JP2018039120A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気接続部材の信頼性を確保しつつ電気接続部材に塗布された封止材の垂れ落ちを抑制する。
【解決手段】液体に吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子と、エネルギー発生素子に電気的に接続された接続端子8と、を備えた記録素子基板2と、エネルギー発生素子に駆動のための電気を供給する電気配線基板3との間に、接続端子8を電気配線基板3に電気的に接続する電気接続部材4を形成し、電気接続部材4と接続端子8を絶縁部材14で覆い、絶縁部材14が電気接続部材4の下方に位置するように記録素子基板2と電気配線基板3を配置した状態で、液体状の封止材13を電気接続部材4及び接続端子8の上方から塗布ないし滴下し、塗布ないし滴下された封止材13を絶縁部材14で保持しながら電気接続部材4及び接続端子8を封止材13で封止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関し、特に、記録素子基板と電気配線部材との間に設けられる電気接続部材の封止方法に関する。
液体吐出ヘッドは一般に記録素子基板と電気配線基板とを備えている。記録素子基板は、液体に吐出口から吐出するためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子と、エネルギー発生素子に電気的に接続された接続端子と、を備えている。電気配線基板は、エネルギー発生素子に駆動のための電気を供給する電気配線層を備えている。記録素子基板の接続端子は、電気配線基板の電気配線層と、電気接続部材を介して接続される。電気接続部材は、電気配線基板から突き出し接続端子に接続されるフライングリード、あるいは接続端子を電気配線基板のリード端子に接続するワイヤーである。電気接続部材と接続端子は、液体による腐食や外力による断線などの接続不良を防止するために封止材で封止される。具体的には、電気接続部材と接続端子に液体状の封止材を塗布し、封止材を熱や紫外線で硬化させることで、電気接続部材と接続端子の封止構造が形成される。
フライングリードまたはワイヤーからなる電気接続部材は、記録素子基板と電気配線基板の間の架空構造となっている。このため、液体状の封止材を電気接続部材に塗布すると、封止材が電気接続部材で保持されず垂れ落ちる可能性がある。従来は、別の封止材が、記録素子基板が固定される支持基板上に、記録素子基板の外周に沿って形成されている。この封止材は電気接続部材の直下まで形成されるため、電気接続部材に塗布された封止材は支持基板上に形成された封止材で保持される。このため、電気接続部材を封止材で確実に被覆することができる。
特許文献1には電気接続部材の封止方法が開示されている。電気接続部材に塗布された液体状の封止材の一部がブレードによって除去され、封止材が整形される。これによって、封止材が電気接続部材に保持されやすくなり、封止材の重力による垂れ落ちが生じにくくなる。
米国特許第7824013号明細書
近年、液体吐出ヘッドの製造コストを抑制するため、前述の支持基板を設けない液体吐出ヘッドが検討されている。特に、複数の記録素子基板を配列したページワイドプリンタでは、記録素子基板毎に支持基板が必要となるため、製造コストへの影響が大きい。しかし、支持基板が省略された液体吐出ヘッドでは、上述のように支持基板上に予め形成された封止材によって、電気接続部材に塗布された封止材を保持することができない。その結果、電気接続部材を十分に保護することができず、最悪の場合は電気接続部材が露出する可能性もある。封止材の垂れ落ちを防止するため、封止材を電気接続部材に塗布するときだけ、支持基板に相当する部材を電気接続部材の下方に配置することも考えられる。しかし、その部材を再利用するためには、部材に付着した封止材を除去する必要がある。また、特許文献1に記載された方法は、塗布された封止材の形状をある程度整えることはできるが、液体状の封止材の垂れ落ちを十分に防止することはできない。封止材を過剰に除去して、逆に電気接続部材の信頼性が低下する可能性もある。これらの課題は支持基板を設けない液体吐出ヘッドだけでなく、記録素子基板の外周に沿った封止材を省略する場合にも生じる。
本発明は、電気接続部材の信頼性を確保しつつ電気接続部材に塗布された封止材の垂れ落ちが生じにくい液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体に吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子と、エネルギー発生素子に電気的に接続された接続端子と、を備えた記録素子基板と、エネルギー発生素子に駆動のための電気を供給する電気配線基板との間に、接続端子を電気配線基板に電気的に接続する電気接続部材を形成することと、電気接続部材と接続端子を絶縁部材で覆うことと、絶縁部材が電気接続部材の下方に位置するように記録素子基板と電気配線基板を配置した状態で、液体状の封止材を電気接続部材及び接続端子の上方から塗布ないし滴下し、塗布ないし滴下された封止材を絶縁部材で保持しながら電気接続部材及び接続端子を封止材で封止することと、を有している。
封止材を電気接続部材及び接続端子の上方から塗布ないし滴下する際に、塗布ないし滴下された封止材が絶縁部材で保持される。このため本発明によれば、電気接続部材の信頼性を確保しつつ電気接続部材に塗布された封止材の垂れ落ちが生じにくい液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの模式的斜視図である。 液体吐出ヘッドの電気接続部材の封止構造の模式的断面図である。 液体吐出ヘッドの封止構造の作成方法の一例を示す概念図である。 液体吐出ヘッドの封止構造の作成方法の一例を示す概念図である。 液体吐出ヘッドの封止構造の作成方法の一例を示す概念図である。 液体吐出ヘッドの封止構造の作成方法の一例を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の液体吐出ヘッドはインクを吐出するインクジェットヘッドを対象とするが、本発明はインク以外の液体を吐出する他の液体吐出ヘッドにも適用することができる。本明細書において、幅方向Dは接続端子8が配列する方向ないし、記録素子基板2と電気配線基板3の間のギャップが延びる方向であり、図2〜6においては紙面に直交する方向である。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの模式的斜視図、図2は、図1のA−A線に沿った液体吐出ヘッドの模式的断面図であり、特に電気接続部材の封止構造を模式的に示している。液体吐出ヘッド1は記録素子基板2と、電気配線基板3と、記録素子基板2と電気配線基板3の間に設けられ、記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接続する電気接続部材4と、を有している。
記録素子基板2は、インクを吐出する複数の吐出口5と、インクに吐出のためのエネルギーを与える複数のエネルギー発生素子6と、を備えている。複数の吐出口5は幅方向Dと概ね直交する方向Lに配列する複数の吐出口列5aを形成している。エネルギー発生素子6は、発熱することでインクを吐出口5から吐出させる電気熱変換素子であるが、圧電効果による圧力室の壁面の変形によってインクを吐出させる圧電素子であってもよい。複数のエネルギー発生素子6は記録素子基板2の内部の電気配線層7によって、対応する接続端子8と電気的に接続されている。吐出口5は記録素子基板2の最も記録媒体Sに近接する吐出口面9に設けられ、接続端子8は、吐出口面9よりも記録媒体Sから離れた第1の面10に形成されている。エネルギー発生素子6と吐出口5との間には圧力室11が設けられ、圧力室11のインクがエネルギー発生素子6によって加熱されることで、インクが吐出口5から吐出する。接続端子8は記録素子基板2の1辺に沿って配列しているが、記録素子基板2の互いに対向する2辺に沿って配列していてもよい。
電気配線基板3はエネルギー発生素子6に駆動のための電気、すなわちエネルギー発生素子6を駆動するための駆動電力と、エネルギー発生素子6の駆動のタイミング等を制御するための制御信号と、を供給する。記録素子基板2は電気接続部材4によって、電気配線基板3と電気的に接続されている。電気配線基板3はフレキシブル配線基板(FPC)からなり、FPCの内部にこれらの駆動電力と制御信号が流れる電気配線層12が形成されている。電気配線層12はFPCから突き出す延長部を有している。この延長部はフライングリードと呼ばれる。フライングリードは、記録素子基板2の接続端子8を電気配線基板3の電気配線層12に電気的に接続する。本実施形態では、電気接続部材4はフライングリードを意味する。フライングリードは接続端子8と同じ数だけ設けられ、電気配線基板3の記録素子基板2と対向する辺に沿って幅方向Dに配列している。隣接するフライングリードの間には隙間が設けられている。電気配線基板3は、液体吐出ヘッド1を備えた液体吐出装置(ここではインクジェットプリンタ)の本体の制御部(図示せず)と、コンタクトピンやコネクターなどの手段(図示せず)によって接続されている。
電気接続部材4と接続端子8は、インクによる腐食や機械的な力による断線を防止するため、封止材13で封止ないし被覆されている。封止材13は硬化可能な液体状の樹脂を電気接続部材4及び接続端子8に塗布ないし滴下させ、その後硬化させることで形成される。液体状の樹脂を塗布ないし滴下させることで、樹脂がフライングリードの周囲に回り込み、フライングリードの周囲を確実に覆うことができる。封止材13としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。封止材13の硬化方法としては、硬化剤を封止材13に混合して封止材13を硬化させる二液混合硬化、加熱による熱硬化、紫外線照射による紫外線硬化、空気中の水分による硬化などを用いることができる。本実施形態では、熱硬化型のエポキシ樹脂を封止材13として用い、熱によってエポキシ樹脂を硬化させている。
電気接続部材4と接続端子8は絶縁部材14で覆われている。絶縁部材14は電気配線基板3からみて接続端子8の先まで延びており、接続端子8を完全に覆っている。絶縁部材14は電気配線基板3に固定されているが、記録素子基板2には固定されていない。封止材13は電気接続部材4及び接続端子8と絶縁部材14との間の空間15に充填されるとともに、電気接続部材4及び接続端子8を封止する。絶縁部材14は幅方向Dの全幅に渡って記録素子基板2から離れているが、封止材13を介して記録素子基板2に固定されている。絶縁部材14は幅方向Dと直交する方向Lにおける全長に渡って封止材13と密着している。電気接続部材4に関して絶縁部材14の反対側の空間16も封止材13が充填されている。具体的には、電気配線基板3の端部から記録素子基板2の側面まで延びる、ほぼ三角形状の断面の封止材13が記録素子基板2の幅方向Dに形成されている。これによって、すべての電気接続部材4及び接続端子8が封止材13で封止される。なお、絶縁部材14は少なくとも電気配線基板3の電気接続部材4側の端部で電気配線基板3に固定されているため、絶縁部材14と電気配線基板3の間の隙間に充填される不要な封止材13の量を抑制することができる。
本実施形態では封止材13に加えて絶縁部材14が設けられているため、電気接続部材4は記録媒体S側で、絶縁部材14と封止材13で二重に保護され、その反対側においても空間16に充填された封止材13で保護される。これによって、封止材だけが設けられている従来の液体吐出ヘッドと比べて、電気接続部材4と接続端子8の信頼性が向上する。また、従来の液体吐出ヘッドでは、記録素子基板を支持する支持基板を設け、支持基板上に記録素子基板の側面に沿って他の封止材を設け、当該他の封止材の上に電気接続部材の封止材を形成している。本発明では他の封止材を設ける工程が不要となるだけでなく、支持基板を省略することができるため、液体吐出ヘッドの構成が簡略化される。また、従来の液体吐出ヘッドでは、塗布された他の封止材が、記録素子基板と支持基板の双方に接触した状態で加熱され、熱で硬化させられている。記録素子基板と支持基板は通常熱膨張率が異なるため、常温に戻ったときに記録素子基板が支持基板に拘束され、記録素子基板の変形を招くことがある。記録素子基板の変形は吐出口面の変形を招き、インクの吐出方向の精度の低下につながる。本実施形態では、封止材13の下方に、記録素子基板2の変形を招く可能性のある他の封止材を設ける必要がないため、液体吐出ヘッド1の記録精度の向上も可能となる。
絶縁部材14は、電気的な絶縁性とインクに対する耐性とを備える任意の材料で形成することができる。絶縁部材14は例えば、上記特性を備えた熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または無機材料で形成することができる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンが挙げられる。熱可塑性樹脂の他の例としては、フッ素樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミドが挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ、アクリル、エポキシアクリレート、エポキシアミド、エポキシイミド、アミドアクリレート、イミドアクリレートが挙げられる。無機材料の例としては、ガラス繊維等が挙げられる。これらの材料で形成した層を積層したものや、これらの材料で形成した層に接着層や粘着層を積層したものを用いることもできる。
絶縁部材14は、加熱することで粘着性や接着性が増加ないし発生する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から形成することもできる。この場合、絶縁部材14は、加熱しながら圧着することで、電気配線基板3に直接接合することができる。加熱温度の制限により熱圧着による接着や粘着が困難な場合は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に低温で粘着性や接着性を発揮する成分を分散配合することもできる。あるいは、低温で粘着性や接着性を発揮する粘着層や接着層を、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂からなる絶縁部材14に積層してもよい。あるいは、常温で粘着性を有する粘着層が絶縁層に積層された、市販のテープを絶縁部材14として用いてもよい。この場合、電気配線基板3への接合を粘着力だけで行うことができるため、圧着時に加熱する必要はない。接着性や粘着性を有さないガラス繊維で形成された絶縁部材14は、加熱することで粘着性や接着性が増加ないし発生する接着層や粘着層をガラス繊維層に積層することで、熱圧着によって電気配線基板3に直接接合することができる。
以上説明した電気接続部材4と接続端子8の封止構造は様々な方法によって形成することができる。以下、実施例によって電気接続部材4と接続端子8の封止構造を作成する方法を詳細に説明する。
(実施例1)
図3は、実施例1により電気接続部材4と接続端子8の封止構造を作成する方法を模式的に示している。本実施例では、電気接続部材4は電気配線基板3から突き出すフライングリードである。まず、図3(a)に示すように、記録素子基板2と電気配線基板3との間に、記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接続する電気接続部材4を形成する。具体的には、フライングリードの端部を対応する接続端子8に電気的に接続する。記録素子基板2と電気配線基板3の位置関係は、フライングリードの剛性で維持されるが、記録素子基板2と電気配線基板3を保持する専用の固定治具を用いてもよい。
次に、図3(b)に示すように、電気接続部材4と接続端子8を絶縁部材14で覆う。絶縁部材14は、接着層であるDF470(日立化成工業製造)と絶縁層であるユーピレックス(宇部興産製造)の2層構成であり、これらの層を熱圧着することで形成される。DF470は加熱により粘着性を発揮して被着体への仮固定を可能し、さらに加熱を継続することで被着体に接着される性質を有している。絶縁部材14は、接着層が電気配線基板3と対向する向きで熱圧着されることにより電気配線基板3に直接保持(仮固定)され、電気接続部材4と接続端子8を、これらの上方から良好な位置精度で被覆する。その後絶縁部材14を加熱して、絶縁部材14をより強固に電気配線基板3に固定してもよいし、場合により仮固定のまま次のステップに進んでもよい。
次に、図3(c)に示すように、記録素子基板2と電気配線基板3を上下反転させる。具体的には、絶縁部材14が電気接続部材4の下方に位置するように記録素子基板2と電気配線基板3を配置する。この際、記録素子基板2と電気配線基板3は、相対位置がずれないように専用の固定治具(図示せず)で保持される。絶縁部材14は自重によって垂れ下がり、記録素子基板2から離れる。この状態で、電気接続部材4の上方から液体状の封止材13を電気接続部材4に塗布ないし滴下する。封止材13は熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂である。封止材13は重力によってフライングリードから下方に垂れ落ち、またはフライングリードの間の空間から下方に垂れ落ち、絶縁部材14で保持される。本実施例では長さ30mm、幅6mm、厚さ0.1mmの絶縁部材14を用いており、上方から塗布ないし滴下される封止材13を絶縁部材14で保持することができる。絶縁部材14に垂れ落ちた封止材13は絶縁部材14の上を平面状に広がり、電気配線基板3側の固定部と記録素子基板2側の端部に達する。封止材13は絶縁部材14の幅方向Dにも広がる。このようにして封止材13は電気接続部材4及び接続端子8と絶縁部材14との間の空間15に充填され、電気接続部材4の下面と接続端子8を覆う。絶縁部材14の縁部に達した封止材13は、封止材13の表面張力により絶縁部材14の縁部で保持され、絶縁部材14から垂れ落ちることはない。封止材13をさらに塗布ないし滴下すると、封止材13は電気接続部材4の上方に達する。封止材13は記録素子基板2の側面と電気配線基板3の端面で保持され、電気接続部材4の周囲を完全に覆う。その後、液体吐出ヘッド1を全体加熱することで、封止材13を熱で硬化させる。これによって封止材13は固化し、記録素子基板2と電気配線基板3の姿勢にかかわらず、電気接続部材4及び接続端子8を安定して保護することが可能となる。
このようにして、図3(d)に示すように、電気接続部材4の上方が絶縁部材14と封止材13で被覆され、下方が封止材13で被覆された液体吐出ヘッド1を得ることができる。本実施例では記録素子基板2と電気配線基板3はフライングリードで電気的に接続されているが、ワイヤーボンディングで電気的に接続されてもよい。但し、ワイヤーボンディングだけで記録素子基板2と電気配線基板3の位置関係を維持することは困難であるため、ワイヤーボンディングの前に記録素子基板2と電気配線基板3の位置関係を固定治具で維持することが必要である。
(実施例2)
本実施例は、絶縁部材14が記録素子基板2に固定されることを除き、実施例1と同様である。よって、説明を省略した点については実施例1の説明を参照されたい。
まず、図4(a)に示すように、記録素子基板2と電気配線基板3との間に、記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接続する電気接続部材4を形成する。記録素子基板2と電気配線基板3はワイヤーボンディングで接続されている。従って、本実施例では、電気接続部材4はワイヤーであるがフライングリードであってもよい。電気配線基板3には電気配線層12に接続されたパッド15が設けられ、パッド15にワイヤーが接続される。前述のように、ワイヤーボンディングだけで記録素子基板2と電気配線基板3の位置関係を維持することは困難であるため、記録素子基板2と電気配線基板3の位置関係はワイヤーボンディングの前に固定治具で維持される。
次に図4(b)に示すように、記録素子基板2の第1の面10に保持部16を設ける。具体的には、液体状の樹脂を、記録素子基板2の第1の面10の電気配線基板3からみて接続端子8の前方の位置に塗布する。本実施例では保持部として熱硬化性のエポキシ樹脂を用いているが、紫外線硬化樹脂を用いることもできる。樹脂は塗布後の形状がある程度維持される粘度のものが望ましい。保持部16は幅方向Dに間欠的に複数個設けられる。
次に図4(c)に示すように、電気接続部材4と接続端子8を覆う絶縁部材14を取り付ける。絶縁部材14の一端は実施例1と同様に電気配線基板3に熱圧着により仮固定する。この際、絶縁部材14がパッド15を覆うように、絶縁部材14は記録素子基板2からみてパッド15の後方で、電気配線基板3に固定される。絶縁部材14の記録素子基板2側の端部は保持部16と当接するように配置する。次いで、この状態で絶縁部材14と保持部16を加熱することで、絶縁部材14が電気配線基板3と記録素子基板2に固定される。本実施例では、実施例1と同様、接着層(DF470)と絶縁層(ユーピレックス)の2層構成の絶縁部材14を用いているが、接着層は実施例1より薄い厚み25μmのものを用いている。実施例1では、絶縁部材14は記録素子基板2に固定されていないため、絶縁部材14にある程度の剛性を持たせて封止材13の垂れ落ちを防止する必要がある。これに対し、実施例2では絶縁部材14の両側が保持されるため、絶縁部材14の形状を維持するために絶縁部材14自体の剛性を確保する必要がない。このため、実施例2では薄い接着層を用いることができる。絶縁部材14の厚みを薄くすることにより、記録素子基板2をより記録媒体Sに近接させることができる可能性が生じる。
次に図4(d)に示すように、絶縁部材14が電気接続部材4の下方に位置するように記録素子基板2と電気配線基板3を配置した状態で、封止材13を電気接続部材4と接続端子8に塗布ないし滴下する。この工程は図3(c)を参照して説明した実施例1の工程と同じである。ただし、封止材13は電気接続部材4と絶縁部材14の間にも進入し、パッド15を被覆する。本実施例では、電気接続部材4が封止材13でより確実に被覆されるように、粘度10Pa・sの低粘度のエポキシ樹脂からなる封止材13を用いている。このような低粘度の封止材13を電気接続部材4と接続端子8に塗布ないし滴下する場合、封止材13が電気配線基板3の上に広がる可能性がある。そこで、低粘度の封止材13を用いる際は、図4(d)に示すように、記録素子基板2の第1の面10が電気配線基板3より下方となるように記録素子基板2と電気配線基板3を配置することが望ましい。これによって、封止材13は記録素子基板2の方に流れ、電気配線基板3に広がることを抑制することができる。本実施例では、記録素子基板2を水平方向に対し15°傾けている。封止材13の粘度や表面張力もしくは記録素子基板2や電気配線基板3の形態によっては、封止材13の所望の塗布状態を得るために、記録素子基板2を他の角度で配置することができる。絶縁部材14は記録素子基板2に固定されており、封止材13を塗布ないし滴下している際も絶縁部材14と記録素子基板2の間隔が維持されるため、封止材13が絶縁部材14の電気配線基板3側の端部から垂れ落ちる可能性は小さい。このように、薄い絶縁部材14を用いる際は、絶縁部材14を記録素子基板2に固定することが封止材13の垂れ落ちを防止する手段の一つとなる。なお、保持部16を記録素子基板2の幅方向Dに連続的に設けることも可能である。これにより絶縁部材14が記録素子基板2により強固に固定されるとともに、幅方向Dに連続的に延びる保持部16が障壁となって、封止材13が絶縁部材14の電気配線基板3側の端部から垂れ落ちることをさらに抑制できる。
次いで封止材13を加熱することで、図4(e)に示す液体吐出ヘッド1を得ることができる。本実施例では保持部16を用いて絶縁部材14を記録素子基板2に固定しているが、DF470のように加熱することで粘着性を発揮する絶縁部材14を用いる場合、絶縁部材14を記録素子基板2に直接熱圧着することもできる。
(実施例3)
本実施例は、絶縁部材14がその下面に当接する支持板17で支持されながら、封止材13が塗布ないし滴下される点を除き、実施例1と同様である。よって、説明を省略した点については実施例1の説明を参照されたい。本実施例では電気接続部材4はフライングリードであるが、ワイヤーであっても構わない。
まず、電気接続部材4で記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接続し、電気接続部材4と接続端子8を絶縁部材14で被覆する。この工程は実施例1と同様に行うことができる。次いで、図5(a)に示すように絶縁部材14が電気接続部材4の下になるように記録素子基板2と電気配線基板3を反転し、絶縁部材14の下に支持板17を設ける。支持板17は絶縁部材14の下面に当接している。支持板17に溝18を設けており、絶縁部材14の記録素子基板2側の端部の近傍は支持板17に当接していない。これは後工程で塗布する封止材13が、万が一絶縁部材14の端部からはみ出した場合も、支持板17と封止材13が接触することを防止するためである。
次いで、図5(b)に示すように、支持板17が絶縁部材14に当接した状態で電気接続部材4と接続端子8に封止材13を塗布ないし滴下する。絶縁部材14が支持板17で保持されているため、封止材13を塗布した際に生じる絶縁部材14の変形を抑えることができる。このため、寸法精度の高い絶縁部材14の形状を得ることができる。また、液体状の封止材13と支持板17との間に絶縁部材14があるため、支持板17が封止材13で汚染されることはない。このため、支持板17は繰り返し使用することができる。
次いで、支持板17を絶縁部材14に当接させたまま液体吐出ヘッド1を全体加熱し、封止材13を硬化させることで、図5(c)に示す液体吐出ヘッド1を得ることができる。
(実施例4)
本実施例では、封止材13は熱硬化樹脂からなり、封止材13は電気接続部材4が封止材13で覆われた後に支持板17を加熱することで、熱で硬化させられる。本実施例はこの点を除き実施例3と同様である。よって、説明を省略した点については実施例3の説明を参照されたい。
まず、図5(a)に示すように、電気接続部材4で記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接合し、電気接続部材4と接続端子8を絶縁部材14で被覆する。さらに、絶縁部材14が電気接続部材4の下になるように記録素子基板2と電気配線基板3を反転し、絶縁部材14の下に支持板17を設ける。次に、図5(b)に示すように、電気接続部材4と接続端子8に封止材13を塗布ないし滴下する。この際、絶縁部材14が当接している支持板17を加熱する。支持板17を加熱したまま熱硬化可能な封止材13を塗布すると、封止材13は絶縁部材14に接触後に硬化反応が始まり硬化する。このようにして図5(c)に示す液体吐出ヘッド1を得ることができる。支持板17を加熱することにより、実施例3のように支持板17を絶縁部材14に当接させたまま液体吐出ヘッド1を加熱する必要がなくなり、容易に液体吐出ヘッド1を製造することができる。
(実施例5)
本実施例では、実施例1の製法において封止材13の垂れ落ちを紫外線照射により抑制する製造方法について述べる。本実施例では電気接続部材4はフライングリードであるが、ワイヤーであっても構わない。
まず、実施例1と同様に、電気接続部材4で記録素子基板2を電気配線基板3に電気的に接合し、電気配線基板3と接続端子8を絶縁部材14で被覆する。さらに、実施例1と同様に専用の固定治具を用いて絶縁部材14が電気接続部材4の下になるように記録素子基板2と電気配線基板3を反転する。次に、図6(a)に示すように、この姿勢を維持したまま、電気接続部材4と接続端子8に封止材13を塗布ないし滴下する。本実施例では、封止材13は紫外線硬化性と熱硬化性とを備えたエポキシ樹脂を用いている。この際、絶縁部材14の記録素子基板2側の端部の幅方向D全長に渡り、下方から照射装置19で紫外線を照射する。その後封止材13を加熱し、硬化させる。
このように絶縁部材14の端部に紫外線照射を行いながら紫外線硬化性の封止材13を塗布することで、絶縁部材14の端部に達した封止材13は紫外線硬化するため、絶縁部材14からの垂れ落ちを抑制できる。本実施例では、極めて粘度が低く絶縁部材14の端部から垂れ落ちてしまうような封止材13でも、電気接続部材4の被覆に用いることが可能となる。
図6(b)に示すように、紫外線硬化樹脂からなる封止材13を塗布後に上部から紫外線照射を行い、封止材13の表層を全て紫外線硬化させることもできる。封止材13の表層を全て紫外線硬化させることで、その後の工程において液体吐出ヘッド1の姿勢への配慮が不要となり、より簡易に液体吐出ヘッド1を製造することが可能となる。
また、紫外線硬化性と湿度硬化性(空気中の水分により硬化する性質)を備えた樹脂を封止材13として用いてもよい。封止材13は下方から紫外線を照射されながら塗布ないし滴下され、電気接続部材4と接続端子8が封止材13で覆われた後に空気中の水分によって硬化させられる。従って、封止材13を塗布後の加熱処理が不要となる。
2 記録素子基板
3 電気配線基板
4 電気接続部材
6 エネルギー発生素子
8 接続端子
13 封止材
14 絶縁部材

Claims (12)

  1. 液体に吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子に電気的に接続された接続端子と、を備えた記録素子基板と、前記エネルギー発生素子に駆動のための電気を供給する電気配線基板との間に、前記接続端子を電気配線基板に電気的に接続する電気接続部材を形成することと、
    前記電気接続部材と前記接続端子を絶縁部材で覆うことと、
    前記絶縁部材が前記電気接続部材の下方に位置するように前記記録素子基板と前記電気配線基板を配置した状態で、液体状の封止材を前記電気接続部材及び前記接続端子の上方から塗布ないし滴下し、塗布ないし滴下された前記封止材を前記絶縁部材で保持しながら前記電気接続部材及び前記接続端子を前記封止材で封止することと、を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記絶縁部材は前記電気配線基板に保持される、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記絶縁部材は加熱することで粘着性が増加ないし発生する材料からなり、前記絶縁部材は加熱されることで、前記電気配線基板に直接保持される、請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記絶縁部材は前記記録素子基板に保持される、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記記録素子基板は前記接続端子が形成された第1の面を有し、前記第1の面が前記電気配線基板より下方となるように前記記録素子基板と前記電気配線基板が配置された状態で、前記封止材が塗布ないし滴下される、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記封止材は熱硬化樹脂からなり、前記封止材は前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に熱で硬化させられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記封止材は紫外線硬化樹脂からなり、前記封止材は前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に紫外線で硬化させられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記絶縁部材が当該絶縁部材の下面に当接する支持板で支持されながら、前記封止材が塗布ないし滴下される、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記封止材は熱硬化樹脂からなり、前記封止材は前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に前記支持板を加熱することで、熱で硬化させられる、請求項8に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記封止材は紫外線硬化性と熱硬化性を備えた樹脂からなり、前記封止材は下方から紫外線を照射されながら塗布ないし滴下され、前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に熱で硬化させられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記封止材は紫外線硬化樹脂からなり、前記封止材は下方から紫外線を照射されながら塗布ないし滴下され、前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に紫外線で硬化させられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記封止材は紫外線硬化性と湿度硬化性とを備えた樹脂からなり、前記封止材は下方から紫外線を照射されながら塗布ないし滴下され、前記電気接続部材が前記封止材で覆われた後に空気中の水分によって硬化させられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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