JP2018030274A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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【課題】ポストキュアインフレーション工程においてタイヤの冷却方法を工夫することで、タイヤの力学特性を悪化させることなく、操舵性を向上させることを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供する。【解決手段】左右一対のビード部間に装架された有機繊維コードからなるカーカス層を備えたタイヤを製造する方法において、タイヤを加硫した後に、ポストキュアインフレーション工程に供し、ポストキュアインフレーション工程において、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が、有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を同期して通過するように、左右のサイドウォール部の除熱をそれぞれ独立に行う。【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、ポストキュアインフレーション工程においてタイヤの冷却方法を工夫することで、タイヤの力学特性を悪化させることなく、操舵性を向上させることを可能にした空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般に、カーカス層の補強材料として有機繊維コードが用いられている。しかしながら、タイヤ製造時において加硫モールドから取り出した加硫後のタイヤをそのまま自然冷却すると、有機繊維コードが過度に収縮して不適切なタイヤ形状に変形することがある。このような不具合を防止するために、加硫済みタイヤをインフレーションさせながら冷却するポストキュアインフレーション工程(以下、PCI工程という)を行なうことがある。
このようなPCI工程では、サイドウォール部を選択的に早期に冷却することが好ましく、タイヤ性能と生産性とを両立するために、様々な冷却方法が提案されている。例えば、特許文献1,2では、冷却水を用いて加硫済みタイヤを冷却することが提案されている。
しかしながら、これら方法では冷却速度を充分に制御することが困難であるという問題がある。また、水蒸気の発生や温水の飛散による環境への影響が懸念される。更に、加硫終了直後のタイヤにおいて、横置き姿勢におけるタイヤの鉛直方向の部位ではタイヤ上側の温度が高くなり、上下温度差が生じることがあるため、このような上下温度差を考慮せずにタイヤ上側とタイヤ下側とを一様に冷却すると、左右のサイドウォール部(横置き姿勢のタイヤでは上下面)を構成するカーカスが固定するタイミングがずれ、わずかに遅れる方のカーカスが伸張又は収縮して固定する。ここで、カーカスを構成するナイロン等の熱可塑性樹脂からなる糸は張力を加えなければ収縮するため、それを防ぐためにPCI(post cure inflation)を行う。その一方で、未だ熱くて固定されていない糸は張力を与えられた状態で熱の作用により収縮しようする。このように、二つの作用は略拮抗しており、カーカスは伸張又は収縮している。遅く固定する面のカーカスは、早く固定した面のカーカスと比べて伸張又は収縮して固定し、結果として微妙な長さの違いが残ってしまう。また、長さの違いだけでなく、カーカスコードの引張強度や伸びや剛性にも微妙な違いが生じる。これらの違いは、タイヤの状態で力学特性の違いやユニフォーミティの違いとしては検出できないが、操舵性(操舵感)ともいうべき、訓練されたテストドライバーによる官能試験では明確に指摘されるものである。
特開2010‐241017号公報 特開2012‐218243号公報
本発明の目的は、PCI工程においてタイヤの冷却方法を工夫することで、タイヤの力学特性を悪化させることなく、操舵性を向上させることを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、左右一対のビード部間に装架された有機繊維コードからなるカーカス層を備えたタイヤを製造する方法において、前記タイヤを加硫した後に、PCI工程に供し、該PCI工程において、前記タイヤの左右のサイドウォール部における前記有機繊維コードの温度変化曲線が、該有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を同期して通過するように、前記左右のサイドウォール部の除熱をそれぞれ独立に行うことを特徴とするものである。
本発明者は、PCI工程における冷却方法ついて鋭意研究した結果、タイヤの操舵感を向上させるには、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が特定の温度範囲を同期して通過するように左右のサイドウォール部を除熱することが重要であることを知見し、本発明に至ったのである。
本発明では、タイヤを加硫した後に、PCI工程に供し、該PCI工程において、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が、該有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を同期して通過するように、左右のサイドウォール部の除熱をそれぞれ独立に行うことで、タイヤの力学特性を悪化させることなく、操舵性を向上させることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法で用いるタイヤサイド用熱交換装置の断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法で用いるタイヤサイド用熱交換装置の主要部を示す斜視図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法で用いるタイヤサイド用熱交換装置の熱媒体層の構造を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法で用いるタイヤサイド用熱交換装置の断面図である。 タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度と開型時からの経過時間の関係を示すグラフである。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1,2に示すように、本発明で使用されるタイヤサイド用熱交換装置1は、表皮層2と熱媒体層3とクッション層4とが積層されて構成される。空気入りタイヤのサイドウォール部Sに当接する側(図1の下側)を表面側、その逆側(図の上側)を背面側とすると、表皮層2の背面側に熱媒体層3が積層され、熱媒体層3の背面側にクッション層4が積層されている。なお、図1の態様では、クッション層4の背面側にタイヤサイド用熱交換装置1の土台となる基部5が積層されている。この基部5は必要に応じて任意に設けることができる。
タイヤサイド用熱交換装置1は、サイドウォール部Sの熱交換を行うための装置であるので、少なくともサイドウォール部Sを覆うように、例えば、図2に示すようにサイドウォール部Sに沿った環状を成す。なお、タイヤサイド用熱交換装置1は、サイドウォール部Sの全体を覆うことができ、後述のように熱媒体層3を構成する熱媒体経路3Aが渦巻状に配されていれば、その全体の形状は図2の環状に限定されない。
また、タイヤサイド用熱交換装置1は、図2に示すようにサイドウォール部Sの熱交換を行う際に上下一対で使用される。即ち、タイヤサイド用熱交換装置1は、タイヤの横置き姿勢における鉛直方向の上側(図2の上側)のサイドウォール部Sに当接するタイヤサイド用熱交換装置1Aと、鉛直方向の下側(図2の下側)のサイドウォール部Sに当接するタイヤサイド用熱交換装置1Bから構成される。これらタイヤサイド用熱交換装置1A,1Bはそれぞれ別系統で制御され、2系統の制御機構を有する。そのため、タイヤの上側と下側のサイドウォール部Sにおいてそれぞれ独立した温度管理を行うことができる。
表皮層2は、サイドウォール部Sの表面と当接する層であり、この層を介してサイドウォール部Sと後述の熱媒体層3との間で熱交換が行われる。表皮層2は、熱交換時にサイドウォール部Sの表面に密着できるよう、可撓性を有する材料で構成される。そのような材料としては、例えば、シリコンゴムシート、フッ素樹脂フィルム等を例示することができる。更に、表皮層2を構成する材料は、加硫直後の高温のタイヤと接触しても劣化しないように耐熱性に優れることが好ましい。その一方で、サイドウォール部Sと後述の熱媒体層3との間の熱交換を阻害しないように高熱伝導性であることが好ましい。これに加えて、熱交換作業後にタイヤを容易に剥離可能であることが好ましい。これらの点から、前述の材料の中でもカーボンブラックで補強された布引のシリコンゴムシートが特に好ましい。表皮層2の厚さは特に限定されないが、例えば1mm〜5mmにすることができる。
熱媒体層3は、熱交換を行う際に熱媒体が循環する層であり、具体的には、熱媒体層3を構成する熱媒体経路3A内を熱媒体が循環するようになっている。熱媒体経路3Aは、表皮層2に沿うように設けられ、図3に示すように渦巻状に配されている。この熱媒体経路3Aとしては、例えば銅、真鍮、ステンレス等の金属製細チューブを好適に用いることができる。また耐熱性(加硫直後のタイヤ温度で劣化しない特性)を有する材質であればポリマー系チューブを用いることもできる。熱媒体経路3A(金属製細チューブ、ポリマー系チューブ)の径は特に限定されないが、例えば1mm〜5mmにすることができる。熱媒体経路3A(金属製細チューブ、ポリマー系チューブ)の断面形状としては、円形、長円形、長方形、正方形等を採用することができるが、伝熱面積を広く取れることから長円形又は長方形が特に好ましい。熱媒体層3は、前述のように熱媒体経路3Aが渦巻状に配置されているので、例えば、図4に示すように、熱媒体経路3Aの周回部ごとに巻軸方向に変位可能であり、それによりサイドウォール部Sの形状に応じた表皮層2の変形に追従して変形可能になっている。熱媒体経路3Aの隣り合う周回部どうしは接触していても離間していてもよいが、熱媒体経路3Aの隣り合う周回部どうしの離間距離が小さいほど熱交換性能が高い一方で、離間距離が大きいほど熱媒体層3は変形し易くなる。そのため、熱媒体経路3Aの隣り合う周回部どうしの離間距離は0.1mm〜5mm程度に設定することが好ましい。
クッション層4は、前述の表皮層2及び熱媒体層3を裏打ちする層である。表皮層2及び熱媒体層3の変形に追従して変形可能になるように弾性を有する材料で構成される。例えば、エアバッグフォーム質のクッション材、コイルスプリングを縦横に並べた構成体等を用いることができる。
熱媒体は、熱媒体経路3A内を循環可能な材料であれば特に限定されるものではない。PCI工程においてタイヤのサイドウォール部Sを除熱するにあたって、熱媒用オイルの中でも沸点が加硫直後のタイヤ温度よりも高いものを用いることが好ましい。
本発明ではタイヤを加硫した後にその加硫済みのタイヤをPCI工程に供する。そして、PCI工程において、上述する上下一対のタイヤサイド用熱交換装置1A,1Bを用いてタイヤの左右のサイドウォール部Sをそれぞれ独立した温度管理の下で除熱する。具体的には、先ず、除熱を開始する前にタイヤの左右のサイドウォール部Sにおけるカーカス層の温度を測定する。次いで、測定した温度データを利用して、タイヤの左右のサイドウォール部Sにおける有機繊維コードの温度Tをそれぞれ推定する。これら推定された温度Tの経過時間に対する変化曲線が、有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲TRを同期して通過するようにしたシミュレーションを行う。このシミュレーション結果に沿って、実際にタイヤの左右のサイドウォール部Sにおいてそれぞれ独立した除熱を行う。そして、有機繊維コードの温度Tがそれぞれ特定の温度まで低下した時点で除熱を終了する。
図5はタイヤの左右のサイドウォール部Sにおける有機繊維コードの温度Tと開型時からの経過時間tとの関係を示すグラフである。縦軸は有機繊維コードの温度T(℃)、横軸は経過時間t(分)を示す。PCI工程において、横置き姿勢における鉛直方向の上側をタイヤ上側、鉛直方向の下側をタイヤ下側とすると、タイヤ上側のサイドウォール部Sにおける有機繊維コードの温度は温度TA、タイヤ下側のサイドウォール部Sにおける有機繊維コードの温度は温度TBである。また、図5の斜線部は有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲TRであり、温度TAと温度TBが温度範囲TRの上限の温度T1に達する時点を時点t1とし、温度範囲TRの下限の温度T2に達する時点を時点t2とする。
開型後(加硫終了直後)のタイヤは上下温度差が生じているため、タイヤ上側とタイヤ下側ではタイヤ上側の温度が高くなる。そのため、図5に示すように、加硫終了直後において、タイヤ上側の温度TAはタイヤ下側の温度TBより高くなっている。除熱を開始すると、タイヤ上側の温度変化曲線CAとタイヤ下側の温度変化曲線CBは緩やかに下降していき、有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲TRを通過し、除熱が終了する温度まで下降する。
有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲TRとは、カーカス層に張力を掛けた状態においてカーカス層を構成する有機繊維コードが熱可塑性を残した状態から固まって安定する状態に至るまでの温度範囲を意味する。この温度範囲TRは、カーカス層を構成する有機繊維コードの種類に応じて決まるものである。例えば、ナイロン66の場合には、温度範囲TRの上限が140℃〜180℃、下限が130℃以下である。また、ナイロン6の場合には、温度範囲TRの上限が120℃〜160℃、下限が110℃以下である。さらに、ポリエステル繊維の場合には、温度範囲TRの上限が160℃〜200℃、下限が130℃以下である。
上述するタイヤ上側とタイヤ下側における除熱速度の調整は、タイヤ上側の温度変化曲線CAとタイヤ下側の温度変化曲線CBが温度範囲TRを同期して通過するように行われるが、温度範囲TRを同期して通過するとは、タイヤ上側の温度TAとタイヤ下側の温度TBが同時点で温度範囲TR内にあることを意味する。
図5の例では、タイヤ上側の温度TAとタイヤ下側の温度TBが温度範囲TRの上限の温度T1に同時に到達し、タイヤ上側の温度TAとタイヤ下側の温度TBが温度範囲TRの下限の温度T2に同時に到達し、温度範囲TR内においてタイヤ上側の温度変化曲線CAとタイヤ下側の温度変化曲線CBの傾きが互いに完全に一致している場合を示している。その一方で、本発明では、タイヤ上側の温度変化曲線CAとタイヤ下側の温度変化曲線CBが温度範囲TR内で完全に一致せず、若干の時間差を有していても良い。この場合、温度TA,TBが温度T1に達する時点における時間差と、温度TA,TBが温度T2に達する時点における時間差がいずれも20秒以下であることが好ましい。
従来のようにタイヤの左右のサイドウォール部を一様の温度で冷却すると、初期の上下温度差の影響を受けて、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を通過する時点が極端に異なる状態で冷却されるため、タイヤの左右のカーカスの張力に大きな差が生じることがある。これに対して、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、PCI工程において、温度変化曲線CA,CBが温度範囲TRを同期して通過するように左右のサイドウォール部Sを除熱することにより、タイヤの左右のサイドウォール部Sにおけるカーカスの長さの微妙な違いだけでなく、カーカスコードの引張強度や伸びや剛性等の微妙な違いを最小とすることができる。その結果、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、タイヤの力学特性を悪化させることなく、操舵性を向上させることが可能となる。
なお、本発明では、タイヤを加硫した後に、該タイヤを再度加熱し、PCI工程に供し、該PCI工程において、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が、有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を同期して通過するように、左右のサイドウォール部の除熱をそれぞれ独立に行うこともできる。これにより、加硫済みのタイヤを再度加熱した後にPCI工程に供することにより、一旦加硫されて製造工程を終えたタイヤにおいても、タイヤの力学特性を悪化させることなく、更なる操舵性の向上を実現することが可能となる。
左右一対のビード部間に装架された有機繊維コードからなるカーカス層を備えたタイヤを製造する方法において、タイヤを加硫した後に、PCI工程に供し、PCI工程において、サイドウォール部の除熱方法を異ならせてタイヤサイズ205/50R16のタイヤを作製した(比較例1〜3、実施例1〜3)。
実施例1〜3、比較例1〜3において、カーカス層を構成する有機繊維コードの種類、左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させる温度範囲、上段の温度範囲を通過する最大時間、130℃を通過する際のタイミングのずれ、左右のサイドウォール部の除熱方法を表1のように設定した。
なお、実施例1及び比較例1のタイヤにおいて、有機繊維コードにはナイロン66を使用し、ナイロンコードの力学特性が固定化する温度範囲は、上限が150℃、下限が90℃である。実施例1では、このナイロンコードの力学特性が固定化する温度範囲に合わせて、左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させる温度範囲を設定して除熱を行った。また、比較例1では左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させていないため、タイヤ上側の温度変化曲線とタイヤ下側の温度変化曲線が130℃を通過する際のタイミングが90秒ずれていた。
実施例2及び比較例2のタイヤにおいて、有機繊維コードにはナイロン6を使用し、ナイロンコードの力学特性が固定化する温度範囲は、上限が135℃、下限が75℃である。実施例2では、このナイロンコードの力学特性が固定化する温度範囲に合わせて、左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させる温度範囲を設定して除熱を行った。また、比較例2では左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させていないため、タイヤ上側の温度変化曲線とタイヤ下側の温度変化曲線が130℃を通過する際のタイミングが90秒ずれていた。
実施例3及び比較例3のタイヤにおいて、有機繊維コードにはポリエステルを使用し、ポリエステルコードの力学特性が固定化する温度範囲は、上限が160℃、下限が110℃である。実施例3では、このポリエステルコードの力学特性が固定化する温度範囲に合わせて、左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させる温度範囲を設定して除熱を行った。また、比較例3では左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線を同期させていないため、タイヤ上側の温度変化曲線とタイヤ下側の温度変化曲線が130℃を通過する際のタイミングが90秒ずれていた。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により操舵性を評価し、その結果を表1に示した。
操舵性:
各試験タイヤをリムサイズ7Jのホイールに組み付けて排気量2000ccの車両に装着し、空気圧230kPaの条件下で、操舵性についてパネラーによる官能評価を実施した。評価結果は基準点を3として5段階評価にて示した。この評価値が大きいほど操舵性が優れていることを意味する。
Figure 2018030274
表1に示すように、実施例1のタイヤは、タイヤの左右のサイドウォール部における有機繊維コードの温度変化曲線が特定の温度範囲を同期して通過するように左右のサイドウォール部を除熱したことで、比較例1との対比において操舵性が向上していた。また、実施例2,3についても、比較例2,3との対比においてそれぞれ操舵性が向上していた。
A,TB 有機繊維コードの温度
TR 有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲
S サイドウォール部

Claims (1)

  1. 左右一対のビード部間に装架された有機繊維コードからなるカーカス層を備えたタイヤを製造する方法において、
    前記タイヤを加硫した後に、ポストキュアインフレーション工程に供し、該ポストキュアインフレーション工程において、前記タイヤの左右のサイドウォール部における前記有機繊維コードの温度変化曲線が、該有機繊維コードの力学特性が固定化する温度範囲を同期して通過するように、前記左右のサイドウォール部の除熱をそれぞれ独立に行うことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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