JP2018036293A - 調光フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムを提供する。【解決手段】本発明の調光フィルム10は、透明電極22A上に絶縁層を介して複数の線状電極22Bが配置された第1の積層体13と、前記第1の積層体13に対して対向して配置された第2の積層体12と、前記第1の積層体13及び前記第2の積層体12により挟持され、前記透明電極22Aと前記線状電極22Bとの間の電界により配向が制御される液晶分子14Aを有する液晶層14と、前記複数の線状電極22Bの端部同士を接続され、前記線状電極22Bに交流電圧を供給する電圧供給部22AA、22BAと、前記電圧供給部22AA、22BAに接続され、前記複数の線状電極22Bを横切って延び、前記線状電極22Bに比べて単位長さの抵抗値が小さい複数の線状の補助電圧供給部30、50と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を備えた透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが製造され、その液晶セルを直線偏光板により挟持する。
この調光フィルムでは、液晶に印加する電界を変更して液晶の配向を変更することにより外来光の透過を制御する。
この液晶セルの駆動には、液晶表示パネルについて提案されている種々の駆動方法を適用することができる。具体的には、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用することができる。
TN方式は、電界の印加により、液晶分子の配向を垂直方向と水平ねじれ方向とで変化させ、光の旋光性を利用して透過光量を制御する方式である。
また、IPS方式は、配向させた液晶分子を基板に対して横(水平)方向に回転させることにより透過光量を制御する方式である。
VA方式では、駆動電源の振幅が0Vの場合である無電界時、液晶層の液晶分子は垂直配向し、これにより調光フィルムは、入射光を遮光して遮光状態となる。また、この駆動電源の振幅を増大させて駆動電圧を立ち上げると、液晶層の液晶は水平配向し、調光フィルムは、入射光を透過させる。
しかしながら調光フィルムでは、例えば窓ガラスに貼り付けて種々の方向より見て取られる特長がある。これにより視野角依存性の少ないIPS方式により駆動することが好ましいと考えられる。
またIPS方式のうちの、FFS(フリンジフィールドスイッチング)方式(IPS/FFS方式)によれば、透過率を高くすることができる。このIPS/FFS方式は、液晶層を挟持する1対の基材のうちの一方の基材に駆動用の透明電極をまとめて製造する構成である。IPS/FFS方式では、一方の基材の全面に、透明電極を製造した後、絶縁層を間に挟んで一定のピッチにより線状電極を製造し、この全面の透明電極と線状電極との間で発生する基材表面の面内方向の電界であるいわゆる横電界により液晶の配向を制御する。
このようなIPS/FFS方式による液晶表示パネルに関して、特許文献3には、線状電極を屈曲させてマルチドイン化し、一段と視野角特性を向上する構成が開示されている。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報 特開2009−47817号公報
IPS/FFS方式による調光フィルムでは、基材の全面に形成された透明電極に、絶縁層を間に挟んで線状電極が一定ピッチにより並列に繰り返し配置されている。この全面の透明電極と線状電極との間で作成される面内方向の電界により液晶分子の配向が制御されて透過光が制御される。
調光フィルムは窓等に貼り付けて大面積により使用される。このように調光フィルムが大型化すると、線状電極の電圧は、給電点から離れるにつれ低下する。その結果、線状電極及び透明電極間の電位差が、線状電圧の長手方向における各部で変化し、これにより透過率が不均一化する。
本発明は、IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムを提供することを目的とする。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)透明電極上に絶縁層を介して複数の線状電極が配置された第1の積層体と、前記第1の積層体に対して対向して配置された第2の積層体と、前記第1の積層体及び前記第2の積層体により挟持され、前記透明電極と前記線状電極との間の電界により配向が制御される液晶分子を有する液晶層と、前記線状電極の端部同士を接続し、前記線状電極に交流電圧を供給する電圧供給部と、前記電圧供給部に接続され、前記複数の線状電極を横切って延び、前記線状電極に比べて単位長さの抵抗値が小さい複数の線状の補助電圧供給部と、を備える調光フィルム。
(2) (1)において、前記補助電圧供給部は、金属材料であることが好ましい。
(3) (1)又は(2)において、前記補助電圧供給部は、前記線状電極と直交していてもよい。
(4) (1)又は(2)において、前記補助電圧供給部が、前記線状電極を斜めに横切っていることが好ましい。
本発明によれば、IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 図1の調光フィルムにおける電極の詳細構成を説明する図である。 マルチドメインを説明する図である。 補助電圧供給部の幅を0.1mm、ピッチを100mmとした場合の電極間電位差を説明する図である。 補助電圧供給部の幅を0.1mm、ピッチを50mmとした場合の電極間電位差を説明する図である。 補助電圧供給部の幅を0.2mm、ピッチを100mmとした場合の電極間電位差を説明する図である。 調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図7の製造工程における上側積層体製造工程を示すフローチャートである。 図7の製造工程における下側積層体製造工程を示すフローチャートである。 下側積層体製造工程SP3を詳細に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る調光フィルムに関して、電極の詳細構成を説明する図である。 電極間電位差を説明する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。調光フィルム10は、液晶を利用して透過光を制御する調光フィルムである。それぞれフィルム形状の第1及び第2の積層体である下側積層体13及び上側積層体12により液晶材料を挟持して液晶セル15が作製される。そして、液晶セル15は直線偏光板16、17により挟持される。
ここで液晶セル15は、IPS/FFS方式により液晶層14の液晶分子14Aを駆動する横電界方式の液晶セルである。直線偏光板16、17はクロスニコル配置により配置される。
下側積層体13は、基材21Aの全面に、IPS/FFS方式に係る透明電極22Aが形成され、絶縁層23を間に挟んで透明の線状電極22Bが形成され、続いて配向層24Aが設けられる。
上側積層体12には、基材21Bに配向層24Bが設けられる。
なお、第1積層体が下側積層体13、第2積層体が上側積層体12である構成に限定されず、第1の積層体が上側積層体12を構成し、第2の積層体が下側積層体13であってもよい。
調光フィルム10には、液晶層14の厚みを一定に保持するためのスペーサー27が下側積層体13に設けられる。ただし、スペーサー27は上側積層体12に設けられてもよく、上側積層体12及び下側積層体13の双方に設けられてもよい。
直線偏光板16、17は、それぞれ液晶セル15側に光学補償に供する位相差フィルム18、19が設けられる。なお位相差フィルム18、19は、必要に応じて省略してもよい。
透明電極22Aと線状電極22B間の印加電圧を変更することにより、液晶層14に係る液晶分子14Aの配向方向を変更して入射光の透過を制御し、例えば透過状態と遮光状態とで状態を切り替える。
直線偏光板16及び又は17の液晶セル15とは逆側の面に、ハードコート層等による保護層が設けられる。
〔基材〕
基材21A、21Bは、液晶セル15に適用可能な可撓性を有する各種の透明フィルム材を適用することができ、本実施形態では、両面にハードコート層が作製されたポリカーボネート等によるフィルム材が適用される。
〔電極〕
透明電極22A、線状電極22Bは、透明と知覚される種々の構成を広く適用することができ、本実施形態では、透明電極材であるITO(Indium Tin Oxide)による透明導電膜を基材21Aの全面に作製して透明電極22Aが作製される。また同様にして基材21Aの全面にITOによる透明導電膜を作製した後、パターニングして線状電極22Bが作製される。
〔絶縁層〕
絶縁層23は、この種の液晶セルに適用可能な各種の透明絶縁材料を適用することができ、各種の無機材料、有機材料を適用することができる。
〔配向層〕
配向層24A、24Bは、光配向層により形成される。この光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるが、本実施形態では、例えば光二量化型の材料を使用する。この光二量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
〔液晶層〕
液晶層14には、この種の調光フィルムに適用される各種の液晶材料を広く適用することができ、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。
〔スペーサー、シール材〕
スペーサー27は、各種の樹脂材料を広く適用することができるが、本実施形態ではフォトレジストにより作製される。なお、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
液晶セル15は、液晶層14を囲む枠形状によりシール材25が配置され、このシール材25により液晶層14に係る液晶の漏出が防止され、さらには上側積層体12及び下側積層体13が一体に保持される。
シール材25は、液晶の漏出を防止すると共に、上側積層体12及び下側積層体13を一体に保持可能な種々の材料を適用することができるものの、本実施形態では、例えばエポキシ樹脂剤による熱硬化型樹脂やアクリル樹脂剤による紫外線硬化樹脂、熱及び紫外線で硬化する硬化樹脂等が適用される。
〔直線偏光板〕
直線偏光板16、17は、いわゆるシート・ポラライザーであり、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して偏光子としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。
〔電極の詳細〕
図2は、下側積層体13の透明電極22A、線状電極22Bを周辺構成と共に示す図である。本実施形態の調光フィルム10(下側積層体13)は、平面視で長方形形状である。下側積層体13の基材21Aの略全面に透明電極22Aが形成され、基材21Aの長辺及び短辺のそれぞれに沿って延びるように、電圧供給部22AAが作成されている。
電圧供給部22AAは、基材21Aの外周部において枠形状に、透明電極22Aに比べてシート抵抗値が小さな材料層により作成される。
透明電極22Aは、外周部において電圧供給部22AAに積層され、電圧供給部22AAを介して駆動用の交流電圧が供給される。
電圧供給部22AAは、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム等による金属材料による薄膜、箔により形成され、透明電極22Aの基材21A側又は液晶層14側に設けられる。
これにより調光フィルム10は、電圧供給部22AAの何れの部位より駆動用の電圧を供給する場合であっても、少なくとも外周部では、透明電極22Aに均一な電圧が印加されるように構成される。なお、図2においては、矢印Xにより示す1つの角部に交流電圧が供給される。
下側積層体13において、透明電極22A、電圧供給部22AAを備えた基材21Aの全面に絶縁層23が設けられている。絶縁層23上には、電圧供給部22BA、線状電極22Bが設けられる。
なお、ITOが全面に作製された透明電極22Aに関しては、VA方式と同様に、FPCなどを介して、何点か接続しても良い。金属配線を用いる場合には、後述するようにプロセスのステップ数を減らすため、ITOの線状電極22Bへの供給部と同時に形成した方が良い。
ここで電圧供給部22BAは、電圧供給部22AAと同様の枠形状により基材21Aの外周部に沿って形成される。この電圧供給部22BAより、線状電極22Bに交流電圧が供給可能である。
電圧供給部22BAは、線状電極22Bの端部と接続された長辺側の部位と、この長辺側の部位の両端部を接続する短辺側の部位とにより、長方形形状の枠形状により形成される。電圧供給部22BAは、線状電極22Bに比べてシート抵抗の小さな材料層である、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム等による金属材料による薄膜、箔により形成される。
線状電極22Bは、一定のピッチにより繰り返し設けられている。また、矢印Xにより示す角部より電圧供給部22BAに駆動用の交流電圧が供給される。なお、電圧供給部22BAは、線状電極22Bに対して基材21A側に設けてもよく、液晶層14側に設けてもよい。
図3は、線状電極22Bの詳細構成を示す図である。調光フィルム10では、線状電極22Bが屈曲するように形成され、これによりマルチドメイン化することもできる。
すなわち線状電極22Bは、線状電極22Bの延びる方向に対して斜めに傾くようにして、この斜めに傾く方向が一定のピッチで交互に切り替わるように形成され、これにより三角波形状により蛇行するように形成される。
調光フィルム10は、線状電極22Bの駆動により、矢印Aにより示すように、液晶分子14Aを反時計方向に回転させたり、矢印Bにより示すように、液晶分子14Aを時計方向に回転させたりし、電界の変化に対して液晶分子の挙動の異なる領域(ドメイン)を交互に作成する。
調光フィルム10では、このように液晶分子14Aの回転方向が異なる2つのドメインにおける見え方が平均値化され、視野角の変化による色付きの現象が緩和される。
このように一定のピッチで傾きの向きを切り替えるようにして、傾きの切り替わりの1周期に係るピッチが、このピッチに係る1対のドメインの連続でランダムに変化するように形成される。
これにより調光フィルム10ではマルチドメインの作製に係る線状電極の蛇行に係る規則性が緩和され、風景等が2重像により見て取られる現象を有効に回避する。
調光フィルム10には、複数の線状の補助電圧供給部30が設けられている(図2参照)。補助電圧供給部30により、線状電極22Bの延びる方向の各部における電圧が均一化され、透過率の均一化が図られる。
補助電圧供給部30は、電圧供給部22BAの短辺側に両端が接続されている。補助電圧供給部30は、基材21Aの長辺に沿って延びるように直線状に形成され、基材21Aの短辺に沿った方向に一定のピッチPで繰り返して設けられる。
これにより線状電極22Bの延びる方向の各部で、線状電極22Bと直交し、連続する線状電極22Bを補助電圧供給部30が横切る。
また、補助電圧供給部30の両端が電圧供給部22BAに接続されているので、補助電圧供給部30を介して、線状電極22Bの延びる方向の各部に、直接、駆動用の交流電圧が供給される。
補助電圧供給部30は、線状電極22Bに比べてシート抵抗値の小さな材料層により、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム等による金属材料による薄膜、箔により形成されている。したがって線状電極22Bに比べて単位長さの抵抗値が小さい。
例えば、線状電極22Bの単位長さの抵抗値は、2×10Ω/cm〜×10Ω/cm程度で、補助電圧供給部30の単位長さの抵抗値は2Ω/cm〜100Ω/cm程度である。
補助電圧供給部30は、線状電極22Bのピッチに比べて大きなピッチにより繰り返し配置される。
本実施形態によると、補助電圧供給部30を配置したことによって、線状電極22Bの各部で交流電圧が均一化され、透過率が均一化される。
また、金属材料により電圧供給部を作成する場合、ITOを使用する場合に比べて、断面積を同一に設定して抵抗値を減少することができる。これにより線状電極22Bに比べて単位長さの抵抗値を小さくすることができる。補助電圧供給部30を配置したことによって、線状電極22Bの各部で効率よく交流電圧を均一化することができる。
補助電圧供給部を設けることにより、線状電極22Bの部分的な断線による動作不良個所の発生を有効に回避することができる。
補助電圧供給部30は、線状電極22Bに対して基材21A側に設けてもよく、液晶層14側に設けてもよい。
〔シミュレーション結果〕
図4は、透明電極22A、線状電極22B間における電極間電位差のシミュレーション結果を示す図である。
調光フィルム10は、短辺の長さ80cm、長辺の長さを120cmとした。
線状電極22Bは、ITOを用い、厚み0.1μm、幅6μm、ピッチ12μmとした。
透明電極22Aは、ITOを用い、厚み0.1μmとした。
電圧供給部22AA、22BAは、銅薄膜を用いた。
補助電圧供給部30は、銅薄膜を用い、厚み0.3μm、幅0.1mm、ピッチ100mmとした。
図中、符号L60、L120、L240、L480は、それぞれ周波数60Hz、周波数120Hz、周波数240Hz、周波数480Hzによる矩形波の交流電圧により調光フィルム1を駆動した場合の例である。
図4では、符号Xにより示した角部を給電位置として、この角部からの距離による、透明電極22Aと線状電極22Bとの間の電位差を示す。
図5は、補助電圧供給部30のピッチPを50mmとした点を除いて、図4と同一の条件によるシミュレーション結果である。図4と図5とを比較すると、ピッチPを100mmから50mmにしても、電極間電位差には殆ど差はないことが分かる。
ピッチPを細かくすると、補助電圧供給部30の占める面積が増大することによる透過率の低下が予測される。しかし、ピッチPが大きすぎると、線状電極22Bの延びる方向における透明電極22Aと線状電極22Bとの間の電位差の変化を低減できなくなり、透過率を均一化することが困難になる。
これによりピッチPは、10mm以上100mm以下であることが望ましく、さらに好ましくは20mm以上50mm以下であることが望ましい。
図6は、補助電圧供給部30の幅を0.1mmから0.2mmとした点を除いて、図3と同一の条件によるシミュレーション結果である。図6によれば、補助電圧供給部30の幅を2倍にしたことにより、補助電圧供給部30の断面積が2倍となり、その結果、電極間電位差における変化が一段と低減していることが分かる。
ここで幅を広くすると、補助電圧供給部30の占める面積が増大することにより透過率の低下が予測される。しかしながら幅が狭すぎると、線状電極22Bの延びる方向における透明電極22Aと線状電極22Bとの間の電位差の変化を十分に低減できなくなり、透過率を均一化することが困難になる。
これにより補助電圧供給部30の幅は、5μm以上0.1mm以下であることが望ましく、さらに好ましくは10μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上20μm以下であることが望ましい。
また補助電圧供給部30は、厚みを厚くすると液晶層の厚み(セルギャップ)に影響を与える。しかしながら厚みが薄すぎると、線状電極22Bの延びる方向における透明電極22Aと線状電極22Bとの間の電位差の変化を十分に低減できなくなり、透過率を均一化することが困難になる。
これにより補助電圧供給部30の厚みは、0.1μm以上1.0μm以下であることが望ましく、さらに好ましくは0.2μm以上0.5μm以下、より好ましくは0.2μm以上0.3μm以下であることが望ましい。
〔製造工程〕
図7は、調光フィルムの製造工程を説明するフローチャートである。調光フィルムの製造工程は、上側積層体製造工程SP2及び下側積層体製造工程SP3において、それぞれ上側積層体12及び下側積層体13が製造される。また積層工程SP4において、液晶層14を間に挟んで、上側積層体12及び下側積層体13を積層した後、シール材25により一体化して液晶セルが製造される。調光フィルムの製造工程は、このようにして作製した液晶セルを直線偏光板と積層一体化して調光フィルムが製造される。
図8は、上側積層体製造工程SP2を詳細に示すフローチャートである。この上側積層体製造工程SP2(SP11)においては、配向層製造工程SP12において、基材21Bに配向層24Bに係る塗工液が塗工されて乾燥、硬化されることにより、配向層24Bが形成され、これにより上側積層体12が作製される。
図9は、下側積層体製造工程SP3を詳細に示すフローチャートである。図10は、下側積層体製造工程SP3を詳細に示す図である。下側積層体製造工程SP3(SP21)においては、電極製造工程SP22で、基材21Aの全面(図10(a))に、スパッタリングによりITOによる透明電極22Aが作製される(図10(b))。ITOは全面よりパターニングされている方が好ましい。線状電極側を電源に接続するとき、下面にITO電極があるとショートする可能性が高くなるためである。
また透明電極22Aの作成の前に、又は後に、スパッタリングにより金属薄膜を作成して電圧供給部22AAが作成される。なお、電圧供給部22AAは、電圧供給部22BA22BAと同時に形成する事も可能である。
続いて絶縁層製造工程SP23において、絶縁層23が製造される(図10(c))。なお、絶縁層23もパターニングされていた方が望ましい。ITOのベタ電極である透明電極22Aを露出させる事で、電源との接続が容易になり、露出したITO上に電圧供給部22AAを形成することが出来る。
なおこの絶縁層製造工程は、絶縁層23に適用する材料に応じて例えば塗工液の塗工、乾燥、硬化により絶縁層23が製造される。
続いて、電極製造工程SP24において、線状電極22Bが製造される。より具体的に、この電極製造工程SP24においては、マスク蒸着を行った後(図10(d))、スパッタリング装置を使用したスパッタリングにより、基材21Aの全面に、線状電極22Bに係る金属材料を堆積してITO膜を製造する。また続いてこのITO膜のパターンニングにより、線状電極22Bを製造する(図10(e))。
続く補助電圧供給部製造工程SP25において、補助電圧供給部30、電圧供給部22BAに係る金属膜を作成した後(図10(f))、パターニングし(図10(g))、これにより補助電圧供給部30、電圧供給部22BAを製造する。
絶縁層23をパターニングした場合、ベタITOである金属電極22Aの面を一部露出させ、全面に金属膜を製膜して、同時にパターニングする事ができる。これにより、補助電極部22BAは補助電極部22AAと同時に形成することができる。
なお補助電圧供給部製造工程SP25は、電極製造工程SP24の前に設けるようにしてもよい。また補助電圧供給部30、電圧供給部22BAを個別に製造してもよい。
スペーサー製造工程SP26において、全面にフォトレジストを塗工して乾燥させた後、マスクを使用した露光処理、現像処理によりスペーサー27を製造する。
配向層製造工程SP27において、配向層24Aに係る塗工液を塗工して乾燥、露光することにより、配向層24Aを製造し、これにより下側積層体13が製造される。
(1)本実施形態によれば、連続する線状電極22Bを横切って延びるように、線状電極22Bに比べて体積長さの抵抗値の小さな補助電圧供給部30を線状電極22Bを配置した。
そして、補助電圧供給部30からも交流電圧を供給することにより、IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムを提供することができる。
さらに線状電極22Bの部分的な断線による動作不良個所の発生を有効に回避することができる調光フィルムを提供することができる。
(2)補助電圧供給部30を金属材料により作製することにより、透過率を損なわないようにして、線状電極22Bの各部で効率よく交流電圧を均一化し、透過率を均一化することができる。
(3)水平方向及び垂直方向に線対称に補助電圧供給部を配置することにより、透過率の不均一さが目立たないようにすることができる。
(4)補助電圧供給部30が、線状電極22Bと直交するように作成されていることにより、簡易な構成によりIPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる。
(5)連続する前記線状電極を横切って延び、線状電極に比べて単位長さの抵抗値の小さな補助電圧供給部を設ける補助電圧供給部製造工程を備えることにより、IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムの製造方法を提供することができる。
さらに線状電極22Bの部分的な断線による動作不良個所の発生を有効に回避することができる調光フィルムの製造方法を提供することができる。
(6)連続する線状電極を横切って延び、線状電極に比べて単位長さの抵抗値の小さな補助電圧供給部を配置した。
電圧供給部により線状電極に交流電圧を供給することにより、IPS/FFS方式による調光フィルムに関して、透過率を均一化することができる調光フィルムの駆動方法を提供することができる。
さらに線状電極22Bの部分的な断線による動作不良個所の発生を有効に回避することができる調光フィルムの駆動方法を提供することができる。
〔第2実施形態〕
図11は、本発明の第2実施形態に係る調光フィルムに適用される下側積層体43を示す図である。本実施形態では、図2について説明した下側積層体13に代えてこの図11に示す下側積層体43が適用される。
下側積層体43は、補助電圧供給部50が異なる点を除いて、下側積層体13と同一に構成される。また補助電圧供給部50は、配置が異なる点を除いて補助電圧供給部30と同一である。
補助電圧供給部50は、電圧供給部22BAに係る長方形形状を水平方向及び垂直方向に2等分する中心線OH及びOVをそれぞれ対称軸にして、この対称軸の両側が線対称により形成され、これにより透過率の不均一さが目立たないように配置される。
このように線対称形状により作製するようにして、補助電圧供給部50は、線状電極22Bを斜めに横切るように、例えば、線状電極22Bと45度の角度を成して交差するように作成される。
なお、補助電圧供給部50の延びる方向は、この線状電極22Bに対する45度に限定されない。補助電圧供給部50は、図11に示す給電位置Xを基準としたときに、この給電位置Xから離れる方向に延びる他の方向に延びていてもよい。
他の方向とは、下側積層体43において、給電位置Xに近い一点と、その一点よりも給電位置Xから遠い他の点とを考えたときに、その1点から他の点までの電力供給ルートが、補助電圧供給部50を通った場合に、電圧供給部22BAと線状電極22Bだけを通った場合と比べて短縮されるように、延びる方向である。
なお、中心線OH及びOVにおいて補助電圧供給部50は、90度の角度で折れ曲がった形状により作製される。
図12は、第2実施形態に係る調光フィルムのシミュレーション結果である。図12の例では、斜め45度により補助電圧供給部50を作成した点を除いて、図4の例と同一の条件によるものである。
(1)本実施形態によれば、補助電圧供給部を斜めに傾けることにより、図12に示すように、第1実施例よりもさらに透過率を均一化することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせ、さらには上述の実施形態を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、補助電圧供給部を一方向に延びるようにして、又は途中で折れ曲がって一方向に延びるようにして、直線的に作成する場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、交差するように補助電圧供給部を配置して複数設ける場合等にも広く適用することができる。
上述の実施形態では、補助電圧供給部を直線的に作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、曲線により作製するようにしてもよい。
上述の実施形態では、補助電圧供給部を一定ピッチにより作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ピッチを各部で可変するようにしてもよい。
10 調光フィルム
12 上側積層体
13、43 下側積層体
14 液晶層
14A 液晶分子
15 液晶セル
16、17 直線偏光板
18、19 位相差フィルム
21A、21B 基材
22A 透明電極
22B 線状電極
22AA、22BA 電圧供給部
23 絶縁層
24A、24B 配向層
25 シール材
27 スペーサー
30、50 補助電圧供給部

Claims (4)

  1. 透明電極上に絶縁層を介して複数の線状電極が配置された第1の積層体と、
    前記第1の積層体に対して対向して配置された第2の積層体と、
    前記第1の積層体及び前記第2の積層体により挟持され、前記透明電極と前記線状電極との間の電界により配向が制御される液晶分子を有する液晶層と、
    前記複数の線状電極の端部同士を接続し、前記線状電極に交流電圧を供給する電圧供給部と、
    前記電圧供給部に接続され、前記複数の線状電極を横切って延び、前記線状電極に比べて単位長さの抵抗値が小さい複数の線状の補助電圧供給部と、
    を備える調光フィルム。
  2. 前記補助電圧供給部が、金属材料である、
    請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記補助電圧供給部が、前記線状電極と直交する、
    請求項1又は2に記載の調光フィルム。
  4. 前記補助電圧供給部が、前記線状電極を斜めに横切る、
    請求項1又は2に記載の調光フィルム。
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