JP2018038956A - 液体処理装置 - Google Patents

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武央 頭川
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Shota Yuasa
彰太 湯浅
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Abstract

【課題】高い分解または殺菌処理能力を確保しつつ装置構成が簡素化されメンテナンスが容易な液体処理装置を提供する。
【解決手段】出射面から真空紫外光を発する面光源102と、液体を保持するための処理槽101または流路と、処理槽101または流路の壁体112に前記出射面と接して設けられ面光源102からの真空紫外光を透過する透過窓121とを備え、前記真空紫外光が透過窓121を介して前記液体115に照射される。
【選択図】図1

Description

本開示は、液体に含まれる難分解物質、有機物、細菌を分解する液体処理装置に関する。
近年、産業排水および生活排水などによる水の汚染が進んでおり、いわゆる水環境汚染が社会問題になっている。具体的には、上水用の水源である上流河川において、農薬、ダイオキシン、または環境ホルモンなどの難分解性の汚染物質が微量に含まれていることが指摘されている。このような背景のもとに、水環境保全技術の開発が活発に行われており、活性炭処理、膜処理、オゾン処理、真空紫外光処理、および生物学的な処理などの技術開発が行われている。特に、水銀灯を光源とする184.9nmの波長の真空紫外光を被処理液に照射することで被処理液中にOHラジカルを生成させ、このOHラジカルが液中の難分解物質や有機物や細菌を酸化分解処理や殺菌処理できることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特開平10−216716号公報 実公平7−000236号公報
本開示は、高い分解性能、殺菌処理能力を確保しつつ、装置構成が簡素化されメンテナンスが容易な液体処理装置を提供する。
本開示の液体処理装置は、出射面から真空紫外光を発する面光源と、液体を保持するための処理槽または流路と、前記処理槽または前記流路の壁体に前記出射面と接して設けられ前記面光源からの真空紫外光を透過する透過窓と、を備え、前記真空紫外光が前記透過窓を介して前記液体に照射される。
本開示によれば、高い分解性能や殺菌処理能力を確保しつつ、装置構成が簡素化され、メンテナンスが容易な液体処理装置を実現することができる。
第1の実施形態に係る液体処理装置の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る光源の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る透過窓の他の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る透過窓の他の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る透過窓の他の構成を示す模式図である。 第2の実施形態に係る液体処理装置の構成を示す模式図である。 実施例に係る有機物の分解効果を示す図である。 実施例に係る有機物の分解効果を示す図である。 実施例に係る有機物の分解効果を示す図である。
(本開示に至った経緯)
上述した特許文献1に記載の装置は、光源から四方に発する真空紫外光を全て処理液に照射することができるため、光の利用効率が非常に高い構成となっている。
しかし、光源が処理槽の中に格納されているため、光源の不具合等に気が付きにくく、さらに、交換などのメンテナンスの工数が多くなるといった課題がある。また、光源が処理槽内で割れた場合、破片などが処理槽内に残存したり、被処理液に混在したりする可能性がある。
また、特許文献2に記載の装置は、光源が処理槽や流路の外に設置され、真空紫外光を、透過窓を介して処理液に照射しているため、不具合等が発生した場合に、メンテナンスが容易であるといった利点がある。
しかし、光源から発する真空紫外光の一部しか被処理液に照射されないため、光の利用効率が低い課題がある。また、人体に有害な真空紫外光を放つ光源を外に設置しているため、光源を真空紫外光に強い金属ケース等で覆う必要がある。このため、光源の点灯状態を目視で確認することが困難である。また、ケース内の雰囲気が空気である場合、真空紫外光により高濃度のオゾンが発生する。このため、光源を格納するケース内は、窒素などに雰囲気を入れ替えることが可能な装置か、オゾンを無害化する装置が必要であり、装置構成が複雑になる課題を有している。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本開示の液体処理装置に想到した。
本開示の一形態における液体処理装置は、出射面から真空紫外光を発する面光源と、液体を保持するための処理槽または流路と、前記処理槽または前記流路の壁面に前記出射面と接して設けられ前記面光源からの真空紫外光を透過する透過窓と、を備え、前記真空紫外光が前記透過窓を介して前記液体に照射される。
上述した構成によれば、処理槽または流路において光源を液体中に設置しないため、光源に不具合があっても交換等のメンテナンスの工数が少なく、また不具合も目視で確認できる利点がある。また、光源は面光源であり、その発光面が透過窓に接して配置されているため、ほぼ全ての真空紫外光が透過窓を介して被処理液に照射され、真空紫外光が大気側に照射されない。このため、高い照射効率を有しながらオゾンが発生せず、光源周囲の雰囲気を入れ替える装置やオゾンを無害化する処理装置が不要となる。この結果、装置構成が単純で分解性能に優れた処理装置を提供することが可能となる。
ここで、前記面光源が、160nm以下の波長を含む真空紫外光を発する光源であってもよい。
これにより、波長が160nm以下の真空紫外光を用いることにより、従来一般的に用いられている、エキシマランプが発する波長が172nmの紫外光や、水銀ランプが発する波長が185nmの紫外光を用いる場合と比べて、有機物を気体までより容易に分解できるため、特に高い分解性能を得ることができる。
また、前記液体がベンゼン環を含む有機化合物を含んでいてもよい。
ベンゼン環は強固な結合を持つことが知られている。従って、ベンゼン環をもつ有機物を、従来一般的に用いられている、エキシマランプが発する波長が172nmの紫外光や、水銀ランプが発する波長が185nmの紫外光で分解するためには、長い照射時間や強い照度が必要であった。我々は、波長が160nm以下の真空紫外光では、被処理液体中のベンゼン環を持つ有機物を容易に分解できることを確認している。このため、ベンゼン環が含む有機物を含む液体の処理に本開示の液体処理装置を用いれば、高い分解性能を得ることができる。
また、前記処理槽または前記流路内に液体を攪拌する攪拌器を備えてもよい。
本開示は、真空紫外光を用いるものである。この波長は、水や溶媒をほとんど透過しないため、液体への侵入深さが非常に浅い。一方、真空紫外光が液体を照射して生成されるラジカルの寿命は、非常に短い。よって、透過窓付近の液体に対流がない場合、透過窓の極近傍のみの液体に含まれる有機物が分解処理される。このため、処理槽または流路内に液体を攪拌する攪拌器を備えることで、より高い分解性能を得ることができる。
また、真空紫外光光源を前記処理槽または前記流路の重力方向での下側に設けてもよい。
本開示は、液体中に含まれる物質や菌を分解する目的に用いる。このため、処理槽または流路の下側に光源を設けることで、沈殿した物質や菌を効率的に分解することができる。
また、前記透過窓がフッ化マグネシウムまたはサファイアガラスからなるとしてもよい。
本開示の真空紫外光に波長が160nm以下の真空紫外光を用いた場合、120〜160nmの波長領域で透過率が高く比較的安価なフッ化マグネシウムやサファイアを用いることで、高い分解性能を得ることができる。
また、前記面光源が、第1の基板と、前記第1の基板の表面に配置された発光層と、前記出射面を構成する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに接して配置され前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記発光層を収容する密閉空間を形成する封着材とを備え、前記第2の基板がサファイアまたはフッ化マグネシウムからなるとしてもよい。
面光源としては、一般的に、細い管を複数並べるか、熱により管を平坦に加工して作製する。しかし、細い管を複数並べた場合、光源が複数必要になるため、価格が高くなる課題がある。また真空紫外光の透過率が高いサファイアやフッ化マグネシウムは、熱によって形状を加工することが非常に困難である。一方、サファイアやフッ化マグネシウムは、石英やフッ化カルシウムなどの他の真空紫外光を透過する材料と比べ、ガラスと熱膨張係数が近い特性を持つ。このため、サファイアやフッ化マグネシウムを光源の基板に用いたい場合、一般的なガラスの封着材を用いて基板を接着することが可能となるため、大型で平滑な平面型の光源を容易に作製することができる。
また、前記第1の基板がシリケートガラスからなるとしてもよい。
サファイアやフッ化マグネシウムは、シリケートガラスより高価な材料である。このため、発光面にサファイアやフッ化マグネシウムの基板を用い、反対の基板にシリケートガラス基板を用いることで、安価に光源を作製することができる。また、シリケートガラスは真空紫外光を吸収するため、発光面と反対側への真空紫外光の漏れが少なくすることができるため、オゾンの発生をさらに抑制することができる。
また、前記密閉空間に少なくともキセノンのガスが封入されていてもよい。
キセノンは放電により波長が147nmの真空紫外光を高効率で発生させる。このため、キセノンに電圧を印加して放電する光源の場合、高い発光強度を持つ真空紫外光光源を実現することができる。
また、前記壁体は開口を有し、前記透過窓は、前記真空紫外光を透過する窓板で前記開口を封止して構成されており、前記面光源の前記出射面と前記窓板とが接していてもよい。
上述した構成によれば、前記開口を前記窓板で封止しているため、液体を漏らすことなく前記面光源を取り外すことができる。そのため、前記面光源の交換等のメンテナンスの工数を少なくできる。
また、前記壁体は開口を有し、前記透過窓は、前記開口を前記面光源の前記出射面で封止して構成されていてもよい。
上述した構成によれば、前記開口を前記面光源の前記出射面で封止しているため、前記面光源の前記出射面が液体に直接接触することとなり、高い分解性能を得ることができる。
また、前記壁体の少なくとも一部分は前記真空紫外光を透過する材料で構成され、当該一部分が前記透過窓であってもよい。
上述した構成によれば、前記壁体の前記一部分を前記透過窓として利用することで、前記壁体に封止の必要な開口がない単純な構成で、分解性能に優れた液体処理装置を構成することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る液体処理装置1の構成を示す模式図である。
液体処理装置1は、処理槽101と、片面のみ(図1では上面のみ)に真空紫外光を発する面光源102と、電源105と、透過窓121とを備える。
透過窓121は、処理槽101の底面部(重力方向での下側)に設けられ、面光源102から発せられる真空紫外光を透過する。透過窓121は、一例として、処理槽101の壁体112に設けられた開口112aを窓板111で封止して構成される。窓板111は、真空紫外光を透過する材料から形成される。真空紫外光を透過する材料としては、例えば、真空紫外光を透過しやすいフッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)、又は、サファイアガラス(Al)などを用いることができる。
面光源102は、透過窓121に接するように処理槽101の外部に配置され、電源105からの電力を用いて発生させた真空紫外光を、透過窓121を介して処理槽101内の被処理液体115に照射する。
また、処理槽101は、被処理液体115を供給する給液口116と、処理後の非処理液体115を次の工程へ送る排液口117とを備えている。また、処理槽101の内部の被処理液体115を攪拌させるため、攪拌翼106と攪拌翼106を回転させる回転装置104を配置している。
液体処理装置1によれば、処理槽101の透過窓121に真空紫外光光源としての面光源102を密着させている。これにより、処理槽101の外に設置した面光源102から、効率良く被処理液体115に真空紫外光を照射することができる。
さらに、ほぼ全ての真空紫外光を片面のみに発する面光源102を用いるため、被処理液体115への高い照射効率を有しながら大気に真空紫外光が照射されることが無く、真空紫外光が酸素に触れることで発生するオゾンの量を大幅に抑制することができる。このため、光源の周囲をカバー等で囲んで雰囲気を入れ替える装置やオゾン処理装置を設ける必要がなくなるため、装置の製作コストを抑制することができる。
さらに、面光源102を処理槽101の外部に配置し、かつ、開口112aを窓板111で封止してなる透過窓121を用いるため、面光源102の劣化および破損の際に、被処理液体115を漏らすことなく、面光源102を容易に交換することができる。また、面光源102の発光状況が目視で確認しやすいため、面光源102に異常があった際も気が付きやすくなる利点もある。また、面光源102が破損しても破片が被処理液体115に混ざることがない。
面光源102としては、バリア放電を用いた光源が挙げられる。
図2は、面光源102の構成の一例を示す断面図である。面光源102は、図2に示すように、第1の基板210と、第2の基板211と、複数の電極対220と、誘電体層230と、保護層250と、封着材270とを備える。複数の電極対220の各々は、電極221と電極222とで構成される。
面光源102では、第1の基板210と第2の基板211とを封着材270を介して接合することで、バリア放電のための密閉空間212を形成している。第1の基板210には、バリア放電290を発生させるための電圧を印加する複数の電極対220が配設され、複数の電極対220を覆うように誘電体層230が積層されている。誘電体層230の密閉空間212に向かう面は、イオン衝撃から誘電体層230を保護する保護層250で被覆されている。放電で生じた真空紫外光291は、第2の基板211から光源外部に出射される。第2の基板211は、面光源102の出射面となる。
密閉空間212には、例えば、キセノン(Xe)、塩化クリプトン(KrCl)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)、一酸化炭素(CO)、窒素(N)などの放電ガスが所定の圧力で封入されている。例えば、放電ガスにXeを用いた場合、波長のピークが160nm以下の範囲に存在する真空紫外光291が生じる。
第2の基板211は、真空紫外光を光源外部に取り出すために真空紫外光を透過する材料から形成される。真空紫外光を透過する材料としては、例えば、真空紫外光を透過しやすいフッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)、又は、サファイアガラス(Al)などを用いることができる。
誘電体層230は、第1の基板210と第2の基板211との間に位置する。本実施の形態では、誘電体層230は、第1の基板210の主面上に位置し、複数の電極220を覆う。誘電体層230は、例えば、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi)、または酸化燐(PO)を主成分とする低融点ガラスで形成された層を用いることができる。
上述した面光源102において、複数の電極対220の各々に所定の交流電圧を印加することにより、各電極対220の上方においてバリア放電290が発生し、当該バリア放電によって生じた真空紫外光291が第2の基板211を介して面光源102の外に出射される。
以上の構成によれば、面光源102から出射される真空紫外光291を被処理液体115に照射することで、被処理液体115中に強いラジカル種を生成し、当該ラジカル種により被処理液体115中の難分解物質や細菌を分解することが可能となる。
なお、密閉空間212に封入する放電ガスは、少なくとも、キセノンを含んでもよい。キセノンの放電で発生する真空紫外光は、投入電力に対する真空紫外光の生成効率が非常に高いため、高い分解効率を実現できる。また、ネオン(Ne)とキセノンの混合ガスを用いて放電開始電圧を下げてもよい。
第2の基板211に用いる材料は、ガラスの封着材270と熱膨張係数が近い材料の方が封着しやすいことから、サファイアガラスやフッ化マグネシウムであってもよい。
透過窓121における窓板111は、フッ化マグネシウムまたはサファイアであってもよい。フッ化マグネシウムまたはサファイアは、波長が120nm以上の真空紫外光を透過させることが可能であり、かつ真空紫外光を透過させる他の材料よりも安価である。
第1の基板210は、シリケートガラスであってもよい。シリケートガラスを用いることで、誘電体層230や封着材270との密着力を高くすることができる。また、シリケートガラスは非常に安価であるため、面光源102を安価に作製することができる。さらに、シリケートガラスは真空紫外光を吸収するため、真空紫外光が第1の基板210から外へ出射するのを防ぐことができる。
図1では、面光源102と透過窓111とを処理槽101の底部に設置したが、処理槽101の横や上部に設置してもよい。ただし、底部に設置することで、沈殿した細菌や物質を効果的に処理することが可能になる。
また、被処理液体115を攪拌するために攪拌翼106を処理槽101の内部に設けたが、処理液体の流速が早い場合は、攪拌機能を設けなくてもよい。
被処理液体115に含まれる分解対象物は、有機物であってもよい。特にベンゼン環含む有機物では、より高い分解性能を得られることが分かっている。
なお、上記した実施形態では、処理槽101の壁体112の開口112aを、真空紫外光を透過する窓板111で封止してなる透過窓121を例示したが、透過窓の構成はこの例には限られない。透過窓は、例えば、次のように構成されてもよい。
図3は、透過窓の他の構成を示す模式図である。図3に示すように、透過窓122は、処理槽101の壁体112の開口112aを窓板111で封止して構成される。透過窓121では、窓板111が開口112aを壁体112の外部から覆っているのに対し、透過窓122では、窓板111が開口112aにはめ込まれている点が異なる。
透過窓122によっても、透過窓121と同様、装置構成が単純で分解性能に優れた処理装置を提供できる。
図4は、透過窓の他の構成を示す模式図である。図4に示すように、透過窓123は、処理槽101の壁体112の開口112aを面光源102の出射面で封止して構成される。
透過窓123によれば、面光源102の交換等のメンテナンスの際に、被処理液体115の排水が必要になるなどの手間が生じる。しかしながら、面光源102の出射面が被処理液体115に直接接触するので、真空紫外光を直接、被処理液体115に照射できるため高い分解性能を得ることができる。
図5は、透過窓の他の構成を示す模式図である。図5に示すように、処理槽101の壁体112の少なくとも一部分112bが真空紫外光を透過する材料で構成され、当該一部分112bが透過窓124となっている。
なお、壁体112の全体が真空紫外光を透過する材料で構成されていてもよく、その場合、真空紫外光が大気に触れるのを抑制するために、壁体112の透過窓124以外の部分を遮光材114で覆ってもよい。
透過窓124によれば、壁体112の一部分112bを透過窓124として利用することで、壁体112に開口がない単純な構成で、分解性能に優れた処理装置を提供できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る液体処理装置は、被処理液体115を処理槽101に留まらせることで、真空紫外光による被処理液体115の照射時間を長くして、十分な分解性能を得る構成となっている。これに対し、第2の実施形態では、液体処理装置は、流路を流れる被処理液体115を処理する液体処理装置について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る液体処理装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、液体処理装置2は、処理槽101に代えて被処理液体115を輸送する流路103を備え、流路103に設けた透過窓125に面光源102を密着させて構成されている。流路103は、例えば、配管であってもよい。面光源102の出射面(例えば、図2の第2の基板211)は、平面形状に限る必要はなく、配管に沿う曲面形状であってもよい。
透過窓125は、流路103の底面部(重力方向での下側)に設けられ、面光源102から発せられる真空紫外光を透過する。透過窓125は、図1の透過窓121と同様、流路103の壁体113に設けられた開口113aを窓板111で封止して構成される。なお、液体処理装置2での透過窓には、透過窓125に限らず、例えば、図3、図4、又は図5の透過窓122、123、又は124と同様の構造をした透過窓を用いてもよい。
第2の実施形態に係る液体処理装置2は、第1の実施形態の液体処理装置1よりも単純な構成となり、安価に作製できる利点がある。ただし、配管103を流れる被処理液体115に真空紫外光を照射する構成であるため、被処理液体115への真空紫外光の照射時間が被処理液体115の流速に依存する。この結果、被処理液体115の分解性能は被処理液体115の流速に依存する。
(実施例)
本発明者らは、第1の実施形態の液体処理装置1を試作し、当該液体処理装置を用いて有機物を分解する実験を行った。以下では、当該実験の結果を実施例として説明する。
本実験では、液体処理装置1の試作装置を用いて、被処理液体115に含まれたインディゴカーミンの分解効果を確認した。当該試作装置では、両端が開放された内径5cmのアクリル筒を処理槽101の壁体112に用いた。開放された両端のうちの一端が開口112aに対応する。このアクリル筒の前記一端を、窓板111としての半径5cmのサファイアガラスで封止し、このサファイアガラスを透過窓121とした。
処理槽101の内部には、被処理液体115として、20ppmのインディゴカーミン水溶液を100g入れ、処理槽101の底部から、透過窓121を介して、波長の異なる4種類の光源の紫外光を被処理液体115に照射した。また、真空紫外光の照射中は、アクリル筒の上部から攪拌棒を挿入して回転させることで、被処理液体115を攪拌した。
4種類の光源には、(1)147nmに発光ピークを持つキセノンとネオンとを放電ガスに用いた自作の面光源102、(2)172nmに発光ピークを持つ楕円型小型エキシマランプ、(3)185nmと254nmに発光ピークを持つ円柱型水銀ランプ、(4)254nmに発光ピークを持つ真空紫外光を発しない円柱型水銀ランプ、を用いた。
各光源は、透過窓121に接するように設置したが、(1)の面光源以外は、発光面が曲面であるため、大気に真空紫外光が漏れる構成となっている。
被処理液体の分解効果を確認するため、真空紫外光を30分、50分、100分、150分間照射したそれぞれの時点で被処理液体を一定量抜き取った。この抜き取った被処理液体をについて、液体クロマトグラフ質量分析計(以下、LC/MSと表記する)を用いてインディゴカーミンの残留量及び分解により生成された生成物の量を確認した。
図7は、インディゴカーミンの化学構造と、真空紫外光の各照射時間において被処理液体に含まれるインディゴカーミンの量の変化を示したグラフである。横軸は照射時間、縦軸はLC/MSで測定された任意の強度(含有量に該当)を示す。図7から、いずれの光源においてもインディゴカーミンの減少が見られ、照射50分程度でインディゴカーミンがほとんど存在していないことが分かった。
図8は、LC/MSで測定されたインディゴカーミンが分解して生成された生成物の化学構造と、被処理液体に含まれるこの生成物の量の変化を示したグラフである。横軸は照射時間、縦軸はLC/MSで測定された任意の強度(含有量に該当)を示す。生成物は、インディゴカーミンの中央の2重結合と5員環の結合が分解され、ベンゼン環が残った有機化合物である。なお、LC/MSで測定された強度は、測定される化合物ごとに感度が異なるため、図7の量との比較はできない。
図8から、(1)においては、30分で大きく上昇した後、照射50分では大きく減少し、照射100分では生成物の残留は見られなかった。また、(2)においても同様の傾向が見られたが、(1)と比べて照射100分での残留量は多いことが分かった。一方、(3)においても同様の傾向が見られたが、照射100分での残留量は(2)よりも多いことが分かった。(4)においては、生成物の発生が見られるが、減少は見られなかった。
図9は、LC/MSで測定されたインディゴカーミンに含まれるスルホ基由来の硫化物の化学構造と、この硫化物の量の変化を示したグラフである。横軸は照射時間、縦軸はLC/MSで測定された任意の強度(含有量に該当)を示す。この硫化物は、インディゴカーミンの有機成分が全て分解され、最終的に残留した生成物と考えられる。
図9から、硫化物は(1)と(2)においてしか発生しておらず、また、硫化物は(1)が(2)より非常に多いことが分かる。また、(3)、(4)においては、硫化物はほとんど生成されないことが分かった。
以上の実験結果から、(1)〜(4)の何れの光源から紫外光を照射してもインディゴカーミンを分解することが可能である。インディゴカーミンに含まれるベンゼン環を分解するためには波長が200nm以下の真空紫外光が必要であることが分かった。また、ベンゼン環をさらに十分に分解するには、(1)のような147nm程度の波長の短い真空紫外光が有効であることが分かった。
また、(1)〜(4)の光源の内、(2)と(3)については実験中にオゾン臭が発生した。一方、(1)と(4)はオゾン臭が発生しなかった。(4)は254nmに発光ピークを持つ真空紫外光を発しない円柱型水銀ランプを用いたため、オゾンが発生しなかったためと考えられる。(1)は平面型で発光面が透過窓に密着しているため、大気雰囲気に真空紫外光が照射されなかったことによるものと考えられる。
以上のことから、(1)の光源を用いた分解装置においては、分解性能が非常に高く、オゾンが発生しない液体処理装置を実現できることが分かった。
本開示は、高い分解または殺菌処理能力を確保しつつ、装置構成が簡素化されメンテナンスが容易な液体処理装置に有用である。
1 液体処理装置
101 処理槽
102 面光源
103 流路
104 回転装置
105 電源
106 攪拌翼
111 窓板
112、113 壁体
112a、112b、113a 開口
114 遮光材
115 被処理液体
116 給液口
117 排液口
121、122、123、124、125 透過窓
210 第1の基板
211 第2の基板
212 密閉空間
220 電極対
221、222 電極
230 誘電体層
250 保護層
270 封着材
290 バリア放電
291 真空紫外光

Claims (12)

  1. 出射面から真空紫外光を発する面光源と、
    液体を保持するための処理槽または流路と、
    前記処理槽または前記流路の壁体に前記出射面と接して設けられ前記面光源からの真空紫外光を透過する透過窓と、
    を備え、
    前記真空紫外光が前記透過窓を介して前記液体に照射される、液体処理装置。
  2. 前記面光源が160nm以下のピーク波長を含む真空紫外光を発する、請求項1に記載の液体処理装置。
  3. 前記液体はベンゼン環を含む有機化合物を含む、請求項1に記載の液体処理装置。
  4. 前記処理槽または流路内に前記液体を攪拌する攪拌器を備えた、請求項1に記載の液体処理装置。
  5. 前記面光源が前記処理槽または前記流路の重力方向での下側に配置されている、請求項1に記載の液体処理装置。
  6. 前記透過窓がフッ化マグネシウムまたはサファイアガラスからなる、請求項1に記載の液体処理装置。
  7. 前記面光源が、第1の基板と、前記第1の基板の表面に配置された発光層と、前記出射面を構成する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに接して配置され前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記発光層を収容する密閉空間を形成する封着材とを備え、前記第2の基板がサファイアまたはフッ化マグネシウムからなる、請求項1に記載の液体処理装置。
  8. 前記第1の基板がシリケートガラスからなる、請求項7に記載の液体処理装置。
  9. 前記密閉空間には少なくともキセノンのガスが封入されている、請求項7に記載の液体処理装置。
  10. 前記壁体は開口を有し、
    前記透過窓は、前記真空紫外光を透過する窓板で前記開口を封止して構成されており、
    前記面光源の前記出射面と前記窓板とが接している、請求項1に記載の液体処理装置。
  11. 前記壁体は開口を有し、
    前記透過窓は、前記開口を前記面光源の前記出射面で封止して構成されている、請求項1に記載の液体処理装置。
  12. 前記壁体の少なくとも一部分は前記真空紫外光を透過する材料で構成され、
    当該一部分が前記透過窓である、請求項1に記載の液体処理装置。
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