図1から図4を用いて、実施の形態に係るコイルユニットについて説明する。なお、図1から図4に示す構成のうち、同一の構成または実質的に同一の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する場合がある。
図1は、非接触充電システム1を模式的に示す模式図であり、図2は、非接触充電システム1を模式的に示す電気回路図である。なお、図1などにおいて、「U」は、上方向を示す。「D」は、下方向を示す。図1および図2に示すように、非接触充電システム1は、コイルユニット4およびバッテリ7が搭載された車両2と、車両2の外部に設けられたコイルユニット3とを含む。
コイルユニット4は、車両2のフロアパネル15の下面に設けられており、コイルユニット3から非接触で電力を受電する。なお、コイルユニット4の搭載位置としては、フロアパネル15のみならず、たとえば、フロアパネル15の下面に設けられたバッテリの下面に配置するようにしてもよい。
コイルユニット4は、共振器5と、共振器5に接続された整流器6とを含む。共振器5は、受電コイル8およびコンデンサ9とを含み、受電コイル8およびコンデンサ9によってLC共振回路が形成されている。整流器6は、共振器5が受電した交流電力を直流電力に変換して、バッテリ7に供給する。
コイルユニット3は地面や地面に配置された固定板などに固定されている。コイルユニット3は、共振器14と、変換器11とを含む。共振器14は、送電コイル12とコンデンサ13とを含み、送電コイル12およびコンデンサ13によってLC共振回路が形成されている。
変換器11は、電源10に接続されており、電源10から供給される交流電流の周波数を調整すると共に、電圧を調整して、共振器14に供給する。
図3は、コイルユニット4を示す分解斜視図である。この図3に示すように、コイルユニット4は、収容ケース20と、収容ケース20内に収容された受電コイル8、ボビン23、フェライト板24、支持板25および基板26とを含む。
収容ケース20は、フロアパネル15またはフロアパネル15の下面に設けられたバッテリケースなどに固定されるケース本体21と、ケース本体21を下方から覆うように設けられた樹脂蓋22とを含む。ケース本体21は、たとえば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成されている。
ケース本体21は、天板部30と、天板部30の下面33に形成された環状壁部31と、環状壁部31内に配置された複数の支持壁32とを含む。天板部30の外周縁部には、外方に向けて突出する台座34および張出部27が形成されている。台座34には、ネジ穴35が形成されており、張出部27にもネジ穴28が形成されている。そして、ボルト42がネジ穴35に挿入され、ボルト42は、車両2のフロアパネルやフロアパネルの下面に配置されたバッテリケースなどにケース本体21(収容ケース20)を固定する。なお、ボルト42は、鉄などによって形成されている。
環状壁部31は、天板部30の周縁部に沿って延びている。環状壁部31と、天板部30の外周縁部との間には、複数のボス38が配置されており、ボス38には穴部39が形成されている。
基板26は、ケース本体21の下面33側に固定されており、この基板26の下面50には、コンデンサ9や整流器6などの電気機器17が実装されている。基板26には、支持壁32が挿入される複数のスリット29が形成されている。
支持板25は、基板26の下面50側に配置されている。支持板25は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。
支持板25は板状に形成されており、ケース本体21と対向する上面18と、上面18の反対側に位置する下面19とを含む。
支持板25は、平坦面状に形成された平坦部36と、平坦部36の中央部から下方に向けて突出するように形成された突出部37とを含む。突出部37の中央部には、穴部40が形成されている。
フェライト板24は、支持板25の下面19側に配置されている。フェライト板24は、板状に形成されている。フェライト板24は、厚さ方向TDに配列する上面44および下面45を含む。
フェライト板24は、環状に配置された複数の分割フェライト板24Aを含み、フェライト板24の中央部には中空部51が配置されている。なお、分割フェライト板24Aは、支持板25の平坦部36に配置されており、中空部51に支持板25の突出部37が配置される。
フェライト板24の下面45側には、ボビン23が配置されている。ボビン23は、樹脂などによって形成されており、ボビン23は板状に形成されており、厚さ方向に配列する下面52および上面53を含む。ボビン23の中央部には下面52から上面53に貫通する中空部54が形成されており、ボビン23の下面52には、中空部54の周囲を取り囲むようにコイル溝43が形成されている。
ボビン23の外周縁部には、複数のピン16が形成されており、各ピン16は上方に向けて突出している。このピン16がボス38の穴部39に挿入されることで、ボビン23がケース本体21に固定される。
受電コイル8は、コイル溝43に収容されている。受電コイル8は、厚さ方向TDに延びる巻回軸線O1の周囲を取り囲むように形成されている。なお、この図3に示す例においては、巻回軸線O1は、上下方向に延びている。受電コイル8は、渦巻型コイルであり、中央部に中空部49が形成されている。
樹脂蓋22は、受電コイル8の下方に配置されている。樹脂蓋22は、主板55と、主板55の外周縁部から上方に立ち上がる周壁部56と、周壁部56の上端辺から外方に入りだす鍔部57と、鍔部57に形成された複数の張出部46と、主板55の上面の中央から上方に向けて突出する樹脂支持軸58とを含む。
張出部46は、鍔部57の外周縁部に間隔をあけて形成されており、各張出部46には穴部47が形成されている。樹脂蓋22は、ボルト48によって、ケース本体21に固定されている。ボルト48は、樹脂蓋22の穴部47と、ケース本体21のネジ穴28とに挿入され、樹脂蓋22をケース本体21に固定する。なお、ボルト48は鉄などによって形成されている。
図4は、コイルユニット4を模式的に示す断面図である。この図4に示すように、ケース本体21は、天板部30の下面33の中央部に形成された台座60と、台座60よりもケース本体21の外周縁部側に形成された台座61と、支持壁32とを含む。
支持壁32は、支持板25の上面18を支持しており、支持壁32は、支持部63と支持部64とを含む。
支持部63は、上面18のうちボビン23の中空部54と厚さ方向に隣り合う部分を支持する。支持部64は、支持板25の上面18のうち、受電コイル8と対向する部分(上下方向において受電コイル8と重なり合う部分)に形成されている。
台座61は、支持部63と天板部30との付根部に形成されており、台座61は、基板26の上面70を支持している。台座60は、天板部30の略中央部またはその近傍に配置されている。
基板26には、スリット29が形成されており、スリット29には支持部63が挿入されており、支持部63の下端部が支持板25の上面18に達している。基板26の中央部には、下面50から上面70に貫通する穴部71が形成されている。基板26の下面50には、複数の電気機器17が配置されている。
支持板25は、平坦部36と、平坦部36の中央部から下方に向けて突出する突出部37とを含み、突出部37の中央部には穴部40が形成されている。
支持板25の平坦部36および基板26の間の距離は、支持板25の突出部37および基板26の間の距離よりも短い。
複数の電気機器17は、平坦部36と対向する位置に設けられた電気機器17Cと、突出部37と対向する位置に設けられた電気機器17A,17Bとを含み、電気機器17A,17Bの高さは、電気機器17Cの高さよりも高い。
換言すれば、高さの高い電気機器を下面50のうち、突出部37と対向する部分に配置することができる。
ボビン23は、支持板25の下面19に配置されており、フェライト板24は、支持板25の下面19とボビン23の上面53との間に配置されている。
受電コイル8は、下面52に形成されたコイル溝43内に収容されており、樹脂蓋22は、ボビン23の下面52側に配置されている。
樹脂支持軸58は、下端部が主板55に接続されており、主板55から天板部30の台座60に向けて延びている。樹脂支持軸58は、受電コイル8の中空部49、ボビン23の中空部54、フェライト板24の中空部51、支持板25の穴部40および基板26の穴部71を通り、樹脂支持軸58の上端部は台座60に支持されている。
上記のように構成されたコイルユニット4を搭載した車両2が岩石路などのように凹凸のある路面を走行すると、コイルユニット4と地面(岩石)とが接触する場合がある。
この際、樹脂蓋22の中央部付近に加えられた外力は、樹脂支持軸58によって支持され、コイルユニット4が変形することを抑制することができる。また、樹脂蓋22の中央部から離れた位置において、樹脂蓋22に加えられた荷重は、主板55、ボビン23、および支持板25を通して、支持壁32によって支持される。
このように、コイルユニット4が地面などと接触したとしても、コイルユニット4が大きく変形することが抑制されており、フェライト板24や電気機器17が損傷することを抑制することができる。また、支持部64は、支持板25のうち受電コイル8およびフェライト板24が配置された平坦部36を支持しており、当該平坦部36が変形することを抑制する。平坦部36の変形が抑制されているため、平坦部36に配置されたフェライト板24が割れたり、受電コイル8が大きく変形することを抑制することができる。
ここで、樹脂支持軸58は、突出部37を貫通しており、基板26のうち突出部37と対向する部分には、高さの高い複数の電気機器17A,17Bが配置されている。
樹脂支持軸58は、樹脂製であるため、電気機器17A、17Bとの沿面距離を確保する必要がなく、電気機器17A,17Bを樹脂支持軸58に近接させて配置することができる。
仮に、樹脂支持軸58に代えて、天板部30から下方に突出すると共に主板55を支持する金属製の支持軸を設けた場合には、当該金属製の支持軸と電気機器17A,17Bとの間の沿面距離を確保する必要が生じる。その一方で、樹脂支持軸58は、樹脂部材であるため、樹脂支持軸58と電気機器17A,17Bとの間の沿面距離を設ける必要がなく、電気機器17A,17Bを樹脂支持軸58に近接させて配置することができる。
このように、本実施の形態に係るコイルユニット4においては、外部からの荷重からコイルユニット4内の部材および電気機器17を保護することができると共に、電気機器17の搭載スペースを広く確保することができる。なお、上記の例においては、樹脂支持軸58は、受電コイル8の中空部49を通るように形成されているが、中空部49を通るように配置されていることは必須の構成ではない。
上記の実施の形態においては、車両2に搭載されたコイルユニット4について説明したが、送電装置側のコイルユニット3にも適用することができる。なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。