以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
この実施形態では、グリル付きガスコンロに適用して説明する。
この実施形態のグリル付きガスコンロAは、図1に示すように、コンロ本体1の上部に、コンロバーナを有する3つのガスコンロ部2a〜2cを備え、コンロ本体1の左右中央には、グリルバーナ(図示せず)を内装すると共に、グリル扉3aを前方に備えるグリル皿(図示せず)を前面から出し入れ可能に装着したグリル3を備えている。
このグリル付きガスコンロAは、図示しないキッチンキャビネットに落とし込み装着されるビルトインタイプである。
コンロ本体1の上部は、天板4で覆われると共に、コンロ奥端の上面にグリル3の燃焼排ガスを排出するためのグリル排気口5が設けられている。
この実施形態では、天板4の手前側の左右に配設したガスコンロ部2a,2bが、高火力バーナのガスコンロ部2a,2bとなっている。また、奥側(後側)の中央部に配設したガスコンロ部2cが、炊飯調理を行う小火力バーナのガスコンロ部2cとなっている。
各ガスコンロ部2a〜2cには、調理容器の底部、例えば鍋の底部の温度を検出するサーミスタからなる温度センサ7a〜7cがそれぞれ装備されていると共に、対応する五徳6a〜6cがそれぞれ載置されている。
各ガスコンロ部2a〜2cには、図示していないが、コンロバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、コンロバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対とが設けられ、グリル3にも同様に、グリルバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、グリルバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられる。点火プラグは、後述する加熱状態調節部12a〜12cにおける点火操作によってマイクロコンピュータからなる制御部11(図2参照)により点火動作が行われ、熱電対において検出された着火(点火)情報は制御部11に認識されて、制御部11により点火プラグでの点火処理を終了する。
各コンロバーナ及びグリルバーナには、図2に示すように、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路8からそれぞれ分岐する分岐供給路8aが接続されている。なお、この図2では、ガスコンロ部2aのコンロバーナのみを代表的に示している。燃料供給路8には、電磁弁9が設けられると共に、各分岐供給路8aには、ガス燃料の供給量の調節を行うためステッピングモータにより駆動されて弁体の開度位置の微調整が可能な流量制御弁10と、前記弁体の開度位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けられている。電磁弁9及び流量制御弁10は、制御部11によって制御され、位置センサにおける検出情報は、制御部11によって認識・処理される。また、流量制御弁10は、対応するコンロバーナ又はグリルバーナが使用されない時には、流量を零にして遮断状態となるように切り換えられる。
図1に示すように、コンロ本体1の前面の左右上部には、各ガスコンロ部2a〜2cのコンロバーナの点火、消火、火力調節の操作をそれぞれ行うための3つの加熱状態調節部12a〜12cが設けられている。この実施形態では、前面の左側に、高火力バーナのガスコンロ部2aの加熱状態調節部12aを配設し、前面の右側に、高火力バーナのガスコンロ部2bの加熱状態調節部12b、及び、小火力バーナのガスコンロ部2cの加熱状態調節部12cを配設している。
また、前面の右側上部には、制御部11をはじめ電磁弁9や流量制御弁10、入力部や加熱状態調節部12a〜12c等の各部への電源の入切を行う自動復帰型の押し釦式の電源スイッチ13が設けられている。
上記各加熱状態調節部12a〜12cは、前後方向に移動自在な押釦により構成され、ガスコンロ部2a〜2cの使用に当たっては、押釦よりなる加熱状態調節部12a〜12cを押圧して点火操作をすることで、後退していた加熱状態調節部12a〜12cが前方に突出して器具栓がONとなり、流出するガス燃料にスパーク放電がなされてガスコンロ部2a〜2cのコンロバーナに点火される。
この押釦よりなる加熱状態調節部12a〜12cが前方に突出した状態で、加熱状態調節部12a〜12cを指で摘んで回動操作すると、前記回動角度がロータリーエンコーダにより検出されて制御部11に認識される。制御部11は、前記回動角度に応じた開度位置となるようにステッピングモータにより流量制御弁10の弁体を駆動してガス流量を制御し、ガスコンロ部2a〜2cの火力を制御する。一方、消火にあたっては、前方に突出している加熱状態調節部12a〜12cを後方に押圧操作することで器具栓がOFFとなってガスコンロ部2a〜2cのコンロバーナが消火される。
コンロ本体1の前面の左右の下部には、操作パネル14,15が収納自在に設けられている。右側の操作パネル15には、グリル3に関する操作を行うためのグリル用調理設定入力部16が設けられ、この操作パネル15がグリル側操作パネルとなる。左側の操作パネル14には、各ガスコンロ部2a〜2cによる調理設定の入力を行うためのコンロ用調理設定入力部17が設けられ、この操作パネル14がコンロ側操作パネルとなっている。
図3に、操作パネル14のコンロ用調理設定入力部17を示している。このコンロ用調理設定入力部17は、左右のガスコンロ部2a,2bに対して調理設定の入力を行う左右用の設定入力部18a,18bと、奥側である後のガスコンロ部2cに対して調理設定の入力を行う後用の設定入力部18cとを備えている。
左右用の設定入力部18a,18bは、「湯沸し」、「温度設定」、「あぶり・高温炒め」の調理メニューをそれぞれ設定するための各メニュースイッチ19a,19b;20a,20b;21a,21bと、調理時間を設定するための「プラス」及び「マイナス」のタイマースイッチ22a,22b;23a,23bと、設定した入力を取り消すための取消しスイッチ24a,24bとを備えている。
後のガスコンロ部2cに対して調理設定の入力を行う後用の設定入力部18cは、自動炊飯の調理モードを設定するためのメニュースイッチ25を備えている。また、調理時間を設定するための「プラス」及び「マイナス」のタイマースイッチ22c,23cと、設定した入力を取り消すための取消しスイッチ24cとを備えている。
コンロ用調理設定入力部17の後用の設定入力部18cにおいて、自動で炊飯を行う自動炊飯の調理モードの設定入力が行われると、制御手段としての制御部11により予め設定された制御プログラムに従って、ガスコンロ部2cにおける火力調整、調理時間等が制御されて、コンロバーナによる加熱が制御される。この場合、鍋の底部の温度を温度センサ7cにより検出し、検出した鍋の底部の温度を、制御部11に入力してフィードバック制御により火力調整を行うと共に、加熱時間の調整を行うようになっている。この制御部11には、制御パラメータの初期値、及び、後述のように平衡温度が検出されない場合の予備の火力の切替え温度や予備の加熱の終了温度等が記憶される記憶部を有している。この制御部11は、後述の異常な通風状態の有無を検出する通風状態検出手段としての機能を有する。
各ガスコンロ部2a〜2cの使用に当たっては、手動により加熱を行う場合には、コンロ本体1の前面に露出している加熱状態調節部12a〜12cを直接指で操作して制御部11に指令を与えて点火、火力調整、消火を行うと共に、炊飯用のガスコンロ部2cで自動炊飯を行う場合には、後述のように、主として制御部11によりガス流量及び火力が調整される。
また、自動炊飯の終了、タイマ機能、あるいは、安全装置により異常が検出されることで、自動消火される場合があり、この場合には、加熱状態調節部12a〜12cは器具栓をONとする状態であっても安全弁により燃料ガスが遮断されて消火される。
次に、ガスコンロ部2cによる炊飯調理モードにおける炊飯調理の加熱制御について、図4を参照して説明する。この図4は、ガスコンロ部2cによる炊飯調理における温度センサ7cの検出温度、及び、ガスコンロ部2cのガスバーナであるコンロバーナの火力の変化を示す図である。この図4は、炊飯調理中に、温度センサ7cが、調理容器の温度を誤検出してしまうような異常な通風状態が生じていない正常な通風状態における変化を示している。
制御部11は、炊飯調理の加熱開始時t0に、ガスバーナの火力を、第1の火力としての「中火」に設定して加熱を開始し、温度センサ7cの検出温度が、基準温度Ts、例えば、90℃に達すると、その時点t1で火力を、「中火」よりも火力の弱い第2の火力としての「小火」に切替える。
制御部11は、加熱開始時t0から基準温度Tsに達するまでの経過時間T1を計測しており、この計測した経過時間T1に応じて、「小火」による加熱時間T2を決定する。調理容器内の調理物の量に応じて、計測する経過時間T1が変化するので、この経過時間T1に応じて、「小火」による加熱時間T2を決定する。
「小火」による加熱時間T2が経過すると、その時点t2で、火力を、「小火」から「中火」に切替え、加熱を継続する。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度に基づいて、平衡温度Teが検出される。
ここで、平衡温度とは、温度センサ7cによって検出される調理容器の温度が略一定の平衡状態となったときの調理容器の温度をいう。
この平衡温度Teは、例えば、一定の判定期間毎に、その判定期間内の温度センサ7cの検出温度の温度差が、一定の温度範囲内となったときに、平衡状態になったと判定し、前記判定期間の、例えば終了時点の温度を平衡温度Teとする。
図4の例では、平衡温度Teとして、時点t3において、例えば、100℃が検出されている。
制御部11は、検出された平衡温度Teに、予め定めた温度Tpを加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc、及び、炊飯の終了温度である加熱の終了温度Tcとして決定する。前記予め定めた温度Tpを、例えば、20℃とすると、図4の例では、
小火切替え温度Tc(=加熱の終了温度Tc)
=Te+Tp
=100℃+20℃
=120℃
となる。
なお、平衡温度Teを検出する「中火」での加熱期間T3において、何等かの理由で、平衡温度Teが検出されず、温度センサ7cの検出温度が上昇を続ける場合も想定される。そこで、かかる場合に対応するために、制御部11の記憶部には、予備の小火切替え温度Tc´及び予備の加熱の終了温度Tc´として、例えば、150℃が予め設定記憶されている。
制御部11は、平衡温度Teを検出した後、「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、上記のようにして決定した小火切替え温度Tcである120℃に達すると、その時点t4で、火力を、再び「小火」に切替える。
この小火による加熱期間T4は、予め定められた期間であり、この加熱期間T4が経過した時点t5で、制御部11は、火力を「中火」に切替える。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、加熱の終了温度Tcである120℃に達すると、その時点t6で、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
なお、「中火」での加熱期間T3において、平衡温度Teが検出されず、温度センサ7cの検出温度が上昇する場合には、温度センサ7cの検出温度が、上記の予備の小火切替え温度Tc´である150℃に達すると、火力を、「小火」に切替え、「小火」による加熱期間T4が経過すると、火力を、「中火」に切替え、温度センサ7cの検出温度が、予備の加熱の終了温度Tc´である150℃に達すると、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
この図4に示される正常な通風状態において、平衡温度Teを検出する「中火」による加熱期間T3で、温度センサ7cが、調理容器の温度を誤検出してしまうような異常な通風状態となった場合、例えば、平衡温度Teを時点t3で検出し、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcが120℃に決定された後に、異常な通風状態になった場合を考える。
この場合、ガスコンロ部2cのコンロバーナの火炎が煽られて、火炎が、温度センサ7cに近接あるいは接触することで、実際の調理容器の底部の温度よりも温度センサ7cによる検出温度が上昇し、図4の仮想線で示すように、実際の調理容器の底部の温度は、小火切替え温度Tcである120℃に達していないも関わらず、温度センサ7cの検出温度が、120℃となった時点t4´で「小火」に切替えられる。その後、予め定められた加熱期間が経過した後に、「中火」に切替えられ、実際の調理容器の底部の温度は、加熱の終了温度Tcである120℃に達していないも関わらず、図4の仮想線で示すように、温度センサ7cの検出温度が、120℃となった時点t6´で加熱が終了してしまう。このため、本来の炊飯の終了時点t6に比べて早い時点で炊飯が終了し、生炊きの状態となってしまう。
この実施形態は、炊飯調理における加熱中に、温度センサ7cが、調理容器の温度を誤検出してしまうような異常な通風状態となっても良好な炊飯調理を行えるようにするために、次のようにしている。
すなわち、この実施形態では、異常な通風状態の有無を検出し、異常な通風状態であることが検出されたときには、上記の小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcの少なくもいずれか一方の温度を変更するようにしている。
ここで、温度センサが、調理容器の温度を誤検出してしまうような異常な通風状態について説明する。
この異常な通風状態の原因としては、例えば、エアコンの風、台所の窓からの風、あるいは、2次空気の流れと燃焼に伴う上昇気流によって台所の壁面に沿って流れる通気などがある。
この異常な通風状態とは、コンロバーナの火力が、所定の火力である上記「中火」以上の強い火力では、コンロバーナの火炎が通風によって煽られて、温度センサ7cに近接あるいは接触する通風状態である。この異常な通風状態では、「中火」以上の火力による加熱を継続すると、温度センサ7cの検出温度が、調理容器の実際の温度よりも高くなる。
また、この異常な通風状態は、「中火」以上の強い火力では、温度センサ7cの検出温度が、正常な通風状態に比べて高くなる通風状態である。具体的には、温度センサ7cの検出温度が、正常な通風状態に比べて、少なくとも20℃、30℃、あるいは、40℃以上高くなる。
「中火」の火力としては、例えば、1100kcal/hである。
このように異常な通風状態では、温度センサ7cの検出温度が、調理容器の実際の温度よりも高くなり、後述のように、正常な通風状態に比べて温度センサ7cの検出温度が急激に上昇するので、温度センサ7cの検出温度の上昇の傾斜に基づいて、異常な通風状態の有無を検出することができる。
一方、コンロバーナの火力が、「中火」より弱い「小火」において、上記のような異常な通風状態になると、コンロバーナの火炎が通風によって煽られて、温度センサ7cに近接あるいは接触するようなことはなく、ガスの噴出速度よりも通風によるコンロバーナへの空気の流れが強く、温度センサ7cの周りに熱せられていない空気が漂うことにより、温度センサ7c自体が冷やされる。これによって、温度センサ7cの検出温度は下降する。この検出温度の下降は、後述のように、正常な通風状態に比べて急激であるので、温度センサ7cの検出温度の下降の傾斜に基づいて、異常な通風状態の有無を検出することができる。
「小火」の火力としては、例えば、220kcal/hである。
異常な通風状態が生じる原因の一つである、2次空気の流れと燃焼に伴う上昇気流によって台所の壁面に沿って流れる通気は、炊飯調理を行っているガスコンロ部2cに隣接する他のガスコンロ部2a,2bのコンロバーナやグリル部3aのグリルバーナの点消火状態の影響を受け易い。
図5は、隣接するコンロバーナの点火による通気の流れを模式的に示す概略図である。
後方のガスコンロ部2cに調理容器30cを載置して炊飯調理を行っているときに、例えば、前方左側のガスコンロ部2aに調理容器30aを載置してコンロバーナを点火すると、後方のガスコンロ部2cのみを使用している場合に比べて、2次空気の流れと燃焼に伴なう側壁31及び後壁32に沿う上昇気流によって、異常な通風状態となり易く、特に、調理容器30aが底の深い鍋などのときには、その傾向が顕著となる。
次に、この異常な通風状態の有無の検出について説明する。
この実施形態では、温度センサ7cの検出温度と、その一定時間前、例えば、30秒前の検出温度との温度差が、閾値以上であるときには、異常な通風状態が生じたと判定するものであり、この判定は、所定期間毎、例えば1秒毎に行われる。
すなわち、制御部11は、例えば、1秒毎に、温度センサ7cの検出温度と、例えば、その30秒前の検出温度との温度差が、閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上になったときには、異常な通風状態が発生したと判定するものである。
上記のようにコンロバーナの火力が、「中火」以上の強い火力では、異常な通風状態になると、温度センサ7cの検出温度が上昇し、「中火」より弱い「小火」では、温度センサ7cの検出温度が下降するので、現在の温度センサ7cの検出温度をTd、30秒前の温度センサ7cの検出温度をTd-30、閾値をTvとすると、現在の温度センサ7cの検出温度Tdと、30秒前の温度センサ7cの検出温度をTd-30との差の絶対値と閾値Tvとを比較する、すなわち、下記(1)式が成立するか否かを判断する。
|Td−Td-30|≧Tv ・・・・・・(1)
(1)式が成立するときには、異常な通風状態であると判定する。
この閾値Tvとしては、十数℃〜二十数℃、例えば、14(℃)とする。
この実施形態では、炊飯調理が開始されると、上記のようにして異常な通風状態の有無を検出し、異常な通風状態であるときには、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcの少なくともいずれか一方の温度を変更するようにしている。
以下、異常な通風状態が生じた場合の加熱制御について詳細に説明する。
図6は、ガスコンロ部2cによる炊飯調理モードにおける炊飯調理中に、異常な通風状態が生じた場合の温度センサ7cの検出温度及び火力の変化を示す図であり、図4に対応する図である。なお、この図6及び後述の図7〜図9において、異常な通風状態は、炊飯調理を行うガスコンロ部2cの前方の2つのガスコンロ部2a,2bのコンロバーナを点火する共に、グリル部3のグリルバーナを点火することによって発生させた。なお、ガスコンロAの設置箇所には、上記図5のような側壁31及び後壁32が設けられている。
この図6では、平衡温度Te1を検出した後に、異常な通風状態が生じた場合の例を示している。
制御部11は、加熱開始時t0には、火力を「中火」に設定して加熱を開始し、温度センサ7cの検出温度が、基準温度Tsである90℃に達すると、その時点t1で火力を「小火」に切替える。制御部11は、加熱開始時t0から基準温度Tsに達するまでの経過時間T1を計測し、この計測した経過時間T1に応じて、「小火」による加熱時間T2を決定する。
制御部11は、加熱を開始すると、上記のように、1秒毎に、現在の温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上であるか否かを判断し、異常な通風状態の発生の有無を検出する。
制御部11は、「小火」による加熱時間T2が経過した時点t2で、火力を、「小火」から「中火」に切替え、加熱を継続する。この「中火」による加熱中に、温度センサ7cの検出温度に基づいて、平衡温度Teが検出される。この図6の例では、平衡温度Te1として、時点t3において、例えば、100℃が検出される。
制御部11は、この検出された平衡温度Te1に、予め定めた温度Tpである20℃を加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1として決定する。図6の例では、小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1は、120℃となる。
このように時点t3で平衡温度Te1を検出し、検出した平衡温度Te1に基づいて、小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1を120℃に決定した後の時点txで、異常な通風状態が生じている。異常な通風状態が生じると、コンロバーナの火炎が、通風によって煽られて温度センサ7cに近接あるいは接触し、温度センサ7cの検出温度が、調理容器の実際の温度よりも高くなり、図4の正常な通風状態であるときに比べて、温度センサ7cの検出温度が、急激に上昇する。これによって、制御部11は、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上となって異常な通風状態が発生したことを検出する。
上記図4で説明したように、平衡温度Teを検出する「中火」での加熱期間T3において、平衡温度が検出されず、温度センサ7cの検出温度が上昇するのに対応するために、予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´として、例えば、150℃が予め設定記憶されている。
制御部11は、異常な通風状態の発生を検出すると、予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃を、より高い温度の予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´、例えば、200℃に変更する。
更に、制御部11は、異常な通風状態の発生を検出すると、再度、平衡温度を検出し、検出した平衡温度に基づいて、小火切替え温度及び加熱の終了温度を決定する。
図6に示すように、発生した異常な通風状態が落ち着くと、上昇した温度センサ7cの検出温度も安定し、この安定した状態で、再度、平衡温度を検出する。
この図6の例では、平衡温度Te2として、時点t3´において、例えば、140℃が検出される。この平衡温度Te2である140℃は、正常に通風状態における図4の平衡温度Teに比べて、40℃高くなっている。
制御部11は、この平衡温度Te2に、予め定めた温度Tpである20℃を加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2として再度決定する。したがって、小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2は、160℃に決定される。すなわち、平衡温度Te1が検出されて、小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1が、120℃に決定された後に、異常な通風状態であることが検出されると、再度、平衡温度Te2が検出されて、小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2が、前記120℃から160℃に変更される。
その後、制御部11は、「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、変更した小火切替え温度Tc2である160℃に達すると、その時点t4で、火力を、再び「小火」に切替える。
この「小火」によって、予め定められた期間である加熱期間T4が経過した時点t5で、制御部11は、火力を「中火」に切替える。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、変更した加熱の終了温度Tc2である160℃に達すると、その時点t6で、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
このように平衡温度Te1を検出して、小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1を、例えば、120℃に決定した後に、異常な通風状態の発生が検出されると、再度、平衡温度Te2を検出して、小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2を、例えば、160℃に再度決定する、すなわち、小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2を、高い温度に変更するので、炊飯が早期に終了することがなく、「中火」による加熱期間を十分に確保することができる。これによって、生炊きの状態でなく、良好な炊き上がり状態で炊飯調理を終了することができる。
図7は、平衡温度を検出する「中火」の加熱期間T3の前の「小火」の加熱期間T2で異常な通風状態が発生した場合の図4に対応する図である。
制御部11は、加熱開始時t0には、火力を「中火」に設定して加熱を開始し、温度センサ7cの検出温度が、基準温度Tsである90℃に達すると、その時点t1で火力を「小火」に切替える。
制御部11は、加熱を開始すると、上記のように、1秒毎に、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上であるか否かを判断し、異常な通風状態の発生の有無を検出する。
制御部11は、加熱開始時t0から基準温度Tsに達するまでの経過時間T1を計測し、この計測した経過時間T1に応じて、「小火」による加熱時間T2を決定する。
この図7では、異常な通風状態が、「小火」に切替えた直後の時点txで発生している。
火力が「小火」であるときに、異常な通風状態が発生すると、ガスの噴出速度よりも通風によるコンロバーナへの空気の流れが強く、温度センサ7cの周りに熱せられていない空気が漂うことにより、温度センサ7c自体が冷やされ、温度センサ7cの検出温度は、図4の正常な通風状態に比べて急激に下降する。これによって、制御部11は、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上となって異常な通風状態が発生したことを検出する。
制御部11は、異常な通風状態を検出すると、平衡温度が検出されない場合に対応するための予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃を、高い温度の予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に変更する。
制御部11は、「小火」による加熱時間T2が経過した時点t2で、火力を、「小火」から「中火」に切替える。火力を「中火」に切替えると、異常な通風状態であるので、コンロバーナの火炎が通風によって煽られて、温度センサ7cに近接あるいは接触し、温度センサ7cの検出温度が急激に上昇する。
制御部11では、この「中火」への切替えによる温度センサ7cの検出温度の急激な上昇によって、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上となって異常な通風状態の発生を検出するが、異常な通風状態であることは既に検出し、予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´を、既に200℃に変更しているので、そのまま「中火」による加熱を継続する。
上記のように異常な通風状態であることが検出されると、予め設定記憶されている予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃を、高い温度の予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に変更するので、「小火」から「中火」への切替え時に、温度センサ7cの検出温度が、実際の調理容器の底部の温度よりも高くなって、予め設定されている予備の小火切替え温度Tc1´及び加熱の終了温度Tc1´である150℃に到達するようなことがあっても、「小火」に切替えられることはない。
制御部11は、この「中火」による加熱期間T3において、温度センサ7cの検出温度に基づいて、平衡温度Teを検出することができる。この図7の例では、平衡温度Teとして、時点t3において、例えば、140℃が検出される。
制御部11は、検出された平衡温度Teに、予め定めた温度Tpである20℃を加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcとして決定する。図7の例では、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcは、160℃となる。
その後、制御部11は、「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、小火切替え温度Tcである160℃に達すると、その時点t4で、火力を、再び「小火」に切替える。上記のように、予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃は、高い温度の予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に既に変更されているので、温度センサ7cの検出温度が、150℃に達しても、火力が「小火」に切替えられることはなく、160℃に達した時点t4で、「小火」に切替えられる。この「小火」によって、予め定められた期間である加熱期間T4が経過した時点t5で、制御部11は、火力を「中火」に切替える。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、加熱の終了温度Tcである160℃に達すると、その時点t6で、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
このように異常な通風状態を、火力が「小火」の加熱期間T2において検出し、平衡温度が検出されない場合のための予備の小火切替え温度Tc´及び予備の加熱の終了温度Tc´を、予め設定記憶されている150℃から高い温度である200℃に変更するので、火力を「小火」から「中火」に切替えたときに、温度センサ7cの検出温度が、急激に上昇しても平衡温度Teを検出することができ、検出した平衡温度Teに基づく小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcに従って加熱を制御するので、正常に炊飯調理を終了することができる。
なお、平衡温度Teを検出する「中火」での加熱期間T3において、平衡温度Teが検出されず、温度センサ7cの検出温度が上昇し、変更された予備の小火切替え温度Tc2´である200℃に達すると、火力を、「小火」に切替え、「小火」による加熱期間T4が経過すると、火力を、「中火」に切替え、温度センサ7cの検出温度が、変更された予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に達すると、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
上記図7では、平衡温度を検出する「中火」の加熱期間T3の前の「小火」の加熱期間T2で異常な通風状態が発生した場合を説明した。
図8は、平衡温度を検出する「中火」の加熱期間T3の後の「小火」の加熱期間T4で異常な通風状態が発生した場合を示す図である。
制御部11は、炊飯調理の加熱開始時t0には、ガスバーナの火力を「中火」に設定して加熱を開始し、温度センサ7cの検出温度が、基準温度Tsである90℃に達すると、その時点t1で火力を「小火」に切替える。
制御部11は、加熱を開始すると、1秒毎に、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上であるか否かを判断し、異常な通風状態の発生の有無を検出する。
制御部11は、「小火」による加熱時間T2が経過すると、その時点t2で、火力を、「小火」から「中火」に切替え、加熱を継続する。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度に基づいて、平衡温度Teが検出される。
図8の例では、平衡温度Teとして、時点t3において、例えば、100℃が検出される。
制御部11は、平衡温度Teに、予め定めた温度Tpである20℃を加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcとして決定する。図8の例では、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcは、120℃となる。
制御部11は、「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、小火切替え温度Tcである120℃に達すると、その時点t4で、火力を、再び「小火」に切替える。
この図8では、異常な通風状態が、「小火」への切替え直後の時点txで発生している。
火力が「小火」であるときに、異常な通風状態が発生すると、上記のように、ガスの噴出速度よりも通風によるコンロバーナへの空気の流れが強く、温度センサ7cの周りに熱せられていない空気が漂うことにより、温度センサ7cの検出温度は、図4の正常な通風状態に比べて急激に下降する。これによって、制御部11は、温度センサ7cの検出温度と、その30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上となって異常な通風状態が発生したことを検出する。
制御部11は、異常な通風状態が発生したことを検出すると、平衡温度が検出されない場合のための予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´を、予め設定記憶されている150℃よりも高い予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に変更する。
また、上記のようにして決定された小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcである120℃の内、既に小火への切替えは終了しているので、加熱の終了温度Tcである120℃を、例えば、変更前の予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃に変更する。すなわち、120℃の小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcの内、加熱の終了温度Tcのみを150℃に変更する。
「小火」による加熱期間T4は、予め定められた期間であり、この加熱期間T4が経過した時点t5で、制御部11は、火力を「中火」に切替える。
火力を「中火」に切替えると、異常な通風状態であるので、バーナの火炎が通風によって煽られて、温度センサ7cに近接あるいは接触し、温度センサ7cの検出温度が急激に上昇する。
制御部11では、この「中火」への切替えによる温度センサ7cの検出温度に上昇によって、異常な通風状態であることを検出するが、異常な通風状態であることは既に検出し、加熱の終了温度を、150℃に変更しているので、そのまま「中火」による加熱を継続する。
この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、変更した加熱の終了温度Tc1´である150℃に達すると、その時点t6で、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
この図8では、「中火」の加熱期間T3までは、正常に調理が進行しているので、その後に、異常な通風状態となったときに、加熱の終了温度を、変更前の予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃に変更したが、それよりも高い温度、例えば、200℃で加熱を終了するようにしてもよい。
上記実施形態では、図6に示すように、平衡温度Teを検出する「中火」による加熱期間T3において、平衡温度を検出した後に、異常な通風状態が検出されたときに、再度、平衡温度Teを検出したが、本発明の他の実施形態として、平衡温度Teを検出する「中火」による加熱期間T3において、平衡温度を常時監視し、新たな平衡温度が検出された時には、平衡温度を更新すると共に、更新された平衡温度に基づいて、上記のように小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcを決定し、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcも更新し、更新した小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcに基づいて、火力を切替え、加熱を終了するようにしてもよい。
これによって、発生した異常な通風状態が、炊飯調理の終了前に消滅した場合にも良好な炊飯状態とすることができる。
図9は、火力が「小火」による加熱期間T2の時点txにおいて発生し、その後、異常な通風状態が、「中火」による加熱期間T3の時点tx´で消滅して正常な通風状態となった場合の上記図7に対応する図である。
制御部11は、加熱開始時t0には、火力を「中火」に設定して加熱を開始し、温度センサ7cの検出温度が、基準温度Tsである90℃に達すると、その時点t1で火力を「小火」に切替える。
制御部11は、加熱の開始時から上記のようにして異常な通風状態の有無を検出する。
この図9では、異常な通風状態は、時点txで発生し、制御部11は、温度センサ7cの検出温度とその30秒前の検出温度との温度差の絶対値が、閾値以上となることによって、異常な通風状態の発生を検出する。制御部11は、異常な通風状態を検出すると、平衡温度が検出されない場合のための予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´である150℃を、高い温度の予備の小火切替え温度Tc2´及び予備の加熱の終了温度Tc2´である200℃に変更する。
制御部11は、「小火」による加熱時間T2が経過した時点t2で、火力を、「小火」から「中火」に切替える。火力を「中火」に切替えると、異常な通風状態であるので、コンロバーナの火炎が通風によって煽られて、温度センサ7cに近接あるいは接触し、温度センサ7cの検出温度が急激に上昇する。
制御部11では、この「中火」への切替えによる温度センサ7cの検出温度に上昇によって、異常な通風状態であることを検出するが、異常な通風状態であることは既に検出し、予備の小火切替え温度Tc1´及び予備の加熱の終了温度Tc1´を、150℃から200℃に変更しているので、そのまま「中火」による加熱を継続する。
この実施形態では、この「中火」による加熱期間T3において、制御部11は、平衡温度を常時監視し、平衡温度を検出する。
具体的には、例えば、1秒毎に、一定の判定期間、例えば30秒間における、
温度センサ7cの検出温度の温度差が、一定の温度範囲内になったか否かを判断し、一定の温度範囲内になったときには、平衡温度になったと判定し、前記一定の判定期間における、例えば、判定期間の終了時点の検出温度を平衡温度とする。
制御部11は、新たな平衡温度が検出される度に、平衡温度を更新すると共に、更新された平衡温度に基づいて、上記のようにして小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcを決定し、小火切替え温度Tc及び加熱の終了温度Tcも更新する。
図9の例では、制御部11は、「中火」による加熱期間T3において、先ず、温度センサ7cの検出温度に基づいて、時点t3で、平衡温度Te1として、例えば、140℃を検出する。
制御部11は、検出した平衡温度Te1に、予め定めた温度Tpである20℃を加算した温度を、「小火」に切替える小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1として決定する。図9の例では、小火切替え温度Tc1及び加熱の終了温度Tc1は、160℃となる。
この図9では、平衡温度Te1が検出された後の時点tx´において、異常な通風状態が消滅し、正常な通風状態となっている。
正常な通風状態となることによって、コンロバーナの火炎が通風によって温度センサ7cに近接あるいは接触することがなくなり、温度センサ7cの検出温度が下降し、調理容器の本来の温度、例えば、100℃程度に下降する。
上記のように、平衡温度は常時監視されているので、温度センサ7cの検出温度が、100℃程度で安定すると、平衡温度Te2が、時点t3´において、例えば、100℃として検出されて更新される。
また、検出された平衡温度Te2に、予め定めた温度Tpを加算した温度である120℃を「小火」に切替える小火切替え温度Tc2及び加熱の終了温度Tc2として決定し、更新する。
その後、温度センサ7cの検出温度が、小火切替え温度Tcである120℃に達すると、その時点t4で、火力を、再び「小火」に切替える。
この小火によって、予め定められた期間である加熱期間T4が経過した時点t5で、制御部11は、火力を「中火」に切替える。この「中火」での加熱中に、温度センサ7cの検出温度が、加熱の終了温度Tcである120℃に達すると、その時点t6で、自動消火して炊飯調理モードが終了する。
このように平衡温度を検出する「中火」による加熱期間T3においては、平衡温度を常時監視し、平衡温度を新たに検出したときには、平衡温度に基づいて、小火切替え温度及び加熱の終了温度を決定し、平衡温度を更新すると共に、小火切替え温度及び加熱の終了温度を更新するので、異常な通風状態が発生し、その後、異常な通風状態が消滅しても、異常な通風状態が消滅した状態で平衡温度が検出されて、小火切替え温度及び加熱の終了温度が変更されることになり、生炊き状態になることなく、正常に炊飯調理を終了することができる。
上記各実施形態では、異常な通風状態の有無を検出するための閾値Tvは、1種類であったが、次のように複数種類としてもよい。
上記図5で説明したように、後方のガスコンロ部2cで炊飯調理を行っているときに、前方の左右のガスコンロ部2a,2bのコンロバーナやグリル部3aのグリルバーナが点火されているときには、異常な通風状態が生じ易い。
そこで、炊飯調理を行うガスコンロ部2cに隣接するガスコンロ部2a,2bのコンロバーナやグリル部3aのグリルバーナの点消火状態に応じて、上記閾値Tvを異ならせるようにしてもよい。
下記の表1は、炊飯調理を行うガスコンロ部2cに隣接する左右のガスコンロ部2a,2bの高火力のコンロバーナ及びグリル部3aのグリルバーナの点消火状態と、異常な通風状態の有無を検出するための閾値Tvとの対応関係を示すものである。この表1において、「○」はバーナの点火状態を示し、「×」はバーナの消火状態を示している。また、第1閾値は、例えば、上記の「14(℃)」を示し、第2閾値は、第1閾値よりも大きな閾値、例えば、「23(℃)」である。
例えば、表1の最上段の左右のガスコンロ部2a,2bの高火力のコンロバーナ及びグリル部3aのグリルバーナのいずれのバーナも消火状態(×)であるときには、異常な通風状態は生じにくいので、異常な通風状態であると判定されにくいように大きな閾値である第2閾値、例えば、「23(℃)」とする。また、表1の最下段の左右のガスコンロ部2a,2bの高火力のコンロバーナ及びグリル部3aのグリルバーナのいずれのバーナも点火状態(○)であるときには、異常な通風状態が生じ易いので、異常な通風状態であると判定され易いように小さな閾値である第1閾値、例えば、「14(℃)」とする。
制御部11は、左右のガスコンロ部2a,2bの高火力のコンロバーナ及びグリル部3aのグリルバーナの点消火状態を把握できるので、表1に示す点消火状態に応じて、異常な通風状態の有無を検出するための閾値Tvとして、第1閾値「14(℃)」または第2閾値「23(℃)」のいずれかを選択して、異常な通風状態の有無を検出する。
上記実施形態では、異常な通風状態の有無を検出するための上記(1)式では、一定時間前、例えば、30秒前の検出温度を用いたが、炊飯調理を行うガスコンロ部2cに隣接するガスコンロ部2a,2bのコンロバーナ及びグリル部3aのグリルバーナの点消火状態に応じて、前記一定時間を異ならせてもよい。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、炊飯調理に適用した説明したが、炊飯調理に限らず、例えば、おかゆ調理や煮物調理に適用してもよい。
上記の各実施形態では、小火切替え温度と加熱の終了温度とを同一の温度としたが、小火切替え温度と加熱の終了温度とを異ならせてもよい。
上記の各実施形態では、異常な通風状態を検出したときには、平衡温度が検出されない場合のための予備の小火切替え温度及び予備の加熱の終了温度を高い温度に変更したが、例えば、予備の小火切替え温度及び予備の加熱の終了温度が高めに設定記憶されているときには、異常な通風状態を検出したときに、予備の小火切替え温度及び予備の加熱の終了温度を変更しなくてもよい。
ガスコンロは必ずしもビルトインタイプに限られるものではなく、卓上型のガスコンロであってもよい。