JP2018026627A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストが低い処理で、網点画像の各ドットのエッジ部を保護しつつ間引き処理を行うことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】入力画像に対してディザマトリクスを用いるスクリーン処理及び間引き処理を行う画像処理装置であって、入力画像の注目画素について、注目画素の画素値と注目画素に対応するディザマトリクスの閾値とに基づいて、注目画素が間引き処理の対象であるか否かを判定する判定手段と、判定手段にて間引き処理の対象であると判定された注目画素に対して間引き処理を行う間引き処理手段と、判定手段にて間引き処理の対象でないと判定された注目画素に対してディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行うスクリーン処理手段とを有することを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は入力画像に対してスクリーン処理及び間引き処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置において、間引き処理は省トナー印刷(印刷時の色材消費量を削減する機能)を実行するために、または尾引き現象(色材の載り量が多くなった部分が定着時に熱で飛び散りを起こす現象)を抑制するために用いられることがある。間引き処理において入力画像に対して文字やラインのエッジ部を間引いてしまうとジャギーの原因となってしまうため、そこで、エッジ部を検出し、エッジ部以外の画素に対して間引きを行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、入力画像に対して、各画素の周囲画素の画素値からその画素がエッジ部であるか否かを判定することで、エッジ部を検出する。
特開2002−086805号公報
しかしながら、間引き時のエッジ検出は入力画像に対してのみであり、ディザマトリクスによるスクリーン処理後の網点画像に対しては実施しないことが多い。これは、特許文献1のように周囲画素の画素値に基づくエッジ検出自体がコストのかかる処理であり、画像形成装置が行う画像処理に遅れが生じるためである。一方、写真やグラフィックに含まれる中間調を表現する網点画像の各ドットのエッジ部を保護せずに間引きを行うと、中間調を表現する各ドットの形状が崩れてしまい、画像のがさつきや色むらなどの画像劣化が大きくなる問題が生じる。
そこで本発明は、周囲画素の画素値に基づく判定を必要とせず、網点画像の各ドットのエッジ部を保護しつつ間引き処理を行うことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、入力画像に対してディザマトリクスを用いるスクリーン処理及び間引き処理を行う画像処理装置であって、前記入力画像の注目画素について、前記注目画素の画素値と前記注目画素に対応する前記ディザマトリクスの閾値とに基づいて、前記注目画素が間引き処理の対象であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて間引き処理の対象であると判定された前記注目画素に対して間引き処理を行う間引き処理手段と、前記判定手段にて間引き処理の対象でないと判定された前記注目画素に対して前記ディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行うスクリーン処理手段とを有することを特徴とする。
本発明により、コストが低い処理で、網点画像の各ドットのエッジ部を保護しつつ間引き処理を行うことができる。
第1の実施形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるプリンタエンジンの概略構成を示す断面図である。 第1の実施形態における画像処理部の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における網点画像生成部の機能構成を示すブロック図である。 スクリーン処理を説明するための図である。 第1の実施形態におけるスクリーン処理部のAMスクリーン処理を説明するための図である。 網点画像のドットのエッジ部を保護せずに間引き処理を行った場合の例を示す図である。 第1の実施形態におけるディザスクリーンの閾値の基準値C1を説明するための図である。 第1の実施形態において入力画像の画素値に応じて基準値C1を更新する例を示す図である。 第1の実施形態における網点画像生成部の処理フローを示す図である。 第2の実施形態における網点画像生成部の機能構成を示すブロック図である。 第2の実施形態において所定領域内での間引きの上限回数を設定する例を示す図である。 第2の実施形態における網点画像生成部の処理フローを示す図である。 第2の実施形態の網点画像生成処理によって得られた網点画像の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態では電子写真方式のカラー画像形成装置(以下、単に画像形成装置と称す)を例に説明する。本実施形態の画像形成装置は1200dpiの解像度で画像を形成するものとする。
<画像形成装置の構成>
図1は、本実施形態における画像形成装置2の構成を示すブロック図である。画像形成装置2は、ホストコンピュータ1と通信可能なようにLocal Area Network(LAN)等で接続されている。ホストコンピュータ1は、例えば一般のPC(パーソナルコンピュータ)やWS(ワークステーション)などのコンピュータである。本実施形態では、ホストコンピュータ1で作成された画像や文書はPDL形式の印刷データとして画像形成装置2に送信される。PDLは、Page Description Languageの略であり、印刷したり表示したりする対象となる「ページ」に関して、文字や図形をどのように配置するかを指定するためのプログラム言語である。
画像形成装置2は、コントローラ21及びプリンタエンジン22を含む。コントローラ21は、ホストコンピュータ1から印刷データを受け取り、印刷データに基づいてプリンタエンジン22が印刷処理を行うために用いる画像データ(ラスターイメージデータ)を生成し、プリンタエンジン22に転送する。プリンタエンジン22は、コントローラ21から転送された画像データを用いて記録紙などへの印刷処理を行う。
次に、コントローラ21の詳細について説明する。本実施形態においてコントローラ21は、ホストコンピュータ1から印刷データを受け取り、印刷データに基づいてラスタライズを行い、画素単位の画像データと属性データを生成する。印刷データは、グレースケールやRGB又はCMYKといった複数の色成分の色空間を持ち、画像データは画素毎に1つの色成分につき8ビット(256階調)の値を持つ。また、属性データは、オブジェクトの文字や線、図形、イメージといった属性を表す値を保持しており、画像データと共にコントローラ21におけるRAM103に一旦記憶される。RAM103に一旦記憶された画像データと属性データは、コントローラ21における画像処理部105内で後述のプリント用の画像処理が行われた後、プリンタエンジン22に転送される。
コントローラ21はホストI/F部101、CPU102、RAM103、ROM104、画像処理部105及びエンジンI/F部106を含む。ホストI/F部101は、ホストコンピュータ1から転送された印刷データを受け取るためのインターフェースとして機能する。例えば、イーサネット(登録商標)やシリアルインターフェースもしくは、パラレルインターフェースといったもので構成されている。
CPU102は、RAM103やROM104に格納されているプログラムやデータを用いてコントローラ21全体の制御を行うと共に、コントローラ21が行う後述の各処理を実行する。RAM103は、CPU102が各処理を実行する際に用いるワークエリアとして機能する。ROM104は、CPU102にコントローラ21全体を制御すると共に、コントローラ21が行う後述の各処理をCPU102に実行させるためのプログラムやデータ、また、コントローラ21の設定データなどが格納されている。
画像処理部105は、入力される画像データに対してプリント用の画像処理を行い、プリンタエンジン22が印刷処理を行うために用いる画像データを生成する。画像処理部105の詳細については後述する。エンジンI/F部106は、画像処理部105で画像処理が行われた画像データをプリンタエンジン22に転送する処理を制御する。バス107は上述の各部を繋ぐ画像形成装置2の内部バスである。
<プリンタエンジンの構成>
図2は、本実施形態におけるプリンタエンジン22の概略構成を示す断面図である。プリンタエンジン22は、コントローラ21から転送された画像データに基づいて、印刷処理を行う。次に、図2を参照してプリンタエンジン22の詳細について説明する。
像担持体としての感光ドラム202、203、204、205がその中心で軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム202〜205の外周面に対向してその回転方向に一次帯電器210、211、212、213、露光制御部201、現像装置206、207、208、209が配置されている。一次帯電器210〜213は感光ドラム202〜205の表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで露光制御部201は、記録画像信号に応じて変調したレーザービームなどの光線を感光ドラム202〜205上に露光させることによって、感光ドラム202〜205上に静電潜像を形成する。さらに、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(トナー)をそれぞれ収納した現像装置206〜209は上記静電潜像を顕像化する。顕像化された可視画像を中間転写体に転写する画像転写領域の下流側では、クリーニング装置214、215、216、217により記録紙に転写されずに感光ドラム202〜205上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
一方、上段カセット222または下段カセット223からピックアップローラ224または225によりピックアップされ、給紙ローラ226または227により搬送される記録紙は、搬送ローラ228によりレジストローラ231まで搬送される。そして、中間転写体219への転写が終了するタイミングで、中間転写体219と転写ベルト220の間に記録紙が搬送される。その後、記録紙は、転写ベルト220により搬送されるとともに中間転写体219に圧着され、中間転写体219上のトナー像が記録紙に転写される。記録紙に転写されたトナー像は、定着ローラおよび加圧ローラ221により加熱および加圧され記録紙に定着される。画像が定着された記録紙は、フェイスアップ排紙口230に排出される。
<画像処理部の構成>
図3は、本実施形態における画像処理部105の機能構成を示すブロック図である。画像処理部105は図3に示すように、色変換部301、ガンマ補正部302及び網点画像生成部303を含む。
色変換部301は、RAM103から入力された画像データに対して、色変換処理を行う。例えば色変換ルックアップテーブルやマトリックス演算によって、入力された画像データを4つの画像信号から成る濃度のCMYK色空間に変換する。
ガンマ補正部302は、画像が記録紙へと転写された際の濃度特性が所望となるよう、ガンマ補正ルックアップテーブルを用いて、色変換部301で色変換処理が行われた画像データに対してガンマ補正処理を行う。本実施形態では、例としてリニアな形状をした一次元のガンマ補正ルックアップテーブルを用いる。ただし、このガンマ補正ルックアップテーブルは、CPU102によりプリンタエンジン22の印刷特性の変化に応じて更新される。
網点画像生成部303は、ガンマ補正部302から入力された画像データに対してスクリーン処理及び間引き処理を行い、プリンタエンジン22に出力する画像データを生成する。なお、網点画像生成部303の処理で注目する、入力された画像における画素を注目画素と呼ぶ。
<網点画像生成部の構成>
図4は、本実施形態における網点画像生成部303の機能構成を示すブロック図である。網点画像生成部303は、間引き領域判定部401、スクリーン処理部402及び間引き処理部403を含む。間引き領域判定部401は、入力された画像に対し、注目画素が間引き処理の対象領域(以下、間引き領域)となるか否かを判定する。注目画素が間引き領域にならないと判定された場合、注目画素に対して、スクリーン処理部402がスクリーン処理を行う。注目画素が間引き領域となると判定された場合、注目画素に対して、間引き処理部403が間引き処理を行う。
<スクリーン処理について>
本実施形態では、階調再現を実現するために面積階調の手法が用いられている。面積階調とは単位面積あたりの着色される面積の割合を変化させることにより階調を表現する手法であり、代表的なものとしてAM(振幅変調)スクリーンとFM(周波数変調)スクリーンとが知られている。AMスクリーンは、着色される領域の大きさ(いわゆるドットの大きさ)を変調することで階調を表現する。FMスクリーンは、一定の大きさの微小な孤立ドットを擬似ランダムに配置し、ドットの密度で階調を表現する。スクリーン処理によって得られた画像データは網点画像データと呼ばれる。なお、本実施形態では、AMスクリーンを採用する。
図5はスクリーン処理を説明するための図である。スクリーン処理とは、ディザマトリクスを用いて、連続階調で表現された画像データを面積階調で表現された画像データに変換する処理である。ディザマトリクスとは、スクリーン処理において着色していく画素の位置と、着色する条件の閾値を表す閾値マトリクスを指す。
図5(a)は入力された画像データ501、図5(b)はスクリーン処理に用いるディザマトリクス502、図5(c)はスクリーン処理によって得られた網点画像データ503を示している。スクリーン処理部402は、入力された画像データの画素毎に、その画素の画素値とその画素に対応するディザマトリクスの閾値とを比較する。比較した結果、入力された画像データの画素値のほうがディザマトリクスの閾値より大きい場合、網点画像データの対応する画素位置に対して最大画素値(例えば、255)を出力する。
すなわち、図5(a)のような、3×3の9画素で、各画素の画素値が130である画像データ501に対し、図5(b)のような3×3のディザマトリクス502を用いてスクリーン処理を行う。画像データ501の画素値よりもディザマトリクス502の閾値のほうが小さい画素位置に対応する網点画像データ503の画素値は255になる。画像データ501の画素値よりもディザマトリクス502の閾値のほうが大きい画素位置に対応する網点画像データ503の画素値は0になる。
そして、ディザマトリクスの閾値の配置方法を変えると、スクリーン処理結果の網点画像も変化する。本実施形態では入力画素値が大きくなるに従い、スクリーン処理により生成されるドットが大きくなるAMスクリーンのディザマトリクスを採用する。
図6は本実施形態におけるスクリーン処理部402のAMスクリーン処理を説明するための図である。本実施形態では、例として解像度が1200dpi×1200dpiでサイズが5画素×10画素のディザマトリクスであり、170線、45度方向の周波数成分を持つディザマトリクスを使用する。図6(a)のように、各ディザマトリクスを適用することで生成されたドットが170線45度方向の周期性を持つようにディザマトリクスが配置されている。図6(b)は、全体の画素値が46である画像が入力された場合にスクリーン処理で生成された網点画像を示している。図6(c)は、全体の画素値が127である画像が入力された場合にスクリーン処理で生成された網点画像を示している。図6(b)と図6(c)を比較することにより、入力された画像の画素値が大きくなると、生成されたドットが大きくなることが分かる。
<間引き領域の指定>
図7はドットのエッジ部を保護せずに間引き処理を行った場合の例を示す図である。図7に示すように、エッジ部を保護せずに間引き処理を行った場合、エッジ部が間引かれることによってドットの外形が崩れる。網点画像内に外形が崩れたドットが複数存在し、かつドットの崩れ方が間引きパターンやディザスクリーン、入力画像の関係で均一でない場合、濃度のムラやがさつきといった画質劣化を大きくしてしまう。従って、ドットの形状を保つためにドットのエッジ部を保護し、間引き領域をドットのエッジの内側に制限する必要がある。
本実施形態では、入力された画像の各画素について、その画素に対応するディザマトリクスの閾値を参照し、ディザマトリクスの閾値が定められた基準値よりも小さい場合、その画素を間引き処理の対象とする。これにより、間引き領域をドットのエッジの内側に制限する。以下、図6、図8、図9を参照して間引き領域をドットのエッジの内側に制限する方法の詳細について説明する。
図6で示したように、AMスクリーンは入力された画像の画素値が大きくなるに従いドットを大きくすることによって着色面積を拡大し、階調を表現する画像処理である。そのため、AMスクリーンで用いられるディザマトリクスはドットの中心に対応する閾値が小さく、ドットの外側になるに従い対応する閾値が大きくなるという特徴がある。例えば図6(c)のディザマトリクスの閾値のうち、46より小さい閾値に注目すると、注目した閾値に対応する画素位置ともドットのエッジの内側であることがわかる。このことから、ディザマトリクスの閾値からその閾値に対応する画素がドットのエッジ部の内側にあるか否かを判定することができることがわかる。
図8は、本実施形態におけるディザマトリクスの閾値の基準値C1を説明するための図である。入力された画像に対し、各画素に対応するディザマトリクスの閾値と基準値C1とを比較することで、その画素がドットのエッジ部の内側にあるか否かを判定することができる。図8(a)に示すように形成される網点画像のドットが十分な大きさを有する場合、図8(b)のように基準値C1(第2の基準値)を設定する。図8(c)のように各画素に対応するディザマトリクスの閾値が基準値C1よりも小さい場合のみその画素を間引けば、ドットのエッジの内側のみを間引くことができる。
また、本実施形態では、図8(a)に示すように形成される網点画像のドットが十分な大きさを有する(所定サイズ以上である)ことを確保するために、入力画像の画素値の基準値C2(第1の基準値)を設定する。例えば、基準値C2は、ドットのサイズが3×3以上となることを確保するように45に設定することができる。入力された画像の画素値が基準値C2より大きい場合に、形成される網点画像のドットが十分な大きさを有すると判定する。つまり、注目画素の画素値InImgが基準値C2より大きく、かつ注目画素に対応するディザマトリクスの閾値が基準値C1より小さい場合、注目画素を間引き処理の対象とすることで、エッジ部を保護しながら間引き処理を行うことが可能となる。
本実施形態では、間引き手段として、例えば間引きパターンを用いて間引き処理を行うことができる。また、間引きパターンとして、例えば市松模様の間引きパターンを用いて、図8(c)のように間引きを実施する画素と間引かない画素が各々連続しないように間引きを行うことができる。なお、本実施形態の間引き手段及び間引きパターンは上記に限定されるものではない。
<基準値C1の更新>
図9は、本実施形態において入力された画像の画素値に応じて基準値C1を更新する例を示す図である。図9(a)に示す2画素×2画素のドットではエッジ部のみで間引ける場所がないが、図9(b)に示す3画素×3画素のドットではエッジの内側の画素領域が1画素×1画素のサイズで存在する。そして、図9(c)に示す4画素×4画素のドットではエッジの内側の領域は2画素×2画素のサイズで存在し、図9(d)に示す5画素×5画素のドットではエッジの内側の領域は3画素×3画素のサイズで存在する。ドットのサイズが大きくなると、エッジの内側の領域が大きくなることが分かる。すなわち、入力された画像の画素値が大きくなることでドットのサイズが大きくなり、それによりエッジではないドットの内側の面積が拡大する。
そのため、本実施形態では、入力画素値に応じてドットの内側であるか否かを判定するための基準値C1を更新し、間引き処理の対象となる領域を変化させることによって、エッジ部を保存しつつドットの大きさに応じた間引きを行うことが可能となる。すなわち、注目画素の画素値InImgの大きさに応じて基準値C1を更新することによって、図9に示すようにドットの大きさに応じた間引き領域を判定することが可能となる。基準値C1の決定方法として、例えば、次の式(1)を用いて基準値C1を算出することができる。
Figure 2018026627
ここで、C1_Minは基準値C1の最小値、C1_Maxは基準値C1の最大値を表す。また、式(1)における「255」は、画素値InImgの最大値である。式(1)を適用することで基準値C1を画素値InImgに応じて線形に変化させることが可能となる。このように更新される基準値C1を用いると、ドットの大きさに応じた間引きを行うことが可能となる。
なお、上記の式(1)における各定数は、スクリーン処理に適用されるディザマトリクスに応じて予め設定されたものである。例えば、図6(a)に示したディザマトリクスの場合、C1_Minを5に設定し、C1_Maxを46に設定することができる。また、画素値InImgが所定画素値より小さい(例えば、画素値InImgが128より小さく、ドットのサイズが5×5以下である)ときのみ、基準値C1を画素値InImgの大きさに応じて変化させることができる。すなわち、式(1)における「255」を「128」に変更し、画素値InImg<128のとき、基準値C1を式(1)により算出し、画素値InImg>=128のとき、基準値C1=C1_Maxとすることができる。
なお、本実施形態では計算式を用いて基準値C1を算出する例を説明したが、基準値C1の決定方法はこれに限定されず、例えば、LUTテーブルを用意し画素値InImgと基準値C1を予め対応付けする方法でもよい。
<網点画像生成部の処理フロー>
図10は本実施形態における網点画像生成部303の処理フローを示す図である。ステップS1001において間引き領域判定部401は、ガンマ補正部302から網点画像生成部303に入力された画像について、注目画素の画素値と注目画素に対応するディザマトリクスの閾値とを取得する。
ステップS1002において間引き領域判定部401は、注目画素の画素値に基づき、間引き領域を指定するためのディザマトリクスの閾値の基準値C1を決定する。また、形成される網点画像のドットが十分な大きさを有することを確保するための画素値の基準値C2は、予め定められており、例えばRAM103に記憶されている。間引き領域判定部401は、RAM103からデータを読み取ることで基準値C2を取得する。
ステップS1003において間引き領域判定部401は、注目画素が間引き領域となるか否かを判定する。間引き領域判定部401は、注目画素の画素値と、注目画素に対応するディザマトリクスの閾値と、予め定められた画素値の基準値C2と、ステップS1002で決定されたディザマトリクスの閾値の基準値C1に基づき判定を行う。形成される網点画像のドットが十分な大きさを有することを確保するための画素値の基準値C2は、予め定められており、例えばRAM103に記憶されている。間引き領域判定部401は、RAM103からデータを読み取ることで基準値C2を取得する。注目画素の画素値が基準値C2より大きく、注目画素に対応するディザマトリクスの閾値が基準値C1より小さい場合に、注目画素が間引き領域となると判定する。
次に、ステップS1003で間引き領域にならないと判定された注目画素に対し、ステップS1004においてスクリーン処理部402は、スクリーン処理を行う。ステップS1003で間引き領域となると判定された注目画素に対し、ステップS1005において間引き処理部403は、事前に指定された間引き手段により間引き処理を実行する。本実施形態の間引き処理では、間引きが実施される位置に0の画素値を出力し、間引きが実施されない位置に255の画素値を出力する。
以上のとおり、本実施形態では入力された画像の各画素に対し、その画素の画素値とその画素に対応するディザマトリクスの閾値とを参照することで、その画素が間引き領域となるか否かを判定する。すなわち、画素値がドットの大きさを確保するための基準値C2より大きく、かつディザマトリクスの閾値が間引き領域を指定するための基準値C1より小さい場合、画素を間引きの対象とする。これによって、簡単に間引き領域を制限することができ、エッジ部を保護しつつ間引き処理を行うことが可能となる。
尚、本実施形態では、画像処理部105が画像形成装置2に含まれるものとして説明したが、これに限定されず、画像処理部105は画像形成装置2と通信可能な他の装置に含まれてもよい。または、画像処理部105は、画像形成装置2と通信可能な画像処理装置として構成されてもよい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、入力された画像の各画素の画素値とその画素に対応するディザマトリクスの閾値とに基づいて間引き領域を判定し、判定された間引き領域に対して定まったパターンによる間引き処理を行う例を説明した。しかし、パターンによる間引き処理を行う場合、ドットの間引き量を濃度に応じて高精度に調整することが難しい。また、スクリーンの周期に対する干渉が生じることがある。そこで、本実施形態では、間引き領域となる各画素について、その画素を間引く確率を画素値に応じて決定し、決定された確率と画素ごとに与えられる乱数とを比較することで、間引きを実施するか否かを決定する。
本実施形態における網点画像生成部303′は、まず、入力された画像の所定領域(例えば、ディザマトリクスのサイズに対応する領域)において実施される、間引きの上限回数を所定領域内の画素値に応じて設定する。そして、網点画像生成部303′は、所定領域における間引き領域となる各画素に対して間引きを実施する確率(間引き確率)を、その合計が設定された間引きの上限回数になるように生成する。これによって、所定領域の間引き量を濃度に応じて高精度に調整することが可能となる。さらに、網点画像生成部303′は、決定された各画素の間引き確率と、画素毎に与えられる、値が0から1までの範囲内にある乱数とを比較することで、間引きの実施を決定する。これによって、スクリーンの周期に対する干渉を抑制することが可能となる。以下では、第1の実施形態とは異なる本実施形態における構成のみについて説明する。
<網点画像生成部の構成>
図11は、本実施形態における網点画像生成部303′の機能構成を示す図である。網点画像生成部303′は、間引き領域判定部1101、スクリーン処理部1102、確率生成部1103及び間引き処理部1104を含む。間引き領域判定部1101は、第1の実施形態における間引き領域判定部401と同様に、入力された画像の各画素が間引き領域となるか否かを判定する。間引き領域にならないと判定された画素に対して、スクリーン処理部1102は第1の実施形態におけるスクリーン処理部402と同様にスクリーン処理を行う。間引き領域となると判定された画素に対して、確率生成部1103は、画素の間引き確率を生成する。そして、間引き処理部1104は、確率生成部1103で生成された間引き確率と、画素毎に与えられる、値が0から1までの範囲内にある乱数との大小関係に基づき間引き処理を行う。
<間引き確率の生成>
確率生成部1103が行う、間引き確率の生成について詳しく説明する。確率生成部1103は、所定領域における間引き領域となる画素に対し、間引き確率をその合計が所定領域内の間引きの上限回数になるように生成する。間引き確率の生成方法として、例えば、各画素とも間引き確率を均一の値にするように間引き確率を生成することができる。そして、生成された間引き確率と、各画素に与えられた乱数との比較によって間引きの実施が決定される。このように、乱数による間引き処理を行うことが可能となる。しかし、この場合、乱数の値の偏りにより、間引きの上限回数が同じ値に設定された各所定領域間で間引き量に偏りが生じる可能性がある。そこで、確率生成部1103は、所定領域において既に実施した間引きの回数に応じて、次に注目する画素の間引き確率を変動させることで、間引き量の偏りを抑制することができる。
具体的に、確率生成部1103は、所定領域における画素値に応じて、所定領域内の間引きの上限回数を設定する。ここで、設定された間引きの上限回数をNとする。確率生成部1103は、所定領域における画素値に応じて、所定領域における間引き領域となる画素の総数を算出する。ここで、間引き領域となる画素の総数をMとする。
図12は、本実施形態において所定領域内での間引きの上限回数を設定する例を示す図である。図12(a)は、間引き領域となる画素の総数M=0、間引きの上限回数N=0の場合を示している。図12(b)は、M=9、N=1の場合、図12(c)は、M=16、N=4の場合、図12(d)は、M=25、N=9の場合を示している。
また、確率生成部1103は、所定領域内の確率生成済み画素の数及び既に実施した間引きの回数を記録する。そして、確率生成していない残りの画素の数と間引きの残り回数から確率を計算することで、各所定領域内での間引きの実施回数を均一にしつつ乱数による間引きを実施することが可能となる。
所定領域内において初めて間引き確率を生成するとき、確率生成していない残りの画素の数がM、間引きの残り回数がNとなるので、間引き確率は次の式(2)のように算出される。
Figure 2018026627
所定領域内の確率生成済み画素の数をm、既に実施した間引きの回数をnとなるとき、確率生成していない残りの画素の数がM−m、間引きの残り回数がN−nとなるので、間引き確率は次の式(3)のように算出される。
Figure 2018026627
上記の式(3)のように所定領域において既に実施した間引きの回数に応じて次に注目する画素の間引き確率を生成することで、所定領域において間引きを確実に実施する回数が、設定された間引きの上限回数Nから離れることを抑える。また、図12のように所定領域内での間引きの上限回数を画素値に応じて設定することで、濃度に応じて間引き量を高精度に調整する。これにより、間引き処理による画像の階調性の劣化を抑えることが可能となる。
<網点画像生成部の処理フロー>
図13は、本実施形態における網点画像生成部303′の処理フローを示す図である。なお、ステップS1301からステップS1304の処理は、第1の実施形態におけるステップS1001からステップS1004の処理と同様であるので、説明を省略する。ステップS1305からの処理を説明する。
ステップS1305において確率生成部1103は、ステップS1303にて注目画素が間引き処理の対象であると判定された場合、注目画素の画素値に基づき所定領域内の間引きの上限回数Nを決定する。また、確率生成部1103は、注目画素の画素値に基づき所定領域における間引き領域となる画素の総数Mを算出する。
ステップS1306において確率生成部1103は、所定領域内の確率生成済み画素の数mと、所定領域において既に実施した間引きの回数nとを取得する。また、取得されたm、n、及びステップS1305で得られたM、Nから注目画素の間引き確率を式(3)により生成する。
ステップS1307において間引き処理部1104は、画素毎に与えられた、値が0から1までの範囲内にある乱数と、ステップS1306で生成された間引き確率とを比較する。間引き確率が乱数より大きい場合は、ステップS1308において間引き処理部1104は、注目画素を間引く(間引きが実施される位置に0の画素値を出力する)。間引き確率が乱数以下である場合は、ステップS1309において間引き処理部1104は、注目画素に対する間引きを実施せず、255の画素値を出力する。
図14は、本実施形態の網点画像生成処理によって得られた網点画像の例を示す図である。ここで、図6(a)に示すディザマトリクスが使用された。図14(a)及び図14(b)が示すように、確率及び乱数により間引きを実施するかの判定を行うことで、特定の間引きパターンではなく、ドットごとに異なる間引き処理が可能となる。また、注目画素の画素値、すなわち入力画像の濃度に従いトナーの間引き量を決定することで階調性の劣化を抑えることができる。
本実施形態では、間引き処理の実施を確率により判定するとともに、所定領域内での間引きの上限回数を入力画像の画素値によって決定することによって、階調性を保ちつつエッジ部を保存し画質劣化を抑えた間引きを実現する。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
401 間引き領域判定部
402 スクリーン処理部
403 間引き処理部

Claims (10)

  1. 入力画像に対してディザマトリクスを用いるスクリーン処理及び間引き処理を行う画像処理装置であって、
    前記入力画像の注目画素について、前記注目画素の画素値と前記注目画素に対応する前記ディザマトリクスの閾値とに基づいて、前記注目画素が間引き処理の対象であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段にて間引き処理の対象であると判定された前記注目画素に対して間引き処理を行う間引き処理手段と、
    前記判定手段にて間引き処理の対象でないと判定された前記注目画素に対して前記ディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行うスクリーン処理手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記判定手段は、前記注目画素の画素値が第1の基準値より大きく、かつ、前記注目画素に対応する前記ディザマトリクスの閾値が第2の基準値より小さい場合、前記注目画素が間引き処理の対象であると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の基準値は、前記ディザマトリクスを用いるスクリーン処理により所定サイズ以上の網点画像のドットを生成するために必要な入力画素値であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第2の基準値は、前記注目画素の画素値に応じて更新されることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記間引き処理手段は、所定の間引きパターンを用いて間引き処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記判定手段は、前記注目画素の画素値に基づいて前記注目画素の間引き確率を決定し、
    前記間引き処理手段は、前記判定手段にて決定された間引き確率と、画素毎に与えられる乱数とを比較することで、前記注目画素を間引くか否かを決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記判定手段は、前記入力画像の所定領域毎に、前記所定領域内の画素値に応じて当該所定領域内の間引きの上限回数を決定し、前記所定領域における間引き処理の対象であると判定される各画素の間引き確率の合計が、決定された上限回数になるように前記各画素の間引き確率を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記判定手段は、前記所定領域内における間引き確率が既に生成された画素の数と、所定領域内における既に実施した間引きの回数とを記録し、記録された画素の数及び間引きの回数に応じて、次に注目する画素の間引き確率を算出することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 入力画像に対してディザマトリクスを用いるスクリーン処理及び間引き処理を行う画像処理方法であって、
    前記入力画像の注目画素について、前記注目画素の画素値と前記注目画素に対応する前記ディザマトリクスの閾値とに基づいて、前記注目画素が間引き処理の対象であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程にて間引き処理の対象であると判定された前記注目画素に対して間引き処理を行う間引き処理工程と、
    前記判定工程にて間引き処理の対象でないと判定された前記注目画素に対して前記ディザマトリクスを用いてスクリーン処理を行うスクリーン処理工程と
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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