JP2018028360A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動変速機の変速時において、摩擦要素を締結させる際に、摩擦要素の締結遅れを抑制するとともに、該摩擦要素の締結に伴う変速ショックを抑制する。【解決手段】変速制御部は、自動変速機が手動変速モードで制御されている場合の該自動変速機の所定の変速時において、締結側摩擦要素を締結させる際に、プリチャージ制御の後かつ該変速制御部による油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間TCの間、締結側油圧制御弁に対する指示圧を保持圧PMH以上かつプリチャージ圧PMP未満の圧力に設定された補充用保持圧PCに保持して、油圧アクチュエータに作動油を補充する補充制御を実行するように構成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する。
従来より、例えば特許文献1で示されているように、油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有する自動変速機の変速制御装置において、上記自動変速機の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、上記油圧アクチュエータに作動油をプリチャージした(プリチャージ制御を実行した)後、油圧制御手段への指示圧を上記プリチャージ時の圧力よりも低い所定油圧に一定時間保持して(油圧保持制御を実行して)、上記摩擦要素がエンジンからの駆動トルクを伝達し始めるために必要な量の作動油を上記油圧アクチュエータに充填させることが提案されている。これによれば、先ず、上記プリチャージ制御によって、オイルポンプ等の作動油供給源から上記油圧アクチュエータに至るまでの油路等に速やかに作動油を充填させた後、上記油圧アクチュエータの作動圧が上記所定油圧の状態で上記摩擦要素を円滑に締結させることができるため、上記摩擦要素を迅速に締結させることができるとともに、該摩擦要素の締結時に発生する変速ショックを抑制することができる。
さらに、特許文献1に記載の自動変速機の変速制御装置では、上記油圧アクチュエータへの作動油の供給量が、該供給量を制御する油圧制御弁の経年劣化等により変化した場合に、上記プリチャージ制御を実行する時間を制御することで、上記供給量の変化に伴う影響を緩和するようにしている。
ところで、自動変速機には、車両の走行状態に応じて該自動変速機の変速段を自動的に切り換える自動変速モードと、該車両のドライバーの操作により上記変速段を手動で切り換える手動変速モードとに切り換え可能なものがある。
一般に、自動変速機が手動変速モードで制御されているときには、車両のドライバーは、変速要求に対する高い応答性を望んでいるため、油圧アクチュエータへの作動油の充填量を、摩擦要素が上記エンジンからの駆動トルクを伝達し始めるために必要な量(以下、伝達開始充填量という)まで迅速に到達させる必要がある。そのため、一般的に、自動変速機が手動変速モードで制御されているときには、自動変速機の変速時において、摩擦要素を締結させる際のプリチャージ制御における油圧制御手段に対する指示圧が比較的高く設定される。
上記のようにプリチャージ制御における上記指示圧を高く設定すると、上記プリチャージ制御における、油圧アクチュエータへの作動油の供給量が多くなる。油圧アクチュエータへの作動油の供給量が多い場合には、上記プリチャージ制御を実行する時間を僅かに変更しただけで、油圧アクチュエータにかかる油圧が大きく変化する。そのため、例えば、油圧アクチュエータの経年劣化によって上記伝達開始充填量が増大して、油圧アクチュエータへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するタイミングに遅れが生じている場合に、特許文献1の自動変速機の変速制御装置のように、その遅れを改善するために上記プリチャージ制御を実行する時間を長くすると、上記プリチャージ制御の実行中に上記充填量が上記伝達開始充填量に到達して、摩擦要素の締結に伴う大きな変速ショックが車両のドライバーに伝達されてしまうおそれがある。
したがって、自動変速機が手動変速モードで制御されているときのように、自動変速機の変速時において、摩擦要素を締結させる際の上記プリチャージ制御における上記指示圧を比較的高くするものについて、上記摩擦要素の締結遅れを抑制するとともに、上記摩擦要素の締結に伴う変速ショックを抑制するという観点からは改善の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のドライバーが手動で変速段を変更することを望んでいる場合に、自動変速機の変速時において、摩擦要素を締結させる際の、該摩擦要素の締結遅れを抑制するとともに、上記摩擦要素の締結に伴う変速ショックを抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、上記摩擦要素によって内燃機関で発生した駆動トルクを伝達する自動変速機の変速制御装置を対象として、上記自動変速機を、車両の走行状態に応じて該自動変速機の変速段を自動的に切り換える自動変速モードと、該車両のドライバーの操作により上記変速段を手動で切り換える手動変速モードとに切り換えて制御する自動/手動変速モード切換制御手段と、上記自動変速機の変速時において、上記油圧制御手段を作動制御して、上記摩擦要素を締結又は解放させる締結/解放制御手段と、を備え、上記締結/解放制御手段は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により、上記自動変速機が、上記自動変速モード及び上記手動変速モードのいずれの変速モードで制御されている場合でも、上記自動変速機の所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、予め設定されたプリチャージ時間の間、上記油圧制御手段に対する指示圧を予め設定されたプリチャージ圧にして、上記油圧アクチュエータに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御と、該プリチャージ制御の後に、予め設定された保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ圧よりも低い圧力に設定された保持圧に保持する油圧保持制御と、該油圧保持制御の後に、上記指示圧を上記保持圧から上昇させる昇圧制御とを実行して、上記摩擦要素を締結させるように構成されており、さらに、上記締結/解放制御手段は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記手動変速モードで制御されている場合の、上記自動変速機の上記所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、上記プリチャージ制御の後かつ上記油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間の間、上記指示圧を、上記保持圧以上かつ上記プリチャージ圧未満の圧力に設定された補充用保持圧に保持して、上記油圧アクチュエータに作動油を補充する補充制御を実行するように構成されている、という構成とした。
この構成によると、所定の指示圧に対する上記油圧アクチュエータへの作動油の供給量が変化して、上記プリチャージ制御と上記油圧保持制御とでは、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に対して不足が生じてしまうような場合でも、上記自動/手動変速モード切換制御手段により自動変速機が手動変速モードで制御されている場合の、上記自動変速機の上記所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、上記締結/解放制御手段が、上記プリチャージ制御の後かつ上記油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間の間、上記指示圧を上記保持圧以上かつ上記プリチャージ圧未満の圧力に設定された補充用保持圧に保持して、上記油圧アクチュエータに作動油を補充する補充制御を実行することで、上記伝達開始充填量に対する不足量を、上記補充制御によって補うことができる。そのため、上記油圧保持制御手段による上記油圧保持制御の実行中に、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量を上記伝達開始充填量に到達させることができる。この結果、摩擦要素の締結遅れを抑制することができる。
また、上記プリチャージ制御におけるプリチャージ圧やプリチャージ時間を、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記プリチャージ制御の実行中に上記伝達開始充填量に到達しない値に設定するとともに、上記補充制御における補充用保持圧を、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記補充制御の実行中に上記伝達開始充填量に到達しない値に設定すれば、上記油圧保持制御の間に、すなわち、油圧アクチュエータの作動圧が低い状態のときに、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始めるような状態することができ、摩擦要素の締結時に発生する変速ショックを抑制することができる。
上記自動変速機の変速制御装置において、上記締結/解放制御手段は、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御によって上記油圧アクチュエータに充填される作動油の量が、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に対して少ないほど、上記補充用保持圧を高く設定するように構成されている、ことが望ましい。
この構成によると、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するまでの不足量を上記補充制御により確実に補充することができ、上記自動変速機の上記所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、摩擦要素の締結遅れ及び摩擦要素の締結時に発生する変速ショックをより一層抑制することができる。
上記自動変速機の変速制御装置において、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記手動変速モードで制御されているときの上記プリチャージ圧は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記自動変速モードで制御されているときの上記プリチャージ圧よりも高い圧力に設定されている、ことが望ましい。
この構成により、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記自動変速モードで制御されているときよりも変速要求に対する高い応答性が求められる、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記手動変速モードで制御されているときにおいて、その高い応答性の要求を満たすことができる。
以上説明したように、本発明に係る自動変速機の変速制御装置によると、締結/解放制御手段は、自動/手動変速モード切換制御手段により自動変速機が手動変速モードで制御されている場合の、上記自動変速機の所定の変速時において、摩擦要素を締結させる際に、プリチャージ制御の後かつ油圧保持制御の前に、該プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間の間、上記指示圧を、保持圧以上かつプリチャージ圧未満の圧力に設定された補充用保持圧に保持して、油圧アクチュエータに作動油を補充する補充制御を実行するように構成されているため、上記油圧保持制御を実行している間に、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量を伝達開始充填量に到達させることができ、この結果、摩擦要素の締結遅れを抑制するとともに、該摩擦要素の締結に伴う変速ショックを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機2の変速制御装置の制御系の構成を示す。この自動変速機2は、車両(ここでは、自動車)に搭載されていて、該車両の内燃機関であるエンジン(図示省略)等で生成された駆動トルクが入力されるとともに、該駆動トルクを上記車両の車輪に伝達するものである。
自動変速機2は、上記駆動トルクを車輪に伝達するための複数の摩擦要素11,12(クラッチやブレーキ、本実施形態では特にクラッチを指す)を有しており、該複数の摩擦要素11,12の締結状態によって、自動変速機2の変速段が決定される。自動変速機2の所定の変速時には、複数の摩擦要素11,12のうち所定の1つ又は複数の摩擦要素が解放されるとともに、他の1つ又は複数の摩擦要素が締結されて、変速動作が実行される。以下の説明において、自動変速機2の上記所定の変速時に解放される摩擦要素を解放側摩擦要素11といい、自動変速機2の上記所定の変速時に締結される摩擦要素を締結側摩擦要素12という。尚、自動変速機2の上記所定の変速時以外の変速時には、解放側摩擦要素11が締結され、締結側摩擦要素12が解放されることがある。
複数の摩擦要素11,12(厳密にはクラッチ)は、それぞれ複数の摩擦板を有している。上記締結側摩擦要素12は、締結側摩擦要素12に設けられた上記複数の摩擦板が係合していない状態から、後述する油圧アクチュエータ12aによって、当該複数の摩擦板を押圧して互いに係合させることで締結状態となる。逆に、解放側摩擦要素11は、解放側摩擦要素11に設けられた上記複数の摩擦板が、後述する油圧アクチュエータ11aに押圧されて互いに係合した状態から、当該複数の摩擦板の係合を解除することで解放状態となる。尚、上記複数の摩擦板は、互いに完全に係合していなくとも、摩擦によって、上記駆動トルクを伝達することが可能である。上記複数の摩擦板が、完全に係合されていない場合には、上記複数の摩擦板が互いに完全に係合している場合と比較して、伝達される駆動トルクは小さくなる。
複数の摩擦要素11,12はそれぞれ油圧アクチュエータ11a,12aを有している。解放側摩擦要素11の解放は、油圧アクチュエータ11aから作動油を排出して、該油圧アクチュエータ11aにかかる油圧を下げることにより実行され、一方で、締結側摩擦要素12の締結は、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給して、該油圧アクチュエータ11aにかかる油圧を上昇させることにより実行される。油圧アクチュエータ11a,12aは、図示は省略するが、作動油が供給される油圧室と、該油圧室に作動油が供給されることで発生する油圧によって駆動するピストンとを有しており、自動変速機2の上記所定の変速時には、油圧が供給されることによって上記ピストンが駆動して、締結側摩擦要素12が締結される。
自動変速機2は、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11a及び締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに供給する油圧を制御するための複数の油圧制御弁31,32(油圧制御手段)を有している。
複数の油圧制御弁31,32は、例えばソレノイドバルブであって、後述するコントロールユニット50からの制御信号を受けて、バルブの開度を変化させることで、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11a(厳密には、油圧アクチュエータ11aの油圧室)からの作動油の排出量、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12a(厳密には、油圧アクチュエータ12aの油圧室)への作動油の供給量を制御する。以下の説明では、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11aの油圧を制御する油圧制御弁を解放側油圧制御弁31といい、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aの油圧を制御する油圧制御弁を締結側油圧制御弁32という。
自動変速機2には、各油圧制御弁31〜33を作動制御するためのコントロールユニット50が設けられている。このコンロトールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
コンロトールユニット50には、上記車両の車速を検出する車速センサ51からの信号と、上記車両のドライバーによるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ52からの信号と、自動変速機2に設けられた不図示のタービンの回転数を検出するタービン回転数センサ53からの信号と、上記車両のシフトレバー21(図2参照)のレンジ位置を検出するレンジ位置センサ54からの信号と、後述のシフトダウンスイッチ55からの信号と、後述のシフトアップスイッチ56からの信号と、所定の変速時に締結される締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aにかかる油圧が所定の油圧以上となったときにONとなる油圧スイッチ57からの信号が入力されるようになっている。
コントロールユニット50は、上記入力された信号に基づいて、自動変速機2(詳細には、解放側摩擦要素11や締結側摩擦要素12など)の作動を制御する。
コントロールユニット50内には、変速制御部50aが設けられている。
変速制御部50aは、所定の変速要求があったときに、解放側油圧制御弁31及び締結側油圧制御弁32の作動を制御して、解放側摩擦要素11を解放させかつ締結側摩擦要素12を締結させる。このことから、変速制御部50aは、締結/解放制御手段を構成する。
変速制御部50aは、上記通常走行時において、シフトレバー21(図2参照)のレンジ位置がDレンジ位置にあるときに、基本的に、上記車両の走行状態(詳細には、アクセル開度センサ51からの信号及び車速センサ52からの信号)から、コントロールユニット50のメモリに予め記憶した変速比マップを用いて変速段を決定して、その決定した変速段になるように、解放側油圧制御弁31及び締結側油圧制御弁32を制御することによって、解放側摩擦要素11及び締結側摩擦要素12の動作を制御する。
本実施形態では、変速制御部50aは、上記通常走行時において、自動変速機2を、上記のように車両の走行状態に応じて該自動変速機2の変速段を自動的に切り換える自動変速モードと、車両のドライバーの操作により変速段を手動で切り換える手動変速モードとに切り換えて制御することが可能に構成されている。このことから、変速制御部50aは、自動/手動変速モード切換制御手段を構成する。
ここで、図2に示すように、上記車両には、該車両のドライバーが自動変速機2の変速レンジを切り換えるためのシフトレバー21が設けられている。このシフトレバー21の上端部には、ドライバーが把持するシフトノブ21aが設けられている。
シフトレバー21は、ガイド部材22のガイド孔22aによって画定された概略L字状の操作経路に沿って操作されるようになっており、その操作経路上に、Pレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、Dレンジ位置及びMレンジ位置が設けられている。Pレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置及びDレンジ位置は、車両前側からこの順に車両前後方向に並んでいる。Mレンジ位置は、Dレンジ位置に対して車幅方向の運転席側に位置しており、シフトレバー21の車幅方向の操作により、Dレンジ位置とMレンジ位置(後述の中立位置)とに切り換えることができるようになっている。
このようにシフトレバー21のレンジ位置として、ドライバーが上記自動変速モードを選択するためのDレンジ位置と、上記手動変速モードを選択するためのMレンジ位置とが設定されている。
Mレンジ位置は、車両前後方向に長いMレンジ操作領域22bを有し、ドライバーは、該Mレンジ操作領域22bの中央にある中立位置から車両前側又は後側にシフトレバー21を操作することが可能になっている。シフトレバー21は、Mレンジ操作領域22bにおける上記中立位置から外れた位置にあるときには、不図示の付勢手段によって該中立位置に戻るように付勢されており、これにより、シフトレバー21は、Mレンジ位置(Mレンジ操作領域22b)でドライバーにより操作されていない状態では、常に上記中立位置に位置することになる。
本実施形態では、ドライバーがシフトレバー21をMレンジ操作領域22bにおける上記中立位置から車両前側に操作する(シフトダウン操作する)ことで、自動変速機2の変速段を、該操作の直前に設定された変速段(現時点の変速段)からシフトダウンすることが可能であり、ドライバーがシフトレバー21を上記中立位置から車両後側に操作する(シフトアップ操作)ことで、自動変速機2の変速段を、該操作の直前に設定された変速段(現時点の変速段)からシフトアップすることが可能になっている。このようにシフトレバー21は、手動変速操作部材としての役割も有している。
ガイド部材22におけるMレンジ操作領域22bの車両前側及び後側には、該Mレンジ操作領域22bの前端及び後端をそれぞれ画定する前側ストッパ部材23及び後側ストッパ部材24がそれぞれ設けられている。前側ストッパ部材23には、ドライバーのシフトダウン操作を検出するシフトダウンスイッチ55(図1にのみ記載)が設けられ、後側ストッパ部材24には、ドライバーのシフトアップ操作を検出する第1シフトアップスイッチ56(図1にのみ記載)が設けられている。そして、変速制御部50aは、ドライバーのシフトダウン操作によりシフトダウンスイッチ55が1回ONになると、自動変速機2の変速段を、該シフトダウン操作の直前に設定された変速段から1段シフトダウンし、ドライバーのシフトアップ操作によりシフトアップスイッチ56が1回ONになると、自動変速機2の変速段を、該シフトアップ操作の直前に設定された変速段から1段シフトアップする。
次に、図3及び図4を参照しながら、自動変速機2の上記所定の変速時における、変速制御部50aによる締結側油圧制御弁32に対する制御について説明する。
変速制御部50aから変速指令が出力されると、締結側油圧制御弁32に対して、該弁32を全閉の状態から全開もしくは所定開度に開くように、制御信号が出力される。この制御信号が図3及び図4に示す指示圧に相当する。尚、図3及び図4に示していないが、変速制御部50aから変速指令が出力されたときには、解放側油圧制御弁31に対しても、該弁31を全開若しくは所定開度の状態から閉じるように、制御信号が出力される。
本実施形態では、自動変速機2が自動変速モードで制御されている場合と手動変速モードで制御されている場合とでは、上記指示圧(すなわち、制御信号)が異なる。
図3は、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときの締結側油圧制御弁32への指示圧、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧、及び、上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量(油圧アクチュエータ12aに供給された作動油の積算流量)を示す。
自動変速機2が上記自動変速モードで制御されている場合に変速要求があったときには、変速制御部50aは、先ず、予め設定されたプリチャージ時間TAPの間、上記指示圧を予め設定されたプリチャージ圧PAPに維持して、油圧アクチュエータ12aに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御を実行する。このプリチャージ制御によって、締結側油圧制御弁32から油圧アクチュエータ12aに至るまでの油路等に速やかに作動油を充満させることができる。尚、プリチャージ圧PAP及びプリチャージ時間TAPは、上記プリチャージ制御の実行中に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が、締結側摩擦要素12が上記エンジンからの駆動トルクを伝達し始めるような充填量(以下、伝達開始充填量QCVという)に到達しないような圧力及び時間(例えば、300kPa、150msec)に設定されている。
ここで、「締結側摩擦要素12が駆動トルクを伝達し始める」とは、上記エンジンで生成される駆動トルクのうち所定の割合の駆動トルクを伝達可能になった状態のことを意味する。
上記プリチャージ制御が完了した後は、変速制御部50aは、上記指示圧をプリチャージ圧PAPよりも低い圧力に設定された保持圧PAHにして、予め設定された保持時間TAHの間保持する油圧保持制御を実行する。この油圧保持制御において、保持圧PAH及び保持時間TAHは、油圧保持制御の実行中に締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始めるような圧力及び時間、すなわち、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達する程度の圧力(例えば110kPa)及び時間(例えば、300msec)に設定されている。このように、上記プリチャージ制御を実行した後に、上記指示圧を低下させて、上記油圧保持制御を実行することによって、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める状態になるタイミングにおける油圧の上昇を出来る限り緩やかにして、締結側摩擦要素12を円滑に締結させることができ、この結果、締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックを抑えることができる。
そして、変速制御部50aは、上記油圧保持制御が完了した後は、締結側摩擦要素12を完全に締結させるために、上記指示圧を上記保持圧PAHから上昇させることで、油圧アクチュエータ12aの作動圧を上昇させる昇圧制御を実行する。以上により、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されている場合の締結側摩擦要素12の締結が完了する。
上記油圧保持制御において、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かは、油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧の変化によって判断することができる。図3に実油圧の曲線で示すように、プリチャージ制御によって上記油路及び油圧アクチュエータ12aが作動油で満たされると、油圧アクチュエータ12aに油圧がかかって実油圧が上昇する(図3のTAP)。上記プリチャージ制御の後、油圧保持制御によって、上記指示圧が保持圧PAHになると、上記実油圧は保持圧PAHに向かって緩やかに上昇する。そして、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達すると、油圧アクチュエータ12aが締結側摩擦要素12の上記摩擦板を移動させるため、油圧アクチュエータ12aに油圧がかかる。油圧アクチュエータ12aが締結側摩擦要素12の上記摩擦板を移動させ始めた後は、上記実油圧は一気に保持圧PAHまで上昇して、締結側摩擦要素12の上記摩擦板は上記駆動トルクを伝達可能な程度にまで押し込まれる。したがって、油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧が、締結側摩擦要素12の締結部材を移動させる程度の油圧になったときに油圧スイッチ55がONとなるようにしておけば、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かを判断することができる。
尚、図示はしていないが、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かは、タービン回転数センサ53によって検出されるタービン回転数によっても判断することができる。すなわち、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達して、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める瞬間には、該締結側摩擦要素12の締結によりタービンの回転が抑えられて、タービン回転数が一時的に低下し、その後再び上昇するような変化を示す。そのため、タービン回転数センサ53によって、上記タービン回転数の低下を検出すれば、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かを判断することができる。
図4は、自動変速機2が上記手動変速モードで制御されているときの締結側油圧制御弁32への指示圧、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧、及び、油圧アクチュエータ12aに供給された作動油の積算流量を示す。
自動変速機2が上記手動変速モードで制御されているときには、上記車両のドライバーは、変速要求に対する高い応答性を望んでいる。そのため、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときと比べて、変速制御部50aから変速指令が出力されてから、締結側摩擦要素12が締結するまでにかかる時間が短くなるように、上記プリチャージ制御や上記油圧保持制御が実行される。
自動変速機2が上記手動変速モードで制御されている場合に所定の変速要求があったときには、変速制御部50aは、先ず、プリチャージ制御を実行して、予め設定されたプリチャージ時間TMPの間、締結側油圧制御弁32に対する指示圧を予め設定されたプリチャージ圧PMPに維持して、油圧アクチュエータ12aに対して作動油をプリチャージする。この自動変速機2が上記手動変速モードで制御されているときのプリチャージ制御では、上記プリチャージ圧PMPは、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときのプリチャージ圧PAPよりも高い値(例えば900kPa程度)に設定されている。プリチャージ圧が高く設定されていると、上記プリチャージ制御の実行時に、油圧アクチュエータ12aに供給される単位時間あたりの作動油の量が増加する。そのため、上記プリチャージ制御の実行中に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達しないように、上記プリチャージ時間TMPは、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときのプリチャージ時間TAPよりも短い値(例えば100msec)に設定されている。
上記プリチャージ制御の後は、補充制御部50bによって補充制御が実行される。詳しくは後述するが、上記補充制御では、上記指示圧を保持圧PMH以上かつプリチャージ圧PMP未満の圧力である補充用保持圧PCに保持して、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給する。
上記補充制御の後、変速制御部50aは、上記指示圧を補充用保持圧PCから、該補充用保持圧PCよりも低い圧力である保持圧PMHまで低下させて、予め設定された保持時間TMHの間、上記指示圧を上記保持圧PMPに保持する油圧保持制御を実行する。自動変速機2が上記手動変速モードで制御されているときの油圧保持制御では、上記保持圧PMHは、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときの保持圧PAHよりも高い値(例えば150kPa程度)に設定されている。上記保持時間TMHは、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときの保持時間TAHよりも短い値であるとともに、該油圧保持制御の実行中に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量を上記伝達開始充填量QCVに到達させて、締結側摩擦要素12が上記エンジンからの駆動トルクを伝達し始めることができる程度の時間(例えば30msec)に設定されている。このように上記油圧保持制御によって、油圧アクチュエータ12aの作動圧が低い状態で、締結側摩擦要素12を締結させ始めることができるため、締結側摩擦要素12を円滑に締結させることができ、締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックを抑えることができる。
そして、変速制御部50aは、上記油圧保持制御が完了した後は、上記昇圧制御を実行し、締結側摩擦要素12を完全に締結させる。以上により、自動変速機2が上記手動変速モードで制御されている場合の締結側摩擦要素12の締結が完了する。
上記のように、自動変速機2が上記手動変速モードで制御されているときには、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときよりも、上記プリチャージ制御におけるプリチャージ圧PMPを高くし、プリチャージ時間TMPを短くすることで、締結側摩擦要素12が締結するまでの時間を短くして、上記所定の変速要求に対する高い応答性の要求を満たすことができるようにしている。
ここで、上記伝達開始充填量QCVは油圧アクチュエータ12aの経年劣化等によって変化することがあり、また、所定の指示圧に対する単位時間あたりの作動油の供給量(以下、単に、作動油の供給量という)についても締結側油圧制御弁32の経年劣化によって変化することがある。特に、上記伝達開始充填量QCVが増大したり、作動油の供給量が減少したりしてしまうと、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御だけでは、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達しなくなるおそれがある。
伝達開始充填量QCVや油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量の変化に対する対策として、プリチャージ時間TMPを長くしたり、保持圧PMHを高くしたり、保持時間TMHを長くしたりすることが考えられる。しかしながら、プリチャージ時間TMPを長くすると、上記プリチャージ制御の実行中に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達して、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める状態になることで、締結側摩擦要素12が締結した瞬間に大きな変速ショックが上記車両のドライバーに伝達されるおそれがある。また、保持圧PMHを高くした場合にも、同様に、大きな変速ショックが上記車両のドライバーに伝達されることが懸念される。一方、上記保持時間TMHを長くすれば、上記のような、締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックについては抑えることができるが、締結側摩擦要素12が締結するまでにかかる時間が延びるため、締結側摩擦用を12の締結遅れを招き、ドライバーからの変速要求に対する高い応答性の要求を満たすことができなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、変速制御部50aは、自動変速機2が上記手動変速モード制御されている場合の変速時において、締結側摩擦要素12を締結させる際に、上記プリチャージ制御の後かつ上記油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間の間、締結側油圧制御弁32への指示圧を保持圧PMH以上かつ上記プリチャージ圧PMP未満の圧力に設定される補充用保持圧PCにして、上記油圧アクチュエータ12aに作動油を補充する補充制御を実行することで、上記伝達開始充填量QCVや油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量が変化した場合の影響をなくして、締結側摩擦要素12の締結遅れ及び締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックをより抑制するようにしている。
補充制御について具体的に説明すると、補充制御では、先ず、現在の伝達開始充填量QCV、現在の油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量、プリチャージ圧PMP、プリチャージ時間TMP、保持圧PMH及び保持時間TMHから、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御を実行した際の油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量を算出して、上記伝達開始充填量QCVと比較する。具体的には、先ず、上記指示圧がプリチャージ圧PMPのときの作動油の供給割合にプリチャージ時間TMPを乗じて、上記プリチャージ制御による油圧アクチュエータへの作動油の充填量(図4下段に示すQMPに相当)を算出する。同様にして、上記油圧保持制御による油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量(図4下段に示すQMHとQCとの差(QMH−QC)に相当)を算出する。そして、それぞれの充填量の和を上記伝達開始充填量QCVと比較する。尚、現在の伝達開始充填量QCV及び油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量については、不図示の学習装置によって定期的に学習されるようになっている。また、所定の指示圧に対する作動油の供給量については、マップとしてコントロールユニット50に格納されている。
上記比較の結果、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御を実行した際の油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量QCVに対して不足していると判断されるときには、上記補充制御において、図4の指示圧に示すように、上記プリチャージ制御の後かつ上記油圧保持制御の前に、予め設定された補充時間TCの間、上記指示圧を上記補充用保持圧PCにして、油圧アクチュエータ12aに作動油を補充する。
上記補充用保持圧PCの算出方法について具体的に説明すると、先ず、上記伝達開始充填量QCVから、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御による油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量をそれぞれ引いて、上記補充制御によって補充すべき作動油の総量(図4下段に示すQCとQMPとの差(QC−QMP)に相当。以下、単に補充量という)を算出する。そして、上記補充量を上記補充時間TCで割って補充制御において必要な油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量を算出し、該供給量を補充用保持圧PCに変換する。このとき、補充用保持圧PCの高さは、上記補充量によって決定され、上記補充量が多いほど、換言すると、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御による油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量QCVに対して少ないほど補充用保持圧PCが高く設定される。尚、補充時間TCは予め設定されており、具体的には10msec程度である。
一方で、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御を実行した際の油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量と上記伝達開始充填量QCVとを比較した結果、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御を実行した際の油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量QCVに対して不足していないときには、補充用保持圧PCは保持圧PMHと同じ値に設定される。
上記のように、上記補充量に基づいて上記補充用保持圧PCが設定されて、上記補充制御が実行され、油圧アクチュエータ12aに作動油が補充されることで、上記油圧保持制御の実行中に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達し、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める状態にすることができる。これにより、締結側摩擦要素12の締結遅れ及び締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックを一層抑制することができる。
次に、図5を参照しながら、自動変速機2の変速時において、締結側摩擦要素12を締結させる際の、変速制御部50aによる締結側油圧制御弁32に対する処理動作について説明する。尚、図5では、油圧保持制御までを示しており、その後の制御(昇圧制御)については省略している。
先ず、ステップS101において上記車両のドライバーからの変速要求を受け、次のステップS102において、自動変速機2が手動変速モードで制御されているか否かについて判定する。
上記ステップS102での判定は、レンジ位置センサ54によって検出されるシフトレンジの位置によって判定する。すなわち、シフトレンジがMレンジである場合には、自動変速機2が手動変速モードで制御されていると判定し、シフトレンジがDレンジ等である場合には、自動変速機2が自動変速モードで制御されていると判定する。ステップS102の判定の結果、自動変速機2が手動変速モードで制御されているYESのときには、ステップS103に進む一方、自動変速機2が自動変速モードで制御されているNOのときには、ステップS112に進む。
上記ステップS103では、プリチャージ制御を開始し、締結側油圧制御弁32への指示圧をプリチャージ圧PMPにして、締結側油圧制御弁32から締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに至るまでの油路や該油圧アクチュエータ12aの油室に作動油を供給する。ステップS103の後はステップS104に進む。
上記ステップS104では、上記プリチャージ制御を開始してからプリチャージ時間TMPが経過したか否かを判定する。プリチャージ時間TMPが経過したYESのときにはステップS105に進む一方、プリチャージ時間TMPが経過していないNOのときには、プリチャージ時間TMPが経過するまで上記油路や上記油圧アクチュエータ12aの油室への作動油の供給を続ける。
上記ステップS105では、上記補充量を算出する。上記補充量は上述したように、上記伝達開始充填量QCVから、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御によって油圧アクチュエータ12aに充填される作動油の充填量をそれぞれ引いて求める。
次のステップS106では、上記ステップS105で求めた補充量から、補充用保持圧PCを求めて決定する。補充用保持圧PCは上述したように、上記補充量から、補充制御において必要な油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量を算出して、該供給量を補充用保持圧PCに変換することで求める。このとき、上記補充量が0以下、すなわち、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御によって油圧アクチュエータ12aに充填される作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達するときには、補充用保持圧PCを保持圧PMHと同じにする。
続くステップS107では、補充制御を開始し、締結側油圧制御弁32への指示圧を補充用保持圧PCにして、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給する。ステップS107の後はステップS108に進む。
上記S108では、上記補充制御を開始してから補充時間TCが経過したか否かを判定する。補充時間TCが経過したYESのときにはステップS109進む一方、補充時間TCが経過していないNOのときには、補充時間TCが経過するまで上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給を続ける。
上記ステップS109では、油圧保持制御を開始し、締結側油圧制御弁32への指示圧を保持圧PMHにして、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給する。ステップS109の後はステップS110に進む。
上記ステップS110では、上記油圧保持制御を開始してから、保持時間TMHが経過したか否かを判定する。保持時間TMHが経過したYESのときにはリターンする一方、保持時間TMHが経過していないNOのときには、保持時間TMHが経過するまで上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給を続ける。尚、リターンした後は、締結側摩擦要素12を完全に締結させるべく昇圧制御が実行される。
一方で、上記ステップS102における判定がNOであるとき、すなわち、自動変速機2が上記自動変速モードで制御されているときに進むステップS111では、プリチャージ制御を開始し、締結側油圧制御弁32への指示圧をプリチャージ圧PAPにして、締結側油圧制御弁32から締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに至るまでの油路や該油圧アクチュエータ12aの油室に作動油を供給する。ステップS111の後はステップS112に進む。
上記ステップS112では、プリチャージ制御を開始してからプリチャージ時間TAPが経過したか否かを判定する。プリチャージ時間TAPが経過したYESのときにはステップS113に進む一方、プリチャージ時間TAPが経過していないNOのときには、プリチャージ時間TAPが経過するまで上記油路や上記油圧アクチュエータ12aの油室への作動油の供給を続ける。
次のステップS113では、上記油圧保持制御を開始し、締結側油圧制御弁32への指示圧を保持圧PAHにして、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給する。ステップS113の後はステップS114に進む。
上記ステップS114では、油圧保持制御を開始してから、保持時間TAHが経過したか否かを判定する。保持時間TAHが経過したYESのときにはリターンする一方、保持時間TAHが経過していないNOのときには、保持時間TAHが経過するまで上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給を続ける。尚、リターンした後には、締結側摩擦要素12を完全に締結させるべく昇圧制御が実行される。
したがって、本実施形態では、変速制御部50aが、自動変速機2が上記手動変速モードで制御されている場合の自動変速機2の変速時において、締結側摩擦要素12を締結させる際に、プリチャージ制御の後かつ油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間TCの間、締結側油圧制御弁32への指示圧を上記保持圧PMH以上かつ上記プリチャージ圧PMP未満の圧力である補充用保持圧PCに保持して、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに作動油を補充する補充制御を実行するため、上記油圧保持制御が実行されている間に、上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量を上記伝達開始充填量QCVに到達させることができ、この結果、締結側摩擦要素12の締結遅れを抑制するとともに、該締結側摩擦要素12の締結に伴う変速ショックを抑制することができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、摩擦要素と、該摩擦要素の油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有する自動変速機であって、該車両のドライバーの操作により変速段を手動で切り換える手動変速モードで制御することが可能な自動変速機対して有用である。
2 自動変速機
11 解放側摩擦要素(摩擦要素)
12 締結側摩擦要素(摩擦要素)
11a 油圧アクチュエータ
12a 油圧アクチュエータ
31 解放側油圧制御弁(油圧制御手段)
32 締結側油圧制御弁(油圧制御手段)
50a 変速制御部(自動/手動変速モード切換制御手段、締結/解放制御手段)
11 解放側摩擦要素(摩擦要素)
12 締結側摩擦要素(摩擦要素)
11a 油圧アクチュエータ
12a 油圧アクチュエータ
31 解放側油圧制御弁(油圧制御手段)
32 締結側油圧制御弁(油圧制御手段)
50a 変速制御部(自動/手動変速モード切換制御手段、締結/解放制御手段)
Claims (3)
- 油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、上記摩擦要素によって内燃機関で発生した駆動トルクを伝達する自動変速機の変速制御装置であって、
上記自動変速機を、車両の走行状態に応じて該自動変速機の変速段を自動的に切り換える自動変速モードと、該車両のドライバーの操作により上記変速段を手動で切り換える手動変速モードとに切り換えて制御する自動/手動変速モード切換制御手段と、
上記自動変速機の変速時において、上記油圧制御手段を作動制御して、上記摩擦要素を締結又は解放させる締結/解放制御手段と、を備え、
上記締結/解放制御手段は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により、上記自動変速機が、上記自動変速モード及び上記手動変速モードのいずれの変速モードで制御されている場合でも、上記自動変速機の所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、予め設定されたプリチャージ時間の間、上記油圧制御手段に対する指示圧を予め設定されたプリチャージ圧にして、上記油圧アクチュエータに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御と、該プリチャージ制御の後に、予め設定された保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ圧よりも低い圧力に設定された保持圧に保持する油圧保持制御と、該油圧保持制御の後に、上記指示圧を上記保持圧から上昇させる昇圧制御とを実行して、上記摩擦要素を締結させるように構成されており、
さらに、上記締結/解放制御手段は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記手動変速モードで制御されている場合の、上記自動変速機の上記所定の変速時において、上記摩擦要素を締結させる際に、上記プリチャージ制御の後かつ上記油圧保持制御の前に、上記プリチャージ制御の終了時から、予め設定された補充時間の間、上記指示圧を、上記保持圧以上かつ上記プリチャージ圧未満の圧力に設定された補充用保持圧に保持して、上記油圧アクチュエータに作動油を補充する補充制御を実行するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
上記締結/解放制御手段は、上記プリチャージ制御及び上記油圧保持制御によって上記油圧アクチュエータに充填される作動油の量が、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める程度に締結される充填量である伝達開始充填量に対して少ないほど、上記補充用保持圧を高く設定するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1又は2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記手動変速モードで制御されているときの上記プリチャージ圧は、上記自動/手動変速モード切換制御手段により上記自動変速機が上記自動変速モードで制御されているときの上記プリチャージ圧よりも高い圧力に設定されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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