JP2018030116A - 濾過フィルター - Google Patents

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Abstract

【構成】 ポリカーボネートを必須成分とする成形材料であって、該成形材料中のリン元素Pの含有量が20μg/g以下である成形材料を含むことを特徴とする、濾過フィルター。【効果】 本発明の濾過フィルターは、蒸気滅菌等の高温多湿条件における加水分解が抑制され、蒸気滅菌手法による殺菌をした場合に起こり得る加水分解による失透(白化)及び機械的性質等の諸物性劣化が抑制され、また、熱水中に浸漬放置された場合でも透明性や機械的物性等の諸物性を保持するものであり極めて有用である。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂本来の諸特性を損なうことなく、耐加水分解性及び耐 熱水性に優れた濾過フィルターに関する。より詳しくは、本発明は、蒸気滅菌時に起こり得る加水分解による失透、物性劣化が抑制された成形材料から成形されたフィルターホルダー等の容器を備えた濾過フィルターに関するものである。
ポリカーボネートは、機械的、熱的特性に優れ、耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチックとして車両分野、一般機器分野、食品分野、医療分野等の広範な分野で様々な用途に使用されている。特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性、衛生性に優れ、強靱で耐熱性にも秀でているため、医療分野において、例えば注射器、外科用具、静脈注射器、手術用器具などを収容、包装する容器状包装具や、人工肺、人工腎臓、麻酔吸入器、静脈コネクター及び付属品、血液遠心分離装置などの医療用装置、及び外科用具、手術用具等の医療用部品として使用されてきている。そして、そのような医療用部品のアプリケーションとして濾過フィルターがある。
従来より生化学や医療分野における、蛋白、糖鎖、ポリヌクレオチドなどの生体成分の分離精製や、重油やオリゴマーなどのエマルジョンの除去、液晶・半導体分野におけるレジスト材料の精製など、各種粘着性物質を含有する液体や粘性流体から特定成分を分離する濾過フィルターは、製薬、診断薬、医療材料等の様々な工業分野において必要とされている。なかでも、医療分野においては、各種体機能の診断や、病原菌或いは病原菌由来の毒素の診断などを行う際などに、血液から赤血球、白血球、血小板、フィブリン等の固形成分を濾過して血漿や血清成分を分離採取する場合が多い。具体的な濾過フィルターとしては、細胞分離や白血球除去などの血液濾過に用いられる生体成分分離用フィルターホルダー、フィルターユニット、及び該フィルターユニットを用いた血液濾過フィルター等が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1には、濾過フィルターを構成するフィルターホルダー等の容器材料としてプラスチックを用いることができ、特に、成形加工の容易さやコスト面や血液などの生体成分を含んだ液体の流れ性を外から観察できるようにすることを考慮すると、比較的透明性のある素材であるポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等のプラスチックが好ましいことが記載されている。
他方、医療分野では小規模実施が可能でかつ無害な蒸気滅菌手法の検討が進められてきている。ところが、蒸気滅菌のような高温高湿条件下の処理においては、一般的にポリカーボネートは加水分解による失透(白化)や分子量低下を引き起こす場合があることが知られており、前者は視認性を損ない、後者は加水分解による分子量低下に起因する機械物性劣化に繋がることから、この問題への解決が強く望まれている。
従来、ポリカーボネートの耐加水分解性を向上させる手法としては、例えば、ポリカーボネートにリン系化合物とフェノール系化合物とを併用添加する技術(特許文献2)等があるが、医療分野では、さらなる耐加水分解性及び耐熱水性を要求される場合があり、現状では必ずしも十分ではない。
特開2003−70904号公報 特開平6−166808号公報
本発明は、前述の従来技術では達成し得なかった諸問題を解決した、すなわち、蒸気滅菌手法による殺菌をした場合に起こり得る加水分解による失透(白化)及び機械的性質等の諸物性劣化が抑制された成形材料から成形してなる濾過フィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、ポリカーボネートを必須成分とする成形材料において、該成形材料中のリン元素Pの含有量を低減、あるいは低い含有量レベルに制御されて特定値以下とした成形材料が、ポリカーボネートの本来の機械的物性等の諸特性を損なうことなく耐加水分解性及び耐熱水性に優れることを見出し、本発明を完成するに到ったものである。
すなわち、本発明は、ポリカーボネートを必須成分とする成形材料であって、該成形材料中のリン元素Pの含有量が20μg/g以下である成形材料を含むことを特徴とする、濾過フィルターを提供するものである。
本発明の濾過フィルターは、蒸気滅菌等の高温多湿条件における加水分解が抑制され、蒸気滅菌手法による殺菌をした場合に起こり得る加水分解による失透(白化)及び機械的性質等の諸物性劣化が抑制され、又、熱水中に浸漬放置された場合でも透明性や機械的物性等の諸物性を保持するものであり極めて有用である。
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、発明者らは当業者が本発明を充分に理解するために以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本発明の濾過フィルターとは、例えば、細胞分離や白血球除去などの血液濾過に用いられる生体成分分離用フィルターホルダー、フィルターユニット、及びフィルターユニット等を用いた血液濾過フィルター等を意味し、本発明にて使用される成形材料は、例えば、フィルターホルダーなど容器に成形されて使用される。
本発明において使用されるポリカーボネートとは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルを反応させるエステル交換法によって得られる重合体(樹脂)及びその組成物であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂とその組成物が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類が挙げられる。
これらは単独又は2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。本発明に使用されるポリカーボネートとしては、エステル交換法によるポリカーボネートよりも色相等の特性低下が少ない界面重合法(ホスゲン法)によるポリカーボネートがより好ましい。
本発明にて使用されるポリカーボネートの粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より好ましくは、10000〜100000、より好ましくは20000〜40000の範囲である。又、かかるポリカーボネートを製造するに際し、分子量調整剤、各種触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される成形材料は、後述する分析手法にて検出できるリン元素Pの総含有量が特定数値以下にあるものである。このようなリン元素は、製造原料の不純物や、離型剤の製造触媒、重合時の酸性雰囲気を中和するためのリン酸化合物、リン系触媒としてのリン系化合物に由来するもの等もあるが、安定剤、酸化防止剤、難燃材等の各種添加剤に含まれるリン系化合物に由来するもの、又はこれらリン系触媒や安定剤の中に不純物として含まれ得るリン系化合物、あるいは製造設備を洗浄する洗浄剤としてのリン系化合物等に由来するもの等がある。
これらリン元素Pの起源となるリン系化合物の例としては、リン酸化合物、亜リン酸化合物あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当する。
本発明の濾過フィルターに使用する成形材料においては、成形材料中のリン元素Pの含有量が20μg/g以下である必要があり、このような範囲の含有量に制御することにより、加水分解が抑制された成形材料とすることができる。本発明者の成果として特筆すべきは、医療分野において好適に使用できる成形材料中に含有されるリン元素Pの総含有量の上限値を明確化した点であり、このリン元素Pの含有量を越えないように管理調整することで医療分野に好適な耐加水分解性等に優れる成形材料を提供することができ、極めて有用である。
尚、本発明の成形材料中のリン元素Pの含有量は、ICP発光分光分析法を用いて測定することができる。
本発明の濾過フィルターに使用する医療部品用成形材料は、この成形材料から射出成形された厚さ2mmの成形片をオートクレーブ内で121℃ 100%RHの環境下で120時間保持する処理を行い、該処理前の該成形片の粘度平均分子量(Mw0)から該処理後の該成形片の粘度平均分子量(Mw1)を減じた値が4500以下である成形材料が好ましい。より好ましくは、その値が4000以下である。この条件下で優れた特性を有する成形材料であれば、医療分野における耐加水分解性の要求を十分に満足できることを発明者は見出している。
本発明の濾過フィルターに使用する成形材料を製造する方法としては、最終成形品を成形する直前までの任意の段階で、当該業者に周知の手段によって行うことができる。重合にて得られたポリカーボネートとタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等で混合し、一軸又は二軸押出機等で溶融混練する方法などである。
又、本発明の医療部品用成形材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルポリカーボネート、シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸との重縮合物又はそれとポリエチレンテレフタレートとの共重合物等を少量添加して使用することができる。
さらに、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば、離型剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、染顔料、展着剤(エポキシ化大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。
上記公知の添加剤として任意のリン系化合物が添加される場合においては、ポリカーボネートからなる成形材料中のリン元素Pの含有量が20μg/gを越えないようにされる必要がある。例えば、リン元素P源としては、ポリカーボネートの重合過程で触媒や酸性雰囲気の中和剤、熱安定化のために安定剤としてのリン系化合物等が挙げられる。成形材料中に含まれるリン元素Pの総含有量が過剰となる場合は、必要に応じて公知の手法によりリン系化合物を適宜除去するのが好ましい。除去方法としては、例えば、造粒工程において減圧条件下で250℃〜300℃程度の温度条件下にて押出機の中を複数回再造粒し、該当するリン系化合物を押出機のベントから排出する方法等がある。又、ポリカーボネートの特性に悪影響を与えない範囲で減圧下にて熱を加える、又は熱水抽出による除去を行うこともできる。
上記安定剤としてのリン系化合物としては、下記一般式(1)で表わされる化合物等があり、例えば、住友化学社のスミライザーP−168等が市場で入手可能である。
一般式(1)
Figure 2018030116
(一般式(1)において、R5は炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を、aは0〜3の整数を示す)
成形材料と所望により各種添加剤を配合する方法としては、最終成型品を成形する直前までの任意の段階で、当該業者に周知の手段によって行うことができる。例えば、カーボネート樹脂の重合前、中、又は直後に所望によりリン系化合物を配合する方法はもちろんのこと、重合にて得られたポリカーボネートとタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等で混合し一軸又は二軸押出機等で溶融混練する方法などである。
本発明にて使用される医療部品用成形材料は、当該業者に周知の方法で濾過フィルターのフィルターホルダー等に加工される。加工法には特に制限はなく、例えば、射出成型、押出成型、ブロー成型、プレス成型などが適用され、従来公知のポリカーボネートと同様の条件で成形することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施例を説明した。しかしながら、本発明に係る技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、特にことわりがない限り、「部」及び「%」はそれぞれ重量基準である。
(実施例1)
原料としてビスフェノールAと塩化カルボニルからホスゲン法にて合成された粘度平均分子量30000のポリカーボネートペレット(住化スタイロンポリカーボネート社製SDポリカ SD2000H(以下、「PC−1」と略記する。))のリン元素P含有量を測定したところ、定量限界(10μg/g)以下であった。得られたペレットPC−1の特性を表1に示す。
(実施例2)
原料としてビスフェノールAと塩化カルボニルからホスゲン法にて合成された粘度平均分子量30000のポリカーボネートペレット(住化スタイロンポリカーボネート社製カリバー 351−6(以下、「PC−2」と略記する。))のリン元素Pの含有量を測定したところ、18μg/gであった。得られたペレットPC−2の特性を表1に示す。
(比較例1)
ポリカーボネート成分の調整にて得られた実施例2のペレットPC−2に安定剤成分としてクラリアントジャパン社のサンドスタブP−EPQ(以下、「B」と略記する。)を添加し、二軸押出機(L/D=42、Φ=37mm、神戸製鋼社製KTX−37)を用いて、溶融温度280℃にて溶融混練しペレット(以下、「PC−3」と略記する。)を得た。得られたペレットPC−3のリン元素Pの含有量を測定したところ、23μg/gであった。得られたペレットPC−3の特性を表1に示す。
(リン元素Pの定量)
上記で得られた各種ペレットを0.1g秤量後、硝酸を加えて密閉後、マイクロウェーブ分解を行い、放冷後、分解液に超純水を加えて20mLの検液を作製した。次いでICP発光分光分析装置(島津製作所社製型式「ICPS−8100」)に各種ペレットから作製された検液を導入することにより、リン元素Pの含有量を測定(定量限界:10μg/g)した。
1.耐加水分解性の評価方法
各種ペレットから100トンの射出成形機を用いて溶融温度280℃にて成形を行い、2mm厚みのプレート試験片を作成し試験に供した。このプレートを121℃×100%相対湿度条件下、タバイエスペック社製のプレッシャークッカー( T P C − 4 1 1 )(オートクレーブ)中で暴露し、120時間湿熱劣化させる。暴露前後の試験片をジクロロメタンに溶解し、NO.1濾紙を用いて溶解液中の不溶物を濾過する。この濾液をドライアップし、得られたポリマーの一定量(0.25g)をジクロロメタン50mlに溶解する。キャノン・フェンスケ粘度計を用いてジクロロメタン希薄溶液の粘度を23℃で測定し、シュネルの式を用いて各試験片の粘度平均分子量を求めた。
(シュネルの式) [η]=1.23×10−4・M0.83
[η]:固有粘度、M:粘度平均分子量
なお、加水分解性の指標である分子量低下は、暴露前のポリカーボネートの粘度平均分子量をMW0、暴露後のポリカーボネートの粘度平均分子量をMW1としたとき、MW0からMW1を減じた値(以下ΔMWと略記)が3500以下を良好とした。
2.耐熱水性の評価方法
各種ペレットから100トンの射出成形機を用いて溶融温度280℃にて成形を行い、試験片(127x12.7x6.4mm)を作成し試験に供した。得られた試験片を両持ち梁の下式に示す試験治具を用いて、臨界ひずみ量εが3%以上になるようにたわみをかけた状態で、90℃の熱水中に10日間浸漬放置し、試験片に発生したクラックの存在数を評価した。なお、下式を用いて計算を行うと臨界ひずみ量εが3%以上となるように最大たわみ量σを設定することができる(例えば、h:6.4mm、L:100mmのとき、σ=10mm)した。クラックは光学顕微鏡にて試験片表面を50倍率で、5x5mm四方に存在するクラック数を観察した。試験片中2カ所のクラック数の平均が10以下を良好とした。
Figure 2018030116
Figure 2018030116
表中「判定」は ○:良好、×:不良 を表す。
成形材料が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1及び2)にあっては、今回の評価項目について良好な結果を示した。
比較例1は、リン元素P含有量が規定量よりも多い場合で、耐加水分解性及び耐熱水性に劣っていた。
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、詳細な説明を提供した。
したがって、詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
又、上述の実施の形態は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明の濾過フィルターは、蒸気滅菌等の高温多湿条件における加水分解が抑制され、蒸気滅菌手法による殺菌をした場合に起こり得る加水分解による失透(白化)及び機械的性質等の諸物性劣化が抑制され、又、熱水中に浸漬放置された場合でも透明性や機械的物性等の諸物性を保持するものであり工業的利用価値が極めて高い。

Claims (2)

  1. ポリカーボネートを必須成分とする成形材料であって、該成形材料中のリン元素Pの含有量が20μg/g以下である成形材料を含むことを特徴とする、濾過フィルター。
  2. 前記成形材料から射出成形された厚さ2mmの成形片をオートクレーブ内で121℃ 100%RHの環境下で120時間保持する処理を行い、該処理前の該成形片の粘度平均分子量(Mw0)から該処理後の該成形片の粘度平均分子量(Mw1)を減じた値が3500以下である、請求項1記載の濾過フィルター。
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