[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステムは、通信回線Nに接続可能なゲームサーバ1000と、ゲームのプレーヤ1毎に用意されるプレーヤ端末5000とを備えて構成される。
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
ゲームサーバ1000は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムであって、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲームの運営に必要なデータの管理や、プレーヤ端末5000でのゲームの実行に必要なゲームプログラムやデータの配信等を行うことができる。
プレーヤ端末5000は、ゲームプログラムを実行することのできるコンピュータであり、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、ゲームサーバ1000とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末5000は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等の形態を取り得る。
図2は、プレーヤ端末5000の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末5000は、方向入力キー5002と、ホームキー5004と、タッチ操作パネル5006と、スピーカ5010と、マイク5012と、CCDカメラモジュール5018と、制御基板5020と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード5032に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置5030とを備える。その他、プレーヤ端末5000には、図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
CCDカメラモジュール5018は、オートフォーカス機構と、CCDイメージセンサと、イメージ信号生成チップとを搭載したモジュールであって、プレーヤ端末5000の背面側を撮影できるように配置されている。なお、イメージセンサ素子はCCDに限らない。
制御基板5020には、CPU5022やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ5024、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール5026等が搭載されている。また、制御基板5020には、方向入力キー5002及びホームキー5004からの信号を受信する回路、タッチ操作パネル5006のドライバ回路、メモリカード読取装置5030への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板5020に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
このプレーヤ端末5000のプレーヤ1は、ゲームオブジェクトである図1に示す仮想的なゲームカード(以下、単に「カード」という。)3をゲーム内で使用する。カード3は複数種類用意され、各々に関連付けられたキャラクタ表示31及びカード属性表示33との組合せによって区別される。カード属性表示33は、例えば、1から7の何れかの数字として定められる。各カード3には、コンピュータ制御の敵キャラクタや他プレーヤ等の対戦相手との対戦プレイ(バトル)に用いるレベルや攻撃力、HPといった能力パラメータ値が定められている。この能力パラメータ値は可変となっている。
カード3は、アカウント登録時においてバトルに最低限必要な枚数が付与される他、ゲーム中に獲得したり、課金アイテムとして購入によって獲得したり、ガチャと呼ばれる抽選によって獲得することができる。加えて、カード3は、実体のあるゲームカード(以下、「リアルカード」という。)を入手し、入手したリアルカードをゲーム内で使用可能とするための登録手続きをすることによっても獲得できる。具体的には、プレーヤ1は、リアルカードの登録手続きを行うと、そのリアルカードと対応付けられたカード種類のカード3を獲得することができる。リアルカードに対応するカード(以下、「元リアルカード」ともいう。)3には、ゲーム画面上での表示に際し、元リアルカード以外のカード3と視覚的に識別するための識別マークMKが付される。このように、カード3は、リアルカードに対応するものと、リアルカードとは無関係のものとを含む。
ここで、リアルカードは、いわゆる「トレーディングカード」としてプレーヤ1に無償或いは有償で配布・販売されるものであり、例えば、そのカード種類に応じたキャラクタ及びカード属性が表面に印刷され、該当するリアルカードの識別情報であるリアルカードID(シリアルナンバー)が例えば裏面等に印刷されたものとして発行される。リアルカードIDは、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コードやバーコード等として印刷される。プレーヤ1は、二次元コード等にプレーヤ端末5000の背面をかざしてCCDカメラモジュール5018に読み取らせることでリアルカードIDを入力し、リアルカードの登録手続きを行う。登録手続きは、1枚のリアルカード毎に1回に限りすることができる。
なお、リアルカードIDの入力は、CCDカメラモジュール5018を用いた二次元コード等の読み取りに限らず、文字列として印刷されたリアルカードIDをプレーヤ1が手入力する構成であっても構わない。また、リアルカードの配布形態は特に限定されるものではないが、例えば、実店舗等において所定枚数(例えば、3枚でもよいし、5枚でもよい。)を1パッケージとして販売される。
以上のようにして獲得したカード3は、ゲーム上において、特定のカード(ベースカード)3を合成(強化)するための素材カードとして使用したり、売却して課金アイテムの購入等に必要な仮想通貨ポイントに換金することもできる。素材カードとして使用されたカード3や売却されたカード3は消滅する。
[ゲームの概要]
本実施形態のゲームでは、プレーヤ1は、保有しているカード(保有カード)のうちの所定枚数(例えば12枚)でデッキを編成(構成)し、デッキを用いたバトル(対戦プレイ)に挑む。デッキを用いたバトルとは、デッキを構成するカード(デッキカード)に定められている能力パラメータ値を用いて、対戦相手との勝敗を決めるものである。バトルは、ログイン後に表示されるホーム画面からバトルメニューを選択操作(タッチ操作)することで開始される。なお、ゲームに先立ち、プレーヤ1は、アカウント登録を済ませ、デッキを編成しておく必要がある。デッキの編成は、ホーム画面からカードメニュー(図5を参照)をタッチ操作し、その1つとして提示されるデッキ編成メニューM21から行えるようになっている。なお、デッキの編成に際しては、デッキカードのうちの1枚が、自動的に又はプレーヤ1の操作入力に従ってリーダーカードとされる。リーダーカードのキャラクタは、プレーヤキャラクタとしてホーム画面や後述するカードゲーム画面等に表示される。
(A)バトルメニュー
本実施形態のゲームは、複数のゲームステージで構成され、各ゲームステージを順にクリアしていくステージクリア型の対戦ゲームである。プレーヤ1は、ゲームステージ毎に出現する敵キャラクタとのバトルを行い、バトルに勝利するとステージクリアとなる。本実施形態では、プレーヤ1は、ゲームステージ毎にブラックジャックを模したカードゲームを1回又は複数回繰り返し行って敵キャラクタと対戦する。そして、カードゲームに勝つことで敵キャラクタを攻撃し、先に敵キャラクタのHPを「0」にできればバトルの勝者となる。逆に、カードゲームに負ければ敵キャラクタからの攻撃を受け、プレーヤ1のHPが先に「0」となればバトルの敗者となる。プレーヤ1の攻撃力は、カードゲームでの手役カードの攻撃力の合計値とされ、HPは、デッキカードのHPの合計値(現デッキパラメータ値741のデッキHP)とされる。敵キャラクタの攻撃力やHPは、ゲームステージ毎に予め設定される。
図3は、1回のバトルの大まかな流れを説明する図である。図3に示すように、バトルメニューをタッチ操作すると先ず、カードゲームを実行する(ステップa1)。
図4は、カードゲーム画面の画面例を示す図である。図4に示すように、カードゲーム画面は、画面中央の手役表示エリアA15を挟んで上下に、プレーヤ1のプレイエリアA11と、敵キャラクタのプレイエリアA13とを備える。
プレーヤ1のプレイエリアA11は、デッキカード3aが裏向きに積まれた山札アイコンI11と、デッキ(山札)から引いた手役カード3bが引いた順に左から並べて表示される手役カード表示エリアA111と、プレーヤ1のHPゲージG11と、HITボタンB111と、HOLDボタンB113とを備える。
HITボタンB111は、デッキからデッキカード3aを引く操作を入力するためのものであり、HITボタンB111をタッチ操作すると、デッキカード3aが1枚引かれて手役カード表示エリアA111において手役カード3bとして表向きに表示される。なお、デッキは、カードゲームを実行するたびにシャッフルされる。
HOLDボタンB113は、手役を確定する操作を入力するためのものである。1回のカードゲームでは、デッキから最大5枚のデッキカード3aを引くことができるが、手役(手役カード3bにカード属性として定められた数字の合計値;図4では「18」)が「21」を超えないようにする必要がある。プレーヤ1は、デッキカード3aを5枚引く前に手役が「21」を超えると考えた場合はHOLDボタンB113をタッチ操作し、手役を確定させる。
一方、敵キャラクタのプレイエリアA13は、山札アイコンI13と、手役カード表示エリアA131と、敵キャラクタのHPゲージG13とを備え、手役カード表示エリアA131の手役カードは、プレーヤ1に見えないように裏向きに配置される。
また、手役表示エリアA15には、プレーヤ1の現時点の手役が表示されると共に、敵キャラクタの現時点の手役が「?」として表示される。
このカードゲーム画面において、プレーヤ1は、HITボタンB111を5回タッチ操作してデッキカード3aを5枚引き、或いは5枚引かずにHOLDボタンB113をタッチ操作して手役を確定させる。プレーヤ1と敵キャラクタとのうち、最終的に「21」以下で、且つ「21」により近い手役を完成させた方が勝ちとなる。
図3に戻る。カードゲームを実行したならば、戦闘演出表示を行う(ステップa3)。例えば、プレーヤ1が勝った場合は敵キャラクタが攻撃を受ける様子を演出表示する一方、負けた場合は敵キャラクタが攻撃する様子を演出表示する。
その後、ゲーム結果に従ってダメージ判定を行い(ステップa5)、HPを更新する(ステップa7)。例えば、図4に示すカードゲーム画面の状態でプレーヤ1がHOLDボタンB113をタッチ操作した場合であって、敵キャラクタの手役がプレーヤ1の手役である「18」未満であった場合は、プレーヤ1が勝ちとなる。そして、4枚の手役カード3bの攻撃力の合計値を敵キャラクタが受けるダメージと判定し、敵キャラクタのHPから減算する。プレーヤ1が負けた場合は、敵キャラクタの攻撃力をプレーヤ1が受けるダメージと判定し、プレーヤ1のHPから減算する。
そして、図3に示すように、更新後のHPが「0」以下となるまでの間は(ステップa9:NO)、ステップa1に戻って上記処理を繰り返す。「0」以下となったならば(ステップa9:YES)、勝敗演出表示を行って(ステップa11)、バトルを終了する。
(B)カードメニュー
図5は、カードメニュー画面の画面例を示す図である。図5に示すように、カードメニュー画面は、デッキ編成メニューM21と、パワーアップ合成メニューM22と、カード売却メニューM23と、カードバインダーメニューM24と、リアルカード読取メニューM25とを備える。
デッキ編成メニューM21をタッチ操作すると、デッキ編成画面が表示される。このデッキ編成画面では、プレーヤ1は、一覧表示された保有カードの中からデッキカードをタッチ操作することで、デッキを編成することができる。
図6は、デッキの編成を説明する図である。図6では、最上段に保有カードを示し、中段にデッキカードを示している。保有カードは、キャラクタ種類及びカード属性が同じ同一カード種類のものをひとまとめにして並べて示している。なお、図6中、各カードのキャラクタ種類については、最上段の保有カードの代表する1つについて欄外に示し、その他のカードでは図示を省略している。また、デッキカードは、その一部である4枚のデッキカード3c,3d,3e,3fをハッチング付きで示し、併せて保有カードに含まれる同一カード種類のものを並べて示している。デッキは、保有カードの中から12枚のデッキカードを選択することで編成される。
ここで、上記したように、バトルメニューで行うデッキを用いたバトルでは、デッキカードの能力パラメータ値が用いられる。そのため、デッキの強さは、デッキカードとする保有カードの能力パラメータ値によって決まり、強いデッキを編成すればゲーム(バトル)を有利に進行できる。このデッキの強さは、例えば、デッキ攻撃力及びデッキHPの各デッキパラメータ値として定められる。デッキ編成時には、このデッキパラメータ値が算出される。
基本的には、デッキ攻撃力は、各デッキカードの攻撃力の合計値として算出され、デッキHPは、各デッキカードのHPの合計値として算出される。ただし、デッキカードと同一カード種類のカードを複数枚保有している場合には、その保有枚数が「カード重ね」として考慮され、デッキ攻撃力及びデッキHPの各値に反映されるようになっている。例えば、図示の例では、プレーヤ1は、デッキカード3dとしたカードを2枚保有しており、デッキカード3fとしたカードを6枚保有している。この場合は、図6の下段に示すように、デッキ攻撃力の算出に際しては、例えば、デッキカード3dの攻撃力=273には所定ポイント(例えば10)に保有枚数=2を乗じた値を加算し、デッキカード3fの攻撃力=143には所定ポイントに保有枚数=6を乗じた値を加算する。そして、その上で各デッキカードの攻撃力の値を合算してデッキ攻撃力の値とする。デッキHPも同様に算出する。
実際には、カード種類毎にデッキコストが定められており、デッキは、12枚のデッキカードのデッキコストの合計値が所定のデッキコスト上限値を超えないように編成しなければならない制約(第1の制約)が設けられている。デッキコストには、例えば攻撃力及びHPの少なくとも一方の初期値が大きく強いカードほど大きい値が設定されることから、この第1の制約によって、プレーヤ1が当初から強いカードを多数保有している場合であってもそれらの大量投入が防止される。ここで、デッキコスト上限値は、プレーヤ1の経験値に応じて随時加算・更新される。したがって、プレーヤ1がゲームプレイを重ねていくことで経験値を上げれば、より強いカードを組み合わせたデッキの編成が可能となる。
加えて、デッキは、カード属性として定められる数字が同じデッキカードが所定枚数(例えば3枚)以上含まれないように編成しなければならない制約(第2の制約)が設けられている。本実施形態のバトルで行うカードゲームは、手役を「21」に近づけるゲームであることから、例えばデッキカードの全て又は大半をカード属性が「7」のものとするようなデッキの編成を禁止するためである。
図5に戻る。パワーアップ合成メニューM22をタッチ操作すると、パワーアップ合成画面が表示される。このパワーアップ合成画面では、プレーヤ1は、一覧表示された保有カードの中から1枚のベースカードをタッチ操作し、1枚又は複数枚の素材カードをタッチ操作して指定することで、ベースカードに素材カードを合成することができる。
図7は、カードの合成を説明する図であり、合成前のベースカード3gのレベル、攻撃力、及びHPの各能力パラメータ値とキャラクタ属性とを上段に示し、合成後のベースカード3gの各能力パラメータ値とキャラクタ属性とを下段に示している。カードの合成とは、素材カード3hの能力パラメータ値をベースカード3gの能力パラメータ値に吸収させることによってベースカード3gの強化を図ることをいう。合成の結果、素材カード3hが消滅して使用不可となる代わりに、ベースカード3gのレベルや攻撃力、HPの各能力パラメータ値が上がってベースカード3g(換言すればベースカード3gのキャラクタ)が成長する。
図5に戻る。カード売却メニューM23をタッチ操作すると、カード売却画面が表示される。このカード売却画面では、プレーヤ1は、一覧表示された保有カードの中から売却対象のカード(売却カード)をタッチ操作して指定することで、売却カードを売却して売値の仮想通貨ポイントに換金することができる。
カードバインダーメニューM24をタッチ操作すると、カードバインダー画面が表示される。このカードバインダー画面では、プレーヤ1は、保有カードをコレクションとして閲覧し、楽しむことができる。
リアルカード読取メニューM25をタッチ操作すると、リアルカード読取画面が表示され、CCDカメラモジュール5018が起動する。このリアルカード読取画面では、プレーヤ1は、リアルカードのリアルカードIDを読み取らせる登録手続きを行うことで、対応するカード(そのカード種類のカード)を獲得することができる。
[原理]
デッキ編成メニューM21をタッチ操作すると表示されるデッキ編成画面には、おすすめデッキボタンが配置されており、このおすすめデッキボタンをタッチ操作すると、推奨デッキであるおすすめデッキが自動的に編成され、現時点で編成されているプレーヤのデッキがおすすめデッキに変更されるようになっている。以下、現時点で編成されているプレーヤ1のデッキを「現デッキ」、現デッキのデッキパラメータ値を「現デッキパラメータ値」という。
おすすめデッキとは、そのデッキパラメータ値が、最も有利にゲームを進行可能な値(おすすめデッキパラメータ値)となるように編成されたものである。デッキパラメータ値については適宜定義することとしてよいが、保有カードの保有状態と、デッキカードの所定のパラメータ値と、デッキコスト上限値とに基づいて、第1,第2の制約を満たすことを前提に編成される。本実施形態では、各デッキカードの攻撃力によって定まるデッキ攻撃力と、各デッキカードのHPによって定まるデッキHPとをデッキパラメータ値としており、そのうちの例えばデッキ攻撃力が最大となるように保有カードの中から選択された12枚の組合せがおすすめデッキとされる。
実際の内部処理としては先ず、デッキパラメータ値(本実施形態ではデッキ攻撃力)が最大となる12枚のデッキカードの組合せを作成する。そして、そのデッキパラメータ値が現デッキパラメータ値よりも大きい場合におすすめデッキを編成可能と判定し、作成した組合せをおすすめデッキとして編成可能である旨を報知する。
ただし、これに限らず、おすすめデッキは、デッキHPが最大となるように編成することとしてもよい。或いは、デッキ攻撃力及びデッキHPの双方の値を考慮した総合的な値をデッキパラメータ値として用いることとしてもよい。この場合には、デッキパラメータ値の算出式を予め定義しておき、この算出式に従ってデッキパラメータ値が最大となるおすすめデッキを編成すればよい。また、デッキパラメータ値は、攻撃力やHP以外の能力パラメータ値等のデッキカードの別のパラメータ値によって定まる値としてもよい。
或いは、デッキ攻撃力やデッキHP等の値に基づいて、各デッキカードにカード属性として定められる数字の組合せを考慮して算出される値をデッキパラメータ値として用いることとしてもよい。例えば、第2の制約を満たす条件の下で、カード属性の数字が大きいものを多く含むデッキカードの組合せほど値が大きくなるようにデッキパラメータ値の算出式を定義しておくこととしてもよい。カード属性が「7」であるデッキカードを上限の3枚含むデッキのデッキパラメータ値が、1枚も含まないデッキのデッキパラメータ値よりも大きくなるような算出式である。たとえ能力パラメータ値が大きく強いカードであっても、カード属性が1のものばかりを選択してデッキを編成したのではカードゲームに勝てず、敵キャラクタを攻撃できないからである。
その他、デッキ攻撃力やデッキHP等の値に基づいて、次のゲームステージの敵キャラクタのキャラクタ属性を考慮して算出される値をデッキパラメータ値として用いることとしてもよい。例えば、次のゲームステージの敵キャラクタのキャラクタ属性との相性がよいキャラクタ属性(敵キャラクタが苦手とするキャラクタ属性)のものを多く含むデッキカードの組合せほど値が大きくなるようにデッキパラメータ値の算出式を定義しておくこととしてもよい。次のゲームステージの敵キャラクタのキャラクタ属性が火属性の場合であれば、水属性のものを多く含むデッキカードの組合せほど値が大きくなるような算出式である。
以上のようなデッキパラメータ値が最大となるデッキであるおすすめデッキで現デッキを編成すれば、プレーヤ1が編成し得る中で最も強いデッキを用いてバトルに挑むことができる。ところで、デッキパラメータ値は、ゲームの進行状況等に応じてゲーム中に随時変動し得る。デッキパラメータ値の変動要因は、主に、(1)プレーヤ1の保有カードの保有状況が変化した場合、(2)保有カードの能力パラメータ値が上がった場合、(3)バトルに勝利したことでプレーヤ1の経験値が上がり、デッキコスト上限値が上がった場合が挙げられる。
(1)の場合としては、保有カードに新しくカードが追加された場合と、素材カードとして合成に使用し、又は売却したことで該当する保有カードが消滅した場合とがある。保有カードに新しくカードが追加された場合としては、バトルに勝利したことでプレーヤ1にカードが付与された場合や、ゲーム中のドロップ、ログインボーナス、ガチャ等によりプレーヤ1にカードが付与された場合、リアルカードの登録手続きによって対応するカードが保有カードに追加された場合等がある。
(2)の場合としては、バトルに勝利したことでデッキカードの能力パラメータ値が上がった場合や、カードの合成によって保有カードの能力パラメータ値が上がった場合等がある。
しかしながら、ゲーム中に前述のようなデッキパラメータ値の変動要因となる事象が発生するたびにその都度画面をたどってデッキ編成メニューM21を選び、おすすめデッキを編成可能か(すなわち現デッキよりも強いデッキを編成できるのか)を確認し、或いはその上で現デッキをおすすめデッキに変更するのでは、操作性が悪い上、ゲームも中断しなければならない。一方で、おすすめデッキを編成するには、第1,第2の制約や保有カードのパラメータ値、カード重ねできる保有枚数等、様々な要素を考慮しなければならず、プレーヤ1が自力で編成するのは簡単ではない。そこで、本実施形態では、上記したデッキパラメータ値の変動要因となる事象を検出項目である報知条件項目として検出し、検出時のゲーム画面内においておすすめデッキボタンを表示制御する。
図8は、プレーヤ1がバトルに勝利した場合に図3のステップa11で行う勝敗演出表示の画面遷移例を示す図である。図8に示すように、プレーヤ1が勝利した場合の勝敗演出表示では、敵キャラクタC3が倒される演出表示とともに、プレーヤ1が勝者である旨が演出表示された後(図8(a))、プレーヤ1にカード3iが付与される(図8(b))。ここで、上記したように、バトルに勝利したことでプレーヤ1にカードが付与されたことは報知条件項目の1つであり、おすすめデッキを編成可能と判定した場合には、図8(b)に示すように、勝敗演出表示画面内におすすめデッキボタンB3を表示制御する。
おすすめデッキボタンB3をタッチ操作すれば、現デッキをおすすめデッキに変更することができる。なお、おすすめデッキボタンB3をタッチ操作せずに背景部分をタッチ操作すれば、現デッキがおすすめデッキに変更されることなくゲームが進行する。
なお、図8では、おすすめデッキボタンB3の表示制御によって単におすすめデッキを編成可能である旨を報知することとしたが、現デッキパラメータ値とおすすめデッキパラメータ値との差を併せて表示する構成としてもよい。図9は、この場合のおすすめデッキボタンB4の表示態様例を示す図である。図9に示すおすすめデッキボタンB4には、現デッキパラメータ値とおすすめデッキパラメータ値とが表示され、各々のデッキ攻撃力の差V4が表示されている。これによれば、プレーヤ1は、現デッキをおすすめデッキに変更することでどの程度デッキパラメータ値(デッキ攻撃力)が上がるのかを事前に把握することができ、デッキをおすすめデッキを変更するか現デッキのままとするかの判断材料とすることができる。
[機能構成]
図10は、プレーヤ端末5000の機能構成例を示すブロック図である。また、図10中、プレーヤ端末5000が通信回線Nに接続してアクセスするゲームサーバ1000の主要な機能ブロックを併せて示している。
図10に示すように、プレーヤ端末5000は、操作入力部51と、読取部52と、処理部53と、画像表示部54と、音出力部55と、通信部56と、記憶部60とを備える。
操作入力部51は、プレーヤ1がゲームに関する各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部53に出力する。操作入力部51の機能は、例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチ操作パッド、トラックボールといった直接プレーヤ1が指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。図2では、方向入力キー5002、ホームキー5004、及びタッチ操作パネル5006がこれに該当する。
読取部52は、リアルカードに印刷された二次元コード等を読み取るためのものである。読取部52の機能は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いて実現できる。図2では、CCDカメラモジュール5018がこれに該当する。
処理部53は、記憶部60に格納されるプログラムやデータ、操作入力部51からの操作入力信号等に基づいてプレーヤ端末5000の動作を統括的に制御する。処理部53の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。図2では、制御基板5020がこれに該当する。この処理部53は、主な機能部として、ゲーム演算部500と、画像生成部581と、音生成部583と、通信制御部585とを備える。
ゲーム演算部500は、本実施形態のゲームを実現するための種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部581や音生成部583に出力する。このゲーム演算部500は、カード管理部510と、デッキ管理部520と、おすすめデッキ編成部530と、おすすめデッキ報知制御部540と、カード合成部550と、リアルカード登録部560と、ゲーム進行制御部570とを含む。
カード管理部510は、獲得カードリスト73(図14を参照)を用い、プレーヤ1が現時点までに獲得した獲得済みのカード(獲得済カード)を管理する。
デッキ管理部520は、現デッキデータ74(図13を参照)を用い、保有カードのうちの12枚をデッキカードとして管理する。このデッキ管理部520は、報知条件項目検出部541が報知条件項目の発生を検出したタイミングで現デッキのデッキパラメータ値を再度計算して更新する処理を行う。また、デッキ管理部520は、おすすめデッキボタンB3がタッチ操作された場合に、その直前におすすめデッキ編成部530によって更新されるおすすめデッキデータ75で現デッキデータ74を置き換えて更新し、現デッキをおすすめデッキに変更する。
おすすめデッキ編成部530は、プレーヤ1の保有カードの中からデッキパラメータ値(デッキ攻撃力)が最大となるように12枚のデッキカードを選択しておすすめデッキを編成する処理を行い、おすすめデッキデータ75(図13を参照)を生成・更新する。
おすすめデッキ報知制御部540は、おすすめデッキを編成可能である旨を報知する制御を行う。本実施形態では、おすすめデッキ報知制御部540は、おすすめデッキボタンB3の表示制御によってこれを報知する。このおすすめデッキ報知制御部540は、報知条件項目検出部541と、報知判定部543と、ブロック処理部555とを含む。
カード合成部550は、プレーヤ1の操作入力に従ってベースカードに素材カードを合成する。
リアルカード登録部560は、プレーヤ1によるリアルカードの登録手続きに応じて対応するカードを保有カードに追加する。
ゲーム進行制御部570は、ステージデータ63に従ってゲームの進行を制御する。このゲーム進行制御部570は、バトル制御部571と、カード付与制御部573と、パラメータ値更新部575とを含む。
画像生成部581は、ゲーム演算部500の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部54に出力する。画像生成部581の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
音生成部583は、ゲーム演算部500の処理結果に基づいてゲームに関する効果音やBGM、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部55に出力する。音生成部583の機能は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現できる。
通信制御部585は、通信部56を介して外部装置(主にゲームサーバ1000)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部54は、画像生成部581から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画面を表示する。画像表示部54の機能は、例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。図2では、タッチ操作パネル5006がこれに該当する。
音出力部55は、音生成部583から入力される音信号に基づいてゲームに関する効果音等を音出力するためのものである。図2では、スピーカ5010がこれに該当する。
通信部56は、通信回線Nと接続して通信を実現する。通信部56の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール5026がこれに該当する。
記憶部60には、プレーヤ端末5000を動作させ、プレーヤ端末5000が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。記憶部60の機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、メモリカード5032や、制御基板5020に搭載されるICメモリ5024がこれに該当する。
この記憶部60には、システムプログラム61と、ゲームプログラム62とが格納される。システムプログラム61は、プレーヤ端末5000のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム62は、処理部53をゲーム演算部500として機能させるためのプログラムであり、プレーヤ1がアカウント登録を済ませるとゲームサーバ1000から配信される。
また、記憶部60には、ステージデータ63と、カード初期設定データ64と、報知条件項目リスト66と、プレイ履歴データ70とが格納される。ここで、ステージデータ63と、カード初期設定データ64と、報知条件項目リスト66とは、ゲームの実行に必要なデータとしてゲームプログラム62とともにゲームサーバ1000から配信されるものである。なお、その他にも、ゲームステージの進行中に出現させる敵キャラクタを表示するためのモデルデータやテクスチャデータ、モーションデータ、エフェクトデータ、ゲーム画面の背景画像、効果音等の音データ等が適宜ゲームに必要なデータとして配信され、記憶部60に格納される。
ステージデータ63は、ゲームステージ毎に用意され、該当するゲームステージで出現させる敵キャラクタのキャラクタ種類やそのレベル、攻撃力、及びHPの各能力パラメータ値、ステージクリア時に付与される獲得経験値やカードのカード種類等を定義する。
カード初期設定データ64は、カード種類毎に用意され、該当するカード種類を区別するキャラクタ及びカード属性の組合せや、能力パラメータ値を含む各種パラメータ値等を定義する。図11は、1つのカード初期設定データ64のデータ構成例を示す図である。図11に示すように、個々のカード初期設定データ64は、カード種類ID641と、キャラクタ種類642と、該当するキャラクタの表示体データ643と、カード属性644と、キャラクタ属性645と、レベル646と、攻撃力647と、HP648と、必殺技649と、レアリティ650と、デッキコスト651と、売値652とを含む。キャラクタ属性645には、例えば、「火」「水」「風」「土」の何れかの属性が設定される。
報知条件項目リスト66は、報知条件項目のリストである。図12は、報知条件項目リスト66のデータ構成例を示す図である。図12に示すように、報知条件項目リスト66には、上記したデッキパラメータ値の変動要因が報知条件項目として設定される。
プレイ履歴データ70は、プレーヤ1のアカウント登録時に生成され、ゲームの進行状況に応じて随時更新される。なお、このプレイ履歴データ70は所定のタイミングでゲームサーバ1000にアップロードされ、ゲームサーバ1000においてプレーヤデータ24としてプレーヤ1毎に管理される。図13は、プレイ履歴データ70のデータ構成例を示す図である。図13に示すように、プレイ履歴データ70は、アカウントデータ71と、経験値72と、獲得カードリスト73と、現デッキデータ74と、おすすめデッキデータ75と、デッキコスト上限値76と、おすすめデッキ編成履歴77と、おすすめデッキ報知設定78と、リーダーカード番号79と、所持仮想通貨ポイント80とを含む。
アカウントデータ71には、アカウント登録時にプレーヤ1が指定したプレーヤ名等が設定される。
経験値72には、プレーヤ1のゲームの進行状況に応じて加算・更新されるプレーヤ1の現時点の経験値が設定される。例えば、経験値72には、ゲームステージをクリアすると付与される獲得経験値が随時加算される。
獲得カードリスト73は、獲得済カードのリストである。図14は、獲得カードリスト73のデータ構成例を示す図である。図14に示すように、獲得カードリスト73は、獲得カード番号731と、リアルカードID732と、カード種類ID733と、レベル734と、攻撃力735と、HP736と、必殺技737と、消滅フラグ738と、合成ロック739とが対応付けられたデータテーブルである。
獲得カード番号731は、獲得済カードに固有に割り振られる識別番号であり、例えば、その獲得順に連番される通し番号等として割り振られる。
リアルカードID732は、該当するカードが元リアルカードの場合に設定される。実体の存在しないカードについては、リアルカードID732の値はブランク(−)となる。獲得カードリスト73においてリアルカードIDが設定されているものが、元リアルカードに相当する。
レベル734、攻撃力735、及びHP736の各能力パラメータ値は、カード初期設定データ64において定義される各値を初期値としてゲームの進行状況に応じて随時更新される。例えば、経験値72の上昇に伴い、デッキカードのレベル734、攻撃力735、及びHP736も適宜上がる構成となっている。
消滅フラグ738には初期値として「OFF」が設定され、該当するカードが合成又は売却によって消滅すると「ON」に書き換えられる。すなわち、獲得カードリスト73において消滅フラグ738が「OFF」であるものがプレーヤ1が現時点で保有している保有カードに相当し、ゲームに使用等することができる。
合成ロック739には、保有カードのうち、素材カードとして使用できるものには「OFF」が、素材カードとして使用できないものには「ON」が設定される。本実施形態では、(1)現デッキを構成する現デッキカード、(2)おすすめデッキを構成するおすすめデッキカード、(3)現デッキカード又はおすすめデッキカードの何れかとカード種類が同じ保有カードについては強制的に「ON」が設定され、素材カード及び売却カードとして使用できないようにロックされる。
現デッキデータ74には、現デッキカードの獲得カード番号とそのカード種類IDとを対応付けたリストとともに、現デッキパラメータ値741が設定される。現デッキパラメータ値741は、図6を参照して上記した要領で現デッキについて算出したデッキ攻撃力及びデッキHPである。
おすすめデッキデータ75は、おすすめデッキカードの獲得カード番号とそのカード種類IDとを対応付けたリストとともに、おすすめデッキパラメータ値751が設定される。おすすめデッキパラメータ値751は、おすすめデッキデータについて算出したデッキ攻撃力及びデッキHPである。
デッキコスト上限値76は、デッキを編成可能な保有カードを制限するためのものである。上記したように、デッキは、第1の制約の下、各デッキカードのデッキコスト651の合計値がデッキコスト上限値76を超えないように編成しなければならない。
おすすめデッキ編成履歴77には、過去におすすめデッキが編成可能と判定されたタイミングと、該当する更新タイミングにおいてプレーヤ1が現デッキをおすすめデッキに変更したか否か(変更有無)とを対応付けた履歴データが蓄積・格納される。
おすすめデッキ報知設定78は、おすすめデッキ報知制御部540によるおすすめデッキを構成可能である旨の報知を許可するか否かの設定情報である。本実施形態では、おすすめデッキボタンB3の表示制御の「表示」「非表示」として設定され、初期状態では「表示」とされる。プレーヤ1は、おすすめデッキボタンB3の表示が不要であれば、例えば、ホーム画面に設けられる設定メニュー等から表示を非表示に切り替える。この場合、おすすめデッキ報知設定78は「非表示」に書き換えられ、別途前述の設定メニュー等から表示に切り替えられない限りは、おすすめデッキボタンB3は表示されない。
リーダーカード番号79には、デッキの編成時にリーダーカードとしたデッキカードの獲得カード番号が設定される。所持仮想通貨ポイント80は、プレーヤ1が現時点で所持している仮想通貨ポイントが設定される。仮想通貨ポイントは、購入やカードの売却等によって獲得することができる。その他、バトル勝利時やログイン時のボーナス等として付与されることもある。本実施形態では、仮想通貨ポイントは、カードの合成やカードの復元等に対価として必要となる。
一方、ゲームサーバ1000のサーバ処理部12は、ゲーム管理部100を備えている。このゲーム管理部100のプレーヤ管理部110は、プレーヤデータ24を用いてアカウントやゲームの進行状況等を接続されるプレーヤ端末5000のプレーヤ1毎に管理する。また、ゲーム管理部100のリアルカード管理部120は、リアルカードリスト25を用いてリアルカードの登録有無を管理する。
このゲームサーバ1000のサーバ記憶部20には、配信用ゲームプログラム23と、プレーヤデータ24と、リアルカードリスト25とが格納される。また、その他にも、ゲームサーバ1000には、システムプログラムや、ゲームサーバ1000をゲーム管理部100として機能させるためのゲーム管理プログラム、ゲームに必要なデータとしてプレーヤ端末5000に配信されるステージデータ63やカード初期設定データ64、報知条件項目リスト66の原本等のデータ等が格納される。
配信用ゲームプログラム23は、本実施形態のゲームのゲームプレイを希望してアカウント登録を行ったプレーヤ1のプレーヤ端末5000に配信されるゲームプログラム62の原本である。プレーヤ端末5000は、この複製をダウンロードし、記憶部60に格納して実行する。
プレーヤデータ24には、アカウント登録を行ったプレーヤ1毎に、該当するプレーヤ端末5000から随時アップロードされる最新のプレイ履歴データが設定される。
リアルカードリスト25は、発行済みのリアルカードのリストである。図15は、リアルカードリスト25のデータ構成例を示す図である。図15に示すように、リアルカードリスト25には、発行されたリアルカードのリアルカードID251と対応付けて、カード種類ID252と、登録フラグ(登録済/未登録)253とが設定される。
このリアルカードリスト25においてリアルカードID251と対応付けられたカード種類ID252により、該当するリアルカードに対応するカード、すなわち、その登録手続きを行ったプレーヤ1のプレーヤ端末5000においてゲーム内で使用可能となるカードが特定される。また、登録フラグ253には、初期値として「未登録」が設定され、1度登録されると「登録済」に書き換えられる。この登録フラグによって、リアルカードの登録有無が管理され、1枚のリアルカードについて2回以上の登録手続きができないようになっている。
[処理の流れ]
次に、プレーヤ端末5000が行うゲーム処理の流れについて説明する。なお、ここで説明する処理は、処理部53がゲームプログラム62を読み出して実行することによって実現される。図16は、ゲーム処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、前提として、プレーヤ1は既にアカウント登録を済ませているものとする。
ゲーム処理では、ゲーム演算部500は先ず、ログイン処理を行ってホーム画面を表示する(ステップb1)。続いて、ゲーム演算部500は、おすすめデッキ報知設定78を判定する(ステップb3)。そして、ゲーム演算部500は、「表示」が設定されている場合にはおすすめデッキ報知監視処理を開始し(ステップb5)、その後ステップb7に移行する。「非表示」が設定されている場合には、おすすめデッキ報知監視処理を開始せずにステップb7に移行する。
図17は、おすすめデッキ報知監視処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。おすすめデッキ報知監視処理では、ゲーム終了が操作入力されるまでの間(ステップc17:NO)、報知条件項目検出部541が、報知条件項目リスト66に設定されている報知条件項目の発生を繰り返し検出する。そして、報知条件項目検出部541が報知条件項目の発生を検出した場合には(ステップc1:YES)、デッキ管理部520が、現デッキパラメータ値741を再計算して更新する(ステップc3)。また、おすすめデッキ編成部530が、デッキパラメータ値(デッキ攻撃力)が最大となる12枚のデッキカードの組合せを作成しておすすめデッキデータ75を更新する(ステップc5)。
続いて、報知判定部543が、現デッキパラメータ値741とおすすめデッキパラメータ値751とを比較し、現デッキパラメータ値741よりもおすすめデッキパラメータ値751が大きい場合におすすめデッキを編成可能と判定する(ステップc7:YES)。この場合には、ブロック処理部555が、ブロック処理を行う(ステップc9)。このブロック処理では、ブロック処理部555は、現デッキデータ74及びおすすめデッキデータ75を参照し、現デッキカード及びおすすめデッキカードのカード種類IDを特定する。そして、ブロック処理部555は、特定したカード種類ID733が設定されており、且つ消滅フラグ738が「OFF」である保有カードの合成ロック739を「ON」、それ以外の保有カードの合成ロック739を「OFF」に書き換えて獲得カードリスト73を更新する。
その後、おすすめデッキ報知制御部540が、おすすめデッキボタンB3を表示制御し(ステップc11)、このおすすめデッキボタンB3に対する操作入力を受け付ける。そして、受け付けた場合には(ステップc13:YES)、デッキ管理部520が、おすすめデッキデータ75で現デッキデータ74を置き換えて更新し、現デッキをおすすめデッキに変更する(ステップc15)。
図16に戻る。ステップb7では、ホーム画面におけるバトルメニューのタッチ操作を監視する。そして、バトルメニューがタッチ操作されると(ステップb7:YES)、ゲーム進行制御部570が、ステージデータ63に従ってプレーヤ1のゲームの進行状況に応じたゲームステージを設定する(ステップb9)。そして、バトル制御部571が、図3に示した要領でデッキを用いたバトルを制御する(ステップb11)。このバトルの結果プレーヤ1が勝利した場合は、ステージクリアとなる。その場合は、バトル制御部571は、クリアしたゲームステージに応じた獲得経験値を経験値72に加算し、デッキカードのレベル734、攻撃力735、及びHP736を適宜更新する。そして、カード付与制御部573が、クリアしたゲームステージに応じた獲得カードを保有カードに追加する(ステップb13)。すなわち、カード付与制御部573は、獲得カードに獲得カード番号を割り振り、そのカード種類ID641のカード初期設定データ64に基づいて所定値を設定したレコードを追加して獲得カードリスト73を更新する。また、パラメータ値更新部575が、クリアしたゲームステージに応じた獲得経験値を付与して経験値72を更新し、更新後の経験値72に応じてレベル734や攻撃力735、HP736を適宜更新する(ステップb15)。
一方、ホーム画面においてカードメニューがタッチ操作された場合は(ステップb17:YES)、ゲーム演算部500は、カードメニュー画面を表示制御し(ステップb19)、タッチ操作されたカードメニューに応じて処理を分岐する。
デッキ編成メニューM21がタッチ操作された場合には(ステップb21:YES)、デッキ編成処理を行う(ステップb23)。図18は、デッキ編成処理の詳細な諸手順を示すフローチャートである。
デッキ編成処理では先ず、おすすめデッキ編成部530が、デッキパラメータ値(デッキ攻撃力)が最大となる12枚のデッキカードの組合せを作成しておすすめデッキデータ75を更新する(ステップd1)。
続いて、報知判定部543が、現デッキパラメータ値741とおすすめデッキパラメータ値751とを比較し、現デッキパラメータ値741よりもおすすめデッキパラメータ値751が大きい場合におすすめデッキを編成可能と判定する(ステップd3:YES)。そして、この場合には、おすすめデッキ報知制御部540が、おすすめデッキボタンB3を表示制御する(ステップd5)。
その後は、プレーヤ1によるデッキの編成操作、又はおすすめデッキボタンB3に対する操作入力を受け付ける。プレーヤ1によるデッキの編成操作を受け付けた場合には(ステップd7:YES)、デッキ管理部520が、編成操作に従って現デッキデータ74を更新する(ステップd9)。一方、おすすめデッキボタンB3に対する操作入力を受け付けた場合には(ステップd11:YES)、デッキ管理部520は、おすすめデッキデータ75で現デッキデータ74を置き換えて更新し、現デッキをおすすめデッキに変更する(ステップd13)。そして、ブロック処理部555が図17のステップc9と同様の要領でブロック処理を行う(ステップd15)。
図16に戻る。パワーアップ合成メニューM22がタッチ操作された場合には(ステップb25:YES)、カード合成部550がカード合成処理を行う(ステップb27)。このカード合成処理では、カード合成部550は、プレーヤ1の指定操作に従って保有カードの中からベースカードを選択するとともに、合成ロック739が「OFF」である保有カードの中から1枚又は複数枚の素材カードを選択して、ベースカードに素材カードを合成する。ここでの処理により、ベースカードとされた保有カードのレベル734や攻撃力735、HP736が更新され、素材カードとされた保有カードの消滅フラグ738が「ON」に書き換えられて獲得カードリスト73が更新される。
リアルカード読取メニューM25がタッチ操作された場合には(ステップb33:YES)、リアルカード登録部560がリアルカード登録処理を行う(ステップb35)。具体的には、リアルカード登録部560は先ず、読取部52によってリアルカードから読み取られた二次元コード等を解析してリアルカードIDを取得し、取得したリアルカードIDとともに登録要求通知をゲームサーバ1000に送信する処理を行う。その後は、ゲームサーバ1000からの応答を受信するまで待機状態となる。
ゲームサーバ1000では、プレーヤ端末5000から登録要求通知を受信すると、リアルカード管理部120が、リアルカードリスト25を参照して、登録要求通知とともに受信したリアルカードID251と対応付けられた登録フラグ253を読み出す。そして、リアルカード管理部120は、登録フラグ253が「未登録」であれば、これを「登録済」に書き換えてリアルカードリスト25を更新するとともに、対応するカード種類ID252を読み出して登録要求通知を送信したプレーヤ端末5000に登録完了通知とともに送信する処理を行う。登録フラグ253が「登録済」であった場合には、登録不可通知を送信する処理を行う。
プレーヤ端末5000では、ゲームサーバ1000から登録完了通知を受信すると、リアルカード登録部560は、登録完了通知とともに受信したカード種類IDに従って該当するカード種類のカードをリアルカードに対応するカードとし、保有カードに追加する。すなわち、リアルカード登録部560は、リアルカードに対応するカードに獲得カード番号を割り振り、そのカード種類ID641のカード初期設定データ64に基づいて所定値を設定したレコードを追加して獲得カードリスト73を更新する。
なお、ゲーム終了が操作入力された場合には(ステップb37:YES)、本処理を終える。
以上説明したように、本実施形態によれば、デッキパラメータ値の変動要因となる(1)プレーヤ1の保有カードの保有状況が変化した場合、(2)保有カードの能力パラメータ値が上がった場合、(3)バトルに勝利したことでプレーヤ1の経験値が上がり、デッキコスト上限値が上がった場合を報知条件項目とし、その発生を検出するたびにおすすめデッキの編成が可能か否かを判定することができる。そして、おすすめデッキボタンB3を表示制御することによって、おすすめデッキが編成可能である旨を報知することができる。これによれば、プレーヤ1は、ゲーム中に、デッキパラメータ値の変動要因となる事象が発生するたびにその都度ゲーム画面をたどってデッキ編成メニューM21からおすすめデッキを編成可能か確認し、或いは現デッキをおすすめデッキに変更するといった操作の煩わしさから解放される。これによれば、デッキの変更にかかる操作性を改善することができる
なお、上記した実施形態では、おすすめデッキパラメータ値が現デッキパラメータ値よりも大きい場合におすすめデッキボタンB3を表示制御することとした。これに対し、おすすめデッキボタンB3の表示制御に際して現デッキパラメータ値とおすすめデッキパラメータ値との差を閾値処理し、その差が所定の閾値以上である場合におすすめデッキボタンB3を表示制御するようにしてもよい。おすすめデッキは、デッキパラメータ値が最大となるように編成されたものであることから、現デッキパラメータ値よりもおすすめデッキパラメータ値の方が大きい場合が大半であるが、微差の場合もある。本変形例によれば、閾値の設定如何によって、現デッキパラメータ値とおすすめデッキパラメータ値との差が比較的小さい場合には、おすすめデッキボタンB3の表示制御を行わないようにすることができる。
また、報知判定部543がおすすめデッキを編成可能と判定した際、おすすめデッキ編成履歴77に基づいておすすめデッキボタンB3を表示制御するか否かを決めるようにしてもよい。上記したように、おすすめデッキ編成履歴77は、おすすめデッキが編成可能と判定されたタイミングと、そのときのおすすめデッキへの変更有無とを対応付けた履歴データのリストである。したがって、おすすめデッキ編成履歴77によれば、プレーヤ1が現デッキをおすすめデッキに変更することが多いか否か、すなわち、プレーヤ1がおすすめデッキを好むのかどうかを判定することができる。
そこで、報知判定部543がおすすめデッキを編成可能と判定した際、おすすめデッキ報知制御部540が、おすすめデッキ編成履歴77に基づきおすすめデッキボタンB3を表示制御するか否かを決めるようにしてもよい。そして、その上でおすすめデッキボタンB3の表示を制御するようにしてもよい。例えば、おすすめデッキ報知制御部540は、変更有りの履歴データの数を計数し、履歴データの総数に対する割合を求める。そして、おすすめデッキ報知制御部540は、求めた割合が所定の閾値以上の場合にはおすすめデッキボタンB3を表示制御する。閾値未満の場合は、おすすめデッキボタンB3を表示制御しない。或いは、過去一定期間(例えば1週間)以内に所定回数以上(例えば2回以上)、おすすめデッキへ変更したことがあれば、おすすめデッキボタンB3を表示制御する。など、履歴に基づく表示制御を適宜設定することができる。これによれば、おすすめデッキを好むプレーヤ1に対してはおすすめデッキボタンB3の表示制御を行う一方、おすすめデッキに変更することが少なく、手動でデッキカードを選んで現デッキを編成することを好むプレーヤ1に対しては、おすすめデッキボタンB3の表示制御を行わないようにすることができる。
また、おすすめデッキが編成可能である旨の報知は、おすすめデッキボタンB3の表示制御により行う場合に限定されるものではない。例えば、その旨のメッセージ画面をそのときのゲーム画面上に表示制御する構成としてもよい。また、一旦、おすすめデッキボタンB3を表示し、このボタンに対する操作を受け付けてからおすすめデッキに変更することとしたが、この操作を無くして、おすすめデッキボタンB3を表示する条件が成立した場合には、当該ボタンの表示に代えて自動的に現デッキをおすすめデッキに変更することとし、おすすめデッキに変更した旨を示すメッセージ画面を一時的に表示する構成としてもよい。
また、上記した実施形態では、おすすめデッキの編成が可能と判定した場合に、ブロック処理として、おすすめデッキカード及びおすすめデッキカードと同一カード種類の保有カードの合成ロック739を「ON」にする処理を行うこととした。そして、合成ロック739が「ON」である保有カードを素材カードとして指定し、又は売却カードとして指定できないようにすることとした。これに対し、合成ロックが「ON」である保有カードの素材カード又は売却カードとしての指定自体はできるようにし、指定された際に注意メッセージを表示する構成としてもよい。これによれば、素材カード又は売却カードとして指定した保有カードがゲームを有利に進行し得るカードであることをプレーヤ1に報知することができる。
また、上記した実施形態では、仮想的なゲームカードを用いたカードゲームを例示したが、適用可能なゲームのジャンルは特に限定されない。例えば、ゲームカードに関連付けたキャラクタを選手とするスポーツの対戦をテーマとした対戦ゲームとしてもよいし、ゲームカードに関連付けたキャラクタの育成ゲームや恋愛ゲーム等であってもよい。
また、上記した実施形態では、リアルカードと対応付けられたゲームオブジェクトとして仮想的なゲームカードを例示したが、ゲームオブジェクトの形態は、ゲームカードに限らず適宜設定可能である。例えば、キャラクタやアイテム等でもよい。この場合は、リアルカードが対応するキャラクタやアイテム等が特定できるように、リアルカードIDとキャラクタ種類やアイテム種類等との対応付けを記憶しておけばよい。
また、ゲームサーバ1000とプレーヤ端末5000との関係は、インターネットを介して接続される関係に限らず、据置型家庭用ゲーム装置の本体装置とタッチ操作パネル搭載型のゲームコントローラとの関係で実現するとしてもよい。その場合、本体装置がゲームサーバ1000、ゲームコントローラがプレーヤ端末5000に対応し、全体でゲームシステムが構成される。
また、上記実施形態ではゲームに関する処理をプレーヤ端末5000が主に行う例を挙げたが、ゲームサーバ1000aが主に処理し、プレーヤ端末5000aは、ゲームサーバ1000aから受信した各種データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行うこととする構成も可能である。図19は、本変形例におけるゲームサーバ1000aの機能構成例を示すブロック図である。
図19に示すように、本変形例のゲームサーバ1000aは、操作入力部11aと、サーバ処理部12aと、画像表示部13aと、音出力部14aと、通信部15aと、サーバ記憶部20aとを備える。そして、サーバ処理部12aは、主な機能部として、ゲーム管理部100aと、通信制御部190aとを備える。
ゲーム管理部100aは、プレーヤ管理部110と、リアルカード管理部120aと、カード管理部130aと、デッキ管理部140aと、おすすめデッキ編成部150aと、おすすめデッキ報知制御部160aと、カード合成部170aと、ゲーム進行制御部180aとを含む。おすすめデッキ報知制御部160aは、報知条件項目検出部161aと、報知判定部163aと、ブロック処理部165aとを含み、ゲーム進行制御部180aは、バトル制御部181aと、カード付与制御部183aと、パラメータ値更新部185aとを含む。本変形例において、リアルカード管理部120aは、上記した実施形態で説明したリアルカード管理部120の機能に加えて、リアルカード登録部560の機能を備えている。
また、サーバ記憶部20aには、システムプログラム21aと、ゲーム管理プログラム22aと、配信用ゲームプログラム23aと、プレーヤデータ24と、リアルカードリスト25と、ステージデータ26aと、カード初期設定データ27aと、報知条件項目リスト28aとが格納される。
一方、プレーヤ端末5000aの記憶部60aには、プレーヤ1がアカウント登録を済ませるとゲームサーバ1000aから配信されるゲームプログラム62aが格納されており、プレーヤ端末5000aでは、ゲームサーバ1000aから受信した各種データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。図19の構成によれば、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。