JP2018037462A - 印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
印刷配線板の構造上、アンテナ部(コイル部)と回路部との領域を分けて作製し、印刷配線板の表面に部品が実装されている。そのため、ワイヤレス給電アンテナモジュールとしての小型・薄型化が出来ない。
しかしながら、ワイヤレス給電アンテナモジュールの厚さは、構造上基板の厚さと部品の高さの合計以下にすることが出来ない。アンテナコイルの性能を上げるために多層化が進むことで、ワイヤレス給電アンテナモジュールとして、小型化・薄型化は難しい。
さらに、印刷配線板の小型化のためにコイル部と回路部とを同じ印刷配線板で製造する場合は、コイル部に電流を流すことにより発生する電磁波の影響を回路部が受け誤動作してしまう恐れがある。
を備え、前記基板が、前記回路部と前記コイル部との間に形成されたスリットを有しており、前記第2の磁性体が、底部と少なくとも1つの開口部を有する側壁部とを含むトレイ形状を有し、前記回路部の形成面と反対側の面から、前記側壁部を前記スリットに挿入した状態で、前記基板に固定されている。
図4は、本開示の印刷配線板の別の実施形態を示すものである。なお、上記した部材と同じものには同符号を付けて説明を省略する。図4に示すように、印刷配線板10´は、基板10aの内部に形成した回路部2以外に、基板10a上に形成された回路部2´を有し、この回路部2,2´の周囲に設けられたコイル部1と、このコイル部1を覆うために設けられた第1の磁性体31と、コイル部1と回路部2,2´との間に設けられた第2の磁性体32とを備える。このとき、回路部2,2´は、それぞれ電気的に接続される部品20,20´を含む。このように、回路部2,2´の周囲にコイル部1を設けて一体成型しているので、印刷配線板の小型化を実現することができる。さらに、コイル部1で発生する電磁波の回路部2,2´への影響を、コイル部1上およびコイル部1と回路部2,2´との間に備えた磁性体3で防ぐことで、回路部2,2´の誤動作を防止できる。
本開示の一実施形態における印刷配線板の製造方法は、下記の工程を含む。
(i)回路部を基板内部に内蔵し、この回路部の周囲の基板上にコイル部を設け、さらに回路部とコイル部との間にスリットを設ける工程。
(ii)基板内部に部品を収容し、この部品と回路部とを電気的に接続する工程。
(iii)コイル部を覆うように第1の磁性体を配置する工程。
(iv)底部と少なくとも一つの開口部を設けた側壁部とを含むトレイ形状の第2の磁性体を形成し、基板のコイル部の形成面と反対側の面から、第2の磁性体の側壁部をスリットに挿入し、この側壁部がスリットを貫通した状態で基板に固定する工程。
まず、図5(a)に示すように、基板10aの内部に回路部2を配置し、回路部2と基板10a内部に収容した部品20とを電気的に接続する。基板10aの内部への回路部2および部品20の収容方法は特に限定されず、例えば基板10aの内部に公知の方法で内層回路を形成して回路部2を配置し、次に溝部や孔部を作製し、これに部品20を収容し、部品20の電極と回路部2をビア(図示せず)で電気的に接続すればよい。次に、回路部2を略中心として、その周囲の少なくとも一方の基板10a上に、回路部2と同様に、印刷配線板の配線でコイル部1を作製する。その後、コイル部1と回路部2との間に、基板10aの表裏面を貫通するスリット4を設ける。なお、回路部2とコイル部1の形成は同時に行ってもよい。
最後に、接着剤やスリット4を利用した圧入などで基板10aと第2の磁性体32と第1の磁性体31とを固定すると、図5(b)に示す印刷配線板10が完成する。
次に、磁性体3を設けたときの回路部2への磁界強度の影響を、図6に示すように、同じ形状の印刷配線板100をそれぞれ送信側基板11と受信側基板12として対向させたシミュレーションを実施した。送信側基板11と受信側基板12との距離は2mmである。この印刷配線板100は、基板10a内部に回路部2および部品20を配置したものである。
コイル部と回路部を備えた印刷配線板に関して、磁性体を印刷配線板に組み込むことで、コイル部で発生する電磁波の回路部への侵入を防ぐ優位性は、製品の小型化や、コイル部の配置領域の制限により限界となった効率を向上させることができる点である。この優位性は、例えば、ワイヤレス給電(無線給電)のQi規格や、ICタグなどに利用されるRF−IDで用いられる周波数帯においても応用することができる。
そのため、基板内部の回路部を磁性体で覆ったもの、基板内部の回路部の直上を開口したもの、磁性体無しの、それぞれの印刷配線板を用いて、IC実装部を含む回路部の表面中心付近の3×3×0.1(mm)範囲の、各周波数帯(125kHz、13.56MHz)における最大磁界強度のシミュレーションを実施した。
図7より、125kHzの周波数帯において、回路部の直上の磁性体を開口したものは、磁性体なしと比較して、磁界強度が17A/m程度低減していることがわかる。また、125kHzにおいて、回路部を磁性体で覆ったものよりも、回路部の直上を開口したものの場合は3A/m程度増加するが、磁性体なしと比較すると磁界強度は低い値となっており、回路部を防護していることがわかる。
図9より、13MHzの周波数帯において、回路部の直上の磁性体を開口したものは、磁性体なしと比較して、磁界強度が0.5A/m程度低減していることがわかる。また、13MHzにおいて、回路部を磁性体で覆ったものよりも、直上を開口したものの場合は0.7A/m程度増加するが、磁性体なしと比較すると磁界強度は低い値となっており、回路部を防護していることがわかる。
本開示によれば、印刷配線板の基板内部に収容した部品と、この部品と電気的に接続する回路部とを設けているので、小型化・薄型化が可能になる。また、コイル部で発生する電磁波の回路部への影響を、コイル部上およびコイル部と回路部との間に備えた磁性体で防ぐことで、回路部の誤動作を防止できる。さらに、磁性体により、送受電アンテナ間の通信および(無線)給電効率を改善することができる。
2、2´ 回路部
3 磁性体
4 スリット
11 送信側基板
12 受信側基板
20、20´ 部品
30 開口部
31 第1の磁性体
32 第2の磁性体
33 蓋部
321 側壁部
322 底部
311 孔部
10、10´、100 印刷配線板
10a 基板
Claims (8)
- 基板内部に形成された回路部と、
基板内部に収容され、回路部と電気的に接続する部品と、
回路部の周囲に設けられたコイル部と、
コイル部を覆うための第1の磁性体と、
回路部とコイル部との間に設けられた第2の磁性体と、
を備え、
前記基板が、前記回路部と前記コイル部との間に形成されたスリットを有しており、
前記第2の磁性体が、底部と少なくとも1つの開口部を有する側壁部とを含むトレイ形状を有し、前記コイル部の形成面と反対側の面から、前記側壁部を前記スリットに挿入した状態で、前記基板に固定されていることを特徴とする印刷配線板。 - 前記第2の磁性体が、基板上に形成された回路部を覆うための蓋部をさらに含む請求項1に記載の印刷配線板。
- 前記第1および前記第2の磁性体の少なくとも一方が、スピネルフェライトで形成されている請求項1または2に記載の印刷配線板。
- 前記第1および前記第2の磁性体の少なくとも一方が、0.1mm以上の厚みを有する請求項1〜3のいずれかに記載の印刷配線板。
- 回路部が基板上にも形成される請求項1〜4のいずれかに記載の印刷配線板。
- 基板内部に回路部と、回路部の周囲にコイル部とを形成する工程と、
基板内部に部品を収容し、この部品と回路部とを電気的に接続する工程と、
前記基板の、前記回路部と前記コイル部との間にスリットを形成する工程と、
前記コイル部を第1の磁性体で覆う工程と、
底部と少なくとも1つの開口部を有する側壁部とを含む、トレイ形状を有する第2の磁性体を、前記コイル部の形成面と反対側の面から、前記側壁部を前記スリットに挿入して前記基板に固定する工程と、
を含むことを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 回路部を基板上にも設け、部品と電気的に接続する工程をさらに含む請求項6に記載の印刷配線板の製造方法。
- 前記回路部を覆うための蓋部を、前記第2の磁性体に形成する工程をさらに含む請求項6または7に記載の印刷配線板の製造方法。
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JP2005236585A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Sony Corp | アンテナモジュール及びこれを備えた携帯情報端末 |
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WO2013105397A1 (ja) * | 2012-01-11 | 2013-07-18 | 株式会社村田製作所 | 高周波モジュール |
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