JP2005030529A - 舶用スプール弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工が容易な舶用スプールを提供する。
【解決手段】 弁本体2に形成されたスプール孔10に、ポンプに接続されたポンプポート20と、舶用機器に接続されるアクチュエータポート16と、タンクに連通しているタンクポート24とが連通している。スプール孔10に挿通されているスプール26をそれの一方の端部側からパイロット部28が押圧する。スプール26をそれの他方の端部側からピストン穴68とピストン70とからなる付勢手段が押圧する。パイロット部28によりスプール26の位置を制御することで、ポンプポート20及びタンクポート24とアクチュエータポート16との圧油の供給排出が制御される。パイロット部28では、弁本体2に形成されたピストン孔30に摺動自在にピストン32が挿入され、ピストン32とピストン孔30とによって圧力室が区画され手いる。この圧力室に圧油を供給排出するパイロットスプール58が弁本体2に設けられ、このパイロットスプール58を移動させる電磁式駆動部66が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 弁本体2に形成されたスプール孔10に、ポンプに接続されたポンプポート20と、舶用機器に接続されるアクチュエータポート16と、タンクに連通しているタンクポート24とが連通している。スプール孔10に挿通されているスプール26をそれの一方の端部側からパイロット部28が押圧する。スプール26をそれの他方の端部側からピストン穴68とピストン70とからなる付勢手段が押圧する。パイロット部28によりスプール26の位置を制御することで、ポンプポート20及びタンクポート24とアクチュエータポート16との圧油の供給排出が制御される。パイロット部28では、弁本体2に形成されたピストン孔30に摺動自在にピストン32が挿入され、ピストン32とピストン孔30とによって圧力室が区画され手いる。この圧力室に圧油を供給排出するパイロットスプール58が弁本体2に設けられ、このパイロットスプール58を移動させる電磁式駆動部66が設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば舶において使用される流体機器を制御する舶用スプール弁に関する。
上記のような舶用スプール弁は、例えば舶の内燃機関への燃料供給ポンプを制御したり、舶の内燃機関の排気弁を制御したりするのに使用されることがある。このような舶用スプール弁の一例が、特許文献1に開示されている。
このスプール弁では、弁本体にスプール孔が形成されている。このスプール孔には、圧力流体シリンダのチャンバー内に圧力流体を供給排出するためのアクチュエータポートが設けられ、流体圧力源に接続されたポンプポートと、タンクに接続されたタンクポートも設けられている。スプール孔にはスプールが挿通され、アクチュエータポートをポンプポートに接続した状態と、タンクポートに接続した状態とに切り換えられる。このスプールの一端の内部には、パイロット部が設けられている。このパイロット部は、スプールの一端の内部にその軸線方向に沿って形成した圧力室内にピストンが固定されている。この圧力室内には、スプールの一方の端部の内部に形成したパイロットスプールによって圧力流体が供給排出される。このパイロットスプールは、位置決め手段によって、上記圧力室内に圧力流体を供給する状態または上記穴内から圧力流体を排出する状態にスプールの長さ方向に沿って移動させられる。また、スプールの他方の端部には、圧力流体によってスプールを他方の端部側に押圧している付勢手段が設けられている。
このスプール弁では、パイロットスプールを例えばスプールの他方の端部側に移動させると、圧力室内に圧力流体が供給され、圧力室内の圧力が高くなり、スプールが他方の端部側に移動し、付勢手段からの押圧力と均衡する状態でスプールが停止する。同様にパイロットスプールをスプールの一方の端部側に移動させると、圧力室内から圧力流体が排出され、圧力室内の圧力が低くなり、スプールが一方の端部側に移動し、付勢手段からの押圧力と均衡する状態でスプールが停止する。
このように構成されたスプール弁では、スプールの一方の端部内部に、圧力室やパイロットスプールを形成したりする必要があり、その製造が面倒である。
また、パイロットスプールは、スプール弁と同じ範囲を移動する必要があり、その製造が面倒である。
また、パイロットスプールは、スプール弁と同じ範囲を移動する必要があり、その製造が面倒である。
本発明は、製造が容易である舶用スプール弁を提供することを目的とする。
本発明による舶用スプール弁は、弁本体を有している。弁本体は、例えば管状部と、この管状部の両開口部をそれぞれ閉塞する2つのカバー部とによって形成されることが望ましい。この弁本体、例えば管状部に第1スプール孔が形成されている。前記第1スプール孔にポンプポートが連通し、このポンプポートは流体圧力源に接続される。前記第1スプール孔にアクチュエータポートが連通し、このアクチュエータポートは、圧力流体によって駆動される舶用機器に接続される。前記第1スプール孔にタンクポートが連通し、このタンクポートはタンクに連通される。これら各ポートは弁本体、例えば管状部に形成することが可能である。前記第1スプール孔にスプールが挿通されている。このスプールは、例えば前記管状部の両開口間を繋ぐ軸線に沿って摺動可能とすることが望ましい。このスプールをそれの一方の端部側からパイロット部が押圧する。前記スプールをそれの他方の端部側から付勢手段が押圧する。前記パイロット部により前記スプールを所望の位置に制御することによって、例えば進退させることによって前記ポンプポートから前記アクチュエータポートへの圧力流体の供給または前記アクチュエータポートから前記タンクポートへの前記圧力流体の排出が制御される。前記パイロット部では、スプールではなく前記弁本体に第1ピストン孔が形成され、この第1ピストン孔に摺動自在に第1ピストンが挿入されている。この第1ピストン孔は、例えばスプールの一方の端部側にあるカバーに、スプールの摺動方向(軸線方向)に平行に形成することが望ましい。また、第1ピストンは、第1ピストン孔の長さ方向に沿って摺動可能であることが望ましく、更に、スプールの一方の端部に当接することが望ましい。これら第1ピストン孔と第1ピストンとは、それぞれ複数設けることが望ましい。前記第1ピストンと前記弁本体とによって第1圧力室が区画されている。この第1圧力室に前記圧力流体を供給排出するパイロットスプールが設けられている。このパイロットスプールも前記弁本体、例えばスプールの一方側の端部側にあるカバーに設置することが望ましく、スプールの軸線方向に摺動可能に設けることが望ましい。このパイロットスプールを移動させる電磁式駆動部が設けられている。この電磁式駆動部は、前記弁本体とは別個に設けることが可能である。
この舶用スプール弁では、パイロットスプールを電磁式駆動部によって移動させると、パイロット部の第1圧力室に圧力流体が給排され、これに伴いパイロット部の第1ピストンが進退して、パイロット部の第1圧力室の圧力と付勢手段の押圧力とが釣り合う位置にスプールを移動させ、アクチュエータポートへの圧力流体を給排する。この舶用スプール弁では、パイロット部が、スプール内部ではなく、スプールとは別個に弁本体に形成されているので、スプール内にパイロット部を形成するよりも、その加工が容易に行える。また、電磁式駆動部の移動範囲はスプールの移動範囲よりも小さくなる。これに起因して、電磁式駆動部には、移動範囲の小さいものを使用することができる。さらにパイロット部が小さくなることにより、その加工が容易に行える。
前記第1ピストンよりも前記弁本体の中心側に、スリーブを配置することができる。このスリーブは、その長さ方向が前記スプールの摺動方向と平行であることが望ましい。このスリーブに前記圧力室に連通する第1通路と、前記圧力源に連通する第2通路と、前記タンクに連通する第3通路とが形成されている。前記パイロットスプールが前記スリーブ内に摺動自在に挿入されている。前記パイロットスプールが前記電磁式駆動部によって駆動される。前記パイロットスプールが第1通路を第2通路または第3通路に連通遮断することにより、前記第1圧力室への前記圧力流体の供給排出が制御される。
このように構成すると、パイロットスプールが挿通されているスリーブが第1圧力室に接近して配置されている。従ってパイロットスプールと第1圧力室との距離を短くすることができ、パイロットスプール弁の移動に大きく遅れることなく、スプールが移動し、圧力流体の応答遅れを低減させることができる。また、スリーブは、弁本体と別個に形成して、弁本体に設置することができるので、このスプール弁の製造が容易になる。
前記付勢手段は、前記スプールの他端部から前記スプール内に形成された第2スプール孔を有しているものとできる。このスプール孔は、前記スプールの摺動方向に沿って形成することが望ましい。この第2スプール孔に第2ピストンが摺動自在に挿入され、弁本体に当接している。第2ピストンにより前記スプール内に第2圧力室が区画されている。この第2圧力室と前記圧力源とを第4通路が連通している。
このように構成すると、付勢手段は、圧力流体の圧力によってスプールに対する押圧力を発生している。従って、例えばバネなどによって押圧力を発生している場合と比較して、同じスペースで大きい押圧力を発生することができるので、スプールを比較的高速で可動できる。
前記スプールと前記パイロットスプールとの間にフィードバックバネを配置することができる。このように構成すると、フィードバックバネにより、スプールの移動をパイロットスプールに圧力で伝達することができ、電磁式駆動部の推力と、スプールをフィードバックバネで押す圧力とをバランスさせることによって、圧力室への圧力流体の供給、排出を制御しているので、精度の高い制御をすることができる。また、電磁式駆動部には移動範囲の小さなものを使用できるので、比例ソレノイドを電磁式駆動部として使用することができる。これに起因して、ソレノイド部分に油が入り込んだ油浸タイプのものが使用でき、電磁式駆動部のプランジャに当接するシールを設ける必要がなく、摺動抵抗やヒスを低減できるとともに、より高速に駆動ができる。
更に、前記フィードバックバネのバネ力は、前記パイロットスプールと前記スリーブとの間のフローフォース(圧力流体の流れによる推力)よりも大きく選択することができる。このように構成すると、フィードバックバネのバネ力によってパイロットスプールは電磁式駆動部に常に押圧されるので、パイロットスプールと電磁式駆動部の出力軸とを連結させる必要が無く、出力軸にパイロットスプールを当接させるだけでよく、出力軸とパイロットスプールとの間のカップリングを省略することができ、製造が容易になる。
また、第1通路を切欠部と角孔とによって形成することができる。このように構成すると、加工が複雑である角孔を加工する必要のある距離である加工距離を短くすることができ、加工が容易となる。
また、前記スプールにストロークセンサを設けることもできる。この場合、ストロークセンサからの信号、例えばスプールのストロークを表すストローク信号と、制御信号、例えば電磁式駆動部によるスプールのストロークを表すストロークストローク指示信号とに基づいて前記電磁式駆動部を制御する。このように構成すると、実際のスプールのストロークが、ストローク指示信号によって指示されたストロークになるように電磁式駆動部を制御することができ、高精度にスプールのストロークを制御することができる。
以上のように、本発明によれば、パイロット部がスプール内に組み込まれずに、スプールとは別個である弁本体に設けられているので、その製造が容易になる。
本発明の第1の実施形態の舶用スプール弁は、例えば舶の内燃機関に燃料を供給するポンプを駆動するためのもので、図1に示すように弁本体2を有している。弁本体2は管状部4を有している。この管状部4は、両端が開放され、これら両端はそれぞれカバー6、8によって閉塞されている。
この管状部4の内部の中心には、その長さ方向に沿ってスプール孔10が形成されている。このスプール孔10は、円孔に形成されている。このスプール孔10における長さ方向のほぼ中央には外方に向かって直径を拡大した環状溝14が形成されている。この環状溝14は、管状部4に形成したアクチュエータポート16を介してアクチュエータ(図示せず)に接続されている。この環状溝14からカバー6側に幾分よった位置に環状溝18が形成されている。この環状溝18は、管状部4に形成したポンプポート20を介して圧力源、例えば圧油ポンプに接続されている。環状溝14からカバー8側に幾分よった位置に環状溝22が形成されている。この環状溝22は管状部4に形成したタンクポート24を介してタンク(図示せず)に接続されている。
スプール孔10には、スプール26が挿通されている。スプール26は、それの軸線がスプール孔10の軸線と一致するように配置され、かつスプール孔10の軸線方向に沿って摺動可能に形成されている。このスプール26の両端部にそれぞれ弁体26a、26bが形成されている。これら弁体26a、26bは、各環状溝14、18、22を閉塞可能に直径がスプール孔10の直径とほぼ一致するように拡大された膨大部に形成されている。これら弁体26a、26b間の部分の直径は、スプール孔10の直径よりも小さくされている。
図1は、弁体26aが環状溝18を閉塞し、弁体26bが環状溝22を閉塞した状態を示す。この状態ではアクチュエータには圧力流体、例えば圧油の供給、排出は行われない。
図1の状態からスプール26がカバー6側に移動した状態を図2に示す。この状態では、環状溝18に対する弁体26aによる閉塞が一部解かれ、ポンプポート20からの圧油がスプール孔10、アクチュエータポート16を介してアクチュエータに供給されている。このとき、弁体26bによる環状溝22の閉塞は継続されており、アクチュエータポート16からタンクへの圧油の排出は行われていない。アクチュエータポート16とポンプポート20とが接続されている状態において、スプール26の位置を変更して、ポンプポート20の開口状態を変更させることによって、アクチュエータに供給される圧油量を調整することができる。
図1に示す状態からスプール26をカバー8側に摺動させた状態を図3に示す。この状態では、環状溝22に対する弁体26bによる閉塞が一部解かれ、アクチュエータからの圧油が、アクチュエータポート16、スプール孔10、タンクポート24を介してタンクに排出されている。このとき、弁体26aによる環状溝18の閉塞は継続されており、アクチュエータポート16へのポンプからの圧油の供給は行われていない。アクチュエータポート16とタンクポート24とが接続されている状態において、スプール26の位置を変更することによって、タンクポート24の開口状態を変更させることができ、タンクに排出される圧油量を調整することができる。
弁本体2の一部であるカバー6には、パイロット部28が形成されている。図4に拡大して示すように、パイロット部28は、カバー6に形成された第1ピストン孔30、30を有している。これらピストン孔30、30は、スプール孔10の軸線を挟んで、この軸線から等距離の位置に形成されている。これらピストン孔30、30は、スプール26の軸線に平行に形成され、スプール26の弁体26aに対向する側が開口されている。これらピストン孔30、30に、第1ピストン32、32がピストン孔30、30の長さ方向に沿って摺動可能に配置されている。ピストン32、32の先端部は、上述したピストン孔30、30の開口からスプール26側に突出し、スプール26の弁体26aの端面に当接している。
これらピストン32、32の内部は、ピストン孔30の内奥側から先端側に向かって中空に形成されている。これら中空部の先端部とピストン孔30の内奥部との間に弾性体、例えばコイルスプリング34、34が設けられ、ピストン32、32のスプール26への当接状態が維持されている。このピストン32、32が進退することによって、このピストン32、32の内部中空とピストン孔30とによって形成された第1の圧力室の容積が変化する。
これらピストン32、32の内側、例えばスプール孔10の軸線上に位置するようにスリーブ36が設けられている。このスリーブ36は、その両端部が開口され、その中心軸線がスプール孔10の軸線と一致するように配置されている。このスリーブ36の軸線方向のほぼ中央には、第1の通路37が形成されている。第1の通路37は、図5に示すように、スリーブ36の内周面から短い距離だけ外方に向かって形成された角孔38と、この角孔38に連通する切欠部40と、この切欠部40の外方にスリーブ36の外周面全域に形成された環状溝42とからなる。第1の通路37は、カバー6に形成した通路44を介してピストン孔30、30に連通している。
この第1の通路37よりもスプール孔10側によった位置に第2の通路46が形成されている。第2の通路46は、スリーブ36の内周面から外方に向かう角孔48と、スリーブ36の外周面に形成された環状溝50とからなる。環状溝50は図示していないが、カバー6及び管状部4に形成した通路を介して、ポンプに連なる環状溝18に接続されている。第1の通路37における第2の通路46と反対側に、第3の通路52が形成されている。第3の通路52は、スリーブ36の内周面から外方に向かう角孔54と、スリーブ36の外周面全域に形成された環状溝56とからなる。この環状溝56は、図示していないが、カバー6及び管状部4に形成した通路を介して、タンクに連なる環状溝20に接続されている。
スリーブ36の内孔に、パイロットスプール58がその中心軸線がスプール孔10の軸線と一致するように設けられている。パイロットスプール58は、その中央部に弁体58aを有している。パイロットスプール58がその軸線方向に沿って進退するに伴って弁体58aも移動する。弁体58aが第1の通路37を閉塞しているとき、ピストン32とピストン孔30とからなる第1圧力室は、タンク及びポンプから完全に遮断されている。
パイロットスプール58がスプール孔10と反対側に移動したとき、即ち、カバー6側に移動したとき、弁体58aもスプール孔10と反対側に移動して、第1の通路37と第2の通路46とが接続され、第1の圧力室の一部であるピストン孔30内に圧油が供給される。これに伴ってピストン32、32がスプール孔10側、即ちカバー8側に移動する。
パイロットスプール58がスプール孔10側に移動したとき、即ちカバー8側に移動したとき、弁体58aもカバー8側に移動して、第1の通路37と第3の通路52とが接続され、ピストン孔30内の圧油がタンクに排出される。これに伴ってピストン32、32がカバー6側に移動する。
パイロットスプール58の移動量に従って、ピストン孔30とピストン32とからなる第1圧力室内への圧油の供給状態及び圧油の排出状態が変化する。
スプール26の弁体26aの端部には、凹所60が形成されており、この凹所60の内奥部とパイロットスプール58のスプール孔10側の端部との間には、フィードバックバネ62が配置されている。このフィードバックバネ62は、伸縮可能なものである。スプール26がカバー8側に移動した場合に、フィードバックバネ62は伸張して、パイロットスプール58をカバー8側に移動させる。スプール26がカバー6側に移動すると、フィードバックバネ62は縮小して、パイロットスプール58をカバー6側に移動させる。このフィードバックバネ62は、例えばコイルバネによって構成され、そのバネ力は、パイロットスプール58とスリーブ36との間のフローフォースよりも大きく設定されている。
パイロットスプール58におけるスプール孔10と反対側の端部は、図1乃至図3に示すように、カップリング64を介して電磁式駆動部、例えば比例ソレノイド66のプランジャ66aに結合されている。比例ソレノイド66は、これに供給された電流の大きさに比例してプランジャ66aの位置を任意に制御することができるものである。従って、比例ソレノイド66の駆動に伴って、パイロットスプール58の位置も任意に制御することができる。
スプール26の他方の端部、即ち弁体26b側には、付勢手段が設けられている。この付勢手段は、複数、例えば2つの第2スプール孔68を有している。第2スプール孔68は、スプール26の軸線の両側にこの軸線を対称軸として線対称に、スプール26の軸線に平行に形成されている。これらスプール孔68のカバー8側の端部は開口され、これらスプール孔68の内奥端部は、スプール26内に形成された第4通路70を介して、ポンプポート20に連なる環状溝18に結合されている。この第4通路70は、スプール26がどのような位置に移動しても、第2スプール孔68に圧油を供給することができるように、その形成位置が選択されている。
これらスプール孔68内に第2ピストン72、72がそれぞれ挿通されている。これらピストン72、72の一方の端部がカバー8に形成された当接部74に当接している。これらピストン72、72は、移動不能に形成されており、これらピストン72の内奥端部とスプール孔68の内奥端部との間に第2圧力室が形成されている。ピストン72、72が移動不能であって、第4通路70から圧油が供給されているので、その圧油の反力によってスプール26は、カバー6側に常に押圧されている。
カバー8の中央には、位置検出手段、例えばストロークセンサ74が設けられ、スプール26のストロークを検出している。この検出されたストロークを表すストローク信号は、図示していない比例ソレノイド66の制御手段に供給されている。この制御手段には、予めスプール26を移動させようとする値を表すストローク指示信号が入力されており、ストローク信号が、ストローク指示信号に一致するように、比例ソレノイド66が制御される。
このように構成された舶用スプール弁において、例えば図1に示すように、スプール26の弁体26a、26bが環状溝18、22を閉鎖することによって、アクチュエータポート16が、ポンプポート20及びタンクポート24からそれぞれ遮断され、パイロットスプール58の弁体58aが第1の通路37を閉鎖している状態であるとする。このとき、ピストン孔34a内には所定量の圧油が存在するものとする。この状態を中立状態と称する。
この中立状態において、比例ソレノイド66のプランジャ66aが制御手段によって予め定められた量だけカバー8側に移動させられたとする。このとき、パイロットスプール58の弁体58aもカバー8側に予め定められた量だけ移動し、第1の通路37と第3の通路52とが所定の開口度を維持して接続され、ピストン孔30からタンクに圧油が排出される。これに伴い、ピストン32が比例ソレノイド66側に上記開口度に応じた量だけ後退し、スプール26に対する押圧力が小さくなり、スプール26が比例ソレノイド66側に移動する。このとき、フィードバックバネ62が圧縮される。第4の通路70を介してピストン72に圧油が供給されているが、スプール26がカバー6側に移動したことにより、第2の圧力室の体積が大きくなり、圧油に基づく反力は小さくなる。この反力とピストン32の押圧力とが釣り合う位置でスプール26は、停止する。
このとき、図2に示すように、ポンプポート20とアクチュエータポート16とが所定の開口度で連通し、アクチュエータポート16にポンプポートから圧油が供給される。同時に圧縮されたフィードバックバネ62が元の状態に復帰しようと伸張するので、パイロットスプール58が比例ソレノイド66側に押圧され、弁体58aが第1の通路37を閉鎖した状態になる。これによって、ピストン32の押圧力は変化せずに一定となる。それ故に、ポンプにアクチュエータポート16が接続された状態が維持される。
上述した中立状態において、比例ソレノイド66のプランジャ66aが制御手段によって予め定められた量だけ比例ソレノイド66側に移動させられたとする。このとき、パイロットスプール58の弁体58aも比例ソレノイド66側に予め定められた量だけ移動し、第1の通路37と第2の通路46とが所定の開口度を維持して接続され、ポンプからピストン孔34a内に圧油が供給される。これに伴い、ピストン32がスプール26の弁体26aをカバー8側に上記開口度に応じた押圧力で押圧する。このとき、フィードバックバネ62が伸張する。スプール26のカバー8側への移動に伴いピストン72とスプール孔68とによる第2圧力室の体積が小さくなり、第4の通路70を介してピストン72に供給された圧油に基づく反力が大きくなる。この反力とピストン30による押圧力とが釣り合う位置でスプール26は停止する。
このとき、図3に示すように、タンクポート24とアクチュエータポート16とが所定の開口度で連通し、アクチュエータポート16からタンクに圧油が排出される。同時に伸張されたフィードバックバネ62が元の状態に復帰しようと縮小するので、パイロットスプール58がカバー8側に牽引され、弁体58aが第1の通路37を閉鎖した状態になる。これによって、ピストン32の押圧力は一定に維持され、タンクにアクチュエータポート16が接続された状態が維持される。
この舶用スプール弁では、パイロット部28がスプール弁26の内部ではなく、弁本体2の一部をなすカバー6に設けられている。従って、その製造が容易に行える。特に、パイロットスプール58は、スリーブ36に挿通され、そのスリーブ36はカバー8とは別個に形成されているので、その製造が容易である。また、このスリーブ36に形成されている第1の通路37の部分は、全て角孔で形成せずに、角孔38と切欠40とによって形成し、製造が比較的難しい角孔38が形成されている距離を短くしているので、製造が容易になる。また、スリーブ36とパイロットスプール58とは、ピストン32及びピストン孔30の近傍に配置されているので、ピストン孔30への圧油の供給排出を速やかに行うことができ、パイロットスプール58の動きに対するピストン30の応答性を高めることができる。特許文献1では、パイロットスプールがスプール内に設けられており、パイロットスプールとスプールとの位置合わせが必要であるが、この実施形態では、パイロットスプール58を中立位置に戻すためにフィードバックバネ62を使用しているので、スプール26とパイロットスプール58との位置合わせが不要である。
第2の実施形態の舶用スプール弁は、図6に示すように、パイロットスプール58をカップリング64を介さずに比例ソレノイド66のプランジャ66aに当接させたものである。他の構成は第1の実施形態と同様であるので、同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
第1の実施の形態において説明したように、フィードバックバネ62のバネ力はパイロットスプール58とスリーブ36との間のフローフォースよりも大きく設定されているので、パイロットスプール58と比例ソレノイド66のプランジャ66aとを連結しなくても、当接させるだけでよく、カップリング64を省略することができ、製造が容易になっている。
上記の両実施の形態では、圧力流体として圧油を使用したが、これに限ったものではなく、例えば圧縮空気を圧力流体として使用することもできる。上記の両実施の形態とでは、付勢手段としてスプール孔68とピストン70とを用いたが、これに限ったものではなく、例えばスプール26をカバー6側に押圧する弾性体を使用することもできる。また、上記の両実施の形態では、パイロットスプール弁を電磁式駆動部によって移動させた後、中立位置に復帰させるためにフィードバックバネ62を使用したが、フィードバックバネ62に限ったものではなく、例えば電磁式駆動部を使用して、中立位置に復帰させることもできる。上記の実施の形態では、電磁式駆動部として比例ソレノイドを使用したが、これに限ったものではなく、例えばリニアモータを使用することもできる。
2 弁本体
4 管状部
6 8 カバー
10 スプール孔
16 アクチュエータポート
20 ポンプポート
24 タンクポート
28 パイロット部
30 ピストン孔
32 ピストン
62 フィードバックバネ(スプール戻し手段)
68 スプール孔(付勢手段)
70 ピストン(付勢手段)
75 ストロークセンサー(検出手段)
4 管状部
6 8 カバー
10 スプール孔
16 アクチュエータポート
20 ポンプポート
24 タンクポート
28 パイロット部
30 ピストン孔
32 ピストン
62 フィードバックバネ(スプール戻し手段)
68 スプール孔(付勢手段)
70 ピストン(付勢手段)
75 ストロークセンサー(検出手段)
Claims (7)
- 弁本体に形成された第1スプール孔と、
この第1スプール孔に連通し、圧力源に接続されるポンプポートと、
前記第1スプール孔に連通し、舶用機器に接続されるアクチュエータポートと、
前記第1スプール孔に連通し、タンクに連通されるタンクポートと、
前記第1スプール孔に挿通されているスプールと、
このスプールをそれの一方の端部側から押圧するパイロット部と、
前記スプールをそれの他方の端部側から押圧する付勢手段とを、
備え、前記パイロット部により前記スプールを所望の位置に制御することによって、前記ポンプポートから前記アクチュエータポートへの圧力流体の供給または前記アクチュエータポートから前記タンクポートへの前記圧力流体の排出を制御する舶用スプール弁において、
前記パイロット部では前記弁本体に形成された第1ピストン孔に摺動自在に第1ピストンが挿入され、前記第1ピストンと前記弁本体とによって第1圧力室が区画され、この第1圧力室に前記圧力流体を供給排出するパイロットスプールが設けられ、このパイロットスプールを移動させる電磁式駆動部を設け、この電磁式駆動部の推力と対抗するスプール戻し手段を設け、スプール位置を検出する検出手段を設け、この検知手段の信号と制御信号に基づいて前記電磁式駆動部を制御する舶用スプール弁。 - 請求項1記載の舶用スプール弁において、前記第1ピストンよりも前記弁本体の中心側に、スリーブを配置し、このスリーブに前記第1圧力室に連通する第1通路と、前記圧力源に連通する第2通路と、前記タンクに連通する第3通路とを形成し、前記パイロットスプールを前記スリーブ内に摺動自在に挿入し、前記パイロットスプールの摺動によって第1通路を第2通路または第3通路に連通遮断することにより、前記圧力室への前記圧力流体の供給排出を制御する舶用スプール弁。
- 請求項1または2記載の舶用スプール弁において、前記付勢手段は、前記スプールの他端部から前記スプール内に形成された第2スプール孔と、この第2スプール孔に挿入され、弁本体に当接する第2ピストンと、第2ピストンにより前記スプール内に区画された第2圧力室と、この第2圧力室と前記圧力源とを連通する第4通路とからなる舶用スプール弁。
- 請求項1、2または3記載の舶用スプール弁において、前記スプール戻し手段が前記スプールと前記パイロットスプールとの間に配置されたフィードバックバネであり、前記電磁式駆動部が比例ソレノイドである舶用スプール弁。
- 請求項4記載の舶用スプール弁において、前記フィードバックバネのバネ力は、前記パイロットスプールと前記スリーブとの間のフローフォースよりも大きい舶用スプール弁。
- 請求項2記載の舶用スプール弁において、第1通路が、切欠部と角孔とによって形成されている舶用スプール弁。
- 請求項1乃至6いずれか記載の舶用スプール弁において、前記検出手段が前記スプールに設けられたストロークセンサであり、このストロークセンサからの信号と、制御信号とに基づいて前記電磁式駆動部を制御する舶用スプール弁。
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-07-09 JP JP2003272368A patent/JP2005030529A/ja not_active Withdrawn
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