JP2018041676A - 電子検出装置及び電子顕微鏡装置 - Google Patents

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【課題】試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる電子検出装置及び当該電子検出装置を備える電子顕微鏡装置を提供する。【解決手段】本発明の電子検出装置は、試料に照射された電子ビームに基づいて、試料から放出される反射電子を検出する複数の検出器31と、試料表面に対する電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、複数の検出器31の各検出信号IA〜IDの補正を行う補正処理部332と、を備える。また、本発明の電子顕微鏡装置は、上記構成の電子検出装置を備え、補正処理部332で補正された検出信号IA〜IDに基づいて反射電子組成像を作像し、表示部4に表示する。【選択図】 図3

Description

本発明は、電子検出装置及び電子顕微鏡装置に関し、特に、試料から放出される電子を検出する電子検出装置及び当該電子検出装置を備える電子顕微鏡装置に関する。
電子顕微鏡装置において、試料に一次電子線(電子ビーム)を照射すると、試料からは、試料表面の原子を励起して放出される二次電子の他に、照射した電子が試料表面で跳ね返ることによって反射電子が放出される。この反射電子は、試料を構成する元素により発生量が異なり、原子番号が大きいほど発生量が多くなる性質を持っている。また、反射電子は、直進する性質を持っており、試料表面の形状に著しく影響される。したがって、反射電子を検出することにより、試料表面の形状情報を得たり、試料中の組成成分を確認したりすることができる。
従来、反射電子を検出するのに、検出領域が例えば4分割された4分割反射電子検出器が用いられている(例えば、特許文献1参照)。4分割反射電子検出器において、4分割された各検出領域を検出素子A〜Dとするとき、検出素子A〜Dで取得した検出信号IA〜IDを加算することにより、試料表面の形状情報を反映した組成信号ICOMPOを得ることができる。そして、この組成信号ICOMPOを基に、所定の信号処理を行うことにより、反射電子組成像を作像することができる。
特開2012−124052号公報
上述したように、4分割反射電子検出器の各検出素子A〜Dで取得した検出信号IA〜IDを単純に加算して求めた組成信号ICOMPOは、試料の組成に依存する試料組成依存性を持っている。したがって、組成信号ICOMPOを基に作像した反射電子組成像から、試料中の組成分布を確認することができる。
しかしながら、単一の組成からできている例えば球体試料の場合、単一組成からできているにも拘わらず、試料上の輝度が一定ではなく、グラデーションが現れる。そのグラデーションの主な原因は、検出信号IA〜IDに含まれている、試料表面の凹凸形状に起因するコントラスト成分(以下、「凹凸コントラスト成分」と記述する)である。
このように、反射電子組成像は、試料表面の形状に依存し、試料中の組成情報に起因するコントラスト成分(以下、「組成コントラスト成分」と記述する)だけでなく、凹凸コントラスト成分も含んでいる。そして、凹凸コントラスト成分を含む反射電子組成像からは、試料を確認するためのコントラスト解釈が難しくなる。
そこで、本発明は、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる電子検出装置及び当該電子検出装置を備える電子顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電子検出装置は、
試料に照射された電子ビームに基づいて、試料から放出される電子を検出する複数の検出器と、
試料表面に対する電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、複数の検出器の各検出信号の補正を行う補正処理部と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の電子顕微鏡装置は、
試料に電子ビームを照射するための電子ビーム照射部と、
電子ビームを照射することにより試料から放出される電子を検出する電子検出装置と、
電子検出装置の検出信号を基に作像された像を表示する表示部と、を有し、
電子検出装置は、
試料から放出される電子を検出する複数の検出器と、
試料表面に対する電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、複数の検出器の各検出信号の補正を行う補正処理部と、
補正処理部で補正された複数の検出器の各検出信号に基づいて、表示部で表示する像を作像するための処理を行う作像処理部と、を備える
ことを特徴とする。
上記構成の電子検出装置、あるいは電子顕微鏡装置において、試料表面に対する電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、複数の検出器の各検出信号の補正を行うことで、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させることができる。
本発明によれば、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させることができるため、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの像を作像できる。
本発明の電子顕微鏡装置の構成の一例を示す概略構成図である。 4分割反射電子検出器の検出領域を示す図である。 信号処理部が持つ機能の一例を示す機能ブロック図である。 単一の組成からできている球体試料における、理想的な場合の反射電子組成像及び走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 単一の組成からできている球体試料における、検出信号IA〜IDを単純に加算した場合の反射電子組成像及び走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 試料表面の傾斜情報、試料の組成情報、反射電子放出分布、及び検出器の取り付け方向と、検出器の検出信号との関係を示す図である。 補正後の検出信号IA〜IDに基づいて反射電子組成像を作像する処理手順の一例を示すフローチャートである。 比較例1の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例1の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例2の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例2の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例2において調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例3の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例3の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例4の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例4の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例4において調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例5の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例5の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例5において調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例6の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例6の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例6において調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例7の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例7の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例7において調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。 比較例8の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を示す図である。 比較例8の場合の走査ラインのラインプロファイルを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値等は例示である。本明細書及び図面において、同一の構成要素又は実質的に同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することとし、重複する説明は省略する。
<走査電子顕微鏡>
本発明の電子検出装置について説明する前に、当該電子検出装置を備える本発明の電子顕微鏡装置について説明する。ここでは、本発明の電子顕微鏡装置として、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)装置を例に挙げて説明する。図1は、本発明の電子顕微鏡装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、走査電子顕微鏡装置1は、電子ビーム照射部2、電子検出装置3及び表示部4を少なくとも備えている。電子ビーム照射部2は、試料室5内に設けられた試料6に対して電子ビーム(一次電子線)EBを照射する。試料6に電子ビームEBを照射すると、試料6からは、二次電子と反射電子とが放出される。二次電子は、試料6の試料表面の原子を励起することによって放出される電子である。反射電子は、試料6に照射した電子が試料表面で跳ね返ることによって放出される電子である。
電子検出装置3は、試料6に電子ビームEBを照射したときに、試料6から放出される反射電子を検出し、その検出した反射電子情報を基に、表示部4で表示する反射電子組成像(以下、単に「組成像」と記述する場合がある)を作像するための組成信号を生成する処理を行う。表示部4は、液晶表示装置等からなり、電子検出装置3で生成された組成信号に基づいて反射電子組成像を表示する。走査電子顕微鏡装置1では、表示部4に表示される反射電子組成像から、試料6中の組成分布を確認することができる。
電子ビーム照射部2は、電子銃21、集束レンズ22、X方向走査用偏向器23、Y方向走査用偏向器24及び対物レンズ25等によって構成されている。電子銃21は、電子プローブと呼ばれる細い電子ビームEBを出射する。集束レンズ22は、電子銃21から出射される電子ビームEBの太さを調整するためのものであり、例えば、磁石の作用を利用した磁界レンズからなる。
X方向走査用偏向器23は、試料6に照射する電子ビームEBを、図の左右方向であるX方向に走査するためのものである。Y方向走査用偏向器24は、試料6に照射する電子ビームEBを、紙面に垂直な方向であるY方向に走査するためのものである。電子銃21から出射される電子ビームEBは、X方向走査用偏向器23及びY方向走査用偏向器24によって二次元的に走査される。対物レンズ25は、試料6に照射する電子ビームEBの最終的な径を決める焦点合わせのためのものであり、例えば、集束レンズ22と同様に磁界レンズからなる。
<電子検出装置>
電子検出装置3は、電子ビーム照射部2によって試料6に照射された電子ビームに基づいて、試料6から放出される電子、より具体的には反射電子を検出する複数の検出器31を備えている。複数の検出器31は、二次元的に走査される電子ビームに基づいて、試料6から放出される反射電子をピクセル(画素)単位で検出する例えば半導体タイプの反射電子検出器(半導体検出器)からなり、対物レンズ25の下面側に試料6に対向して設けられる。本実施形態に係る電子検出装置3では、複数の検出器31として、周知の4分割反射電子検出器を用いている。
4分割反射電子検出器は、図2に示すように、検出領域の中心点Oを中心として、検出領域が4分割され、中心部に電子ビームの通過穴311を有する構成となっており、検出領域の中心点Oが電子ビーム照射部2から照射される電子ビームの光軸に合致するように配置される。この4分割反射電子検出器において、4分割された各検出領域を検出素子A〜Dとするとき、4個の検出素子A〜Dのそれぞれが、反射電子を検出する検出器となる。すなわち、複数の検出器31として4分割反射電子検出器を用いるとき、複数の検出器31は4個の検出器ということになる。
なお、ここでは、複数の検出器31として、4分割反射電子検出器を例示しているが、4分割反射電子検出器に限られるものではない。すなわち、検出領域の中心点Oを中心として、検出領域が放射状に複数に分割されている検出器であれば、複数の検出器31として用いることができる。
電子検出装置3は、反射電子を検出する複数の検出器31の他に、増幅部32及び信号処理部33を備えている。複数の検出器31である検出素子A〜Dは、電子ビームEB(電子プローブ)を走査した際に、走査ピクセル(画素)ごとに検出した反射電子の量に応じたレベルの検出信号IA〜IDを出力する。増幅部32は、走査ピクセルごとに検出素子A〜Dから出力される検出信号IA〜IDを増幅して信号処理部33に供給する。
図3に、信号処理部33が持つ機能の一例を示す。信号処理部33は、傾斜情報取得処理部331、補正処理部332及び作像処理部333の各機能部を持つデジタル信号処理部である。この信号処理部33については、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、ソフトウェアで実行するマイクロコンピュータによって実現することができる。また、傾斜情報取得処理部331、補正処理部332及び作像処理部333の各機能部については、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現することもできる。
上記構成の信号処理部33において、傾斜情報取得処理部331は、試料6の試料表面の傾斜情報、例えば法線ベクトル及び傾斜角度の各情報を取得する。傾斜角度は、電子ビームの光軸に対する試料表面の傾斜角度φである。ここで、試料表面の傾斜角度φを取得する手法について例示する。
図2において、検出器31の検出領域を4分割する一方の分割線の方向をX方向とし、これに直交する他方の分割線の方向をY方向とするとき、Y方向の分割線に関して一方側の検出素子Aの検出信号IAと検出素子Cの検出信号ICとを加算し、Y方向の分割線に関して他方側の検出素子Bの検出信号IBと検出素子Dの検出信号IDとを加算する。そして、加算結果(IA+IC)と加算結果(IB+ID)との差を求めることで、X方向の試料表面の傾斜角度φXを取得することができる。
また、X方向の分割線に関して一方側の検出素子Aの検出信号IAと検出素子Dの検出信号IDとを加算し、X方向の分割線に関して他方側の検出素子Bの検出信号IBと検出素子Cの検出信号ICとを加算する。そして、加算結果(IA+ID)と加算結果(IB+IC)との差を求めることで、Y方向の試料表面の傾斜角度φYを取得することができる。
なお、ここで例示した傾斜角度の取得法は、一例であって、上記の取得法に限られるものではない。すなわち、検出器31の各検出信号IA〜IDを用いて傾斜角度を取得するのではなく、専用の傾斜角度検出手段を用いる取得法などであってもよい。
補正処理部332は、試料6の試料表面に対する電子ビームEBの光軸の入射角度に基づいて、検出器31の各検出信号IA〜IDの補正を行う。補正処理部332における補正処理の詳細については後述する。
作像処理部333は、補正処理部332で補正された検出器31の各検出信号IA〜IDに基づいて、表示部4で表示する反射電子組成像を作像するための処理を行う。具体的には、作像処理部333は、走査ピクセルごとに検出器31の各検出素子A〜Dで取得した検出信号IA〜IDを、次式(1)のように加算することにより、反射電子組成像を作像するための組成信号ICOMPOを算出する処理を行う。
ところで、式(1)のように、検出信号IA〜IDを加算して求めた組成信号ICOMPOは、主に、次の依存性(a)〜(c)を持っている。
(a)試料6の組成に依存する試料組成依存性
(b)試料6からの反射電子の放出角度γに依存する放出角度依存性(γ(φ))
(c)反射率ηの試料表面の傾斜角度に依存する試料表面傾斜角度依存性(η(φ))
なお、試料6の組成に依存する試料組成依存性は、反射率ηの試料組成依存性ということもできる。ここで、反射率ηは、試料6の試料表面に入射する電子ビーム量に対する試料表面で反射する電子ビーム量の比率である。また、放出角度依存性は、試料表面の傾斜により、反射電子の放出分布と検出器31の取り付け方向の角度が変わることによって、検出器31に入る反射電子の量が変わることである。
上述したように、走査ピクセルごとに検出器31の各検出素子A〜Dで取得した検出信号IA〜IDを単純に加算して求めた組成信号ICOMPOは、試料組成依存性(a)を待っている。したがって、組成信号ICOMPOを基に作像し、表示部4に表示した反射電子組成像から、試料6中の組成分布を確認することができることになる。
しかしながら、単一の組成からできている例えば球体試料の場合、単一組成からできているにも拘わらず、試料6上の輝度が一定ではなく、グラデーションが現れる。このことについて、以下に具体的に説明する。
単一の組成からできている球体試料の場合、理想的には、図4に示すように、反射電子組成像(図の上)については試料6上の輝度が全体的に一定となり、当該組成像の真ん中の走査ラインのラインプロファイル(図の下)については平坦となる。
これに対して、走査ピクセルごとに検出器31の各検出素子A〜Dで取得した検出信号IA〜IDを単純に加算して組成信号ICOMPOを求めると、図5に示すように、反射電子組成像(図の上)については試料6上の輝度が一定ではなく、走査ラインのラインプロファイル(図の下)については周縁部が減衰した波形となる。
このように、検出信号IA〜IDを単純に加算して組成信号ICOMPOを求めた場合、球体試料が単一の組成(本例では、鉄鋼)からできているにも拘わらず、試料6上の輝度が一定ではなく、グラデーション(輝度の濃淡)が現れる。そのグラデーションの主な原因は、検出信号IA〜IDに含まれている凹凸コントラスト成分(試料表面の凹凸形状に起因するコントラスト成分)である。
[実施例]
そこで、本発明の電子検出装置3は、補正処理部332を信号処理部33の一機能部として備えている。補正処理部332は、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させ、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像する。そのために、補正処理部332は、試料6の試料表面に対する電子ビームEBの光軸の入射角度に基づいて、検出信号IA〜IDに対して補正処理を行う。以下に、補正処理部332で実行する補正処理の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
試料6の試料表面の傾斜情報(試料表面の法線ベクトルn及び電子ビームEBに対する試料表面の傾斜角度φ)、試料6の組成情報ρ、反射電子BSEの放出分布、及び検出器31の取り付け方向Nと、検出器31の検出信号I(IA〜ID)とは、一般的に、図6に示すような関係を持つ。ここで、検出器31の取り付け方向Nは、反射電子BSEに対する検出器31の取り付け角度についての情報である。図6において、反射電子放出分布は、試料6の試料表面に対するcos分布である。
ここで、反射電子BSEの信号量が試料表面の法線ベクトルnに対してcos(γ)の放出角度依存性を持っていると仮定すれば、検出信号I(ベクトル)、組成情報ρ、検出器31の取り付け方向N(テンソル)及び法線ベクトルnの関係を、次式(2)で表すことができる。
そして、式(2)を組成情報ρの式に並べ直すことにより、次式(3)が得られる。
つまり、式(3)から明らかなように、検出器31の取り付け方向N及び検出信号Iから組成情報ρを求めることができる。厳密には、式(3)のρは、試料6の組成(反射率η)、照射電流及び検出器31の収光率に依存する。ただし、照射電流及び検出器31の収光率が反射電子組成像の取得中一定であると仮定すれば、式(3)のρは、試料6の組成情報のみを表すことになる。
そこで、実施例1に係る補正処理では、組成情報ρに対して、式(3)を満足する補正を実行することになる。この補正処理により、組成情報ρから、凹凸コントラスト成分の一因となる、先述した依存性(b)、即ち反射電子BSEの放出角度依存性を除去することができる。そして、反射電子BSEの放出角度依存性(γ(φ))が除去された組成情報ρを基に作像処理を行うことで、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させ、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる。
(実施例2)
実施例1は、反射電子BSEの放出角度依存性(γ(φ))を除去する例である。これに対して、実施例2は、反射電子BSEの放出角度依存性(γ(φ))及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性(η(φ))の両方を除去する例である。
ここでは、検出器31の検出素子Aの検出信号IAを例に挙げて、実施例2の補正処理について説明を行うが、他の検出素子B〜Dの各検出信号IB〜IDに対しても、検出信号IAと同じ補正処理が行われる。
反射電子BSEの放出分布及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性によると、検出信号IAを次式(4)で表すことができる。
ここで、ΩAは検出器31の取り込み範囲であり、γは反射電子BSEの放出角度であり、φは試料6の試料表面の傾斜角度であり、kは調整パラメータであり、i0は反射率(=反射電子BSEの放出率)ηに比例する一定の因数である。また、cos[γ(φ)]は反射電子BSEの放出分布(図6の円)を表し、sec(φ)kは反射率ηの試料表面傾斜角度依存性を表している。
式(4)において、試料表面の傾斜角度φは、検出器31の取り込み角度に依存しないため、sec(φ)kを積分の項の外側に移動できる。sec(φ)kは、二次電子の放出率δの試料表面傾斜角度依存性を表すが、反射率ηの試料表面傾斜角度依存性の近似として扱うことができる。
そして、式(4)における検出信号IAを、次式(5)に置き換えれば、反射率ηの試料表面傾斜角度依存性を除去できる。
このようにして求めた式(5)を、式(3)に代入すると、反射電子BSEの放出角度依存性(γ(φ))及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性(η(φ))の両方を除去することができる。
そこで、実施例2に係る補正処理では、検出器31の検出信号I(IA〜ID)に対して、式(5)を代入して得られる式(3)を満足する補正を実行することになる。この補正処理により、検出信号I(IA〜ID)から、凹凸コントラスト成分の一因となる、反射率ηの試料表面傾斜角度依存性を除去すること、及び、組成情報ρから反射電子BSEの放出角度依存性を除去することができる。そして、これらの依存性が除去された検出信号I(IA〜ID)を基に作像処理を行うことで、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させ、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる。
(実施例3)
式(4)を次式(6)に置き換えることができる。
式(6)においては、反射率ηを表す近似を変えて式(4)のsec(φ)kを、反射電子放出角度分布[1+cos(φ)]kに置き換えている。式(6)を検出器31の取り込み範囲ΩAで積分すると、次式(7)のようになる。
式(7)において、ΘAとΘBはそれぞれ検出素子A及び反射電子BSEの方位角(Azimuth)である。また、dAとcAは検出器31の幾何学パラメータであり、検出器31と試料6の相対的な位置関係を変えない限り一定である。他の検出素子B〜Dの各検出信号IB〜IDについても同様である。
式(7)を用いて、検出信号IA〜IDに対して補正処理を行わずに、単純に加算を行って組成信号ICOMPOを生成すると、組成信号ICOMPOは次式(8)で表される。
ここで、cA=cB=cC=cDであるため、式(8)では、検出器31の幾何学パラメータをc*に置き換えている。そして、式(8)において、組成信号ICOMPOを次式(9)に置き換えれば、反射電子BSEの放出角度依存性(γ(φ))及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性(η(φ))の両方を除去することができる。
そこで、実施例3に係る補正処理では、検出器31の検出信号I(IA〜ID)に対して、式(9)を満足する補正を実行することになる。この補正処理により、検出信号I(IA〜ID)から、凹凸コントラスト成分の一因となる、反射電子BSEの放出角度依存性及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性の両方を除去することができる。そして、これらの依存性が除去された検出信号I(IA〜ID)を基に作像処理を行うことで、組成コントラスト成分を維持しながら、凹凸コントラスト成分を減衰させ、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる。
また、式(9)を用いて実際の組成信号ICOMPOを補正してみると、補正項[1+cos(φ)]k・2c*・cos(φ)の傾斜角度φへの依存性が強すぎることが分かる。そこで、次式(10)のように、調整パラメータkを導入すると、傾斜角度φへの依存性が強すぎることなく、適切な補正処理を実現可能になる。
以上説明したように、実施例1〜実施例3に係る補正処理によれば、検出器31の検出信号I(IA〜ID)に対して補正を行っても、組成コントラスト成分については変わらず維持しつつ、凹凸コントラスト成分を減衰させ、試料表面の形状に依存せずに、均一なコントラストの反射電子組成像を作像できる。その結果、反射電子組成像のコントラスト解釈が容易になるため、凹凸コントラスト成分を間違えて組成コントラスト成分として捉える可能性が低くなる。
タングステンフィラメントを使用する汎用の電子顕微鏡装置では、一般的に、検出器が対物レンズの中に置かれるインレンズ(In−lens)の検出ではなく、対物レンズの下面に固定される半導体タイプの検出器を反射電子の検出に利用する。この場合、構造上、理想的な反射電子組成像を提供できないが、実施例1〜実施例3に係る補正処理によれば、汎用の電子顕微鏡装置であっても、高価な構造が必要なインレンズ検出によって得た場合の反射電子組成像に近い、凹凸コントラスト成分の少ない反射電子組成像を作像することができる。
(反射電子組成像の作像の手順)
次に、検出器31の検出信号IA〜IDに対して、凹凸コントラスト成分を減衰させるための補正を行い、その補正後の検出信号IA〜IDに基づいて反射電子組成像を作像する処理手順について、図7のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、図3に示す構成の信号処理部33について、プロセッサが傾斜情報取得処理部331、補正処理部332及び作像処理部333の各機能を実現するプログラムを解釈し、ソフトウェアで実行するマイクロコンピュータによって実現する場合を例に挙げて説明する。この場合は、以下に説明する処理は、プロセッサによる制御の下に実行されることになる。
プロセッサは、検出器31の検出素子A〜Dから検出信号IA〜IDを取得し(ステップS11)、次いで、試料6の試料表面の傾斜情報を取得する(ステップS12)。試料表面の傾斜情報については、先述したように、一例として、検出信号IA〜IDの演算結果から、試料表面に対する傾斜角度φ(φX,φY)を取得することができる。
次に、プロセッサは、検出信号IA〜IDに対して、実施例1〜実施例3に係る補正処理を実行し、試料6の表面形状から生じる凹凸コントラスト成分を取り除く(ステップS13)。次に、補正後の検出信号IA〜IDに基づいて、試料6の組成情報を強調した組成信号ICOMPOを生成し(ステップS14)、次いで、組成信号ICOMPOに基づく反射電子組成像を表示部4に表示する(ステップS15)。
上述した一連の処理は、実施例2及び実施例3の場合を想定しており、実施例1の場合は、試料6の試料表面の傾斜情報を取得するステップS12の処理を省くことが可能である。実施例1〜実施例3は全て実時間(リアルタイム)での処理が可能である。また、実施例2及び実施例3は、試料表面の傾斜角度φの情報を用いているが、周知の傾斜角度検出手法により、試料表面の傾斜角度φを実時間で取得することが可能である。
以上説明した、凹凸コントラスト成分を減衰させるための補正処理は、試料6の試料表面の傾斜情報に基づき、検出器31の検出素子A〜Dで取得できない分の反射電子を補うように検出信号IA〜IDを補正する処理である。そして、補正後の検出信号IA〜IDに基づいて、反射電子組成像を作像することで、試料表面の形状に依存せず均一なコントラストの反射電子組成像を作像し、表示部4に表示させることができる。
なお、実施例1では、反射電子BSEの放出角度依存性を除去する補正について、実施例2及び実施例3では、反射電子BSEの放出角度依存性及び反射率ηの試料表面傾斜角度依存性の両方を除去する補正について説明したが、反射率ηの試料表面傾斜角度依存性を除去する補正とすることもできる。
[比較例]
続いて、検出信号IA〜IDに対して補正処理を行わずに、単純に加算を行って組成信号ICOMPOを生成する場合を従来例とするとき、実施例1、実施例2及び実施例3のそれぞれの効果について、従来例と比較して説明する。
(比較例1)
比較例1は、試料6として直径3mmの鋼球を用い、作動距離(Working Distance;WD)を9mmとし、観察倍率を30倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.02を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例1の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図8に示し、走査ラインのラインプロファイルを図9に示す。
図9のラインプロファイルにおいて、横軸は試料6の走査ライン上における走査位置Xを表し、縦軸は走査ライン上の試料6の明るさを表している。また、一点鎖線は従来例に係る組成像の場合を示し、実線は実施例1に係る組成像の場合を示し、点線は実施例2に係る組成像の場合を示し、破線は実施例3に係る組成像の場合を示している。以下の比較例においても同様である。
図8の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像に現れていたグラデーションが、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって減衰されていることがわかる。ただし、図9のラインプロファイルに示すように、実施例1及び実施例3では、真ん中に若干のへこみが生ずる。
(比較例2)
比較例2は、試料6として直径0.8mmの鋼球を用い、作動距離を11mmとし、観察倍率を100倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例2の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図10に示し、走査ラインのラインプロファイルを図11に示す。
図10の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像に現れていたグラデーションが、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって減衰されていることがわかる。また、調整パラメータkを、実施例2ではk=0.02に調整し、実施例3ではk=0.2に調整することで、グラデーションの減衰効果を更に向上できる。比較例2において、調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを図12に示す。
(比較例3)
比較例3は、試料6として直径0.8mmの鋼球を用い、作動距離を21mmとし、観察倍率を100倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例3の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図13に示し、走査ラインのラインプロファイルを図14に示す。
比較例3は、比較例2とは、試料6及び観察倍率については同じであるが、作動距離が異なっている。図14の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像に現れていたグラデーションが、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって減衰されている。すなわち、比較例3の場合、作動距離が大きくても、作動距離が小さい比較例2と同様の作用、効果を得ることができることがわかる。
(比較例4)
比較例4は、試料6として高さ0.76mmの円錐体を用い、作動距離を9mmとし、観察倍率を30倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例4の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図15に示し、走査ラインのラインプロファイルを図16に示す。
図15の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像では、円錐体の真ん中の平坦部と傾斜部との輝度差が大きいのに対し、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって、円錐体の真ん中の平坦部と傾斜部との輝度差が小さくなっていることがわかる。また、調整パラメータkを、実施例2ではk=0.01に調整し、実施例3ではk=0.3に調整することで、円錐体の真ん中の平坦部と傾斜部との輝度差を更に小さくできる。比較例4において、調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを図17に示す。
(比較例5)
比較例5は、試料6としてメッシュ材を用い、作動距離を11mmとし、観察倍率を90倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例5の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図18に示し、走査ラインのラインプロファイルを図19に示す。
図18の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像では、メッシュ材の水平部分と垂直部分との輝度差が大きいのに対し、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって、メッシュ材の水平部分と垂直部分との輝度差が小さくなっていることがわかる。また、調整パラメータkを、実施例2ではk=0.01に調整し、実施例3ではk=0.3に調整することで、メッシュ材の水平部分と垂直部分との輝度差を更に小さくできる。比較例5において、調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを図20に示す。
(比較例6)
比較例6は、試料6として高さ10μmのシリコンピラミッドを用い、作動距離を10mmとし、観察倍率を1000倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例6の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図21に示し、走査ラインのラインプロファイルを図22に示す。
図21の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像では、ピラミッドと母体との輝度差及びエッジ効果が大きいのに対し、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によってピラミッドと母体との輝度差及びエッジ効果が小さくなっていることがわかる。また、調整パラメータkを、実施例2ではk=0.1に調整することで、ピラミッドと母体との輝度差及びエッジ効果を更に小さくできる。比較例5において、調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを図23に示す。
(比較例7)
比較例7は、試料6として山の高さ0.19mmのネジを用い、作動距離を10mmとし、観察倍率を30倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例7の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図24に示し、走査ラインのラインプロファイルを図25に示す。
図24の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像では、ネジ部の山と谷の輝度差が大きいのに対し、実施例1〜実施例3では、検出信号IA〜IDに対する補正処理によって、ネジ部の山と谷の輝度差が小さくなっていることがわかる。また、調整パラメータkを、実施例2ではk=0.04に調整し、実施例3ではk=0.4に調整することで、ネジ部の山と谷の輝度差を更に小さくできる。比較例5において、調整パラメータkを変更した場合の走査ラインのラインプロファイルを図26に示す。
(比較例8)
比較例8は、試料6として表面が平坦なはんだを用い、作動距離を10mmとし、観察倍率を2000倍としたときの例である。また、調整パラメータkのデフォルト値として、実施例2ではk=0.05を設定し、実施例3ではk=0.15を設定している。比較例8の場合の従来例、実施例1、実施例2及び実施例3の反射電子組成像を図27に示し、走査ラインのラインプロファイルを図28に示す。
試料6が、表面が平坦なはんだであることから、従来例に係る組成像は、凹凸コントラスト成分を含まない組成コントラストとなる。そして、実施例1〜実施例3に係る組成像も、図27の組成像の対比から明らかなように、従来例に係る組成像と同じ組成コントラストとなる。このことは、検出信号IA〜IDに対する補正処理を実施したとしても、試料6の組成コントラストは変わらず維持されることを意味している。
上述した比較例1〜比較例8から明らかなように、実施例1〜実施例3に係る補正処理によれば、デフォルト設定(調整パラメータkのデフォルト値)で、従来例に係る反射電子組成像よりも理想的な像に近い組成コントラストの反射電子組成像を作像することができる。また、実施例2及び実施例3に係る補正処理によれば、調整パラメータkの調整によって凹凸コントラスト成分を更に低減するこができる。
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
1…走査電子顕微鏡装置、 2…電子ビーム照射部、 3…電子検出装置、 4…表示部、 5…試料室、 6…試料、 21…電子銃、 22…集束レンズ、 23…X方向走査用偏向器、 24…Y方向走査用偏向器、 25…対物レンズ、 31…複数の検出器(4分割反射電子検出器)、 32…増幅部、 33…信号処理部、 331…傾斜情報取得処理部、 332…補正処理部、 333…作像処理部

Claims (4)

  1. 試料に照射された電子ビームに基づいて、前記試料から放出される電子を検出する複数の検出器と、
    前記試料の試料表面に対する前記電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、前記複数の検出器の各検出信号の補正を行う補正処理部と、
    を備えることを特徴とする電子検出装置。
  2. 前記補正処理部は、前記試料から放出される電子の前記試料からの放出角度に対する依存性について補正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子検出装置。
  3. 前記補正処理部は更に、前記試料の試料表面における反射率の試料傾斜角度に対する依存性について補正を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子検出装置。
  4. 試料に電子ビームを照射するための電子ビーム照射部と、
    前記電子ビームを照射することにより前記試料から放出される電子を検出する電子検出装置と、
    前記電子検出装置の検出信号を基に作像された像を表示する表示部と、を有し、
    前記電子検出装置は、
    前記試料から放出される電子を検出する複数の検出器と、
    前記試料の試料表面に対する前記電子ビームの光軸の入射角度に基づいて、前記複数の検出器の各検出信号の補正を行う補正処理部と、
    前記補正処理部で補正された前記複数の検出器の各検出信号に基づいて、前記表示部で表示する像を作像するための処理を行う作像処理部と、を備える
    ことを特徴とする電子顕微鏡装置。
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