JP2018025253A - 流体制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流体制御システムにおける作動流体の供給効率を向上させる。
【解決手段】流体制御システム100は、ポンプ2と、ポンプ2から供給された水の流れを制御する電磁比例制御弁10と、を備える。電磁比例制御弁10は、水が流通するポート11〜15が形成されるバルブボディ30と、バルブボディ30内に摺動自在に収容されるスプール40と、スプール40とバルブボディ30との間に水を導く静圧軸受機構50,54と、を有する。流体制御システム100は、ポンプ2の供給圧力よりも低い所定の圧力の水を静圧軸受機構50,54に供給する調圧弁4をさらに備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体制御システムに関するものである。
従来、作動流体の圧力又は流量を制御する流体制御システムとして、加圧された作動流体を供給する供給源と、供給源から供給された作動流体の流れを制御する制御弁と、を備えたものが公知である。
特許文献1には、供給源から供給された作動流体の流れを制御する制御弁において、スプールを滑らかに摺動させるために、スプールを摺動自在に収容するバルブボディに静圧軸受を設けた構成が開示されている。この制御弁では、静圧軸受に高圧の作動流体が供給されることで、スプールは、バルブボディに対して非接触状態で支持される。
特開平09−273654号公報
特許文献1に記載された流体制御システムでは、制御用の作動流体を供給する供給源から静圧軸受に作動流体が供給される。つまり、静圧軸受には、制御用の作動流体と同じ圧力の作動流体が供給される。このため、制御用の作動流体の圧力を上昇させると、静圧軸受に供給される流量が増加し、結果としてタンクに排出される作動流体の流量が多くなる。このように、特許文献1に記載された制御弁では、要求される制御用の作動流体の圧力が高くなるほど、静圧軸受を通じてタンクに戻る流量が増加するため、作動流体の供給効率が低下するおそれがある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、流体制御システムにおける作動流体の供給効率を向上させることを目的とする。
第1の発明は、流体制御システムが、作動流体を供給する供給源と、供給源から供給された作動流体の流れを制御する制御弁と、を備え、制御弁が、作動流体が流通するポートが形成されるバルブボディと、バルブボディ内に摺動自在に収容されるスプールと、スプールの外周面とバルブボディの内周面との間に作動流体を導く静圧軸受と、を有し、流体制御システムが、供給源の供給圧力よりも低い所定の圧力の作動流体を静圧軸受に供給する供給部をさらに備えることを特徴とする。
第1の発明では、制御弁には、供給源から作動流体が供給される一方、静圧軸受には、供給部から所定の圧力の作動流体が供給される。このように、静圧軸受に供給される作動流体の圧力は、制御弁に供給される作動流体の圧力に関わらず所定の圧力に維持される。このため、制御弁に供給される作動流体の圧力を上昇させたとしても、静圧軸受から流出する作動流体の流量が増加することが抑制される。
第2の発明は、供給源が作動流体を加圧して吐出するポンプであり、供給部が供給源から供給される作動流体の圧力を所定の圧力に調整する調圧弁であり、供給源から供給される作動流体の圧力は変更自在であることを特徴とする。
第2の発明では、静圧軸受には、供給源から供給される作動流体の圧力を所定の圧力に調整する調圧弁を通じて作動流体が供給される。したがって、供給源の供給圧力を上昇させたとしても、静圧軸受を通じて排出される作動流体の量は変化しない。このように、静圧軸受に無駄な作動流体が供給されないため、流体制御システムにおける作動流体の供給効率を向上させることができる。
第3の発明は、供給源が作動流体を加圧して吐出するポンプであり、供給部が供給源とは別のポンプであって、所定の圧力の作動流体を吐出するポンプであり、供給源から供給される作動流体の圧力は変更自在であることを特徴とする。
第3の発明では、静圧軸受には、供給源とは別のポンプから所定の圧力の作動流体が供給される。したがって、供給源の供給圧力を上昇させたとしても、静圧軸受を通じて排出される作動流体の量は変化しない。このように、静圧軸受に無駄な作動流体が供給されないため、流体制御システムにおける作動流体の供給効率を向上させることができる。
第4の発明は、制御弁が、スプールの両端に設けられた圧力室をさらに有し、静圧軸受に供給された作動流体は、スプールの外周面とバルブボディの内周面との間を通り圧力室に流入することを特徴とする。
第4の発明では、スプールの両端に設けられた圧力室には、静圧軸受を通じて所定の圧力の作動流体が供給される。このため、圧力室内の圧力は、供給源の供給圧力に応じて変化しない。このように、圧力室内の圧力は大きく変動することがないため、スプールの移動速度を所望の速度に制御することができる。
本発明によれば、流体制御システムにおける作動流体の供給効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る流体制御システムの構成図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る流体制御システムの構成図である。 本発明の第2実施形態に係る流体制御システムの構成図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る流体制御システムの構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1を参照して、第1実施形態に係る流体制御システム100について説明する。
流体制御システム100は、作動流体としての水を用いて、図示しないシリンダ等のアクチュエータの動作を制御するシステムである。流体制御システム100は、作動流体である水を貯留するタンク1と、タンク1内に貯留された水を加圧してシリンダに供給する供給源としてのポンプ2と、シリンダに対して給排される水の流れを制御する制御弁としての電磁比例制御弁10と、電磁比例制御弁10の動作を制御する図示しないコントローラと、を備える。流体制御システム100は、コントローラを介して電磁比例制御弁10を制御することで、シリンダ内のロッド側室及びピストン側室の水圧を調整してシリンダを伸縮させる。
ポンプ2は、吐出される水の圧力及び流量を変更することが可能な可変容量型のポンプである。ポンプ2の吐出口には、ポンプ2と電磁比例制御弁10とを連通させるポンプ通路3の一端が接続される。ポンプ2から吐出された水は、ポンプ通路3及び電磁比例制御弁10を通じてシリンダへと供給される。
ポンプ通路3には、ポンプ通路3とタンク1とを連通させるリリーフ通路3aが接続される。リリーフ通路3aには、ポンプ通路3の圧力が所定値以上となった時に開弁するリリーフ弁5が設けられる。なお、ポンプ2を定容量型とし、リリーフ弁5の開弁圧力を電気的に調整することによってシリンダへ供給される水の圧力を変更させる構成としてもよい。
電磁比例制御弁10は、スプール40と、スプール40が摺動自在に収容されるバルブボディ30と、バルブボディ30の一端に固定されスプール40を軸方向に駆動させるアクチュエータとしてのソレノイド60と、ソレノイド60の駆動力に対向する付勢力を発生させるスプリング25と、スプール40の軸方向位置を検出する位置検出センサ62と、を備える。電磁比例制御弁10は、ソレノイド60によってスリーブ31に対するスプール40の軸方向位置を変化させることで、ポンプ2からシリンダに供給される水の圧力又は流量を制御するとともにシリンダの伸縮方向の切り換えを行う。
バルブボディ30は、両端が開口端として形成される円筒状のバルブケース20と、バルブケース20の内部に挿入固定されるスリーブ31と、を有する。スリーブ31は、両端が開口する円筒状部材であり、スリーブ31内には、スプール40が摺動自在に収容される。バルブケース20の形状は、円筒状に限定されず、内部にスリーブ31が挿入固定されればどのような形状であってもよい。なお、本実施形態では、バルブボディ30は、スリーブ31とバルブケース20との別部材により構成されているが、これに限定されず、単一の部材により一体的に形成されてもよい。
バルブケース20及びスリーブ31には、ポンプ通路3を通じてポンプ2に接続されるポンプポート11、シリンダのロッド側室と図示しない通路を通じて接続される第1給排ポート12、シリンダのピストン側室と図示しない通路を通じて接続される第2給排ポート13、第1ドレン通路6を通じてタンク1に接続される第1ドレンポート14、及び第2ドレン通路7を通じてタンク1に接続される第2ドレンポート15が形成される。また、スリーブ31の軸方向中央位置の内周面には周方向に沿って環状の凹溝32が形成されており、凹溝32にはポンプポート11の一端が開口している。
スプール40は、棒状の軸部41と、軸部41の軸方向中央位置に設けられる円柱状の中央ランド部42と、図1において軸部41の右端に設けられる円柱状の第1ランド部43と、図1において軸部41の左端に設けられる円柱状の第2ランド部44と、を有する軸状部材である。第1ランド部43はスプール40の一端を構成し、第2ランド部44はスプール40の他端を構成する。軸部41、中央ランド部42、第1ランド部43、及び第2ランド部44は、それぞれ同軸上に配置される。
スプール40の中央ランド部42は、スプール40の軸方向位置に応じて、スリーブ31の凹溝32を開閉、つまりポンプポート11を開閉する。第1ランド部43はスプール40の軸方向位置に応じて第1ドレンポート14を開閉し、第2ランド部44はスプール40の軸方向位置に応じて第2ドレンポート15を開閉する。
スプール40は、ソレノイド60によって駆動され、スリーブ31の内周面に沿って軸方向に移動する。電磁比例制御弁10では、潤滑性の高い油ではなく潤滑性の低い水を作動流体としている。このため、スプール40のスムーズな軸方向移動を実現するために、スプール40の両端(第1ランド部43及び第2ランド部44)は、静圧軸受としての第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54によって、スリーブ31に対して非接触状態となるように支持される。第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54はスリーブ31に設けられており、第1静圧軸受機構50は第1ランド部43の外周面に対向する位置に、第2静圧軸受機構54は第2ランド部44の外周面に対向する位置にそれぞれ配置される。
第1静圧軸受機構50は、スリーブ31の外周面に周方向に沿って形成される環状流路51と、第1ランド部43の外周面に対向するようにスリーブ31の内周面に複数形成される円筒孔52と、環状流路51と円筒孔52を連通し、通過する水に抵抗を付与する複数の軸受用絞り53と、を有する。円筒孔52及び軸受用絞り53はそれぞれ、スリーブ31の周方向に等しい間隔をあけて4つ設けられる。
第2静圧軸受機構54は、第1静圧軸受機構50と同様の構成を有しており、環状流路55、円筒孔56、及び環状流路55と円筒孔56を連通する軸受用絞り57を有する。円筒孔56及び軸受用絞り57はそれぞれ、スリーブ31の周方向に等しい間隔をあけて4つ設けられる。なお、軸受用絞り53,57の数は4つに限定されず、スプール40の外周面とスリーブ31の内周面との間に水膜が形成されればいくつ設けられてもよい。
第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54の環状流路51,55には、バルブケース20に形成された供給路21が接続される。供給路21は、環状流路51,55に接続される開口端を有するとともに、バルブケース20の外面に開口する開口端21aを有する。開口端21aには、ポンプ通路3から分岐された分岐通路3bが接続される。
分岐通路3bには、ポンプ2から吐出された水の圧力を予め定められた所定の圧力に調圧する供給部としての調圧弁4が設けられる。調圧弁4は、上流側の圧力に対して下流側の圧力が一定圧力となるように減圧して調整する二次圧力調整弁である。なお、調圧弁4は、上記形式の調整弁に限定されず、供給路21を通じて第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に導かれる水の圧力を一定圧力に調整できるものであればどのような形式の調圧機構であってもよい。
このように、ポンプ2から吐出された水の一部は、分岐通路3b、調圧弁4及び供給路21を通じて、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54の環状流路51,55に供給される。環状流路51,55に供給された水は、複数の軸受用絞り53,57を通じて円筒孔52,56に導かれ、スプール40の両端外周面とスリーブ31の内周面との間に供給される。これにより、スプール40の両端とスリーブ31との間に水膜が形成され、作動流体として水を採用した場合であっても、スリーブ31に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる。
また、バルブケース20には、一方の開口端を閉塞する蓋部材22と、他方の開口端を閉塞するソレノイド60が固定される。蓋部材22とスプール40の第1ランド部43との間には圧力室としての第1背圧室23が形成され、ソレノイド60とスプール40の第2ランド部44との間には圧力室としての第2背圧室24が形成される。
第1背圧室23には、第1静圧軸受機構50を通じてスリーブ31内に供給された水の一部が、第1ランド部43の外周面とスリーブ31の内周面の間の隙間を通って流入する。第1背圧室23は、第1タンク通路8を通じてタンク1と連通しており、第1タンク通路8には、通過する水に抵抗を付与する減衰用絞り8aが設けられる。このため。第1背圧室23に流入した水は、第1タンク通路8及び減衰用絞り8aを通じてタンク1に排出される。
第2背圧室24には、第2静圧軸受機構54を通じてスリーブ31内に供給された水の一部が、第2ランド部44の外周面とスリーブ31の内周面の間の隙間を通って流入する。第2背圧室24は、第2タンク通路9を通じてタンク1と連通しており、第2タンク通路9には、通過する水に抵抗を付与する減衰用絞り9aが設けられる。このため、第2背圧室24に流入した水は、第2タンク通路9及び減衰用絞り9aを通じてタンク1に排出される。
なお、図1において、第1及び第2タンク通路8,9は、第1及び第2ドレン通路6,7を通じてタンク1に接続されているが、第1及び第2ドレン通路6,7を介することなく、タンク1に直接接続されてもよい。
スプール40を軸方向に駆動するソレノイド60は、コイル60bに供給される電流の大きさに応じて可動鉄心60aに作用する推力を変更可能な電磁比例ソレノイドとして構成される。
スプリング25は、第1背圧室23を構成する蓋部材22の底面と、スプール40の第1ランド部43の端面と、の間に配置される。スプリング25は、スプール40をソレノイド60に向けて付勢する。
ソレノイド60には、バルブケース20とは反対側に位置検出センサ62が固定される。位置検出センサ62は、可動鉄心60aの軸方向位置を検知することで、可動鉄心60aと同期して移動するスプール40の軸方向位置を検出する。位置検出センサ62で検出された結果は、位置検出信号としてコントローラへ出力される。
コントローラは、目標位置信号と位置検出センサ62の位置検出信号とに基づいてソレノイド60に供給すべき励磁電流値を決定する。決定された大きさの励磁電流がソレノイド60に供給されることで、ソレノイド60の可動鉄心60aが駆動され、スプール40は目標位置へと移動する。
このような構成の流体制御システム100において、電磁比例制御弁10の背圧室23,24内の水は、スプール40の位置に関わらず、タンク通路8,9を通じてタンク1へと常に排出される。タンク通路8,9には、減衰用絞り8a,9aが設けられているものの、背圧室23,24内の圧力が高くなるほど排出される水の量も増加する。このため、背圧室23,24に流入する水の圧力、すなわち、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力がポンプ2の吐出圧力に応じて変化すると、例えば、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させた場合、背圧室23,24内の圧力も上昇し、背圧室23,24を通じてタンク1へ排出される水の量も増加する。このように、シリンダに供給されずタンク1に排出される水の量が増加すると、流体制御システム100における水の供給効率が低下することとなる。
また、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に多くの水が供給されるほど、スプール40の外周面とスリーブ31の内周面との間には、水膜が安定して形成される。しかしながら、水膜は、スリーブ31とスプール40とが直接接触することが抑制され、スリーブ31に対するスプール40の潤滑性を向上させるができる程度に形成されていればよい。したがって、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に必要以上に水が供給されても、上述のように背圧室23,24を通じてタンク1へ排出されることとなるため無駄となる。
これに対して、本実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2の吐出圧に関わらず、一定の圧力の水が調圧弁4を通じて供給される。また、調圧弁4を通じて第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力は、スプール40の外周面とスリーブ31の内周面との間に形成される水膜が、スリーブ31とスプール40とが直接接触することを抑制し、スリーブ31に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる程度に設定される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室23,24を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム100における水の供給効率を向上させることができる。
また、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2から供給される水の圧力よりも低い所定の圧力の水が供給される。つまり、従来のようにポンプ2から吐出された比較的高い圧力の水が第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給されるおそれがない。このため、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54へ水を供給する経路及び第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54を通じて水が供給される経路、例えば、供給路21や背圧室23,24における耐圧レベルを、ポンプ2から水が供給される経路のように圧力が上昇するおそれがある部位における耐圧レベルよりも低下させることができる。
次に、スプール40の変位に応じたシリンダの作動について説明する。
図1に示すように、スプール40が中立位置にある場合には、中央ランド部42によってポンプポート11と連通する凹溝32が閉じられ、第1ランド部43及び第2ランド部44によって第1ドレンポート14及び第2ドレンポート15が閉じられる。この場合には、シリンダに対して水の給排は行われず、シリンダは負荷保持状態となる。
ソレノイド60が駆動され、スプール40がスプリング25の付勢力に抗して中立位置から図1において矢印Aの方向に移動すると、ポンプポート11と第2給排ポート13が連通し、第1給排ポート12と第1ドレンポート14が連通する。この時、第2ドレンポート15は、第2ランド部44によって閉じられたままとなっている。この場合には、ポンプ2から吐出された水はポンプポート11及び第2給排ポート13を通じてシリンダのピストン側室に供給され、シリンダのロッド側室の水が第1給排ポート12及び第1ドレンポート14を通じてタンク1に排出される。これにより、シリンダは伸長する。
一方、ソレノイド60が駆動され、スプール40が中立位置からスプリング25の付勢方向(図1において矢印Bの方向)に移動すると、ポンプポート11と第1給排ポート12が連通し、第2給排ポート13と第2ドレンポート15が連通する。この時、第1ドレンポート14は、第1ランド部43によって閉じられたままとなっている。この場合には、ポンプ2から吐出された水はポンプポート11及び第1給排ポート12を通じてシリンダのロッド側室に供給され、シリンダのピストン側室の水が第2給排ポート13及び第2ドレンポート15を通じてタンク1に排出される。これにより、シリンダは収縮する。
このようにスプール40がソレノイド60によって駆動され軸方向に変位するとき、容積が減少する背圧室23,24からはタンク通路8,9を通じて水が排出される。タンク通路8,9には、減衰用絞り8a,9aが設けられるため、スプール40の移動速度が速いと背圧室23,24内の圧力が上昇し、スプール40の移動を妨げることとなる。つまり背圧室23,24は、スプール40の移動速度を減衰させる減衰機構として機能する。
ここで、背圧室23,24が生じる減衰力は、背圧室23,24に導かれる水の圧力に応じて変化する。つまり、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力が高いと背圧室23,24に流入する水の圧力も高くなり、結果として背圧室23,24が生じる減衰力は大きくなる。このように背圧室23,24が生じる減衰力が大きくなると、スプール40の移動速度が低下するため、シリンダに対する水の給排に遅れが生じ、シリンダの作動応答性が低下するおそれがある。
背圧室23,24の圧力に関わらずスプール40の移動速度を所望の速度とするには、背圧室23,24の圧力、すなわち、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力に応じて、ソレノイド60の推力を変更する必要がある。また、背圧室23,24の圧力は、減衰用絞り8a,9aを通過する水の流量によっても変化するため、スプール40の移動速度が所望の速度となるようにソレノイド60の推力を変更させるには、複数のパラメータを考慮しなければならず、ソレノイド60の制御が複雑化してしまう。
これに対して、本実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力は、ポンプ2の吐出圧に関わらず、調圧弁4によって一定圧に調圧されている。したがって、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54を通じて背圧室23,24に導かれる水の圧力もほぼ一定となる。このため、ソレノイド60に対して特別な制御を行わなくとも、スプール40の移動速度を所望の速度とすることが容易に可能となり、結果としてシリンダの作動応答性を向上させることができる。
以上の第1実施形態によれば、以下に示すような効果を奏する。
流体制御システム100では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2の吐出圧に関わらず、所定の圧力の水が調圧弁4を通じて供給される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室23,24を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム100における水の供給効率を向上させることができる。
次に、図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る流体制御システム100の変形例について説明する。
上記第1実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に水を供給する供給部として、ポンプ2から吐出された水の圧力を予め定められた所定の圧力に調圧する調圧弁4が設けられている。これに代えて、図2に示されるように、シリンダに水を供給するポンプ2とは別に、予め定められた所定の圧力の水を供給する供給部としての補助ポンプ72を設けてもよい。
補助ポンプ72の吐出孔は、補助ポンプ通路73を介して供給路21の開口端21aに接続される。補助ポンプ通路73には、補助ポンプ通路73とタンク1とを連通させるリリーフ通路73aが接続される。リリーフ通路73aには、補助ポンプ通路73の圧力が所定値以上となった時に開弁するリリーフ弁74が設けられる。なお、リリーフ弁74を補助ポンプ72の吐出圧を調整する圧力調整弁として機能させてもよい。
補助ポンプ72の吐出圧は、スプール40の外周面とスリーブ31の内周面との間に形成される水膜が、スリーブ31とスプール40とが直接接触することを抑制し、スリーブ31に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる程度に設定される。したがって、上記第1実施形態と同様に、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室23,24を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。この結果、流体制御システム100における水の供給効率を向上させることができる。
また、この変形例では、ポンプ2の吐出圧を、補助ポンプ72の吐出圧より低い圧力とすることも可能である。このため、作動圧力範囲が広いシリンダ等、例えば、プレス用シリンダのようにプレス時には高圧が必要であるがそれ以外の時は低圧で変位するようなものに対しても流体制御システム100を適用することができる。
<第2実施形態>
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態に係る流体制御システム200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
流体制御システム200の基本的な構成は、第1実施形態に係る流体制御システム100と同様である。流体制御システム200では、制御弁として電磁比例制御弁10に代えてサーボ弁110が採用されている点で流体制御システム100と主に相違する。
流体制御システム200は、水を貯留するタンク1と、タンク1内に貯留された水を加圧してシリンダに供給するポンプ2と、シリンダに対して給排される水の流れを制御する制御弁としてのサーボ弁110と、サーボ弁110の動作を制御する図示しないコントローラと、を備える。流体制御システム200は、コントローラを介してサーボ弁110を制御することで、シリンダ内のロッド側室及びピストン側室の水圧を調整してシリンダを伸縮させる。
ポンプ2の構成は、上記第1実施形態に係る流体制御システム100と同様であるため、その説明を省略する。
サーボ弁110は、スプール40と、スプール40が摺動自在に収容されるバルブボディ130と、バルブボディ130の一端に固定されスプール40を軸方向に変位させるアクチュエータとしてのトルクモータ160と、スプール40の軸方向位置を検出する位置検出センサ62と、を備える。サーボ弁110は、バルブボディ130に対するスプール40の軸方向位置を変化させることで、ポンプ2からシリンダに供給される水の圧力又は流量を制御するとともにシリンダの伸縮方向の切り換えを行う。
バルブボディ130は、一端が開口端として形成される有底筒状のバルブケース120と、バルブケース120の内部に挿入固定されるスリーブ131と、を有する。スリーブ131は、両端が開口する円筒状部材であり、スリーブ31内には、スプール40が摺動自在に収容される。バルブケース120の形状は、有底筒状に限定されず、内部にスリーブ131が挿入固定されればどのような形状であってもよい。なお、本実施形態では、バルブボディ130は、スリーブ131とバルブケース120との別部材により構成されているが、これに限定されず、単一の部材により一体的に形成されてもよい。
バルブケース120及びスリーブ131には、上記第1実施形態に係る流体制御システム100と同様に、ポンプポート11、第1給排ポート12、第2給排ポート13、第1ドレンポート14、及び第2ドレンポート15が形成される。また、スリーブ131の内周面には、ポンプポート11の一端が開口する環状の中央凹溝132と、第1ドレンポート14の一端が開口する環状の第1凹溝133と、第2ドレンポート15の一端が開口する環状の第2凹溝134と、が形成される。なお、スリーブ131に収容されるスプール40の構成は、上記第1実施形態に係る流体制御システム100のスプール40と同じであるため、その説明を省略する。
サーボ弁110では、潤滑性の高い油ではなく潤滑性の低い水を作動流体としている。このため、スプール40のスムーズな軸方向移動を実現するために、スプール40の両端(第1ランド部43及び第2ランド部44)は、上記第1実施形態に係る流体制御システム100と同様に、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54によって、スリーブ131に対して非接触状態となるように支持される。
第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54の構成は、上記第1実施形態に係る流体制御システム100と同様であるため、その説明を省略する。
バルブケース120には、第1静圧軸受機構50の環状流路51に接続されるとともにバルブケース120の外周面に開口する第1供給ポート158と、第2静圧軸受機構54の環状流路55に接続されるとともにバルブケース120の外周面に開口する第2供給ポート159と、がさらに形成される。
第1供給ポート158及び第2供給ポート159は、ポンプ通路3から分岐された分岐通路3bを介してポンプ2と接続される。分岐通路3bには、上記第1実施形態に係る流体制御システム100と同様に、ポンプ2から吐出された水の圧力を予め定められた所定の圧力に調圧する供給部としての調圧弁4が設けられる。
ポンプ2から吐出された水の一部は、調圧弁4を通じて、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される。このため、スプール40の両端とスリーブ131との間に水膜が形成され、作動流体として水を採用した場合であっても、スリーブ131に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる。
また、バルブケース120の開口端には、位置検出センサ62が固定される。バルブケース120の底面とスプール40の第1ランド部43との間には圧力室としての第1背圧室123が形成され、位置検出センサ62とスプール40の第2ランド部44との間には圧力室としての第2背圧室124が形成される。
さらに、バルブケース120には、第1背圧室123及び第2背圧室124と連通する導出室128が設けられる。第1背圧室123と導出室128とは、第1導出通路126を通じて連通しており、第2背圧室124と導出室128とは、第2導出通路127を通じて連通している。また、導出室128に開口する第1導出通路126の開口端には第1ノズル126aが設けられ、導出室128に開口する第2導出通路127の開口端には第2ノズル127aが設けられる。各ノズル126a,127aは、第1導出通路126及び第2導出通路127を通じて第1背圧室123及び第2背圧室124から導出室128に導かれる水に抵抗を付与する絞りとして機能する。
導出室128は、第1凹溝133及び第2凹溝134に開口する排出通路129を通じて第1ドレンポート14及び第2ドレンポート15と連通する。したがって、第1静圧軸受機構50を通じて第1背圧室123に流入した水は、第1導出通路126、第1ノズル126a、導出室128及び排出通路129を通じてタンク1へと排出される。同様に、第2静圧軸受機構54を通じて第2背圧室124に流入した水は、第2導出通路127、第2ノズル127a、導出室128及び排出通路129を通じてタンク1へと排出される。
なお、図3において、排出通路129は、第1凹溝133及び第2凹溝134に開口しているが、バルブケース120の外周面に開口させることで第1ドレンポート14及び第2ドレンポート15を介することなく、タンク1に直接接続されてもよい。
トルクモータ160は、コイル160bに電流が供給されることで生じる磁気力によってフラッパ160aを変位させるものである。フラッパ160aは、第1ノズル126aと第2ノズル127aとの間に挟まれるように導出室128内に配置される。
コイル160bに電流が供給されることで、フラッパ160aが第1ノズル126aに近づき第2ノズル127aから離れると、第1ノズル126aから水が放出されにくくなることで第1背圧室123内の圧力が上昇する一方、第2ノズル127aから水が放出され易くなることで第2背圧室124内の圧力が低下する。反対に、フラッパ160aが第1ノズル126aから離れ第2ノズル127aに近づくと、第1ノズル126aから水が放出され易くなることで第1背圧室123内の圧力が低下する一方、第2ノズル127aから水が放出されにくくなることで第2背圧室124内の圧力が上昇する。このように、第1ノズル126a及び第2ノズル127aに対するフラッパ160aの位置を変化させることによって、第1背圧室123と第2背圧室124とに圧力差を生じさせることができる。スプール40は、この圧力差に応じて軸方向に変位する。
コントローラは、目標位置信号と位置検出センサ62の位置検出信号とに基づいてトルクモータ160に供給すべき励磁電流値を決定する。決定された大きさの励磁電流がトルクモータ160に供給されることで、トルクモータ160のフラッパ160aが変位し、スプール40は目標位置へと移動する。
このような構成の流体制御システム200において、サーボ弁110の背圧室123,124内の水は、スプール40の位置に関わらず、導出通路126,127を通じてタンク1へと常に排出される。導出通路126,127には、ノズル126a,127aが設けられているものの、背圧室123,124内の圧力が高くなるほど排出される水の量も増加する。このため、背圧室123,124に流入する水の圧力、すなわち、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力がポンプ2の吐出圧力に応じて変化すると、例えば、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させた場合、背圧室123,124内の圧力も上昇し、背圧室123,124を通じてタンク1へ排出される水の量も増加する。このように、シリンダに供給されずタンク1に排出される水の量が増加すると、流体制御システム200における水の供給効率が低下することとなる。
また、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に多くの水が供給されるほど、スプール40の外周面とスリーブ131の内周面との間には、水膜が安定して形成される。しかしながら、水膜は、スリーブ131とスプール40とが直接接触することが抑制され、スリーブ131に対するスプール40の潤滑性を向上させるができる程度に形成されていればよい。したがって、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に必要以上に水が供給されても、上述のように背圧室123,124を通じてタンク1へ排出されることとなるため無駄となる。
これに対して、本実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2の吐出圧に関わらず、一定の圧力の水が調圧弁4を通じて供給される。また、調圧弁4を通じて第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力は、スプール40の外周面とスリーブ131の内周面との間に形成される水膜が、スリーブ131とスプール40とが直接接触することを抑制し、スリーブ131に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる程度に設定される。
また、サーボ弁110では、第1背圧室123と第2背圧室124との間に十分な圧力差が生じないとスプール40が変位しない。このため、調圧弁4を通じて第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力は、第1背圧室123と第2背圧室124との間にスプール40を所定の速度で変位させることが可能な圧力差を生成できる程度に設定される。
したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室123,124を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム200における水の供給効率を向上させることができる。
また、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2から供給される水の圧力よりも低い所定の圧力の水が供給される。つまり、従来のようにポンプ2から吐出される比較的高い圧力の水が第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給されるおそれがない。このため、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54へ水を供給する経路及び第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54を通じて水が供給される経路、例えば、背圧室123,124や導出通路126,127、導出室128における耐圧レベルを、ポンプ2から水が供給される経路のように圧力が上昇するおそれがある部位における耐圧レベルよりも低下させることができる。
次に、スプール40の変位に応じたシリンダの作動について説明する。
図2に示すように、スプール40が中立位置にある場合には、中央ランド部42によってポンプポート11と連通する中央凹溝132が閉じられ、第1ランド部43によって第1ドレンポート14と連通する第1凹溝133が閉じられ、第2ランド部44によって第2ドレンポート15と連通する第2凹溝134が閉じられる。この場合には、シリンダに対して水の給排は行われず、シリンダは負荷保持状態となる。
トルクモータ160のフラッパ160aが第2ノズル127a寄りに変位し、第1背圧室123の圧力よりも第2背圧室124の圧力が高くなり、スプール40が中立位置から図3において矢印Aの方向に移動すると、ポンプポート11と第2給排ポート13が連通し、第1給排ポート12と第1ドレンポート14が連通する。この時、第2ドレンポート15は、第2ランド部44によって閉じられたままとなっている。この場合には、ポンプ2から吐出された水はポンプポート11及び第2給排ポート13を通じてシリンダのピストン側室に供給され、シリンダのロッド側室の水が第1給排ポート12及び第1ドレンポート14を通じてタンク1に排出される。これにより、シリンダは伸長する。
一方、トルクモータ160のフラッパ160aが第1ノズル126a寄りに変位し、第2背圧室124の圧力よりも第1背圧室123の圧力が高くなり、スプール40が中立位置から図3において矢印Bの方向に移動すると、ポンプポート11と第1給排ポート12が連通し、第2給排ポート13と第2ドレンポート15が連通する。この時、第1ドレンポート14は、第1ランド部43によって閉じられたままとなっている。この場合には、ポンプ2から吐出された水はポンプポート11及び第1給排ポート12を通じてシリンダのロッド側室に供給され、シリンダのピストン側室の水が第2給排ポート13及び第2ドレンポート15を通じてタンク1に排出される。これにより、シリンダは収縮する。
ここで、スプール40の移動速度は、第1背圧室123と第2背圧室124との圧力差に応じて変化するため、フラッパ160aとノズル126a,127aとの間の間隔を調整することでスプール40の移動速度を変化させることができる。しかしながら、背圧室123,124に導かれる水の圧力が変化すると、スプール40の移動速度を同じにするために必要なフラッパ160aとノズル126a,127aとの間の間隔は変化してしまう。さらに、背圧室123,124に導かれる水の圧力が高くなると、ノズル126a,127aを通じて導出室128に導かれる水の勢いが増すため、フラッパ160aをノズル126a,127a寄りに変位させるためにコイル160bへ多くの電流を供給する必要がある。つまり、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力が高いと背圧室123,124に流入する水の圧力も高くなり、結果としてスプール40の移動速度を所望の速度とすることが困難となる。
背圧室123,124の圧力に関わらずスプール40の移動速度を所望の速度とするには、背圧室123,124の圧力、すなわち、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力に応じて、フラッパ160aを変位させるトルクモータ160の磁気力を変更する必要がある。また、背圧室123,124の圧力は、ノズル126a,127aを通過する水の流量によっても変化するため、スプール40の移動速度が所望の速度となるようにトルクモータ160の磁気を変更させるには、複数のパラメータを考慮しなければならず、トルクモータ160の制御が複雑化してしまう。
これに対して、本実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に供給される水の圧力は、ポンプ2の吐出圧に関わらず、調圧弁4によって一定圧に調圧されている。したがって、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54を通じて背圧室123,124に導かれる水の圧力もほぼ一定となる。このため、トルクモータ160に対して特別な制御を行わなくとも、スプール40の移動速度を所望の速度とすることが容易に可能となり、結果としてシリンダの作動応答性を向上させることができる。
以上の第2実施形態によれば、以下に示すような効果を奏する。
流体制御システム200では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54には、ポンプ2の吐出圧に関わらず、所定の圧力の水が調圧弁4を通じて供給される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室123,124を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム200における水の供給効率を向上させることができる。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る流体制御システム200の変形例について説明する。
上記第2実施形態では、第1静圧軸受機構50及び第2静圧軸受機構54に水を供給する供給部として、ポンプ2から吐出された水の圧力を予め定められた所定の圧力に調圧する調圧弁4が設けられている。これに代えて、図4に示されるように、シリンダに水を供給するポンプ2とは別に、予め定められた所定の圧力の水を供給する供給部としての補助ポンプ72を設けてもよい。
補助ポンプ72の吐出孔は、補助ポンプ通路73を介して供給ポート158,159に接続される。補助ポンプ通路73には、補助ポンプ通路73とタンク1とを連通させるリリーフ通路73aが接続される。リリーフ通路73aには、補助ポンプ通路73の圧力が所定値以上となった時に開弁するリリーフ弁74が設けられる。なお、リリーフ弁74を補助ポンプ72の吐出圧を調整する圧力調整弁として機能させてもよい。
補助ポンプ72の吐出圧は、スプール40の外周面とスリーブ131の内周面との間に形成される水膜が、スリーブ131とスプール40とが直接接触することを抑制し、スリーブ131に対するスプール40の潤滑性を向上させることができる程度であるとともに、第1背圧室123と第2背圧室124との間にスプール40を所定の速度で変位させることが可能な圧力差を生成できる程度に設定される。したがって、上記第2実施形態と同様に、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、背圧室123,124を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。この結果、流体制御システム200における水の供給効率を向上させることができる。
また、この変形例では、ポンプ2の吐出圧を、補助ポンプ72の吐出圧より低い圧力とすることも可能である。このため、作動圧力範囲が広いシリンダ等に対しても流体制御システム200を適用することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
流体制御システム100,200は、水を供給するポンプ2と、ポンプ2から供給された水の流れを制御する制御弁10,110と、を備え、制御弁10,110は、水が流通するポート11〜15が形成されるバルブボディ30,130と、バルブボディ30,130内に摺動自在に収容されるスプール40と、スプール40の外周面とバルブボディ30,130(スリーブ31,131)の内周面との間に水を導く静圧軸受機構50,54と、を有し、流体制御システム100,200は、ポンプ2の供給圧力よりも低い所定の圧力の水を静圧軸受機構50,54に供給する調圧弁4または補助ポンプ72をさらに備えることを特徴とする。
この構成では、静圧軸受機構50,54には、ポンプ2の吐出圧に関わらず、所定の圧力の水が調圧弁4または補助ポンプ72によって供給される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、静圧軸受機構50,54を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、静圧軸受機構50,54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム100,200における水の供給効率を向上させることができる。
さらに、この構成では、静圧軸受機構50,54には、ポンプ2から供給される水の圧力よりも低い所定の圧力の水が供給される。つまり、従来のようにポンプ2から高い圧力の水が静圧軸受機構50,54に供給されるおそれがない。したがって、静圧軸受機構50,54へ水を供給する経路及び静圧軸受機構50,54を通じて水が供給される経路における耐圧レベルを、ポンプ2から水が供給される経路のように圧力が上昇するおそれがある部位における耐圧レベルよりも低下させることができる。
また、調圧弁4または補助ポンプ72から供給される水の圧力は、スプール40の外周面とバルブボディ30,130(スリーブ31,131)の内周面との間に水の液膜が形成される圧力に設定されることを特徴とする。
この構成では、調圧弁4または補助ポンプ72から静圧軸受機構50,54に供給される水の圧力が、スプール40の外周面とスリーブ31,131の内周面との間に水の液膜が形成される程度の圧力に設定される。このため、作動流体として水を採用した場合であっても、スリーブ31,131に対するスプール40の潤滑性を向上させることができるとともに、静圧軸受機構50,54に無駄な水を供給しないことで、流体制御システム100,200における水の供給効率を向上させることができる。
また、ポンプ2は、水を加圧して吐出するポンプであり、調圧弁4は、ポンプ2から供給される水の圧力を所定の圧力に調整する調圧弁であり、ポンプ2から供給される水の圧力は変更自在であることを特徴とする。
この構成では、静圧軸受機構50,54には、ポンプ2から供給される水の圧力を所定の圧力に調整する調圧弁4を通じて水が供給される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、静圧軸受機構50,54を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、静圧軸受機構50,54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム100,200における水の供給効率を向上させることができる。また、ポンプ2の下流側に調圧弁4を設けるだけでよいため、流体制御システム100,200を簡素化することができる。
また、この構成では、ポンプ2から供給される水は、静圧軸受機構50,54に直接供給されないため、ポンプ2の吐出圧力は、調圧弁4を通じて静圧軸受機構50,54に供給される水の圧力以上であれば、自由に変更することが可能である。このため、作動圧力範囲が広いシリンダ等に対して流体制御システム100,200を適用することができる。
また、ポンプ2は、水を加圧して吐出するポンプであり、補助ポンプ72は、ポンプ2とは別のポンプであって、所定の圧力の水を吐出するポンプであり、ポンプ2から供給される水の圧力は変更自在であることを特徴とする。
この構成では、静圧軸受機構50,54には、ポンプ2とは別の補助ポンプ72から所定の圧力の水が供給される。したがって、シリンダの駆動力を増大させるためにポンプ2の吐出圧力を上昇させたとしても、静圧軸受機構50,54を通じてタンク1へ排出される水の量は変化しない。このように、静圧軸受機構50,54に無駄な水が供給されないため、流体制御システム100,200における水の供給効率を向上させることができる。また、ポンプ2の吐出圧を補助ポンプ72の吐出圧より低い圧力とすることもできるため、作動圧力範囲が広いシリンダ等に対しても流体制御システム100,200を適用することができる。
また、この構成では、ポンプ2から供給される水は、静圧軸受機構50,54に供給されないため、ポンプ2の吐出圧力は自由に変更することが可能である。このため、作動圧力範囲が広いシリンダ等に対して流体制御システム100,200を適用することができる。
また、制御弁10,110は、スプール40の両端に設けられた背圧室23,24,123,124をさらに有し、静圧軸受機構50,54に供給された水は、スプール40の外周面とバルブボディ30,130(スリーブ31,131)の内周面との間を通り背圧室23,24,123,124に流入することを特徴とする。
スプール40の両端に設けられた背圧室23,24,123,124内の圧力は、スプール40の移動速度に影響を及ぼす。しかし、この構成では、背圧室23,24,123,124には、静圧軸受機構50,54を通じて所定の圧力の水が供給されるため、背圧室23,24,123,124内の圧力は、ポンプ2の吐出圧力に応じて変化しない。このように、背圧室23,24,123,124内の圧力は大きく変動することがないため、スプール40の移動速度を所望の速度に容易に制御することができる。この結果、スプール40が変位することでポンプ2から作動流体としての水が供給されるシリンダ等の作動応答性を向上させることができる。
また、電磁比例制御弁10は、スプール40に駆動力を付与するソレノイド60をさらに有し、スプール40は、何れか一方の背圧室23,24を圧縮することで変位することを特徴とする。
スプール40の移動速度は、スプール40の移動によって圧縮される背圧室23,24内の圧力によって減衰される。この構成では、背圧室23,24には、静圧軸受機構50,54を通じて所定の圧力の水が供給されるため、背圧室23,24内の圧力は、ポンプ2の吐出圧力に応じて変化しない。このように、背圧室23,24内の圧力は大きく変動することがないため、ソレノイド60を制御することによって、スプール40の移動速度を容易に所望の速度とすることができる。
また、サーボ弁110は、二つの背圧室123,124の間に圧力差を生じさせるトルクモータ160をさらに有し、スプール40は圧力差に応じて変位することを特徴とする。
スプール40の移動速度は、二つの背圧室123,124の間の圧力差に応じて変化する。この構成では、背圧室123,124には、静圧軸受機構50,54を通じて所定の圧力の水が供給されるため、背圧室123,124内の圧力は、ポンプ2の吐出圧力に応じて変化しない。このように、背圧室123,124内の圧力は大きく変動することがないため、トルクモータ160を制御することによって、スプール40の移動速度を容易に所望の速度とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、作動流体として水を用いた場合について説明したが、作動流体としては、水に限定されず、作動油よりも潤滑性が低い流体が用いられてもよい。
100,200・・・流体制御システム、1・・・タンク、2・・・ポンプ(供給源)、4・・・調圧弁(供給部)、10・・・電磁比例制御弁(制御弁)、20,120・・・バルブケース、23,123・・・第1背圧室(圧力室)、24,124・・・第2背圧室(圧力室)、30,130・・・バルブボディ、31,131・・・スリーブ、40・・・スプール、50・・・第1静圧軸受機構(静圧軸受)、54・・・第2静圧軸受機構(静圧軸受)、60・・・ソレノイド(アクチュエータ)、62・・・位置検出センサ、72・・・補助ポンプ(供給部)、110・・・サーボ弁(制御弁)、160・・・トルクモータ(アクチュエータ)

Claims (4)

  1. 流体制御システムであって、
    作動流体を供給する供給源と、
    前記供給源から供給された作動流体の流れを制御する制御弁と、を備え、
    前記制御弁は、
    作動流体が流通するポートが形成されるバルブボディと、
    前記バルブボディ内に摺動自在に収容されるスプールと、
    前記スプールの外周面と前記バルブボディの内周面との間に作動流体を導く静圧軸受と、を有し、
    前記流体制御システムは、前記供給源の供給圧力よりも低い所定の圧力の作動流体を前記静圧軸受に供給する供給部をさらに備えることを特徴とする流体制御システム。
  2. 前記供給源は、作動流体を加圧して吐出するポンプであり、
    前記供給部は、前記供給源から供給される作動流体の圧力を所定の圧力に調整する調圧弁であり、
    前記供給源から供給される作動流体の圧力は変更自在であることを特徴とする請求項1に記載の流体制御システム。
  3. 前記供給源は、作動流体を加圧して吐出するポンプであり、
    前記供給部は、前記供給源とは別のポンプであって、所定の圧力の作動流体を吐出するポンプであり、
    前記供給源から供給される作動流体の圧力は変更自在であることを特徴とする請求項1に記載の流体制御システム。
  4. 前記制御弁は、前記スプールの両端に設けられた圧力室をさらに有し、
    前記静圧軸受に供給された作動流体は、前記スプールの外周面と前記バルブボディの内周面との間を通り前記圧力室に流入することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の流体制御システム。
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US11566666B2 (en) 2019-03-20 2023-01-31 Fanuc Corporation Processing machine and pressure adjustment method

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