JP2018036015A - 車両用冷凍装置およびその運転制御方法 - Google Patents

車両用冷凍装置およびその運転制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018036015A
JP2018036015A JP2016170876A JP2016170876A JP2018036015A JP 2018036015 A JP2018036015 A JP 2018036015A JP 2016170876 A JP2016170876 A JP 2016170876A JP 2016170876 A JP2016170876 A JP 2016170876A JP 2018036015 A JP2018036015 A JP 2018036015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigeration
unit
refrigerant
set temperature
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016170876A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6796321B2 (ja
Inventor
一光 鈴木
Kazumitsu Suzuki
一光 鈴木
広二 畑中
Hiroji Hatanaka
広二 畑中
幸雄 尾崎
Yukio Ozaki
幸雄 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISSHO REITO KK
Original Assignee
NISSHO REITO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NISSHO REITO KK filed Critical NISSHO REITO KK
Priority to JP2016170876A priority Critical patent/JP6796321B2/ja
Publication of JP2018036015A publication Critical patent/JP2018036015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6796321B2 publication Critical patent/JP6796321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

【課題】室内における搬送物の積載スペースを狭めることなく、且つ、取付作業に要する構成部品、時間、労力およびランニングコストを大幅に削減できると共に、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理可能とする。【解決手段】電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、コンデンサユニットと、を少なくとも2つずつ有する外部ユニット部と、エバポレータユニットを少なくとも2つ有する内部ユニット部と、装置全体の動作を制御する制御部とを備え、コンプレッサ・コンデンサ・エバポレータの各ユニットによって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで異なる種類の冷媒を用い、制御部が、荷室内の第一の設定温度と、第一の設定温度よりも低い第二の設定温度とに対応する冷凍サイクルを選択し、当該選択した冷凍サイクルの運転を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用冷凍装置およびその運転制御方法に関し、特に、複数の異なる冷媒を利用して、車両の荷台に搭載される冷凍コンテナ等の荷室内の温度を管理するのに有効な一体型の車両用冷凍装置およびその運転制御方法に関する。
従来からこの種の車両用冷凍装置を備えた貨物自動車等による冷凍車では、車両の荷台等に冷凍コンテナ等の冷凍庫・冷蔵庫として機能する荷室が設けられ、搬送する荷物(以下、搬送物と称す)を、それに適した温度で管理しながら搬送することが可能となっている。
かかる冷凍車は、一般的に車両のエンジンルームに圧縮機(コンプレッサ)が設けられ、凝縮機(コンデンサ)を冷凍コンテナの外壁等に取り付け、蒸発器(エバポレータ)を冷凍コンテナ内(荷室内)に設置するという状態で、車両用冷凍装置(以下、適宜、冷凍装置とも称す)を構成する機器をそれぞれ別体で配置している。そのため、このような冷凍装置においては構造が複雑となり、冷媒配管の取り回しも煩雑となる問題があった。
そのため、例えば、特許文献1,2のように、冷凍装置をユニット化して荷室内に設置するものが着目されている。この場合、冷凍装置を構成するコンデンサ、エバポレータ等の機器が一体的にユニット化されているため、面倒な配線の架設作業が省け、容易に設置できる利点がある。
特開2002−370518号公報 特開2015−68626号公報
しかしながら、かかる冷凍車においては、冷凍装置の設置スペース分、荷室内のスペースが狭くなり、積載可能な荷物が減らされる問題があった。また、エンジンルーム内の圧縮機は、エンジンが停止すれば作動を停止するため、冷凍車の利用には大きな制約があった。
例えば、車両のエンジンを利用して冷凍装置を駆動する冷凍車では、エンジンを停止すると冷凍装置も停止することとなるため、搬送物を搬入する際など停車時に荷室内の温度が変化して低温状態を維持できない場合があった。そこで、停車中においてもエンジンを停止することなくアイドリング状態とし、荷室内の低温状態を維持することが行われているが、今度はアイドリング状態における消費燃料の増加や排出ガスにより、燃費や環境面での問題が生じてしまう。特に、近年では、環境問題の観点から排ガス規制が強化傾向にあり、停車時においてもエンジンをアイドリング状態にすることなく、荷室内の温度管理が可能な車両用冷凍装置の開発が望まれている。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであって、荷室内における搬送物の積載スペースを狭めることなく、且つ、取付作業に要する構成部品、時間、労力およびランニングコストを大幅に削減できると共に、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理可能な車両用冷凍装置を提供することを目的とする。
上述のような課題を解決するために、本発明に係る車両用冷凍装置は、
車両に設けられた荷室内を冷却するための車両用冷凍装置であって、
冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
を前記冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ有する外部ユニット部と、
前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットを、前記冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ有する内部ユニット部と、
少なくとも前記電動圧縮機を含む装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、
前記各コンプレッサユニット、コンデンサユニットおよびエバポレータユニットによって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
前記制御部は、前記複数の冷凍サイクルの中から、前記荷室内の第一の設定温度と、前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度とに対応する冷凍サイクルを選択し、当該選択した冷凍サイクルの運転を制御することを特徴とする。
これによれば、コンプレッサユニットおよびコンデンサユニットが外部ユニット部として、またエバポレータユニットが内部ユニット部としてユニット化されるため、車両用冷凍装置の取り付けに要する構成部品、時間および労力を大幅に削減することができる。また、冷凍サイクルの構成要素(コンプレッサユニット・エバポレータユニット・コンデンサユニット等)毎に機能が完結しており、ユニット化によって冷媒配管等の配設も簡略化できる。このため、装置全体としてコンパクト化を図ることができ、コンプレッサユニットとエバポレータユニットとコンデンサユニットの取付スペースを削減でき、荷室(冷凍コンテナ)内の空間におけるエバポレータユニットの占有面積を削減することができる。しかも、各要素の設計変更、仕様変更等に柔軟に対応でき、設計の自由度を広げることができる上、メンテナンス性にも優れている。
また、外部ユニット部に冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ設けられるコンプレッサユニットおよびコンデンサユニットと、内部ユニット部に冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ設けられるエバポレータユニットと、によって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、荷室内の設定温度に対応して、異なる種類の冷媒を用いた複数の冷凍サイクルの中から適宜、最適な冷凍サイクルを選択できるので、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理できる。よって、電動圧縮機の負担を減らすことができるため、消費電力を大幅に削減でき、冷凍サイクルの効率化を図ることができる。これにより、圧縮機作動をエンジン動力に依存していた従来の小型冷凍車から大型冷凍車までの幅広い車種の機械式冷凍車の電動化が可能となる。このような電動圧縮機を用いた電動式冷凍車はエンジン停止中においても冷凍装置を稼働させることが可能となるため停車時における排気ガスゼロ・騒音低減・燃費向上・正確な温度管理など電動化のメリットは大きい。さらに、複数の冷凍サイクルを同時に稼働させることで、急速冷凍に対応することができる。
かくして、本発明に係る車両用冷凍装置では、荷室内における搬送物の積載スペースを狭めることなく、且つ、取付作業に要する構成部品、時間、労力およびランニングコストを大幅に削減できると共に、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理できる。
このとき、前記エバポレータユニットは、
前記コンデンサユニットおよび前記コンプレッサユニットと連通し、前記冷媒が流れる流路を有する蒸発器を、前記冷媒の種類に対応して複数備えており、
それぞれ前記流路が平行に重なる方向に、前記異なる種類の冷媒に対応した各前記蒸発器を交互に配置してなることが好ましい。
これによれば、エバポレータユニット内において、冷媒が流れる流路が平行に重なる方向に、異なる種類の冷媒に対応した複数の蒸発器を交互に配置することで、荷室内への吹出し空気を、前段に配置された冷媒(例えば、蒸発温度の高い冷媒)によって冷却し、さらに後段に配置された冷媒(例えば、蒸発温度が低い冷媒)によって冷却するといった2段階で冷却可能となっている。このとき、前段に蒸発温度の高い冷媒を配置することにより、荷室(冷凍コンテナ)内への吹出し空気を冷却すると共に、後段に配置された蒸発温度の低い冷媒を予備的に冷却する(サブクール)効果が得られる。これにより、効果的な急速冷凍を実現できる。
さらに、本発明において、
前記車両のエンジンにより駆動され、前記コンプレッサユニット、前記エバポレータユニットおよび前記コンデンサユニット専用に設けられた発電機と、
前記発電機により充電されるバッテリと、
前記バッテリを電源として電力を入力し、当該入力した電力を前記制御部による制御に基づき、前記電動圧縮機を駆動するための電力に変換して供給する電力変換装置と、
商用電源から電力を取り込み、交流出力から直流に変換して整流する充電器と、を更に備え、
前記バッテリは、前記発電機または前記充電器により充電されることが好ましい。
これによれば、専用の発電機によって充電される専用のバッテリを備えているので、従来のような車両のエンジンを利用して冷凍装置を駆動する必要がない。換言すれば、車両用冷凍装置の作動をエンジンに依存する必要がない。よって、配達等で停車する場合にエンジンを停止しても、車両用冷凍装置は独立して運転の継続が可能なため、荷室内の低温状態を維持できる。すなわち、停車中においても車両のエンジンをアイドリング状態とする必要がないため、消費燃料の増加や排出ガスによる環境汚染を未然に回避できる。しかも、バッテリを充電する手段として商用電源から電力を取り込む充電器を備えることにより、走行中においてはエンジンによって駆動される専用の発電機を用いてバッテリを充電できると共に、停車中においては商用電源を確保できる場合、車両のエンジンを駆動することなく、当該商用電源から電力を取り込む充電器によりバッテリを充電できる。このとき、バッテリを充電すると同時に、冷凍装置を駆動することも可能である。
また、本発明において、
前記荷室内が複数の室に区画された場合、
複数の前記室に応じた複数の前記内部ユニット部が設けられると共に、
前記外部ユニット部には、前記内部ユニット部の数に応じた複数の前記コンデンサユニットおよび複数の前記コンプレッサユニットが設けられることが好ましい。
これによれば、冷凍サイクルの構成要素(コンプレッサユニット・エバポレータユニット・コンデンサユニット等)毎に機能が完結しており、各室毎に設けられる内部ユニット部の数に応じて、コンデンサユニットおよびコンプレッサユニットを外部ユニット部に設けるため、荷室(冷凍コンテナ)内が複数の室に区画された場合であっても、各要素の設計変更、仕様変更等に柔軟に対応でき、設計の自由度を広げることができる上、メンテナンス性にも優れている。
また、本発明に係る車両用冷凍装置の運転制御方法は、
冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットと、を有する冷凍サイクルを、前記冷媒の種類に応じて少なくとも2つ備えると共に、
少なくとも前記電動圧縮機の動作を含む装置全体の動作を制御する制御部を備え、
車両に設けられた荷室内を冷却する車両用冷凍装置の運転制御方法であって、
前記各冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
前記制御部は、
前記荷室内の設定温度が第一の設定温度である場合、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、
前記荷室内の設定温度が第一の設定温度よりも低い第二の設定温度である場合、前記荷室内の設定温度が前記第一の設定温度に到達するまで、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、前記第一の設定温度に到達すると、前記選択した冷凍サイクルから前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルに切り替えるようにして、これら冷凍サイクルを運転させることを特徴とする。
これによれば、外部ユニット部に冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ設けられるコンプレッサユニットおよびコンデンサユニットと、内部ユニット部に冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ設けられるエバポレータユニットと、によって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、荷室内の設定温度に対応して、異なる種類の冷媒を用いた複数の冷凍サイクルの中から適宜、最適な冷凍サイクルを選択できるので、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理できる。よって、電動圧縮機の負担を減らすことができるため、消費電力を大幅に削減でき、冷凍サイクルの効率化を図ることができる。これにより、圧縮機作動をエンジン動力に依存していた従来の小型冷凍車から大型冷凍車までの幅広い車種の機械式冷凍車の電動化が可能となる。このような電動圧縮機を用いた電動式冷凍車はエンジン停止中においても冷凍装置を稼働させることが可能となるため停車時における排気ガスゼロ・騒音低減・燃費向上・正確な温度管理など電動化のメリットは大きい。
さらに、本発明において、
前記制御部は、
前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度である場合、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、を同時に運転させ、前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度に到達すると、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルのみを停止させることが好ましい。
これによれば、複数の冷凍サイクルを同時に稼働させることで、急速冷凍に対応することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、荷室内における搬送物の積載スペースを狭めることなく、且つ、取付作業に要する構成部品、時間、労力およびランニングコストを大幅に削減できると共に、荷室内を所望の温度で効率良く温度管理できる。
本発明に係る車両用冷凍装置の一実施形態を示し、冷凍車に装着された適用例を示す概略図である。 図1の車両用冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。 図2の車両用冷凍装置におけるエバポレータを概略的に示す斜視図である。 本発明に係る車両用冷凍装置の温度制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る車両用冷凍装置の他の実施形態を示し、冷凍車に装着された適用例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
図1および図2には、本発明による車両用冷凍装置の一実施の形態が示されている。本実施形態の車両用冷凍装置1は、例えば、貨物自動車等の車両を用いた冷凍車Cの荷台に搭載される荷室としての冷凍コンテナKにおける室内を、任意の温度で冷却(すなわち、冷凍や冷蔵)する冷凍装置に適用され、設置スペースの省スペース化を図ると共に、取付作業に要する構成部品、時間および労力を大幅に削減するのに有効なものである。なお、以下の説明において、車両の進行方向前方とは図1の紙面における左の方向を示し、上方とは図1の紙面における上の方向を示すものとする。
<システムの構成について>
図1および図2に示すように、本実施形態の車両用冷凍装置1は、冷凍車Cの冷凍コンテナKに取り付けられるものである。このとき、冷凍コンテナKには、後述するコンデンサユニット20とコンプレッサユニット21とが一体化された外部ユニット部としての冷凍機本体7が本体フレーム9を介して外壁部に取り付けられ、内部ユニット部としてのエバポレータユニット10が内壁部に取り付けられている。
冷凍機本体7は、冷媒を圧縮する電動圧縮機(後述する第1および第2コンプレッサ21A,21B)を有するコンプレッサユニット21と、コンプレッサユニット21にて圧縮された冷媒を外気と熱交換させて熱を放出させるコンデンサ22およびコンデンサファン23を有するコンデンサユニット20と、からなり、これらコンデンサユニット20とコンプレッサユニット21とがそれぞれ冷媒の種類に対応して少なくとも2つずつ設けられている。この場合、冷媒としては、蒸発温度が大幅に異なる2種以上を組み合わせており、例えば、一つは蒸発温度が低い(例えば、マイナス46.3℃)冷媒であるR404A、もう一つは蒸発温度が高い(例えば、マイナス26.2℃)冷媒であるR134aを選択している。
具体的に、本実施形態の場合、図2に示すように、冷凍機本体7には、R404A用の第1コンプレッサ21Aおよび第1コンデンサ22Aと、R134a用の第2コンプレッサ21Bおよび第2コンデンサ22Bとが一体的に設けられている。なお、本発明はこれに限らず、例えば、冷媒の種類が3つ用いられる場合、これらコンデンサユニット20とコンプレッサユニット21とがそれぞれ3つずつ、冷凍機本体7に設けられることとなる。
エバポレータユニット10は、冷媒を用いて冷凍コンテナK内の空気を冷却するものであり、本実施形態の場合、冷媒として蒸発温度が大幅に異なる2種を用いているため、これら2種類の冷媒に対応して複数(ここでは、2つ)のエバポレータ12A,12Bを備えている。すなわち、冷媒の種類が例えば3つ用いられる場合、エバポレータユニットには、これら冷媒の種類に対応して3つのエバポレータが設けられることとなる。
このように、車両用冷凍装置1では、使用する冷媒の種類の数に応じて、冷凍コンテナK内を冷却するための冷凍サイクルを構築するコンプレッサユニット21(第1および第2コンプレッサ21A,21B)、コンデンサユニット20(第1および第2コンデンサ22A,22B)、エバポレータユニット10(エバポレータ12A,12B)が、各種冷媒に対応した系統(この場合、2系統)設けられる。つまり、これら2系統は、システム的に完全に独立しているため、冷凍コンテナK内を管理する温度設定に応じて、それぞれの冷凍サイクルに種類の異なる冷媒を選択することが可能となっている。上述したように、例えば、冷凍コンテナK内をマイナス25℃程度の低温設定とする場合、冷媒としては、より蒸発温度の低く冷凍能力の大きいR404Aを選定する。また、冷凍コンテナK内をマイナス10度程度の中温設定とする場合、冷媒としては、蒸発温度が比較的高いR134aを選定する。このように、管理する温度設定に応じて、それぞれ異なる種類の冷媒を選択することにより、コンプレッサ(第1および第2コンプレッサ21A,21B)にとって負荷の大きい、例えばR404Aを必要な荷室のみに限定でき、車両用冷凍装置1全体の負荷の軽減に寄与することが可能となる。
また、車両用冷凍装置1は、冷凍車Cの図示省略するエンジンにより駆動される冷凍装置用発電機4(オルタネータ)と、商用電源から電力を取り込み、交流出力から直流に変換して整流する充電器8と、冷凍装置用発電機4または充電器8により充電される冷凍装置用バッテリ3(サブバッテリ)と、コンプレッサユニット21に設けられた第1および第2コンプレッサ21A,21Bの動作を制御する不図示の駆動部と、当該駆動部による制御に基づき、冷凍装置用バッテリ3を電源として入力される電力(例えば、12Vや24V)を、第1および第2コンプレッサ21A,21Bを駆動するための電力(例えば、300V)に変換(昇圧)して供給する電力変換装置としてのDC/DCコンバータ2と、を備えている。
なお、冷凍車Cには、エンジンにより駆動され、車両の各種補機(オーディオ・エアコン等)にて使用される電力を発電したり、車両用バッテリ5(メインバッテリ)を充電したりする車両用発電機6(オルタネータ)が別途備えられている。
しかしながら、本実施形態の車両用冷凍装置1の場合、冷凍装置用バッテリ3および冷凍装置用発電機4が設けられていると共に、当該冷凍装置用バッテリ3によって駆動される第1および第2コンプレッサ21A,21Bも従来のようなエンジンによって駆動される機械式コンプレッサではないため、エンジンルームに配置されるのではなく、コンプレッサユニット21としてコンデンサユニット20と一緒に本体フレーム9に配置されている。よって、車両用冷凍装置1の作動に際し、エンジンの駆動・停止に依存することはない。また、コンプレッサユニット21・コンデンサユニット20・エバポレータユニット10がそれぞれユニット化され、各ユニット毎に機能が完結しているため、冷凍サイクルに係る配管の取り回しも簡略化できる利点を備えている。
<エバポレータユニットの構成>
エバポレータユニット10は、冷凍コンテナKの内部空間を冷却する部分であり、エバポレータ12A,12B(蒸発器)、エバポレータファン(不図示)、温度センサ13A1,13A2,13B1,13B2および第1,第2電子膨張弁14A,14B等を有して構成され、冷凍コンテナK内に配設される。
この場合、冷媒の種類に応じて2つのエバポレータ12A,12Bが設けられており、それぞれコンデンサユニット20から高温・高圧配管15と第1,第2電子膨張弁14A,14Bとを介して送られてくる冷媒を、冷凍コンテナK内の空気と熱交換させることで、冷媒を蒸発させると共に空気を冷却する。このとき、第1,第2電子膨張弁14A,14Bは、コンデンサユニット20にて冷却された液状の冷媒を、膨張弁開度を調節して減圧し、低温・低圧の霧状にすることで、液状の冷媒を気化(蒸発)し易い状態にする(冷媒の気化を促進する)。
具体的に、2つのエバポレータ12A,12Bは、図3に示すように、それぞれコンデンサユニット20およびコンプレッサユニット21と連通し、互いに異なる種類の冷媒が流れる流路(配管15,16)を有して複数層(この場合、3層)ずつ設けられている。そして、これら3層ずつのエバポレータ12A,12Bは、互いの配管15,16が平行に重なる方向に、1層ずつ交互に配置されて一体化されている。
そして、冷凍コンテナK内への吹出し空気(冷凍コンテナK内を冷却するための空気)が、まず前段(すなわち、冷凍車Cの進行方向前方側)に配置された蒸発温度の高い冷媒R134aを用いるエバポレータ12Bによって一度冷却され、次に後段(すなわち、冷凍車Cの進行方向後方の冷凍コンテナK内側)に配置された蒸発温度が低い冷媒R404Aを用いるエバポレータ12Aによって更に冷却される2段冷却構造となっている。とりわけ、本実施形態の場合、この2段冷却構造の組み合わせが3つ組み合わさっており、合計6段階で冷却可能となっている。
このように、前段に蒸発温度の高い冷媒R134aを用いるエバポレータ12Bを配置することにより、冷凍コンテナK内への吹出し空気を冷却すると共に、後段に配置された蒸発温度が低い冷媒R404Aを用いるエバポレータ12Aを予備的に冷却する(サブクール)効果が得られる。
この後、冷媒は低圧・戻り配管16を介してコンプレッサユニット21の対応する第1および第2コンプレッサ21A,21Bへ戻される。不図示のエバポレータファンは、例えばターボファンからなり、不図示のエバポレータファンモータによって回転され、各エバポレータ12A,12Bで冷却された空気を冷凍コンテナK内に送出する。このとき、温度センサ13A1,13A2,13B1,13B2は、エバポレータ12A,12Bのそれぞれ入口,出口の温度を検知することによって第1,第2電子膨張弁14A,14Bの開度を調整し、不図示の庫内温度センサが冷凍コンテナK内の温度を検出し、この庫内温度の検出結果に応じた信号を当該冷凍コンテナK内の温度管理を制御するべく、不図示の制御部および駆動部へ送出する。
なお、このとき、エバポレータユニット10には、冷媒配管としての高温・高圧配管15や低圧・戻り配管16と並列にホットガス配管17が設置されており、冷凍機本体7側の電磁弁24A1,24B1と、エバポレータユニット10側の電磁弁24A2,24B2(すなわち、冷凍サイクル毎に2つずつ設けられた第1および第2電磁弁24A1,24A2および24B1,24B2)により冷媒配管の流れを切り替えることが可能となっている。このホットガス配管17は霜取り用に設けられており、後述する外部ユニット部におけるコンデンサユニット20において、外気と熱交換することなく、高温高圧のまま流れてきた冷媒をエバポレータユニット10内へと選択的に流すことにより、冷凍コンテナK内の内部ユニット部を温めて霜取りができるようになっている。
すなわち、高温・高圧配管15に設けられた2つの電磁弁24A1,24A2を開状態とし、コンデンサユニット22Aから高温高圧のまま流れてきた冷媒を直接エバポレータ12Aへと流す。コンデンサユニット22Aは、冷媒配管17と並列配管となるが、第1電磁弁24A1が開となるとコンデンサユニット22A内の配管抵抗が大きいため、冷媒は配管抵抗の少ない冷媒配管17を流れる。また、コンデンサユニット22Aへの冷媒逆流を防ぐため、チェックバルブ25Aが設けられている。さらに、エバポレータユニット10に流れ込んだ冷媒は、第2電磁弁24A2が開となっているため、電子膨張弁14Aを通らず、直接エバポレータ12Aに流れる。他方の冷凍サイクルにおける2つの電磁弁24B1,24B2についても同様の動作であるため、ここでの説明は割愛する。
これら第1および第2電磁弁24A1,24B1および24A2,24B2の動作により、冷凍コンテナK内の内部ユニット部をホットガスにより加温し、霜取りができるようになっている。このとき、第1および第2電子膨張弁14A,14Bの開度は、温度センサ13A1,13A2,13B1,13B2によって制御される。
<コンデンサユニットの構成>
次に、コンデンサユニット20について説明する。コンデンサユニット20は、本体フレーム9に配置され、冷凍コンテナKの外部(室外)で冷媒の熱交換を行う部分であり、異なる冷媒の種類(この場合、2つ)に対応して、第1および第2コンデンサ22A,22B(凝縮器)、ファンユニット(コンデンサファン23,不図示のコンデンサファンモータ)等の構成部品を有して構成されている。
第1および第2コンデンサ22A,22Bは、高温高圧の冷媒と外気とを熱交換させて冷媒を液体状にする。コンデンサファン23は、コンデンサファンモータ(不図示)によって回転され、コンデンサユニット20の内部空間から空気を吸い込んで外部に向かって放出する。なお、コンデンサファン23は、第1および第2コンデンサ22A,22Bに対して個々に1つずつ設けられていても良いし、コンデンサユニット20全体として大型のものが1つ設けられていても良い。
かかるコンデンサユニット20は、コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)の上面が車両前方から後方へ向けて下り傾斜しており、この上面に重ねてコンデンサファン23やコンデンサファンモータからなるファンユニット(不図示)が取り付けられている。そして、冷凍コンテナKにおける進行方向前方の壁部上方に位置する荷室隔壁部40に、本体フレーム9が当接した状態で取り付けられる。このように、異なる種類の冷媒に対応した冷凍サイクルを構築するための第1および第2コンデンサ22A,22B等を有するコンデンサユニット20(すなわち、車両用冷凍装置1において異なる種類の冷媒に対応した複数の冷凍サイクルを構築するコンデンサユニット20)は、本体フレーム9にまとめて配設されている。
<コンプレッサユニットの構成>
次に、コンプレッサユニット21の構成について説明する。かかるコンプレッサユニット21は、異なる種類の冷媒に対応した第1および第2コンプレッサ21A,21B(電動圧縮機)、アキュムレータ(不図示)等の構成部品によって構成されている。アキュムレータは、冷媒の液溜まりとして機能し、気体状の冷媒を第1および第2コンプレッサ21A,21Bに戻すための要素である。第1および第2コンプレッサ21A,21Bは、車両用冷凍装置1専用のバッテリ3によって駆動するもので、気体状の冷媒を圧縮して高温高圧の気体にする。
かかるコンプレッサユニット21は、コンデンサユニット20と共に、本体フレーム9に対して当該コンデンサユニット20と近接した状態で配設され、冷凍車Cにおけるキャブ(車室)のルーフ上方に位置するように、本体フレーム9を介して取り付けられている。このように、異なる種類の冷媒に対応した冷凍サイクルを構築するための第1および第2コンプレッサ21A,21B等を有するコンプレッサユニット21(すなわち、車両用冷凍装置1の冷凍サイクルを構築するコンプレッサユニット21)は、本体フレーム9の荷室外部側にまとめて配設されている。
<その他の構成>
なお、ここでは図示省略するが、コンプレッサユニット21およびコンデンサユニット20は、平面が台形をなす直方体状に構成され、上面が車両後方から前方へ向けて下り傾斜した形状に構成されたケーシングによって覆われている。このケーシングには、進行方向前方に位置する前面側に外気を取り込むための吸気口が設けられている。また、このケーシングの上面には送風口が形成されており、熱を上方に向けて放出するための放熱部として機能するようになっている。
この送風口からは、コンデンサファン23およびコンデンサファンモータを備えたファンユニット(不図示)が臨んでいる。そして、コンプレッサユニット21およびコンデンサユニット20における前述の各種構成部品は、このケーシング内に配置され、冷凍車Cにおけるキャブ(車室)のルーフ上方に吸気口が前方を、排気口が上方を向くように本体フレーム9を介して取り付けられている。このため、外気は、吸気口からコンデンサユニット20の内部に取り込まれた後、下面からコンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)の内部を通って送風口に導かれる。そして、送風口を通って冷凍車Cの進行方向後方(冷凍コンテナKの上方)に向けて排出される。このようにして、コンデンサファン23では、空気流を生じさせてコンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)との間で効率よく熱交換を行わせることができるようになっている。
このとき、ケーシングは、例えばFRP(Fiberglass Reinforced Plastic:繊維強化プラスチック)樹脂からなり、型抜きが容易な形状が好ましい。さらに、ケーシングは、進行方向前部または後部にヒンジ等の機構を用いて開閉可能な構造とすることが好ましい。これにより、エンジンフードのように開閉が容易な構造とすることができるので、メンテナンス性に優れた構造を実現できる。しかも、このようなケーシングは、前面に吸気口が設けられ、上面に放熱部として機能する送風口が設けられることで、車両前方からの風(外気)を取り込み易く、コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)の吹き出しをスムーズにさせることが可能となるため、放熱性に優れ、コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)における熱交換効率の向上を図ることができる。
冷凍装置用バッテリ3は、この車両用冷凍装置1の動作用電源として機能する。本実施形態の冷凍装置用バッテリ3は、冷凍車Cに搭載されたエンジンの始動時に電力を供給する車両用バッテリ5とは別体であり、例えばDC12Vの電源電圧に定められた鉛バッテリ等からなる。そして、前述のエバポレータファンモータやコンデンサファンモータ(共に不図示)は、冷凍装置用バッテリ3の定格電圧に応じたDC12Vで動作する。
DC/DCコンバータ2は、冷凍装置用バッテリ3からのDC12V電源を第1および第2コンプレッサ21A,21Bの動作に適した電圧まで昇圧する。本実施形態では、DC12VをDC300Vまで昇圧する。
なお、ここでは図示省略するが、かかる車両用冷凍装置1は、冷凍車Cの車室(キャブ)内における運転席近傍のダッシュパネル付近等にスイッチ群、表示部および制御部を備えている。スイッチ群は、例えば、運転開始や運転停止を指示するON/OFFスイッチといった各種のスイッチによって構成されている。また、表示部は、例えば、車両用冷凍装置1の設定温度や電圧などを表示する。
制御部は、車両用冷凍装置1における各種操作の制御を行う。例えば、表示部を制御して各種の情報を表示させたり、不図示の庫内温度センサからの検出信号に基づき、検出温度を認識したり、ファンモータを制御したりする。
駆動部は、制御部と通信可能に構成されており、必要な情報を制御部との間で送受信している。また、駆動部は、本体フレーム9に配置され、車両用冷凍装置1における各種の制御を行う。例えば、駆動部は、制御部から伝送される制御信号に基づいて第1および第2コンプレッサ21A,21Bを駆動制御したり、エバポレータファンモータやコンデンサファンモータの動作を制御したりする。
第1および第2エバポレータ12A,12Bを通過した冷媒は第1および第2コンプレッサ21A,21Bに送られて圧縮される。これにより、冷媒は再び高温高圧の気体になる。この高温高圧の冷媒をコンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)に導いて外気と熱交換させる。この熱交換によって、冷媒に吸収された熱が外気に放出される。コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)から送出された液化された冷媒は、第1および第2電子膨張弁14A,14Bで減圧され、気化が促進される。そして、第1および第2電子膨張弁14A,14Bからの冷媒は、第1および第2エバポレータ12A,12Bに送られ、空気の冷却に再度用いられる。
<車両用冷凍装置の運転制御方法>
ここで、車両用冷凍装置1における運転制御方法について説明する。かかる運転制御方法は、制御部によって車両用冷凍装置1の消費電力を低く抑える運転モードとして運転され、図4に示すように、冷凍装置1が初期状態(例えば、冷凍コンテナK内の温度がプラス35℃〜第一の設定温度である0℃まで)においては(SP1:YES)、蒸発温度の高い冷媒R134aを用いるエバポレータ12Bを使用した中温用冷凍サイクルを運転させる(SP2)。このとき、冷凍コンテナK内の温度が第一の設定温度以下となっている場合(SP1:NO)、後述するSP4へ移行する。
次に、初期状態を経過した(すなわち、冷凍コンテナK内の温度が第一の設定温度に到達した)後は(SP3:YES)、初期状態において運転した蒸発温度が高い冷媒R134aを用いるエバポレータ12Bを使用した冷凍サイクルを停止させ、冷凍コンテナK内の設定目標温度である第二の設定温度(例えば、マイナス20℃)に到達するまで、蒸発温度の低い冷媒R404Aを用いるエバポレータ12Aを使用した低温用冷凍サイクルを運転させる(SP4)。このとき、冷凍コンテナK内の温度が第一の設定温度に到達していなければ(SP3:NO)、SP2へ移行し、中温用冷凍サイクルの運転を継続させる。
この後、冷凍コンテナK内の温度が第二の設定温度に到達すると(SP5:YES)、低温用冷凍サイクルを停止させるか、または出力を低減して運転させ(SP6)、冷凍装置1の作動が不要となった場合(SP7:YES)、当該冷凍装置1の作動を停止する。このとき、冷凍コンテナK内の温度が第二の設定温度に到達していなければ(SP5:NO)、SP4へ移行し、低温用冷凍サイクルの運転を継続させる。
このように、冷凍コンテナK内の設定温度を使用する冷媒の種類に応じて複数段階に設定(例えば、冷媒の種類が2つであれば、設定温度は2段階で設定)し、それに応じた冷凍サイクル(例えば、中温用冷凍サイクル・低温用冷凍サイクル)を適宜選択して運転することで、冷凍コンテナK内を第二の設定温度まで冷却する過程において、途中の第一の設定温度までは中温用冷凍サイクルで冷却され、冷凍コンテナK内の温度が一定温度以下となるため、低温用冷凍サイクルで運転してもシステム全体で大きな負荷となることはない。そのため、車両用冷凍装置1のように電動圧縮機を用いた場合、大幅に消費電力を削減することができる。また、これら中温用冷凍サイクルおよび低温用冷凍サイクルを同時に使用した場合、効果的な急速冷凍を実現できる。
<まとめ>
以上、説明したように、本実施形態の車両用冷凍装置1は、冷凍車Cの荷台に設けられた冷凍コンテナK内を冷却するためのものであって、冷媒を圧縮するコンプレッサユニット21と、外気と熱交換することでコンプレッサユニット21にて圧縮されて高温高圧となった冷媒から熱を放出させるコンデンサユニット20とが、それぞれ冷媒の種類に応じて少なくとも2つずつ(第1および第2コンプレッサ21A,21B、第1および第2コンデンサ22A,22B)設けられてなる外部ユニット部と、冷凍コンテナK内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニット10が、冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ(第1および第2エバポレータ12A,12B)設けられてなる内部ユニット部とによって構成されている。そして、各コンプレッサユニット21(第1および第2コンプレッサ21A,21B)、コンデンサユニット20(第1および第2コンデンサ22A,22B)およびエバポレータユニット10(第1および第2エバポレータ12A,12B)によって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられており、少なくとも電動圧縮機である第1および第2コンプレッサ21A,21Bを含む装置全体の動作を制御する制御部は、複数の冷凍サイクルの中から、冷凍コンテナK内の第一の設定温度と、この第一の設定温度よりも低い第二の設定温度とに対応する冷凍サイクルを選択し、当該選択した冷凍サイクルの運転を制御するようになっている。
このとき、冷凍システムの核となるコンプレッサ(第1および第2コンプレッサ21A,21B)を電動化することにより、エバポレータユニット10以外の構成部品を冷凍機本体7として一体化することができ、複数の冷凍システムを一体化して搭載できる。これは、搭載上、架装工事する上で極めて効果的である。
そして、コンプレッサユニット21およびコンデンサユニット20が外部ユニット部として、またエバポレータユニット10が内部ユニット部としてユニット化されるため、車両用冷凍装置1の取り付けに要する構成部品、時間および労力を大幅に削減することができる。
また、冷凍サイクルの構成要素(コンプレッサユニット21・コンデンサユニット20・エバポレータユニット10)毎に機能が完結しており、ユニット化によって冷媒配管(各種配管15〜17)が短縮化され、それらの配設も簡略化できる。このため、装置全体としてコンパクト化を図ることができ、コンプレッサユニット21とエバポレータユニット10とコンデンサユニット20の取付スペースを削減でき、冷凍コンテナK内の空間におけるエバポレータユニット10の占有面積を削減することができる。しかも、各要素の設計変更、仕様変更等に柔軟に対応でき、設計の自由度を広げることができる上、メンテナンス性にも優れている。
また、外部ユニット部に冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ設けられるコンプレッサユニット21(第1および第2コンプレッサ21A,21B)、コンデンサユニット20(第1および第2コンデンサ22A,22B)と、内部ユニット部に冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ設けられるエバポレータユニット10(第1および第2エバポレータ12A,12B)と、によって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒(R404A・R134a)が用いられ、荷室内の設定温度に対応して、異なる種類の冷媒を用いた複数の冷凍サイクル(中温用冷凍サイクル・低温用冷凍サイクル)の中から適宜、最適な冷凍サイクルを選択できるので、冷凍コンテナK内を所望の温度で効率良く温度管理できる。よって、コンプレッサユニット21における第1および第2コンプレッサ21A,21Bの負担を減らすことができるため、消費電力を大幅に削減でき、冷凍サイクルの効率化を図ることができる。これにより、圧縮機作動をエンジン動力に依存していた従来の小型冷凍車から大型冷凍車までの幅広い車種の機械式冷凍車の電動化が可能となる。このような電動圧縮機を用いた電動式冷凍車はエンジン停止中においても冷凍装置1を稼働させることが可能となるため停車時における排気ガスゼロ・騒音低減・燃費向上・正確な温度管理など電動化のメリットは大きい。さらに、複数の冷凍サイクルを同時に稼働させることで、急速冷凍に対応することができる。
かくして、本発明に係る車両用冷凍装置1では、冷凍コンテナK内における搬送物の積載スペースを狭めることなく、且つ、取付作業に要する構成部品、時間、労力およびランニングコストを大幅に削減できると共に、冷凍コンテナK内を所望の温度で効率良く温度管理できる。
しかも、車両用冷凍装置1は、専用の冷凍装置用発電機4または商用電源から電力を取り込む充電器8によって充電される冷凍装置用バッテリ3を電源として備えているので、従来のような車両のエンジンを利用してコンプレッサ(第1および第2コンプレッサ21A,21B)を駆動する必要がない。換言すれば、車両用冷凍装置1の作動をエンジンに依存する必要がない。よって、配達等で停車する場合にエンジンを停止しても、車両用冷凍装置1は独立して運転の継続が可能なため、冷凍コンテナK内の低温状態を維持できる。すなわち、停車中においても冷凍車Cのエンジンをアイドリング状態とする必要がないため、消費燃料の増加や排出ガスによる環境汚染を未然に回避できる。
さらに、冷凍装置用バッテリ3を充電する手段として商用電源から電力を取り込む充電器8を備えることにより、走行中においてはエンジンによって駆動される専用の冷凍装置用発電機4を用いて冷凍装置用バッテリ3を充電できると共に、停車中においては商用電源を確保できる場合、車両のエンジンを駆動することなく、当該商用電源から電力を取り込む充電器8により冷凍装置用バッテリ3を充電できる。
しかも、冷凍機本体7(コンプレッサユニット21およびコンデンサユニット20)は、本体フレーム9に設けられるケーシングによって覆われており、当該ケーシングには、進行方向前方から外気を取り込むための吸気口が設けられている。また、このケーシングには、熱を上方に向けて放出するための放熱部が設けられていることにより、車両C前方からの風(外気)を取り込み易く、コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)の吹き出しをスムーズにさせることができる。よって、放熱性に優れ、コンデンサ22(第1および第2コンデンサ22A,22B)における熱交換効率の向上を図ることができる。
さらに、膨張弁としてデジタル制御の電子膨張弁(第1および第2電子膨張弁14A,14B)を使用することにより、冷媒の種類によって限定されるアナログ式エキスパンションバルブとは異なり、冷媒の変動に柔軟に対応可能となる分、冷凍システムにおいて冷媒を自由に入れ替えできる。
しかも、ホットガス配管17を冷媒配管(高温・高圧配管15および低圧・戻り配管16)と並列に設置し、冷媒配管毎に2つずつ設けられた電磁弁(第1および第2電磁弁24A1,24B1および24A2,24B2)により冷媒配管の流れを切り替えることにより、冷凍コンテナK内の加温(霜取り)も可能となる。これは、冷凍時、第1および第2コンデンサ22A,22Bを経由する配管(高温・高圧配管15)を使用し、加温時、第1および第2コンデンサ22A,22Bを経由することなく、第1および第2コンプレッサ21A,21Bにより圧縮され高温となったガスを第1および第2エバポレータ12A,12Bに直接送るホットガス配管17を使用することにより可能となる。
<変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、その均等物も含まれる。
例えば、図1との対応部分に同一符号を付した図5に示す車両用冷凍装置100のように、冷凍コンテナK内が区画壁11によって複数(2つ)の室K1,K2に区画されていてもよい。そして、冷凍車Cの荷台に搭載される荷室としての冷凍コンテナKにおける複数に区画された各室K1,K2内を、それぞれ任意の温度で冷却(すなわち、冷凍や冷蔵)する。
この場合、冷凍コンテナKの複数に区画された各室K1,K2を冷却するための冷凍サイクルを構築するコンプレッサユニット21(第1および第2コンプレッサ21A,21B)、コンデンサユニット20(第1および第2コンデンサ22A,22B)、第1および第2エバポレータユニット10A,10Bが、各室K1,K2に対応した系統(この場合、2系統)設けられ、これら2系統は、システム的に完全に独立しているため、各室K1,K2を管理する温度設定に応じて、それぞれの冷凍サイクルに種類の異なる冷媒を選択することができる。
よって、例えば、第1室K1には蒸発温度の低く冷凍能力の大きいR404Aを選定する一方、第2室K2には蒸発温度が比較的高いR134aを選定するなどのように、管理する温度設定に応じて、それぞれ異なる種類の冷媒を選択することにより、コンプレッサ(第1および第2コンプレッサ21A,21B)にとって負荷の大きい、例えばR404Aを必要な荷室のみに限定でき、車両用冷凍装置1全体の負荷の軽減に寄与することができる。また、必要に応じて冷媒を入れ替えることが可能であるので、荷室温度設定の自由度が大きくなる。
因みに、ここで説明した図5の車両用冷凍装置100は、エバポレータユニット10が区画された冷凍コンテナK内の第1室K1,第2室K2に対応して、第1および第2エバポレータ12A,12Bの2つを備えたエバポレータ12によって構築されている点と、この第2エバポレータユニット12Bが冷凍機本体7とは別体で(つまり、本体フレーム9に組付けられることなく)単体として冷凍コンテナK内の第2室K2内に取り付けられている点とを除き、上述した図1および図3の車両用冷凍装置1と、ほぼ同様の構成からなることは言うまでもない。このとき、冷凍機本体7と第2エバポレータユニット12Bとは、区画壁11に穿設された孔11Aを介して挿通された配管15,16によって接続されている。
このように、冷凍コンテナK内が複数の室に区画された場合、複数の室(第1室K1,第2室K2)に応じた複数の内部ユニット部が設けられると共に、外部ユニット部には、内部ユニット部の数に応じた複数のコンデンサユニット20および複数のコンプレッサユニット21が設けられ、これら第1および第2室K1,K2のうち、1つの室(第1室K1)には本体フレーム9を介して外部ユニット部と、少なくとも1つの内部ユニット部とが取り付けられ、他の室(第2室K2)には他の内部ユニット部が取り付けられることにより、冷凍サイクルの構成要素(コンプレッサユニット21・エバポレータユニット10A,10B・コンデンサユニット20等)毎に機能が完結しており、各室K1,K2毎に設けられる内部ユニット部の数に応じて、コンデンサユニット20およびコンプレッサユニット21を外部ユニット部に設けるため、冷凍コンテナK内が複数の室に区画された場合であっても、各要素の設計変更、仕様変更等に柔軟に対応でき、設計の自由度を広げることができるメリットを備えている。
また、上述した実施形態においては、外部ユニット部としての冷凍機本体7が本体フレーム9を介して冷凍コンテナKの外壁部に取り付けられ、内部ユニット部としてのバポレータユニット10が冷凍コンテナKの内壁部に取り付けられる場合について述べたが、本発明はこれに限ることはない。例えば、外部ユニット部を荷室外部側に、内部ユニット部を荷室内部側に配置し、これらの境界部位に隔壁部が介在するように1つの本体フレームに一体的に組付けると共に、冷凍コンテナKにおける進行方向前方の上方の位置に、本体フレームの荷室内部側に配置されるエバポレータユニット10に対応する取付開口部を貫設し、隔壁部を境に荷室外部側と荷室内部側との重量バランスが略均等となるように本体フレームを介して冷凍コンテナKに取り付けるようにしても良い。
このとき、本体フレームは、冷凍コンテナKの取付開口部に対して、エバポレータユニット10側を挿入し、隔壁部によって取付開口部を塞ぐことで、当該エバポレータユニット10を冷凍コンテナK内に配置した状態で取り付けられ、本体フレームは、当該冷凍コンテナKの外壁面に沿うように当接し、取付開口部を閉塞することが好ましい。
これにより、コンプレッサユニット21およびコンデンサユニット20を配置する荷室外部側と、エバポレータユニット10を配置する荷室内部側と、が本体フレームにおいて隔壁部を中心に略均等な重量バランスで配置されるため、冷凍コンテナKに取り付けられた状態において、取付開口部を介して冷凍コンテナKの内側と外側とで重量配分を均等にすることができ、当該取付開口部への曲げモーメントを軽減することができる。よって、従来、荷室内部の天井部等に設けられていた補強部材等が不要になる利点を備えることができる。
また、本体フレームを冷凍コンテナKの取付開口部に取り付けるだけで、荷室内部側に配置されたエバポレータユニット10を冷凍コンテナK内に配置した状態で車両用冷凍装置を取り付けることができる。このとき、冷凍コンテナKに本体フレームの形状に応じた取付開口部を用意するだけで、各種の車両に適用することができるので、汎用性を高めることができる。また、隔壁部が冷凍コンテナKの取付開口部周辺に当接した状態で取り付けられるため、当該取付開口部の周囲を隔壁部によって覆うことができ、この取付開口部から冷凍コンテナK内の冷気が漏れるのを未然に防止でき、密閉性を確保できる。
なお、上述した実施形態において、車両としては貨物自動車を用いた冷凍車Cを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、荷室として冷凍コンテナを搭載可能な車両であれば、例えば、軽トラックやピックアップタイプ、バン型車両を含む様々な大きさ(小型〜大型)の貨物自動車、キャンピングカー等のレジャー用車両、特殊車両等の種々の車両を広く適用することができる。
また、上述した実施形態においては、冷凍装置用バッテリ3として、DC12Vの電源電圧に定められた鉛バッテリ等を適用する場合について述べたが、一例であってこれに限らず、この他、例えば、DC24VやDC48V等の車種等に応じた様々な電源電圧に定められたものであっても良いことは言うまでもない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、次のような各種の形態を含むものであることを付記しておく。
(1)車両に設けられた荷室内を冷却するための車両用冷凍装置であって、
冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
を前記冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ有する外部ユニット部と、
前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットを、前記冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ有する内部ユニット部と、
少なくとも前記電動圧縮機を含む装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、
前記各コンプレッサユニット、コンデンサユニットおよびエバポレータユニットによって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
前記制御部は、前記複数の冷凍サイクルの中から、前記荷室内の第一の設定温度と、前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度とに対応する冷凍サイクルを選択し、当該選択した冷凍サイクルの運転を制御する
ことを特徴とする車両用冷凍装置。
(2)前記エバポレータユニットは、
前記コンデンサユニットおよび前記コンプレッサユニットと連通し、前記冷媒が流れる流路を有する蒸発器を、前記冷媒の種類に対応して複数備えており、
それぞれ前記流路が平行に重なる方向に、前記異なる種類の冷媒に対応した各前記蒸発器を交互に配置してなる
ことを特徴とする(1)に記載の車両用冷凍装置。
(3)前記外部ユニット部および前記内部ユニット部が一体化して組付けられる本体フレームを更に備え、
前記本体フレームは、
前記外部ユニット部を配置する荷室外部側と、前記内部ユニット部を配置する荷室内部側とが隔壁部を介在して隣接した状態で一体化されており、
前記隔壁部を中心として、前記荷室外部側と前記荷室内部側とを略均等な重量バランスで配置している
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の車両用冷凍装置。
これによれば、コンプレッサユニットおよびコンデンサユニットを配置する荷室外部側と、エバポレータユニットを配置する荷室内部側と、が本体フレームにおいて隔壁部を中心に略均等な重量バランスで配置されるため、荷室(冷凍コンテナ)に取り付けられた状態において、取付開口部を介して荷室の内側と外側とで重量配分を均等にすることができ、当該取付開口部への曲げモーメントを軽減することができる。
(4)前記荷室には、前記車両の進行方向前方における上方の位置に前記本体フレームの前記隔壁部に対応する取付開口部が貫設されており、
前記本体フレームは、前記荷室内部側を前記取付開口部に挿入して嵌め込まれた状態で、且つ、前記隔壁部が前記荷室の前記取付開口部周辺に当接した状態で前記荷室に取り付けられている
ことを特徴とする(3)に記載の車両用冷凍装置。
これによれば、本体フレームを荷室(冷凍コンテナ)の取付開口部に取り付けるだけで、荷室内部側に配置されたエバポレータユニットを荷室の内部に配置した状態で車両用冷凍装置を取り付けることができる。このとき、荷室に本体フレームの形状に応じた取付開口部を用意するだけで、各種の車両に適用することができるので、汎用性を高めることができる。また、隔壁部が荷室の取付開口部周辺に当接した状態で取り付けられるため、当該取付開口部の周囲を隔壁部によって覆うことができ、この取付開口部から荷室内の冷気が漏れるのを未然に防止でき、密閉性を確保できる。
(5)前記車両のエンジンにより駆動され、前記コンプレッサユニット、前記エバポレータユニットおよび前記コンデンサユニット専用に設けられた発電機と、
前記発電機により充電されるバッテリと、
前記バッテリを電源として電力を入力し、当該入力した電力を前記制御部による制御に基づき、前記電動圧縮機を駆動するための電力に変換して供給する電力変換装置と、
商用電源から電力を取り込み、交流出力から直流に変換して整流する充電器と、を更に備え、
前記バッテリは、前記発電機または前記充電器により充電される
ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の車両用冷凍装置。
(6)前記荷室内が複数の室に区画された場合、
複数の前記室に応じた複数の前記内部ユニット部が設けられると共に、
前記外部ユニット部には、前記内部ユニット部の数に応じた複数の前記コンデンサユニットおよび複数の前記コンプレッサユニットが設けられる
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の車両用冷凍装置。
(7)前記複数の室のうち、1つの室には前記本体フレームを介して前記外部ユニット部と、少なくとも1つの前記内部ユニット部とが取り付けられ、他の室にはそれぞれ前記内部ユニット部が取り付けられる
ことを特徴とする(6)に記載の車両用冷凍装置。
このように、前記複数の室のうち、1つの室には前記本体フレームを介して前記外部ユニット部と、少なくとも1つの前記内部ユニット部とが取り付けられ、他の室にはそれぞれ前記内部ユニット部が取り付けられるようにすることで、各室における車両用冷凍装置の取付スペースを削減でき、荷室(冷凍コンテナ)内の空間におけるエバポレータユニットの占有面積を削減することができる。
(8)冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットと、を有する冷凍サイクルを、前記冷媒の種類に応じて少なくとも2つ備えると共に、
少なくとも前記電動圧縮機の動作を含む装置全体の動作を制御する制御部を備え、
車両に設けられた荷室内を冷却する車両用冷凍装置の運転制御方法であって、
前記各冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
前記制御部は、
前記荷室内の設定温度が第一の設定温度である場合、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、
前記荷室内の設定温度が第一の設定温度よりも低い第二の設定温度である場合、前記荷室内の設定温度が前記第一の設定温度に到達するまで、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、前記第一の設定温度に到達すると、前記選択した冷凍サイクルから前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルに切り替えるようにして、これら冷凍サイクルを運転させる
ことを特徴とする車両用冷凍装置の運転制御方法。
(9)前記制御部は、
前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度である場合、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、を同時に運転させ、前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度に到達すると、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルのみを停止させる
ことを特徴とする車両用冷凍装置の運転制御方法。
1 車両用冷凍装置
2 DC/DCコンバータ(電力変換装置)
3 冷凍装置用バッテリ(バッテリ)
4 冷凍装置用発電機(発電機)
5 車両用バッテリ
6 車両用発電機
7 冷凍機本体
8 充電器
9 本体フレーム
10 エバポレータユニット
10A 第1エバポレータユニット
10B 第2エバポレータユニット
11 区画壁
12 エバポレータ(蒸発器)
12A 第1エバポレータ(蒸発器)
12B 第2エバポレータ(蒸発器)
13A 第1温度センサ(感温筒)
13B 第2温度センサ(感温筒)
14A 第1電子膨張弁
14B 第2電子膨張弁
15 高温・高圧配管
16 低圧・戻り配管
17 ホットガス配管
20 コンデンサユニット
21 コンプレッサユニット
21A 第1コンプレッサ(圧縮機)
21B 第2コンプレッサ(圧縮機)
22 コンデンサ(凝縮器)
22A 第1コンデンサ(凝縮器)
22B 第2コンデンサ(凝縮器)
23 コンデンサファン
24A1,24B1 第1電磁弁
24A2,24B2 第2電磁弁
25A,25B チェックバルブ
40 荷室隔壁部
C 冷凍車(車両)
K 冷凍コンテナ(荷室)
K1 第1室
K2 第2室

Claims (6)

  1. 車両に設けられた荷室内を冷却するための車両用冷凍装置であって、
    冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
    外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
    を前記冷媒の種類に応じて、それぞれ少なくとも2つずつ有する外部ユニット部と、
    前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットを、前記冷媒の種類に応じて、少なくとも2つ有する内部ユニット部と、
    少なくとも前記電動圧縮機を含む装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記各コンプレッサユニット、コンデンサユニットおよびエバポレータユニットによって構築される複数の冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
    前記制御部は、前記複数の冷凍サイクルの中から、前記荷室内の第一の設定温度と、前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度とに対応する冷凍サイクルを選択し、当該選択した冷凍サイクルの運転を制御する
    ことを特徴とする車両用冷凍装置。
  2. 前記エバポレータユニットは、
    前記コンデンサユニットおよび前記コンプレッサユニットと連通し、前記冷媒が流れる流路を有する蒸発器を、前記冷媒の種類に対応して複数備えており、
    それぞれ前記流路が平行に重なる方向に、前記異なる種類の冷媒に対応した各前記蒸発器を交互に配置してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用冷凍装置。
  3. 前記車両のエンジンにより駆動され、前記コンプレッサユニット、前記エバポレータユニットおよび前記コンデンサユニット専用に設けられた発電機と、
    前記発電機により充電されるバッテリと、
    前記バッテリを電源として電力を入力し、当該入力した電力を前記制御部による制御に基づき、前記電動圧縮機を駆動するための電力に変換して供給する電力変換装置と、
    商用電源から電力を取り込み、交流出力から直流に変換して整流する充電器と、を更に備え、
    前記バッテリは、前記発電機または前記充電器により充電される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用冷凍装置。
  4. 前記荷室内が複数の室に区画された場合、
    複数の前記室に応じた複数の前記内部ユニット部が設けられると共に、
    前記外部ユニット部には、前記内部ユニット部の数に応じた複数の前記コンデンサユニットおよび複数の前記コンプレッサユニットが設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用冷凍装置。
  5. 冷媒を圧縮する電動圧縮機を有するコンプレッサユニットと、
    外気と熱交換することで前記コンプレッサユニットにて圧縮された前記冷媒から熱を放出させるコンデンサユニットと、
    前記荷室内の空気を前記冷媒と熱交換させて冷却するエバポレータユニットと、を有する冷凍サイクルを、前記冷媒の種類に応じて少なくとも2つ備えると共に、
    少なくとも前記電動圧縮機の動作を含む装置全体の動作を制御する制御部を備え、
    車両に設けられた荷室内を冷却する車両用冷凍装置の運転制御方法であって、
    前記各冷凍サイクルのうち、一部の冷凍サイクルと、他の冷凍サイクルとで、異なる種類の冷媒が用いられ、
    前記制御部は、
    前記荷室内の設定温度が第一の設定温度である場合、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、
    前記荷室内の設定温度が第一の設定温度よりも低い第二の設定温度である場合、前記荷室内の設定温度が前記第一の設定温度に到達するまで、前記各冷凍サイクルの中から、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルを選択し、前記第一の設定温度に到達すると、前記選択した冷凍サイクルから前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルに切り替えるようにして、これら冷凍サイクルを運転させる
    ことを特徴とする車両用冷凍装置の運転制御方法。
  6. 前記制御部は、
    前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度である場合、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、前記第二の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルと、を同時に運転させ、前記荷室内の設定温度が前記第二の設定温度に到達すると、前記第一の設定温度に対応した冷媒を用いる冷凍サイクルのみを停止させる
    ことを特徴とする車両用冷凍装置の運転制御方法。
JP2016170876A 2016-09-01 2016-09-01 車両用冷凍装置の運転制御方法 Active JP6796321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016170876A JP6796321B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 車両用冷凍装置の運転制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016170876A JP6796321B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 車両用冷凍装置の運転制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018036015A true JP2018036015A (ja) 2018-03-08
JP6796321B2 JP6796321B2 (ja) 2020-12-09

Family

ID=61565287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016170876A Active JP6796321B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 車両用冷凍装置の運転制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6796321B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019205490A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 株式会社モリタホールディングス 消防用車両
CN110979147A (zh) * 2019-12-05 2020-04-10 上海康展物流有限公司 一种冷链运输车及其车内温度检测方法

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6136256U (ja) * 1984-07-31 1986-03-06 ダイキン工業株式会社 給湯機
JPS61291882A (ja) * 1985-06-18 1986-12-22 太田 恵三 冷凍冷蔵切換庫
JPS6261819A (ja) * 1985-09-10 1987-03-18 Nippon Denso Co Ltd 冷房装置
JPH02213678A (ja) * 1989-02-13 1990-08-24 Nippondenso Co Ltd 車載用冷凍装置の運転制御方法
JPH07332776A (ja) * 1994-06-07 1995-12-22 Hitachi Ltd 異種冷媒を用いた空気調和機
JPH09145222A (ja) * 1995-11-22 1997-06-06 Hiroshi Yanagisawa 大型冷蔵装置
JPH1038396A (ja) * 1996-07-26 1998-02-13 Hitachi Ltd 冷凍装置の運転制御方法
JP2002370518A (ja) * 2001-06-13 2002-12-24 Sanyo Electric Co Ltd 荷室用空調ユニット及び搬送車
JP2004286363A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Toshiba Kyaria Kk 冷凍車
JP2005265252A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Toshiba Kyaria Kk 冷凍装置および冷凍車
CN101326410A (zh) * 2005-12-07 2008-12-17 开利公司 使用不同制冷剂的多管路制冷系统
CN102967104A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 三星电子株式会社 冰箱及控制该冰箱的方法
JP2015068626A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 有限会社 エートゥゼット 温度管理ユニット、温度管理庫及び温度管理車
JP2016121829A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社前川製作所 冷凍装置及びその制御方法
CN107014133A (zh) * 2015-12-08 2017-08-04 Lg电子株式会社 冰箱及其控制方法
JP2017144932A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 株式会社日章冷凍 車両用冷凍装置

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6136256U (ja) * 1984-07-31 1986-03-06 ダイキン工業株式会社 給湯機
JPS61291882A (ja) * 1985-06-18 1986-12-22 太田 恵三 冷凍冷蔵切換庫
JPS6261819A (ja) * 1985-09-10 1987-03-18 Nippon Denso Co Ltd 冷房装置
JPH02213678A (ja) * 1989-02-13 1990-08-24 Nippondenso Co Ltd 車載用冷凍装置の運転制御方法
JPH07332776A (ja) * 1994-06-07 1995-12-22 Hitachi Ltd 異種冷媒を用いた空気調和機
JPH09145222A (ja) * 1995-11-22 1997-06-06 Hiroshi Yanagisawa 大型冷蔵装置
JPH1038396A (ja) * 1996-07-26 1998-02-13 Hitachi Ltd 冷凍装置の運転制御方法
JP2002370518A (ja) * 2001-06-13 2002-12-24 Sanyo Electric Co Ltd 荷室用空調ユニット及び搬送車
JP2004286363A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Toshiba Kyaria Kk 冷凍車
JP2005265252A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Toshiba Kyaria Kk 冷凍装置および冷凍車
CN101326410A (zh) * 2005-12-07 2008-12-17 开利公司 使用不同制冷剂的多管路制冷系统
CN102967104A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 三星电子株式会社 冰箱及控制该冰箱的方法
JP2015068626A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 有限会社 エートゥゼット 温度管理ユニット、温度管理庫及び温度管理車
JP2016121829A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社前川製作所 冷凍装置及びその制御方法
CN107014133A (zh) * 2015-12-08 2017-08-04 Lg电子株式会社 冰箱及其控制方法
JP2017144932A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 株式会社日章冷凍 車両用冷凍装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019205490A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 株式会社モリタホールディングス 消防用車両
JP7112887B2 (ja) 2018-05-28 2022-08-04 株式会社モリタホールディングス 消防用車両
CN110979147A (zh) * 2019-12-05 2020-04-10 上海康展物流有限公司 一种冷链运输车及其车内温度检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6796321B2 (ja) 2020-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11407275B2 (en) Heat flow management device and method for operating a heat flow management device
US11179994B2 (en) Heat pump for automobile
JP6574649B2 (ja) 車両用冷凍装置
US20190135075A1 (en) Heat pump system for vehicle
US20020129613A1 (en) Cryogenic refrigeration unit suited for delivery vehicles
US20010027663A1 (en) Modular low-pressure delivery vehicle air conditioning system having an in-cab cool box
US9789744B2 (en) Transport refrigeration system utilizing engine waste heat
US6895764B2 (en) Environmentally friendly method and apparatus for cooling a temperature controlled space
US10563900B2 (en) Transport refrigeration unit with evaporator deforst heat exchanger utilizing compressed hot air
US20110139397A1 (en) Method For Controlling The Passenger Compartment Temperature Of An Electrically Operated Vehicle And An Air-Conditioning System For The Electrically Operated Vehicle
US20070283703A1 (en) Air conditioning unit for vehicles and method of operating the same
US6694765B1 (en) Method and apparatus for moving air through a heat exchanger
JPH11301255A (ja) 車両用空調装置
KR102020930B1 (ko) 냉매 회로, 특히 전기 또는 하이브리드 파워트레인을 포함한 차량들용 냉매 회로 및 상기 냉매 회로의 작동 방법
MXPA06003967A (es) Sistema de calefaccion y climatizacion para vehiculos.
EP1145089A2 (en) Hybrid temperature control system
US8468843B2 (en) Temperature control system in a parked vehicle
US20070193292A1 (en) Air conditioning system
JP2017144932A (ja) 車両用冷凍装置
JP6796321B2 (ja) 車両用冷凍装置の運転制御方法
US10365027B2 (en) Simplified and energy efficient multi temperature unit
GB2523264A (en) Thermal management system for a vehicle, in particular a commercial vehicle
JP7271470B2 (ja) 車両用冷却装置及びこれを用いた冷却方法
WO2016174898A1 (ja) 車両用冷凍装置
US11970048B2 (en) Methods and systems for defrosting a transport climate control system evaporator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200818

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200818

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200826

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6796321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250