JP2018040155A - 建設機械のフロント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の分割ブームを接続ピンを用いて接続するときの作業性を高められる建設機械のフロント装置を提供する。【解決手段】ブーム17を構成する下分割ブーム18と上分割ブーム23とは、第1接続ピンと第2接続ピンを用いて接続される。下分割ブーム18には、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dが設けられ、上分割ブーム23には、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cが設けられる。下分割ブーム18の先端側には引掛けピン29が設けられ、上分割ブーム23の基端側には引掛けフック30が設けられる。引掛けフック30を引掛けピン29に係合させ、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dと上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bとの位置合わせが行われる。引掛けピン29の外周側には、引掛けフック30との間で弾性変形する円筒状ゴム部材31が設けられる。【選択図】図9

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械に用いられるフロント装置に関し、特に下分割ブームと上分割ブームとに二分割されたブームを有する建設機械のフロント装置に関する。
建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられたフロント装置とを含んで構成されている。油圧ショベルのフロント装置は、通常、上部旋回体の旋回フレームに連結ピンを介して回動可能に取付けられたブームと、ブームの先端側に連結ピンを介して回動可能に取付けられたアームと、アームの先端側に連結ピンを介して回動可能に取付けられたバケット等の作業具とを含んで構成されている。
ここで、例えば輸送船に積込まれた鉱物等を陸上の輸送車両に積替える作業、あるいは高層建築物を解体する作業等に用いられる油圧ショベルは、標準的なフロント装置よりも長さ寸法が大きく設定されたロングフロントと呼ばれるフロント装置を備えている。このフロント装置を構成するブームは複数の分割ブームによって構成され、これら各分割ブームを接続ピンを用いて一体的に接続することにより、長さ寸法の大きなブームが形成されている。
この場合、接続される2基の分割ブームのうち一方の分割ブームと他方の分割ブームとは、通常、2本の接続ピンを用いて接続されている。このため、一方の分割ブームと他方の分割ブームには、それぞれ2個のピン孔が設けられ、一方の分割ブームの各ピン孔と他方の分割ブームの各ピン孔とに接続ピンが挿通される。
ところで、一方の分割ブームのピン孔と他方の分割ブームのピン孔とに接続ピンを挿通するためには、一方の分割ブームに設けられたピン孔と、他方の分割ブームに設けられたピン孔との位置合わせを行う必要がある。この場合、一方の分割ブームには引掛けピンが設けられ、他方の分割ブームには引掛けピンに係合するフックが設けられている。一方の分割ブームと他方の分割ブームとは、引掛けピンにフックを係合させた状態で引掛けピンを中心として相対的に回動する。これにより、一方の分割ブームに設けられたピン孔と、他方の分割ブームに設けられたピン孔とが位置合わせされ、各ピン孔に接続ピンを挿通するときの作業性を高めることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−96192号公報
ここで、一方の分割ブームには、引掛けピンが挿通されるピン孔が形成され、引掛けピンは、長さ方向の両端側がピン孔に挿通された状態で、溶接によって一方の分割ブームに固定されている。しかし、引掛けピンとピン孔との間には寸法公差による隙間があり、引掛けピンには、溶接作業時の熱による歪が発生する。これにより、一方の分割ブームに引掛けピンを取付けたときに、接続ピン孔の軸中心に対し、引掛けピンの軸中心が傾いてしまうことがある。
さらに、一方の分割ブームと他方の分割ブームとを接続する場合には、通常、一方の分割ブームを油圧ショベルの車体に取付け、他方の分割ブームを保持装置を用いて地面に載置する。そして、車体に取付けられた一方の分割ブームの引掛けピンを、他方の分割ブームのフックに係合させることにより、一方の分割ブームに設けられたピン孔と、他方の分割ブームに設けられたピン孔とが位置合わせされる。このとき、例えば地面の凹凸によって油圧ショベルの車体が傾いている場合には、一方の分割ブームの引掛けピンと他方の分割ブームのフックとを適正に係合させることが難しい。
このため、一方の分割ブームに設けられた引掛けピンに、他方の分割ブームに設けられたフックを係合させたときに、一方の分割ブームに形成された接続ピン孔と他方の分割ブームに形成された接続ピン孔とが一致しなくなり、各接続ピン孔に接続ピンを挿通することができなくなる。
このような場合には、引掛けピンまたはフックの一部を削ることにより、一方の分割ブームに設けられた接続ピン孔と他方の分割ブームに設けられた接続ピン孔とを一致させる調整作業を行う必要がある。このため、一方の分割ブームと他方の分割ブームとを、接続ピンを用いて接続するときの作業工数が増大するという問題がある。
これに対し、一方の分割ブームに対する引掛けピンの取付精度の誤差を予測して、予め引掛けピンとフックの係合部の寸法公差を大きく形成することにより、引掛けピンまたはフックの一部を削る調整作業を不要とすることが考えられる。しかし、引掛けピンの外径寸法とフックの係合部の内径寸法との寸法公差を大きくした場合には、引掛けピンにフックが係合したときに、引掛けピンとフックとの間に隙間(ガタつき)が形成される。
このため、引掛けピンにフックが係合したとしても、各分割ブームの接続ピン孔の軸中心は必ずしも一致しない。この結果、各分割ブームの接続ピン孔に接続ピンを挿通するときに、この接続ピンに作用する摩擦が増大してしまい、接続ピンを用いて各分割ブームを接続するときの作業性が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、複数の分割ブームを接続ピンを用いて接続するときの作業性を高めることができるようにした建設機械のフロント装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、建設機械の車体に取付けられたブームと、前記ブームの先端側に取付けられたアームと、前記アームの先端側に取付けられた作業具とからなり、前記ブームは、基端側が前記車体に回動可能に取付けられた下分割ブームと、前記下分割ブームの先端側に第1接続ピンおよび第2接続ピンを用いて固定的に取付けられた上分割ブームとに分割されて構成され、前記下分割ブームには、前記第1接続ピンが挿通される下分割ブーム側第1接続ピン孔と、前記第2接続ピンが挿通される下分割ブーム側第2接続ピン孔とが設けられ、前記上分割ブームには、前記第1接続ピンが挿通される上分割ブーム側第1接続ピン孔と、前記第2接続ピンが挿通される上分割ブーム側第2接続ピン孔とが設けられ、前記下分割ブームと前記上分割ブームのいずれか一方の分割ブームには、前記第1接続ピンおよび前記第2接続ピンと平行に延びる引掛けピンが設けられ、前記下分割ブームと前記上分割ブームの他方の分割ブームには、前記引掛けピンに係合することにより前記引掛けピンを支点として、前記上ブーム側第1接続ピン孔と前記下ブーム側第1接続ピン孔との位置合わせ及び前記上ブーム側第2接続ピン孔と前記下ブーム側第2接続ピン孔との位置合わせのうち、いずれか一方の位置合わせを行う引掛けフックが設けられ、前記下分割ブームの先端側に前記第1接続ピンおよび前記第2接続ピンを用いて前記上分割ブームが取付けられたときには、前記引掛けフックが前記引掛けピンから離脱してなる建設機械のフロント装置に適用される。
本発明が採用する構成の特徴は、前記引掛けピンと前記引掛けフックとの間には、前記引掛けフックを前記引掛けピンに係合させたときに両者の当接によって弾性変形するゴム部材を設けたことにある。
本発明によれば、下分割ブームと上分割ブームのうちいずれか一方の分割ブームに設けられた引掛けピンと、他方の分割ブームに設けられた引掛けフックとの係合部分の寸法公差を大きく設定した場合に、引掛けピンと引掛けフックとの間に隙間が形成されたとしても、引掛けピンに引掛けフックを係合させたときに両者間でゴム部材が弾性変形することにより、この隙間をゴム部材によって埋めることができる。
このため、引掛けピンに引掛けフックを係合させたときに、引掛けピンによって他方の分割ブームの重量を支持することができ、各分割ブームの接続ピン孔に接続ピンを挿通するときに、接続ピンに作用する他方の分割ブームの重量を低減することができる。この結果、接続ピンを用いて下分割ブームと上分割ブームとを接続するときの作業性を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態によるフロント装置を備えた油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の下分割ブームと上分割ブームとの接続部を拡大して示す拡大正面図である。 下分割ブーム、上分割ブーム、第1接続ピン、第2接続ピン等を図2中の矢示III−III方向から見た断面図である。 下分割ブームの引掛けピンにゴム部材を取付ける状態を示す分解斜視図である。 下分割ブームの先端部を拡大して示す拡大正面図である。 下分割ブーム、下分割ブーム側第1接続ピン孔、引掛けピン、ゴム部材を図5中の矢示VI−VI方向から見た断面図である。 上分割ブームを単体で示す斜視図である。 上分割ブームの基端部を拡大して示す拡大正面図である。 下分割ブームを上分割ブームに接続するときの作業状態を示す正面図である。 引掛けピンに引掛けフックを係合させた状態を示す拡大正面図である。 下分割ブーム側第1接続ピン孔と上分割ブーム側第1接続ピン孔とを位置合わせした状態を示す拡大正面図である。 引掛けピンと引掛けフックとの間でゴム部材が弾性変形した状態を図11中の矢示XII−XII方向から見た断面図である。 下分割ブーム側第2接続ピン孔と上分割ブーム側第2接続ピン孔とを位置合わせした状態を示す拡大正面図である。 第2の実施の形態による上分割ブームの引掛けフックに、ゴム部材を取付ける状態を示す分解斜視図である。 上分割ブームの基端部を拡大して示す拡大正面図である。 下分割ブーム側第1接続ピン孔と上分割ブーム側第1接続ピン孔とを位置合わせした状態を示す拡大正面図である。 第3の実施の形態による下分割ブームの先端部を拡大して示す拡大正面図である。 第3の実施の形態による上分割ブームの基端部を拡大して示す拡大正面図である。 引掛けピンに引掛けフックを係合させた状態を示す拡大正面図である。 下分割ブーム側第2接続ピン孔と上分割ブーム側第2接続ピン孔とを位置合わせした状態を示す拡大正面図である。 下分割ブーム側第1接続ピン孔と上分割ブーム側第1接続ピン孔とを位置合わせした状態を示す拡大正面図である。 変形例によるフロント装置を備えた油圧ショベルを示す正面図である。
以下、本発明に係る建設機械のフロント装置の実施の形態を、油圧ショベルのフロント装置を例に挙げ、図1ないし図22を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図13は本発明の第1の実施の形態を示している。建設機械の代表例である油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前側には、後述のフロント装置11が俯仰動可能に設けられ、このフロント装置11を用いて掘削作業等が行われる。
上部旋回体3は、ベースとなる旋回フレーム4を有し、旋回フレーム4の後端にはフロント装置11との重量バランスをとるカウンタウエイト5が設けられている。カウンタウエイト5の前側には、原動機、油圧ポンプ、熱交換装置等の搭載機器(いずれも図示せず)が設けられると共に搭載機器を覆う外装カバー6が設けられている。旋回フレーム4の左前側には運転室を画成するキャブ7が設けられ、キャブ7内には、オペレータが着席する運転席、オペレータによって操作される操作レバー等(いずれも図示せず)が設けられている。
フロント装置11は、上部旋回体3を構成する旋回フレーム4の前側に俯仰動可能に設けられている。このフロント装置11は、標準的なフロント装置に比較して長さ寸法が大きく設定されたロングフロントと呼ばれるもので、例えば輸送船に積込まれた鉱物等を陸上の輸送車両に積替える作業、あるいは高層建築物を解体する作業等に好適に用いられる。
フロント装置11は、旋回フレーム4の前側に設けられたブーム取付部(図示せず)にピン結合された後述する長尺なブーム17と、ブーム17の先端側に回動可能にピン結合された長尺なアーム12と、アーム12の先端側に回動可能にピン結合された作業具としてのバケット13とを含んで構成されている。旋回フレーム4とブーム17との間には、ブーム17を俯仰動させるブームシリンダ14が設けられている。ブーム17とアーム12との間には、アーム12を回動させるアームシリンダ15が設けられている。アーム12とバケット13との間には、バケット13を回動させる作業具シリンダ16が設けられている。
次に、本実施の形態に用いられるブーム17について説明する。
ブーム17は、後述する下分割ブーム18と上分割ブーム23とにより2分割可能に構成されている。下分割ブーム18の基端側は、上部旋回体3の旋回フレーム4に回動可能に取付けられ、上分割ブーム23の基端側は、後述する第1接続ピン27および第2接続ピン28を用いて下分割ブーム18の先端側に取付けられている。油圧ショベル1を輸送車両に積載するときには、フロント装置11は、下分割ブーム18と上分割ブーム23との間で2分割される構成となっている(図9参照)。
下分割ブーム18は、ブーム17の下側(基端側)を構成するものである。下分割ブーム18の基端側は、上部旋回体3の旋回フレーム4に回動可能に取付けられている。図4ないし図6に示すように、下分割ブーム18は、長さ方向の中間部が山形状(略L字状)に屈曲した箱型構造体として形成されている。下分割ブーム18は、左,右方向で間隔をもって対面しつつ前,後方向に延びた左側板18Aおよび右側板18Bと、左,右の側板18A,18Bの上端に溶接により接合された上板18Cと、左,右の側板18A,18Bの下端に溶接により接合された下板18Dとにより、四角形の閉断面形状をもって形成されている。
下分割ブーム18の基端側には、左,右の側板18A,18B間を延びる円筒状の基端側ボス19が設けられている。この基端側ボス19は、旋回フレーム4のブーム取付部に連結ピン(いずれも図示せず)を用いて上,下方向に回動可能に連結される。下分割ブーム18の長さ方向の中間部(屈曲部)には、左,右の側板18A,18B間を延びる円筒状の中間ボス20が設けられ、この中間ボス20には、ブームシリンダ14のロッド先端がピン結合される。
下分割ブーム18の先端側には、左,右の側板18A,18B間を延びる円筒状の下側ボス21と上側ボス22とが、上,下方向に離間して設けられている。図3に示すように、下側ボス21は、左,右方向の中間部に位置する薄肉円筒状の中間筒体21Aと、中間筒体21Aの左,右両端部に溶接された厚肉円筒状の左,右のボス筒体21Bとにより構成されている。各ボス筒体21Bの内周側にはブッシュ21Cが挿嵌され、ブッシュ21Cの内周側は、第1接続ピン27が挿通される下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとなっている。
一方、上側ボス22も、下側ボス21と同様に、中間筒体22Aと、左,右のボス筒体22Bと、ブッシュ22Cとを含んで構成され、ブッシュ22Cの内周側は、第2接続ピン28が挿通される下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとなっている。ここで、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dの孔中心と、下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dの孔中心とは、互いに平行となるように設定されている。
上分割ブーム23は、ブーム17の上側(先端側)を構成するものである。上分割ブーム23の基端側は、第1接続ピン27、第2接続ピン28を用いて下分割ブーム18の先端側に固定的に取付けられている。図7および図8に示すように、上分割ブーム23は、左,右方向で間隔をもって対面しつつ前,後方向に延びた左側板23Aおよび右側板23Bと、左,右の側板23A,23Bの上端に溶接により接合された上板23Cと、左,右の側板23A,23Bの下端に溶接により接合された下板23Dとにより、四角形の閉断面形状を有する箱型構造体として形成されている。上分割ブーム23の基端側は後端板23Eによって閉塞されている。上分割ブーム23の左側板18Aおよび右側板18Bのうち、後端板23Eよりも後側(下分割ブーム18側)に突出した部位は、左,右一対の接続ブラケット24となっている。
ここで、上分割ブーム23を構成する左,右の接続ブラケット24は、下分割ブーム18の先端を左,右方向から挟込み、第1接続ピン27および第2接続ピン28を用いて下分割ブーム18に取付けられる。各接続ブラケット24のうち下分割ブーム18の下側ボス21に対応する部位の外側面には、厚肉な平板からなる補強板24Aが固着されている。各接続ブラケット24のうち下分割ブーム18の上側ボス22に対応する部位の外側面には、後述の引掛けフック30が固着されている。
各接続ブラケット24と補強板24Aには、左,右方向に貫通する上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bが形成されている。この上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bは、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dと同心上に配置された状態で、第1接続ピン27が挿通されるものである。一方、各接続ブラケット24と後述する引掛けフック30の取付部30Aには、左,右方向に貫通する上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cが形成されている。この上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cは、下分割ブーム18の下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dと同心上に配置された状態で、第2接続ピン28が挿通されるものである。
上分割ブーム23の先端側には、左,右一対のアームブラケット25が設けられている。このアームブラケット25は、アーム12の基端側が回動可能にピン結合されるものである。上分割ブーム23を構成する上板23Cの外側面には、長さ方向の中間部に位置して左,右一対のアームシリンダブラケット26が設けられている。このアームシリンダブラケット26は、アームシリンダ15のボトム側が回動可能にピン結合されるものである。
第1接続ピン27は、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dと、上分割ブーム23(各接続ブラケット24)の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bとに挿通されている。図3に示すように、第1接続ピン27の軸方向の一端側は、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bよりも大径な円板状の抜止め部27Aとなっている。一方、第1接続ピン27の軸方向の他端側には、径方向に貫通する径方向孔27Bが形成されている。第1接続ピン27の軸方向の他端側が挿通された補強板24Aの外側面には、環状のストップリング27Cが固着され、このストップリング27Cと第1接続ピン27の径方向孔27Bとには、廻止めボルト27Dが挿通されている。
第2接続ピン28は、下分割ブーム18の下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dと、上分割ブーム23の上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cとに挿通されている。第2接続ピン28も第1接続ピンと同様に、軸方向の一端側が、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cよりも大径な円板状の抜止め部28Aとなっている。第2接続ピン28の軸方向の他端側には、径方向孔28Bが形成され、第2接続ピン28の軸方向の他端側が挿通された補強板24Aの外側面には、環状のストップリング28Cが固着されている。このストップリング28Cと第2接続ピン28の径方向孔28Bとには、廻止めボルト28Dが挿通されている。このように、下分割ブーム18と上分割ブーム23とは、第1接続ピン27と第2接続ピン28とを用いて接続される構成となっている。
次に、第1の実施の形態に用いられる引掛けピン29、引掛けフック30、および円筒状ゴム部材31について説明する。
引掛けピン29は、下側ボス21と上側ボス22との間に位置して下分割ブーム18の先端側に固定して設けられている。図5および図6に示すように、引掛けピン29は、例えば円柱状の軸体からなり、下分割ブーム18の左,右の側板18A,18B間を連結するように延びている。ここで、引掛けピン29は、下分割ブーム18の左,右の側板18A,18Bにそれぞれ形成されたピン取付孔18Eに挿通された状態で、左側板18Aと右側板18Bとに溶接によって固着されている。これにより、引掛けピン29の軸方向(左,右方向)の一端は、左側板18Aの外面側に突出した左突出部29Aとなり、引掛けピン29の軸方向の他端側は、右側板18Bの外面側に突出した右突出部29Bとなっている。引掛けピン29の左,右の突出部29A,29Bは、上分割ブーム23に設けられた引掛けフック30が係合する部位となっている。
ここで、下分割ブーム18の左,右の側板18A,18Bに形成された各ピン取付孔18Eの孔中心A−Aは、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dの孔中心および下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dの孔中心に対して平行となるように設定されている。しかし、引掛けピン29の外径寸法と各ピン取付孔18Eの内径寸法(孔径)との寸法公差、引掛けピン29を左,右の側板18A,18Bに溶接した後の熱歪により、引掛けピン29の軸中心B−Bは、各ピン取付孔18Eの孔中心A−Aに対して角度θだけ傾くことがあり、これが下分割ブーム18に対する引掛けピン29の取付精度の誤差となっている(図6参照)。
引掛けフック30は、上分割ブーム23を構成する左,右の接続ブラケット24のうち、下分割ブーム18の上側ボス22に対応する部位の外側面に1個ずつ設けられている。これら左,右の引掛けフック30は、厚肉な平板を用いて形成され、接続ブラケット24の外側面に溶接された取付部30Aと、接続ブラケット24から下分割ブーム18側に突出した突出部30Bとを有している。引掛けフック30の取付部30Aには、接続ブラケット24と共に上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cが形成されている。一方、突出部30Bの突出端には、引掛けピン29の外周面に係合する円弧状の係合凹部30Cが形成され、この係合凹部30Cは、下側(補強板24A側)が開口している。左,右の引掛けフック30に形成された係合凹部30Cの円弧の中心を通って左,右方向に延びる中心線は、上分割ブーム23の左,右の接続ブラケット24に設けられた上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bの中心線、および上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cの中心線と平行となるように設定されている。
この場合、上述した下分割ブーム18に対する引掛けピン29の取付精度の誤差を考慮して、引掛けピン29と引掛けフック30との係合部分の寸法公差は予め大きく設定されている。従って、引掛けピン29の軸中心と引掛けフック30の係合凹部30Cの円弧の中心とが一致した状態で、引掛けピン29の各突出部29A,29Bの外周面と、引掛けフック30の係合凹部30Cの内周面30Dとの間には、適度な隙間が形成され、この隙間を後述する円筒状ゴム部材31によって埋めるように構成されている。
ここで、図5および図8に示すように、下分割ブーム18に設けられた引掛けピン29の中心O1と、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dの中心O2との間の距離L1は、引掛けフック30の係合凹部30Cの円弧の中心O3と、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bの中心O4との間の距離L2と等しく設定されている(L1=L2)。
これにより、下分割ブーム18と上分割ブーム23とを接続するときに、引掛けピン29に引掛けフック30が係合すると、上分割ブーム23の基端側が引掛けピン29を支点として回動する。これにより、引掛けピン29を支点として、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとの位置合わせを行うことができる構成となっている(図11参照)。
円筒状ゴム部材31は、引掛けピン29の左突出部29Aと右突出部29Bとにそれぞれ設けられている。円筒状ゴム部材31は、弾性に優れたゴム材料を用いて円筒状に形成され、その内周側はピン挿嵌孔31Aとなっている。円筒状ゴム部材31のピン挿嵌孔31Aは、引掛けピン29の左突出部29Aおよび右突出部29Bに外周側から挿嵌されている。この場合、円筒状ゴム部材31の厚さ寸法(肉厚)Tと、引掛けピン29の外径寸法(直径)Dとは、例えば下記数1の関係に設定されている。
Figure 2018040155
即ち、円筒状ゴム部材31の厚さ寸法は、引掛けピン29の半径寸法よりも小さく設定されている。
ここで、図10ないし図12に示すように、引掛けピン29に引掛けフック30の係合凹部30Cが係合したときに、円筒状ゴム部材31は、引掛けピン29と引掛けフック30の係合凹部30Cとの間で両者の当接によって弾性変形する。これにより、引掛けピン29の各突出部29A,29Bの外周面と引掛けフック30の係合凹部30Cの内周面30Dとの間に隙間が形成されたとしても、この隙間を円筒状ゴム部材31によって埋めることができる。従って、上分割ブーム23の重量を、左,右の引掛けフック30を介して引掛けピン29によって支持することができる構成となっている。
第1の実施の形態によるフロント装置11は上述の如き構成を有するもので、次に、下分割ブーム18と上分割ブーム23とを接続する作業について、図9ないし図13を参照しつつ説明する。
図9に示すように、下分割ブーム18の基端側(図4中の基端側ボス19)は、旋回フレーム4のブーム取付部に連結ピン(いずれも図示せず)を用いて連結され、下分割ブーム18の中間ボス20には、ブームシリンダ14のロッド先端が取付けられている。
一方、上分割ブーム23には、アーム12およびアームシリンダ15が取付けられ、アーム12には、バケット13および作業具シリンダ16が取付けられている。上分割ブーム23とアーム12との間は連結具32によって連結され、上分割ブーム23とアーム12とはクラウド側に屈曲した姿勢を保持する。これら上分割ブーム23、アーム12、バケット13、アームシリンダ15および作業具シリンダ16は、フロント装置アセンブリ33を構成している。このフロント装置アセンブリ33は、作業台34Aを有する枠状の保持装置34によって保持された状態で、例えば輸送車両に積載されて作業現場まで搬送される。
フロント装置アセンブリ33は、保持装置34によって保持された状態で地面に載置される。この状態で、下分割ブーム18が取付けられた油圧ショベル1をフロント装置アセンブリ33の上分割ブーム23に向けて走行させる。そして、下分割ブーム18の先端側に設けられた引掛けピン29は、上分割ブーム23に設けられた各引掛けフック30の下側に配置される。
この状態で、下分割ブーム18の先端側は、ブームシリンダ14によって上方に回動される(持上げられる)。これにより、図10に示すように、引掛けピン29の左,右の突出部29A,29Bは、円筒状ゴム部材31を介して左,右の引掛けフック30の係合凹部30Cに係合する。引掛けピン29の各突出部29A,29Bが各引掛けフック30の係合凹部30Cに係合した状態で、下分割ブーム18の先端側は、さらに上方に回動される。これにより、上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bが、引掛けピン29を支点として、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dに近づく方向に回動する。
この場合、引掛けピン29の中心O1と下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dの中心O2との間の距離L1は、係合凹部30Cの円弧の中心O3と上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bの中心O4との間の距離L2と等しく設定されている。このため、図11に示すように、上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとを容易に位置合わせすることができる。
ここで、下分割ブーム18に対する引掛けピン29の取付精度の誤差を考慮して、引掛けピン29と引掛けフック30との係合部分の寸法公差は予め大きく設定されている。これにより、引掛けピン29の各突出部29A,29Bの外周面と引掛けフック30の係合凹部30Cの内周面30Dとの間には隙間が形成されるが、この隙間は、引掛けピン29の各突出部29A,29Bに挿嵌された円筒状ゴム部材31が弾性変形することにより埋めることができる。この結果、上分割ブーム23の重量は、引掛けフック30を介して引掛けピン29の左,右の突出部29A,29Bに均等に作用し、上分割ブーム23の重量を引掛けピン29によって支持することができる。
このようにして、上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとが位置合わせされた状態で、作業者は保持装置34の作業台34Aに上り、第1接続ピン27を、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに挿通する。
この場合、上分割ブーム23の重量は、引掛けピン29によって支持されているので、第1接続ピン27に対して上分割ブーム23の重量が作用するのを抑えることができる。この結果、第1接続ピン27を、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに挿通するときの作業性を高めることができる。
第1接続ピン27を、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに挿通した後には、例えば下分割ブーム18の先端側は、下向きに回動される。これにより、上分割ブーム23の上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cは、第1接続ピン27を支点として、下分割ブーム18の下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dに近づく方向に回動する。この結果、図13に示すように、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと、下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとを位置合わせすることができる。このとき、引掛けピン29の各突出部29A,29Bは、引掛けフック30の係合凹部30Cから離脱する。
このようにして、上分割ブーム23の上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと、下分割ブーム18の下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとが位置合わせされた状態で、作業者は保持装置34の作業台34Aに上り、第2接続ピン28を、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとに挿通する。この結果、油圧ショベル1の上部旋回体3(旋回フレーム4)に取付けられた下分割ブーム18と、フロント装置アセンブリ33側の上分割ブーム23とを、第1接続ピン27および第2接続ピン28を用いて接続することができる。
かくして、第1の実施の形態による油圧ショベル1のフロント装置11は、下分割ブーム18に設けられた引掛けピン29の左,右の突出部29A,29Bに、円筒状の円筒状ゴム部材31が取付けられている。円筒状ゴム部材31は、上分割ブーム23に設けられた各引掛けフック30の係合凹部30Cを引掛けピン29の左,右の突出部29A,29Bに係合させたときに、これら各突出部29A,29Bの外周面と引掛けフック30の係合凹部30Cの内周面30Dとの間で弾性変形する。
これにより、下分割ブーム18に対する引掛けピン29の取付精度の誤差を考慮して、予め引掛けピン29と引掛けフック30の係合凹部30Cとの係合部分の寸法公差が大きく設定されたとしても、引掛けピン29の外周面と引掛けフック30の係合凹部30Cの内周面30Dとの間に形成される隙間を、円筒状ゴム部材31によって埋めることができる。
このため、引掛けピン29を支点として下分割ブーム18の先端側と上分割ブーム23の基端側とを相対回動させるときに、上分割ブーム23の重量を、引掛けピン29によって支持することができる。従って、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dと上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bとを位置合わせし、第1接続ピン27を挿通するときに、第1接続ピン27に対して上分割ブーム23の重量が作用するのを抑えることができる。この結果、第1接続ピン27を、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに挿通するときの作業性を高めることができる。
しかも、引掛けピン29と引掛けフック30との係合部分の寸法公差を大きく設定することができるので、例えば引掛けフック30の係合凹部30Cを加工するときの加工精度、引掛けピン29を下分割ブーム18に取付けるときの加工精度、引掛けフック30を上分割ブーム23に取付けるときの加工精度を緩和することができる。この結果、フロント装置11全体の製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図14ないし図16は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ゴム部材を引掛けフックに設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施の形態による引掛けフック35は、第1の実施の形態による引掛けフック30とほぼ同様に、上分割ブーム23を構成する左,右の接続ブラケット24にそれぞれ設けられ、下分割ブーム18の引掛けピン29に係合するものである。しかし、引掛けフック35は、後述する円弧状ゴム部材36が固着されている点で、第1の実施の形態によるものとは異なるものである。
引掛けフック35は、上分割ブーム23を構成する左,右の接続ブラケット24にそれぞれ1個ずつ設けられている。これら左,右の引掛けフック35は、接続ブラケット24の外側面に溶接された取付部35Aと、接続ブラケット24から下分割ブーム18側に突出した突出部35Bと、突出部35Bの突出端に形成され引掛けピン29に係合する円弧状の係合凹部35Cとを有している。各引掛けフック35に形成された係合凹部35Cの円弧の中心を通って左,右方向に延びる中心線は、上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bの中心線、および上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cの中心線と平行となるように設定されている。
ここで、各引掛けフック35の係合凹部35Cの内径寸法は、第1の実施の形態による引掛けフック30の係合凹部30Cの内径寸法よりも大きく設定され、係合凹部35Cの内周面35Dには、後述する円弧状ゴム部材36が固着される構成となっている。
円弧状ゴム部材36は、左,右の引掛けフック35の内周面35Dに設けられ、各引掛けフック35を引掛けピン29に係合させたときに弾性変形するものである。この円弧状ゴム部材36は、弾性に優れたゴム材料を用いて円弧状に形成され、円弧状ゴム部材36の外周面は、引掛けフック35の内周面35Dに接着剤または溶着等の手段を用いて一体的に固着されている。
ここで、図15に示す円弧状ゴム部材36の円弧の中心O5と上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bの中心O4との間の距離L3は、図5に示す下分割ブーム18に設けられた引掛けピン29の中心O1と下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dの中心O2との間の距離L1と等しく設定されている(L3=L1)。
従って、引掛けピン29に引掛けフック35を係合させ、上分割ブーム23の基端側を引掛けピン29を支点として回動させることにより、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bを、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dに対して位置合わせすることができる(図16参照)。このとき、円弧状ゴム部材36は、引掛けピン29の外周面と引掛けフック35の係合凹部35Cの内周面35Dとの間で弾性変形する構成となっている。
第2の実施の形態によるフロント装置は、上述の如き引掛けフック35および円弧状ゴム部材36を有するもので、図16に示すように、引掛けピン29の各突出部29A,29Bを、各引掛けフック35の係合凹部35Cに係合させることにより、円弧状ゴム部材36は、引掛けピン29の外周面と引掛けフック35の係合凹部35Cの内周面35Dとの間で弾性変形する。
これにより、下分割ブーム18に対する引掛けピン29の取付精度の誤差を考慮して、予め引掛けピン29と引掛けフック35の係合凹部35Cとの係合部分の寸法公差が大きく設定されたとしても、引掛けピン29の外周面と引掛けフック35(係合凹部35C)の内周面35Dとの間に形成される隙間を、円弧状ゴム部材36によって埋めることができる。このため、上分割ブーム23の重量を、引掛けフック35を介して引掛けピン29によって支持することができる。
従って、第2の実施の形態においても、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと、下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに第1接続ピン27を挿通するときに、第1接続ピン27に上分割ブーム23の重量が作用するのを抑えることができる。この結果、第1接続ピン27を、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとに挿通するときの作業性を高めることができる。
次に、図18ないし図21は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、引掛けフックを引掛けピンに係合させた状態で、引掛けピンを支点として下分割ブーム側第2接続ピン孔と上分割ブーム側第2接続ピン孔との位置合わせを行うことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3の実施の形態による引掛けピン37は、第1の実施の形態による引掛けピン29と同様に、下側ボス21と上側ボス22との間に位置して下分割ブーム18の先端側に固着して設けられている。引掛けピン37の軸方向(左,右方向)の一端は、下分割ブーム18の左側板18Aから突出した左突出部37Aとなり、引掛けピン29の軸方向の他端側は、右側板18Bから突出した右突出部となっている(図示せず)。引掛けピン37の左突出部37Aおよび右突出部の外周側には、それぞれ円筒状ゴム部材31が挿嵌されている。
第3の実施の形態による引掛けフック38は、上分割ブーム23を構成する左,右の接続ブラケット24にそれぞれ1個ずつ設けられている(左側のみ図示)。引掛けフック38は、接続ブラケット24の外側面に溶接された取付部38Aと、接続ブラケット24から下分割ブーム18側に突出した突出部38Bと、突出部38Bの突出端に形成され引掛けピン37に係合する円弧状の係合凹部38Cとを有している。
ここで、図17および図18に示すように、引掛けピン37の中心O6と、下分割ブーム18に設けられた下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dの中心O7との間の距離L4は、引掛けフック38の係合凹部38Cの円弧の中心O8と、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cの中心O9との間の距離L5と等しく設定されている(L4=L5)。
これにより、引掛けピン37に引掛けフック38を係合させ、上分割ブーム23の基端側を引掛けピン37を支点として回動させることにより、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cを、下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dに対して位置合わせすることができる構成となっている(図20参照)。
第3の実施の形態によるフロント装置は、上述の如き引掛けピン37、引掛けフック38を有するもので、次に、下分割ブーム18と上分割ブーム23とを接続する作業について説明する。
まず、図19に示すように、下分割ブーム18の先端側が上方に回動されることにより、引掛けピン37の左突出部37Aおよび右突出部(図示せず)が、円筒状ゴム部材31を介して引掛けフック38の係合凹部38Cに係合する。引掛けピン37が引掛けフック38の係合凹部38Cに係合した状態で、下分割ブーム18の先端側が、さらに上方に回動されることにより、上分割ブーム23の上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cが、引掛けピン37を支点として、下分割ブーム18の下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dに近づく方向に回動する。
この場合、引掛けピン37の中心O6と下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dの中心O7との間の距離L4は、係合凹部30Cの円弧の中心O8と上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cの中心O9との間の距離L5と等しく設定されている。このため、図19に示すように、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと、下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとを容易に位置合わせすることができる。そして、位置合わせされた上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとに対し、第2接続ピン28を挿通する。
この場合、円筒状ゴム部材31は、引掛けピン37の外周面と引掛けフック38の係合凹部38Cの内周面38Dとの間で弾性変形し、両者間に形成された隙間を埋める。これにより、上分割ブーム23の重量を引掛けピン37によって支持することができ、第2接続ピン28に対して上分割ブーム23の重量が作用するのを抑えることができる。この結果、第3の実施の形態においても、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとに第2接続ピン28を挿通するときの作業性を高めることができる。
第2接続ピン28が、上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとに挿通された後には、例えば下分割ブーム18の先端側が上向きに回動される。これにより、上分割ブーム23の上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bは、第2接続ピン28を支点として、下分割ブーム18の下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dに近づく方向に回動する。この結果、図21に示すように、上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとを位置合わせすることができる。このとき、引掛けピン37は、引掛けフック38の係合凹部38Cから離脱する。
このように、第3の実施の形態によれば、引掛けピン37を支点として上分割ブーム側第2接続ピン孔24Cと下分割ブーム側第2接続ピン孔22Dとを位置合わせすることができる。そして、第2接続ピン28を用いて下分割ブーム18と上分割ブーム23とを接続した後には、第2接続ピン28を支点として上分割ブーム側第1接続ピン孔24Bと下分割ブーム側第1接続ピン孔21Dとを位置合わせし、第1接続ピン27を用いて下分割ブーム18と上分割ブーム23とを接続することができる。
なお、第1の実施の形態では、ブーム17を構成する下分割ブーム18の先端側に引掛けピン29を設け、上分割ブーム23の基端側に引掛けフック30を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図22に示す変形例のように、下分割ブーム18の先端側に引掛けフック39を設け、上分割ブーム23の基端側に引掛けピン40を設ける構成としてもよい。このことは、第2,第3の実施の形態についても同様である。
また、実施の形態では、アーム12の先端側に備えられる作業具として、バケット13を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば高層建築物の解体作業に用いられるグラップル、カッター、ブレーカ等の他の作業具を備える構成としてもよい。
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
12 アーム
13 バケット(作業具)
17 ブーム
18 下分割ブーム
21D 下分割ブーム側第1接続ピン孔
22D 下分割ブーム側第2接続ピン孔
23 上分割ブーム
24B 上分割ブーム側第1接続ピン孔
24C 上分割ブーム側第2接続ピン孔
27 第1接続ピン
28 第2接続ピン
29,37,40 引掛けピン
30,35,38,39 引掛けフック
31 円筒状ゴム部材(ゴム部材)
36 円弧状ゴム部材(ゴム部材)

Claims (3)

  1. 建設機械の車体に取付けられたブームと、前記ブームの先端側に取付けられたアームと、前記アームの先端側に取付けられた作業具とからなり、
    前記ブームは、基端側が前記車体に回動可能に取付けられた下分割ブームと、前記下分割ブームの先端側に第1接続ピンおよび第2接続ピンを用いて固定的に取付けられた上分割ブームとに分割されて構成され、
    前記下分割ブームには、前記第1接続ピンが挿通される下分割ブーム側第1接続ピン孔と、前記第2接続ピンが挿通される下分割ブーム側第2接続ピン孔とが設けられ、
    前記上分割ブームには、前記第1接続ピンが挿通される上分割ブーム側第1接続ピン孔と、前記第2接続ピンが挿通される上分割ブーム側第2接続ピン孔とが設けられ、
    前記下分割ブームと前記上分割ブームのいずれか一方の分割ブームには、前記第1接続ピンおよび前記第2接続ピンと平行に延びる引掛けピンが設けられ、
    前記下分割ブームと前記上分割ブームの他方の分割ブームには、前記引掛けピンに係合することにより前記引掛けピンを支点として、前記上ブーム側第1接続ピン孔と前記下ブーム側第1接続ピン孔との位置合わせ及び前記上ブーム側第2接続ピン孔と前記下ブーム側第2接続ピン孔との位置合わせのうち、いずれか一方の位置合わせを行う引掛けフックが設けられ、
    前記下分割ブームの先端側に前記第1接続ピンおよび前記第2接続ピンを用いて前記上分割ブームが取付けられたときには、前記引掛けフックが前記引掛けピンから離脱してなる建設機械のフロント装置において、
    前記引掛けピンと前記引掛けフックとの間には、前記引掛けフックを前記引掛けピンに係合させたときに両者の当接によって弾性変形するゴム部材を設ける構成としたことを特徴とする建設機械のフロント装置。
  2. 前記ゴム部材は、前記引掛けピンのうち、少なくとも前記引掛けフックが係合する部位の外周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械のフロント装置。
  3. 前記ゴム部材は、前記引掛けフックのうち、少なくとも前記引掛けピンが係合する部位の内周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械のフロント装置。
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