JP2018036518A - 吸音部材及び壁部材 - Google Patents

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健吾 後藤
文人 竹内
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Abstract

【課題】150Hz以下の特に低い周波数領域における優れた吸音効果を奏する吸音部材及び壁部材を提供する。【解決手段】吸音部材1は、1〜10mmの厚さを有し、厚さ方向に貫通する貫通孔2aが穿設された第1の部材2と、第1の部材2と積層されている15〜30mmの厚さを有する第2の部材3で構成し、第1の部材2が音源側に向くように配置されて用いる。【選択図】図1

Description

本発明は吸音部材及び壁部材に関する。
自動車等の乗物や住宅等の建物の様々な場所において吸音部材が用いられている。特に自動車等の乗物において、エンジン音が乗員室内にできるだけ伝わらないようにして、快適な乗り心地を実現することが望まれている。この場合、例えばエンジンカバーの内装材等に吸音部材を用いるために、吸音部材の軽量化及び小型化が求められる。特許文献1,2には、このような吸音部材が提案されている。
特開2007−30268号公報 特開昭56−157347号公報
特許文献1,2に開示されている吸音部材では、ある程度低い周波数領域における吸音効果を奏することが意図されているが、例えば150Hz以下の特に低い周波数領域において優れた吸音効果が得られたという報告はなされていない。このように特に非常に低い周波数領域における良好な吸音効果を得るための構成は実現していない。
本発明では、特に低い周波数領域における優れた吸音効果を奏することができる吸音部材及び壁部材を提供することを目的とする。
本発明の吸音部材は、1〜10mmの厚さを有し、厚さ方向に貫通する貫通孔が穿設された第1の部材と、第1の部材と積層されている15〜30mmの厚さを有する第2の部材とを含む。そして、本発明の壁部材は、板材と、板材に貼り付けられている前述の吸音部材とからなる。
本発明の吸音部材及び壁部材によると、特に低い周波数領域における優れた吸音効果を奏することができる。
本発明の一実施形態の吸音部材の斜視図である。 図1に示す吸音部材の分解斜視図である。 吸音特性の測定を行うための測定装置の断面図である。 本発明の実施例1等の吸音部材の正面図である。 実施例1〜13の吸音部材の詳細と吸音率の測定結果を示す表である。 実施例8の吸音部材の正面図である。 実施例10等の吸音部材の正面図である。 比較例1〜23の吸音部材の詳細と吸音率の測定結果を示す表である。 実施例1及び比較例8,15,22の周波数と吸音率の関係を示すグラフである。 本発明の吸音部材を含む壁部材を模式的に示す断面図である。 本発明の吸音部材の他の用途を示す説明図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に本発明の一実施形態の吸音部材1を示し、図2にその分解図を示している。この吸音部材1は、厚さが1〜10mmの第1の部材2と、厚さが15〜30mmの第2の部材3とが互いに積層された2層構造である。吸音部材1は、第1の部材2が音源側に向くように配置されて用いられ、音源側から見ると第2の部材3は、後述する貫通孔2aに対向する部分を除いて、第1の部材2に覆われている。第1の部材2と第2の部材3の詳細について以下に説明する。
第1の部材2は、非多孔質材であるエラストマー、例えば天然ゴム、合成ゴム(スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、クロロプレンゴム、熱硬化性ポリウレタン、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム)、熱可塑性エラストマー(オレフィン系、EVA(ポリエチレンビニルアセテート)、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、熱可塑性ポリウレタン系、ポリエステル系)等からなり、厚さ方向に貫通する貫通孔2aが穿設されている。具体例としては、第1の部材2を構成する材料は、貯蔵弾性率(24℃における動的弾性率)が0.1〜100MPaであり、より好ましくは0.5〜50MPaである。さらに好ましくは0.6〜30MPaである。その密度は、0.8〜2.5g/cm3であり、より好ましくは0.85〜2.0g/cm3である。さらに好ましくは0.87〜1.8g/cm3である。吸水率は好ましくは0%である。厚さは1〜10mmであり、より好ましくは1〜3mmである。この第1の部材2を厚さ方向に貫通する貫通孔2aの開孔率、すなわち、各貫通孔2aの開孔面積の合計の、第1の部材2の表面積に対する割合は0.005〜0.40%であり、より好ましくは0.01〜0.1%である。個々の貫通孔2aの開孔面積の、第1の部材2の表面積に対する割合は0.0005〜0.4%である。第1の部材2が直径100mm程度の円板状である場合に、貫通孔2aの数は1〜20個、より好ましくは1〜10個である。そして、各貫通孔2aの開孔径は0.3〜5mmであり、より好ましくは0.5〜4mm、さらに好ましくは1〜3mmである。
一方、第2の部材3は、多孔質材、例えばポリウレタンフォームからなり、貫通孔は穿設されていない。具体例としては、第2の部材3を構成するポリウレタンフォームは、貯蔵弾性率(24℃における動的弾性率)が0.01〜0.20MPaであり、より好ましくは0.02〜0.15MPaである。さらに好ましくは0.04〜0.12MPaである。密度は、0.01〜0.1g/cm3であり、より好ましくは0.02〜0.08g/cm3である。さらに好ましくは0.025〜0.07g/cm3である。吸水率は10〜1000%であり、好ましくは40〜900%である。第2の部材2は多孔質であり多数の細孔を内包しているが、厚さ方向の一方の面から他方の面に向かって直線的に貫通する貫通孔は穿設されていない。本発明では、このようにして形成された第1の部材2と第2の部材3を重ね合わせて、2層構造の複合体である吸音部材1を作製した。
前述したように第1の部材2と第2の部材3からなる2層構造の複合体である本発明の実施例1〜13の吸音部材1と、比較例1〜20の吸音部材を作製して、それらの吸音率を測定した。吸音率の測定は、図3に示す測定装置を用いて行った。図3に示す測定装置は、例えば内径100mmの円筒状の音響管4の一端部に音源5が設置され、試験片(例えば吸音部材1)を保持するとともに音響管4の長手方向に沿って移動可能な可動壁6が他端部側に設けられている。そして、音源5と可動壁6との間にマイク7が設置されている。この測定装置では、試験片を可動壁6に接する位置に配置した状態で音源5から発音し、マイク7によって音響測定を行う。この時にマイク7によって測定された音は、試験片による反射音も含んでいる。従って、マイク7によって測定された音が大きいほど、試験片による反射音が大きいと判断できる。なお、この測定装置では試験片による反射音を求めており、反射されなかった音が試験片を透過するか、あるいは試験片によって遮断されるかは問わない。なお、可動壁6を移動させることによって異なる周波数における吸音率を求めることが可能になる。
図3に示す測定装置を用いて吸音率を測定した本発明の実施例1〜13及び比較例1〜23の吸音部材について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例1〜13に限定されるものではない。
[使用した材料]
実施例1〜13及び比較例1〜23の吸音部材の第1の部材の材料として用いられたのは、以下のA−1〜A−5である。
A−1:カームフレックス(登録商標)RZ−2(イノアック株式会社製、ゴムシート)、24℃での貯蔵弾性率G':16MPa、密度:1.70g/cm3
A−2:タフマー(登録商標)A35070S(三井エラストマーシンガポール社製、エチレン・1−ブテンランダム共重合体)、24℃での貯蔵弾性率G':4.1MPa、密度:0.87g/cm3
A−3:三井EPT(登録商標)8030M(三井化学株式会社製、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体)、24℃での貯蔵弾性率G':0.7MPa、密度:0.87g/cm3
A−4:プライムポリプロ(登録商標)F−327(株式会社プライムポリマー製、ランダムポリプロピレン)、24℃での貯蔵弾性率G':535MPa、密度:0.91g/cm3
A−5:エプトシーラー(登録商標)EE−1010(日東電工株式会社製、EPDM混和物の発泡体)、24℃での貯蔵弾性率G':0.06MPa、密度:0.11g/cm3
第1の部材2の厚さは、1.0mm、2.0mm、3.0mmのいずれかとした。
実施例1〜13及び比較例1〜23の吸音部材の第2の部材3の材料として用いられたのは、主に、表1に示すB−1〜B−4である。
B−1:シールフレックスESH(イノアック株式会社製、ポリウレタンフォーム)、24℃での貯蔵弾性率G':0.10MPa、密度:0.05g/cm3、吸水率:62%
B−2:カームフレックス(登録商標)F2(イノアック株式会社製、吸音材用途のウレタンフォーム)、24℃での貯蔵弾性率G':0.06MPa、密度:0.03g/cm3、吸水率:691%
B−3:カラーフォームECS(イノアック株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタンフォーム)、24℃での貯蔵弾性率G':0.05MPa、密度:0.03g/cm3、吸水率:806%
B−4:エプトシーラー(登録商標)EE−1010(日東電工株式会社製、EPDM混和物の発泡体)、24℃での貯蔵弾性率G':0.06MPa、密度:0.11g/cm3、吸水率:16%
第2の部材3の厚さは、10mm、15mm、20mm、30mm、31mmのいずれかであり、このうち、厚さ30mm及び31mmの第2の部材3は、厚さ10mmまたは11mmのシートと厚さ20mmのシートをスプレーのりで貼り合わせたものである。厚さ15mmの第2の部材3は、厚さ10mmのシートを2つ用意し、一方のシートをカッターで半分の厚さにスライスし、他方のシートにスプレーのりで貼り合わせたものである。
以上説明した材料A−1〜A−5及びB−1〜B−4の詳細については、表1にもまとめて示している。
これらの第1の部材2と第2の部材3に関して、貯蔵弾性率と見かけ密度と吸水率を測定した。それらの測定方法は以下の通りである。
[動的粘弾性測定]
第1の部材2及び第2の部材3のそれぞれの24℃における貯蔵弾性率を求めるために、厚さ2mmの試験片(シート状架橋体サンプル)を作製した後に、粘弾性測定装置ARES(TA Instrumens JAPAN Inc.社製)を用いて、以下の測定条件で粘度の温度依存性を測定し、貯蔵弾性率(G’)を測定した。
(測定条件)
周波数(Frequency):1.0Hz
温度(Temparature):−70〜80℃
ランプ速度(Ramp Rate):4.0℃/分
歪み(Strain):0.5%
[見かけ密度測定]
第1の部材2の場合は厚さ2mm、第2の部材3の場合は厚さ10mmのシートを、直径100mmの打ち抜き刃を用いて打ち抜き、円板状の試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K 7222に準拠して、見かけ密度を測定した。
[吸水率測定]
吸水率の測定は第2の部材3に関してのみ行った。第1の部材2を構成する材料A−1〜A−5の給水率は0%またはそれに近い微小な値であることがわかっているため、吸水率の測定は行っていない。
吸水率の測定のために、厚さ10mmの第2の部材3のシートから、20mm×20mmの正方形の試験片を打ち抜き、この試験片の表面の汚れをアルコールでふき取った後、試験片を水面下50mmの位置で−125mmHgまで減圧し、3分間保持した。続いて大気圧に戻して3分間経過した後、吸水した試験片の重量を測定し、以下の式から試験片の吸水率を算出した。
(吸水率)[%]={(W2−W1)/W1}×100
W1:浸せき前の試験片の重量(g)
W2:浸せき後の試験片の重量(g)
これらの第1の部材2と第2の部材3を用いて作製した実施例1〜13及び比較例1〜20の吸音部材の吸音率を測定した。その具体的な測定方法について説明する。
[吸音率測定]
ISO 10534-2:1998のAcoustics Determination of sound absorption coefficient and impedance in impedance tubes Part 2: Transfer-function methodに準拠し、図3に示す測定装置、具体的には4206−T型音響管(Bruel&Kjaer製)の内径100mmφの太管、および測定用ソフト(PULSE Material Testing Type7758、Bruel&Kjaer製)を用いて、周波数ごとの垂直入射吸音率を測定した。垂直入射吸音率の数値が大きい程、吸音性が良好であることを示す。150Hzにおける吸音率が0.3以上を◎、0.2〜0.3を○、0.2未満を×と判定した。各実施例及び比較例の吸音率の測定結果は、後述する図5,8に示している。
[実施例1]
第1の部材2として厚さ2mmのA−1のシートを用い、直径100mmの打ち抜き刃を用いて円板状に打ち抜いた後、直径1mmのポンチ工具を用いて、図4に示すように、この円板状のシートに9箇所の開孔径1mmの貫通孔2aを形成した。円板の中心に1個の貫通孔2aを配置し、それを取り囲む円をなすように8個の貫通孔2aを配置した。
第2の部材として厚さ30mmのB−3のシートを用い、直径100mmの打ち抜き刃を用いて円板状に打ち抜いた。第2の部材3に貫通孔は形成していない。
続いて、第1の部材2に備えられている粘着テープ(図示せず)を用いて、第1の部材2と第2の部材3を貼り合わせ、複合型吸音部材1を作製して試験片とした。この複合型吸音部材2を、図3に示す測定装置に、第1の部材2が音源5の方を向く姿勢で可動壁6に取り付けた。音源2の方から見ると第2の部材3は、貫通孔2aに対向する部分を除いて第1の部材2に覆われている。この状態で音源5から50〜650Hzの周波数の音を発してマイク7により音響測定を行い、その測定結果に基づいて吸音率(吸音部材1に垂直に入射した音のうち反射されなかった音の割合)を求めて図5の表に示している。実施例1の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.33であり、良好な吸音性能が得られた。
[実施例2〜3]
実施例1と同様の第1の部材2に、実施例2では厚さ30mmのB−1からなる第2の部材3、実施例3では厚さ30mmのB−2からなる第2の部材3を貼り合わせて、それぞれ吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例2の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.32であり、良好な吸音性能が得られた。実施例3の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.28であり、実施例1,2には劣るが、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例4]
厚さ2mmのA−1の円板状のシートの中央に1個のみ貫通孔2aを形成して第1の部材2を形成し、厚さ20mmのB−3からなる第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例4の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.29であり、実施例1,2には劣るが、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例5]
A−2のシートをプレス成形し、200mm×200mm×2mmの四角形のプレスシートを作製した。具体的には、コータキ株式会社製50T電熱プレスを用い、210℃で6分間ホットプレスした後に20℃で5分間コールドプレスを行うことによりプレスシートを作製した。このプレスシートに、実施例1と同様に9個の貫通孔2aを形成して第1の部材2を形成し、コニシ株式会社製スプレーのりZ3をまんべんなく吹き付けて、実施例1と同様の第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例5の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.30であり、良好な吸音性能が得られた。
[実施例6]
A−3のシートをプレス成形し、実施例5と同様に200mm×200mm×2mmの四角形のプレスシートを作製して、開孔径2mmの9個の貫通孔2aを形成して第1の部材2を形成し、コニシ株式会社製スプレーのりZ3をまんべんなく吹き付けて、実施例1と同様の第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例6の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.22であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例7]
実施例1の第1の部材2の厚さを1mmに変更し、それ以外は実施例1と同じ構成の吸音部材1を作製して吸音率を測定した。実施例7の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.22であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例8]
厚さ3mmのA−1の円板状のシートに、図6に示すように、開孔径3mmの5個の貫通孔2a(円板の中央に1個、それを取り囲む円をなすように4個)を形成して第1の部材2を形成し、実施例1と同様の第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例8の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.30であり、良好な吸音性能が得られた。
[実施例9]
厚さ2mmのA−1の円板状のシートの中央に、開孔径3mmの1個の貫通孔2aのみを形成して第1の部材2を形成し、実施例1と同様の第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例9の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.24であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例10]
実施例1の第1の部材2の貫通孔2aの数を17個に変更し(図7参照)、それ以外は実施例1と同じ構成の吸音部材1を作製して吸音率を測定した。実施例11の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.32であり、良好な吸音性能が得られた。
[実施例11]
実施例1の第1の部材2の各貫通孔2aの開孔径を2mmに変更し、それ以外は実施例1と同じ構成の吸音部材1を作製して吸音率を測定した。実施例11の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.26であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例12]
実施例10の第1の部材2の各貫通孔2aの開孔径を2mmに変更し、それ以外は実施例10と同じ構成の吸音部材1を作製して吸音率を測定した。実施例12の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.22であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[実施例13]
実施例1と同様な第1の部材2を、厚さ15mmのB−3からなる第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。実施例13の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.23であり、比較的良好な吸音性能が得られた。
[比較例1]
実施例1と同様な第1の部材2を、厚さ10mmのB−3からなる第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。図8に示すように、比較例1の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.08であり、吸音性能が不十分であった。比較例1は第2の部材3の厚みが足りないため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例2]
材料として厚さ2mmのA−4のシートを用いて実施例1と同様な形状の第1の部材2を作製し、実施例1と同様な第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。比較例2の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.17であり、吸音性能が不十分であった。比較例2は第1の部材2の24℃での貯蔵弾性率G'が高すぎるため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例3]
材料として厚さ5mmのA−5のシートを用いて実施例1と同様な9個の貫通孔2aを有する第1の部材2を作製し、実施例1と同様な第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。比較例3の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.14であり、吸音性能が不十分であった。比較例3は第1の部材2の密度が低すぎるため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例4]
厚さ1mmのA−1のシートに貫通孔2aを形成せずに第1の部材2として用い、実施例1と同様な第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。比較例4の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.07であり、吸音性能が不十分であった。比較例4は第1の部材2に貫通孔2aが設けられていないため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例5]
実施例1と同様な第1の部材2と第2の部材3の位置を入れ替えて吸音部材1を作製した。すなわち、比較例5では、音源5(図3参照)側に第1の部材2ではなく第2の部材3を配置した。この比較例5の吸音部材1の吸音率を測定すると、150Hzにおける垂直入射吸音率は0.08であり、吸音性能が不十分であった。比較例5は音源側に第1の部材2を配置していないため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例6]
材料として厚さ2mmのA−5のシートを用いて開孔径3mmの1個の貫通孔2aのみを有する第1の部材2を作製し、厚さ30mmのB−4からなる第2の部材3と貼り合わせて、吸音部材1を作製し、実施例1と同様に吸音率を測定した。比較例6の吸音部材1の150Hzにおける垂直入射吸音率は0.11であり、吸音性能が不十分であった。比較例6は第1の部材2の密度が低すぎるため、吸音率は低くなったと考えられる。
[比較例7〜19]
第2の部材3を作製せず、第1の部材2のみを吸音部材1として用いて吸音率を測定した。比較例7〜19では、第2の部材が存在しないために空いたスペース(厚さ30mm)に空気層が存在している。比較例7では第1の部材の厚さが1mmで貫通孔2aが形成されておらず、比較例8では第1の部材の厚さが2mmで貫通孔2aが形成されておらず、比較例9では第1の部材の厚さが2mm(A−3)で、開孔径3mmの貫通孔2aの数が1個であった。比較例10では第1の部材の厚さが1mmで、開孔径3mmの貫通孔2aの数が5個であった。比較例11では第1の部材の厚さが1mmで、開孔径1mmの貫通孔2aの数が9個であった。比較例12では第1の部材の厚さが1mmで、開孔径3mmの貫通孔2aの数が9個であった。比較例13〜15では第1の部材の厚さが2mmで、開孔径3mmの貫通孔2aの数がそれぞれ1個、5個、9個であった。比較例16〜18では第1の部材の厚さが3mmで、開孔径3mmの貫通孔2aの数がそれぞれ1個、5個、9個であった。比較例19では第1の部材の厚さが1mmで、開孔径3mmの貫通孔2aの数が1個であった。比較例7〜19の吸音部材1の吸音率は、それぞれ0.11、0.08、0.09、0.09、0.13、0.09、0.16、0.14、0.12、0.18、0.17、0.15、0.11であり、吸音性能が不十分であった。厚さ30mmの空気層は、実施例1〜13の第2の部材3の代替として十分ではなかった。
[比較例20〜23]
第1の部材2を作製せず、第2の部材3のみを吸音部材1として用いて吸音率を測定した。比較例20〜23の第2の部材の材料はそれぞれB−1、B−2、B−3、B−4であり、いずれも厚さは30mmである。比較例20〜23の吸音部材1の吸音率は、それぞれ0.08、0.08、0.09、0.11であり、吸音性能が不十分であった。従って、吸音効果を得るためには第1の部材が不可欠であるといえる。
以上説明した通り、本発明の実施例1〜13によると、特に低い周波数(一例として150Hz)において優れた吸音率が得られ、とりわけ実施例1,2,5,8,10の吸音率が高いことが確認された。それに対し、比較例1〜23では、特に低い周波数(一例として150Hz)における吸音率が低く、好ましくないことがわかった。これらの実施例及び比較例を代表して、実施例1の吸音部材と、比較例8,15,22の吸音部材について、周波数50〜350Hzにおける吸音率を図9に示している。図9を見ると、特に低い周波数50〜280Hzの範囲、なかでも150Hz以下の周波数において、本発明の実施例1の吸音部材1が、比較例8,15,22の吸音部材よりも明らかに高い吸音率を示している。仮に、各比較例の吸音部材で、本発明の実施例1の吸音部材1と同等の吸音率を得ようとすると、吸音部材の大型化が不可欠であり、特に自動車等の乗物における各部材の小型化の要望に反することになる。しかし、本発明では、ある程度厚い貫通孔2bを穿設した第1の部材2を有することにより、第2の部材3を薄くしても、図9に示すように特に低い周波数において優れた吸音率を実現でき、結果的に吸音部材1全体としての小型化が図れる。
従来は、200Hzを下回るような非常に低い周波数における吸音率については、特に着目されておらず吸音率の測定結果も報告されていなかった。しかし、本発明者は、例えば自動車等の乗物において150Hz程度の低い周波数の音が乗員に大きな不快感を与えることを見出し、このように特に低い周波数に特化して優れた吸音効果を実現するための吸音部材1の開発に取り組んだ。その結果、前述した構成、すなわち、第2の部材3に、第2の部材3よりも薄い第1の部材2を積層し、第1の部材2に貫通孔2aを形成しておくことによって、小型の吸音部材で、特に低い周波数における高い吸音率を実現できることを見出した。本発明は、例えば自動車等の乗物などにおいて、特に低い周波数の吸音に特化して用いられる吸音部材1を提供するものであり、高い周波数(例えば300Hz以上)における吸音率に関しては考慮していない。300Hz以上の高い周波数では比較例15の方が高い吸音率を示すが、本発明の用途には合致していない。このように、用途に応じて必要とされる周波数帯の吸音率のみを選択的に向上させた吸音部材を作製することは、本発明によって初めてなされたものである。とりわけ、特許文献1,2では吸音率の測定すら行われておらず、吸音率向上が図られていなかった特に低い周波数(150Hz以下)に着目して、選択的に吸音率を向上させることは、本発明以前には存在しなかった技術的思想である。
本発明の吸音部材1を用いて構成した壁部材8を図10に示している。この壁部材8は、壁本体となる板材9に、吸音部材1の第2の部材3が貼り付けられた構成であり、第1の部材2が音源に向いて位置するように配置される。壁部材8は、建物の壁や、自動車等の乗物の乗員室の壁やエンジンルームの内装として用いられ、特に低い周波数(例えば150Hz)における優れた吸音効果を奏し、この壁部材8に囲まれた空間内に特に低い周波数の音が伝わらないようにすることができる。
また、この吸音部材1の他の用途として、図11に示すように、乗物のエンジン10に空気を取り込む経路11中に設けられているエアフィルター12に吸音部材1を採用することが考えられる。この場合、エンジン音が空気の経路11を介して伝わることを抑えることができる。
1 吸音部材
2 第1の部材
2a 貫通孔
3 第2の部材
4 音響管
5 音源
6 可動壁
7 マイク
8 壁部材
9 板材
10 エンジン
11 経路
12 エアフィルター

Claims (20)

  1. 1〜10mmの厚さを有し、厚さ方向に貫通する貫通孔が穿設された第1の部材と、前記第1の部材と積層されている15〜30mmの厚さを有する第2の部材とを含む、吸音部材。
  2. 前記第1の部材は非多孔質材からなり、前記第2の部材は多孔質材からなる、請求項1に記載の吸音部材。
  3. 前記第1の部材を音源側に向けて配置され、前記第1の部材側から見ると、前記第2の部材は、前記貫通孔に対向する部分を除いて前記第1の部材に覆われている、請求項1または2に記載の吸音部材。
  4. 前記第1の部材はエラストマーからなり、前記第2の部材は発泡樹脂からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸音部材。
  5. 前記第2の部材はポリウレタンフォームからなる、請求項4に記載の吸音部材。
  6. 前記第1の部材は0.1〜100MPaの弾性率を有し、前記第2の部材は0.01〜0.20MPaの弾性率を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸音部材。
  7. 前記第1の部材は0.5〜50MPaの弾性率を有し、前記第2の部材は0.02〜0.15MPaの弾性率を有する、請求項6に記載の吸音部材。
  8. 前記第1の部材は0.80〜2.50g/cm3の密度を有し、前記第2の部材は0.01〜0.1g/cm3の密度を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の吸音部材。
  9. 前記第1の部材は0.8〜2.0g/cm3の密度を有し、前記第2の部材は0.02〜0.08g/cm3の密度を有する、請求項8に記載の吸音部材。
  10. 前記第2の部材は10〜1000%の吸水率を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の吸音部材。
  11. 前記第2の部材は40〜900%の吸水率を有する、請求項10に記載の吸音部材。
  12. 前記貫通孔を有する前記第1の部材の開孔率は0.005〜0.40%である、請求項1から11のいずれか1項に記載の吸音部材。
  13. 前記貫通孔を有する前記第1の部材の開孔率は0.01〜0.10%である、請求項12に記載の吸音部材。
  14. 前記第1の部材には1〜20個の前記貫通孔が設けられている、請求項1から13のいずれか1項に記載の吸音部材。
  15. 前記第1の部材には1〜10個の前記貫通孔が設けられている、請求項14に記載の吸音部材。
  16. 前記第1の部材の前記貫通孔は、直径が0.3〜5.0mmの円孔である、請求項1から15のいずれか1項に記載の吸音部材。
  17. 前記第1の部材の前記貫通孔は、直径が0.5〜4.0mmの円孔である、請求項16に記載の吸音部材。
  18. 前記第1の部材の前記貫通孔は、直径が1.0〜3.0mmの円孔である、請求項17に記載の吸音部材。
  19. 前記第1の部材の、前記貫通孔が開孔している面の総面積に対する、個々の前記貫通孔の開孔面積の割合は、0.0005〜0.4%である、請求項1から18のいずれか1項に記載の吸音部材。
  20. 板材と、前記板材に貼り付けられている請求項1から19のいずれか1項に記載の吸音部材とからなる、壁部材。
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