JP2018028262A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による水洗大便器1は、汚物受け面16と、リム部18と、凹部20とを備えたボウル部8と、洗浄水を前方へ向けて吐水しリム部の内周面に沿って旋回する吐水部22と、汚物を排出する排水管路12と、を有し、排水管路は、凹部の底面36と接続して後方側且つ下方へ延びる導入管路32と、この導入管路と接続して上方へ延びる上昇管路34aと、この上昇管路と接続して下方へと延びる下降管路34bとを備え、導入管路は、凹部の底面と接続する入口32aから上昇管路と接続する出口32bまでに亘って、導入管路の中央軸線C1〜C4に対する直角の断面において、この中央軸線に対して導入管路の外周側領域の断面積が内周側領域の断面積よりも小さくなるように形成されている。
【選択図】図9
Description
また、このように排水管路内のスムーズな流れが阻害され、前方領域と後方領域の速度分布に偏りがあり、速度分布が一様ではないと、小形汚物や浮遊系汚物が排出されず溜水中に残ってしまうという問題がある。
このように構成された本発明においては、リム吐水部から前方に向けて吐水された洗浄水は、ボウル部の前方側から排水管路の入口に向けて流れる主流を形成する。このとき、排水管路の導入管路が、ボウル部の凹部の底面と接続する流入口から上昇管路と接続する流出口までに亘って、導入管路の中央軸線に対する直角の断面において、この中央軸線に対して導入管路の外周側領域の断面積が内周側領域の断面積よりも小さくなるように形成されているため、ボウル部の前方側から直接的に洗浄水が流入する導入管路の後側領域に比べて流速が遅く小形の汚物や浮遊系汚物が滞留しやすい導入管路の前側領域の断面積を小さくすることができる。したがって、導入管路内の流速が遅い領域を減らすことができ、淀みの発生を抑制することができる。また、流速が遅く小形の汚物や浮遊系汚物が滞留しやすい導入管路の前側領域の断面積が小さくなることにより、ボウル部の前方側から直接的に洗浄水が流入する導入管路の後側領域と、導入管路の前側領域のそれぞれの領域において、洗浄水の流速分布が一様となり(洗浄水の速度分布が均一化され)、排水管路内の洗浄水の流れがスムーズとなるため、小形の汚物や浮遊系汚物を導入管路の前側領域に滞留させることなく、確実に排出することができる。
このように構成された本発明においては、導入管路の底面がほぼU字型形状に形成されているため、導入管路内の浮遊系汚物を導入管路の中央軸線に対する直角の断面のほぼ中央に集めることができると共に、導入管路内の洗浄水の流速分布が一様となるスムーズな流れを形成することができるため、小形の汚物や浮遊系汚物を、導入管路の前側領域に滞留させることなく、確実に排出することができる。
このように構成された本発明においては、排水管路の上昇管路の断面積が、導入管路の最も小さい断面積よりも大きくなるように形成されているため、導入管路を通過した洗浄水が上昇管路に沿ってスムーズに排出される。よって、小形の汚物及び浮遊系汚物を、排水管路に滞留させることなく、確実に排出することができる。
このように形成された本発明においては、導入管路から上昇管路に流入し、この上昇管路を上昇した洗浄水が、上昇管路と下降管路との境界部である頂点付近を通過して下降管路へ流れる際に、頂点付近よりも上方の領域に形成されている所定空間により、サイホン作用の発生を抑制することができる。したがって、上昇管路を通過した洗浄水が頂点を越えて下降管路に確実に排出され、小形の汚物及び浮遊系汚物を、排水管路に滞留させることなく、確実に排出することができる。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿って見た断面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿って見た断面図である。また、図4は、図1のIV−IV線に沿って見た断面図であり、図5は、図1のV−V線に沿って見た断面図であり、図6は、図1のVI−VI線に沿って見た断面図である。さらに、図7は、図1のVII−VII線に沿って見た断面図であり、図8は、図1のVIII−VIII線に沿って見た断面図である。
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、第1吐水口22を含む第1通水路26と、第2吐水口24を含む第2通水路28について、陶器製の便器本体2と一体に形成されている形態について説明するが、このような形態に限られず、第1吐水口を含む第1通水路と、第2吐水口を含む第2通水路については、便器本体とは別体のディストリビユータ等により形成するようにしても良い。
この導入管路32は、凹部20の底面36と滑らかな連続湾曲面として繋がっており、凹部20から導入管路32に流入した洗浄水が導入管路32内をスムーズに流れるようになっている。
まず、図9は、図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器において、ボウル部の凹部及び排水管路の部分を拡大した部分拡大断面図である。また、図10の(a)は、図9のA-A線に沿って見た断面図であり、図10の(b)は、図9のB-B線に沿って見た断面図であり、図10の(c)は、図9のC-C線に沿って見た断面図である。さらに、図10の(d)は、図9のD-D線に沿って見た断面図であり、図10の(e)は、図9のE-E線に沿って見た断面図であり、図10の(f)は、図9のF-F線に沿って見た断面図であり、図10の(g)は、図9のG-G線に沿って見た断面図である。
すなわち、ボウル部8の前方側から直接的に洗浄水が流入する導入管路32の入口32aの後側領域Rや導入管路32の内周側領域Rに比べて、流速が遅く小形の汚物や浮遊系汚物が滞留しやすい導入管路32の入口32aの前側領域Fや導入管路32内の各中央軸線C1,C2,C3,C4よりも外周側領域Fの断面積が小さくなるよう設定されている。これにより、導入管路32内の流速が遅い領域を減らすことができ、淀みの発生を抑制することができるようになっている。また、流速が遅く小形の汚物や浮遊系汚物が滞留しやすい導入管路32の入口32aの前側領域Fや導入管路32内の外周側領域Fの断面積が小さく設定されていることにより、ボウル部8の前方側から直接的に洗浄水が流入する導入管路32の後側領域R(導入管路32の内周側領域R)と、導入管路32の前側領域F(導入管路32の外周側領域F)のそれぞれの領域において、洗浄水の流速分布が一様となり(洗浄水の速度分布が均一化され)、排水管路12内の洗浄水の流れがスムーズとなり、小形の汚物や浮遊系汚物を導入管路32の前側領域Fに滞留させることなく、確実に排出することができるようになっている。
また、図9及び図10の(e)〜(g)に示すように、上昇管路34aの底面34eは、各中央軸線C5,C6,C7に対して直角の各E−E断面、F−F断面、及びG−G断面において、ほぼU字型形状に形成されている。
図11は本発明の実施形態による水洗大便器の洗浄水の流れの様子を示す平面図であり、図12は図11の断面図である。
2 便器本体
4 貯水タンク
6 便器本体のスカート部
8 便器本体のボウル部
10 共通通水路
12 排水管路
14 排水弁
16 汚物受け面
16a 後方側汚物受け面
16b 前方側汚物受け面
18 リム部
18a 内周面
20 凹部
22 第1吐水口(リム吐水部)
24 第2吐水口(リム吐水部)
26 第1通水路
28 第2通水路
30 導水路
32 導入管路
32a 導入管路の入口(導入管路の流入口)
32b 導入管路の出口(導入管路の流出口)
32c 導入管路の底面
34 排水トラップ管路
34a 上昇管路
34b 下降管路
34c 上昇管路の入口
34d 上昇管路の出口
34e 上昇管路の底面
34f 上昇管路の上面
34g 上昇管路の上面の後端
34h 壁面
34i 壁面
34j 天井面
36 底面
38 壁面
38a 左側壁面
38b 右側壁面
40 前側底面
42 後側底面
42a 下端
A1 導入管路のA−A断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A2 導入管路のB−B断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A3 導入管路のC−C断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A4 導入管路のD−D断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A5 上昇管路のE−E断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A6 上昇管路のF−F断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
A7 上昇管路のG−G断面における中央軸線に対して外周側領域の断面積
B1 導入管路のA−A断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B2 導入管路のB−B断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B3 導入管路のC−C断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B4 導入管路のD−D断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B5 上昇管路のE−E断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B6 上昇管路のF−F断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
B7 上昇管路のG−G断面における中央軸線に対して内周側領域の断面積
C1 導入管路のA−A断面の中央軸線
C2 導入管路のB−B断面の中央軸線
C3 導入管路のC−C断面の中央軸線
C4 導入管路のD−D断面の中央軸線
C5 排水トラップ管路の上昇管路のE−E断面の中央軸線
C6 排水トラップ管路の上昇管路のF−F断面の中央軸線
C7 排水トラップ管路の上昇管路のG−G断面の中央軸線
D1 上昇管路と下降管路との境界部
F 導入管路の前側領域、導入管路の外周側領域
M 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流
M1 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流の一部
M2 第1吐水口から吐水された洗浄水の主流の他の一部
M3 第2吐水口から吐水された洗浄水の主流
M4 導入管路内を流れ
M5 上昇管路内を流れ
M6 上昇管路から下降管路への流れ
P 仮想的な頂点
R 導入管路の後側領域、導入管路の内周側領域
S 溜水面
V サイホン作用発生防止用の空間
W 溜水水位
Claims (4)
- 給水源から供給される洗浄水により便器本体を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物受け面と、上縁に位置するリム部と、汚物受け面の下方に形成された凹部と、を備えたボウル部と、
上記洗浄水を上記ボウル部の前方へ向けて吐水し、上記リム部の内周面に沿って旋回する旋回流を形成するリム吐水部と、
上記ボウル部の凹部にその入口が接続され汚物を排出する排水管路と、を有し、
上記ボウル部の凹部は、溜水水位より下方に位置する底面と、この底面と上記汚物受け面の下縁部とを接続する壁面と、を備え、
上記排水管路は、上記凹部の底面と接続して後方側且つ下方へ延びる導入管路と、この導入管路と接続して上方へ延びる上昇管路と、この上昇管路と接続して下方へと延びる下降管路と、を備え、
上記ボウル部は、上記リム吐水部から吐水された洗浄水が上記ボウル部の前方側より上記排水管路の入口に向けて流れる主流を形成するように構成され、
上記導入管路は、上記凹部の底面と接続する流入口から上記上昇管路と接続する流出口までに亘って、上記導入管路の中央軸線に対する直角の断面において、上記中央軸線に対して上記導入管路の外周側領域の断面積が内周側領域の断面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記導入管路は、その中央軸線に対して直角の断面において、底面がほぼU字型形状に形成されている請求項1記載の水洗大便器。
- 上記排水管路の上昇管路は、その断面積が上記導入管路の最も小さい断面積よりも大きくなるように形成されている請求項1又は2に記載の水洗大便器。
- 上記排水管路の上昇管路の上面は、上記上昇管路と上記下降管路との境界部を頂点とし、この頂点付近よりも上方の領域には、サイホン作用の発生を防止するための所定空間が形成されている請求項3記載の水洗大便器。
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