる場合、RTS_Valueを、RTSノイズ補正時のアンプゲイン値とRTSノイズ検出時のアンプゲイン値との比(G=G1/G0)に対してRTS_Valueを乗算した値に置き換えてもよい。また、候補値算出部302bは、予め設定しうるアンプゲイン値毎のRTS_ValueをRTSノイズ情報に持たせ、この設定しているアンプゲイン値に応じたRTS_Valueを用いてもよい。
続いて、代表値算出部302cは、注目画素周辺のRAW画像の画素値に基づいて、代表値(注目画素において、RTSノイズが発生していない場合において予測されるRAW画像の画素値)を算出する代表値算出処理を実行する(ステップS104)。ステップS104の後、画像処理装置30は、後述するステップS105へ移行する。
〔代表値算出処理〕
図6は、図5のステップS104の代表値算出処理の概要を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、代表値算出部302cは、注目画素を基準に、代表値算出の対象とする最小の算出範囲を設定する(ステップS201)。具体的には、代表値算出部302cは、例えば注目画素を中心として対象の範囲で最大7×7の範囲を算出範囲とする場合、7×7以下の最小の範囲である3×3を最小の算出範囲として設定する。
続いて、代表値算出部302cは、注目画素近傍で発生するRAW画像におけるランダムノイズ量を算出するための参照値を算出する(ステップS202)。具体的には、代表値算出部302cは、注目画素のRAW画像における画素値を参照値として算出する(参照値参照方法1)。
その後、ランダムノイズ量推定部302dは、第2外部I/F部301、第1外部I/F部115およびバス113を介して不揮発メモリ112に記録されているランダムノイズモデルを取得し、注目画素の画素値または注目画素の近傍のRAW画像における参照値に応じたランダムノイズ量を算出する(ステップS203)。
図7は、ランダムノイズモデルの一例を示す図である。図7において、縦軸がノイズ量を示し、横軸が画素値を示す。なお、図7においては、縦軸のランダムノイズ量として画素値の標準偏差を用い、撮像素子105の特性に応じたランダムノイズモデルを示す。
図7の曲線L10に示すように、撮像素子105におけるランダムノイズ量は、画素値が大きくなるに従って増加する。このため、本実施の形態1におけるランダムノイズ量推定部302dは、図7の曲線L10のランダムノイズモデルに基づいて、ランダムノイズ量を算出する(標準偏差を算出する)。なお、図7に示した曲線以外にも、ランダムノイズモデルを近似式や折れ線で近似した特性であってもよい。
続いて、代表値算出部302cは、算出範囲内のRAW画素の画素値に基づいて、代表値算出に使用可能な画素値の範囲である許容範囲(有効範囲)を算出する(ステップS204)。具体的には、代表値算出部302cは、許容範囲(有効範囲)の上限を以下の式(1)によって算出する。
参照値+ランダムノイズ量(標準偏差)×R+RTS_Value ・・・(1)
ここで、Rは、所定の係数であり、ランダムノイズに対してRTSノイズが視覚的にどの程度把握できるかに応じて設定する。例えばRの係数としては、2前後の値が好ましい。また、代表値算出部302cは、許容範囲の下限を以下の式(2)によって算出する。
参照値−ランダムノイズ量(標準偏差)×R−RTS_Value ・・・(2)
なお、RTS_Valueに換えて、複数の候補値の最大値を用いてもよい。また、式(1)および式(2)における参照値は、上述したステップS203においてランダムノイズ量推定部302dによるランダムノイズ量を推定するために使用された参照値と異なる参照値算出方法により得られた参照値としてもよい。このように、代表値算出部302cは、注目画素のRTSノイズと、この注目画素の近辺のランダムノイズを考慮した許容範囲を算出することができる。
その後、代表値算出部302cは、算出範囲内において注目画素以外のRAW画像の画素値(カラーフィルタを用いた撮像素子105の場合、注目画素と同色の画素値)の各々に対して、上述したステップS204で算出した許容範囲内であるか否かを判定し、この許容範囲内の画素値の個数をカウントする(ステップS205)。このステップS205で得られるカウント値は、平坦な被写体の場合ほど大きく、エッジを含む被写体の場合ほど小さくなる傾向がある。なお、算出範囲内においてRTSノイズが発生している可能性がある画素は、カウントしないようにしても良い。
続いて、上述したステップS205でカウントしたカウント値が所定の値ThRefより大きい場合(ステップS206:Yes)、画像処理装置30は、後述するステップS209へ移行する。ここで、所定の値ThRefは、代表値算出部302cが注目画素の周辺画素から代表値を算出するため、1以上とすることが好ましい。これに対して、上述したステップS205でカウントしたカウント値が所定の値ThRefより大きくない場合(ステップ206:No)、画像処理装置30は、後述するステップS207へ移行する。
ステップS207において、代表値算出の対象とする算出範囲が最大である場合(ステップS207:Yes)、画像処理装置30は、後述するステップS209へ移行する。これに対して、代表値算出の対象とする算出範囲が最大でない場合(ステップS207:No)、画像処理装置30は、後述するステップS208へ移行する。
ステップS208において、代表値算出部302cは、代表値を算出する算出範囲を拡大する。具体的には、代表値算出部302cは、代表値算出の対象とする算出範囲を最大の範囲内に収まる範囲で、水平または垂直方向に1画素以上拡大する。例えば、代表値算出部302cは、算出範囲として注目画素を中心とした3×3の範囲を設定している場合、注目画素を中心とした5×5の範囲を算出範囲に設定し直す。ステップS208の後、画像処理装置30は、ステップS202へ戻る。なお、ステップS208においては、代表値算出部302cは、3×3または5×5の範囲を算出範囲に設定していたが、例えば、水平または垂直だけ拡大し、5×3や3×5の範囲を算出範囲に設定するようにしても良い。
続いて、RTSノイズ画像判定部302aは、RTSノイズ情報に基づいて、注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素でRTSノイズの発生の可能性があるか否かを判定する(ステップS209)。RTSノイズ画像判定部302aによって注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素でRTSノイズの発生の可能性があると判定された場合(ステップS209:Yes)、画像処理装置30は、後述するステップS210へ移行する。これに対して、RTSノイズ画像判定部302aによって注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素でRTSノイズの発生の可能性がないと判定された場合(ステップS209:No)、画像処理装置30は、後述するステップS211へ移行する。
ステップS210において、代表値算出部302cは、注目画素における周囲画素である算出範囲全ての画素の画素値の平均値を算出し、この平均値を代表値として算出(決定)する。ステップS210の後、画像処理装置30は、上述した図5のメインルーチンへ戻る。
ステップS211において、代表値算出部302cは、代表値を算出する。具体的には、代表値算出部302cは、まず、算出範囲内における注目画素以外のRAW画像の画素値に対して、許容範囲内(有効範囲内)に含まれている画素値(カラーフィルタを用いた撮像素子105の場合、注目画素と同色の画素値)を選択する。その後、代表値算出部302cは、選択した画素数が所定の値ThRef以上の場合、この選択した画素値の中央値を代表値として算出(決定)する。なお、代表値算出部302cは、選択した画素値の数が偶数の場合、注目画素のRAW画像における画素値に近い側の中央値を代表値として算出する。この場合、過補正を防止することができる。また、代表値算出部302cは、選択した画素数が所定の値ThRef未満の場合、注目画素のRAW画像における画素値に最も近い画素値を有する算出範囲内における注目画素以外のRAW画像の画素値を代表値とする。なお、代表値算出部302cは、中央値を用いて代表値を算出していたが、例えば平均や分布の中間値等の他の方法で算出するようにしてもよい。また、代表値算出部302cは、算出範囲内のエッジ方向判別を行い、このエッジ方向判別の結果に基づいて、最も相関の高い方向の周辺画素値を代表値として算出してもよい。さらに、代表値算出部302cは、注目画素以外の算出範囲内の画素においてRTSノイズが発生している可能性がある画素は除外するようにしても良い。このとき、代表値算出部302cは、ステップS211が実行される時点での算出範囲内において、RTSノイズが発生している可能性がない画素が全くない場合には、注目画素の画素値を代表値とする。ステップS211の後、画像処理装置30は、上述した図5のメインルーチンへ戻る。
このように、代表値算出部302cは、上述した代表値算出処理において、注目画素の近傍を優先して代表値を算出する。さらに、代表値算出部302cは、エッジ等により代表値が変動しないように、ランダムノイズ量推定部302dが推定したランダムノイズ量に基づいて、注目画素の周辺画素の範囲を制限して、代表値を算出する。さらに、RTSノイズが発生している可能性がある近傍画素は除外して代表値を算出するようにしても良い。
図5に戻り、ステップS105以降の説明を続ける。
ステップS105において、補正値算出部302eは、上述したステップS103で候補値算出部302bによって算出された複数の候補値と、上述したステップS104で代表値算出部302cによって算出された代表値とに基づいて、注目画素におけるRTSノイズが補正されたRAW画素の画素値を算出する補正値算出処理を実行する。ステップS105の後、画像処理装置30は、後述するステップS106へ移行する。
〔補正値算出処理〕
図8は、図5のステップS105の補正値算出処理の概要を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、補正値算出部302eは、上述した図6のステップS203でランダムノイズ量推定部302dによって推定されたランダムノイズ量(本実施の形態では、標準偏差)と、上述した図5のステップS103で候補値算出部302bによって算出された候補値の最大値とに基づいて、候補値の最大値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、閾値は、以下の式(3)によって設定される。
ランダムノイズ量×Rm ・・・(3)
Rmは、所定の係数である。なお、Rmは、ランダムノイズに対してRTSノイズが視覚的にどの程度見えるかに応じて決定される、例えば、Rmの値は、2前後が好ましい。補正値算出部302eが候補値の最大値が閾値以上であると判定した場合(ステップS301:Yes)、画像処理装置30は、後述するステップS302へ移行する。これに対して、補正値算出部302eが候補値の最大値が閾値以上でないと判定した場合(ステップS301:No)、画像処理装置30は、後述するステップS303へ移行する。なお、補正値算出部302eは、候補値の最大値の代わりに注目画素のRTS_Valueを用いて、注目画素のRTS_Valueと閾値を比較するようにしても良い。
ステップS302において、補正値算出部302eは、画素値を補正する。具体的には、補正値算出部302eは、まず、以下の式(4)によってΔを算出する。
Δ=注目画素のRAW画像における画素値−代表値 ・・・(4)
次に、補正値算出部302eは、Δの絶対値と、上述した図5のステップS103で候補値算出部302bが算出した1つ以上の候補値とを比較し、最もΔの絶対値に近い候補値を選択し、この候補値をδとする。なお、補正値算出部302eは、最もΔの絶対値に近い候補値が複数ある場合、過補正を防止するため、複数の候補値のうち最も小さい候補値をδとして選択する。
最後に、補正値算出部302eは、以下の式(5),(6)によって、注目画素のRAW画像における画素値を代表値方向にδだけ近づけて補正し、この補正した注目画素の画素値を画像処理部303へ出力する。
Δ<0の場合
注目画素のRAW画像における画素値+δ ・・・(5)
Δ≧0の場合
注目画素のRAW画像における画素値−δ ・・・(6)
ステップS302の後、画像処理装置30は、図5のメインルーチンへ戻る。なお、ステップS302において、補正値算出部302eは、Δを算出して複数の候補値の中から最も小さい候補値を選択していたが、注目画素のRAW画像における画素値に対して、複数の候補値の各々を個別に加算または減算した値を算出し、この算出により得られる複数の加算または減算した値の中で最も近い代表値を選択してもよい。また、ステップS302において、補正値算出部302eは、同じ結果が得られれば、別の演算および比較方法を用いてもよい。さらにまた、補正値算出部302eは、補正された注目画素の画素値として、代表値を注目画素のRAW画像における画素値−RTS_Value以上、注目画素のRAW画像における画素値+RTS_Value以下にクリップした値とすることと等価になる。
ステップS303において、補正値算出部302eは、注目画素のRAW画像における画素値をそのまま画像処理部303に出力する。ステップS303の後、画像処理装置30は、図5のメインルーチンへ戻る。
図5に戻り、ステップS106以降の説明を続ける。
ステップS106において、RTSノイズ補正部302は、全ての画素に対して上述したステップS101〜ステップS105の処理が終了したか否かを判定する(ステップS106)。RTSノイズ補正部302が全ての画素に対して上述した処理が終了したと判定した場合(ステップS106:Yes)、画像処理装置30は、本処理を終了する。これに対して、RTSノイズ補正部302が全ての画素に対して上述した処理が終了していないと判定した場合(ステップS106:No)、画像処理装置30は、上述したステップS101へ戻る。
以上説明した本考案の一実施の形態によれば、RTSノイズ補正において、補正値算出部302eが候補値算出部302bによって算出された複数の候補値を用いることでRTS_Value未満のRTSノイズが発生した場合において過補正することなく、適切にRTSノイズのような一定範囲内で画素値が変動するノイズを補正することができる。
また、本考案の一実施の形態によれば、RTSノイズ補正において、ランダムノイズ量推定部302dが推定したランダムノイズ量に基づき、補正値算出部302eが適切な周辺画素から代表値を算出することで、注目画素がエッジ部近辺であってもエッジの影響を最小限に抑え、適切にRTSノイズのような一定範囲内で画素値が変動するノイズを補正することができる。
さらに、本本考案の一実施の形態によれば、RTSノイズ補正において、RTSノイズがランダムノイズにまぎれて知覚できないような場合には、補正値算出部302eがRTSノイズを補正する処理を行わないため、過補正することなく、適切にRTSノイズのような一定範囲内で画素値が変動するノイズを補正することができる。
(その他の実施の形態)
本考案は上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、本考案の説明に用いた撮像装置以外にも、携帯電話やスマートフォンにおける撮像素子を備えた携帯機器、ビデオカメラ、内視鏡、監視カメラ、顕微鏡のような光学機器を通して被写体を撮影する撮像装置等、被写体を撮像可能ないずれの機器にも適用できる。
また、本考案は、表示または記録に用いる画像データ以外の画像データ、例えばOB領域の画像データまたは光学的に設計保証されていないイメージサークル外の領域の画像データ等の画像データであっても適用可能である。
また、本明細書において、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」、「その後」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
また、上述した実施形態における画像処理装置による各処理の手法、即ち、各フローチャートに示す処理は、いずれもCPU等の制御部に実行させることができるプログラムとして記憶させておくこともできる。この他、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、CPU等の制御部は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。
また、本考案は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、考案の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の考案を形成することができる。例えば、上述した実施の形態に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、各実施例および変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、考案の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
1 撮像システム
10 撮像装置
30 画像処理装置
40 表示装置
101 光学系
102 絞り
103 シャッタ
104 ドライバ
105 撮像素子
105a 画素
105b 第1スイッチ
105c 垂直転送線
105d FD部
105e アンプ部
105f 第2スイッチ
106 アナログ処理部
107 A/D変換部
108 操作部
109 メモリI/F部
110 記録媒体
111 揮発メモリ
112 不揮発メモリ
112a プログラム記録部
112b RTSノイズ情報記録部
112c ランダムノイズモデル情報記録部
113 バス
114 撮像制御部
115 第1外部I/F部
301 第2外部I/F部
302 RTSノイズ補正部
302a RTSノイズ画素判定部
302b 候補値算出部
302c 代表値算出部
302d ランダムノイズ量推定部
302e 補正値算出部
303 画像処理部

Claims (1)

  1. 2次元状に配置され、外部から光を受光し、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子が生成した複数の画像データに含まれる点滅欠陥ノイズを補正する画像処理装置であって、
    前記読み出し回路の位置情報または前記複数の画素の各々の位置情報と、前記読み出し回路に起因する点滅欠陥ノイズに関する特徴量と、を対応付けたノイズ情報を記録するノイズ情報記録部と、
    前記ノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に基づいて、注目画素に前記点滅欠陥ノイズが発生するか否かを判定するノイズ画素判定部と、
    前記ノイズ画素判定部によって前記注目画素に前記点滅欠陥ノイズが発生すると判定された場合、前記ノイズ情報記録部が記録する前記ノイズ情報と前記注目画素の画素値とに基づいて、前記点滅欠陥ノイズを補正する補正量を示す複数の候補値を算出する候補値算出部と、
    前記注目画素における周辺画素の画素値から代表値を算出する代表値算出部と、
    前記注目画素の画素値、前記複数の候補値および前記代表値に基づいて、前記注目画素の画素値を補正する補正値算出部と、
    を備え、
    前記ノイズ画素判定部は、前記ノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に基づいて、前記周辺画素の全てにおいて前記点滅欠陥ノイズが発生するか否かをさらに判定し、
    前記代表値算出部は、前記ノイズ画素判定部によって前記周辺画素の全てにおいて前記点滅欠陥ノイズが発生すると判定された場合、前記周辺画素の画素値の平均値を前記代表値として算出する一方、前記ノイズ画素判定部によって前記周辺画素の少なくとも1つが前記点滅欠陥ノイズを発生しないと判定された場合、前記周辺画素の画素値における中央値を前記代表値として算出することを特徴とする画像処理装置。
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