JP2018041825A - 高耐圧集積回路装置および半導体装置 - Google Patents

高耐圧集積回路装置および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】負電圧サージ耐量を向上させることができるとともに、信頼性の高い高耐圧集積回路装置および半導体装置を提供すること。【解決手段】同一の半導体基板1上に高電位側領域101および低電位側領域102が設けられ、これらの領域間はHVJT103で電気的に分離されている。高電位側領域101は、p-型の半導体基板1のおもて面の表面層に設けられたn型領域2で構成され、ハイサイド回路部104が配置される。HVJT103は、高電位側領域101の周囲を囲む。低電位側領域102は、半導体基板1の、HVJT103よりも外側の部分であり、ローサイド回路部105が配置される。半導体基板1の裏面には、裏面電極7が選択的に配置されている。裏面電極7は、プリント基板71の導電層72にはんだ73により接合されている。裏面電極7およびはんだ73は、高電位側領域101の直下には配置されていない。【選択図】図2

Description

この発明は、高耐圧集積回路装置および半導体装置に関する。
従来、主に低容量のインバータにおいて、電力変換用ブリッジ回路を構成するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などのスイッチング素子をゲート駆動させる半導体装置として、高耐圧集積回路装置(HVIC:High Voltage Integrated Circuit)が用いられている。一般的なHVICの接続例について説明する。
図9は、一般的な高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。図9には、電力変換用ブリッジ回路300の一相分を構成する直列接続された2つのIGBT301,302のうちの高電位側(ハイサイド側)のIGBT(以下、上アームのIGBTとする)301を駆動するHVIC200を示す。上アームのIGBT301のコレクタ端子は電源電位VDに接続されている。電源電位VDは例えば400Vである。E1はハイサイド側電源であり、Vdcはローサイド側電源である。IGBT301およびIGBT302には、それぞれFWD(Free Wheeling Diode)が並列に接続されている。
図9に示すように、HVIC200は、マイコン等からIN端子に入力された入力信号VINに応じて、上アームのIGBT301をゲート駆動するための信号をOUT端子から出力する。HVIC200のOUT端子から出力された信号は、上アームのIGBT301のゲートに入力される。HVIC200からのゲート信号を受けて上アームのIGBT301が動作することで、直流から交流に電力変換されVOUT端子から出力される。
上アームのIGBT301と低電位側(ローサイド側)のIGBT(以下、下アームのIGBTとする)302との接続点(出力点)303であるVOUT端子は、モータなどの誘電負荷に接続されている。HVIC200のVB端子およびGND端子は、それぞれ、HVIC200の最高電位(ハイサイド電源電位)VB、および、HVIC200の最低電位である接地電位GNDに接続されている。
HVIC200のVCC端子およびVS端子は、それぞれ、HVIC200のローサイド回路部(不図示)の電源電位VCCおよびハイサイド回路部(不図示)の基準電位VSに接続されている。HVIC200は、ローサイド回路部からの入力信号に基づいて、OUT端子から上アームのIGBT301へ電気信号を出力する。HVIC200の最高電位VBは、ノイズの影響を受けない通常状態では、ブートストラップコンデンサ等によりハイサイド回路部の基準電位VSよりも15V程度高電位に保たれている。
ハイサイド回路部の基準電位VSは、上アームのIGBT301と下アームのIGBT302との接続点303の電位である。ハイサイド回路部の基準電位VSは、電力変換の過程で0Vから数百V(200V〜電源電位VD)の間で変化し、マイナス電位になる場合もある。HVIC200にはIGBT301,302の動作によって生じる様々なノイズが入力されるが、このノイズに対して誤動作や破壊を起こさないようにHVIC200が設計される。
図10は、従来の高耐圧集積回路装置のHVJTの構造の概略を示す断面図である。このようなHVIC200では、同一のp-型半導体基板(半導体チップ)211に設けた高電位側領域201と低電位側領域202とを、これらの領域の間に設けた高耐圧接合終端領域(HVJT:High Voltage Junction Termination region)203で電気的に分離する高耐圧接合を利用したpn接合分離技術が知られている。
図示省略するが、HVJT203には、レベルシフタとして機能する高耐圧のnチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、以下、HVNMOSとする)やpチャネル型MOSFET(以下、HVPMOSとする)が配置されている。このレベルシフタを介して高電位側領域201と低電位側領域202との間の信号伝達が行われる。
高電位側領域201は、p-型半導体基板211のおもて面の表面層に設けられたn型領域212である。n型領域212は、VB端子に電気的に接続されている。n型領域212の内部に選択的に設けられたp型領域217は、VS端子に電気的に接続されている。n型領域212には、ハイサイド回路部204が配置される。ハイサイド回路部204は、最高電位VBを電源電位とし、基準電位VSで動作し、ローサイド回路部205からの信号に基づいてHVIC200のOUT端子から出力される信号を生成する。
HVJT203は、n型領域212の周囲を囲むn-型領域213と、n-型領域213の周囲を囲むp型分離領域214との間のpn接合で形成される寄生ダイオード206で構成される。p型分離領域214の内部に設けられたp+型コンタクト領域218は、コンタクト電極219および金属配線220を介してHVIC200のGND端子に電気的に接続されている。HVIC200の最高電位VBやハイサイド回路部204の基準電位VSが数百Vの高電位になったとしても、HVJT203により高電位側領域201と低電位側領域202とが電気的に分離される。
低電位側領域202は、p-型半導体基板211の、p型分離領域214よりも外側の部分である。なお、チップおもて面に平行な方向に、n型領域212側を内側とし、n型領域212側に対して反対側を外側とする。低電位側領域202において、p-型半導体基板211のおもて面の表面層に選択的に設けられたn型領域216に、ローサイド回路部205が配置される。p型分離領域214とn型領域216との間には、GND端子に電気的に接続されたp型領域(以下、GNDピックアップ領域とする)215が選択的に設けられている。
この従来のHVIC200では、上アームのIGBT301がオンからオフに変わった直後に、VS端子の電位(ハイサイド回路部204の基準電位VS)が接地電位GNDよりも低電位(マイナス電位)になる場合があることが知られている。これによってハイサイド回路部204が誤動作したり、破壊に至る虞がある。このため、HVIC200のVS端子に印加された負電圧(マイナス電位の電圧)を一種のノイズとみなし、負電圧サージと呼ぶこととする。
負電圧サージの絶対値は、上アームのIGBT301に流れる電流が大きいほど大きくなる。このため、大電流の流れる上アームのIGBT301にHVIC200を対応させるには、HVIC200の負電圧サージ耐量(耐圧)を向上させる必要がある。耐圧とは、素子が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。ここで、負電圧サージによって発生するHVIC200の誤動作や破壊について説明する。pn接合分離技術を用いたHVIC200には、上述したようにHVJT203に寄生ダイオード206が存在する。
負電圧サージの絶対値が大きい場合、HVJT203の寄生ダイオード206がオン(順方向に通電)する。これによって、GND端子から金属配線220、コンタクト電極219、p+型コンタクト領域218およびp型分離領域214の経路(以下、第1電流経路とする)231で流れる電流が大きくなる。また、GND端子からGNDピックアップ領域215、基板抵抗およびp型分離領域214の経路(以下、第2電流経路とする)232で流れる電流が大きくなる。
基板抵抗とは、p-型半導体基板211の裏面側の、他の領域が形成されないことでp-型領域として残っている部分の抵抗である。これらの第1,2電流経路231,232を流れる電流が大きいと、ハイサイド回路部204に形成される寄生pnpトランジスタ207や寄生サイリスタがオンし、ハイサイド回路部204の誤動作や局所的な破壊が生じる虞がある。また、第1電流経路231を流れる電流がローサイド回路部205に流れ込み、ローサイド回路部205の誤動作や局所的な破壊が生じる虞がある。
HVIC200の負電圧サージ耐量を向上させる手段の一つとして、HVIC200の各部のレイアウトの工夫が挙げられる。具体的には、ハイサイド回路部204をHVJT203から離して配置したり、HVJT203とローサイド回路部205との間にGNDピックアップ領域215を配置するなどである。また、pn接合分離技術を用いた半導体基板に代えて、絶縁層上にシリコン単結晶を形成したSOI(Silicon on Insulator)基板や、絶縁層を埋め込んだエピタキシャル基板を用いることが挙げられる。
また、負電圧サージ耐量を向上させたHVICとして、HVJTのうち、負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域で他の領域よりも抵抗値を高くした装置が提案されている(例えば、下記特許文献1(第0049,0074,0089,0096,0105段落)参照。)。下記特許文献1では、負電圧サージ発生時に流れる電流をHVJTの抵抗値を高くした部分で低減して、負電圧サージ耐量を向上させている。負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域とは、HVJTのうち、中間電位領域(VS端子に電気的に接続される領域)との距離がチップ平面上で短い箇所である。
下記特許文献1には、HVJTのうち、負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域の抵抗値を高くする手段として、次の3点が挙げられている。1つ目の手段は、HVJTのうち、負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域において、VB端子に接続された高電位側のコンタクト(p+型コンタクト領域とコンタクト電極との電気的接触部)およびGND端子に接続された低電位側のコンタクトを設けない構成とすることである。
コンタクトを設けないとは、コンタクト電極を設けないことや、p+型コンタクト領域を設けないこと、p+型コンタクト領域とコンタクト電極とを絶縁膜で電気的に絶縁することである。2つ目の手段は、HVJTのうち、負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域をダブルリサーフ構造にすることである。3つ目の手段は、HVJTのうち、負電圧サージ発生時に電流が流れやすい領域の幅を他の領域の幅よりも広くすることである。
特許第5435138号公報
しかしながら、上述したHVIC200の各部のレイアウトを最適化して負電圧サージ耐量を向上させる手法では、レイアウトルールが複雑化し、レイアウトの制約が多くなる等の問題がある。また、上述したSOI基板や、絶縁層を埋め込んだエピタキシャル基板を用いて負電圧サージ耐量を向上させる手法では、基板コストが増大するという問題がある。また、上記特許文献1では、半導体基板の裏面電極について言及されておらず、負電圧サージ発生時に、裏面側からおもて面側に向かって半導体基板を深さ方向(縦方向)に流れる電流を低減させることについて記載されていない。
例えば、HVIC200のp-型半導体基板211に形成された裏面電極221は、インテリジェントパワーモジュール(IPM:Intelligent Power Module)のプリント基板241の導電層242にはんだ243により接合される(図10参照)。このため、負電圧サージ発生時、p型分離領域214およびGNDピックアップ領域215から裏面電極221を経由してn型領域212へ向かう経路(以下、第3電流経路とする)233や、プリント基板241の導電層242から、裏面電極221およびn型領域212の経路(以下、第4電流経路とする)234で深さ方向に(縦方向)に電流が流れる。
また、深さ方向(縦方向)に流れる電流の別の例を説明する。ノイズの発生によりHVIC200のVS端子の電位がVB端子の電位よりも大きくなったときに、p型領域217をエミッタとし、n型領域212をベースとし、p-型半導体基板211をコレクタとする寄生pnpトランジスタ207がオンし、p-型半導体基板211の縦方向に第4電流経路234に電流が流れる。例えばIPM等は大きな電圧を扱うため、寄生pnpトランジスタ207がオンした場合、第4電流経路234に大きな電流が流れてしまう。大電流はHVICの誤動作や破壊を引き起こす虞があるため、寄生pnpトランジスタ207がオンすることで、HVIC200の信頼性が低下してしまう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、負電圧サージ耐量を向上させることができるとともに、信頼性の高い高耐圧集積回路装置および半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる高耐圧集積回路装置は、次の特徴を有する。半導体基板のおもて面の表面層に、第1導電型の第1半導体領域が選択的に設けられている。第1導電型の第2半導体領域は、前記第1半導体領域に接し、前記第1半導体領域の周囲を囲む。前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が低い。前記第2半導体領域の外側に前記第2半導体領域に接して、第2導電型の第3半導体領域が設けられている。高電位側回路は、前記第1半導体領域に配置されている。低電位側回路は、前記半導体基板の、前記第3半導体領域よりも外側に配置されている。前記低電位側回路は、前記高電位側回路よりも低い基準電圧で動作する。裏面電極は、前記半導体基板の裏面に選択的に設けられている。前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで前記第1半導体領域に対向する部分以外の部分に配置されている。
また、この発明にかかる高耐圧集積回路装置は、上述した発明において、前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで深さ方向に前記第1半導体領域および前記第2半導体領域に対向する部分以外の部分に配置されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる高耐圧集積回路装置は、上述した発明において、前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで深さ方向に前記第1半導体領域に対向する部分の周囲を囲み、かつ前記半導体基板の外周に沿ったパターンで配置されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる高耐圧集積回路装置は、上述した発明において、前記第1半導体領域は、互いに離して複数配置されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した高耐圧集積回路装置の前記裏面電極が絶縁基板の表面に設けられた導電層にはんだ接合されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記導電層は、前記裏面電極と同じパターンであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記絶縁基板の表面もしくは他の絶縁基板の表面に設けられた他の導電層にはんだ接合されたスイッチング素子を備える。前記高電位側回路の基準電圧が印加されるVS端子と前記スイッチング素子の低電位側主端子が接続されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記半導体基板、前記裏面電極および前記絶縁基板に挟まれた空間に接着剤が充填されていることを特徴とする。
上述した発明によれば、負電圧サージ発生時に流れる電流を低減させることができ、寄生素子に流れ込む電流を抑制することができるため、素子破壊を抑制することができる。
本発明にかかる高耐圧集積回路装置および半導体装置によれば、負電圧サージ耐量を向上させることができるとともに、信頼性の高い高耐圧集積回路装置および半導体装置を提供することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。 図1の切断線A−A’における断面構造を示す断面図である。 実施の形態2にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。 実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。 実施の形態4にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。 実施の形態5にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。 実施の形態6にかかる高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。 実施の形態7にかかる高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。 一般的な高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。 従来の高耐圧集積回路装置のHVJTの構造の概略を示す断面図である。 本発明にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる高耐圧集積回路装置および半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる高耐圧集積回路装置(HVIC)の構造について、電力変換用ブリッジ回路の上アームのIGBTを駆動する場合を例に図1,2,9および11を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。平面レイアウトとは、半導体基板1のおもて面側から見た各部の平面形状および配置構成である。ここでは、例えば、図1に示す実施の形態1にかかるHVIC100が、電力変換用のブリッジ回路300の一相分を構成するIGBT301,302のうちの高電位側(ハイサイド側)のIGBT(上アームのIGBT)301を駆動する場合を例に説明する。すなわち、HVIC100の接続例は、図9の符号200を符号100に代えた構成である。なお、ブリッジ回路300を構成するスイッチング素子としては、MOSFETでもよい。
図1に示す実施の形態1にかかるHVIC100は、p-型の同一の半導体基板(半導体チップ)1上に高電位側領域101および低電位側領域102を備え、これらの領域間を高耐圧接合終端領域(HVJT)103で電気的に分離した構成を有する。半導体基板1は、略矩形状の平面形状を有する。高電位側領域101は、その周囲をHVJT103で囲まれており、HVIC100の最高電位VBやハイサイド回路部(高電位側回路)104の基準電位VSが数百Vの高電位になったとしても、HVJT103により低電位側領域102と電気的に分離される。高電位側領域101は、略矩形状の平面レイアウトに配置したn型領域(第1半導体領域)2である。以降の説明においては、チップおもて面に平行な方向に、n型領域2側を内側とし、n型領域2に対して反対側を外側とする。
n型領域2は、HVIC100のVB端子(VBパッド電極101b)に電気的に接続されている。n型領域2には、例えば、後述するハイサイド回路部104などが配置される。ハイサイド回路部104は、HVIC100の最高電位(ハイサイド電源電位)VBを電源電位とし、基準電位VSで動作し、後述するローサイド回路部(低電位側回路)105からの信号に基づいてHVIC100のOUT端子(OUTパッド電極101c)から出力される信号を生成する例えばCMOS(Complementary MOS:相補型MOS)回路である。HVIC100のVS端子(VSパッド電極101a)は、ボンディングワイヤなどの配線により、上アームのIGBT301の低電位側主端子および下アームのIGBT302の高電位側主端子と接続される。ハイサイド回路部104の基準電位VSは、上アームのIGBT301と下アームのIGBT302との接続点303の電位である。
HVJT103は、p型分離領域(第3半導体領域)4とn-型領域(第2半導体領域)3との間のpn接合で形成される寄生ダイオード106で構成される。n-型領域3は、n型領域2の周囲を囲む略環状の平面レイアウトに配置されている。p型分離領域4は、n-型領域3の周囲を囲む略環状の平面レイアウトに配置されている。図1では、n-型領域3とp型分離領域4との境界を図示省略する。低電位側領域102は、p-型の半導体基板1の、p型分離領域4よりも外側の部分である。低電位側領域102に配置されたn型領域6は、HVIC100のVCC端子(VCCパッド電極102a)に電気的に接続されている。
n型領域6には、例えば、ローサイド回路部105が配置される。n型領域6は、例えば、略矩形状の平面形状を有する。ローサイド回路部105は、電源電位VCCが供給され、接地電位(最低電位)GNDを基準電位として動作するCMOS回路である。電源電位VCCと接地電位GNDとの差は例えば15Vである。このCMOS回路を構成するCMOSのゲート電極(不図示)とIN端子(INパッド電極)102cとが接続される。p型分離領域4とn型領域6との間には、HVIC100のGND端子(GNDパッド電極102b)に電気的に接続された図示省略するp型領域(GNDピックアップ領域)が配置されている。GNDピックアップ領域は、負電圧サージ発生時に後述する第1,2電流経路81,82を流れる電流のローサイド回路部105への流れ込みを防止する機能を有する。
-型の半導体基板1の裏面には、裏面電極7が配置されている。裏面電極7は、ローサイド回路部105に深さ方向に対向するように選択的に配置される。裏面電極7は、高電位側領域101に深さ方向に対向しない。裏面電極7は、高電位側領域101およびHVJT103に深さ方向に対向しないように配置されてもよい。図1においてHVJT103の周囲を囲む略矩形状の点線(図3〜6においても同様)は、裏面電極7が存在する部分と、裏面電極7が存在しない部分8と、の境界である。また、裏面電極7は、半導体基板1の外周の例えばエッジ終端領域に沿って配置され、半導体基板1の中央部を囲む。すなわち、裏面電極7は、高電位側領域101(またはHVJT103まで含む)の周囲を囲む略環状パターンに配置されている。半導体基板1の外周に沿って裏面電極7を設けることで、裏面電極7が存在しない部分8があったとしても、半導体基板1と裏面電極7との密着性を高めることができる。
以下、実施の形態1にかかるHVIC100を図9に示すブリッジ回路300などと共に1つのパッケージに配置したパワーモジュールを例に説明する。まず、実施の形態1にかかるHVIC100の断面構造について説明する。図2は、図1の切断線A−A’における断面構造を示す断面図である。p-型の半導体基板1のおもて面の表面層には、上述したように所定の配置で、n型領域2、n-型領域3、p型分離領域4、GNDピックアップ領域5およびn型領域6がそれぞれ選択的に設けられている。n型領域2の内部には、p型領域21が選択的に設けられている。p型領域21の内部には、p+型コンタクト領域22が設けられている。p+型コンタクト領域22は、コンタクト電極23を介してHVIC100のVS端子に電気的に接続されている。
また、n型領域2の内部には、p型領域21と離してn+型コンタクト領域24が選択的に設けられている。n+型コンタクト領域24は、コンタクト電極25を介してHVIC100のVB端子に電気的に接続されている。n型領域2には、例えばハイサイド回路部(高電位側回路)104(CMOS回路)を構成する横型pチャネル型MOSFET(不図示)が配置される。p型領域21には、例えばハイサイド回路部104を構成する横型nチャネル型MOSFET(不図示)が配置される。n-型領域3は、n型領域2よりも外側に配置され、n型領域2に接する。n-型領域3の深さは、n型領域2よりも浅くてもよい。
p型分離領域4は、n-型領域3よりも外側に配置され、n-型領域3に接する。p型分離領域4の深さは、n-型領域3の深さよりも深い。p型分離領域4とn-型領域3とのpn接合で寄生ダイオード106が形成されている。p型分離領域4の内部には、p+型コンタクト領域41が選択的に設けられている。p+型コンタクト領域41は、n-型領域3と離して配置され、n-型領域3の周囲を囲む。p+型コンタクト領域41は、コンタクト電極42および金属配線43を介してHVIC100のGND端子に電気的に接続されている。n-型領域3およびp型分離領域4にわたって、例えば図示省略するレベルシフタが配置されている。
n型領域6は、p型分離領域4よりも外側に、p型分離領域4と離して配置されている。n型領域6の内部には、p型領域61が選択的に設けられている。p型領域61の内部には、p+型コンタクト領域62が設けられている。p+型コンタクト領域62は、コンタクト電極63を介してHVIC100のGND端子に電気的に接続されている。また、n型領域6の内部には、p型領域61と離してn+型コンタクト領域64が選択的に設けられている。n+型コンタクト領域64は、コンタクト電極65を介してHVIC100のVCC端子に電気的に接続されている。n型領域6には、ローサイド回路部105(CMOS回路)を構成する横型pチャネル型MOSFET(不図示)が配置される。p型領域61には、ローサイド回路部105を構成する横型nチャネル型MOSFET(不図示)が配置される。
GNDピックアップ領域5は、p型分離領域4とn型領域6との間に、p型分離領域4およびn型領域6と離して選択的に設けられている。GNDピックアップ領域5の深さは、p型分離領域4の深さと同程度であってもよい。GNDピックアップ領域5の内部には、p+型コンタクト領域51が選択的に設けられている。p+型コンタクト領域51は、コンタクト電極(以下、GNDピックアップ電極とする)52を介してHVIC100のGND端子に電気的に接続されている。半導体基板1のおもて面は、各電極(コンタクト電極23,25,42,63,65およびGNDピックアップ電極52)とのコンタクトとなる部分を除いて絶縁層(不図示)で覆われている。絶縁層は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon:局部酸化)膜および層間絶縁膜を順に積層してなる積層膜であってもよい。
-型の半導体基板1の裏面には、裏面電極7が選択的に設けられている。裏面電極7は、パワーモジュールのプリント基板71の導電層72にはんだ73により接合されている。裏面電極7は、プリント基板71の導電層72を介して接地電位に固定されている。裏面電極7を接地電位に固定することで、基板電位(接地電位)を安定化させることができる。裏面電極7は、フローティング電位であってもよい。裏面電極7をフローティング電位とする場合は、導電層72を接地電位などに固定せずフローティング電位とする。
また、裏面電極7は、少なくとも高電位側領域101(n型領域2)の直下(プリント基板71側)には存在しない。また、裏面電極7は、さらにHVJT103の内側部分(n-型領域3)の直下にも存在しないことが好ましい。すなわち、裏面電極7と、裏面電極7が存在しない部分8と、の境界は、n-型領域3とp型分離領域4との境界から外側に位置していてもよい。接地電位に固定される場合、裏面電極7は、導電層72との密着性を確保することができればよく、p型分離領域4の直下にも存在しなくてもよい。
裏面電極7は、例えば、スパッタ法によりアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)および金(Au)を順に積層した積層構造であってもよい。裏面電極7の積層構造を構成する各金属膜の機能については、例えば、粥川君治らによる「パワーデバイス裏面電極と鉛フリーはんだの界面構造と接合性」(デンソーテクニカルレビュー、1006年、第11巻、第2号、p.108−114)の中で報告されている。
チタン膜は、シリコン(Si:半導体基板1)部との密着性を向上し、かつシリコン部とのオーミック接合を形成する。ニッケル膜は、はんだ73との密着性を向上させる。すなわち、裏面電極7は、はんだ73との密着性を向上させる機能を有する。金膜は、ニッケル膜の積層後、プリント基板71の導電層72へのはんだ接合までの間に当該ニッケル膜の酸化を防止する。裏面電極7は、上記金属材料以外に、錫(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)などの金属材料を用いて形成されてもよい。
また、裏面電極7は、裏面側から研削して製品厚さ(例えば300μm以上500μm以下)に半導体基板1を薄板化した後に、半導体基板1の裏面(研削面)に形成される。裏面電極7のパターニングは、フォトリソグラフィおよびエッチングによる一般的な方法により行えばよい。裏面電極7のパターニングについては、例えば特許第5664656号(第0001〜0016段落)に開示されている。
裏面電極7が存在しない部分8には、例えば、プリント基板71との間に空洞が形成されている。この裏面電極7が存在しない空洞化した部分8に絶縁性の接着剤を充填して、半導体基板1とプリント基板71との密着性を向上させてもよい。この場合、裏面電極7の平面形状は、裏面電極7が存在しない部分8に接着剤を注入可能な開口部をもつ略環状の平面形状とすればよい。裏面電極7が存在しない部分8に接着剤を充填する場合、半導体基板1の裏面における裏面電極7の占有面積を狭くし、裏面電極7が存在しない部分8の占有面積を広くすることが好ましい。
プリント基板71の導電層72は、半導体基板1の裏面電極7のパターンに合わせて配置されている。すなわち、導電層72は、少なくとも高電位側領域101の直下に存在しない。これにより、導電層72と裏面電極7とのはんだ接合時に、高電位側領域101の直下へのはんだ73の回り込みを防止することができるため、高電位側領域101の直下で、半導体基板1とはんだ73とが接触しない。すなわち、半導体基板1とはんだ73とが接触して、低抵抗の電流経路が形成されることを防止することができる。高電位側領域101の直下以外の部分であれば、半導体基板1とはんだ73とが接触していてもよい。
上述したHVIC100の各構成要素は、同一の半導体基板1に一般的なCMOS製造プロセスにより形成すればよい。HVIC100の各構成要素とは、HVJT103、ハイサイド回路部104、ローサイド回路部105などCMOS製造プロセスにより製造される能動素子および受動素子である。
HVIC100のVB端子およびGND端子は、それぞれ、HVIC100の最高電位VB、および、HVIC100の最低電位である接地電位GNDに接続されている。HVIC100のVS端子およびVCC端子は、それぞれ、ハイサイド回路部104の基準電位VSおよびローサイド回路部105の電源電位VCCに接続されている。HVIC100の最高電位VBは、ノイズの影響を受けない通常状態では、ブートストラップコンデンサ等によりハイサイド回路部104の基準電位VSよりも例えば15V程度高電位に保たれている。図9に示すように、IGBT301がオン状態でIGBT302がオフ状態のときに最高電位VBが最も高い電位になる。
IGBT301がオフ状態でIGBT302がオン状態の時に最高電位VBは15V程度となる。HVIC100のOUT端子は、上アームのIGBT301のゲートに接続され、上アームのIGBT301にゲート信号を供給する。HVIC100のIN端子は、HVIC100を制御するための例えばマイコンなどの制御回路(不図示)に接続されている。HVIC100は、制御回路から制御信号の入力を受けて、上アームのIGBT301のゲート信号を生成する。上アームのIGBT301は、HVIC100からのゲート信号によりオン・オフ制御される。
次に、図2で示したパワーモジュールについて、特に、HVIC100とIGBT301との接続について説明する。図11は、本発明にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。図11は、図1のHVIC100の切断線B−B´における断面図と、図9のIGBT301の要部の断面図である。IGBT301は、半導体基板301aの一方の表面に低電位側端子であるエミッタ電極311aが配置され、他方の表面に高電位側端子であるコレクタ電極311bが配置されている。また、IGBT301の一方の表面には制御端子であるゲート電極311cも配置されている。
コレクタ電極311bは、はんだ77によりプリント基板71aの導電層78と接続されている。プリント基板71aは、プリント基板71と同一パッケージ内に配置されている。なお、プリント基板71aは、プリント基板71と共通の絶縁基板に導電層78を形成したものでもよい。エミッタ電極311aは、ボンディングワイヤなどの金属配線222aにより、VSパッド電極101aと電気的に接続されている。ゲート電極311cは、ボンディングワイヤなどの金属配線222bにより、OUTパッド電極101cと電気的に接続されている。
図11では、半導体基板1および半導体基板301a内部の構造については省略しているが、半導体基板1には、図1,2に示すようにHVIC100の各部が設けられ、半導体基板301aにはIGBT301を構成する一般的なMOSゲート構造が設けられている。VBパッド電極101bは、ボンディングワイヤなどの金属配線(不図示)によりハイサイド電源(不図示)などと接続される。
次に、実施の形態1にかかるHVIC100の負電圧サージ発生時の動作について、図2を参照しながら説明する。ハイサイド回路部104の基準電位VSが接地電位GNDよりも低電位になり、HVIC100のVS端子に印加される負電圧(負電圧サージ)の絶対値が大きい場合に、HVJT103の寄生ダイオード106がオン(順方向に通電)する。このとき、基板おもて面側を流れる電流経路(第1,2電流経路81,82)には従来構造(図10参照)と同様に電流が流れる。
第1電流経路81は、GND端子から金属配線43、コンタクト電極42、p+型コンタクト領域41およびp型分離領域4を経由する経路である。第2電流経路82は、GND端子からGNDピックアップ領域5、基板抵抗10aおよびp型分離領域4を経由する経路である。基板抵抗10aとは、基板裏面側のp-型領域10による抵抗である。基板裏面側のp-型領域10とは、p-型の半導体基板1のおもて面側の各領域よりも基板おもて面から深い部分に、これらの領域が形成されないことでp-型領域として残っている部分である。
一方、裏面電極7を経由する電流経路については、高電位側領域101の直下に裏面電極7およびはんだ73が存在しないため、裏面電極7およびはんだ73の存在する部分を経由するように迂回する電流経路(以下、第3電流経路とする)83となる。このように迂回した電流経路となることで、p型分離領域4およびGNDピックアップ領域5から高電位側領域101に到達するまでに高抵抗の基板抵抗10aを通過する距離が長くなる。このため、この第3電流経路83が高抵抗化し、電流が低減される。
また、例えばプリント基板71の導電層72から裏面電極7を経由して半導体基板1を深さ方向(縦方向)に通る電流経路(図10の従来構造の第4電流経路に相当)は存在しない。このように迂回した第3電流経路83が形成されたり、従来構造で形成されていた電流経路が存在しないことで、負電圧サージ発生時に流れる電流の一部を低減させることができる。このため、負電圧サージ発生時に流れる電流によって生じる回路の誤動作や破壊を抑制することができる。
本発明のように高電位側領域101の直下に裏面電極7が存在しない構造は、裏面電極7を接地電位にする場合に効果が大きい。その理由は、次の通りである。従来構造(図10)のように高電位側領域201の直下に裏面電極221が存在するとする。裏面電極221が接地電位である場合、裏面電極221がフローティング電位である場合に比べて、裏面電極221の、高電位側領域201の直下の部分から寄生pnpトランジスタ207に電流が流れやすいからである。
また、裏面電極7を接地電位にする場合、dV/dtサージによるHVIC100の誤動作や破壊を防止することができる。dV/dtサージとは、上アームのIGBT301や下アームのIGBT302のスイッチングの際に当該IGBT302のコレクタ電圧が激しく変動したことに伴って上アームのIGBT301のエミッタ端子に発生する急峻なサージである。
また、従来構造(図10参照)では、裏面電極221を接地電位にした場合、サージ等によりHVIC200のVB端子の電位がVS端子の電位よりも小さくなったときに、p型領域217をエミッタとし、n型領域212をベースとし、p-型半導体基板211をコレクタとする寄生pnpトランジスタ207がオンする。これによって、p-型半導体基板211の縦方向の第4電流経路234に大電流が流れ、HVIC200の破壊が起きやすくなるという問題がある。
本発明においては、高電位側領域101の直下に裏面電極7およびはんだ73が存在しないため、p型領域21をエミッタとし、n型領域2をベースとし、p-型の半導体基板1をコレクタとする寄生pnpトランジスタ107のコレクタ抵抗が高くなっている。このため、裏面電極7を接地電位にした場合に、HVIC100のVB端子の電位がVS端子の電位よりも小さくなったとしても、HVIC100の破壊を抑制することができる。
また、半導体基板1の厚さが薄くなるほど、裏面電極7を経由して寄生pnpトランジスタ107に流れ込む電流が大きくなる。このため、本発明は、半導体基板1の厚さが薄くなるほど、電流低減の効果が高まる。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、少なくとも高電位側領域の直下に裏面電極およびはんだの存在しない部分を設けることで、負電圧サージ発生時に裏面電極を経由する電流経路が、裏面電極およびはんだの存在する部分を通る迂回した高抵抗の電流経路となる。これにより、HVJTによる高耐圧接合を利用したpn接合分離技術を用いた低コストのHVICにおいて、負電圧サージ発生時に流れる電流を低減させることができる。
また、実施の形態1によれば、少なくとも高電位側領域の直下に裏面電極およびはんだが存在しない部分を設けることで、高電位側領域に形成される寄生pnpトランジスタのコレクタ抵抗を高くすることができる。このため、裏面電極を接地電位にした場合に、サージ等によりHVICのVB端子の電位がVS端子の電位よりも小さくなったとしても、寄生pnpトランジスタに流れる電流が低減され、HVICの破壊を抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる高耐圧集積回路装置の構造について説明する。図3は、実施の形態2にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。実施の形態2にかかる高耐圧集積回路装置は、ローサイド回路部105が配置されるn型領域6の平面形状が実施の形態1にかかる高耐圧集積回路装置と異なる。
-型の半導体基板91は、略正方形状の平面形状を有する。n型領域6は、半導体基板91の連続する2辺に沿って略L字状をなす平面形状を有する。また、n型領域6は、略矩形状の平面形状を有するn型領域2の2辺を囲むように配置されている。
このようにn型領域6の平面形状を変えたとしても、実施の形態1と同様に、裏面電極7は、高電位側領域101に対向しないように、かつ半導体基板91の外周に沿って配置される。これにより、実施の形態1と同様に、半導体基板91と裏面電極7との密着性を高めることができる。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、ローサイド回路部が配置されるn型領域の平面形状を種々変更した場合においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置の構造について説明する。図4は、実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置は、実施の形態1を例えば3相インバータに適用した変形例である。
具体的には、p-型の半導体基板92は、略長方形状の平面形状を有する。例えば半導体基板92の長手方向に隣り合うように、3相(U相、V相、W相)分の高電位側領域101が互いに離して配置されている。各高電位側領域101の構成は、実施の形態1と同様である。3相(U相、V相、W相)分の高電位側領域101の配置は入れ換え可能である。
このように複数の高電位側領域101を配置した場合においても、実施の形態1と同様に、裏面電極7は、深さ方向に高電位側領域101(またはHVJT103まで含む)に対向しないように、かつ半導体基板92の外周に沿って配置される。隣り合う高電位側領域101間に裏面電極7が存在していてもよい。これにより、実施の形態1と同様に、半導体基板92と裏面電極7との密着性を高めることができる。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、複数の高電位側領域を配置した場合においても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる高耐圧集積回路装置の構造について説明する。図5は、実施の形態4にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。実施の形態5にかかる高耐圧集積回路装置は、ローサイド回路部105が配置されるn型領域6の平面形状が実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置と異なる。
具体的には、n型領域6の平面形状は、実施の形態2と同様に、半導体基板92の連続する2辺に沿った略L字状の平面形状を有する。n型領域6は、1つの高電位側領域101の2辺を囲み、かつ残りの高電位側領域101の1辺に対向するように配置されている。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、複数の高電位側領域を配置した場合においても、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5にかかる高耐圧集積回路装置の構造について説明する。図6は、実施の形態5にかかる高耐圧集積回路装置の平面レイアウトを示す平面図である。実施の形態6にかかる高耐圧集積回路装置は、複数の高電位側領域101の平面レイアウトが実施の形態3にかかる高耐圧集積回路装置と異なる。
具体的にはp-型の半導体基板93は、略正方形状の平面形状を有する。3相(U相、V相、W相)分の高電位側領域101と、ローサイド回路部105が配置されるn型領域6と、は半導体基板93の異なる頂点に対向するようにマトリクス状に配置されている。
このように複数の高電位側領域101の配置を変更した場合においても、実施の形態1と同様に、裏面電極7は、深さ方向に高電位側領域101(またはHVJT103まで含む)に対向しないように、かつ半導体基板93の外周に沿って配置される。これにより、実施の形態1と同様に、半導体基板93と裏面電極7との密着性を高めることができる。
以上、説明したように、実施の形態5によれば、複数の高電位側領域の配置を種々変更した場合においても、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6において、HVIC100の接続例の一例について説明する。図7は、実施の形態6にかかる高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。図7では、HVIC100のVB端子およびVS端子以外の端子を図示省略するが、図9のHVICと同様に複数の端子を有する。
図7に示すように、HVIC100のVB端子と接地電位との間に、第1容量成分111が接続されている。第1容量成分111は、ブートストラップダイオードや、その他の寄生容量である。HVIC100のVB端子とVS端子との間に、第2容量成分112が接続されている。第2容量成分112は、HVIC100の電源やブートストラップコンデンサである。HVIC100のVS端子と接地電位との間に、第3容量成分113が接続されている。第3容量成分113は、各種の寄生容量である。
このような構成においては、第1容量成分111の容量Cvbが第3容量成分113の容量Cvsに比べて大きく、かつその容量差が大きい場合、HVIC100のVB端子の電位がVS端子の電位に対して小さくなる虞がある。例えば、HVIC100のVS端子に正のdV/dtサージが発生したとする。この正のdV/dtサージは、例えばHVIC100のVS端子が0Vから400Vに急峻に上昇したときに発生する。上述したように第1容量成分111の容量Cvbが第3容量成分113の容量Cvsに比べて大きいため、このとき、HVIC100のVB端子の電位上昇がVS端子の電位上昇に追従しない。このため、HVIC100のVS端子の電位のみがVB端子の電位よりも先に上昇し、HVIC100のVS端子の電位がVB端子の電位に対して大きくなる期間が発生する。
具体的には、HVIC100のVS端子の電位が200Vとなり、HVIC100のVB端子の電位が150Vとなる状態が発生する。このようにHVIC100のVB端子の電位がVS端子の電位に対して小さくなる虞のある接続構成においても、実施の形態1〜5を適用することで、上述したように、HVIC100の寄生pnpトランジスタ107のコレクタ抵抗が高くなる。このため、HVIC100の破壊を抑制することができる。
以上、説明したように、実施の形態6によれば、実施の形態1〜5に適用可能である。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7において、HVIC100の接続例の別の一例について説明する。図8は、実施の形態7にかかる高耐圧集積回路装置の接続例を示す回路図である。図8に示す実施の形態7にかかる高耐圧集積回路装置の接続例が図9の高耐圧集積回路装置の接続例と異なる点は、ハイサイド側電源に代えて、ブートストラップダイオード121およびブートストラップコンデンサ122が接続されている点である。ブートストラップダイオード121のカソードはHVIC100のVB端子に接続され、アノードはローサイド側電源Vdcの正極に接続されている。ブートストラップコンデンサ122は、HVIC100のVB端子とVS端子との間に接続されている。
以上、説明したように、実施の形態7によれば、実施の形態1〜5に適用可能である。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる高耐圧集積回路装置半導体装置は、インバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械の電源装置に使用される高耐圧集積回路装置および半導体装置に有用である。
1,91〜93,301a 半導体基板
2 n型領域
3 n-型領域
4 p型分離領域
5 GNDピックアップ領域
6 n型領域
7 裏面電極
8 裏面電極が存在しない部分
10 基板裏面側のp-型領域
10a 基板抵抗
21,61 p型領域
22,41,51,62 p+型コンタクト領域
23,25,42,63,65 コンタクト電極
24,64 n+型コンタクト領域
43 金属配線
52 GNDピックアップ電極
71,71a プリント基板
72,78 導電層
73,77 はんだ
81〜83 電流経路
100 HVIC
101 高電位側領域
101a VSパッド電極
101b VBパッド電極
101c OUTパッド電極
102 低電位側領域
102a VCCパッド電極
102b GNDパッド電極
102c INパッド電極
104 ハイサイド回路部
105 ローサイド回路部
106 寄生ダイオード
107 寄生pnpトランジスタ
111〜113 容量成分
121 ブートストラップダイオード
122 ブートストラップコンデンサ
222a,222b 金属配線
300 電力変換用ブリッジ回路
301 上アームのIGBT
302 下アームのIGBT
303 上アームのIGBTと下アームのIGBTとの接続点
311a エミッタ電極
311b コレクタ電極
311c ゲート電極
E1 ハイサイド側電源
GND 接地電位
VB 最高電位
VCC 電源電位
VS 基準電位
Vdc ローサイド側電源

Claims (8)

  1. 半導体基板のおもて面の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域に接し、前記第1半導体領域の周囲を囲む、前記第1半導体領域よりも不純物濃度の低い第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域の外側に前記第2半導体領域に接して設けられた第2導電型の第3半導体領域と、
    前記第1半導体領域に配置された高電位側回路と、
    前記半導体基板の、前記第3半導体領域よりも外側に配置された、前記高電位側回路よりも低い基準電圧で動作する低電位側回路と、
    前記半導体基板の裏面に選択的に設けられた裏面電極と、
    を備え、
    前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで前記第1半導体領域に対向する部分以外の部分に配置されていることを特徴とする高耐圧集積回路装置。
  2. 前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで深さ方向に前記第1半導体領域および前記第2半導体領域に対向する部分以外の部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高耐圧集積回路装置。
  3. 前記裏面電極は、前記半導体基板を挟んで深さ方向に前記第1半導体領域に対向する部分の周囲を囲み、かつ前記半導体基板の外周に沿ったパターンで配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高耐圧集積回路装置。
  4. 前記第1半導体領域は、互いに離して複数配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の高耐圧集積回路装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の高耐圧集積回路装置の前記裏面電極が、絶縁基板の表面に設けられた導電層にはんだ接合されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 前記導電層は、前記裏面電極と同じパターンであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記絶縁基板の表面もしくは他の絶縁基板の表面に設けられた他の導電層にはんだ接合されたスイッチング素子を備え、
    前記高電位側回路の基準電圧が印加されるVS端子と前記スイッチング素子の低電位側主端子が接続されていることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置。
  8. 前記半導体基板、前記裏面電極および前記絶縁基板に挟まれた空間に接着剤が充填されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の半導体装置。
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CN113506796A (zh) * 2021-06-22 2021-10-15 上海华虹宏力半导体制造有限公司 自举高压隔离环结构

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