JP2018024270A - 自動車の衝撃吸収構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時に、ボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させていてもボディ骨格系に必要以上の衝撃荷重が加わることを防ぐと共に、側突パッドがシートロッドを支点にして回転することを防ぐ。【解決手段】車両側部のサイドドア2内に設けられている側突パッド3が車室内のシートロッド4に対向するように配置されている。側突パッドの第2の側突パッド32のシートロッドに対向する部位は、有底穴32aが設けられると共に当該有底穴内には車幅方向に沿って底部から互いに平行に延びた1つ以上のリブ33が設けられている。シートロッドの側突パッドに対向する部位は、第2の側突パッドの有底穴に嵌合するように形成されている先端部41と、先端部が衝撃荷重により有底穴の所定深さまで移動すると第2の側突パッドの有底穴を包囲する包囲壁32bに当接するように形成されている段差部42とから構成されている。さらに、リブ34は先端側の部位の厚みがそれ以外の部位の厚みよりも薄く形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の衝撃吸収構造に係り、特に、自動車の側面衝突時における衝突エネルギをサイドドア及びシートロッドで吸収することができる自動車の衝撃吸収構造に関する。
従来、側面衝突時における衝突エネルギを吸収することができる自動車の衝撃吸収構造が知られている。このような衝撃吸収構造は、側面衝突の際にセンターピラー、ロッカー、フロアクロスメンバなどのボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させることで、客室の変形を効率的な衝撃吸収性能によって抑えるように設計されている。
この中でサイドドアの場合、ドア内に側突パッドを設けた車種がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。このサイドドア内に側突パッドを設けた自動車の衝撃吸収構造は図7に示すように、サイドドア51内で側突パッド52がインパクトビーム53に並設されている。なお、「並設」とは、近接させて一列にそろえ、並べて設けることを意味する。また、側突パッド52はシートロッド54に対向配置されている。このように構成された自動車の衝撃吸収構造では、側面衝突時に側突パッド52がシートロッド54を押圧することで、その衝撃荷重がシートロッド54に伝達されることになる。
特開2009−196434号公報 国際公開第2013/187490号
しかしながら、背景技術に記載した自動車の衝撃吸収構造では、車両側部に何らかの構造体100が衝突すると、インパクトビーム53に対する側突パッド52の配置状態によっては、側突パッド52がインパクトビーム53を支点にして回転してしまう難点があった。なお、図示では、実線が側面衝突前の図で、二点鎖線が側面衝突後の図である。
この場合、衝撃荷重をシートロッド54に伝達させる荷重伝達効率が低下してしまうので、結果、乗員保護性能を低下させてしまうことになる。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、側面衝突時に、ボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させていてもボディ骨格系に必要以上の衝撃荷重が加わることを防ぐことができると共に、側突パッドがインパクトビームを支点にして回転することを防ぐことができる自動車の衝撃吸収構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の第1の態様である自動車の衝撃吸収構造は、車両側部のサイドドア内に設けられている側突パッドが車室内のシートロッドに対向するように配置され、側面衝突時に側突パッドがシートロッドを押圧すると、その衝突エネルギによる衝撃荷重が当該シートロッドに伝達される衝撃吸収構造である。
側突パッドのシートロッドに対向する部位は、有底穴が設けられると共に当該有底穴内には車幅方向に沿って底部から互いに平行に延びた1つ以上のリブが設けられている。
シートロッドの側突パッドに対向する部位は先端部と段差部とから構成されている。先端部は、有底穴に嵌合するように形成されている。段差部は、先端部が衝撃荷重により有底穴の所定深さまで移動すると、側突パッドの有底穴を包囲する包囲壁に当接するように形成されている。
リブは先端側の部位の厚みがそれ以外の部位の厚みよりも薄く形成されている。
このような第1の態様である自動車の衝撃吸収構造によれば、側面衝突時に側突パッドがシートロッド方向に移動していくと、最初に側突パッドのリブの先端がシートロッドの先端部に当接することから、側突パッドがシートロッドに当接するまでの空走距離が規定値以上になる前に衝撃荷重をシートロッドに伝達させることができるので、ボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させていてもボディ骨格系に必要以上の衝突荷重が加わることを防ぐことが可能になり、この際、リブは先端側の部位の厚みがそれ以外の部位の厚みよりも薄く形成されていることから、側突パッドのインパクトビームを支点にした回転動作が始まる前に当該先端側の部位を圧潰させることが可能になるので、シートロッドの先端部を側突パッドの有底穴に確実に嵌合するように挿入させることができ、その後、シートロッドの段差部と側突パッドの包囲壁とを当接させることができるので、衝撃荷重をシートロッドに伝達させる荷重伝達効率を向上させることができるようになる。
本発明の第2の態様は第1の態様である自動車の衝撃吸収構造において、リブは、先端側の部位の外縁が全体に亘って切り欠かれた階段状の切り欠きが設けられている。また、本発明の第3の態様は第1の態様である自動車の衝撃吸収構造において、リブは、先端から根元に向かって暫時厚くなるように形成されている。
このような第2の態様及び第2の態様である自動車の衝撃吸収構造によれば、リブの前側部の耐力を後側部の耐力より低くできるので、前側部から圧潰させることができ、その結果第2の側突パッドの包囲壁がシートロッドの段差部に当接すると、リブの切り欠きが設けられていない耐力の高い根元側の部位がシートロッドの先端部に当接するので、側面衝突時の衝撃荷重を高剛性で受け止めることができるようになる。
本発明の自動車の衝撃吸収構造によれば、側面衝突時に、ボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させていてもボディ骨格系に必要以上の衝撃荷重が加わることを防ぐことができると共に、側突パッドがインパクトビームを支点にして回転することを防ぐことができるようになる。したがって、衝撃荷重をシートロッドに伝達させる荷重伝達効率を向上させることができるようになるので、乗員保護性能を向上させることができるようになる。
本発明の自動車の衝撃吸収構造における好ましい実施の形態を示す図で、(A)はこの衝撃吸収構造が適用された車両の概略背面図、(B)は(A)に記載された衝撃吸収構造の拡大図である。 図1の衝撃吸収構造が適用された車両を示す概略側面図である。 本発明の自動車の衝撃吸収構造の構成要素である側突パッドの有底穴内に設けられたリブの具体例を示す説明図で、(A)は第1の実施形態例である図1(B)の側突パッドの一部位を1点鎖線で囲んだP部の詳細図、(B)は第2の実施形態例の詳細図である。 本発明の自動車の衝撃吸収構造の構成要素である側突パッドをシートロッド側から見た斜視図で、(A)は第1の実施形態を示す図、(B)は第2の実施形態を示す図である。 本発明の自動車の衝撃吸収構造の開発経緯を示す説明図で、(A)は初期段階の図(B)は中期段階の図、(C)は最終段階の図である。 シートロッドに伝達される衝撃荷重の変化を示すグラフである。 従来の自動車の衝撃吸収構造の不具合点を示す説明図である。
以下、本発明の自動車の衝撃吸収構造を実施するための形態例について、図面を参照して説明する。なお、この発明を実施するための形態で使用する図1(A)には図中において矢印で方向を示してあるが、これは運転席に着座した乗員から見た方向を示している。←Upは車両上方向、Outは車両車幅方向における外側方向をそれぞれ示している。また、図1において、(A)は車両前方側から見た図、(B)は車両後方側から見た図である。さらに、図5(A)、(B)、(C)も車両後方側から見た図である。
本発明の自動車の衝撃吸収構造は図1、図2に示すように、車両側部のサイドドア2内に設けられている側突パッド3が車室内のシートロッド4に対向するように配置され、何らかの構造体10による側面衝突時に側突パッド3がシートロッド4を押圧すると、その衝突エネルギによる衝撃荷重が当該シートロッド4に伝達されるものである。なお、図示のサイドドア2は、所謂2列シート車のセカンドシートに隣接するドアで、自動車1の車両側部に設けたドア用開口部に対して開閉自在に取り付けられているものである(図2参照。)。
サイドドア2は、アウタパネル21及びインナパネル22で構成され、互いに接合されている。これらパネルの材質としては、薄い板厚で側面衝突に対する所定の剛性を確保できるアルミニウム等の金属板や樹脂製板材が採用されている。また、インナパネル22の室内側に樹脂製のドアトリム23が装着されている。さらに、アウタパネル21とインナパネル22との間には車両の前後方向に亘ってアウタパネル21に固定されているインパクトビーム5(サイドインパクトバー)が設けられている。このインパクトビーム5は、側面衝突時の衝撃を緩和できる円筒状の金属製パイプや樹脂製パイプから構成され、側突パッド3と車両車幅方向に並設されるようにサイドドア内に配置されている。
側突パッド3は、第1の側突パッド31及び第2の側突パッド32から構成されている。第1の側突パッド31はサイドドア2のアウタパネル21とインナパネル22との間に配置され、第2の側突パッド32はインナパネル22とドアトリム23との間に配置されている。
このような第1の側突パッド31及び第2の側突パッド32は、分割化されても一体化されていてもよく、例えば、66ナイロン(登録商標)、6ナイロン(登録商標)、ポリアセタール樹脂等の樹脂やアルミニウム等の金属から成るものである。これらパッドのうち第2の側突パッド32がシートロッド4に当接するように配置されることになる。
第2の側突パッド32は、シートロッド4に対向する部位に、有底穴32aが設けられると共に当該有底穴32a内には車幅方向に沿って底部から互いに平行に延びた1つ以上のリブ33が設けられている。このリブ33は先端側の部位の厚みがそれ以外の部位の厚みより薄く形成されている。このリブ33は図3(A)に示すように、先端側の部位33aの外縁が全体に亘って切り欠かれた階段状の切り欠きが設けられている。また、リブは図3(B)に示すように、先端から根元に向かって暫時厚くなるように形成されているリブ34でもよい。
このようなリブの数と共に当該リブの厚みや深さ方向の長さは、要求されている衝突エネルギの吸収能力によって異なるが、特に、リブの先端側の部位がシートロッド4に対して押圧を開始する衝撃吸収の初期段階では圧潰し易く設定しなければならない。これは、側突パッド3のインパクトビーム5を支点にした回転動作が始まる前に、後述するシートロッド4の先端部41を第2の側突パッド32の有底穴32aに確実に嵌合するように挿入させなければならないからである。
このように構成された第2の側突パッド32にリブ33が複数設けられている場合、例えば、図4(A)に示すように、当該第2の側突パッド32はサイドドア2の内面に平行な断面において、格子状の構造を有している。また、複数から成るリブ33は、図4(B)に示すように、当該第2の側突パッド32はサイドドア2の内面に平行な断面において、蜂の巣状のハニカム構造を有していてもよい。この図示のリブは図3(A)に示す先端側の部位33aの外縁が全体に亘って切り欠かれた階段状の切り欠きが設けられているものを示しているが、図3(B)に示す先端34aから根元に向かって暫時厚くなるように形成されているリブ34でも適用できることは言うまでもない。なお、図3(A)においては一段の階段状を示しているが、これに限らず、二段以上の階段状でもよい。また、図4(B)に示すリブ33は六角形に形成されているが、これに限らず、他の多角形であってもよい。
また、このようなリブ33が有底穴32aに設けられた第2の側突パッド32は、有底穴32aを包囲する包囲壁32bが五角形状に形成されているが、これに限らず、どのような形状でもよい。また、リブ33の高さは包囲壁32bの高さと同じになるように形成され、リブ32の先端面は包囲壁32bの先端面と面一となっている。
このように第2の側突パッド32を構成することで当該第2の側突パッド32の剛性を高めることができるので、衝撃荷重の乗員への影響を低減させることができる。
なお、第1の側突パッド31は、上述のように構成された第2の側突パッド32と共に側面衝突時の衝突エネルギを効率よく吸収することができればどのような構造のものでもよいが、側面衝突時にインパクトビーム5に係合するような切欠部31aが設けられている。この切欠部31aは、図示では第1の側突パッド31の上方側に設けられているが、これに限らず、側面衝突時にインパクトビーム5から伝達される衝突エネルギを、側突パッド3で吸収することができるように当該インパクトビーム5に係合させることができれば車両高さ方向においてどのような位置に設けられていてもよい。
また、このような第1の側突パッド31及び第2の側突パッド32から構成される側突パッド3は図1(B)に示すように、インナパネル22に固定するためのフランジ部33を有し、インナパネル22に設けられた穴に第1の側突パッド31及び第2の側突パッド32の何れか一方を挿通させてフランジ部33をインナパネル22に固定させている。なお、図示では、第1の側突パッド31を挿通させている。
シートロッド4は図1(A)に示すように、シートの骨格となる金属製シートバックフレーム40の構成部品で、左右一対のシートサイドフレーム43の底部間を連結するものである。なお、図1(A)において、右側のシートサイドフレームは図示していない。このようなシートロッド4の側突パッド3に対向する部位は図1(B)に示すように、先端部41と段差部42とから構成されている。先端部41は、第2の側突パッド32の有底穴32aに嵌合するように形成されている。段差部42は、先端部41が衝撃荷重により有底穴32aの所定深さまで移動すると、第2の側突パッド32の包囲壁32bに当接するように形成されている。
このように形成されたシートロッド4は、例えば、第2の側突パッド32の有底穴32aに設けられたリブ33に図3(A)に示すような階段状の切り欠きが設けられている場合には、当該リブ33の先端側の部位33aがシートロッド4の先端部41に対して押圧を開始する衝撃吸収の初期段階と、第2の側突パッド32の包囲壁32bがシートロッド4の段差部42に当接する最終段階とでは、当該リブ33はシートロッド側から見た投影断面積が先端側の部位となる前側部33aより段差部となる後側部33bの方が大きいことから、前側部33aの耐力の方が後側部33bの耐力より低くなるので、前側部33aから圧潰させることができる。なお、第2の側突パッド32の包囲壁32bがシートロッド4の段差部42に当接すると、リブ33の切り欠きが設けられていない耐力の高い後側部33bがシートロッド4の先端部41に当接するので(図示ではシートロッド4を破線で示している。)、側面衝突時の衝撃荷重を高剛性で受け止めることができるようになる。
また、第2の側突パッド32の有底穴32aに設けられたリブが図3(B)に示すような先端から根元に向かって暫時厚くなるように形成されているリブ34の場合においても、前側部の耐力を後側部の耐力より低くできるので、上述のリブ33のように前側部から圧潰させることができる。したがって、このリブ34でも、第2の側突パッド32の包囲壁32bがシートロッド4の段差部42に当接すると、リブ34の耐力の高い後側部がシートロッド4の先端部41に当接するので、側面衝突時の衝撃荷重を高剛性で受け止めることができるようになる。
このように機能するリブは、これら形状に限らず、前側部の厚みが後側部の厚みより薄く形成されていればどのような形状のものでも、上述のような作用、効果を得ることができることは言うまでもない。
このようなシートロッド4は、側面衝突時の衝撃荷重を、側突パッド3を介して高剛性で受け止めることができるので、当該側突パッド3の衝撃吸収機能を効率よく働かせることができる。
また、シートロッド4の先端とドアトリム23との間、及びドアトリム23と側突パッド3の第2の側突パッド32との間にはそれぞれ、ドアの開閉時や走行中に異音が発生しないように所定幅の空間を設けなければならない。
このように構成された本発明の自動車の衝撃吸収構造の開発経緯について、図5(A)、(B)、(C)を参照して説明する。本発明者は、側面衝突時に側突パッド3がインパクトビーム5を支点にして回転してしまうことを防ぐために、シートロッド4と側突パッド3とを嵌合させることを検討した。
開発当初、本発明者は図5(A)、(B)に示すように、側突パッド3のシートロッド4に対向する部位に有底穴32aを設け、シートロッド4の側突パッド3に対向する部位に有底穴32aに嵌合するように形成されている先端部41aを有する凸状体を設けるような凹凸嵌合構造を検討した。
しかしながら、シートロッド4の先端とドアトリム23との間、及びドアトリム23と側突パッド3の第2の側突パッド32との間にはそれぞれ、ドアの開閉時や走行中に異音が発生しないように所定幅の空間を設けなければならないので、何らかの構造体10による側面衝突時に側突パッド3とシートロッド4とが当接するまでに空走距離Dが生じることなる。
このような空走距離Dは最低限必要になるので、この空走距離Dの規定値を確保するには、図5(A)に示すように、さらに、シートロッド4の先端部41の長さ分D1だけ増加させた空走距離D2にしなければならない。しかしながら、側突パッド3とシートロッド4に嵌合構造を設けても空走距離D2が規定値以上になるので、ボディ骨格系に必要以上の衝撃荷重が加わる確率が高くなる。
これに対して、図5(B)に示すように、空走距離Dが規定値以上にならないように設定すると、シートロッド4の先端とドアトリム23との間の距離D3が短くなってしまうので、ドアの開閉時や走行中に異音が発生する確率が高くなる。
この不具合を解消するために、本発明者は図5(C)に示すように、側突パッド3とシートロッド4との空走距離Dを規定値にしてもこれらに凹凸嵌合構造を設けられるような本発明の自動車の衝撃吸収構造を開発することができた。
次に、このような衝撃吸収構造を有する自動車の側突時における衝突エネルギを吸収する動作について説明する。
何らかの構造体10による側面衝突時に側突パッド3がシートロッド方向に移動していくと、最初に第2の側突パッド32のリブ33の先端がシートロッド4の先端部41に当接するので、第2の側突パッド32がシートロッド4の先端部41に当接するまでの空走距離が規定値以上になる前に衝撃荷重をシートロッド4に伝達させることができる。したがって、ボディ骨格系やサイドドアによって衝撃荷重を分散させていてもボディ骨格系に必要以上の衝突荷重が加わることを防ぐことが可能になる。
また、第2の側突パッド32のリブ33がシートロッド4の先端部41を押圧する際、リブ33は前側部33aの厚みが後側部33bの厚みよりも薄く形成されていることから、第1の側突パッド31のインパクトビーム5を支点にした回転動作が始まる前に当該前側部33aを圧潰させることが可能になる。したがって、シートロッド4の先端部41を第2の側突パッド32の有底穴32aに確実に嵌合するように挿入させることができる。
その後、シートロッド4の段差部42と第2の側突パッド32の包囲壁32bとを当接させることができるので、衝撃荷重をシートロッド4に伝達させる荷重伝達効率を向上させることができるようになる。
さらに、本発明の自動車の衝撃吸収構造と、従来の自動車の衝撃吸収構造とを用いて、国土交通省で公表した衝突条件による側面衝突試験をCAE(Computer Aided Engineering)でシミュレーションを行った結果を示す。このシミュレーションは、非線形動的構造解析ソフトウエアによる時刻歴応答解析で行った。また、シミュレーションに使用した自動車は、小型クラスのSUV(スポーツユーティリティヴィークル)タイプの5ドア用のフレームであり、衝撃荷重はMDB入力とする。ここで、MDBとは、側面衝突試験で使用するムービング・デフォーマル・バリア(Moving Deformable Barrier)のことである。
シミュレーションを行った結果を図6に示す。この図は、シートロッドに加わる衝撃荷重を示すグラフで、縦軸が衝撃荷重(単位は、kN〔キロニュートン〕)、横軸は時間(単位は、ms〔ミリ秒〕)であり、本発明の衝撃吸収構造が実線、凹凸嵌合構造が設けられていない従来の衝撃吸収構造が一点鎖線、凹凸嵌合構造のみが設けられている従来の衝撃吸収構造が破線で示してある。
シミュレーションによりシートロッドに加わる衝撃荷重を求めた結果は、本発明の衝撃吸収構造と凹凸嵌合構造が設けられていない従来の衝撃吸収構造では、側突パッドとシートロッドとの空走距離が規定値内でシートロッドに衝撃荷重が加わっていることが分かったが、凹凸嵌合構造のみが設けられている従来の衝撃吸収構造では、側突パッドとシートロッドとの空走距離が規定値を過ぎてからでないとシートロッドに衝撃荷重が加わらないことが分かった。
したがって、凹凸嵌合構造のみが設けられている従来の衝撃吸収構造では、ボディ骨格系に必要以上の衝撃荷重が加わる確率が高くなることが確認できた。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
2……サイドドア
3……側突ブラケット
32a……有底穴
32b……包囲壁
33……リブ
4……シートロッド
41……先端部
42……段差部

Claims (3)

  1. 車両側部のサイドドア内に設けられている側突パッドが車室内のシートロッドに対向するように配置され、側面衝突時に前記側突パッドが前記シートロッドを押圧すると、その衝突エネルギによる衝撃荷重が当該シートロッドに伝達される自動車の衝撃吸収構造において、
    前記側突パッドの前記シートロッドに対向する部位は、有底穴が設けられると共に当該有底穴内には車幅方向に沿って底部から互いに平行に延びた1つ以上のリブが設けられ、
    前記シートロッドの前記側突パッドに対向する部位は、前記有底穴に嵌合するように形成されている先端部と、前記先端部が前記衝撃荷重により前記有底穴の所定深さまで移動すると前記側突パッドの前記有底穴を包囲する包囲壁に当接するように形成されている段差部とから構成され、
    前記リブは先端側の部位の厚みがそれ以外の部位の厚みよりも薄く形成されていることを特徴とする自動車の衝撃吸収構造。
  2. 前記リブは、前記先端側の部位の外縁が全体に亘って切り欠かれた階段状の切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動車の衝撃吸収構造。
  3. 前記リブは、先端から根元に向かって暫時厚くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車の衝撃吸収構造。
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