JP2018028978A - バイポーラ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイポーラ電池の単位セル内に形成された複数の単位電池を並列接続するための簡便で新規な構成を備えたバイポーラ電池を提供する。【解決手段】バイポーラ電池1は、複数の単位セル3を含み、複数の単位セル3が集電板4を介して積層方向に積層されることで形成された積層体2と、積層体2の両端面を積層方向と平行な方向に押圧することで積層体2を拘束する拘束具5とを備える。複数の単位セル3の各々は、積層方向において隣り合う2つの集電板4の間に形成された複数の単位電池を含み、少なくとも2つの単位電池3M,3Nは並列接続されている。【選択図】図2

Description

本開示は、バイポーラ電池に関する。
従来からバイポーラ電池について各種提案されている。たとえば、特開2011−151016号公報(特許文献1)に記載されたバイポーラ電池は、複数のバイポーラ電極および複数の電解質層を備えている。複数のバイポーラ電極の各々は、集電体を含み、集電体の一方の面には正極が形成され、集電体の他方の面には負極が形成されている。
これらのバイポーラ電極は、電解質層を挟んで積層され、いずれも直列に接続されている。このような構成を有するバイポーラ電池、すなわち、特開2011−151016号公報(特許文献1)に開示されたバイポーラ電池は、複数積層した単電池層(単位セル)が、バイポーラ電池内において直列接続された構成を備えているともいえるものである。
特開2011−151016号公報
バイポーラ電池の容量を増大させるためには、バイポーラ電池(単位セル)内に形成された複数の単位電池を並列接続するという手法が考えられる。特開2011−151016号公報(特許文献1)は、バイポーラ電池内に形成された複数の単位電池を並列接続することに関しては、何ら開示していない。
本開示は、バイポーラ電池の単位セル内に形成された複数の単位電池を並列接続するための簡便で新規な構成を備えたバイポーラ電池を提供することを目的とする。
本明細書に記載されたバイポーラ電池は、複数の単位セルを含み、複数の上記単位セルが集電板を介して積層方向に積層されることで形成された積層体と、上記積層体の両端面を上記積層方向と平行な方向に押圧することで上記積層体を拘束する拘束具と、を備え、複数の上記単位セルの各々は、上記積層方向において隣り合う2つの上記集電板の間に形成された複数の単位電池を含み、少なくとも2つの上記単位電池は並列接続されている。
本明細書に記載されたバイポーラ電池によれば、バイポーラ電池の単位セル内に形成された複数の単位電池を並列接続するための簡便で新規な構成を備え、高容量化を図ることが可能なバイポーラ電池を得ることができる。
実施の形態に係るバイポーラ電池1が搭載された車両10を示す模式図である。 実施の形態に係るバイポーラ電池1を示す断面図である。 実施の形態に係るバイポーラ電池1の一部(単位セル3)を拡大して示す断面図である。 図2中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。
図1から図4を参照して、実施の形態におけるバイポーラ電池1について説明する。図1から図4に示す構成において、同一または実質的に同一の構成については同一の符号を付して、重複した説明を省略する場合がある。
(車両10)
図1は、バイポーラ電池1が搭載された車両10を示す模式図である。図1に示すように、車両10は、バッテリユニット11を含む。バッテリユニット11は、バッテリケース12と、バッテリケース12内に空気を供給するファン13とを含む。バッテリケース12内には、複数のバイポーラ電池1が配置されている。
(バイポーラ電池1)
図2は、バイポーラ電池1を示す断面図である。図3は、バイポーラ電池1の一部(単位セル3)を拡大して示す断面図である。図4は、図2中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。
バイポーラ電池1は、水系電池である。水系電池とは、電解液に水溶液が用いられた電池であり、電解液にアルカリ性電解液が用いられた電池も水系電池に含まれる。つまり、水系とは「プロトン性」の意であり、非水系とは「非プロトン性」の意である。「プロトン性」溶媒とは、分子が解離することにより、水素イオン(プロトン)を放出する溶媒を意味する。「非プロトン性」溶媒とは、プロトンを放出しない溶媒である。たとえば、アルコールは有機溶媒であるが、プロトンを放出するので「プロトン性」溶媒に含まれる。
なお、リチウムイオン電池の電解液溶媒は、単なる有機溶媒ではなく、分子の中にプロトンが取れる部分がなく、「非プロトン性」溶媒である。すなわち、リチウムイオン電池は、水系電池に含まれない。実施の形態1に係るバイポーラ電池1は、充放電可能な二次電池である。
図2〜図4(主として図2)に示すように、以上のような特性を有する本実施の形態のバイポーラ電池1は、積層体2、拘束具5(図2)、およびシール部材6を含む。
積層体2は、複数の単位セル3を含み、積層体2は、複数の単位セル3が集電板4を介して積層方向D1に積層されることで形成されている。積層体2は、積層方向D1の一端に端面2A(図2)を有し、積層方向D1の他端に端面2B(図2)を有している。拘束具5は、積層方向D1と平行な方向において積層体2の端面2A,2B(両端面)を両側から押圧することで積層体2を拘束している。
具体的には、拘束具5は、拘束板5A,5B、連結軸5C、ボルト5D、ナット5Eを含む。拘束板5A,5Bの外縁5AE,5BE(図2,図4)は、平面視でいずれも正方形の形状を有している。拘束板5A,5Bの外縁5AE,5BEは、積層体2の外縁よりも外側に位置している。拘束板5Aは、積層体2の端面2Aに対向し、端面2Aに接するように配置される。拘束板5Bは、積層体2の端面2Bに対向し、端面2Bに接するように配置される。
拘束板5A,5Bには、複数のボルト5Dを挿通するための貫通穴(図示せず)が設けられている。連結軸5Cが拘束板5A,5Bの間に配置されるとともに、連結軸5Cの中にボルト5Dが挿通される。ボルト5Dとナット5Eとによって拘束板5A,5Bは両側から挟み込まれる。積層体2の端面2A,2B(両端面)は、積層方向D1と平行な方向において両側から押圧され、積層体2は積層方向D1の両側から拘束されることとなる。
図4に示すように、積層体2が拘束具5によって拘束されている状態において、複数の連結軸5C(本実施の形態では8本の連結軸5C)は、互いの間に間隔をあけて環状に並ぶように(積層体2およびシール部材6の周囲を取り囲むように)配置されている。ファン13(図1)から供給された冷却風は、隣り合う連結軸5Cの間を通過して積層体2(集電板4の外縁4E)に吹き付けられる。積層体2は、この冷却風によって効率的に冷却されることができる。
(集電板4)
上述のとおり、積層体2は、複数の単位セル3が集電板4を介して積層方向D1に積層されることで形成されている(図2参照)。集電板4は、上面4Aおよび下面4Bを含み、全体として板状の形状を有する。集電板4の外縁4E(図4)は、平面視で正方形の形状を有する。
(シール部材6)
シール部材6は、後述する単位セル3の周囲を取り囲むように環状に形成され(図4参照)、シール部材6の外縁6Eは平面視で略四角形の形状を有している。
図4に示すように、積層方向D1に沿って集電板4およびシール部材6を平面視したとすると、集電板4の外縁4Eは、シール部材6の外縁6Eの外側に位置している。集電板4のうちのシール部材6から外方に露出している部分は、ファン13(図1)からの冷却風を直接的に受けることができ、集電板4は冷却風によって効率的に冷却されることができる。
本実施の形態のシール部材6は、環状に形成された樹脂枠6A,6Bと、ガスケット6Cと、を含む。樹脂枠6Aは、樹脂枠6Bの外側に配置され、樹脂枠6Bとの間に間隔をあけて配置されている。樹脂枠6Aと樹脂枠6Bとの間には、環状の溝部6Dが形成される。ガスケット6Cは、溝部6D内に嵌め込まれる。シール部材6は、拘束具5の拘束力によって、積層方向D1において隣り合う2つの集電板4,4の間で挟み込まれている。
積層方向D1において隣り合う2つの集電板4,4と、これらの2つの集電板4,4の間に配置されたシール部材6(樹脂枠6A)とによって、空間Sが形成される。空間S内には、複数の単位セル3に加えて、図示しない電解液(たとえばアルカリ性電解液)も収容されている。
(単位セル3)
図3に示すように、複数の単位セル3の各々(1つ1つの単位セル3)は、積層方向D1において隣り合う集電板4,4の間に形成される。本実施の形態においては、複数の単位セル3の各々(1つ1つの単位セル3)は、1つの単位電池3Mと、1つのセパレータ3Gと、1つの単位電池3Nとを有している。セパレータ3Gの外縁3GE(図4)は、平面視で正方形の形状を有する。単位電池3M、セパレータ3Gおよび単位電池3Nは、積層方向D1において隣り合う集電板4,4の間に形成されている。
単位電池3Mは、負極活物質3A、セパレータ3B、および正極基板3Cを含む。単位電池3Nは、負極基板3D、セパレータ3E、および正極活物質3Fを含む。一層ずつ説明すると、図3の紙面内の上から下に向かって、集電板4(下面4B)、負極活物質3A、セパレータ3B、正極基板3C、セパレータ3G、負極基板3D、セパレータ3E、正極活物質3F、および集電板4(上面4A)が順に並んで配置される。
負極活物質3Aの外縁3AEは、セパレータ3Bの外縁3BEの内側に位置する。負極活物質3Aの外縁3AE(および後述する正極活物質3Fの外縁3FE)の外側には、必要に応じて、シール性や絶縁性を有する環状部材4Rが適宜形成されているとよい。環状部材4Rが形成されている位置には、さらに、漏液を防止可能なコーキング処理が実施されていてもよい。あるいは、漏液を防止可能なコーキング処理等は、シール部材6の内周側に設けられていてもよく、シール部材6の外周側に設けられていてもよく、シール部材6の内周側および外周側の両方に設けられていてもよい。
負極活物質3Aの外縁3AEの場合と同様に、正極基板3Cの外縁3CEは、セパレータ3Bの外縁3BEおよびセパレータ3Gの外縁3GEの内側に位置する。同様に、負極基板3Dの外縁3DEは、セパレータ3Gの外縁3GEおよびセパレータ3Eの外縁3EEの内側に位置する。同様に、正極活物質3Fの外縁3FEは、セパレータ3Eの外縁3EEの内側に位置する。これらの構成によって、不要な短絡が発生することが抑制されている。
(配線部材3L,3R)
ここで、本実施の形態の積層体2は、配線部材3L,3Rによって並列接続が行われている。具体的には、積層方向D1において隣り合う2つの集電板4(4S),4(4T)の間で1つの単位セル3を構成している単位電池3Mと単位電池3Nとを見た場合、単位電池3Mの正極基板3Cが、配線部材3Rによって、単位電池3Nと直列接続されている一方の集電板4(4T)に電気接続されている。単位電池3Nの負極基板3Dが、配線部材3Lによって、単位電池3Mと直列接続されている他方の集電板4(4T)に電気接続されている。
したがって、隣り合う2つの集電板4(4S),4(4T)の間で1つの単位セル3を構成している単位電池3Mと単位電池3Nとを見た場合には、単位電池3Mと単位電池3Nとは、隣り合う2つの集電板4(4S),4(4T)の間で並列接続されていることになる。すなわち、本実施の形態のバイポーラ電池1においては、複数の単位セル3の各々は、積層方向D1において隣り合う2つの集電板4,4の間に形成された複数の単位電池3M,3Nを含んでおり、単位電池3M,3Nは並列接続されている。
この構成に限られず、複数の単位セル3の各々は、積層方向D1において隣り合う2つの集電板4,4の間に形成された3以上の単位電池を含んでいてもよく、これらのうちの少なくとも2つの単位電池が並列接続されていればよい。このような構成を有するバイポーラ電池1によれば、バイポーラ電池1の単位セル3内に形成された複数の単位電池(3M,3N)を並列接続するための簡便で新規な構成を備えたバイポーラ電池とすることができ、高容量化を図ることが可能である。
上述のとおり、本実施の形態のバイポーラ電池1は、水系電池である。リチウムイオン電池は、電池を構成している部分とその外部との間で水分に対する十分な遮断が必要となる。これに対して本実施の形態のバイポーラ電池1においては、シール部材6によって水分を遮断することができるとともに、シール部材6から外方に露出している集電板4の外縁4Eを通して、積層体2を効率的に冷却することも可能である。
また、リチウムイオン電池は、バイポーラ電池1のような水系電池と比較して低い電導度を有する電解液が使用されるため、リチウムイオン電池においては電極間の距離を短くし、かつ正極と負極との対向面積を増加させて低抵抗化を図る必要があり、1つの単位セルの中に複数の電極を並列に配置した場合には、セルごとに外装を配置する必要があり、電極間の距離が短いことに起因して端部でのシールを確保することも困難である。これに対して本実施の形態のバイポーラ電池1においては、隣り合う2つの集電板4,4の間で、単位電池3Mと単位電池3Nとがセパレータ3Gを介して配置されており、単位電池3M,3Nおよびセパレータ3Gの周囲を取り囲むようにシール部材6が配置されており、1つの単位セル3を構成している単位電池3Mと単位電池3Nとは、簡便な構成にて、配線部材3R,3Lによって並列接続されることが可能となっている。
Ni−MH電池では、電極から発生したガスを正極および負極で吸収するといった反応が起こっており、板状電極でガスの移動が妨げられるという可能性もある。これに対して、たとえばバイポーラ電池1においては、正極基板3Cおよび負極基板3Dに、ガスの透過性を有する部材(基材)を適用しても構わない。集電板4には、電解液の透過を防止可能な部材を適用する。ガスの透過性を有する部材(基材)の例としては、パンチングメタル、発泡メタル、不織布などが挙げられる。
さらには、上記の実施の形態において、集電板4のうちのシール部材6から露出している部分を絶縁部材で覆うようにしてもよい。たとえば、露出部分に絶縁テープを貼り付けたり、絶縁コーキングを施したり、絶縁物を溶射して塗布することが考えられる。また、集電板4の外縁4Eまたはその近傍にシール性のある拘束部を設けるようにしてもよい。また、集電板4の全ての外縁4Eに上記のような絶縁処理を施す場合に限られず、複数の辺部のうちの一部の辺部に施すようにしてもよい。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本明細書に記載されたバイポーラ電池は、たとえば、車両や電気機器の電源に利用することができる。
1 バイポーラ電池、2 積層体、2A,2B 端面、3 単位セル、3A 負極活物質、3AE,3BE,3CE,3DE,3EE,3FE,3GE,4E,5AE,5BE,6E 外縁、3B,3E,3G セパレータ、3C 正極基板、3D 負極基板、3F 正極活物質、3L,3R 配線部材、3M,3N 単位電池、4 集電板、4A 上面、4B 下面、4R 環状部材、5 拘束具、5A,5B 拘束板、5C 連結軸、5D ボルト、5E ナット、6 シール部材、6A,6B 樹脂枠、6C ガスケット、6D 溝部、10 車両、11 バッテリユニット、12 バッテリケース、13 ファン、D1 積層方向、S 空間。

Claims (1)

  1. 複数の単位セルを含み、複数の前記単位セルが集電板を介して積層方向に積層されることで形成された積層体と、
    前記積層体の両端面を前記積層方向と平行な方向に押圧することで前記積層体を拘束する拘束具と、を備え、
    複数の前記単位セルの各々は、前記積層方向において隣り合う2つの前記集電板の間に形成された複数の単位電池を含み、少なくとも2つの前記単位電池は並列接続されている、
    バイポーラ電池。
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