JP2017222310A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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真也 太向
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真也 太向
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Shiro Tamura
四郎 田村
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Abstract

【課題】インホイールモータ駆動装置に内設されるオイルポンプにおいて、重量増を招くことなく、ポンプ軸外周面を回転自在に支持する構造を提供する。
【解決手段】インホイールモータ駆動装置のオイルポンプ(54)は、ポンプ室(55)が形成される壁部分(43f)、ポンプ室に収容されるロータ(56i)、一端がポンプ室内でロータと係合し他端がポンプ室から突出する軸であってロータに回転を入力するポンプ軸(51)、壁部分に取付固定されてロータがポンプ室から抜け出すことを防止する押さえ部材(60)、および押さえ部材とポンプ軸の外周面との間に設けられてポンプ軸を回転自在に支持する転がり軸受(52a)を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輪の内空領域に配置されて当該車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置に関し、特にインホイールモータ駆動装置に内設されるオイルポンプに関する。
モータ部および減速部を備えるインホイールモータ駆動装置において、インホイールモータ駆動装置内部に潤滑油回路を設け、モータ部および減速部に潤滑油を循環させる技術としては従来、例えば、特開2011−189919号公報(特許文献1)に記載のごときものが知られている。特許文献1に記載のインホイールモータ駆動装置は、潤滑油回路中にオイルポンプを含む。オイルポンプは回転ポンプの一種になるサイクロイドポンプであり、インナロータおよびアウタロータを有する。これらロータはオイルポンプのポンプ室に収容され、ポンプ室から抜け出さないように、押さえ板で回転軸方向の移動を規制される。押さえ板の寸法はポンプ室の内径よりも大きい。
特開2011−189919号公報
特許文献1のインナロータは、車輪側回転部材の端部と係合し、車輪側回転部材とともに回転する。車輪側回転部材は、オイルポンプの入力軸であり、オイルポンプに回転を入力する。また車輪側回転部材は、減速部の内部に設けられた複数の転がり軸受で回転自在に支持される。
ところでオイルポンプの入力軸(以下、ポンプ軸という)を回転自在に支持する構造として、図12に示すように、ポンプ軸51の外周面にラジアル軸受52cを設けることが考えられる。この構造のオイルポンプ54も、回転ポンプであって、ポンプ軸51、インナロータ56i、アウタロータ56o、ポンプ室55、図示しない吸入口および吐出口、押さえ板70を有する。押さえ板70はボルト61により、ポンプ室55に被さるように取付固定され、インナロータ56i、アウタロータ56oがポンプ室55から脱落することを防止する。
ポンプ軸51はポンプ室55の外方から押さえ板70を超えてポンプ室55内部まで延びる。ポンプ軸51外周面を回転自在に支持するラジアル軸受52cは、押さえ板70に隣り合って配置される。ラジアル軸受52cは外輪、内輪、および複数の玉を有する。外輪の外周面は、ポンプ室55の外部で、ポンプ室55を区画するケーシング壁部分(符号43f)に支持される。外輪の外径は押さえ板70の寸法よりもさらに大きい。この理由として、もし外輪の外径寸法が押さえ板70と同じか小さければ、押さえ板70をポンプ室に被せることが不可能になるためである。
図12に示すようにポンプ軸外周面を回転自在に支持する構造において、さらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。
すなわち、ラジアル軸受が大径になってしまい、重量増の原因となってしまう。そうするとインホイールモータ駆動装置の重量が増えてしまい、車両の乗り心地性能が悪化する。
本発明は、上述の実情に鑑み、重量増を招くことなく、ポンプ軸外周面を回転自在に支持する構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、車輪ハブを回転自在に支持する車輪ハブ軸受部、車輪ハブを駆動するモータ部、およびモータ部に駆動されて潤滑油を吸入および吐出するオイルポンプを備える。かかるオイルポンプは、ポンプ室が形成される壁部分、ポンプ室に収容されるロータ、一端がポンプ室内でロータと係合し他端がポンプ室から突出する軸であってロータに回転を入力するポンプ軸、壁部分に取付固定されてロータがポンプ室から抜け出すことを防止する押さえ部材、および押さえ部材とポンプ軸の外周面との間に設けられてポンプ軸を回転自在に支持する転がり軸受を有する。
かかる本発明によれば、ポンプ軸の両端のうち、オイルポンプに近い方の端部外周面を転がり軸受で回転自在に支持する構成において、転がり軸受の小径化と軽量化を図ることができる。本発明の転がり軸受は、単列であってもよいし複列であってもよい。
本発明の転がり軸受は、外側軌道面、内側軌道面、および転動体を含みラジアル荷重を負担するラジアル軸受であれば特に限定されず、例えばアンギュラコンタクト軸受であってもよい。外側軌道面は外輪に形成される。あるいは転がり軸受は外輪を持たず、外側軌道面は転がり軸受を支持する相手材、例えばポンプ室を区画するケーシング壁部分、に形成される。内側軌道面は内輪に形成される。あるいは転がり軸受は内輪を持たず、内側軌道面はポンプ軸の外周面に形成される。
本発明のオイルポンプは回転ポンプであればよい。好ましい実施形態としてオイルポンプのロータは、外径側に配置されるアウタロータおよび内径側に配置されるインナロータを含む。
押さえ部材は、転がり軸受を介してポンプ軸を支持することから、ポンプ軸の軸線がずれないよう正確に位置決めされる必要がある。本発明の一実施形態として押さえ部材は、外周面を有し、外周面がポンプ室に嵌合することによって、ポンプ軸の軸線に倣うよう位置決めされる。これにより転がり軸受を所定の取付箇所に精度良く設置し得て、ポンプ軸の正確なアライメントを実現することができる。
本発明の他の実施形態として壁部分には穴が形成され、押さえ部材は壁部分の穴に差し込まれるピンと係合することにより位置決めされる。かかる実施形態によれば押さえ部材は、壁部分に形成される穴に差し込まれるピンと係合することによって、ポンプ軸の軸線に倣うよう位置決めされる。これにより転がり軸受を所定の取付箇所に精度良く設置し得て、ポンプ軸の正確なアライメントを実現することができる。ピンと押さえ部材とが係合する構造は特に限定されない、例えば押さえ部材に切欠きを設けて該切欠きにピンを係合させる。あるいは押さえ部材に貫通孔を設け該貫通孔にピンを嵌合させる。
本発明のさらに他の一実施形態として壁部分には、穴と、穴の底部から延びる雌ねじが形成され、押さえ部材は、壁部分の穴に差し込まれて底部の雌ねじと螺合するリーマボルトと係合することにより位置決めされる。かかる実施形態によれば、壁部分には穴および雌ねじが形成され、押さえ部材は、穴に差し込まれて雌ねじと螺合するリーマボルトと係合することによって、ポンプ軸の軸線に倣うよう位置決めされる。これにより転がり軸受を所定の取付箇所に精度良く設置し得て、ポンプ軸の正確なアライメントを実現することができる。リーマボルトと押さえ部材とが係合する構造は特に限定されない、例えば押さえ部材に切欠きを設けて該切欠きにリーマボルトの首下部を係合させる。あるいは押さえ部材に貫通孔を設け該貫通孔にリーマボルトの首下部を嵌合させる。
押さえ部材の形状は特に限定されない。例えば本発明の一実施形態によれば押さえ部材は、ポンプ軸を受け入れる貫通孔と、貫通孔を包囲して転がり軸受を支持する円筒部とを含む。これにより転がり軸受は円筒部に確りと支持される。
このように本発明によれば、インホイールモータ駆動装置のオイルポンプにおいて重量増を招くことなく、ポンプ軸外周面を回転自在に支持することができる。
本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図であり、車幅方向外側からみた状態を表す。 第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す横断面図である。 第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す展開断面図である。 第1実施形態からオイルポンプを取り出して示す模式図である。 オイルポンプの内部を示す図である。 は押さえ部材を取り出して示す正面図である。 は押さえ部材を取り出して示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示す展開断面図である。 第2実施形態からオイルポンプを取り出して示す模式図である。 本発明の第3実施形態を示す展開断面図である。 第3実施形態からオイルポンプを取り出して示す模式図である。 比較例のオイルポンプを取り出して示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す模式図である。図2は、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す横断面図である。図1および図2は、車幅方向外側からみた状態を表す。図2中、減速部内部の各歯車は歯先円で表され、個々の歯を図略する。図3は、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す展開断面図である。図3で表される切断面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面と、軸線Oおよび軸線Pを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。
インホイールモータ駆動装置10は、車輪ハブ軸受部11と、モータ部21と、モータ部21の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両(図示せず)の車幅方向左右両側に対称配置される。このとき図3に示すように、車輪ハブ軸受部11は車幅方向外側に配置され、モータ部21は車幅方向内側に配置される。
インホイールモータ駆動装置10は、図1に仮想線で表される車輪ホイールWの内空領域に配置されるとともに、図3に仮想線で表される車輪ホイールWの中心と連結し、車輪の車輪ホイールWを駆動する。
各インホイールモータ駆動装置10は、図示しないサスペンション装置を介して電動車両の車体と連結される。インホイールモータ駆動装置10は、公道で電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
モータ部21および減速部31は、図1および図2に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されず、図3に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oから直角方向にオフセットして配置される。つまりインホイールモータ駆動装置10は、詳しくは後述するが、車両の前向きに配置される部位と、車両の後ろ向きに配置される部位と、上方に配置される部位と、下方に配置される部位とを含む。
車輪ハブ軸受部11は、図3に示すように車輪ホイールWと結合する車輪ハブとしての外輪12と、外輪12の中心孔に通される内側固定部材13と、外輪12と内側固定部材13との環状隙間に配置される複数の転動体14を有し、車軸を構成する。内側固定部材13は、非回転の固定軸15と、1対のインナーレース16と、抜け止めナット17と、キャリア18とを含む。固定軸15は根元部15rが先端部15eよりも大径に形成される。インナーレース16は、根元部15rと先端部15eの間で、固定軸15の外周に嵌合する。抜け止めナット17は固定軸15の先端部15eに螺合して、抜け止めナット17と根元部15rの間にインナーレース16を固定する。
固定軸15は軸線Oに沿って延び、減速部31の外郭をなす本体ケーシング43を貫通する。固定軸15の先端部15eは、本体ケーシング43の正面部分43fに形成される開口43pを貫通し、正面部分43fよりも車幅方向外側へ突出する。固定軸15の根元部15rは、本体ケーシング43の背面部分43bよりも車幅方向内側から、背面部分43bに形成される開口43qを貫通する。なお正面部分43fと背面部分43bは軸線O方向に間隔を空けて互いに向き合うケーシング壁部分である。根元部15rにはキャリア18が取付固定される。キャリア18は本体ケーシング43の外部で図示しないサスペンション装置およびタイロッドと連結する。
転動体14は、軸線O方向に離隔して複列に配置される。軸線O方向一方のインナーレース16の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向一方の内周面と対面する。軸線O方向他方のインナーレース16の外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向他方の内周面と対面する。以下の説明において、車幅方向外側(アウトボード側)を軸線O方向一方ともいい、車幅方向内側(インボード側)を軸線O方向他方ともいう。図3の紙面左右方向は、車幅方向に対応する。外輪12の内周面は転動体14の外側軌道面を構成する。
外輪12の軸線O方向一方端にはフランジ部12fが形成される。フランジ部12fはブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWのスポーク部Wsと同軸に結合するための結合座部を構成する。外輪12はフランジ部12fでブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWと結合して、車輪ホイールWと一体回転する。なお図示しない変形例として、フランジ部12fは周方向に間隔を空けて外径側へ突出する突出部であってもよい。
モータ部21は図3に示すように、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、モータケーシング25を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータケーシング25は筒状であり、モータ部21のモータケーシングカバー25vは、モータケーシング25のうち軸線M方向他方端の開口を覆う。モータ部21は、径方向隙間を介して対面する内径側のロータおよび外径側のステータを有することから、ラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。ステータ24は、車体側から延びる動力線(図示せず)と接続する。モータ部21は、車体側から動力線を介して電力を供給されて、力行運転し、あるいは外輪12の回転を電力に変換し動力線を介して車体側へ供給する回生運転を行う。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。モータ回転軸22の先端部を除いたモータ部21の大部分の軸線方向位置は、図3に示すように内側固定部材13の軸線方向位置と重ならない。円筒状のモータケーシング25は、軸線M方向一方端で本体ケーシング43の背面部分43bと結合し、軸線M方向他方端で蓋状のモータケーシングカバー25vに封止される。モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25およびモータケーシングカバー25vに回転自在に支持される。モータ部21は外輪12(つまり車輪)と、後述するポンプ軸51を駆動する。
減速部31は、入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および本体ケーシング43を有する。入力軸32は、モータ回転軸22の先端部22eよりも大径の筒状体であって、モータ部21の軸線Mに沿って延びる。先端部22eは入力軸32の軸線M方向他方端部の中心孔に受け入れられて、入力軸32はモータ回転軸22と同軸に結合する。入力軸32の両端は転がり軸受42a,42bを介して、本体ケーシング43に支持される。入力歯車33は、モータ部21よりも小径の外歯歯車であり、入力軸32と同軸に結合する。具体的には入力歯車33は、入力軸32の軸線M方向中央部の外周に一体形成される。
出力軸41は、外輪12の円筒部分よりも大径の筒状体であって、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる。外輪12の軸線O方向他方端は、出力軸41の軸線O方向一方端の中心孔に受け入れられて、出力軸41は外輪12と同軸に結合する。出力軸41の軸線O方向両端部外周には転がり軸受44,46が配置される。出力軸41の軸線O方向一方端は転がり軸受44を介して、本体ケーシング43の正面部分43fに支持される。出力軸41の軸線O方向他方端は転がり軸受46を介して、本体ケーシング43の背面部分43bに支持される。出力歯車40は外歯歯車であり、出力軸41と同軸に結合する。具体的には出力歯車40は出力軸41の軸線O方向他方端の外周に一体形成される。
軸線O方向位置に関し、転がり軸受44は外輪12の中央部と重なるよう配置されるが、転がり軸受46は外輪12よりも軸線O方向他方側に配置されて外輪12と重ならない。転がり軸受46は出力歯車40の歯よりも内径側に配置され、転がり軸受46の軸線O方向位置は、出力歯車40の軸線O方向位置と重なる。
2本の中間軸35,38は入力軸32および出力軸41と平行に延びる。つまり減速部31は四軸の平行軸歯車減速機であり、出力軸41の軸線Oと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、入力軸32の軸線Mは互いに平行に延び、換言すると車幅方向に延びる。
各軸の車両前後方向位置につき説明すると、図2に示すように入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも車両前方に配置される。また中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも車両前方に配置される。中間軸38の軸線Nlは出力軸41の軸線Oよりも車両前方かつ入力軸32の軸線Mよりも車両後方に配置される。図示しない変形例として入力軸32の軸線Mと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、出力軸41の軸線Oが、この順序で車両前後方向に配置されてもよい。この順序は駆動力の伝達順序でもある。
各軸の上下方向位置につき説明すると、入力軸32は、入力軸32の上下方向位置が出力軸41の上下方向位置と重なるよう配置される。中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも上方に配置される。中間軸38の軸線Nlは中間軸35の軸線Nfよりも上方に配置される。なお複数の中間軸35,38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置されれば足り、図示しない変形例として中間軸35が中間軸38よりも上方に配置されてもよい。あるいは図示しない変形例として出力軸41が入力軸32よりも上方に配置されてもよい。
中間歯車34および中間歯車36は外歯歯車であり、図3に示すように中間軸35の軸線Nf方向中央部と同軸に結合する。中間軸35の両端部は、転がり軸受45a,45bを介して、本体ケーシング43に支持される。中間歯車37および中間歯車39は外歯歯車であり、中間軸38の軸線Nl方向中央部と同軸に結合する。中間軸38の両端部は、転がり軸受48a,48bを介して、本体ケーシング43に支持される。
本体ケーシング43は、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなし、筒状に形成されて、図2に示すように軸線O、Nf、Nl、Mを取り囲む。また本体ケーシング43は、図3に示すように車輪ホイールWの内空領域に収容される。車輪ホイールWの内空領域はリム部Wrの内周面と、リム部Wrの軸線O方向一端と結合するスポーク部Wsとによって区画される。そして車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21の軸線方向一方領域が車輪ホイールWの内空領域に収容される。またモータ部21の軸線方向他方領域が車輪ホイールWから軸線方向他方へはみ出す。このように車輪ホイールWはインホイールモータ駆動装置10の大部分を収容する。
図2を参照して本体ケーシング43は、軸線Oの真下部分43cと、出力歯車40の軸線Oから車両前後方向に離れた位置、具体的には入力歯車33の軸線Mの真下で、下方へ突出する部分とを有する。この突出する部分はオイルタンク47を形成し、真下部分43cよりも下方に位置する。
本体ケーシング43は、筒状であり、図3に示すように入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および車輪ハブ軸受部11の軸線O方向中央部を収容する。本体ケーシング43の内部には潤滑油が封入され、減速部31は潤滑される。入力歯車33、中間歯車34、中間歯車36、中間歯車37、中間歯車39、出力歯車40ははすば歯車である。
本体ケーシング43は、図2に示すように真下部分43cおよびオイルタンク47を含み一群の歯車33,34,36,37,39,40を囲繞する筒状部分と、図3に示すように減速部31の筒状部分の軸線方向一方側を覆う略平坦な正面部分43fと、減速部31の筒状部分の軸線方向他方側を覆う略平坦な背面部分43bを有する。背面部分43bは、モータケーシング25と結合する。また背面部分43bは、固定軸15と結合する。
正面部分43fには外輪12が貫通するための開口43pが形成される。開口43pには、外輪12との環状隙間を封止するシール材43sが設けられる。このため回転体になる外輪12は、軸線O方向一方端部を除いて本体ケーシング43に収容される。外輪12よりも軸線O方向他方側にはシール材43vが配置される。シール材43vは出力軸41の内周面と背面部分43bとの環状隙間に設置されて、当該環状隙間を封止する。
小径の入力歯車33と大径の中間歯車34は、減速部31の軸線方向他方側(モータ部21側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車36と大径の中間歯車37は、減速部31の軸線方向一方側(フランジ部12f側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車39と大径の出力歯車40は、減速部31の軸線方向他方側に配置されて互いに噛合する。このようにして入力歯車33と複数の中間歯車34、36,37,39と出力歯車40は、互いに噛合し、入力歯車33から複数の中間歯車34、36,37,39を経て出力歯車40に至る駆動伝達経路を構成する。そして上述した駆動側小径歯車および従動側大径歯車の噛合により、入力軸32の回転は中間軸35で減速され、中間軸35の回転は中間軸38で減速され、中間軸38の回転は出力軸41で減速される。これにより減速部31は減速比を十分に確保する。複数の中間歯車のうち中間歯車34は、駆動伝達経路の入力側に位置する第1中間歯車となる。複数の中間歯車のうち中間歯車39は、駆動伝達経路の出力側に位置する最終中間歯車となる。
図2に示すように、出力軸41、中間軸38、および入力軸32は、この順序で車両前後方向に間隔を空けて配置される。さらに中間軸35および中間軸38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置される。かかる第1実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12の上方に中間軸を配置し得て、外輪12の下方にオイルタンク47の配置スペースを確保したり、外輪12の真下にサスペンション装置のボールジョイント(図示せず)を受け入れる空間を確保したりすることができる。したがって当該ボールジョイントを通過して上下方向に延びる転舵軸線を車輪ハブ軸受部11に交差して設けることができ、車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10を転舵軸線回りに好適に転舵させることができる。
本体ケーシング43は、図3に示すようにポンプ軸51、転がり軸受52a,52b、ポンプギヤ53、およびオイルポンプ54をさらに収容する。ポンプ軸51の軸線Pは、出力軸41の軸線Oと平行に延びる。またポンプ軸51は、図2に示すように出力軸41から車両前後方向に離れて配置され、軸線P方向両端側で、転がり軸受52a,52bを介して回転自在に支持され、軸線P方向中央部でポンプギヤ53と同軸に結合する。ポンプギヤ53ははずば歯車であり、出力歯車40と噛合する。出力歯車40はポンプ軸51を駆動する。
オイルポンプ54は、ポンプ軸51の軸線P方向一方端に配置され、図2に示す吸入油路59iおよび吐出油路59oと接続する。吸入油路59iはオイルポンプ54から下方へ延びてオイルタンク47に達し、吸入油路59i下端の吸入口59jはオイルタンク47の底壁近傍に配置される。吐出油路59oはオイルポンプ54から上方へ延び、吐出油路59o上端の吐出口59pは中間歯車37よりも高い位置に配置される。
ポンプ軸51が出力歯車40に駆動されることにより、オイルポンプ54は吸入口59jからオイルタンク47の潤滑油を吸入し、吸入した潤滑油を吐出口59pで吐出する。吐出口59pはすべての歯車(入力歯車33、中間歯車34,36,37,39、および出力歯車40)よりも高い位置にあり、上方からこれら歯車に潤滑油を供給する。また潤滑油は、吐出油路59oからモータ部21内部に噴射される。これによりモータ部21および減速部31は潤滑される。
図2を参照して本実施形態のポンプ軸51は入力軸32よりも下方に配置され、オイルタンク47はポンプ軸51よりも下方に配置される。オイルポンプ54は、ポンプ軸51と略同軸に配置され、オイルタンク47に貯留した潤滑油を、オイルタンク47の直上へ汲み上げる。またポンプ軸51およびオイルタンク47は、出力軸41よりも車両前方に配置される。車輪ホイールWがインホイールモータ駆動装置10に駆動されて車両が走行すると、オイルタンク47は車両前方から走行風を受けて、空気冷却される。
図4は図3に示す第1実施形態からオイルポンプ54を取り出して示す模式図であり、軸線Oおよび軸線Pを含む平面における断面を表す。図5はオイルポンプの内部を示す図であり、軸線P方向にみた状態を表す。
図4および図5に示すように、オイルポンプ54は、本体ケーシング43の壁部分である正面部分43fに形成されるポンプ室55と、ポンプ室55内に収容されるインナロータ56iおよびアウタロータ56oと、ポンプ室55に隣接する入口57iおよび出口57oとを含む回転ポンプ(サイクロイドポンプ)である。ポンプ軸51の軸線P方向一端はポンプ室55に差し込まれ、インナロータ56iを取り付けられる。オイルポンプ54は、モータ部21に駆動されることから、オイルポンプ54のみのための駆動源を必要とせず、部品点数の低減が図れる。
ポンプ室55は、円形の内周面で区画される有底の凹部であり、軸線Pから偏心して配置される。ポンプ室55の円形底面には2個の凹部である入口57iおよび出口57oが形成される。アウタロータ56oは、ポンプ室55の内径寸法に対応する外径寸法を有し、アウタロータ56oの外周面がポンプ室55の内周面に沿って回転する。アウタロータ56oおよびポンプ室55の中心線Xは、軸線Pから偏心する。
図5に示すように、アウタロータ56oは中心孔を有し、アウタロータ56oの内周面には周方向に間隔を空けて複数の内向き突起が設けられる。各内向き突起は丸みを帯びるように膨出するサイクロイド形状であることから、アウタロータ56oの内周面は波形を構成する。アウタロータ56oの中心孔はインナロータ56iを受け入れる。
第1実施形態のポンプ室55が形成される箇所は本体ケーシング43の正面部分43fである。図示しない変形例としてポンプ室55は、本体ケーシング43の背面部分43bに形成されてもよいし、あるいは車輪ハブ軸受部の固定部材(内側固定部材13)やモータケーシング25に連なるケーシング壁部分に形成されてもよい。
インナロータ56iの外周面には周方向に間隔を空けて複数の外向き突起が設けられる。インナロータ56iの外周面において周方向で隣り合う外向き突起同士間は、丸みを帯びるように窪んだサイクロイド形状の溝を構成する。かかる溝は、アウタロータ56oの内向き突起よりも僅かに小さい。
インナロータ56iはアウタロータ56o中心孔に偏心配置されて、アウタロータ56oの幾つかの内向き突起がインナロータ56iの幾つかの外向き突起と噛合するとともに、アウタロータ56oの他の内向き突起がインナロータ56iの他の外向き突起から離れて両者間に隙間58を区画する。入口57iと出口57oは、軸線X,Pを挟んで対称に配置され、隙間58と接続する。
インナロータ56iが駆動回転すると、アウタロータ56oは従動回転し、隙間58が周方向に移動する。これにより入口57iの潤滑油は、隙間58によって出口57oまで移動し、オイルポンプ54の吸入および吐出が実現する。
図4に示すように本体ケーシング43の正面部分43fには押さえ部材60が設けられる。押さえ部材60はポンプ室55の軸線P方向他方の開口に被さってポンプ室55の軸線P方向一方の底面と向き合う。ポンプ室55に収容されるインナロータ56iおよびアウタロータ56oは、ポンプ室55の底面と押さえ部材60との間に配置されて、軸線P方向移動を規制される。つまり正面部分43fにボルト61で取付固定された押さえ部材60によって、インナロータ56iおよびアウタロータ56oは、ポンプ室55から軸線P方向他方側に抜け出すことを防止される。
図6は押さえ部材60を取り出して示す正面図である。図7は押さえ部材60を取り出して示す縦断面図であり、図6中、VII―VIIで押さえ部材60を切断した断面を表す。押さえ部材60は、ポンプ室55を覆う円形の板材であり、中心部に貫通孔60bを有する。貫通孔60bにはポンプ軸51の軸線P方向一端部が通される。ポンプ軸51の軸線P方向他端領域はポンプ室55から突出し、背面部分43bまで延びる。
押さえ部材60は、転がり軸受52aを介してポンプ軸51の軸線P方向一端部を回転自在に支持する。背面部分43bは、転がり軸受52bを介してポンプ軸51の軸線P方向他端部を回転自在に支持する。つまりポンプ軸51は、転がり軸受52a,52bに両持ち支持される。各転がり軸受52a,52bは、外輪、内輪、および転動体として複数の玉を含むラジアル軸受である。軸線P方向一端側(オイルポンプ54に近い側)に配置されて押さえ部材60に支持される転がり軸受52aのピッチ円径と、軸線P方向他端側(オイルポンプ54から遠い側)に配置されて背面部分43bに支持される転がり軸受52bのピッチ円径は、略同一の径寸法にされる。また転がり軸受52a,52bの外輪同士も略同一の寸法を有する。また転がり軸受52a,52bの内輪同士も略同一の寸法を有する。
円形の板材である押さえ部材60は、ポンプ室55の内周面の内径よりも大径である。押さえ部材60の一方面には、中心部分が外縁部分よりも突出して、周方向に延びる段差が形成される。この段差は、外周面を構成することから、以下において外周面60oという。外周面60oは、ポンプ室55の内周面と嵌合する。押さえ部材60の一方面は、外周面60oよりも外縁側で、正面部分43fの内側壁面に重ねられ、ボルト61で連結固定される。押さえ部材60の外縁部には、ボルト61が貫通する孔60hが複数形成される。正面部分43fの内側壁面には、雌ねじ43tが複数形成される。
押さえ部材60の他方面には、壁状に立ち上がって周方向に延びる円筒部60cが形成される。円筒部60cの内周面は転がり軸受52aの外輪を支持する。円筒部60cは図6に破線で示す外周面60oから偏心して配置される。その理由は、円筒部60cはポンプ軸51を同軸に支持して円筒部60cの中心は軸線Pになるのに対し、外周面60oはポンプ室55に同軸に固定されて外周面60oの中心は中心線Xに一致するためである。
ボルト61が貫通するために押さえ部材60に穿設される複数の孔60hの配列、および本体ケーシング43に形成されてボルト61と螺合する複数の雌ねじ43tの配列は、軸線Pと中心線Xの偏心方向(図5)に対応する。オイルポンプ54の組立の際、ポンプ室55と外周面60oとの嵌合、および押さえ部材60を貫通するボルト61と雌ねじ43tの螺合により、押さえ部材60の円筒部60cは軸線Pに一致するよう位置決めされる。
転がり軸受52bは、図4に示すように、背面部分43bに形成される円形凹部43wの内周面と、ポンプ軸51の外周面との間に配置される。前提としてポンプ軸51の軸線P方向他方端は、円形凹部43wに差し込まれる。
あるいは図3に示すように背面部分43bに固定軸43rを立設し、ポンプ軸51の軸線P方向端部に凹部51vを形成し、凹部51vが固定軸43rを受け入れ、凹部51vの内周面と固定軸43rの外周面との間に転がり軸受52bを配置してもよい。
ところで本実施形態のインホイールモータ駆動装置10によれば、ポンプ軸51の一方側がオイルポンプ54のポンプ室55に差し込まれる。そしてオイルポンプ54の押さえ部材60が、転がり軸受52aを介してポンプ軸51の一方側外周面を回転自在に支持する。
かかる本実施形態によればポンプ軸51の両端のうち、オイルポンプ54に近い方の端部外周面を転がり軸受52aで回転自在に支持する構成において、転がり軸受52aの小径化と軽量化を図ることができる。
本発明の効果について理解を容易にするため、図12に示す比較例を説明する。図12はインホイールモータ駆動装置から比較例のオイルポンプを取り出して示す模式図であり、共通する部品については同一の符号を付してある。比較例のオイルポンプ54も、ポンプ室55、インナロータ56i、アウタロータ56o、図示しない入口および出口、押さえ板70を有し、ポンプ軸51の軸線P方向一方端部と連結する。ポンプ軸51はポンプ室55の外方から押さえ板70を超えてポンプ室55内部まで延びる。ポンプ軸51の一方端部の外周面を回転自在に支持するラジアル軸受52cは、押さえ板70に隣接して配置される転がり軸受であり、外輪、内輪、および転動体としての複数の玉を有する。ラジアル軸受52cの外輪は、円筒部43yの内周面に支持される。円筒部43yは本体ケーシング43の正面部分43fの内側壁面に立設される。ラジアル軸受52c外輪の外径寸法は、転がり軸受52b外輪の外径寸法よりも大きい。そして円筒部43yの内周面の内径寸法およびラジアル軸受52c外輪の外径寸法は、押さえ板70よりもさらに大きい。この理由として、円筒部43yの内周面(外輪の外周面)が押さえ板70と同じか小さければ、押さえ板をポンプ室に取り付けることができないためである。
そして図12に示すようにポンプ軸51外周面をラジアル軸受52cで回転自在に支持する構造の場合、ラジアル軸受52cが転がり軸受52a(図4)よりも大径になってしまい、重量増の原因となってしまう。そうするとインホイールモータ駆動装置の重量が増えてしまい、車両の乗り心地性能が悪化する。またコスト増にもなる。
図12の比較例に示すラジアル軸受52cと図4の第1実施形態に示す転がり軸受52aを対比して明らかなように、第1実施形態によれば、ポンプ軸51の軸線P方向一方端がオイルポンプ54と連結する構造において、ポンプ軸51の軸線P方向一方端部の外周面を支持する転がり軸受52aを小径化および軽量化することができる。
また図4に示す第1実施形態によれば押さえ部材60は、外周面60oを有し、外周面60oがポンプ室55に嵌合することによって、軸線Pに倣うよう位置決めされる。これにより転がり軸受52aを所定の取付箇所に精度良く設置し得て、ポンプ軸51の正確なアライメントを実現することができる。
また図4に示す第1実施形態によれば押さえ部材60は、ポンプ軸を受け入れる貫通孔60bと、貫通孔60bを包囲して転がり軸受52aを支持する円筒部60cとを含む。これにより転がり軸受52aは円筒部60cに確りと支持される。
次に本発明の第2実施形態を説明する。図8は本発明の第2実施形態を示す展開断面図である。図8で表される切断面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面と、軸線Oおよび軸線Pを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。図9は第2実施形態からオイルポンプを取り出して示す模式図であり、軸線Oおよび軸線Pを含む平面における断面を表す。この第2実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
図9に示す第2実施形態では、外周面60o(図4)に代えて、正面部分43fの内側壁面に穴62が複数形成される。穴62はポンプ室55の外部にあって、ポンプ室55近傍に配置される丸穴である。押さえ部材60の外縁部には、孔60hの他にも貫通孔63が形成される。押さえ部材60は、各穴62および各貫通孔63が連続するように配置される。各穴62および各貫通孔63には、共通するピン64が差し込まれる。各ピン64は軸線Pと平行に延びる。各穴62の内径寸法はピン64の外径寸法に対応することから、ピン64は穴62に嵌合する。
第2実施形態によれば、ポンプ室55の外部には穴62が形成され、押さえ部材60は、穴62に差し込まれるピン64と係合することにより、押さえ部材60の円筒部60cが軸線Pに倣うよう、位置決めされる。なお押さえ部材60は、1個または複数のボルト61によって取付固定される。
次に本発明の第3実施形態を説明する。図10は本発明の第3実施形態を示す展開断面図である。図3で表される切断面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面と、軸線Oおよび軸線Pを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。図11は第3実施形態からオイルポンプを取り出して示す模式図であり、軸線Oおよび軸線Pを含む平面における断面を表す。この第3実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
図11に示す第3実施形態では、ボルト61およびピン64(図9)に代えて、複数のリーマボルト65で押さえ部材60を本体ケーシング43に取付固定する。各リーマボルト65は公知のものであり、頭部と、首下部と、雄ネジ部とを有する。首下部は、頭部よりも小さな円形断面を有し、一定半径で延びる。雄ネジ部は首下部よりも先端側の外周面に形成される。
正面部分43fの内側壁面には、雌ねじ43t(図4)に代えて、雌ねじ66が形成される。各雌ねじ66は、各穴62の穴底面の中心に穿設されている。押さえ部材60は、各穴62および各貫通孔63が連続するよう配置される。各穴62および各貫通孔63には、共通するリーマボルト65が差し込まれ、リーマボルト65先端の雄ねじが雌ねじ66に螺合する。各リーマボルト65は軸線Pと平行に延びる。リーマボルト65の首下部は、穴62から貫通孔63まで跨って延びる。首下部の外径寸法は穴62の内径寸法および貫通孔63の内径寸法に対応することから、リーマボルト65は穴62および貫通孔63に嵌合する。
第3実施形態によれば本体ケーシング43に、穴62と、穴62の底部から延びる雌ねじ66が形成される。押さえ部材60は、穴62に差し込まれて雌ねじ66と螺合するリーマボルト65と係合する。これにより押さえ部材60は、押さえ部材60の円筒部60cが軸線Pに倣うよう、位置決めされる。なおリーマボルト65は、複数設けられる。図示しない変形例として、押さえ部材60は、リーマボルト65および前述したピン64の組み合わせによって位置決めされる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
12 外輪(車輪ハブ)、 15 固定軸、 21 モータ部、
22 モータ回転軸、 23 ロータ、 24 ステータ、
25 モータケーシング、 31 減速部、 32 入力軸、
33 入力歯車、 34,36,37,39 中間歯車、
40 出力歯車、 41 出力軸、 43 本体ケーシング、
43b 背面部分、 43f 正面部分、 47 オイルタンク、
51 ポンプ軸、 51v 凹部、 53 ポンプギヤ、
54 オイルポンプ、 55 ポンプ室、 56i インナロータ、
56o アウタロータ、 57i 入口、 57o 出口、
58 隙間、 59i 吸入油路、 59j 吸入口、
59o 吐出油路、 59p 吐出口、 60 押さえ部材、
61 ボルト、 62 穴、 64 ピン、
65 リーマボルト、 66 雌ねじ、 O 車軸、
P ポンプ軸およびインナロータの中心、
X ポンプ室およびアウタロータの中心線。

Claims (6)

  1. 車輪ハブを回転自在に支持する車輪ハブ軸受部、前記車輪ハブを駆動するモータ部、および前記モータ部に駆動されて潤滑油を吸入および吐出するオイルポンプを備え、
    前記オイルポンプは、ポンプ室が形成される壁部分、前記ポンプ室に収容されるロータ、一端が前記ポンプ室内で前記ロータと係合し他端が前記ポンプ室から突出する軸であって前記ロータに回転を入力するポンプ軸、前記壁部分に取付固定されて前記ロータが前記ポンプ室から抜け出すことを防止する押さえ部材、および前記押さえ部材と前記ポンプ軸の外周面との間に設けられて前記ポンプ軸を回転自在に支持する転がり軸受を有する、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記ロータは、外径側に配置されるアウタロータおよび内径側に配置されるインナロータを含む、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記押さえ部材は、外周面を有し、前記外周面が前記ポンプ室に嵌合することによって位置決めされる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記壁部分には穴が形成され、
    前記押さえ部材は、前記穴に差し込まれるピンと係合することにより位置決めされる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記壁部分には、穴と、前記穴の底部から延びる雌ねじが形成され、
    前記押さえ部材は、前記穴に差し込まれて前記雌ねじと螺合するリーマボルトと係合することにより位置決めされる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記押さえ部材は、前記ポンプ軸を受け入れる貫通孔と、前記貫通孔を包囲して前記転がり軸受を支持する円筒部とを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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