JP2018035878A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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四郎 田村
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Abstract

【課題】インホイールモータのために簡易で組立容易なブリーザ構造を提供する。【解決手段】インホイールモータ駆動装置(10)は、インホイールモータ駆動装置の外郭をなす本体ケーシング(43)と、本体ケーシングの外側壁面から内側壁面まで貫通するブリーザ孔(61)と、ブリーザ孔と接続して空気の通過を許容するとともに異物の通過を規制する通気手段(64)と、ブリーザ孔を覆うように本体ケーシングの外側壁面に設けられるブリーザカバー(43e,66)とを備え、通気手段はブリーザカバーの内部空間から本体ケーシングの内部空間までの領域に収容され、ブリーザカバーは上側に底壁(43r)を含み下向き開口(65)とされて、該開口が本体ケーシングの外側と直接接続する。【選択図】図2

Description

本発明は、車輪の内空領域に配置されて当該車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置に関し、特にインホイールモータ駆動装置の内圧を開放するブリーザ構造に関する。
インホイールモータは、車体の下部、かつ車輪の中心部分、かつ路面の近傍に配置されるため、砂、埃、水、泥等の異物が多い環境に晒される。またサスペンション装置を介して車体と連結し、車輪とともにバウンドおよびリバウンドすることから、上下方向に急激に変位する。そこでインホイールモータのブリーザ構造は、単にインホイールモータのケーシング内側の内圧を解放するだけでは足らず、異物がケーシング内側へ侵入しないよう異物の通過を遮断し、さらにはケーシング内側のオイルが外側へ漏れることを防止しなければならない。
インホイールモータに設けられるブリーザ構造としては従来、例えば、特許第4983760号公報(特許文献1)、特許第5176183号公報(特許文献2)、特開2016‐19436号公報(特許文献3)、および特開2016‐46871号公報(特許文献4)に記載のごときものが知られている。特許文献1および特許文献4に記載のインホイールモータでは、インホイールモータのケーシングからブリーザホースが長く延び出している。
特許文献2および特許文献3に記載のインホイールモータでは、インホイールモータのケーシングに端子ボックスが附設されている。端子ボックスは、ケーシングの内側になるインホイールモータ内部空間とは別な第2空間を構成し、インホイールモータの外側とは区切られる。特許文献2および特許文献3のブリーザ構造は端子ボックスの空間と接続する。
特許第4983760号公報 特許第5176183号公報 特開2016‐19436号公報 特開2016‐46871号公報
特許文献2および特許文献3に記載のように端子ボックスにブリーザ構造を設けるのではなく、端子ボックスから離れた個所にブリーザ構造を設けたいという要望がある。
特許文献1では、ケーシングから長く延び出したブリーザホースの上端部を、インホイールモータよりも上方に設置された蛇腹状のダンパーダストカバー内へ配置するため、ブリーザホースを車輪近傍のダンパー円筒部外周面に沿って配線する必要があった。その結果、走行時に車輪によって小石が跳ね上げられてブリーザホースと衝突したり、走行中にブリーザホースが蛇行するように変位して車輪と衝突したりするおそれがある。このようにブリーザホースが飛び石や車輪と接触して、破損や脱落する可能性があった。また、ダンパーダストカバーとダンパー本体の間にブリーザホースを配線するため、車輪の上下ストロークによるダンパーダストカバーの伸縮によって、ダストカバーとブリーザホースが互いに摺接し、両者の相対移動による摩耗が考えられる。その摩耗を回避するため、ダンパーダストカバーとブリーザホースに隙間を設定すると、本来のダンパーダストカバーの機能(上下方向の収縮変形およびダンパー本体の保護)が損なわれる。さらに、インホイールモータを車両へ搭載する際には、事前にダンパーダストカバー内にブリーザホースを配線しておき、搭載直後にブリーザホースとインホイールモータを接続することになるため、作業が煩雑、かつ、インホイールモータ内部への異物混入の恐れがあった。
特許文献4でも、インホイールモータのケーシングからブリーザホースが長く延び出しているため、ブリーザホースを適切に配線し、さらには飛来する異物から保護しなければならず、工数上およびコスト上改善の余地がある。
本発明は、上述の実情に鑑み、端子ボックスを必要とせず、インホイールモータのケーシングからブレーキホースを長く延ばす必要をなくし、組み立てが煩雑とならない、インホイールモータのための新規なブリーザ構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、車輪ハブと、車輪ハブを駆動するモータ部と、外郭をなす本体ケーシングと、本体ケーシングの外側壁面から内側壁面まで貫通するブリーザ孔と、ブリーザ孔と接続して空気の通過を許容するとともに異物の通過を規制する通気手段と、ブリーザ孔を覆うように本体ケーシングの外側壁面に設けられるブリーザカバーとを備え、通気手段はブリーザカバーの内部空間から本体ケーシングの内部空間までの領域に収容され、ブリーザカバーは上側に底壁を含み下向き開口とされて開口が本体ケーシングの外側と直接接続する。
かかる本発明によれば、ブリーザ孔はブリーザカバーに覆われ、通気手段はブリーザカバーの内部空間に収容されるか、あるいは本体ケーシングの内部空間に収容される。これによりブリーザ孔および通気手段を異物の飛来から保護することができる。また本発明によれば、ブリーザ孔、通気手段、およびブリーザカバーを有するブリーザ構造が本体ケーシング近傍で完結しているため、従来のように本体ケーシングからブリーザホースが長く延び出すことがなく、インホイールモータ外部でブリーザホースを配線する必要がなく、組み立て工数を少なくすることができる。ブリーザカバーは底壁および下向き開口を有すればよく、下向き開口の形状は特に限定されない。通気手段は、ブリーザ孔よりも大きく、本体ケーシングの外側あるいは内側に取り付けられるとよい。あるいは通気手段は、ブリーザ孔よりも小さくブリーザ孔の孔内に収容されてもよい。通気手段は、1個であってもよいし複数個であってもよい。複数個の通気手段は、本体ケーシングの外側および内側の双方にそれぞれ取り付けられてもよいし、あるいはいずれか一方にまとめて取り付けられてもよい。
本発明の一実施形態として本体ケーシングは、車輪ハブの軸線を中心とし所定半径で周方向に広がる円弧壁部分と、円弧壁部分から外径側かつ上側に連続して延びる立ち上がり壁部分とを含み、ブリーザ孔およびブリーザカバーは本体ケーシングの立ち上がり壁部分に設けられる。かかる実施形態によれば、ブリーザカバーの姿勢を適正に維持して、上側を底壁とし開口を下向きにすることができる。また円弧壁部分がブリーザカバーの下方にせり出して下向き開口を覆うため、異物が下向き開口に飛来し難くなる。円弧壁部分は、円筒の一部であると理解されたい。ブリーザ孔は垂直な立ち上がり壁を水平に貫通するとよい。ブリーザ孔は本体ケーシングの上部に設けられるとよく、他の実施形態として、立ち上がり壁以外の部位に設けられてもよい。またブリーザ孔は斜めに延びてもよいし、垂直(上下方向)に延びてもよい。
本発明の好ましい実施形態として、ブリーザカバーは複数の壁材に分割可能であり、1個の壁材が本体ケーシングに一体形成される。かかる実施形態によれば、壁材の組み立てによってブリーザカバーの内部空間を容易に生成することができる。またブリーザ構造の点検・分解時にはブリーザカバーを分割すればよく、ブリーザ孔からブリーザキャップまでの点検・交換作業が容易になる。他の実施形態として、ブリーザカバー全体が本体ケーシングに一体形成されてもよい。
本発明の他の実施形態として、ブリーザカバーは本体ケーシングとは別部材であり、本体ケーシングの外側壁面に取付固定される。かかる実施形態によれば、ブリーザカバーを複雑な造形にすることが可能になる。なおブリーザカバーは1部材であってもよいし、複数の壁材を組み立てたものであってもよい。
本発明の一実施形態として通気手段は、ブリーザカバーの内部空間に収容されるブリーザキャップである。かかる実施形態によれば、通気手段としてのブリーザキャップは本体ケーシングの外側に取り付けられて、ブリーザカバーの内部空間に収容される。ブリーザ孔およびブリーザキャップは直接接続されてもよいが、好ましくはブリーザ孔およびブリーザキャップはブリーザ管を介して接続するとよく、ブリーザ管によって本体ケーシング内部の潤滑油がブリーザキャップに達する虞が少なくなる。ブリーザ管の長さは、ブリーザ管全体がブリーザカバーの内部空間に収容されるように選定される。ブリーザ管は、直線であってもよいし、例えばらせん等の曲線であってもよいし、特に限定されない。
本発明の好ましい実施形態として通気手段は、一端、他端、およびこれら一端と他端を結ぶ直線と交差する障壁を有し、これら一端から他端までの経路が障壁を迂回する迂回路を構成する。かかる実施形態によれば、本体ケーシング内部の潤滑油がブリーザ孔に達する虞が少なくなる。障壁は1または複数であり、本体ケーシングに立設されるとよい。迂回路は、障壁の一方壁面から他方壁面まで該障壁に沿って延びる。1実施形態として迂回路は、順方向および逆方向に互い違いに向きを変えて延びる。あるいは迂回路は、複雑に向きを変えて伸びるラビリンス通路であってもよい。迂回路は、ブリーザカバーの内部空間に設けられてもよいし、あるいは本体ケーシングの内部空間に設けられてもよいし、あるいはブリーザ孔自体が迂回路であってもよい。
このように本発明によれば、端子ボックスとは無関係にブリーザ構造を設けることができる。またインホイールモータのケーシングからブレーキホースを長く延ばす必要がない。また、ブリーザ―ホースをサスペンション装置に配線したり等の作業がなく、組み立てが煩雑とならない。
本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図であり、車幅方向外側からみた状態を表す。 第1実施形態を模式的に示す横断面図である。 第1実施形態を模式的に示す展開断面図である。 第1実施形態を示す模式図であり、車量前後方向にみた状態を表す。 図4中の一部を断面で表す模式図である。 第1実施形態の変形例を示す模式図であり、図2中の丸囲み部を取り出して表す。 本発明の第2実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図であり、車幅方向外側からみた状態を表す。 第2実施形態を模式的に示す横断面図である。 第2実施形態を示す模式図であり、車量前後方向にみた状態を表す。 図9中の一部を断面で表す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図である。図2は、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す横断面図であり、本体ケーシングの内部を表す。図1および図2は、車幅方向外側からみた状態を表す。図2中、減速部内部の各歯車は歯先円で表され、個々の歯を図略する。図3は、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す展開断面図である。図3で表される切断面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面と、軸線Oおよび軸線Pを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。
インホイールモータ駆動装置10は、車輪ハブ軸受部11と、モータ部21と、モータ部21の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両(図示せず)の車幅方向左右両側に対称配置される。例えば2輪駆動の電動車両であれば、インホイールモータ駆動装置10は左右1対の車輪にそれぞれ設けられる。あるいは4輪駆動の電動車両であれば、インホイールモータ駆動装置10は左右1対の前輪および左右1対の後輪にそれぞれ設けられる。このとき図3に示すように、車輪ハブ軸受部11は車幅方向外側に配置され、モータ部21は車幅方向内側に配置される。
インホイールモータ駆動装置10は、図1に仮想線で表される車輪ホイールWの内空領域に配置されるとともに、図3に仮想線で表される車輪ホイールWの中心と連結し、車輪の車輪ホイールWを駆動する。
各インホイールモータ駆動装置10は、サスペンション装置を介して電動車両の車体と連結される。インホイールモータ駆動装置10は公道で、電気自動車やハイブリッド車両といった電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。なおサスペンション装置全体は図示されないが、図1等にはサスペンション部材のストラット101を示す。
モータ部21および減速部31は、図1および図2に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されず、図3に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oから直角方向にオフセットして配置される。つまりインホイールモータ駆動装置10は、詳しくは後述するが、車両の前向きに配置される部位と、車両の後ろ向きに配置される部位と、上方に配置される部位と、下方に配置される部位とを含む。
車輪ハブ軸受部11は、図3に示すように車輪ホイールWと結合する車輪ハブとしての外輪12と、外輪12の中心孔に通される内側固定部材13と、外輪12と内側固定部材13との環状隙間に配置される複数の転動体14を有し、車軸を構成する。内側固定部材13は、非回転の固定軸15と、1対のインナーレース16と、抜け止めナット17と、キャリア18とを含む。固定軸15は根元部15rが先端部15eよりも大径に形成される。インナーレース16は、根元部15rと先端部15eの間で、固定軸15の外周に嵌合する。抜け止めナット17は固定軸15の先端部15eに螺合して、抜け止めナット17と根元部15rの間にインナーレース16を固定する。
固定軸15は軸線Oに沿って延び、減速部31の外郭をなす本体ケーシング43を貫通する。固定軸15の先端部15eは、本体ケーシング43の正面部分43fに形成される開口43pを貫通し、正面部分43fよりも車幅方向外側へ突出する。固定軸15の根元部15rは、本体ケーシング43の背面部分43bよりも車幅方向内側から、背面部分43bに形成される開口43qを貫通する。なお正面部分43fと背面部分43bは軸線O方向に間隔を空けて互いに向き合うケーシング壁部分である。根元部15rにはキャリア18が取付固定される。キャリア18は本体ケーシング43の外部で図示しないサスペンション装置およびタイロッドと連結する。
転動体14は、軸線O方向に離隔して複列に配置される。軸線O方向一方のインナーレース16の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向一方の内周面と対面する。軸線O方向他方のインナーレース16の外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向他方の内周面と対面する。以下の説明において、車幅方向外側(アウトボード側)を軸線O方向一方ともいい、車幅方向内側(インボード側)を軸線O方向他方ともいう。図3の紙面左右方向は、車幅方向に対応する。外輪12の内周面は転動体14の外側軌道面を構成する。
外輪12の軸線O方向一方端部にはフランジ部12fが形成される。フランジ部12fはブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWのスポーク部Wsと同軸に結合するための結合座部を構成する。外輪12はフランジ部12fでブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWと結合して、車輪ホイールWと一体回転する。なお図示しない変形例として、フランジ部12fは周方向に間隔を空けて外径側へ突出する突出部であってもよい。
モータ部21は図3に示すように、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、モータケーシング25を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータケーシング25は筒状であり、モータ部21のモータケーシングカバー25vは、モータケーシング25のうち軸線M方向他方端の開口を覆う。モータ部21は、径方向隙間を介して対面する内径側のロータおよび外径側のステータを有することから、ラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。ステータ24は、車体側から延びる動力線(図示せず)と接続する。モータ部21は、車体側から動力線を介して電力を供給されて、力行運転し、あるいは外輪12の回転を電力に変換し動力線を介して車体側へ供給する回生運転を行う。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。モータ回転軸22の先端部を除いたモータ部21の大部分の軸線方向位置は、図3に示すように内側固定部材13の軸線方向位置と重ならない。円筒状のモータケーシング25は、軸線M方向一方端で本体ケーシング43の背面部分43bと結合し、軸線M方向他方端で蓋状のモータケーシングカバー25vに封止される。モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25およびモータケーシングカバー25vに回転自在に支持される。モータ部21は外輪12(つまり車輪)と、後述するポンプ軸51を駆動する。
減速部31は、入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および本体ケーシング43を有する。入力軸32は、モータ回転軸22の先端部22eよりも大径の筒状体であって、モータ部21の軸線Mに沿って延びる。先端部22eは入力軸32の軸線M方向他方端部の中心孔に受け入れられて、入力軸32はモータ回転軸22と同軸に結合する。入力軸32の両端は転がり軸受42a,42bを介して、本体ケーシング43に支持される。入力歯車33は、モータ部21よりも小径の外歯歯車であり、入力軸32と同軸に結合する。具体的には入力歯車33は、入力軸32の軸線M方向中央部の外周に一体形成される。
出力軸41は、外輪12の円筒部分よりも大径の筒状体であって、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる。外輪12の軸線O方向他方端は、出力軸41の軸線O方向一方端の中心孔に受け入れられて、出力軸41は外輪12と同軸に結合する。出力軸41の軸線O方向両端部外周には転がり軸受44,46が配置される。出力軸41の軸線O方向一方端は転がり軸受44を介して、本体ケーシング43の正面部分43fに支持される。出力軸41の軸線O方向他方端は転がり軸受46を介して、本体ケーシング43の背面部分43bに支持される。出力歯車40は外歯歯車であり、出力軸41と同軸に結合する。具体的には出力歯車40は出力軸41の軸線O方向他方端の外周に一体形成される。
軸線O方向位置に関し、転がり軸受44は外輪12の中央部と重なるよう配置されるが、転がり軸受46は外輪12よりも軸線O方向他方側に配置されて外輪12と重ならない。転がり軸受46は出力歯車40の歯よりも内径側に配置され、転がり軸受46の軸線O方向位置は、出力歯車40の軸線O方向位置と重なる。
2本の中間軸35,38は入力軸32および出力軸41と平行に延びる。つまり減速部31は四軸の平行軸歯車減速機であり、出力軸41の軸線Oと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、入力軸32の軸線Mは互いに平行に延び、換言すると車幅方向に延びる。
各軸の車両前後方向位置につき説明すると、図2に示すように入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも車両前方に配置される。また中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも車両前方に配置される。中間軸38の軸線Nlは出力軸41の軸線Oよりも車両前方かつ入力軸32の軸線Mよりも車両後方に配置される。図示しない変形例として入力軸32の軸線Mと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、出力軸41の軸線Oが、この順序で車両前後方向に配置されてもよい。この順序は駆動力の伝達順序でもある。
各軸の上下方向位置につき説明すると、入力軸32は、入力軸32の上下方向位置が出力軸41の上下方向位置と重なるよう配置される。中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも上方に配置される。中間軸38の軸線Nlは中間軸35の軸線Nfよりも上方に配置される。なお複数の中間軸35,38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置されれば足り、図示しない変形例として中間軸35が中間軸38よりも上方に配置されてもよい。あるいは図示しない変形例として出力軸41が入力軸32よりも上方に配置されてもよい。
中間歯車34および中間歯車36は外歯歯車であり、図3に示すように中間軸35の軸線Nf方向中央部と同軸に結合する。中間軸35の両端部は、転がり軸受45a,45bを介して、本体ケーシング43に支持される。中間歯車37および中間歯車39は外歯歯車であり、中間軸38の軸線Nl方向中央部と同軸に結合する。中間軸38の両端部は、転がり軸受48a,48bを介して、本体ケーシング43に支持される。
本体ケーシング43は、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなし、筒状に形成されて、図2に示すように軸線O、Nf、Nl、Mを取り囲む。また本体ケーシング43は、図3に示すように車輪ホイールWの内空領域に収容される。車輪ホイールWの内空領域はリム部Wrの内周面と、リム部Wrの軸線O方向一端と結合するスポーク部Wsとによって区画される。そして車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21の軸線方向一方領域が車輪ホイールWの内空領域に収容される。またモータ部21の軸線方向他方領域が車輪ホイールWから軸線方向他方へはみ出す。このように車輪ホイールWはインホイールモータ駆動装置10の大部分を収容する。
図2を参照して本体ケーシング43は、軸線Oの真下部分43cと、出力歯車40の軸線Oから車両前後方向に離れた位置、具体的には入力歯車33の軸線Mの真下で、下方へ突出する部分とを有する。この突出する部分はオイルタンク47を形成し、真下部分43cよりも下方に位置する。また本体ケーシング43は、真下部分43cから連続し、軸線Oと中心として円周方向に連続する円弧壁部分43dと、円弧壁部分43dから上方へ連続する傾斜部分43gと、傾斜部分43gとから上方へ連続する立ち上がり壁部分43aとを含む。
円弧壁部分43dは軸線Oから車両前後方向にずらして配置され、隙間を介して出力歯車40の外周と対面する。傾斜部分43gは円弧壁部分43dの上縁から前方かつ上方へ傾斜して延びる。立ち上がり壁部分43aは傾斜部分43gの上縁から上方へ延びる。本体ケーシング43は、立ち上がり壁部分43aの上縁から車両前方へ延び、さらに下方へ延びて減速部31の全ての歯車を車両前方から覆い、オイルタンク47まで連続する前壁部分43jをさらに含む。
本体ケーシング43は、筒状であり、図3に示すように入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および車輪ハブ軸受部11の軸線O方向中央部を収容する。本体ケーシング43の内部には潤滑油が封入され、減速部31は潤滑される。入力歯車33、中間歯車34、中間歯車36、中間歯車37、中間歯車39、出力歯車40ははすば歯車である。
本体ケーシング43は、図2に示すように真下部分43cおよびオイルタンク47を含み一群の歯車33,34,36,37,39,40を囲繞する筒状部分(符号43c,43d,43g,43a,43j)と、図3に示すように減速部31の筒状部分の軸線方向一方側を覆う略平坦な正面部分43fと、減速部31の筒状部分の軸線方向他方側を覆う略平坦な背面部分43bを有する。背面部分43bは、モータケーシング25と結合する。また背面部分43bは、固定軸15と結合する。
正面部分43fには外輪12が貫通するための開口43pが形成される。開口43pには、外輪12との環状隙間を封止するシール材43sが設けられる。このため回転体になる外輪12は、軸線O方向一方端部を除いて本体ケーシング43に収容される。外輪12よりも軸線O方向他方側にはシール材43vが配置される。シール材43vは出力軸41の内周面と背面部分43bとの環状隙間に設置されて、当該環状隙間を封止する。
小径の入力歯車33と大径の中間歯車34は、減速部31の軸線方向他方側(モータ部21側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車36と大径の中間歯車37は、減速部31の軸線方向一方側(フランジ部12f側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車39と大径の出力歯車40は、減速部31の軸線方向他方側に配置されて互いに噛合する。このようにして入力歯車33と複数の中間歯車34、36,37,39と出力歯車40は、互いに噛合し、入力歯車33から複数の中間歯車34、36,37,39を順次経て出力歯車40に至る駆動伝達経路を構成する。そして上述した駆動側小径歯車および従動側大径歯車の噛合により、入力軸32の回転は中間軸35で減速され、中間軸35の回転は中間軸38で減速され、中間軸38の回転は出力軸41で減速される。これにより減速部31は減速比を十分に確保する。複数の中間歯車のうち中間歯車34は、駆動伝達経路の入力側に位置する第1中間歯車となる。複数の中間歯車のうち中間歯車39は、駆動伝達経路の出力側に位置する最終中間歯車となる。
図2に示すように、出力軸41、中間軸38、および入力軸32は、この順序で車両前後方向に間隔を空けて配置される。さらに中間軸35および中間軸38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置される。かかる第1実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12の上方に中間軸を配置し得て、外輪12の下方にオイルタンク47の配置スペースを確保したり、外輪12の真下にサスペンション装置のボールジョイント(図示せず)を受け入れる空間を確保したりすることができる。したがって当該ボールジョイントを通過して上下方向に延びる転舵軸線を車輪ハブ軸受部11に交差して設けることができ、車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10を転舵軸線回りに好適に転舵させることができる。
本体ケーシング43は、図3に示すようにポンプ軸51、転がり軸受52a,52b、ポンプギヤ53、およびオイルポンプ54をさらに収容する。ポンプ軸51の軸線Pは、出力軸41の軸線Oと平行に延びる。またポンプ軸51は、図2に示すように出力軸41から車両前後方向に離れて配置され、軸線P方向両端側で、転がり軸受52a,52bを介して回転自在に支持され、軸線P方向中央部でポンプギヤ53と同軸に結合する。ポンプギヤ53は外歯歯車であり、はずば歯車でもあり、出力歯車40と噛合する。出力歯車40はポンプ軸51を駆動する。
オイルポンプ54は、ポンプ軸51の軸線P方向一方端に配置され、図2に示す吸入油路59iおよび吐出油路59oと接続する(該接続箇所は図略される)。吸入油路59iはオイルポンプ54から下方へ延びてオイルタンク47に達し、吸入油路59i下端の吸入口59jはオイルタンク47の底壁近傍に配置される。吐出油路59oはオイルポンプ54から上方へ延び、吐出油路59o上端の吐出口59pは中間歯車37よりも高い位置に配置される。
ポンプ軸51が出力歯車40に駆動されることにより、オイルポンプ54は吸入口59jからオイルタンク47の潤滑油を吸入し、吸入した潤滑油を吐出口59pで吐出する。吐出口59pはすべての歯車(入力歯車33、中間歯車34,36,37,39、および出力歯車40)よりも高い位置にあり、上方からこれら歯車に潤滑油を供給する。また潤滑油は、吐出油路59oからモータ部21内部に噴射される。これによりモータ部21および減速部31は潤滑される。
図2を参照して本実施形態のポンプ軸51は入力軸32よりも下方に配置され、オイルタンク47はポンプ軸51よりも下方に配置される。オイルポンプ54は、ポンプ軸51と略同軸に配置され、オイルタンク47に貯留した潤滑油を、オイルタンク47の直上へ汲み上げる。またポンプ軸51およびオイルタンク47は、出力軸41よりも車両前方に配置される。車輪ホイールWがインホイールモータ駆動装置10に駆動されて電動車両が走行すると、オイルタンク47は車両前方から走行風を受けて、空気冷却される。
図1に示すように、本体ケーシング43の上部は、外輪12よりも上方で、サスペンション装置のストラット101下端と連結する。仮想線で表されるストラット101は上下方向に延び、ストラット101上端で図示しない車体と連結する。
次に、本実施形態のブリーザ構造につき詳細に説明する。
図2に示すように、本体ケーシング43にはブリーザ孔61が穿設される。ブリーザ孔61は、本体ケーシング43の上部に形成される立ち上がり壁部分43aに設けられ、本体ケーシング43の外側壁面から内側壁面まで水平に貫通する。立ち上がり壁部分43aは、その外側壁面が車両後方に指向し、その内側壁面が車両前方に指向する。このためブリーザ孔61は車両前後方向に延びる。ここで付言すると、ブリーザ孔の上下方向位置は、減速部31の歯車群の中でもっとも高い位置にある中間歯車37よりも高い位置に配置される。
ブリーザ孔61には、円筒形状の接続スリーブ62が差し込み固定される。接続スリーブ62は、本体ケーシング43の外側壁面に取り付けられ、ブリーザ管63の下端と接続する。ブリーザ管63の上端は、ブリーザキャップ64と接続する。ブリーザ管63はゴムチューブのように可とう性を有する軟質管であってもよいし、金属パイプのような硬質管であってもよい。本実施形態のブリーザ管63は下端側が水平部分とされ、上端側が垂直部分とされるL字管であり、水平部分が接続スリーブ62と接続する。垂直部分は水平部分から立ち上がって延び、垂直部分の上端にブリーザキャップ64が被せられる。なおブリーザ管63の形状はL字に限定されないこと勿論である。ブリーザキャップ64は、例えば円筒ケースと、円筒ケースの端部を覆うメッシュからなり、空気の通過を許容するとともに異物の通過を規制する通気手段である。図2に示すようにブリーザキャップ64は、ブリーザ孔61よりも高い位置に配置されるとよい。
図4および図5は、インホイールモータ駆動装置を車両前後方向にみた状態を示す図であり、図4は本体ケーシングの外観を表し、図5は、図1中V−Vで表される平面でブリーザカバーを切断したブリーザカバー内部を表す。図5を参照して、接続スリーブ62の軸線O方向位置は、減速部31の軸線O方向位置と重なる。ブリーザ孔61、ブリーザ管63、およびブリーザキャップ64の軸線O方向位置も、減速部31の軸線O方向位置と重なる。ここで付言するとホイールセンタCwの軸線O方向位置も、減速部31の軸線O方向位置と重なるし、ブリーザカバー43eの軸線O方向位置と重なる。
本体ケーシング43の外側壁面には、ブリーザカバー43eが設けられる。図5に示すようにブリーザカバー43eは、後述するブリーザカバー66とともに、ブリーザ孔61と、接続スリーブ62と、ブリーザ管63と、ブリーザキャップ64とを覆う。ブリーザカバー43eは本体ケーシング43と一体形成される。このためブリーザカバー43eの材質は本体ケーシング43と同一であり、例えばアルミニウムを主成分とする軽金属製である。
図2を参照して、ブリーザカバー43eは、側壁43wと、かかる側壁43wを包囲する立ち上がり壁部分43a、上壁43r、後壁43t、および下壁43uとを含む椀状に形成され、本体ケーシング43と一体結合する。上壁43rは、車両後方へ指向する立ち上がり壁部分43aの外側壁面から直角に突出して車両後方へ広がる水平壁である。後壁43tは、上壁43rの後縁から垂下する垂直壁であり、車両前後方向に間隔を空けて立ち上がり壁部分43aの外側壁面と対向する。下壁43uは、後壁43tの下縁から前方かつ下方へ広がる傾斜壁であり、上壁43rと向き合う。下壁43uは立ち上がり壁部分43aと接続せず、下壁43uの前端と立ち上がり壁部分43aとの間には開口65が形成される。開口65はブリーザカバー43eに設けられる切れ込みであると理解されたい。側壁43wは、車両後方へ指向する立ち上がり壁部分43aの外側壁面から直角に突出して車両後方へ広がる垂直壁であり、上壁43rの車幅方向内側縁、後壁43tの車幅方向内側縁、および下壁43uの車幅方向内側縁と一体結合する。
図5に示すように車幅方向内側に配置される椀状のブリーザカバー43eには、本体ケーシング43とは別体になる椀状のブリーザカバー66が車幅方向外側から正面合わせで被せられる。このときブリーザカバー43eの空間とブリーザカバー66の空間が合わさって、外部から仕切られた1つの内部空間67を画成する。かかる内部空間67は、接続スリーブ62、ブリーザ管63、およびブリーザキャップ64を収容する。
図5を参照して車幅方向外側のブリーザカバー66は、車幅方向内側のブリーザカバー43eと略同一の椀状であり、側壁66wと、側壁66wを包囲する前壁66a、上壁66r、後壁66t(図4)、および下壁66uを含む。椀に形成される切り欠きに相当する開口(前述の下向き開口65に相当)は、ブリーザカバー66に設けてあってもよいし、設けてなくてもよい。上壁66rは水平壁であって上壁43rに継ぎ足される。前壁66aは上壁66rの前縁から垂れ下がる垂直壁であり、立ち上がり壁部分43aに継ぎ足される。後壁66tは上壁66rの後縁から垂れ下がる垂直壁であり、図4に示すように後壁43tに継ぎ足される。下壁66uは、後壁66tの下縁から車両前方へ広がる傾斜壁であり、上壁66rと上下方向に向き合い、図5に示すように下壁43uに継ぎ足される。側壁66wは上壁66rの車幅方向外側縁、下壁66uの車幅方向外側縁、前壁66aの車幅方向外側縁、および後壁66tの車幅方向外側縁と一体結合する垂直壁であり、車幅方向に間隔を空けて側壁43wと対向する。図示はしなかったが前壁66aと後壁66tは互いに対向する。図示しない変形例として、ブリーザカバー43e,66のうちいずれか一方が椀状に形成され、残る他方が蓋状に形成されてもよい。いずれにせよブリーザカバー43e,66は、外部から仕切られた壺状の内部空間67を構成すればよく具体的な形状は限定されない。
図2に示すように、立ち上がり壁部分43aの内側壁面には、ラビリンス通路68が設けられる。ラビリンス通路68は例えば車両前後方向に行ったり来たりを繰り返して迷路のように延びる。ブリーザ孔61は、立ち上がり壁部分43aの内側壁面でラビリンス通路68の一端68pと接続する。ラビリンス通路68の他端68qは本体ケーシング43の内部空間、すなわち減速部31、と接続する。本実施形態のラビリンス通路68は、軸線Oの直上に配置される。車両前後方向位置に関し、ラビリンス通路68は、軸線Nlから車両前後方向にずらして配置される。またラビリンス通路68の他端と吐出口59pとが向き合わないよう、ラビリンス通路68は、吐出油路59oから車両前後方向にずらして配置される。上下方向位置に関し、ラビリンス通路68は吐出油路59o上端部と重なるよう配置される。本実施形態のラビリンス通路68は、本体ケーシング43の内側でブリーザ孔61と接続するが、図示しない変形例として、本体ケーシング43の外側でブリーザ孔61と接続してもよい。
ところで本実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12と、車輪ハブを駆動するモータ部21と、外郭をなす本体ケーシング43と、本体ケーシング43の外側壁面から内側壁面まで貫通するブリーザ孔61と、本体ケーシング43の外側でブリーザ孔61と接続して空気の通過を許容するとともに異物の通過を規制する通気手段としてのブリーザキャップ64と、ブリーザ孔61を覆うように本体ケーシング43の外側壁面に設けられるブリーザカバー43e,66とを備え、ブリーザカバー43e,66は底壁になる上壁43r,66rを上側に含み、下向きの開口65を下側に含み、ブリーザキャップ64を収容するとともに、開口65が本体ケーシング43の外側と直接接続する。
かかる本実施形態によれば、異物が開口65に上向きに侵入することは困難であるため、異物がブリーザカバー43e,66内部の内部空間67に侵入することを抑制することができる。仮に異物が内部空間67に侵入しても、異物は自らの重量によって下向きの開口65から退出する。
また本実施形態によれば、図5に示すようにブリーザ孔61は車幅方向内側および外側に分割可能なブリーザカバー43e,66に覆われ、接続スリーブ62、ブリーザ管63、およびブリーザキャップ64は、側壁43w,66w間に介在して、内部空間67に収容される。これによりブリーザ孔61、接続スリーブ62、ブリーザ管63、およびブリーザキャップ64を異物の飛来から保護することができる。
また本実施形態によれば、ブリーザ孔61、接続スリーブ62、ブリーザ管63、ブリーザキャップ64、ブリーザカバー43e,66、およびラビリンス通路68を備えるブリーザ構造が本体ケーシング43近傍で完結しているため、従来のように本体ケーシングからブリーザホースが長く延び出すことがなく、インホイールモータ外部でブリーザホースを配線する必要がなく、組み立て工数を少なくすることができる。
また本実施形態によれば、本体ケーシング43が軸線Oを中心とし所定半径で周方向に広がる円弧壁部分43dと、円弧壁部分43dから外径側かつ上側に連続して延びる立ち上がり壁部分43aとを含み、ブリーザ孔61およびブリーザカバー43eは立ち上がり壁部分43aに設けられる。これによりブリーザカバー43e,66の姿勢を適正にして、上側を底壁(上壁43r,66r)とし開口65を下向きにすることができる。また図2に示すように円弧壁部分43dがブリーザカバー43e,66の下方にせり出して下向きの開口65を覆うため、異物が開口65に飛来し難くなる。
特に本実施形態によれば、円弧壁部分43dが出力歯車40の車両後側を覆い、立ち上がり壁部分43aの外側壁面が車両後方に指向するため、ブリーザカバー43e,66をインホイールモータ駆動装置10の後部に設置することができる。したがって電動車両の前進走行中に、異物がブリーザカバー43e,66に衝突し難くなる。
また本実施形態のブリーザカバーは複数の壁材(ブリーザカバー43eおよびブリーザカバー66)に分割可能であり、このうち1個のブリーザカバー43eが本体ケーシング43に一体形成され、他のブリーザカバー66が車幅方向に突き合わせてブリーザカバー43eに被せられる。これによりブリーザカバーの内部空間を容易に生成することができる。またブリーザ構造の点検・分解時にはブリーザカバー66を取り外せばよく、ブリーザ孔61からブリーザキャップ64までの点検・交換作業が容易になる。
また本実施形態のブリーザ孔61およびブリーザキャップ64は、ブリーザ管63を介して接続することから、本体ケーシング43内部の潤滑油がブリーザキャップ64を逆流する虞が少なくなる。
また本実施形態のブリーザ構造は本体ケーシング43の内側でブリーザ孔61と接続するラビリンス通路68をさらに備えることから、本体ケーシング43内部の潤滑油がブリーザ孔61を逆流する虞が少なくなり、潤滑油の吹き出し防止できる。
次に本発明の変形例を説明する。図6は本発明の変形例を示す断面図であり、図2の丸囲み部に対応する。この変形例につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では、ブリーザ管(図2の符号63)を介さず、本体ケーシング43の外側でブリーザ孔61とブリーザキャップ64を直接接続する。
かかる変形例においても、内部空間67は下向きに開口する壺状であり、ブリーザ孔61、ブリーザキャップ64、ブリーザカバー43e,66、およびラビリンス通路68を備えるブリーザ構造が本体ケーシング43近傍で完結しているため、従来のように本体ケーシングからブリーザホースが長く延び出すことがなく、インホイールモータ外部でブリーザホースを配線する必要がなく、組み立て工数を少なくすることができる。
次に本発明の第2実施形態を説明する。図7は本発明の第2実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図であり、車幅方向外側からみた外観を表す。図8は第2実施形態を模式的に示す横断面図であり、本体ケーシングの内部を表す。図9は第2実施形態を示す模式図であり、車量前後方向にみた状態を表す。図10は、図7中X−Xで表される平面でブリーザカバーを切断したブリーザカバー内部を示す模式図である。第2実施形態のインホイールモータ駆動装置20は、図3に示す基本構成と共通するため、当該基本構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
第2実施形態ではブリーザカバーを本体ケーシング43に一体形成するのではなく、代わりに別部材のブリーザカバー69を本体ケーシング43に取付固定する。ブリーザカバー69は例えば樹脂製である。あるいはブリーザカバー69はアルミニウムを主成分とする軽金属製であってもよい。ブリーザカバー69は爪やボルト等の連結手段によって、本体ケーシング43の外側壁面に取付固定される。
図7を参照して、ブリーザカバー69は、軸線Oを中心として周方向に延びる帯状の側壁69kを有する。側壁69kは、軸線Oの上部から前部を経て下部まで延び、さらに後部まで延出する。このため側壁69kの延在角度は180°を超える。図10を参照して、ブリーザカバー69は隙間を介して正面部分43fと対向する。側壁69kは、ブレーキディスクBDと正面部分43fとの間に介在する。これによりブレーキディスクBDが高温になっても、ブレーキディスクBDからの熱放散が側壁69kで遮蔽され、正面部分43fは熱から保護される。
ブリーザカバー69は断面逆U字状に形成され、下向き開口65を構成する。車幅方向外側の側壁69kは、車幅方向内側の側壁69wと対向する。ただし側壁69wは、軸線Oを中心として周方向に延びるのではなく、本体ケーシング43の上部に附設される。上壁69rは、側壁69kの上縁と側壁69wの上縁を接続する。後壁69t(図8、図9)は、側壁69kの後縁と側壁69wの後縁と上壁69rの後縁を接続する。ただし図8に示すように、側壁69kの前縁と上壁69rの前縁と側壁69wの前縁は前向き開口70を構成する。
ブリーザ孔61はブリーザカバー69に覆われ、接続スリーブ62、ブリーザ管63、およびブリーザキャップ64は、側壁69k,69w間に介在して、ブリーザカバー69の内部空間67に収容される。ブリーザカバー69は1部材であるが、複数の壁部材から組み立てられるものであってもよい。例えば上壁69r、側壁69k、側壁69w、および後壁69tからなる群のうちの一部が、他の一部に取付固定されるものであってもよい。
ところで第2実施形態のインホイールモータ駆動装置20によれば、ブリーザカバー69は本体ケーシング43とは別部材であり、本体ケーシング43の外側壁面にブリーザカバー69が取付固定される。かかる実施形態によっても、ブリーザ孔61、接続スリーブ62、ブリーザ管63、ブリーザキャップ64、ブリーザカバー43e,66、およびラビリンス通路68を備えるブリーザ構造が本体ケーシング43近傍で完結しているため、従来のように本体ケーシングからブリーザホースが長く延び出すことがなく、インホイールモータ外部でブリーザホースを配線する必要がなく、組み立て工数を少なくすることができる。また180°を超える円弧状に延びる帯状の側壁69kのように、ブリーザカバー69に対して複雑な造形が可能になる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10,20 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
12 外輪、 12f フランジ部、 13 内側固定部材、
15 固定軸、 18 キャリア、 21 モータ部、
22 モータ回転軸、 25 モータケーシング、 31 減速部、
32 入力軸、 33 入力歯車、
34,36,37,39 中間歯車、 35,38 中間軸、
40 出力歯車、 41 出力軸、 43 本体ケーシング、
43a 立ち上がり壁部分、 43b 背面部分、
43c 真下部分、 43d 円弧壁部分、
43eブリーザカバー、 43f 正面部分、 43g 傾斜部分、
43j 前壁部分、 43r 上壁、 43t 後壁、
43w 側壁、 47 オイルタンク、 51 ポンプ軸、
53 ポンプギヤ、 54 オイルポンプ、 59i 吸入油路、
59j 吸入口、 59o 吐出油路、 59p 吐出口、
61 ブリーザ孔、 62 接続スリーブ、 63 ブリーザ管、
64 ブリーザキャップ(通気手段)、 65 下向き開口、
66a 前壁、 67 内部空間、
68 ラビリンス通路(通気手段)、 70 前向き開口、
BD ブレーキディスク、 M,Nf,Nl,O,P 軸線、
W 車輪ホイール、 Wr リム部、 Ws スポーク部。

Claims (6)

  1. 車輪ハブと、前記車輪ハブを駆動するモータ部と、外郭をなす本体ケーシングと、前記本体ケーシングの外側壁面から内側壁面まで貫通するブリーザ孔と、前記ブリーザ孔と接続して空気の通過を許容するとともに異物の通過を規制する通気手段と、前記ブリーザ孔を覆うように前記本体ケーシングの外側壁面に設けられるブリーザカバーとを備え、
    前記通気手段は、前記ブリーザカバーの内部空間から前記本体ケーシングの内部空間までの領域に収容され、
    前記ブリーザカバーは、上側に底壁を含み、下向き開口とされて、前記開口が前記本体ケーシングの外側と直接接続する、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記本体ケーシングは、前記車輪ハブの軸線を中心とし所定半径で周方向に広がる円弧壁部分と、前記円弧壁部分から外径側かつ上側に連続して延びる立ち上がり壁部分とを含み、
    前記ブリーザ孔および前記ブリーザカバーは前記立ち上がり壁部分に設けられる、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記ブリーザカバーは複数の壁材に分割可能であり、
    1個の前記壁材が前記本体ケーシングに一体形成される、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記ブリーザカバーは前記本体ケーシングとは別部材であり、前記本体ケーシングの外側壁面に取付固定される、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記通気手段は、前記ブリーザカバーの内部空間に収容されるブリーザキャップである、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記通気手段は、一端、他端、および前記一端と前記他端を結ぶ直線と交差する障壁を有し、前記一端から前記他端までの経路が前記障壁を迂回する迂回路を構成する、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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