以下、図面を参照して、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るMRI装置100の構成を示すブロック図である。なお、以下では、磁気共鳴イメージング装置をMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置100と称する。
図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石101と、静磁場電源102と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、寝台制御回路106と、WB(Whole Body)コイル107と、送信回路108と、受信コイル109と、受信回路110と、シーケンス制御回路120と、計算機130とを備える。なお、MRI装置100に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、図1に示す構成はあくまで一例であり、図示の構成に限定されるものではない。
静磁場磁石101は、中空の略円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場磁石101は、例えば、超伝導磁石等であり、静磁場電源102から電流の供給を受けて励磁する。静磁場電源102は、静磁場磁石101に電流を供給する。なお、静磁場磁石101は、永久磁石でもよく、この場合、MRI装置100は、静磁場電源102を備えなくてもよい。また、静磁場電源102は、MRI装置100とは別に備えられてもよい。また、略円筒形状には、真円の円筒形状のみならず、MRI装置100の機能を大きく損なわない範囲で歪んだ楕円の円筒形状も含まれる。
傾斜磁場コイル103は、中空の略円筒形状に形成されたコイル構造体であり、静磁場磁石101の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するx、y、及びzの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、x、y、及びzの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル103によって発生するx、y、及びzの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライスエンコード傾斜磁場GSE(若しくはスライス選択傾斜磁場GSS)、位相エンコード傾斜磁場GPE、及び周波数エンコード傾斜磁場GROである。傾斜磁場コイル103は、例えば、これら3つのコイルがエポキシ樹脂等で含浸されて形成される。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
寝台105は、被検体Pが載置される天板105aを備え、寝台制御回路106による制御の下、天板105aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御回路106は、計算機130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。
WBコイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信回路108からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。また、WBコイル107は、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR(Magnetic Resonance)信号」)を受信し、受信したMR信号を受信回路110に出力する。
送信回路108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスをWBコイル107に供給する。
受信コイル109は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられるMR信号を受信する。受信コイル109は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信回路110へ出力する。
なお、上述したWBコイル107及び受信コイル109はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、受信コイル109は、必ずしも備えられていなくてもよい。また、WBコイル107及び受信コイル109は、送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、及び送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
受信回路110は、受信コイル109から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいてMRデータを生成する。具体的には、受信回路110は、受信コイル109から出力されるMR信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信回路110は、生成したMRデータをシーケンス制御回路120へ送信する。
シーケンス制御回路120は、計算機130から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源104、送信回路108及び受信回路110を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信回路108がWBコイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信回路110がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御回路120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
また、シーケンス制御回路120は、傾斜磁場電源104、送信回路108及び受信回路110を制御して被検体Pを撮像した結果、受信回路110からMR信号データを受信すると、受信したMR信号データを計算機130へ転送する。
計算機130は、MRI装置100の全体制御や、MR画像の生成等を行う。例えば、計算機130は、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス制御回路120に撮像シーケンスを実行させる。また、計算機130は、シーケンス制御回路120から送信されたMR信号データに基づいて画像を再構成する。計算機130は、再構成された画像を記憶部に格納したり、表示部に表示したりする。なお、計算機130は、例えば、コンピュータ等の情報処理装置である。
このような構成のもと、実施形態に係るMRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音を低減させる。
ここで、固体伝搬音は、傾斜磁場コイル103の振動が固体を媒質として伝搬し、最終的に空気振動に変換されることにより被検体Pに伝わる。つまり、傾斜磁場コイル103から伝搬する振動(「固体伝搬振動」とも表記する)を低減させることは、固体伝搬音を低減させることと等価であると言える。
そこで、実施形態に係るMRI装置100は、静磁場磁石101を支持する磁石足(後述する磁石足12a〜12d)を起点とするボアチューブ支持構造体によりボアチューブ14を支持する。これによれば、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、磁石足を経由(迂回)してからボアチューブ14へ伝搬するので、伝搬経路の距離に応じて減衰(低減)される。このため、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させることができる。
なお、以下の実施形態では、固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させるための構成について説明するが、以下の構成に限定されるものではない。例えば、MRI装置100は、以下の構成に加え、空気伝搬音を低減させるための構成を備えていてもよい。空気伝搬音を低減させるための構成としては、傾斜磁場コイル103を収容した密閉容器内を真空にする技術や、吸音材や遮音材を用いて空気伝搬を遮断する技術など、従来の如何なる静音化技術が併用されてもよい。言い換えると、以下の実施形態に説明する構成を従来の静音化技術と併用することにより、従来の静音化技術において残存していた固体伝搬音を低減させることが可能となる。
図2及び図3は、実施形態に係るMRI装置100の架台10の構成を説明するための図である。図2には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。また、図3には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図2及び図3の内容はあくまで一例であり、図示の例に限定されるものではない。
図2及び図3に示すように、架台10は、例えば、被検体Pが置かれる略円筒形状の空間(ボア)を有し、架台カバー11により囲まれた構造である。架台10の内部には、略円筒形状の静磁場磁石101及び傾斜磁場コイル103が設置される。
静磁場磁石101は、磁石足12a、磁石足12b、磁石足12c、及び磁石足12d(図示せず)によって床面から支持される。なお、磁石足12dは、図示されないが、yz平面に対して磁石足12cの位置と対称な位置に配置される。
各磁石足12a〜12dは、静磁場磁石101を床面に支持する。例えば、磁石足12a〜12dは、静磁場磁石101の軸方向から見て両側において、静磁場磁石101の外周面と床面との間に設置される。図示の例では、磁石足12a〜12dは、yz平面に対して対称な位置に配置される。言い換えると、磁石足12a〜12dは、床面上であって、軸方向に対して対称な位置に配置される。なお、磁石足12a〜12dの配置は、図示の例に限定されるものではない。例えば、磁石足12a〜12dは、静磁場磁石101と床面との間の空間であって、yz平面により区分される2つの空間のそれぞれに、少なくとも一つずつ配置されればよい。また、磁石足12a〜12dは、必ずしもyz平面に対して対称な位置に配置されなくてもよい。
各磁石足12a〜12dと床面との間には、防振部材20a〜20dがそれぞれ配置される。具体的には、磁石足12aと床面との間には、防振部材20aが配置される。また、磁石足12bと床面との間には、防振部材20bが配置される。また、磁石足12cと床面との間には、防振部材20cが配置される。また、磁石足12dと床面との間には、防振部材20dが配置される。各防振部材20a〜20dは、架台10の重量を支えつつ架台10の振動を低減するために、ゴムやエラストマーなどの防振材により形成される。なお、各磁石足12a〜12dは、磁石支持部材の一例である。また、以下の説明では、防振性を有する材料を総称して「防振材」と表記し、防振材を成型するなどして形成された部材を総称して「防振部材」と表記する。
傾斜磁場コイル103は、静磁場磁石101の内部の空間において、コイル支持部材13a及びコイル支持部材13bにより支持される。コイル支持部材13a,13bは、傾斜磁場コイル103の振動を低減しつつその重量を支えるために、例えば、ゴムやエラストマーなどの防振材により形成される。
また、傾斜磁場コイル103の内部の空間には、被検体Pが置かれる空間(ボア)を形成するボアチューブ14が配置される。ボアチューブ14には、WBコイル107及び寝台レール15が設置される。寝台レール15は、被検体Pを載置した天板105aをボアに挿入するためのレールである。
ここで、ボアチューブ14は、磁石足12a〜12dを起点としたボアチューブ支持構造体により支持される。ボアチューブ支持構造体は、磁石足12a〜12dに取り付けられ、ボアチューブ14を支持する。ボアチューブ支持構造体は、前部フレーム、後部フレーム、及び下部フレームにより形成される。
前部フレームは、ボアチューブ14の寝台側(寝台105が存在する側)の端部を支持する支持部材である。前部フレームは、支持部材30a、支持部材31a、及び支持部材31bにより形成される。
後部フレームは、ボアチューブ14の反寝台側(寝台側の反対側)の端部を支持する支持部材である。後部フレームは、支持部材30b、支持部材31c、及び支持部材31d(図示せず)により形成される。なお、支持部材31dは、図示されないが、yz平面に対して支持部材31cの位置と対称な位置に配置される。
下部フレームは、静磁場磁石101の軸方向の長さより長い部材(梁)であって、軸方向の両端において前部フレーム及び後部フレームをそれぞれ支持する支持部材である。下部フレームは、支持部材32a及び支持部材32bを含む。支持部材32aは、磁石足12a,12dにより支持される。支持部材32bは、磁石足12b,12cにより支持される。
このように、実施形態に係るMRI装置100において、下部フレームは、静磁場磁石101の軸方向の長さより長い部材であって、磁石足に取り付けられる。また、前部フレームは、下部フレームの寝台側の端部において、ボアチューブ14の端部を支持する。また、後部フレームは、下部フレームの反寝台側の端部において、ボアチューブ14の端部を支持する。これによれば、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させることができる。
例えば、実施形態に係るMRI装置100において、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、コイル支持部材13a,13bを介して静磁場磁石101へ伝搬し、磁石足12a〜12dへ伝わる。そして、固体伝搬振動は、磁石足12a〜12dから下部フレームを経由して前部フレーム及び後部フレームに伝搬し、ボアチューブ14に伝わる。言い換えると、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、磁石足12a〜12dを経てボアチューブ14へ伝搬する。これによれば、例えば、磁石足12a〜12dを経ずに伝搬する場合と比較して、固体伝搬振動の伝搬経路が長くなる。このため、実施形態に係るMRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動を伝搬経路の長さに応じて減衰(低減)させることができる。
支持部材30a,30bは、下部フレーム(支持部材32a,32b)の両端部に設置される。支持部材30a,30bは、静磁場磁石101の端面に取り付けられる。図示の例では、支持部材30aは、静磁場磁石101の寝台側の端面に防振部材21aを介して取り付けられる。また、支持部材30bは、静磁場磁石101の反寝台側の端面に防振部材21bを介して取り付けられる。防振部材21a,21bは、例えば、制振合金(「防振合金」とも呼ばれる)により形成される。制振合金としては、例えば、転位型制振合金や双晶型制振合金など任意の制振合金が適用可能である。また、防振部材21a,21bは、制振合金に限らず、例えば、ゴムやエラストマーなどの防振材により形成されてもよい。
ここで、支持部材30a,30bが静磁場磁石101の端面に取り付けられるのは、ボアチューブ14(及びWBコイル107)の軸方向(z方向)の動き(揺れ)を抑制するためである。具体的には、防振部材21aがz方向の正の方向の動きを抑制し、防振部材21bがz方向の負の方向の動きを抑制する。これにより、傾斜磁場コイル103に設置されるRFシールドとWBコイル107との位置関係の変化による画質劣化を抑えることができる。なお、図示の例では、各支持部材30a,30bが静磁場磁石101の端面に取り付けられる場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ボアチューブ14の軸方向の動きを抑制可能であれば、支持部材30a,30bのうちいずれか一方が静磁場磁石101の端面に取り付けられればよい。すなわち、支持部材30a,30bのうち少なくとも一方が、防振部材21a及び/又は防振部材21bを介して静磁場磁石101の端面に取り付けられればよい。なお、支持部材30a,30bのうちいずれか一方が静磁場磁石101の端面に取り付けられる場合については、後述する。
支持部材30aは、各支持部材31a,31bと弾性接着剤により接着される。また、支持部材30bは、各支持部材31c,支持部材31dと弾性接着剤により接着される。なお、弾性接着剤とは、硬化物が弾性体となる接着剤であり、例えば、シリコーン系、変成シリコーン系、若しくはウレタン系などの接着剤である。これにより、前部フレーム及び後部フレームは、振動を減衰させる効果(ダンピング効果)が増強されるので、固体伝搬音を低減させることができる。
各支持部材31a〜31dは、各防振部材22a〜22dを介してボアチューブ14の端部を支持する。各防振部材22a〜22dは、ゴムやエラストマーなどの防振材により形成される。図示の例では、支持部材31aは、防振部材22aを介してボアチューブ14の寝台側の端部を支持する。また、支持部材31bは、防振部材22bを介してボアチューブ14の寝台側の端部を支持する。また、支持部材31cは、防振部材22cを介してボアチューブ14の反寝台側の端部を支持する。また、支持部材31dは、防振部材22dを介してボアチューブ14の反寝台側の端部を支持する。なお、防振部材22dは、図示されないが、yz平面に対して防振部材22cの位置と対称な位置に配置される。
また、各支持部材31a〜31dは、プラスチックやステンレス(JIS規格におけるSUS316)などの材料で形成される。これは、静磁場磁石101の内側の領域に対応する部材は、傾斜磁場コイル103から漏えいする傾斜磁場の影響を受ける可能性が考えられるからである。つまり、傾斜磁場コイル103の両端部から傾斜磁場がz方向に漏えいするため、導電性や磁性を有する材料には渦電流が生じて振動してしまう可能性がある。このため、z方向から見て静磁場磁石101の内側の領域に対応する部材は、非導電性及び非磁性のうち少なくとも一方の性質を有する材料であることが好ましい。なお、各支持部材31a〜31dは、プラスチックやステンレスに限らず、非導電性及び非磁性のうち少なくとも一方の性質を有する材料であれば形成される。また、各支持部材31a〜31dに限らず、前部フレームや後部フレームを形成する部材のうち、静磁場磁石101の内側の領域に対応する部材は、非導電性及び非磁性のうち少なくとも一方の性質を有する材料で形成されるのが好ましい。つまり、架台10のxyz座標系において、x座標とy座標とが静磁場磁石101の内径に含まれる領域に対応する位置の部材は、非導電性及び非磁性のうち少なくとも一方の性質を有する材料で形成されるのが好ましい。
また、支持部材30a,30b及び支持部材31a〜31dは、中空に形成され、形成された中空の領域に防振性を有するゲル状の材料が充填される。なお、防振性を有するゲル状の材料としては、シリコーンゲルやウレタンゲルなどのゲル状の防振材が適用されるが、これに限らず、任意のゲル状(若しくはゼリー状)の材料が適用可能である。これにより、支持部材30a,30b及び支持部材31a〜31dは、振動を減衰させる効果が増強されるので、固体伝搬音を低減させることができる。
支持部材32a,32bは、静磁場磁石101の軸方向の長さより長い部材であって、磁石足12a〜12dにより支持される。図示の例では、支持部材32aは、磁石足12a及び磁石足12dを軸方向に貫通するように支持される。また、支持部材32bは、磁石足12b及び磁石足12cを軸方向に貫通するように支持される。また、各支持部材32a,32bは、それぞれ中空に形成される。これにより、各支持部材32a,32bは、形成された中空の領域(空洞)に、架台10を運搬するための治具を取り付けることができる。なお、運搬用の治具を取り付ける場合には、各支持部材32a,32bは、yz平面に対して互いに対称な位置に設置されるのが好ましい。
各支持部材32a,32bは、防振部材23a〜23dを介して前部フレーム及び後部フレームを支持する。各防振部材23a〜23dは、ゴムやエラストマーなどの防振材により形成される。図示の例では、支持部材32aは、防振部材23aを介して支持部材30aを支持する。また、支持部材32aは、防振部材23d(図示せず)を介して支持部材30bを支持する。また、支持部材32bは、防振部材23bを介して支持部材30aを支持する。また、支持部材32bは、防振部材23cを介して支持部材30bを支持する。なお、防振部材23dは、図示されないが、yz平面に対して防振部材23cの位置と対称な位置に配置される。
ここで、防振部材23aは、防振部材23dのばね定数とは異なるばね定数の防振材により形成される。また、防振部材23bは、防振部材23cのばね定数とは異なるばね定数の防振材により形成される。すなわち、前部フレームの下面に設置される防振部材23a,23bのばね定数は、後部フレームの下面に設置される防振部材23c,23dのばね定数とは異なる。これは、ボアチューブ14への固体伝搬振動の伝搬経路に対応する前部フレームと後部フレームとのばね定数を異ならせることで、ボアチューブ14の共振条件を変え、ボアチューブ14における共振を防止するためである。
下部フレームの軸方向における両端部と床面との間には、防振部材24a〜24dが配置される。図示の例では、支持部材32aの寝台側の端部と床面との間に、防振部材24aが配置される。また、支持部材32aの反寝台側の端部と床面との間に、防振部材24dが配置される。また、支持部材32bの寝台側の端部と床面との間に、防振部材24bが配置される。また、支持部材32bの寝台側の端部と床面との間に、防振部材24cが配置される。なお、防振部材24dは、図示されないが、yz平面に対して防振部材24cの位置と対称な位置に配置される。
ここで、防振部材24a〜24dは、防振部材20a〜20dのばね定数とは異なるばね定数の防振材により形成される。すなわち、下部フレームの下面に設置される防振部材24a〜24dのばね定数は、磁石足12a〜12dの下面に設置される防振部材20a〜20dのばね定数とは異なる。これは、下部フレームと床面との間で伝わる固体伝搬振動による下部フレームの共振を防止するためである。
上述したように、実施形態に係るMRI装置100において、磁石足12a〜12dを起点とした構造によりボアチューブ14が支持される。言い換えると、MRI装置100において、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、磁石足12a〜12dを経てボアチューブ14へ伝搬する。これによれば、例えば、磁石足12a〜12dを経ずに伝搬する場合と比較して、固体伝搬振動の伝搬経路が長くなる。例えば、固体伝搬振動が傾斜磁場コイル103を収容する密閉容器からボアチューブ14に伝搬する場合や、静磁場磁石101の端面から支持部材を経由してボアチューブ14に伝搬する場合と比較して、固体伝搬振動の伝搬経路が長くなる。このため、実施形態に係るMRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動を伝搬経路の長さに応じて減衰(低減)させることができる。
図4〜図6は、実施形態に係るMRI装置100による効果を説明するための図である。図4には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。また、図5には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。また、図6には、図5に例示の静磁場磁石101の拡大図を例示する。なお、図4〜図6において、波形の図は、図示した位置における固体伝搬振動を示し、波形の大きさは振動の大きさに対応する。また、図4〜図6において、矢印の図は、固体伝搬振動が伝搬する方向を示し、矢印の太さは振動の大きさに対応する。
図4及び図5に示すように、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、静磁場磁石101を経て磁石足12a〜12dへ伝搬する。そして、固体伝搬振動は、磁石足12a〜12dにより支持される下部フレーム(支持部材32a,32b)を経て前部フレーム(支持部材30a,31a,31b)及び後部フレーム(支持部材30b,31c,31d)へと伝わり、最終的にボアチューブ14へ伝搬する。言い換えると、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103から磁石足12a〜12dへの伝搬経路と、磁石足12a〜12dからボアチューブ14への伝搬経路とが互いに交わらないように構成されることにより、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動が磁石足12a〜12dを経由することとなる。これにより、例えば、磁石足12a〜12dを経ずに伝搬する場合と比較して、固体伝搬振動の伝搬経路が長くなるので、実施形態に係るMRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動を低減させることができる。具体的には、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動は、静磁場磁石101、磁石足12a〜12d、下部フレーム、前部フレーム(又は後部フレーム)、ボアチューブ14の順に伝搬することで、伝搬距離に応じて減衰することとなる(図4及び図5の波形及び矢印を参照)。
ここで、磁石足12a〜12dは、静磁場磁石101及び架台10に搭載される構造物の重量を支えているため、MRI装置100の構造物の中でも剛性がかなり高いという特徴がある。また、磁石足12a〜12dは、床面に接触しているため、振動エネルギーを床面に分散させることができる。したがって、磁石足12a〜12dへ伝搬した固体伝搬振動は、磁石足12a〜12dの剛性と床面への振動エネルギーの分散によって減衰される。
また、図6に示すように、静磁場磁石101は、静磁場磁石101の内周面を形成する板部材101aと、端面を形成する板部材101bと、外周面を形成する板部材101cとによって形成され、その内部に超伝導コイルが収容された構造である。このため、静磁場磁石101に伝搬した固体伝搬振動は、板部材101a、板部材101b、板部材101cの順に伝搬する。つまり、静磁場磁石101に伝搬した固体伝搬振動は、静磁場磁石101の内部を磁石足12a〜12dに向かって直線的に伝搬するのではなく、静磁場磁石101の表面を回り込むように伝搬する。このように、実施形態に係るMRI装置100は、静磁場磁石101の表面上の距離を利用して、固体伝搬振動を低減させることができる。
以上、実施形態に係るMRI装置100によれば、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬振動の伝搬経路を長くすることにより、伝搬経路の長さに応じて減衰させることができる。この結果、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音を低減させることができる。
なお、図2及び図3において、支持部材30a,30bは、それぞれ防振部材21a,21bを介して静磁場磁石101の端面に取り付けられると説明したが、これは、ボアチューブ14(及びWBコイル107)の軸方向(z方向)の動き(揺れ)を抑制するためである。言い換えると、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量(寝台レール15の重量や被検体Pの体重など)は、支持部材32a,32bによって支持される。つまり、MRI装置100は、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量を支持するために静磁場磁石101の端面に取り付けられる場合と比較して、柔らかい防振材を防振部材21a,21bとして適用することができる。このため、MRI装置100は、静磁場磁石101の端面から防振部材21a,21bを介して支持部材30a,30bに伝わる固体伝搬振動を減衰させることができる。
また、図2及び図3において、寝台レール15は、ボアチューブ14によって支持される。このため、ボアチューブ14によって支持されず、寝台レール15の両端が支持部材(例えば、前部フレーム及び後部フレーム)によって支持される場合と比較して、寝台レール15の剛性を下げることが可能となる。この結果、MRI装置100においては、寝台レール15を軽量化及び低コスト化することが可能となる。
また、図2及び図3において、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量は、ボアチューブ支持構造体によって支持される。このため、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量が傾斜磁場コイル103にかからないので、例えば、比較的軟らかい真空シール部材によって傾斜磁場コイル103の端部を塞ぐ静音化技術などを併用することが可能となる。
なお、図2〜図6に図示した内容はあくまで一例であり、必ずしも図示の構成に限定されるものではない。例えば、上記の例では、各支持部材32a,32bが静磁場磁石101の軸方向の長さより長い部材である場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各支持部材32a,32bが軸方向における中央付近で分割され、前部フレームと後部フレームとを個別に支持する構造であってもよい。ただし、図示したように、各支持部材32a,32bが軸方向に連続した構造である方が剛性が高く、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量を支える上で有用である。
また、上記の例では、説明の都合上、前部フレームと後部フレームとを区別して説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、前部フレームと後部フレームとが同一の部材により構成される場合には、両者が区別される必要はない。
また、上記の例では、前部フレーム及び後部フレームが3つの部材(前部フレームは支持部材30a,31a,31b)により形成される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、任意数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
また、上記の例では、ボアチューブ14がボアチューブ支持構造体により直接的に支持される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ボアチューブ14は、ボアチューブ支持構造体により間接的に支持されてもよい。例えば、ボアチューブ14は、寝台レール15を介して間接的にボアチューブ支持構造体により支持可能である。具体的には、ボアチューブ支持構造体が寝台レール15を支持し、寝台レール15がボアチューブ14を支持することとなる。なお、この場合、寝台レール15は、ボアチューブ14の重量及びボアチューブ14にかかる重量を支持することが可能な程度の剛性を有する。
(その他の実施形態)
さて、これまで実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
(軸方向の動きの片側支持)
例えば、上記の実施形態(図2,3)では、ボアチューブ14の軸方向の動きを抑制するために、静磁場磁石101の軸方向の両側から支持する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ボアチューブ14の軸方向の動きは、静磁場磁石101の軸方向の片側から支持することも可能である。
図7は、その他の実施形態に係るMRI装置100の架台10の構成を説明するための図である。図7には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図7の例では、支持部材30aが静磁場磁石101の端面(寝台側の端面)に取り付けられる場合を説明するが、支持部材30bが静磁場磁石101の端面(反寝台側の端面)に取り付けられる場合であってもよい。
図7に示すように、支持部材30aは、静磁場磁石101の寝台側の端面に段付きボルト25を介して取り付けられる。段付きボルト25は、その一端が防振部材26を介して静磁場磁石101の端面に取り付けられる。また、段付きボルト25は、防振部材27及び防振部材28を介して支持部材30aに取り付けられる。
ここで、防振部材27は、z方向の正の方向の動きを抑制する。また、防振部材28は、z方向の負の方向の動きを抑制する。これにより、ボアチューブ14の軸方向の動きは、静磁場磁石101の軸方向の片側から支持される。
(空間形成体)
上記の実施形態では、ボアチューブ14が磁石足から支持される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。つまり、上記の実施形態は、ボアチューブ14に限らず、患者空間を形成する構造物(空間形成体)を磁石足から支持することで、被検体(患者)へ伝わる固体伝搬音を低減させることができる。
すなわち、空間形成体は、傾斜磁場コイル103の内周側において、患者空間を形成する。この場合、上述したボアチューブ支持構造体は、磁石支持部材に取り付けられ、空間形成体を支持する。ボアチューブ支持構造体は、空間形成体支持部とも称される。ここで、空間形成体としては、以下に説明する4つのパターン(第1〜第4のパターン)が適用可能である。
第1のパターンは、空間形成体が、WBコイル107を支持するボアチューブ14である場合である。この構成は、図2−6にて説明した通りである。なお、第1のパターンにおいて、空間(ボア)の外装面を形成する架台カバー11(ボアカバー)は、ボアチューブ14及びWBコイル107の内周側に配置されている(図3参照)。
第2のパターンは、空間形成体が、ボアカバーを兼ねるボアチューブ14として形成される場合である。つまり、空間形成体は、最内周側に配置されたボアチューブである。ここで、図8を用いて、空間形成体の第2のパターンについて説明する。
図8は、その他の実施形態に係るMRI装置の架台の構成を説明するための図である。図8の左図には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。図8の右図には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図8に示した構成のうち、図2及び図3において説明した構成と同様の構成については、図2及び図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
図8に示すように、架台10の内部には、ボアチューブ14に代えて、ボアチューブ40が配置される。ボアチューブ40は、中空の略円筒形状に形成された構造であり、架台10のボアの最内周側に配置される。ボアチューブ40は、軸方向における架台の一端と他端とを繋ぐ形状であり、この形状を維持可能な強度を備える。ボアチューブ40の内側には、寝台レール15が設置される。ボアチューブ40の内周面は塗装され、ボアの外装面(被検体から見える側の面)を形成する。
ボアチューブ40は、磁石足12a〜12dを起点とした空間形成体支持部により支持される。空間形成体支持部の構成は、図2及び図3にて説明したボアチューブ支持構造体の構成と同様である。つまり、前部フレーム(支持部材30a、支持部材31a、及び支持部材31b)は、下部フレーム(支持部材32a及び支持部材32b)の寝台側の端部において、ボアチューブ40の端部を支持する。また、後部フレーム(支持部材30b、支持部材31c、及び支持部材31d(図示せず))は、下部フレームの反寝台側の端部において、ボアチューブ40の端部を支持する。これによれば、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させることができる。
なお、図8では、WBコイル107が傾斜磁場コイル103により支持される場合を示したが、これに限らず、WBコイル107は、如何なる支持機構により支持されてもよい。例えば、WBコイル107は、ボアチューブ40の外周面に設置されることにより支持されても良い。
第3のパターンは、空間形成体が、寝台レールと、寝台レールの上部カバーとによって形成される場合である。ここで、図9を用いて、空間形成体の第3のパターンについて説明する。
図9は、その他の実施形態に係るMRI装置の架台の構成を説明するための図である。図9の左図には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。図9の右図には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図9に示した構成のうち、図2及び図3において説明した構成と同様の構成については、図2及び図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように、架台10の内部には、ボアチューブ14に代えて、寝台レール15と、寝台レール15の上部カバー50とによって形成される空間形成体が配置される。寝台レール15は、被検体が載置される天板105aを移動可能に支持する。寝台レール15は、上部カバー50が取り付けられる点を除き、図2及び図3にて説明した構成と同様の構成を有する。
上部カバー50は、寝台レール15の上部の空間を傾斜磁場コイル103の内周に沿って覆う構造である。上部カバー50は、架台10のxy断面における形状がC型形状になるように湾曲された部材により形成される。この上部カバー50が寝台レール15の上部に配置されることにより、患者空間が形成される。上部カバー50は、患者空間を維持可能な強度を備える。上部カバー50の内周面は塗装され、ボアの外装面(被検体から見える側の面)を形成する。
図9の空間形成体(寝台レール15及び上部カバー50)は、磁石足12a〜12dを起点とした空間形成体支持部により支持される。空間形成体支持部の構成は、図2及び図3にて説明したボアチューブ支持構造体の構成と同様である。つまり、前部フレーム(支持部材30a、支持部材31a、及び支持部材31b)は、下部フレーム(支持部材32a及び支持部材32b)の寝台側の端部において、空間形成体の端部を支持する。具体的には、支持部材31a及び支持部材31bは、寝台レール15及び上部カバー50それぞれを支持する。また、後部フレーム(支持部材30b、支持部材31c、及び支持部材31d(図示せず))は、下部フレームの反寝台側の端部において、空間形成体の端部を支持する。具体的には、支持部材31c及び支持部材31dは、寝台レール15及び上部カバー50それぞれを支持する。これによれば、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させることができる。
なお、図9では、WBコイル107が傾斜磁場コイル103により支持される場合を示したが、これに限らず、WBコイル107は、如何なる支持機構により支持されてもよい。例えば、WBコイル107は、図9の空間形成体(寝台レール15及び上部カバー50)の外周面に設置されることにより支持されても良い。
第4のパターンは、空間形成体が、WBコイル107を含むコイル構造体によって形成される場合である。ここで、図10を用いて、空間形成体の第4のパターンについて説明する。
図10は、その他の実施形態に係るMRI装置の架台の構成を説明するための図である。図10の左図には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。図10の右図には、静磁場磁石101の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図10に示した構成のうち、図2及び図3において説明した構成と同様の構成については、図2及び図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
図10に示すように、架台10の内部には、ボアチューブ14に代えて、コイル構造体60が配置される。コイル構造体60は、例えば、WBコイル107の導体パターンを含むように含浸されて形成される。コイル構造体60は、中空の略円筒形状に形成された構造である。コイル構造体60は、軸方向における架台の一端と他端とを繋ぐ形状であり、この形状を維持可能な強度を備える。コイル構造体60の内側には、寝台レール15が設置される。コイル構造体60の内周面は塗装され、ボアの外装面を形成する。
コイル構造体60は、磁石足12a〜12dを起点とした空間形成体支持部により支持される。空間形成体支持部の構成は、図2及び図3にて説明したボアチューブ支持構造体の構成と同様である。つまり、前部フレーム(支持部材30a、支持部材31a、及び支持部材31b)は、下部フレーム(支持部材32a及び支持部材32b)の寝台側の端部において、コイル構造体60の端部を支持する。また、後部フレーム(支持部材30b、支持部材31c、及び支持部材31d(図示せず))は、下部フレームの反寝台側の端部において、コイル構造体60の端部を支持する。これによれば、MRI装置100は、傾斜磁場コイル103に由来する固体伝搬音(固体伝搬振動)を低減させることができる。
なお、図10では、コイル構造体60がボアカバーを兼ねる構成を説明したが、これに限らず、コイル構造体60の内周側に別の構造物としてボアカバーが配置されても良い。
また、図8〜10に図示した内容はあくまで一例であり、図示の例に限定されるものではない。例えば、図8〜図10に図示した構成のうち、空間形成体に関する構成以外の構成については、任意に変更可能である。
(寝台レールの構造)
また、上記の実施形態において例示した寝台レール15の構造はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、寝台レールは、2つの部材により構成されてもよい。
図11は、その他の実施形態に係る寝台レールの構成を説明するための図である。図11には、架台10の内部構造を軸方向から見た図を例示する。なお、図11に示した構成のうち、図2において説明した構成と同様の構成については、図2と同一の符号を付し、説明を省略する。
図11に示すように、架台10には、2本の寝台レール70,71が設置される。寝台レール70,71それぞれは、軸方向に延在する棒状の部材であり、天板105aを移動可能に支持する。なお、寝台レール70,71は、上述した4つのパターンの空間形成体のうち、第1、第2、及び第4のパターンに適用可能である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、傾斜磁場コイルに由来する固体伝搬音を低減させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。