JP2018028460A - 配向性を有する認識物質及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 認識物質を簡単に配向性よく配列させた材料を提供する。
【解決手段】 自己組織化能を有する物質(具体的例示:バクテリアの鞭毛の場合はフラジュリン等)に認識物質(具体的例示:プロテインA又は抗体フラグメント等)を結合させ、
次いで、その自己組織化能を有する物質を自己組織化させて構造体(具体的例示:バクテリアの鞭毛)を形成させることにより、結合している認識物質に配向性を持たせることにより、配向性を有する認識物質を製造する。
【選択図】 図5

Description

本発明は,認識物質を配向性を高めて配列させる方法に関する。
抗体などの認識物質は、配向性を持たせることで、ランダムな方向で存在するより結合性が向上することはよく知られている。たとえば配向性を持たせた固定化の一例として、認識物質の末端に何らかのタグとなる物質を結合させ、そのタグを介して固相に固定化する方法などが報告されている(非特許文献1)。しかしこの技術は表面がポリスチレンである必要があるため、材料が限定されてしまうという問題がある。また、このように認識物質を配向性を持たせて固定化させる方法に関してはよく議論されているが、タグを介した固定化のためには、そもそもタグを認識する物質を配向性を持たせて固定化することが重要であるが、その点に関して議論されることはあまりない。またLB膜上に配向性を持たせて結合させる方法もあるが、LB膜の作製自体が煩雑で、材料が限定されてしまい汎用的な方法ではなかった。
一方、バクテリアの鞭毛は、分子量約6万のフラジェリン(鞭毛のモノマー)が自己組織化することで、直径約20nmの繊維状の構造体(鞭毛)を形成する。またフラジェリンは4つのドメインからなっており、ドメイン0と1は相同性が高く、鞭毛の自己組織化に重要な役割を果たすが、ドメイン2と3の部分は相同性が低いことが知られている(非特許文献2)。相同性が低い部位に別のタンパク質を導入しても鞭毛が形成される場合があることについては、いくつかの報告例がある。たとえば、緑色蛍光タンパク質GFPを融合させたものは、非特許文献3に報告されており、チオレドキシンを融合させたものは非特許文献4に報告されている。しかしいずれの場合も、融合させたタンパク質の機能を鞭毛上に発現しているだけであり、鞭毛表面上で配向性を持たせて提示することで、機能を向上させたことに言及したものはない。
生物工学会誌、 91、126;(2013) 蛋白質核酸酵素、49、534;(2004) Protein Engineering Design & Selection、25、153;(2012) Bio/Technology、13、366;(1995)
認識物質を配向性を持たせて並べる技術はいくつか紹介されているが、材料に限定があることや、実際に配向性をもって並んでいるかを確認することは困難であり、性能面から配向性を有して並んでいると推測している場合が多く、どの程度配向性がそろっているかなどは明確ではなかった。
本発明は、認識物質を簡単に配向性よく配列させた材料を提供することを目的とする。
認識物質を簡単に配向性よく並べるための技術に関して鋭意検討した結果、自己組織化能をもち構造体を形成することができる物質に、認識物質を結合させておき、その後自己組織化させて構造体を作製することで、自己組織化能を持つ物質に結合させた認識物質を一定の方向に高度に配向させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)自己組織化した構造体に、配向性を有して結合されていることを特徴とする認識物質。
(2)自己組織化能を有する物質に認識物質を結合させ、
次いで、その自己組織化能を有する物質を自己組織化させて構造体を形成させることにより、結合している認識物質に配向性を持たせる
ことを特徴とする、配向性を有する認識物質の製造方法。
(3)自己組織化させた構造体が、バクテリアの鞭毛である、(2)に記載の方法。
(4)認識物質が、プロテインA又は抗体フラグメントである、(2)又は(3)に記載の方法。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明では自己組織化能を有する物質の一例として、バクテリアの鞭毛を利用した例を紹介するが、あくまでも発明のコンセプトを示すための物質であり、自己組織化能を有するその他の物質も利用することができる。たとえば自己組織化能を有する物質としては、微小管、アミロイド繊維などを例示でき、さらに自己組織化能を有するペプチドも利用できる。
本発明において、認識物質としては、何らかの認識能を有したタンパク質を使用することができる。たとえば、抗原結合能を有した抗体フラグメントが例示できる。たとえばscFV、scFabなどが例示できるが、抗原結合能を有していれば、H鎖またはL鎖だけでも導入することができる。特に、ラクダなどの抗体はH鎖だけでも抗原結合能を有していることが知られているため、本目的に好ましく利用することができる。それ以外には、プロテインA、プロテインL、プロテインG、Fcレセプターなどタンパク質からなる認識物質として例示することができる。
また、ボロン酸など糖と結合する有機化合物等を、自己組織化能を有する物質の特定のアミノ酸側鎖に共有結合させる事でも成し遂げることができる。
自己組織化能を有する物質に認識物質を結合させる方法には特に限定はなく、特開2000−279176号公報に示す方法で遺伝子組み換え体として発現させたり、又は有機化合物を導入したい部位に、あらかじめ遺伝子工学的にシステインなどのアミノ酸変異を導入し、その部位に化学的に結合させればよい。このとき、自己組織化させて構造体を形成した時に、認識物質が構造体の表面に高い配向性を有するように導入することが好ましい。次いで、その自己組織化能を有する物質を自己組織化させて構造体を形成させることにより、結合している認識物質に配向性を持たせることができる。
本発明において、自己組織化能を有する物質として、フラジェリンを使用し、自己組織化させて鞭毛を形成させる方法としては、例えば特開2000−279176号公報に記載の方法で大腸菌外に鞭毛を形成させ、それを切断して精製する方法を例示することができる。しかし融合させるタンパク質の種類によっては、この方法では大腸菌外に鞭毛を形成できない場合がある。そのような場合には、タンパク質を融合させたフラジェリンをモノマーとして大腸菌体内に発現させた後に、融合フラジェリンを精製し、自己組織化させることで、鞭毛を作製することができる。フラジェリンを自己組織化させ、鞭毛を形成する条件は非特許文献3に記載されており、この条件を参考に適宜条件を設定すればよい。
さらにフラジェリンに融合させるタンパク質によっては、モノマーとして発現させる際にインクルージョンボディーとして不溶画分に発現する場合がある。このような場合には、不溶画分に対してリホールディング操作を行い、鞭毛を自己組織化できるようなフラジェリンに変換することができる。
また、融合タンパク質が不溶化しないような最適なホストを選択することができる。たとえば、バチルス、酵母、動物細胞などを例示することができる。しかしフラジェリンは本来大腸菌体内で発現し、タイプ3の分泌経路に乗って鞭毛が形成されるため、通常の分泌蛋白質が持っている分泌シグナルペプチドは有していない。このため、上記のホストで分泌発現する場合には、何らかのシグナルペプチドと融合することで、分泌発現が可能となる。
また鞭毛は、熱やpHの変動によりモノマーに分解してしまう恐れがあるため、鞭毛モノマーを架橋したり、鞭毛同士を架橋したり、鞭毛表面を金属やシランカップリング剤などでコーティングしたりすることで強度を増して利用することも可能である。
本方法で作製した配向性を高めた認識物質は、認識物質が配向性を有しない場合よりも高い親和性を示すことができる。このように配向性を高めることで、従来は親和性が低くて利用することができなかった認識物質も、親和性を向上させて利用できるようになる。また、もともとある程度の親和性を有していた認識物質も、非常に高い親和性を有するものへと改善することができる。
本発明で作製した配向性を有する認識物質は、抗原抗体反応やクロマト分離などの分子間相互作用を利用する反応系で利用することができる。
本発明の方法を用いることで、認識物質の親和性を大幅に改善することができる。本発明による認識物質は各種反応系に利用することができる。
H48抗原を発現した大腸菌の透過型電子顕微鏡写真である。 精製したH48抗原の透過型電子顕微鏡写真である。 精製した鞭毛のSDS−PAGE写真である。 プロテインAを融合させた鞭毛の透過型電子顕微鏡写真である。 プロテインAを融合させた鞭毛とそのモノマーの、IgGへの結合性を示す図である。
以下に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。しかし本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(参考例1) 鞭毛と鞭毛モノマーの作製
特開2000−279176号公報に記載された方法で鞭毛を作製した。簡単に説明すると、配列番号1に示す大腸菌のH48抗原をコードする遺伝子をpET−19b(Novagen社)にクローニングしたプラスミドと、T7−RNAポリメラーゼ遺伝子を持つプラスミド(pPG1−2)を、大腸菌K12株のfliC変異株YK4130に導入した。カナマイシン(50μg/ml)とアンピシリン(100μg/ml)入りのLB培地で、30℃で一晩培養した。培養後の大腸菌の透過型電子顕微鏡写真撮影を行い、鞭毛が形成されていることを確認した(図1)。その後、遠心分離で大腸菌を回収し、ペレットをPBSに再懸濁後、テフロンホモジナイザーで処理することで大腸菌から鞭毛を切断した。処理液を、15,000rpm×15分遠心分離することで得られた上清を、さらに40,000rpm×60分の超遠心分離を行い、鞭毛をペレットとして回収した。回収した鞭毛の透過型電子顕微鏡写真とSDS−PAGEの結果を図2と図3に示した。高純度の鞭毛が回収できたことが分かる。
鞭毛モノマーは以下の方法で作製した。上記で得られた鞭毛をPBSで1mg/mlになるように希釈し、65℃で15分加熱することで鞭毛モノマーを調製した。
(実施例1) プロテインAのCドメイン変異体を融合した鞭毛の作製
特許第4179517号公報に記載された配列の中から、プロテインAのCドメイン変異体に相当するK35R/C’の配列をH48抗原へ挿入した。簡単に説明すると、参考例1で使用した発現ベクターを鋳型として使用し、H48の198番目のアミノ酸(イソロイシン)から278番目のアミノ酸(スレオニン)をコードしている領域のDNAを欠失させ、その中に、配列番号2で示されるK35R/C’の配列をコードするDNAを挿入した。ペプチド配列の挿入については、一般に行われる遺伝子組換え法で実施した。その後、挿入した配列に間違いがないことは塩基配列を解析することで確認した。得られた発現ベクターを、参考例1に示すT7−RNAポリメラーゼ遺伝子を持つプラスミド(pPG1−2)を有した大腸菌(YK4130)に導入し、カナマイシン(50μg/ml)とアンピシリン(100μg/ml)入りのLB培地で、30℃で一晩培養した。この培養期間に、大腸菌体内で発現したプロテインAのCドメイン変異体を融合した鞭毛モノマーは、大腸菌が有する鞭毛の分泌経路に乗ることで自己組織化し、大腸菌表面に鞭毛の繊維として形成される。その後、参考例1に示す方法で鞭毛を回収した。回収した鞭毛の透過型電子顕微鏡写真の結果を図4に示し、鞭毛の構造を示していることを確認した。
(実施例2) プロテインA融合鞭毛のIgGに対する結合性解析結果
実施例1で作製したプロテインA融合鞭毛と、参考例1に示す方法で調製したプロテインA融合鞭毛モノマーの、IgGに対する結合性を、Octet RED 96(日本ポール社製)を用いて解析し、その結果を図5に示した。横軸は反応時間を示し、縦軸は物質の結合量を示し、数値が大きくなるほど、結合量が増加していることを示している。
鞭毛と鞭毛モノマーの、IgGへの結合性は、以下に示す方法で測定した。緩衝液はHBS−EP(GEヘルスケア社製)を使用した。ストレプトアビジンが固定化されたバイオセンサー(日本ポール社製)に、N末端がビオチン化された特許第5810514号公報に記載されているペプチド(配列番号3:GlyGlyGlySerGlyGlyGlySerCysLysValLeuArgArgHis)10ng/mlを2分間反応させて固定化した(図5中、Aの領域)。その後、特許第5810514号公報に記載の抗体(BC23−11、配列番号3のC末端を認識するもの)を10マイクログラム/mlに希釈し、2分間反応させ固定化した(図5中、Bの領域)。その後、プロテインA融合鞭毛とプロテインA融合鞭毛モノマーをそれぞれ10マイクログラム/mlに希釈して添加し、結合(図5中、Cの領域)と解離(図5中、Dの領域)を解析した。図5から明らかなように、プロテインA融合鞭毛(図中ポリマー)ではCの領域で時間の経過と共に値が上昇したため結合が確認できたが、モノマーに解離させたもの(図中モノマー)ではCの領域では値が上昇せず、結合は確認できなかった。どちらも反応系中のプロテインAドメインの濃度は同じであるが、結合性は非常に異なることが分かった。このように、プロテインA融合鞭毛は、分子表面に高い配向性を有してプロテインAが配列していることが示された。

Claims (4)

  1. 自己組織化した構造体に、配向性を有して結合されていることを特徴とする認識物質。
  2. 自己組織化能を有する物質に認識物質を結合させ、
    次いで、その自己組織化能を有する物質を自己組織化させて構造体を形成させることにより、結合している認識物質に配向性を持たせる
    ことを特徴とする、配向性を有する認識物質の製造方法。
  3. 自己組織化させた構造体が、バクテリアの鞭毛である、請求項2に記載の方法。
  4. 認識物質が、プロテインA又は抗体フラグメントである、請求項2又は3に記載の方法。
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