以下、本発明を適用した電力管理装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム10は、ネットワーク11、電力量計12、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、第2の電圧センサ17、分散電源18、および電力管理装置19を含んで構成されている。
以後の図において、各機能ブロックを結ぶ実線は、電力の流れを示す。また、図1において、各機能ブロックを結ぶ破線は、制御信号または通信される情報の流れを示す。破線が示す通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
本実施形態では、電力線20の任意の箇所における電力の符号が正であるとき、当該箇所において電力が負荷機器13側に供給されている状態と定めている。また、電力線20の任意の箇所における電力の符号が負であるとき、当該箇所において電力が電力系統21側に供給されている状態と定めている。
制御信号および情報の通信には、様々な方式を採用可能である。例えば、電力管理装置19と、電力量計12、および分散電源18といった各装置との通信には、ZigBee(登録商標)などの近距離通信方式による通信を採用することができる。また、電力管理装置19と負荷機器13との通信には、赤外線通信、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)、ZigBee、Echonet Lite(登録商標)など、種々の方式による通信を採用することができる。
ネットワーク11は、例えばルータであり、電力量計12、少なくとも一部の分散電源18、および電力管理装置19間の情報および指令の通信を中継する。
電力量計12は、本実施形態においては、例えばスマートメータである。電力量計12は、電力系統21に接続されて、電力系統21から供給される電力を検出する。また、電力量計12は、分散電源18から電力系統21へ供給される電力を計測可能である。電力量計12は、検出した電力を積算して電力量を算出する。電力量計12は、電力の売買情報、例えば算出した電力量の符号を、周期的にネットワーク11を介して電力管理装置19に通知する。なお、電力量計12は出荷時に検定されており、電力量の符号が正しいことは確認されているものとする。
負荷機器13は、電力量計12および分電盤などを介して主幹の電力線20により、電力系統21に接続されている。負荷機器13は、電力を消費する電力負荷であり、例えば、需要家の敷地内で使用される照明器具、パソコン、および複合機などのオフィス機器、ならびにエアーコンディショナ、電子レンジ、およびテレビなどの各種電器製品などである。
なお、図1において、電力線20は1本の線で表示されているが、詳細には、例えば、2本の電圧線および1本の中性線を含む、単相三線式の配線である。なお、配線は、単相三線式に限定されず、例えば、単相二線式または三相三線式などを用いることができる。
第1の電流センサ14は、電力線20に流れる電流値を検出し、電力管理装置19に通知する。なお、本実施形態における通知とは、第1の電流センサ14で検出された電流情報を信号線を介して電力管理装置19に送ることを指す。第1の電流センサ14は、例えば、電力線20の設置後に取り付け可能な分割式のクランプセンサである。また、クランプセンサで検出された瞬時電流値は電圧値の形態なので、電力管理装置19において電流値に変換される。第1の電流センサ14は第1の接続点P1よりも電力系統21側において電力線20に設置されている。第1の接続点P1は、最も電力系統21側の第1の分散電源22および電力線20の接続点である。詳細にいえば、第1の電流センサ14は、電力線20の中の2本の電圧線(1本は中性線)それぞれに設置されている。なお、第1の電流センサ14は、電力線20の設置後に、施工業者によって取付けられる。
第2の電流センサ15は、電力線20に流れる電流値を検出し、売電が許可されていない分散電源18に通知する。なお、本実施形態における通知とは第2の電流センサ15で検出された電流情報を信号線を介して分散電源18に送ることを指す。第2の電流センサ15は、例えば、電力線20の設置後に取り付け可能な分割式のクランプセンサである。上述のように、クランプセンサで検出された瞬時電流値は電圧値の形態なので、分散電源18において電流値に変換される。
第2の電流センサ15は、自身に対応する分散電源18および電力線20を接続する接続点および第1の電流センサ14の間において電力線20に設置されている。詳細にいえば、第2の電流センサ15は、電力線20の中の2本の電圧線(1本は中心線)それぞれに設置されている。
本実施形態においては、第2の分散電源23に電流値を通知する第2の電流センサ15が第2の接続点P2および第1の電流センサ14の間において電力線20に設置されている。第2の分散電源23は、第1の分散電源22の次に電力系統21側に接続される分散電源18である。第2の接続点P2は、第2の分散電源23および電力線20の接続点である。また、本実施形態においては、第3の分散電源24に電流値を通知する第2の電流センサ15が第3の接続点P3および第2の接続点P2の間において電力線20に設置されている。第3の分散電源24は、第2の分散電源23の次に電力系統21側に接続される分散電源18である。第3の接続点P3は、第3の分散電源24および電力線20の接続点である。なお、第2の電流センサ15は、電力線20の設置後に、施工業者によって取付けられる。
第1の電圧センサ16は、電力線20の電圧値を検出し、電力管理装置19に通知する。なお、本実施形態における通知とは、第1の電圧センサ16の電圧情報を信号線を介して、電力管理装置19に送ることを指す。第1の電圧センサ16は、電力線20のいずれの場所に接続してもよく、電力管理装置19が電力線20から電源を得ている場合は電力管理装置19の内部でもよい。詳細にいえば、第1の電圧センサ16は、電力線20の中の2本の電圧線それぞれの中性線に対する電圧を検出するように、別々に取付けられている。
第2の電圧センサ17は、電力線20の電圧値を検出し、売電が許可されていない分散電源18に通知する。なお、本実施形態における通知とは、第2の電圧センサ17の電圧情報を信号線を介して、分散電源18に送ることを指す。また、第2の電圧センサ17は、電力線20のいずれの場所に接続しても良く、分散電源18が電力線20から電源を得ている場合は分散電源18の内部でもよい。詳細にいえば、第2の電圧センサ17は、電力線20の中の2本の電圧線それぞれの中性線に対する電圧を検出するように、別々に取付けられている。
本実施形態においては、第2の分散電源23に電圧値を通知する第2の電圧センサ17が第1の接続点P1および第2の接続点P2の間において電力線20に取付けられている。また、本実施形態においては、第3の分散電源24に電圧値を通知する第2の電圧センサ17が第2の接続点P2と第3の接続点P3との間において電力線20に取付けられている。
分散電源18はパワーコンディショナを内蔵しており、自身が発電した電力または蓄電した電力を交流電力として電力線20に出力する。なお、分散電源18が蓄電装置である場合には、分散電源18は電力系統21または他の分散電源から供給される電力を充電可能である。
分散電源18には、例えば、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池装置、エンジン発電装置、または風力発電装置などを用いることができる。複数の分散電源18が電力線20に接続されていてもよく、本実施形態では、前述のように、第1の分散電源22、第2の分散電源23、および第3の分散電源24が電力線20に接続されている。
前述のように、電力系統21側から負荷機器13側に向かって順番に、第1の分散電源22、第2の分散電源23、および第3の分散電源24が電力線20に接続されている。分散電源18の種類によっては、電力系統21への電力供給、すなわち売電が許可されている。売電が許可されている分散電源18がより電力系統21側において電力線20に接続されている。一方、電力系統21への売電が許可されていない分散電源18がより負荷機器13側において電力線20に接続されている。本実施形態において売電が許可されている分散電源とは、例えば電力線20に接続される電力変換装置が公的機関で逆潮流の認証が取得されているものであり、売電が許可されていない分散電源とは例えば認証が取得されていないものである。
例えば、本実施形態において、より電力系統21側において電力線20に接続される第1の分散電源22は、売電が許可されている太陽光発電装置である。また、より負荷機器13側において電力線20に接続される第2の分散電源23および第3の分散電源24は、それぞれ売電が許可されていない蓄電装置および燃料電池装置である。
売電が許可されていない分散電源18は、第2の電流センサ15から取得する電流値と、第2の電圧センサ17から取得する電圧値とを乗じることにより電力系統21側または負荷機器13側に供給されている電力値を算出する。分散電源18は、当該電力を上流電力情報として電力管理装置19に通知する。
電力管理装置19は、図2に示すように、記憶部25、表示部26、取得部27および制御部28を含んで構成されている。
記憶部25は、制御部28での動作に必要な情報を予め記憶している。また、記憶部25は制御部28が生成した情報などを記憶可能である。
表示部26は、需要家に通知すべき情報を示す画像を表示する。なお、表示部26は外部に表示装置を設ける構成であってもよい。
取得部27は、第1のサブ取得部29および第2のサブ取得部30を含む。第1のサブ取得部29は第1の電流センサ14から電流値を取得する。また、第1のサブ取得部29は、第1の電圧センサ16から電圧値を取得する。第2のサブ取得部30は、ネットワーク11を介して、電力の売買情報および上流電力情報を取得する。
制御部28は、専用のマイクロプロセッサ、または汎用のCPUに特定の機能を実行するプログラムを読み込ませることによって構成される。制御部28は、第1のサブ取得部29が取得した電流値および電圧値を乗ずることにより電力値を、電力管理装置19の電力情報として算出する。
制御部28は、電力管理装置19の電力情報と、第2のサブ取得部30が取得した情報とに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。本実施形態においては、制御部28は、設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、電力の売買情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、電力管理装置19の電力情報が示す電力値の符号が、売買情報が示す売買状況と合致するか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。本実施形態では、電力管理装置19の電力情報が示す電力の正の符号が買電状況に合致し、負の符号が売電状況に合致する。
制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。制御部28は、一度判定した以降は、自動的に電流値の符号の反転が行われるように補正し続ける。なお、電流値の符号は、電力値の符号を反転させることと置き換えてもよい。また、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、制御部28は+の符号を掛け合わせる補正自体を行なわなくても良いし、+の符号を掛け合わせる補正をし続けても良い。
また、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が確定されたとき、第2のサブ取得部30が取得した電力の売買情報および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。詳細に説明すると、制御部28は、売買情報が買電状況を示すときの上流電力情報が示す電力の符号が負荷機器13側への電力供給を示すか否かに基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。本実施形態では、上流電力情報が示す電力の正の符号が負荷機器13側への電力供給を示す。例えば、電力量計12の売買情報を用いて第1の電流センサ14の設置方向が正しいと確定された後に、電力管理装置19によって第2の分散電源23に接続された第2の電流センサ15の設置方向が正しいかを判定する。
制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、ネットワーク11を通じて管理会社などに設置方向が誤りであることに起因して分散電源18が動作できないことを通知する。
次に、第1の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS100からステップS104は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤に関するものである。ステップS100において、制御部28は、第2のサブ取得部30が電力量計12から電力の売買情報を取得しているか否かを判定する。売買情報を取得していないとき、プロセスはステップS100を繰返し、売買情報を取得するまで待機する。売買情報を取得しているとき、プロセスはステップS101に進む。
ステップS101では、制御部28は、第1の電流センサ14が検出した電流値および第1の電圧センサ16が検出した電圧値を乗じることにより電力値を算出する。電力値を算出すると、プロセスはステップS102に進む。
ステップS102では、制御部28は、ステップS101において算出した電力値の符号が、ステップS100において取得を確認した売買情報が示す売買状況と合致しているか否かを判定する。合致しているとき、プロセスはステップS103に進む。合致していないとき、プロセスはステップS104に進む。
ステップS103では、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しい旨を示す画像を表示部26に表示させる。画像の表示後、プロセスはステップS105に進む。
ステップS104では、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りである旨を示す画像を表示部26に表示させる。画像の表示後、プロセスはステップS105に進む。なお、設置方向が誤りであると判定された場合、以降の電力測定(電流・電圧の測定と電力の算出)を中止する。また、本実施形態では、設置方向が誤りである旨を示す画像を表示させることとしたが、表示に代えて、第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を自動的に反転させるように設定してもよい。
ステップS105以降のプロセスは、第2の電流センサ15の設置方向の正誤に関するものである。ステップS105では、制御部28は、第2のサブ取得部30が買電状況を示す売買情報を取得しているか否かを判定する。当該売買情報を取得していないとき、プロセスはステップS105を繰返し、当該売買情報を取得するまで待機する。当該売買情報を取得しているとき、プロセスはステップS106に進む。
ステップS106では、制御部28は、第2のサブ取得部30が上流電力情報を取得しているか否かを判定する。上流電力情報を取得していないとき、プロセスはステップS105へ戻り、ステップS105およびS106を繰返し、上流電力情報を取得するまで待機する。上流電力情報を取得しているとき、プロセスはステップS107に進む。
ステップS107では、制御部28は、ステップS106において取得を確認した上流電力情報に相当する電力の符号が、ステップS105において取得を確認した買電状況と合致しているか否かを判定する。合致しているとき、プロセスはステップS108に進む。合致していないとき、プロセスはステップS109に進む。
ステップS108では、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しい旨を示す画像を表示部26に表示させる。画像の表示後、方向判定処理を終了する。
ステップS109では、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りである旨を示す画像を表示部26に表示させる。画像の表示後、方向判定処理を終了する。なお、設置方向が誤りであると判定された場合、分散電源18は以降の動作(負荷への電力供給)を停止する。そこで、設置方向が誤りである旨を示す画像を表示させることに代えて、第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を分散電源18に通知してもよい。
以上のような構成の第1の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した電力の売買情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。第1の電流センサ14および電力量計12の間には分散電源18が設けられない。それゆえ、第1の電流センサ14の設置方向が正しければ売買情報が示す売買状況と電力管理装置19の電力情報が示す電力の符号は売電状況および買電状況のいずれであっても合致する。したがって、本実施形態の判定方法により、第1の電流センサ14の正確な設置方向を判定可能である。特に、電力管理装置19と通信できない分散電源18が電力線20に接続されていても、第1の電流センサ14の設置方向を正確に判定可能である。
また、第1の実施形態の電力管理装置19によれば、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。このような構成によれば、第1の電流センサ14の設置方向に注意して設置しなくてもよいので、設置業者による設置作業が簡易になる。
また、第1の実施形態の電力管理装置19によれば、買電状況であるときの上流電力情報に基づいて第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。第2の電流センサ15に関しては、分散電源18および電力線20の接続点と、電力量計12との間に他の分散電源18が接続されることもあり得る。それゆえ、電力量計12において売電状況であったとしても、より負荷機器13側の分散電源18は負荷機器13側に電力を供給することがあり得る。一方で、電力量計12において買電状況であるときには、いずれの分散電源18も負荷機器13側に電力を供給するので、第2の電流センサ15の設置方向が正しければ買電状況と電力情報が示す電力の符号は合致する。したがって、本実施形態の判定方法により、第2の電流センサ15の正確な設置方向を判定可能である。
また、第1の実施形態の電力管理装置19によれば、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。このような構成によれば、第2の電流センサ15の設置方向に注意して設置しなくてもよいので、設置業者による設置作業が簡易になる。あるいは、設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電力管理装置19について説明する。第2の実施形態では電力管理装置19の電力情報と比較する情報の種類が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
図4に示すように、第2の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム100は、ネットワーク11、電力量計12、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、第2の電圧センサ17、分散電源18、分電盤31、および電力管理装置19を含んで構成されている。
ネットワーク11、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、および第2の電圧センサ17の構成および機能は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、電力量計12は電力の売買情報を電力管理装置19に通知しなくてもよい。
分散電源18は、第1の実施形態における分散電源18と同じ機能を有している。第2の実施形態では、さらに、すべての分散電源18は自身が出力する電力を検出するセンサを内蔵している。センサは例えば電流センサおよび電圧センサの組合せであり、それぞれが検出した電流値および電圧値を乗じることにより電力値が算出される。すべての分散電源18は算出した電力値を出力電力情報として電力管理装置19に通知する。
分電盤31は、例えばスマート分電盤であり、主幹の電力線20を、第3の接続点P3よりも負荷機器13側において、複数の支幹の電力線(図4においては単一の電力線20で表記している。)に分岐する。分電盤31は、すべての支幹の電力線における電力、すなわちすべての支幹の電力線を介して負荷機器13に供給する電力を検出する。分電盤31は、検出した電力の合計値に相当する合計情報を電力管理装置19に通知する。なお、分散電源18の出力も検出可能な場合には、スマート分電盤から電力管理装置19に通知する構成であってもよい。
第2の実施形態における電力管理装置19の構成は、図2に示す第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、第2の実施形態の電力管理装置19は、取得部27が取得する情報の一部および制御部28が実行する制御が第1の実施形態と異なっている。
第1のサブ取得部29は、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14および第1の電圧センサ16からそれぞれ電流値および電圧値を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と同様に、上流電力情報を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と異なり、すべての分散電源18および分電盤31からそれぞれ出力電力情報および合計情報を取得する。この際、分散電源18が蓄電装置の場合には、出力電力情報は電力供給状態か充電電力消費状態であるかの識別情報も含む。
制御部28は、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報を算出し、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した情報に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。第2の実施形態においては、制御部28は設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、出力電力情報および合計情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、すべての出力電力情報に相当する電力値を合計する。この際、分散電源18が蓄電装置の場合には放電時は供給電力、充電時は消費電力として取扱う。次に、制御部28は、合計情報に相当する電力から出力電力情報に相当する電力の合計値を減じた差を算出する。次に、制御部28は、当該差の符号が示す売買状況と、電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号とが合致するか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。なお、合計情報に相当する電力から当該合計値を減じた差が正のときには買電状況であり、負のときには売電状況である。また、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報が示す電力の正の符号が買電状況に合致し、負の符号が売電状況に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。
第1の実施形態と異なり、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定情報、電力管理装置19の電力情報、および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
詳細に説明すると、設置方向が正しくかつ電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号が買電を示しているときに、需要家施設が買電状況であるとみなせる。そこで、制御部28は、正誤判定情報および電力管理装置19の電力情報に基づき買電状況であるときに、上流電力情報に相当する電力値の符号が負荷機器13側への電力供給を示すか否かを判定する。制御部28は当該判定結果に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。第2の実施形態でも、電力情報が示す電力値の正の符号が、負荷機器13側への電力供給に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、ネットワーク11を通じて管理会社などに設置方向が誤りであることに起因して分散電源18が動作できないことを通知する。
次に、第2の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS200からステップS204は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤に関するものである。ステップS200において、制御部28は、第2のサブ取得部30が分電盤31から出力電力情報および合計情報を取得しているか否かを判定する。出力電力情報および合計情報を取得していないとき、プロセスはステップS200を繰返し、出力電力情報および合計情報を取得するまで待機する。取得しているとき、プロセスはステップS201に進む。
ステップS201では、制御部28は、第1の実施形態のステップS101と同じ処理を実行して、ステップS202に進む。
ステップS202では、制御部28は、ステップS200において取得を確認した出力電力情報および合計情報に基づく電力値の差が示す売買状況と、ステップS201で算出した電力値の符号が合致するか否かを判定する。合致しているとき、プロセスはステップS203に進む。合致していないとき、プロセスはステップS204に進む。
ステップS203、S204では、制御部28は、それぞれ第1の実施形態のステップS103、S104と同じ処理を実行して、ステップS205に進む。
ステップS205以降のプロセスは、第2の電流センサ15の設置方向の正誤に関するものである。ステップS205では、制御部28は、ステップS202において合致している、すなわち設置方向が正しいと判定しているときには、電力管理装置19の電力情報に相当する電力値が買電状況を示しているか否かを判定する。買電状況を示していないとき、プロセスはステップS205を繰返し、買電状況を示すまで待機する。買電状況を示しているとき、プロセスはステップS206に進む。また、制御部28は、ステップS202において合致していない、すなわち設置方向が誤りであると判定しているときには、電力管理装置19の電力情報に相当する電力が売電状況を示しているか否かを判定する。売電状況を示していないとき、プロセスはステップS205を繰返し、売電状況を示すまで待機する。売電状況を示しているとき、プロセスはステップS206に進む。
ステップS206では、制御部28は、第1の実施形態のステップS106と同様に、第2のサブ取得部30が上流電力情報を取得しているか否かを判定する。上流電力情報を取得していないとき、プロセスはステップS205に戻り、ステップS205およびS206を繰返し、上流電力情報を取得するまで待機する。上流電力情報を取得しているとき、プロセスはステップS207に進む。
ステップS207では、制御部28は、ステップS206において取得を確認した上流電力情報が示す電力値の符号が、買電状況、言換えると負荷機器13側への電力供給と合致しているか否かを判定する。合致しているとき、プロセスはステップS208に進む。合致していないとき、プロセスはステップS209に進む。
ステップS208、S209では、制御部28は、それぞれ第1の実施形態のステップS108、S109と同じ処理を実行して、方向判定処理を終了する。
以上のような構成の第2の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した出力電力情報および合計情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。すべての支幹の電力線における電力の合計値がすべての分散電源18から出力される電力の合計値を超えるときには、需要家施設は買電状況である。また、すべての支幹の電力線における電力の合計値がすべての分散電源18から出力される電力の合計値以下の時には、需要家施設は売電状況である。第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14および電力量計12の間には分散電源18が設けられない。それゆえ、第1の電流センサ14の設置方向が正しければ、出力の電力情報および合計情報に基づく売買状況、ならびに電力管理装置19の電力情報が示す電力の符号は、売電状況および買電状況のいずれであっても合致する。したがって、第2の実施形態のよう判定方法によっても、第1の電流センサ14の正確な設置方向を判定可能である。
また、第2の実施形態の電力管理装置19によれば、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号が買電状況であるか否かを判定し得る。したがって、第1の実施形態と同様に、買電状況であるときに上流電力情報に相当する電力の符号が負荷機器13側への電力供給を示すか否かを判定することによって、第2の電流センサ15の正確な設置方向を判定可能である。
また、第2の実施形態の電力管理装置19によっても、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。また、第2の実施形態の電力管理装置19によっても、設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。あるいは、第2の実施形態の電力管理装置19によっても、設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る電力管理装置19について説明する。第3の実施形態では電力管理装置19の電力情報と比較する情報の種類が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第3の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム10の構成は、図1に示す第1の実施形態における電力管理システム10と同様である。
ネットワーク11、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、および第2の電圧センサ17の構成および機能は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、電力量計12は電力の売買情報を電力管理装置19に通知しなくてもよい。
分散電源18は、第1の実施形態と同様に、自身が発電した電力または蓄電した電力を交流電力として電力線20に出力する。第1の実施形態と異なり、すべての分散電源18は自身が停止しているときに停止を示す駆動情報を、電力管理装置19に通知する。
第3の実施形態における電力管理装置19の構成は、図2に示す第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、第3の実施形態の電力管理装置19は、取得部27が取得する情報の一部および制御部28が実行する制御が第1の実施形態と異なっている。
第1のサブ取得部29は、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14および第1の電圧センサ16からそれぞれ電流値および電圧値を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と同様に、上流電力情報を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と異なり、すべての分散電源18の駆動情報を取得する。
制御部28は、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報を算出し、該電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した情報に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。第3の実施形態においては、制御部28は設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、駆動情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、すべての分散電源18の駆動情報が停止を示しているかを確認する。または、制御部28は、すべての分散電源18に対して停止指令を通知し、その後に停止を示す駆動情報をすべての分散電源18から取得するまで待機する構成であってもよい。
すべての分散電源18が停止を示しているときに、制御部28は電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号が買電状況に合致するか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。なお、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報が示す電力の正の符号が買電状況に合致し、負の符号が売電状況に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定、電力管理装置19の電力情報、および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
第2の実施形態と同様に、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。第3の実施形態でも、電力情報が示す電力の正の符号が負荷機器13側への電力供給に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18の停止指令を当該分散電源18に通知する。
次に、第3の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS300からステップS304は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤に関するものである。ステップS300において、制御部28は、第2のサブ取得部30がすべての分散電源18から停止を示す駆動情報を取得しているか否かを判定する。取得していないとき、プロセスはステップS300を繰返し、すべての分散電源18から停止を示す駆動情報を取得するまで待機する。取得しているとき、プロセスはステップS301に進む。
ステップS301では、制御部28は、第1の実施形態のステップS101と同じ処理を実行して、ステップS302に進む。
ステップS302では、制御部28は、ステップS301で算出した電力の符号が買電状況に合致しているか否かを判定する。合致しているとき、プロセスはステップS303に進む。合致していないとき、プロセスはステップS304に進む。
以後のステップS303からS309では、制御部28、第2の実施形態のステップS203からS209と同じ処理を実行して、方向判定処理を終了する。
以上のような構成の第3の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した停止を示す駆動情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。電力線20に接続されるすべての分散電源18が停止しているときには、一般的に需要家施設は買電状況である。したがって、すべての分散電源18が停止しているときの電力管理装置19の電力情報の示す売買状況を確認することにより、第1の電流センサ14の正確な設置方向を判定可能である。
また、第3の実施形態の電力管理装置19によっても、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。また、第3の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。また、第3の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。あるいは、第3の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る電力管理装置19について説明する。第4の実施形態では電力管理装置19の電力情報と比較する情報の種類が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第4の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム10の構成は、図1に示す第1の実施形態における電力管理システム10と同様である。
ネットワーク11、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、および第2の電圧センサ17の構成および機能は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、電力量計12は電力の売買情報を電力管理装置19に通知しなくてもよい。
分散電源18は、第1の実施形態と同様に、自身が発電した電力または充電した電力を交流電力として電力線20に出力する。第4の実施形態においては、電力線20に接続される分散電源18の中には蓄電装置が含まれている。また、第4の実施形態においては、分散電源18は、電力管理装置19からの指令に基づいて、発電の停止および充電を実行する。
また、第4の実施形態においては、第3の実施形態と同様に、蓄電装置以外のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)は自身が停止しているときに停止を示す駆動情報を、電力管理装置19に通知する。また、第4の実施形態においては、蓄電装置である第2の分散電源23は、自身が充電状態であるときに充電状態を示す駆動情報を、電力管理装置19に通知する。
第4の実施形態における電力管理装置19の構成は、図2に示す第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、第4の実施形態の電力管理装置19は、取得部27が取得する情報の一部および制御部28が実行する制御が第1の実施形態と異なっている。
第1のサブ取得部29は、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14および第1の電圧センサ16からそれぞれ電流値および電圧値を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と同様に、上流電力情報を取得する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と異なり、分散電源18の駆動情報を取得する。
制御部28は、第1の実施形態と異なり、蓄電装置である第2の分散電源23に対して充電の指令を通知する。また、制御部28は、第1の実施形態と異なり、蓄電装置以外の分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)に対して発電停止の指令を通知する。
制御部28は、1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報を算出し、当該電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した情報に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。第4の実施形態においては、制御部28は設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、駆動情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、蓄電装置である第2の分散電源23からの駆動情報が充電状態を示し、かつ蓄電装置以外のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)からの駆動情報が停止状態を示しているか否かを確認する。
蓄電装置である第2の分散電源23が充電状態、かつ蓄電装置以外のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)が停止状態であるとき、需要家施設が売電状況であるとみなせる。そこで、制御部28は、第1の分散電源22、第2の分散電源23、および第3の分散電源24の駆動情報に基づき買電状況であるときに、電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号が買電状況に合致するか否かを判定する。制御部28は判定結果に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。なお、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報が示す電力の正の符号が買電状況に合致し、負の符号が売電状況に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。
第4の実施形態では、第2の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定、電力管理装置19の電力情報、および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。第4の実施形態でも、電力情報が示す電力の正の符号が負荷機器13側への電力供給に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、ネットワーク11を通じて管理会社などに設置方向が誤りであることに起因して分散電源18が動作できないことを通知する。
次に、第4の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS400において、制御部28は、蓄電装置である第2の分散電源23に対して充電の指令を通知し、蓄電装置以外の分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)に対して発電停止の指令を通知する。通知後、プロセスはステップS401に進む。
ステップS401では、制御部28は、第2のサブ取得部30は第2の分散電源23から充電状態である駆動情報、および第1の分散電源22および第3の分散電源24から停止を示す駆動情報を取得しているか否かを判定する。取得していないとき、プロセスはステップS401を繰返し、待機する。取得しているとき、プロセスはステップS402に進む。
以後のステップS402からS410では、制御部28は、第3の実施形態のステップS301からS309と同じ処理を実行して、方向判定処理を終了する。
以上のような構成の第4の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した停止を示す駆動情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。蓄電装置である第2の分散電源23が充電状態かつ電力線20に接続される他のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)が停止しているときには、需要家施設は買電状況である。したがって、蓄電装置である第2の分散電源23が充電かつ他のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)が停止しているときの電力管理装置19の電力情報の示す売買状況を確認することにより、第1の電流センサ14の正確な設置方向を判定可能である。
また、第4の実施形態の電力管理装置19によっても、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。また、第4の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。また、第4の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。あるいは、第4の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る電力管理装置19について説明する。第5の実施形態では電力管理装置19の電力情報と比較する情報の種類が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第5の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第5の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム10の構成は、図1に示す第1の実施形態における電力管理システム10と同様である。
ネットワーク11、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、第2の電圧センサ17、および分散電源18の構成および機能は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、電力量計12は電力の売買情報を電力管理装置19に通知しなくてもよい。
第5の実施形態における電力管理装置19の構成は、図2に示す第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、第5の実施形態の電力管理装置19は、制御部28が実行する制御が第1の実施形態と異なっている。
制御部28は、第1の実施形態と異なり、少なくとも1つの分散電源18に対して出力を変化させる指令を通知する。なお、第5の実施形態では、出力の変化は低下である。出力を低下させる指令には、蓄電装置である分散電源18に対する充電の指令も含む。出力を低下させる分散電源18の種類は限定されない。
例えば、蓄電装置である分散電源18の出力を低下させるときは、放電する電力を低下させてもよいし、放電または停止から充電に切替えてもよいし、充電する電力を増加させてもよい。また、太陽光発電装置または燃料電池装置である分散電源18の出力を低下させるときは、発電する電力を低下させればよい(停止も含む)。
制御部28は、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報を算出し、当該電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した情報に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。第5の実施形態においては、制御部28は設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、上流電力情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、上述のように、少なくとも1つの分散電源18に出力を減少させる指令を通知する。制御部28は、出力の減少の指令を通知する前に、電力管理装置19の電力情報および上流電力情報を取得する。なお、この時点で取得した上流電力情報は設置方向の正誤が不明な状態なので、第1の電流センサ14の設置方向判定中の電力値(負荷への供給電力量および売電電力量など)は判定が確定するまで過去の電力値に積算せず、判定完了後に合算させるようにすればよい。制御部28は、通知後の上流電力情報に相当する電力の変化が負荷機器13側への電力供給方向への変化、本実施形態では増加するとき、電力管理装置19の電力情報を取得する。制御部28は、出力の減少の指令の通知の前後における電力管理装置19の電力情報に相当する電力の変化が負荷機器13側への電力供給方向への変化であるか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。
なお、制御部28における第1の電流センサ14の設置方向の正誤の判定を所定の時間間隔で2回以上行い、判定結果に基づいて最終判定を行ってもよい。例えば、所定の時間間隔で設置方向の正誤の判定を奇数回行い、回数が多い判定結果を最終判定としてもよい。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。
第5の実施形態では、第2の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定、電力管理装置19の電力情報、および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。第5の実施形態でも、電力情報が示す電力の正の符号が負荷機器13側への電力供給に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、ネットワーク11を通じて管理会社などに設置方向が誤りであることに起因して分散電源18が動作できないことを通知する。
次に、第5の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS500において、制御部28は、第2のサブ取得部30が、出力を低下させる対象の分散電源18の上流電力情報を取得しているか否かを判定する。取得していないとき、プロセスはステップS500を繰返し、上流電力情報を取得するまで待機する。取得しているとき、プロセスはステップS501に進む。
ステップS501では、制御部28は、第1の実施形態のステップS101と同じ処理を実行して、プロセスはステップS502に進む。
ステップS502では、制御部28は、ステップS500において上流電力情報の取得を確認した分散電源18に対して出力の低下の指令を通知する。通知後、プロセスはステップS503に進む。
ステップS503では、制御部28は、第2のサブ取得部30が、ステップS502において出力の低下の指令を通知した分散電源18から、上流電力情報を取得し、上流電力情報に相当する電力が、ステップS500において取得を確認した上流電力情報に相当する電力から増加しているか否かを判定する。増加していないとき、プロセスはステップS502に戻り、ステップS302およびS503を繰返し、増加するまで待機する。増加しているとき、プロセスはステップS504に進む。なお、分散電源18の出力をさらに低下させることができない場合には、判定の継続は不可能なので、方向判定処理を終了する。
ステップS504では、ステップS501と同様にして、制御部28は、電力管理装置19の電力情報を算出する。算出後、プロセスはステップS505に進む。
ステップS505では、制御部28は、ステップS501および504で算出した電力管理装置19の電力情報に相当する電力の変化の方向が、ステップS502で出力を変化させた電力情報に相当する電力の変化の方向に合致する、言い換えると増加しているか否か判定する。合致するとき、プロセスはステップS506に進む。合致しないとき、プロセスはステップS507に進む。
以後のステップS506からS512では、制御部28は、第2の実施形態のステップS203からS209と同じ処理を実行して、方向判定処理を終了する。
以上のような構成の第5の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した上流電力情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。特に、電力管理装置19と通信できない分散電源18が電力線20に接続されていても、第1の電流センサ14の設置方向を判定可能である。
また、第5の実施形態の電力管理装置19によれば、第1の電流センサ14の設置方向の判定を複数回行い、その結果に基づいて最終判定を行うので、通信できない分散電源18の出力変動などが生じていても、設置方向の正誤が高い精度で判定され得る。
また、第5の実施形態の電力管理装置19によっても、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。また、第5の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。また、第5の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。あるいは、第5の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る電力管理装置19について説明する。第6の実施形態では電力管理装置19の電力情報と比較する情報の種類が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第6の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第6の実施形態に係る電力管理装置19を含む電力管理システム10の構成は、図1に示す第1の実施形態における電力管理システム10と同様である。
ネットワーク11、負荷機器13、第1の電流センサ14、第2の電流センサ15、第1の電圧センサ16、第2の電圧センサ17、および分散電源18の構成および機能は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、電力量計12は電力の売買情報を電力管理装置19に通知しなくてもよい。
第6の実施形態における電力管理装置19の構成は、図2に示す第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なり、第6の実施形態の電力管理装置19は、制御部28が実行する制御が第1の実施形態と異なっている。
制御部28は、第5の実施形態と同様に、少なくとも1つ以上の分散電源18対して出力を変化させる指令を通知する。なお、第5の実施形態と異なり、変化させる出力が、例えば、第1の分散電源22の定格出力が5kWhであれば、第2の分散電源23と第3の分散電源24を合せて6kWhとする所定値(第2の所定値)であって、一般的な分散電源18の定格出力の1.1倍以上である。このように一般的な分散電源の最大電力値以上の電力値である第2の所定値で変化させることにより、電力管理装置19で把握できていない分散電源の出力以上の変動量を確保する事ができ、実施形態5に比べて出力低下できる確率を高められる。また、第6の実施形態では、出力の変化は低下である。出力を低下させる指令には、蓄電装置である分散電源18に対する充電の指令も含む。出力を低下させる分散電源18の種類は限定されない。
制御部28は、第1の実施形態と同様に、電力管理装置19の電力情報を算出し、該電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した情報に基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。第6の実施形態においては、制御部28は設置方向の正誤判定に、第2のサブ取得部30が取得した情報の中で、上流電力情報を用いる。
詳細に説明すると、制御部28は、上述のように、少なくとも1つの分散電源18に所定値で出力を低下させる指令を通知する。分散電源18が蓄電装置であれば充電とすることが可能なので、変化させる出力を単体で第2の所定値にすることが容易である。しかし、分散電源18が複数存在する場合において、分散電源18が蓄電装置(満充電状態)であったり、分散電源18が太陽光発電や燃料電池であったりする場合は、複数の分散電源で合算して、変化させる出力を第2の所定値になるよう指令すればよい。制御部28は、出力の減少の指令を通知する前に、電力管理装置19の電力情報および当該分散電源18の上流電力情報を取得する。制御部28は、通知後の当該上流電力情報に相当する電力の変化量が所定値となるとき、電力管理装置19の電力情報を取得する。制御部28は、出力の減少の指令の通知の前後における電力管理装置19の電力情報に相当する電力の変化が所定値に一致するとみなせるか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。
なお、第5の実施形態と同様に、制御部28における第1の電流センサ14の設置方向の正誤の判定を所定の時間間隔内で2回以上(複数回)行い、判定結果に基づいて最終判定を行ってもよい。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、合致するときには、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、合致しないときには、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第1の電流センサ14から取得する電流値の符号を反転させる。
第6の実施形態では、第2の実施形態と同様に、制御部28は、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定、電力管理装置19の電力情報、および上流電力情報に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示すときには、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定する。一方、制御部28は、負荷機器13側への電力供給を示さないときには、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。第6の実施形態でも、上流電力情報が示す電力の正の符号が負荷機器13側への電力供給に合致する。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が正しいと判定するとき、設置方向が正しい旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。
第1の実施形態と同様に、制御部28は、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定するとき、設置方向が誤りである旨を示す画像をデータとして作成し、当該画像を表示部26に表示させる。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、判定後に第2の電流センサ15から取得する電流値の符号を反転させる指令を、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18に通知する。または、制御部28は、設置方向が誤りであると判定するときに、当該第2の電流センサ15に対応する分散電源18の停止指令を当該分散電源18に通知する。
次に、第6の実施形態において電力管理装置19の制御部28が実行する、方向判定処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。方向判定処理は、電力管理装置19の入力装置に対して、方向判定を実行する入力を検出するときに開始する。
ステップS600およびS601において、制御部28は、第5の実施形態のステップS500と同じ処理を実行して、プロセスはステップS602に進む。
ステップS602では、制御部28は、ステップS600において上述の取得を確認した分散電源18に対して、所定値の出力の低下の指令を通知する。通知後、プロセスはステップS603に進む。
ステップS603では、制御部28は、第2のサブ取得部30が、ステップS602において出力の低下の指令を通知した分散電源18から、上流電力情報を取得する。さらに、制御部28は、当該電力情報に相当する電力が、ステップS500において取得を確認した電力情報に相当する電力から所定値だけ増加しているか否かを判定する。増加していないとき、プロセスはステップS602に戻り、ステップS602およびS603を繰返し、増加するまで待機する。増加しているとき、プロセスはステップS604に進む。なお、分散電源18の出力をさらに低下させることができない場合には、判定の継続は不可能なので、方向判定処理を終了する。
ステップS604では、ステップS601と同様にして、制御部28は、電力管理装置19の電力情報を算出する。算出後、プロセスはステップS605に進む。
ステップS605では、制御部28は、ステップS601および604で算出した電力管理装置19の電力情報に相当する電力の変化が、所定値に略合致するか否か判定する。合致するとき、プロセスはステップS606に進む。合致しないとき、プロセスはステップS607に進む。
以後のステップS606からS612では、制御部28は、第2の実施形態のステップS203からS209と同じ処理を実行して、方向判定処理を終了する。
以上のような構成の第6の実施形態の電力管理装置19によれば、電力管理装置19の電力情報および第2のサブ取得部30が取得した上流電力情報に基づいて第1の電流センサ14の設置方向の正誤が判定され得る。特に、電力管理装置19と通信できない分散電源18が電力線20に接続されていても、第1の電流センサ14の設置方向を判定可能である。また、分散電源18の出力する電力を所定値だけ変化させるので、電力管理装置19と通信できない分散電源18が電力線20に接続されていても、当該分散電源18の出力変動による判定不能の影響が低減する。
また、第6の実施形態の電力管理装置19によれば、第1の電流センサ14の設置方向の判定を複数回行い、その結果に基づいて最終判定を行うので、通信できない分散電源18の出力変動などが生じていても、設置方向の正誤がさらに高い精度で判定され得る。
また、第6の実施形態の電力管理装置19によっても、第1の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向が誤りであるときに、第1の電流センサ14から通知される電流値の符号が反転され得る。また、第6の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の実施形態と同様に、第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定に基づいて、第2の電流センサ15の設置方向の正誤が判定され得る。また、第6の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであるときに、第2の電流センサ15から通知される電流値の符号が反転され得る。あるいは、第6の実施形態の電力管理装置19によっても、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると表示で知らせることができるので、符号の反転ができない分散電源18であっても、設置方向の誤りによる動作停止の状態を早期に発見できる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々
の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正
は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
例えば、第2の電流センサ15の設置方向の正誤の判定に、第1の実施形態では電力の売買情報を用い、第2の実施形態から第6の実施形態では第1の電流センサ14の設置方向の正誤判定情報を用いているが、これらの情報に限定されない。
例えば、複数の分散電源18の中で、第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する機能を有する分散電源18が電力線20に接続され、該分散電源18よりも負荷機器13側に接続される他の分散電源18があれば、第2の電流センサ15の設置方向の正誤判定の結果を利用して他の分散電源18の電流センサ(例えば、図1における第3の分散電源24の電流センサ15)の設置方向の正誤判定が可能である。なお、便宜上、以下の説明においては図1における第2の分散電源23と第3の分散電源24を用いた例とする。詳細に説明すると、取得部27は、正誤判定を行う第2の分散電源23から第2の電流センサ15の設置方向の正誤判定情報、および第3の分散電源24の上流電力情報を取得する。制御部28は、第2の分散電源23の正誤判定情報および第3の分散電源24の上流電力情報に基づいて、第3の分散電源24に対応する第2の電流センサ15の設置方向の正誤を判定する。例えば、制御部28は、第2の分散電源23の第2の電流センサ15の設置方向が正しく、上流電力情報に相当する電力が負荷機器13側への電力供給を示し、かつ第3の分散電源24の上流電力情報に相当する電力が負荷機器13側への電力供給を示しているとき、第3の分散電源24に対応する第2の電流センサ15の設置方向は正しいと判定可能である。
また、例えば、複数の分散電源18の中に売電が許可されている第1の分散電源22および売電が許可されていない第2の分散電源23が含まれ、かつ第1の分散電源22からの売電電力値が第1の分散電源22の出力電力情報(発電量)の電力値を超える場合には、第2の電流センサ15の設置方向は正しくないと判定可能である。なお、第1の分散電源22からの売電が検出されるとき第2の分散電源23の駆動を停止しても良いし、第2分散電源23からの出力が判定に影響しないレベルまで下げても良い。詳細に説明すると、取得部27は、電力管理装置19の電力情報および第1の分散電源22の出力電力情報を取得する。制御部28は、電力管理装置19の電力情報に相当する電力値が第1の分散電源22の出力電力情報に相当する電力値を超えるとき、第2の電流センサ15の設置方向が誤りであると判定する。
また、第4の実施形態において、蓄電装置以外の分散電源18の駆動を停止させる構成であるが、停止をさせずに所定値未満で発電させる構成であってもよい。この構成においては、分散電源18は、電力管理装置19からの指令に基づいて、所定値(第1の所定値)における電力を出力する。第1の所定値は蓄電装置の充電電力値よりも少ない値であり、充電状態である駆動情報に充電電力(または充電電流)の情報を含む。また、該充電電力から所定電力(例えば、100W)の値を引いた値を用いてもよい。なお、所定電力は誤動作防止のためのマージン量の一例である。この構成においては、第2の実施形態と同様に、分散電源18は自身が出力する電力を検出するセンサを内蔵しており、出力する電力に相当する出力電力情報を電力管理装置19に通知する。第2のサブ取得部30は、第1の実施形態と異なり、分散電源18の駆動情報および出力電力情報を取得する。また、制御部28は、第1の実施形態と異なり、蓄電装置以外の分散電源18に対して所定値(第1の所定値)未満での電力出力の指令を通知する。また、制御部28は、蓄電装置である第2の分散電源23からの駆動情報が充電状態を示し、かつ蓄電装置以外のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)からの出力電力情報が示す電力が所定値未満であるか否かを確認する。また、制御部28は、蓄電装置である第2の分散電源23が充電状態、かつ蓄電装置以外のすべての分散電源18(第1の分散電源22、第3の分散電源24)の出力する電力が所定値未満であるとき、電力管理装置19の電力情報に相当する電力の符号が買電状況に合致するか否かに基づいて、第1の電流センサ14の設置方向の正誤を判定する。
また、第1の実施形態、第5の実施形態、および第6の実施形態において、電力管理装置19と第1の分散電源22は通信可能であるが、通信ができなくてもよい。上述のように、これらの実施形態においては、電力管理装置19との通信ができない分散電源18が電力線20に接続されていたとしても第1の電流センサ14の設置方向の判定が可能である。
また、第5の実施形態および第6の実施形態において、少なくとも1つの分散電源18に対しての出力の変化は低下であるが、増加であってもよい。特に、分散電源18が蓄電装置であるときは充電から放電への切替え、および放電量の増加であってもよい。
また、第5の実施形態および第6の実施形態において、設置方向の正誤の判定を2回以上(複数回)行う場合、分散電源18に対する出力の変化は低下だけであるが、出力を低下させたときの判定と出力を増加させたときの判定を混在させて、最終判定を行ってもよい。例えば、蓄電装置である分散電源18に対して、出力を低下させたときの設置方向の判定と、出力を増加させたときの設置方向の判定とに基づいて最終判定を行ってもよい。
また、第5の実施形態および第6の実施形態において、分散電源18の出力を変化させるとき、第1の電流センサ14の設置方向の判定のみを行う構成であるが、出力の変化が負荷機器13側への電力供給を増加させるのであれば、第2の電流センサ15の設置方向の判定も同時に行ってもよい。