1.遊技機の構造
一実施形態に係るスロットマシン(回胴式遊技機)について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのスロットマシンの各部の上下方向および左右方向は、そのスロットマシンに対面する遊技者にとっての上下方向および左右方向に一致させて説明する。また、スロットマシンの各部の前方向をそのスロットマシンに対面する遊技者に近づく方向とし、スロットマシンの各部の後方向をそのスロットマシンに対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のスロットマシン1は、キャビネット2と前面扉3とを備えている。キャビネット2は前面側を開放した箱状をなしており、前面扉3はそのキャビネット2の前面側に開閉自在に取り付けられている。キャビネット2および前面扉3は、スロットマシン1の筐体4をなしている。前面扉3が閉じられている状態(図1に示す状態)では、前面扉3は図示しない施錠装置により施錠されている。開錠する場合には、前面扉3に設けられた鍵穴16に専用の鍵を差し込んで時計回り方向に回動させる必要がある。よって、筐体4の内部は、ホールの従業員等でなければ触ることができないようになっている。
図1及び図2に示すように、前面扉3には表示パネルPが配されている。表示パネルPには、上下方向を長手方向とする長方形状の3つの表示窓5L,5C,5Rが左右方向に沿って設けられている。具体的には左側から順に、左表示窓5L、中表示窓5C、右表示窓5Rと並んでいる。各表示窓5L,5C,5Rは透明に構成されており、各表示窓5L,5C,5Rを通して、キャビネット2の内部に設けられたリール6L,6C,6Rを視認することが可能となっている。具体的には、左表示窓5Lからは左リール6Lを視認でき、中表示窓5Cからは中リール6Cを視認でき、右表示窓5Rからは右リール6Rを視認できるようになっている。なお表示窓は、各表示窓の間が仕切られていない1つの表示窓として構成してもよい。
キャビネット2の内部には、左リール6Lと、中リール6Cと、右リール6Rとが収納されている。各リール6L,6C,6Rは、透光性を有する部材(本形態では透明な合成樹脂部材)からなる円筒状のドラム部の外周に、透光性を有するリールテープ7L,7C,7R(図3参照)を巻き付けたものである。図3に概略を示す通り、各リールテープ7L,7C,7Rには、複数種類の図柄が描かれている。よって、左リール6Lはその外周面に左リールテープ7Lに描かれた図柄が付されたものとなっており、中リール6Cはその外周面に中リールテープ7Cに描かれた図柄が付されたものとなっており、右リール6Rはその外周面に右リールテープ7Rに描かれた図柄が付されたものとなっている。なお、これらの各リール6L,6C,6Rと、各表示窓5L,5C,5Rとは、複数の図柄表示手段を構成する。
また、各リール6L,6C,6Rにおけるドラム部の内側には、バックランプ58L,58C,58R(図6参照)が配されている。具体的には、左リール6Lに対応する左バックランプ58L、中リール6Cに対応する中バックランプ58C、右リール6Rに対応する右バックランプ58Rが設けられている。このため各バックランプ58L,58C,58Rが点灯すると、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄が各リール6L,6C,6Rの内側から照らされることになる。
各リール6L,6C,6Rは、筐体4の内部に回転可能に支持されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸は、同一直線上に配されている。各リール6L,6C,6Rが所定の正方向に回転駆動されると、表示窓5L,5C,5Rにおいてリール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄が、上から下へ変動表示されることになる(すなわち、図3において便宜的に付した「0」〜「20」の図柄番号の小さいものから大きいものへ向かって循環的に変動表示されることになる)。各リール6L,6C,6Rは、それぞれリール用モータ55L,55C,55R(図5参照)に連結されている。つまり、各リール6L,6C,6Rは各リール用モータ55L,55C,55Rによってそれぞれ独立して回転駆動される。
ここで、図3に基づいて各リール6L,6C,6Rに付されている図柄について説明する。図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rには、それぞれ21個の図柄が長手方向(図3中の上下方向)に沿って描かれている。なお、本形態では各リール6L,6C,6Rに付される図柄の数をそれぞれ21個としたが、20個等、他の個数としてもよい。
リールテープ7L,7C,7Rに描かれている図柄には複数の種類がある。具体的には、「赤セブン」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「12」)、「青セブン」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「5」)、「チェリー」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「6」)、「スイカ」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「3」)、「ベル」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「4」)、「リプレイ」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「2」)、および「ブランク」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「1」)の7種類の図柄である。リールテープ7L,7C,7R毎に図柄の配列は異なっている。なお、リール6L,6C,6Rに付す図柄の種類は7種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
各リール6L,6C,6Rが停止している状態では、各表示窓5L,5C,5Rから3個ずつの図柄が遊技者に視認可能となる(図2および図4に破線で示す丸印参照)。スロットマシン1では、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)上に、役に応じた図柄の組み合わせ(図7参照)が停止表示されると、その役の入賞が成立する。そして、入賞した役(入賞役)に応じた特典が遊技者に付与されることとなる。なお、役の詳細については後述する。
本形態では、入賞ラインは5つある。具体的には図4に示すように、中段ラインL1、上段ラインL2、下段ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5の5つである。中段ラインL1(第1入賞ラインL1)は、各リール6L,6C,6Rの中段図柄(各表示窓5L,5C,5Rの中段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。上段ラインL2(第2入賞ラインL2)は、各リール6L,6C,6Rの上段図柄(各表示窓5L,5C,5Rの上段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。下段ラインL3(第3入賞ラインL3)は、各リール6L,6C,6Rの下段図柄(各表示窓5L,5C,5Rの下段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。右下がりラインL4(第4入賞ラインL4)は、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結ぶ入賞ラインである。右上がりラインL5(第5入賞ラインL5)は、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結ぶ入賞ラインである。
なお本形態のスロットマシン1は、後述するいずれの遊技状態においても3枚賭けで遊技を行う3枚賭け専用機であり、3枚賭けでの遊技においては5つの入賞ラインL1〜L5が全て有効ラインに設定される。なお、遊技状態にかかわらず又は遊技状態に応じて1枚賭けや2枚賭けでの遊技が可能となる構成としてもよい。その場合、賭数(ベット数)に応じて有効ラインの数が変わる構成としてもよいし、賭数が変わっても有効ラインの数が変わらない構成としてもよい。
また、入賞ラインとして上記の5つの入賞ラインL1〜L5以外の入賞ラインを有する構成としてもよい。具体的には例えば、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結ぶ第1の変則入賞ラインや、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結ぶ第2の変則入賞ライン、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結ぶ第3の変則入賞ライン、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結ぶ第4の変則入賞ライン等を入賞ラインとして有する構成としてもよい。また、入賞ラインの総数は5つに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、中段ラインL1のみを入賞ラインとする構成としてもよいし、上記の5つの入賞ラインL1〜L5に、第1〜第4の変則入賞ラインを加えた合計9ラインを入賞ラインとして有する構成としてもよい。
図1及び図2に戻って、前面扉3の構成について説明を続ける。前面扉3における表示パネルPの下方には、メダル投入口10、MAXベットボタン11、1ベットボタン12、精算ボタン14、スタートレバー8、3つのストップボタン9L,9C,9R、演出ボタン46が設けられている。
メダル投入口10は、メダル(遊技媒体)を投入するための開口である。メダル投入口10から投入されたメダルは、後述する投入メダル検出センサ10a(図5参照)に検出される。3枚のメダルのベットがなされていない状態で有効に投入されたメダルは、新たなゲーム(単位遊技)の開始のためにベットされる。3枚のメダルのベットがなされている状態で有効に投入されたメダルは、50枚までクレジットとして貯留される。
MAXベットボタン11は、遊技状態に応じた最大賭数のメダルのベットを一度に行うための操作部である。本スロットマシン1はいずれの遊技状態においても3枚賭けで遊技を行う3枚賭け専用機であるため、MAXベットボタン11が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルから3枚のメダルがベットされる。また、1ベットボタン12は、1枚ずつメダルのベットを行うための操作部である。1ベットボタン12が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルから1枚のメダルがベットされる。なお、3枚のメダルがベットされている状態で1ベットボタン12が押された場合には、1枚のメダルがベットされている状態となる。
精算ボタン14は、クレジットとして貯留されているメダルを返却させるための操作部である。精算ボタン14が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルが全て、メダル払出口38から払い出される。
スタートレバー8は、ゲームを開始するための操作部である。所定数(本形態では3枚)のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されると、役の抽選(図7及び図8参照)が行われるとともに、各リール6L,6C,6Rの回転が開始される。つまり、図柄の変動表示が開始される。
ストップボタン9L,9C,9Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させるための操作部である。ストップボタン9L,9C,9Rは各リール6L,6C,6Rに対応して設けられている。つまりスロットマシン1は、左リール6Lの回転を停止させるための左ストップボタン9Lと、中リール6Cの回転を停止させるための中ストップボタン9Cと、右リール6Rの回転を停止させるための右ストップボタン9Rとを備えている。よって、変動表示中の図柄は、ストップボタン9L,9C,9Rの操作に応じて停止表示されることとなる。
なお、リール6L,6C,6Rの停止位置は、ストップボタン9L,9C,9Rを押したときの位置から最大で図柄4コマ分滑った位置となることがある。具体的には例えば、後述する小役1(チェリー)に当選したゲームにおいて、左リール6Lの図柄番号「2」のリプレイ図柄(図3参照)が上段に位置するタイミングで左ストップボタン9Lが押された場合には、左リール6Lを図柄4コマ分滑らせて、図柄番号「6」のチェリー図柄を上段に停止させる。これによって、小役1(チェリー)の入賞を成立させ、遊技者に小役1(チェリー)に応じた特典を付与する。つまり、スロットマシン1は、当選した役の入賞ができるだけ成立するように図柄を制御する。これを図柄の引込制御という。なお本形態では、引込制御における優先度は再遊技役が最も高く、次に小役、次にボーナスとなっている。
また、後述する小役1(チェリー)に当選していないゲームにおいて、左リール6Lの図柄番号「6」のチェリー図柄が表示窓5L内(つまり上段、中段、又は下段のいずれか)に位置するタイミングで左ストップボタン9Lが押された場合には、図柄番号「6」のチェリー図柄を表示窓5Lの外(つまり下段よりも下の枠下位置)に停止させる。これによって、当選していない小役1(チェリー)の入賞が成立しないようにする。つまり、スロットマシン1は、当選していない役の入賞が成立しないように図柄を制御する。これを図柄の蹴飛ばし制御という。
図1に示す演出ボタン46は、ゲームの進行に伴って実行される遊技演出を進めるため等に用いられる操作部である。
また図2に示すように、表示パネルPの下部には、クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26が設けられている。さらに本形態では、表示パネルPにおける各表示窓5L,5C,5Rの下方に、押し順報知ランプ30L,30C,30Rが設けられている。
クレジット表示部21は、2つの7セグメントLED表示装置を有し、クレジットとして貯留されているメダルの枚数を表示するものである。払出枚数表示部22は、2つの7セグメントLED表示装置を有し、役の入賞時に特典として払い出されるメダルの枚数を表示するものである。なお遊技中にエラーが生じた場合には、エラーの種類を示すエラーコードが払出枚数表示部22に表示される。
再遊技表示ランプ23は、再遊技役の入賞があったこと(言い換えれば再遊技役の入賞により再遊技が可能であること)を点灯により報知するものである。投入可能表示ランプ24は、メダル投入口10からのメダルの有効な投入が可能であることを点灯により報知するものである。
ベット数表示ランプ25は、設定されている賭数を報知するものである。具体的には、ベット数表示ランプ25は、3つのランプからなり、賭数が1枚に設定されている場合(1枚のメダルがベットされている場合)には1つのランプを点灯させ、賭数が2枚に設定されている場合(2枚のメダルがベットされている場合)には2つのランプを点灯させ、賭数が3枚に設定されている場合(3枚のメダルがベットされている場合)には3つのランプを点灯させることにより、設定されている賭数を報知するものである。遊技開始表示ランプ26は、遊技開始可能枚数(本形態では3枚)のメダルのベットがなされている状態にあり、スタートレバー8の有効な操作が可能であることを点灯により報知するものである。
押し順報知ランプ30L,30C,30Rは、後述する押し順ナビの作動時において、押し順ベル(3択ベル、図7及び図8参照)の正解押し順を点灯により報知するものである。詳細にはスロットマシン1は、左リール6Lを停止すべきこと(つまり左ストップボタン9Lを押すべきこと)を報知する左押し順報知ランプ30L、中リール6Cを停止すべきこと(つまり中ストップボタン9Cを押すべきこと)を報知する中押し順報知ランプ30C、右リール6Rを停止すべきこと(つまり右ストップボタン9Rを押すべきこと)を報知する右押し順報知ランプ30Rを備えている。左押し順報知ランプ30Lは、左表示窓5Lの近傍(本形態では下方)に配されており、中押し順報知ランプ30Cは、中表示窓5Cの近傍(本形態では下方)に配されており、右押し順報知ランプ30Rは、右表示窓5Rの近傍(本形態では下方)に配されている。このため、各押し順報知ランプ30L,30C,30Rと、各リール6L,6C,6Rとの対応関係を遊技者が即座に理解できるようになっている。
また、図1及び図2に示すように、前面扉3におけるストップボタン9L,9C,9Rの下方には、本スロットマシン1のモチーフとなっている作品を示す装飾パネル36が設けられている。そして、装飾パネル36の下方には、メダルを払い出すためのメダル払出口38と、そのメダル払出口38から払い出されたメダルを受け入れて貯留する受皿ユニット39とが配設されている。
また、前面扉3における表示パネルPの上方には、複数の演出用ランプ40と、左右一対のスピーカ41と、液晶表示装置である画像表示装置42とが設けられている。演出用ランプ40は、遊技の進行に伴って点灯したり点滅したりする。スピーカ41は、遊技の進行に伴って音声、BGM、効果音(SE)等の音を出力する。画像表示装置42は、表示画面42aを有しており、遊技の進行に伴って種々の演出画像を表示画面42aに表示する。これらの演出手段(演出用ランプ40、スピーカ41、画像表示装置42など)を用いた遊技演出には、例えば、「3択ベル」等の押し順役の正解押し順を遊技者に報知する押し順報知演出(図33参照)や、ボーナスの当選を遊技者に報知可能なバトルチャンス演出(図31および図32参照)等がある。なお、押し順役とは正解押し順のある役のことである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本スロットマシン1における電気的な構成を説明する。図5および図6に示すようにスロットマシン1は、役の抽選やメダルの払い出し、遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)60、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)70等を備えている。主制御基板60は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板70は、後述する画像制御基板80とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板70を備え、演出手段(画像表示装置42やスピーカ41、演出用ランプ40、バックランプ58L,58C,58R等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またスロットマシン1は、電源基板90を備えている。電源基板90は、主制御基板60及びサブ制御基板70に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板90には、バックアップ電源回路91が設けられている。バックアップ電源回路91は、本スロットマシン1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板60のRAM64やサブ制御基板70のRAM74に対して電力を供給する。従って、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板70のRAM74に記憶されている情報は、スロットマシン1の電断時であっても保持される。また、電源基板90には、電源スイッチ92が接続されている。電源スイッチ92のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板60のRAM64に対するバックアップ電源回路を主制御基板60に設けたり、サブ制御基板70のRAM74に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板70に設けたりしてもよい。
図5に示すように、主制御基板60には、プログラムに従ってスロットマシン1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)61が実装されている。遊技制御用マイコン61には、遊技の進行を制御するためのプログラムや各種テーブルのデータ等を記憶したROM63、ワークメモリとして使用されるRAM64、ROM63に記憶されたプログラムを実行するCPU62、役の抽選等に利用する乱数を生成する乱数発生器68、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)69が含まれている。なお乱数発生器68は、「0」〜「65535」の範囲で乱数値を生成する。
主制御基板60には、各種センサが接続されている。そのため、主制御基板60には各センサから信号が入力される。具体的にはセンサ類としては、投入メダル検出センサ10a、MAXベット検出センサ11a、1ベット検出センサ12a、精算検出センサ14a、スタート検出センサ8a、左ストップ検出センサ9La、中ストップ検出センサ9Ca、右ストップ検出センサ9Ra、扉開放検出センサ17a、設定キー検出センサ18a、リセット/設定検出センサ19a等が接続されている。
投入メダル検出センサ10aは、メダル投入口10から適正にメダルが投入されたことを検出するためのセンサである。MAXベット検出センサ11aは、MAXベットボタン11が押されたことを検出するためのセンサである。1ベット検出センサ12aは、1ベットボタン12が押されたことを検出するためのセンサである。精算検出センサ14aは、精算ボタン14が押されたことを検出するためのセンサである。
また、スタート検出センサ8aは、スタートレバー8が操作されたことを検出するためのセンサである。左ストップ検出センサ9Laは、左ストップボタン9Lが押されたことを検出するためのセンサである。中ストップ検出センサ9Caは、中ストップボタン9Cが押されたことを検出するためのセンサである。右ストップ検出センサ9Raは、右ストップボタン9Rが押されたことを検出するためのセンサである。なお、各ストップ検出センサ9La,9Ca,9Raの信号の立ち上がり(ONエッジ)を判定すれば、各ストップボタン9L,9C,9Rが押し込まれたことを判定でき、各ストップ検出センサ9La,9Ca,9Raの信号の立ち下がり(OFFエッジ)を判定すれば、押し込まれた各ストップボタン9L,9C,9Rが元の位置に戻ったこと(遊技者がストップボタン9L,9C,9Rから指を離したこと)を判定できる。
また、扉開放検出センサ17aは、筐体4の内側に配されており、前面扉3が開いていることを検出するためのセンサである。設定キー検出センサ18aは、筐体4の内部に設けられた図示しない鍵穴に設定変更用の鍵が挿入されて所定角度回動されたことを検知するためのセンサである。リセット/設定検出センサ19aは、筐体4の内部に設けられたリセット/設定ボタン19が押されたことを検出するためのセンサである。
ここで、本形態のスロットマシン1において「設定」を変更する方法について説明する。設定には、「設定1」から「設定6」までの6種類がある。設定が異なるとメダルの還元率(払出率)が異なる。メダルの還元率は、設定1が最も低く、設定2、設定3、設定4、設定5、設定6の順に段階的に高くなる。つまり、設定6のメダルの還元率が最も高い。設定を変更する場合には、設定変更用の鍵を鍵穴に差し込んで回動させた状態で、電源スイッチ92をONにする。これにより、主制御基板60に実装されている7セグメントLED表示装置である設定表示部29には、現在の設定が表示される。つまり、遊技制御用マイコン61は電源投入時の設定キー検出センサ18aからの検知信号に基づいて設定表示部29に現在の設定を表示させる。この状態で、リセット/設定ボタン19を押す。リセット/設定ボタン19が押される度に、遊技制御用マイコン61は設定表示部29の表示を「1→2→3→4→5→6→1→2…」の順に切り替える。そして、所望の設定値が設定表示部29に表示されている状態で、スタートレバー8を操作する。これにより、遊技制御用マイコン61は設定表示部29に表示されている設定値を新たな設定値としてRAM64に保存する。それから、設定変更用の鍵を抜き差し可能な角度に戻して、鍵穴から抜く。これにより遊技制御用マイコン61は、設定変更に関する処理を終了する。
なお本形態では、リセット/設定ボタン19はスロットマシン1をエラー状態から復帰させるためにも利用される。つまり本形態では、エラー状態におけるリセット/設定検出センサ19aからの検知信号に基づいて、遊技制御用マイコン61はエラー状態からの復帰制御を行う。
また主制御基板60には、リール6L,6C,6Rの駆動源であるリール用モータ55L,55C,55Rが、図示しないドライブ基板を介して接続されている。具体的には、左リール6Lの駆動源である左リール用モータ55L、中リール6Cの駆動源である中リール用モータ55C、右リール6Rの駆動源である右リール用モータ55Rが接続されている。リール用モータ55L,55C,55Rの回転軸は、所定のギア比でリール6L,6C,6Rに連結されている。なお、リール用モータ55L,55C,55Rは、ステッピングモータである。よって、リール用モータ55L,55C,55Rに1パルスの駆動信号が入力される毎に、リール6L,6C,6Rは一定の角度で回転する。遊技制御用マイコン61は、リール基準位置の検出(リールインデックスの検出)からリール用モータ55L,55C,55Rに出力したパルス数をカウントすることにより、リール6L,6C,6Rの回転角度を管理することが可能である。
また主制御基板60には、リール6L,6C,6Rの位置を検出するためのリール位置検出センサ56L,56C,56Rが接続されている。具体的には、左リール6Lの位置を検出するための左リール位置検出センサ56L、中リール6Cの位置を検出するための中リール位置検出センサ56C、右リール6Rの位置を検出するための右リール位置検出センサ56Rが接続されている。なお、リール位置検出センサ56L,56C,56Rは、発光部と受光部とを有するフォトセンサであり、リール6L,6C,6Rが1回転したことを示すリールインデックスを検出するものである。
また主制御基板60には、ホッパーの駆動源であるホッパー用モータ51が接続されている。ホッパーは、遊技者にメダルを払い出すための装置であって、キャビネット2の内部に設けられているものである。ホッパー用モータ51の駆動により払い出されたメダルは、ホッパー内に設けられた払出メダル検出センサ52によって検出される。したがって、この払出メダル検出センサ52からの検出信号に基づいて、遊技制御用マイコン61は所定枚数のメダルの払出が完了したか否かを認識することが可能である。
さらに主制御基板60には、上記した設定表示部29の他、各種のランプ(表示部)が接続されている。具体的には、クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26、押し順報知ランプ30L,30C,30R(左押し順報知ランプ30L、中押し順報知ランプ30C、右押し順報知ランプ30R)が接続されている。これらのランプ(表示部)については既に説明済みであるためここでは詳しい説明を省略する。
なお図2に示すように、クレジット表示部21および払出枚数表示部22は、それぞれ2つの7セグメントLED表示装置を備えている。再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、遊技開始表示ランプ26、各押し順報知ランプ30L,30C,30Rは、それぞれ1つのLEDを備えている。また、ベット数表示ランプ25は、3つのLEDを備えている。これらの各LEDの発光制御は、遊技制御用マイコン61により実行される。
また主制御基板60は、サブ制御基板70に対し各種コマンドを送信する。主制御基板60とサブ制御基板70との接続は、主制御基板60からサブ制御基板70への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板60とサブ制御基板70との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板70には、プログラムに従ってスロットマシン1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)71が実装されている。演出制御用マイコン71には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラムや各種テーブル(例えば図30(A)に示す演出内容決定テーブル等)のデータ等を記憶したROM73(記憶手段に相当)、ワークメモリとして使用されるRAM74、ROM73に記憶されたプログラムを実行するCPU72、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)79が含まれている。
また、サブ制御基板70には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC99は、日時計測手段に相当する。RTC99は、スロットマシン1に島電源供給装置(図示せず)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板90が備えるバックアップ電源回路91から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、スロットマシン1の電源が投入されていないときでも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板70に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
なお、ホールでは、複数台のスロットマシン1が並設されて1つの遊技島が構成される。同じ遊技島に属する各スロットマシン1は、共通の島電源供給装置に電気的に接続される。このため、遊技島内の各スロットマシン1の個別の電源スイッチ92を「ON」にした状態で、島電源供給装置の電源を入れると、遊技島内の全てのスロットマシン1を一斉に起動させることができる。
サブ制御基板70には、画像制御基板80が接続されている。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板80のCPU82に画像表示装置42の制御を行わせる。
画像制御基板80は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、及び、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)89を備えている。なお、ROM83には、画像表示装置42に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、スピーカ41から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ41から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板70のROM73に格納されている。なお、スピーカ41を画像制御基板80に接続し、画像制御基板80のCPU82に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板80のROM83に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、図示しないサブ駆動基板を介して、演出用ランプ40やバックランプ58L,58C,58R等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン71は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板70のROM73に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板70には、演出ボタン検出スイッチ(SW)46aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ46aは、演出ボタン46(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン46が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ46aからサブ制御基板70に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本スロットマシン1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板60を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.「役」の説明
本スロットマシン1では、「役」への入賞が成立すると、その「役」に応じた特典が遊技者に付与される。「役」の入賞は、有効化された入賞ライン(有効ライン)上に表示された図柄の組み合わせが、「役」に応じた図柄の組み合わせと一致する場合に成立する。図7は、「役」毎の図柄の組み合わせと特典等を示すテーブルである。図7に示すように、「役」には大別して、ボーナス、小役、再遊技役の3種類がある。
ボーナスには、BB1(ビッグボーナス1)と、BB2(ビッグボーナス2)とがある。BB1に対応する図柄の組み合わせは、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」(左リール6Lの図柄−中リール6Cの図柄−右リール6Rの図柄の順、以下同様にして表記する)である。BB2に対応する図柄の組み合わせは、「青セブン−青セブン−青セブン」である。BB1又はBB2に入賞すると、遊技状態をBB遊技状態(ボーナス遊技状態の一つ)に移行させる。BB遊技状態では、他の遊技状態に比べて、後述する小役3(共通ベル)の当選確率が大きく上がる。よって、頻繁に共通ベルに入賞させることが可能となり、これによりある程度の量のメダルを獲得することが可能となる。本形態では、BB遊技状態は310枚を越えるメダルの払い出しがなされると終了する。
小役には、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(共通ベル)、小役4〜9(押し順ベル)がある。小役1(チェリー)に対応する図柄の組み合わせは、「チェリー−ANY−ANY」である。「ANY」は、どの図柄でも良いことを意味している。つまり、小役1(チェリー)に対応する図柄の組み合わせは、左リール6Lの図柄がチェリーであれば、中リール6Cの図柄、右リール6Rの図柄はいずれの図柄であってもよい。小役1(チェリー)に入賞すると、2枚のメダルが払い出される。なお、左リール6Lの上段にチェリーの図柄が停止している場合には、上段ラインL2及び右下がりラインL4の2ラインで入賞していることとなり、左リール6Lの下段にチェリーの図柄が停止している場合には、下段ラインL3及び右上がりラインL5の2ラインで入賞していることとなる。よってこれらの場合には、4枚のメダルが払い出されることとなる。
小役2(スイカ)に対応する図柄の組み合わせは、「スイカ−スイカ−スイカ」である。小役2(スイカ)に入賞すると、14枚のメダルが払い出される。また、小役3(共通ベル)に対応する図柄の組み合わせは、「ベル−ベル−ベル」である。共通ベルは、押し順にかかわらず、入賞ラインL1〜L5のいずれかに「ベル−ベル−ベル」の図柄の組み合わせが表示されるように引込制御がなされる役である。共通ベルに入賞すると、9枚のメダルが払い出される。なお、共通ベルを押し順不問ベルとも称する。
これに対して、小役4〜9(押し順ベル)は、入賞の成立にリール6L,6C,6Rの停止順序が関係する役である。小役4は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役5は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役6は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。小役4〜6に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「ベル−ベル−ベル」である。また、小役7は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役8は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役9は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。小役7〜9に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「ベル−スイカ−ベル」である。
本形態では、図8の内部当選役決定テーブルに示すように、小役4と小役8と小役9とは、同時に当選することとなっている。また、小役5と小役7と小役9とは、同時に当選することとなっている。また、小役6と小役7と小役8とは、同時に当選することとなっている。複数の役に同時に当選することを、同時当選や重複当選という。これに対して1つの役にのみ当選することを、単独当選という。
このように、小役4と小役8と小役9とは同時に当選する役であるから、これらの役に当選したゲーム(単位遊技)において、遊技者は左リール6Lを初めに停止させれば、小役4の入賞を成立させることができる。この場合には、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示され、9枚のメダルが払い出されることとなる。これに対して、遊技者が中リール6Cや右リール6Rを初めに停止させた場合には、小役8又は小役9の入賞が成立する。この場合には、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示され、1枚のメダルが払い出されることとなる。このようにして、3択の押し順に正解すると9枚の払出を得られる一方、押し順を誤ると1枚の払出しか得られない「押し順ベル」という役が実現されている。
なお、小役5と小役7と小役9とが同時に当選した場合には、中リール6Cを初めに停止させれば、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、9枚のメダルが払い出されることとなり、左リール6L又は右リール6Rを初めに停止させれば、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、1枚のメダルが払い出されることとなる。また、小役6と小役7と小役8とが同時に当選した場合には、右リール6Rを初めに停止させれば、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、9枚のメダルが払い出されることとなり、左リール6L又は中リール6Cを初めに停止させた場合には、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、1枚のメダルが払い出されることとなる。
なお本形態では、「押し順ベル」を3択の押し順役としたが、6択の押し順役としてもよい。つまり、1番目に停止させるリールと2番目に停止させるリールの停止順序が、予め定められた正解押し順と一致する場合に、9枚役である「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示され、正解押し順と一致しない場合に、1枚役である「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示される構成としてもよい。
再遊技役には、通常の再遊技役(通常リプレイ)と、特殊再遊技役(特殊リプレイ)とがある。通常の再遊技役(通常リプレイ)に対応する図柄の組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。これに対して、特殊再遊技役(特殊リプレイ)に対応する図柄の組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−ブランク」である。通常の再遊技役(通常リプレイ)に入賞した場合にも、特殊再遊技役(特殊リプレイ)に入賞した場合にも、特典として再遊技が付与される。つまり、次のゲームを開始するための賭数の設定が自動でなされる。なお、自動で設定される賭数(つまり自動ベットされるメダルの枚数)は、再遊技役に入賞したゲームでの賭数と同じである。ちなみに本形態では、特殊リプレイは、BB遊技状態におけるRT回数の上乗せ抽選の実行契機となっている(図16(A)参照)。この点で、特殊リプレイは通常リプレイと異なっている。
なお本形態では、再遊技役は押し順に関係なく入賞する役としたが、押し順に正解しないと入賞し得ない役としてもよい。この場合、再遊技役の押し順は、3択としてもよいし、6択としてもよい。
また本形態では、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)に当選した場合には、所謂取りこぼしが発生することがある。リール6L,6C,6Rの停止タイミング(ストップボタン9L,9C,9Rの操作タイミング)によっては、4コマ以内の引込制御ではチェリー図柄やスイカ図柄を有効ライン上に引き込むことができない場合が生じ得るからである。取りこぼしが発生したときには、当選した役に対応する図柄の組み合わせに代えて、取りこぼしたことを示す図柄の組み合わせ(取りこぼし目)が表示窓5L,5C,5R内に表示される。
次に、図8に基づいて内部当選役決定テーブルについて説明する。スロットマシン1は、スタートレバー8の操作時に取得した乱数値と、図8に示す内部当選役決定テーブルとに基づいて、当選役(内部当選役)を決定する。いずれの役にも当選しなかった場合には、「ハズレ」となる。本形態における当選役は、図8の内部当選役の欄に示す通りである。図8に示すように、本形態では、BB1及びBB2は、単独で当選する場合もあるし、小役1(チェリー)と重複して当選する場合もある。単独で当選するよりも、重複して当選する方が確率は高く設定されている。ちなみに、小役1(チェリー)に当選した場合のおよそ1/5程度でBB(BB1又はBB2)に同時に当選するように設定されている。
なお本形態では、チェリーとBB(BB1又はBB2)に重複当選した場合には、チェリーの入賞が優先される。また本形態では、BBの当選は次のゲーム以降に持ち越される。つまり、BBは、一旦当選すると、入賞が成立するまでその当選が持ち越される役である。ちなみに本形態では、引込制御の優先度は、再遊技役が最も高く、次に小役、次にボーナスとなっている。
なお、内部当選役決定テーブルは、「設定」および「遊技状態」に応じて定められている。設定6では設定1よりも、BB1と小役1(チェリー)の同時当選の確率、及び、BB2と小役1(チェリー)の同時当選の確率が高くなっている。なお、設定2〜設定5については図示を省略しているが、設定1から設定6にかけて段階的にメダルの還元率(払出率)が高くなるように、役の当選確率が設定されているものとする。
4.遊技状態の説明
本スロットマシン1の遊技状態には、非RT遊技状態、BB遊技状態、及びRT遊技状態がある。非RT遊技状態は、一般的な遊技状態である。BB遊技状態は、BB(BB1又はBB2)の入賞の成立により移行する遊技状態である。図8に示すように、BB遊技状態ではほとんどのゲームにおいて小役3(共通ベル)に当選する。また、小役2(スイカ)や特殊再遊技役(特殊リプレイ)に当選することもある。BB遊技状態において小役2(スイカ)や特殊再遊技役(特殊リプレイ)に当選した場合には、RT回数の上乗せ抽選が実行される(図16(A)参照)。なお本形態では、BB遊技状態における小役3(共通ベル)、小役2(スイカ)、及び特殊再遊技役(特殊リプレイ)以外の役の当選確率は、零に設定されている。
RT遊技状態(リプレイタイム遊技状態)は、BB遊技状態の終了により移行する遊技状態である。図8に示すように、RT遊技状態における再遊技役(通常リプレイ)の当選確率は、非RT遊技状態に比べて極めて高く設定されている。このため、遊技者は手持ちのメダルを大きく減らすことなく遊技を進行することが可能である。さらに本形態では、RT遊技状態に制御されている間は、押し順ナビが作動するAT(アシストタイム)となる。押し順ナビとは、押し順役(押し順ベル)の正解押し順を報知する機能のことである。よって、RT遊技状態に制御されている間は、再遊技役への入賞と正解押し順の押し順ベル(3択ベル)への入賞とが頻発することによって、遊技者は手持ちのメダルを増やすことが可能となっている。このように本形態では、RT遊技状態とATとを組み合わせて手持ちのメダルを増やすことが可能な特別な遊技期間をつくっている。この特別な遊技期間を特に、ART(アシストリプレイタイム)と称することとする。
次に、図9に基づいて本スロットマシン1における遊技状態の遷移について説明する。本スロットマシン1の初回起動時は非RT遊技状態である。非RT遊技状態である間は、押し順ナビが作動していないため、非ART中でもある。非RT遊技状態においてBB(BB1又はBB2)に当選し、そのBBへの入賞が成立すると、BB遊技状態に移行する。BB遊技状態は、310枚を越えるメダルの払い出しによって終了する。
BB遊技状態が終了すると、RT遊技状態に移行する。上述したようにRT遊技状態である間は、押し順ナビが作動するため、ART中でもある。RT遊技状態は、設定ゲーム数の消化により終了する。このゲーム数(RT回数)は、初めは50G(ゲーム)に設定される。BB遊技状態やRT遊技状態において特定の役に当選した場合には、RT回数の上乗せ抽選が実行される(図16参照)。この上乗せ抽選に当選した場合には、抽選により決定された上乗せ回数が残りのRT回数に加算される。設定ゲーム数の消化によりRT遊技状態が終了すると非RT遊技状態に移行する。なお、RT遊技状態においてBBに当選し、そのBBへの入賞が成立すると、BB遊技状態に移行する。
5.遊技制御用マイコン61の動作
次に図10〜図24に基づいて遊技制御用マイコン61の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン61の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ等は、RAM64に設けられている。主制御基板60に備えられた遊技制御用マイコン61は、スロットマシン1の電源がオンされると、ROM63から図11に示す主制御側メイン処理のプログラムを読み出して実行するとともに、図10に示すタイマ割込処理を所定時間毎(本形態では1.49ms毎)に実行する。
[タイマ割込処理]図10に示すように、タイマ割込処理ではまず、レジスタを退避する(S101)。そして、入力ポート読込処理(S102)を実行する。入力ポート読込処理では、主制御基板60に接続されている各種のセンサ(例えばスタート検出センサ8a等、図5参照)からの信号の読み込みを行う。次いで、タイマ更新処理(S103)を実行する。タイマ更新処理では、RAM64に設けたタイマの値を更新する。タイマとしては例えば、1回のゲームに必要な最小時間(最小一遊技時間という、本形態では4.1秒)を計測するためのタイマ等がある。
続いて、リール制御処理(S104)を実行する。リール制御処理では、各リール用モータ55L,55C,55Rの駆動制御を行う。これにより、リール6L,6C,6Rの回転を開始させたり、その回転を所定の速度まで加速させたり、その回転の速度を一定の速度で維持したり、その回転を停止させたりする。次に、LED表示処理(S105)を行う。LED表示処理では、主制御基板60に接続されている各種の表示部やランプ(例えば押し順報知ランプ30L,30C,30R等、図5参照)の点灯/消灯を制御する。
その後、コマンド送信処理(S106)を行う。コマンド送信処理では、主制御側メイン処理(図11参照)において所定の記憶領域(コマンドバッファ)に格納した各種のコマンドをサブ制御基板70に送信する。次いで、ポート出力処理(S107)を行う。ポート出力処理では、出力ポートから各種の信号の出力を行う。具体的には例えば、ホッパー用モータ51の駆動制御信号を出力したりする(つまりホッパーを駆動させたりする)。そして、レジスタを復帰して(S108)、タイマ割込処理を終える。
[主制御側メイン処理]図11に示すように、主制御側メイン処理ではまず、後述の電源投入時処理(S201)を行う。次に、遊技開始準備処理(S202)を行う。遊技開始準備処理では、RAM64の一部の記憶領域を初期化したりする。具体的には例えば、後述する当選フラグや入賞フラグをクリアする。
続いて、メダルのベットやスタートレバー8の操作に関するベット・スタート処理(S203)を行い、「役」の抽選に関する当選役決定処理(S204)を行う。その後、リール回転開始処理(S205)を行う。リール回転開始処理では、最小一遊技時間の経過を待って各リール6L,6C,6Rの回転を開始させる。この際、リール回転開始コマンドを所定の記憶領域にセットする。
次いで、リール6L,6C,6Rの停止に関するリール回転停止処理(S206)を行い、役の入賞判定に関する入賞判定処理(S207)を行う。そして、メダルの払出に関する払出処理(S208)を行う。その後、RT遊技状態の終了に関するRT処理(S209)と、BB遊技状態の開始や終了に関するBB処理(S210)とを行う。以降、ステップS202からS210までの処理を繰り返し実行する。
[電源投入時処理]図12に示すように、電源投入時処理(S201)ではまず、バックアップが正常か否かを判定する(S301)。具体的には、チェックサムを算出するとともに、そのチェックサムの値が電断時に算出しておいたチェックサムの値と一致するかを判定する。両チェックサムの値が一致すれば、バックアップが正常であると判定し、両チェックサムの値が異なれば、バックアップが正常でないと判定する。ステップS301においてバックアップが正常であれば、スロットマシン1の設定値(設定1〜設定6のいずれか)として、バックアップされている設定値をセットして(S302)、ステップS303に進む。これにより、電断前の設定値が維持されることとなる。一方、バックアップが正常でない場合には(S301でNO)、ステップS302を行わず、ステップS303に進む。
ステップS303では、設定キー検出センサ18a(図5参照)がONか否かを判定する。つまり、設定変更用の鍵が筐体4の内部に設けられた鍵穴(不図示)に挿入されて所定角度回動されているか否かを判定する。設定キー検出センサ18aがONであれば、設定値変更処理(S304)を行う。設定値変更処理では、リセット/設定検出センサ19aの検知信号に基づいて設定表示部29に表示する設定値を更新し、スタート検出センサ8aの検知信号に基づいて設定表示部29に表示している設定値を新たな設定値としてRAM64に記憶する。設定値変更処理(S304)に続いて遊技制御用マイコン61は、設定キー検出センサ18aがOFFされるのを待ち(S305)、設定キー検出センサ18aがOFFされると(S305でYES)、本処理を終える。
ステップS303において設定キー検出センサ18aがONでない場合には、続いて、バックアップが正常か否かを判定する(S306)。バックアップが正常であれば、復帰処理(S307)を行って、本処理を終える。復帰処理では、RAM64に記憶されているバックアップデータに基づいてスロットマシン1の状態を電断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが正常でなければ(S306でNO)、電源投入時エラー処理(S308)を行って、以降、無限ループ処理を行う。電源投入時エラー処理では、バックアップが正常でないことを示すエラー表示を払出枚数表示部22に表示させるための表示データの設定等の処理を行う。
[ベット・スタート処理]図13に示すように、ベット・スタート処理(S203)ではまず、自動ベットフラグがONか否かを判定する(S401)。自動ベットフラグは、再遊技役の入賞が成立して再遊技の特典が付与されることを示すフラグである。自動ベットフラグがONであれば(S401でYES)、自動ベット処理(S402)を行う。自動ベット処理では、新たなメダルの投入やベットボタン(MAXベットボタン11や1ベットボタン12)の押下といったベット操作を伴うことなく、賭数の設定がなされる。賭数は、再遊技役に入賞した前回のゲームと同じ賭数に設定される。つまり前回のゲームで3枚のメダルがベットされていれば、賭数は3枚に設定される。続いて遊技制御用マイコン61は、メダルの投入や賭数の設定がなされたことを示すメダル投入コマンドを所定の記憶領域にセットするとともに(S403)、自動ベットフラグをOFFする(S404)。そして、スタートレバー8の操作を待ち(S405)、スタートレバー8が操作されると(S405でYES)、つまりスタート検出センサ8aがONされると、本処理を終えて、図14に示す当選役決定処理(S204)に進む。
一方、ステップS401において自動ベットフラグがONでなければ、ベットの受付を許可する(S406)。これにより、メダル投入口10からのメダルの投入によるベット操作や、MAXベットボタン11や1ベットボタン12の押下によるベット操作が可能となる。続いて遊技制御用マイコン61は、ベットされているメダルの枚数(賭数として設定されているメダルの枚数)が遊技開始可能枚数(本形態では3枚)であるか否かを判定する(S407)。
遊技開始可能枚数でなければ(S407でNO)、続いて、メダル投入口10からのメダルの投入またはベットボタン(MAXベットボタン11又は1ベットボタン12)の押下操作のいずれかがなされたか否かを判定する(S408)。メダルの投入またはベットボタンの操作がなされていれば(S408でYES)、投入・ベット処理(S409)を行う。投入・ベット処理(S409)では、メダルの投入に応じて、つまり投入メダル検出センサ10aの検出信号に応じて、賭数の設定を更新したり、クレジットの値を更新したりする。また、投入・ベット処理(S409)では、ベットボタンの操作に応じて、つまりMAXベット検出センサ11aや1ベット検出センサ12aの検出信号に応じて、賭数の設定を更新したり、クレジットの値を更新したりする。そして、メダルの投入や賭数の設定がなされたことを示すメダル投入コマンドを所定の記憶領域にセットして(S410)、ステップS407に進む。また、ステップS408においてメダルの投入またはベットボタンの操作がなされていない場合も、ステップS407に進む。
一方、ステップS407においてベットされているメダルの枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合には、続いて、スタートレバー8の操作がなされたか否か、つまりスタート検出センサ8aがONか否かを判定する(S411)。スタートレバー8の操作がなされていなければ、ステップS408に進む。これに対して、スタートレバー8の操作がなされていれば、ベットの受付を禁止する(S412)。そして、本処理を終えて、図14に示す当選役決定処理(S204)に進む。
[当選役決定処理]図14に示すように、当選役決定処理(S204)ではまず、乱数取得処理(S501)を行う。乱数取得処理では、乱数発生器68が発生させている乱数の値を1つ抽出して所定の記憶領域(乱数値バッファ)に格納する。次いで、設定値および遊技状態に応じた内部当選役決定テーブル(図8参照)をセットする(S502)。そして、ステップS501にて取得した乱数値およびステップS502にてセットした内部当選役決定テーブルに基づいて、いずれかの役に当選しているか否かを判定する(S503)。いずれかの役に当選している場合には(S503でYES)、当選した役(内部当選役)に応じた当選フラグをONする(S504)。そして、当選した役がBB(BB1又はBB2)であるか否かを判定し(S505)、BBに当選している場合には、ボーナスの種類に応じた持越役フラグ(つまりBB1の持越役フラグ又はBB2の持越役フラグ)をONして(S506)、ステップS507に進む。ステップS505において当選した役がBBでない場合には、ステップS506を行うことなくステップS507に進む。また、ステップS503においていずれの役にも当選していない場合には、ステップS504〜S506の処理を行うことなく、ステップS507に進む。
ステップS507では、役の抽選結果の情報(当選した役の情報やいずれの役にも当選していないことの情報)を含む役決定結果コマンドを所定の記憶領域にセットする。続いて遊技制御用マイコン61は、後述するRT回数上乗せ抽選処理(S508)および押し順ランプ点灯処理(S509)を行って、本処理を終える。
[RT回数上乗せ抽選処理]図15に示すように、RT回数上乗せ抽選処理(S508)ではまず、現在の遊技状態を示す遊技状態フラグの値がBB遊技状態に対応する値「01」であるか否かを判定する(S601)。つまり、現在の遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判定する。なお、遊技状態フラグの値と、遊技状態との関係は、図15中の表に示す通りである。つまり本形態では、非RT遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値が「00」に設定され、BB遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値が「01」に設定され、RT遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値が「10」に設定されるようになっている。
ステップS601においてBB遊技状態であると判定した場合には、続いて、小役2(スイカ)の当選フラグ又は特殊再遊技役(特殊リプレイ)の当選フラグのいずれかがONであるか否か、つまりこれらの役のいずれかに当選しているか否かを判定する(S602)。この判定結果がYESである場合には、上乗せ回数の抽選を行う(S603)。BB遊技状態中における上乗せ回数の抽選は、図16(A)に示す上乗せ回数決定テーブルに基づいて行われる。つまり、0〜255の範囲で値をとる上乗せ回数決定用乱数(本形態ではソフトウェア乱数)を取得し、その乱数値をスイカ当選時には図16(A)に示すスイカ当選時用のテーブルに基づいて判定し、特殊リプレイ当選時には図16(A)に示す特殊リプレイ当選時用のテーブルに基づいて判定することにより、上乗せ回数を決定する。なお、スイカ当選時の方が特殊リプレイ当選時よりも上乗せ回数として大きい回数が選択され易くなっている。上乗せ回数決定用乱数の値の範囲は0〜255に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、上乗せ回数決定用乱数の更新方法や更新タイミングは公知のものから適宜選択すればよい。もちろん、上乗せ回数決定用乱数としてハードウェア乱数を用いることとしてもよい。
ステップS603に続いて遊技制御用マイコン61は、上乗せ回数の抽選において上乗せをすると決定したか否かを判定する(S604)。上乗せをすると決定している場合には(S604でYES)、決定した上乗せ回数をRT回数カウンタに加算するとともに(S605)、決定した上乗せ回数の情報を含む上乗せコマンドを所定の記憶領域にセットして(S606)、ステップS607に進む。また、ステップS601,S602,又はS604にてNOと判定した場合は、ステップS607に進む。なお、RT回数カウンタとは、RT遊技状態を継続させる残りゲーム数を減算方式にてカウントするカウンタであり、非RT遊技状態にてBBに当選してそのBBに入賞した場合に初期設定として「50」に設定されるカウンタである。
ステップS607では、遊技状態フラグの値がRT遊技状態に対応する値「10」であるか否かを判定する。つまり、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判定する。
ステップS607においてRT遊技状態であると判定した場合には、続いて、小役1(チェリー)の当選フラグ又はBB(BB1若しくはBB2)の当選フラグのいずれかがONであるか否か、つまりこれらの役のいずれかに当選しているか否かを判定する(S608)。この判定結果がYESである場合には、上乗せ回数の抽選を行う(S609)。RT遊技状態中における上乗せ回数の抽選は、図16(B)に示す上乗せ回数決定テーブルに基づいて行われる。つまり、上乗せ回数決定用乱数を取得し、その乱数値をチェリー当選時には図16(B)に示すチェリー当選時用のテーブルに基づいて判定し、BB(BB1若しくはBB2)当選時には図16(B)に示すボーナス当選時用のテーブルに基づいて判定することにより、上乗せ回数を決定する。なお、小役1(チェリー)とBBとの重複当選時には、ボーナス当選時用のテーブルに基づいて上乗せ回数が決定されるものとする。また、ボーナス当選時には必ずRT回数の上乗せがなされるようになっている。また、ボーナス当選時は、どの上乗せ回数が選択される割合もチェリー当選時より高くなっている。
ステップS609に続いて遊技制御用マイコン61は、上乗せ回数の抽選において上乗せをすると決定したか否かを判定する(S610)。上乗せをすると決定している場合には(S610でYES)、決定した上乗せ回数をRT回数カウンタに加算するとともに(S611)、決定した上乗せ回数の情報を含む上乗せコマンドを所定の記憶領域にセットして(S612)、本処理を終える。また、ステップS607,S608,又はS610にてNOと判定した場合は、本処理を終える。
[押し順ランプ点灯処理]図17に示すように、押し順ランプ点灯処理(S509)ではまず、遊技状態フラグの値がRT遊技状態に対応する値「10」であるか否かを判定する(S701)。つまり、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判定する。RT遊技状態でなければ(S701でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、RT遊技状態であれば(S701でYES)、続いて、押し順ベル(3択ベル)の当選フラグがONであるか否かを判定する(S702)。つまり小役4,8,9の当選フラグがON、もしくは、小役5,7,9の当選フラグがON、もしくは小役6,7,8の当選フラグがONであるか否かを判定する。この判定結果がNOであれば、本処理を終えるが、この判定結果がYESであれば、押し順報知ランプ点灯処理(S703)を行う。
押し順報知ランプ点灯処理(S703)では、押し順報知ランプ30L,30C,30Rのうち押し順ベルの正解押し順に対応するものを点灯させるためのデータをセットする。ここでセットしたデータに基づいて、図10に示すLED表示処理(S105)が実行されることにより、押し順報知ランプ30L,30C,30Rのうち正解押し順に対応するものが点灯する(図33(A)参照)。これにより、遊技者には押し順ベルの正解押し順が報知される。このように押し順報知ランプ30L,30C,30Rの点灯により遊技者に押し順ベルの正解押し順を報知する機能が、押し順ナビである。また本形態では、押し順報知ランプ30L,30C,30Rの点灯に加えて、後述する押し順報知演出(図33参照)の実行によっても遊技者に押し順ベルの正解押し順を報知している。この押し順報知演出による正解押し順の報知機能も、押し順ナビである。
[リール回転停止処理]リール回転停止処理(S206)は、リール回転開始処理(S205)に続いて実行される(図11参照)。図18に示すように、リール回転停止処理(S206)ではまず、全てのリール6L,6C,6Rが予め定められた速度(本形態では1分間で80回転する速度)で回転するのを待つ(S1001)。そして、全てのリール6L,6C,6Rが予め定められた速度で回転すると(S1001でYES)、続いて、ストップボタン9L,9C,9Rの操作がなされたか否かを判定する(S1002)。ステップS1002の判定は、判定結果がYESとなるまで繰り返し行われる。ステップS1002の判定結果がYESになると、続いて、操作されたストップボタン9L,9C,9Rに対応するリール6L,6C,6Rを停止させる停止制御処理(S1003)を行う。停止制御処理(S1003)については後述する。
その後、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止しているか否かを判定し(S1004)、その判定結果がYESであれば、全ての停止操作フラグをOFFして(S1005)、本処理を終える。一方、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止していない場合には(S1004でNO)、ステップS1002に進む。なお、停止操作フラグは、左、中、右の各停止操作に対応して設けられており、各ストップボタン9L,9C,9Rの有効な操作に基づいてONされるフラグである。
[停止制御処理]図19に示すように、停止制御処理(S1003)ではまず、左ストップボタン9Lが操作されたか否かを判定する(S1101)。つまり、左ストップ検出センサ9LaがONか否かを判定する。判定結果がYESであれば(S1101でYES)、左停止操作フラグがONか否かを判定し(S1102)、ONでなければ、左停止操作フラグをONする(S1103)。そして、左リール6Lの図柄組み合わせ停止処理(S1104)を行う。左リール6Lの図柄組み合わせ停止処理(S1104)では、左ストップボタン9Lの操作タイミング(左リール6Lの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、左ストップボタン9Lの操作順序、他のリール(中リール6C及び右リール6R)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御を行う。続いて遊技制御用マイコン61は、左リール6Lを停止させたこと示す左リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1105)、ステップS1115に進む。また、ステップS1102において左停止操作フラグがONである場合には、すでに左リール6Lが停止済みであるため、ステップS1103〜S1105の処理を行うことなく、ステップS1115に進む。ステップS1115では、押し順報知ランプ30L,30C,30Rを消灯させるための押し順ランプ消灯処理を行う。押し順ランプ消灯処理(S1115)については後に詳述する。
ステップS1101において左ストップボタン9Lが操作されていないと判定した場合には、続いて、中ストップボタン9Cが操作されたか否かを判定する(S1106)。つまり、中ストップ検出センサ9CaがONか否かを判定する。判定結果がYESであれば(S1106でYES)、中停止操作フラグがONか否かを判定し(S1107)、ONでなければ、中停止操作フラグをONする(S1108)。そして、中リール6Cの図柄組み合わせ停止処理(S1109)を行う。中リール6Cの図柄組み合わせ停止処理(S1109)では、中ストップボタン9Cの操作タイミング(中リール6Cの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、中ストップボタン9Cの操作順序、他のリール(左リール6L及び右リール6R)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御を行う。続いて遊技制御用マイコン61は、中リール6Cを停止させたことを示す中リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1110)、ステップS1115に進む。また、ステップS1107において中停止操作フラグがONである場合には、すでに中リール6Cが停止済みであるため、ステップS1108〜S1110の処理を行うことなく、ステップS1115に進む。
ステップS1106において中ストップボタン9Cが操作されていないと判定した場合には、右ストップボタン9Rが操作された(つまり右ストップ検出センサ9RaがONである)ということである。よってこの場合には、右停止操作フラグがONか否かを判定し(S1111)、ONでなければ、右停止操作フラグをONする(S1112)。そして、右リール6Rの図柄組み合わせ停止処理(S1113)を行う。右リール6Rの図柄組み合わせ停止処理(S1113)では、右ストップボタン9Rの操作タイミング(右リール6Rの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、右ストップボタン9Rの操作順序、他のリール(左リール6L及び中リール6C)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御を行う。続いて遊技制御用マイコン61は、右リール6Rを停止させたことを示す右リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1114)、ステップS1115に進む。また、ステップS1111において右停止操作フラグがONである場合には、すでに右リール6Rが停止済みであるため、ステップS1112〜S1114の処理を行うことなく、ステップS1115に進む。
[押し順ランプ消灯処理]図20に示すように、押し順ランプ消灯処理(S1115)ではまず、第1停止操作がなされたタイミングであるか否かを判定する(S1201)。第1停止操作とは、全てのリール6L,6C,6Rが回転している状況で1つ目のリールを停止させる操作のことである。なお、1つのリールが停止しており、残り2つのリールが回転している状況で2つ目のリールを停止させる操作のことを、第2停止操作という。また、2つのリールが停止しており、残り1つのリールが回転している状況で3つ目(最後)のリールを停止させる操作のことを、第3停止操作という。
ステップS1201において第1停止操作がなされたタイミングであると判定した場合には、次に、押し順報知ランプ30L,30C,30Rのいずれかが点灯中であるか否かを判定する(S1202)。そして、押し順報知ランプ30L,30C,30Rのいずれかが点灯中であれば、押し順報知ランプ消灯処理(S1203)を行う。押し順報知ランプ消灯処理(S1203)では、点灯中の押し順報知ランプを消灯させるためのデータをセットする。ここでセットしたデータに基づいて、図10に示すLED表示処理(S105)が実行されることにより、押し順報知ランプ30L,30C,30Rのうち点灯中のものが消灯する(図33(B)又は(E)参照)。なお、第1停止操作が、押し順ベルの正解押し順に適合する場合も適合しない場合も、遊技制御用マイコン61は押し順報知ランプ30L,30C,30Rを消灯させる。
一方、ステップS1201において第1停止操作がなされたタイミングではないと判定した場合や(S1201でNO)、ステップS1202において押し順報知ランプ30L,30C,30Rのいずれもが点灯していないと判定した場合は(S1202でNO)、本処理を終える。
[入賞判定処理]入賞判定処理(S207)は、リール回転停止処理(S206)に続いて実行される(図11参照)。図21に示すように、入賞判定処理(S207)ではまず、表示窓5L,5C,5R内の停止図柄(表示図柄)のデータを、有効ラインL1〜L5毎に読み出す(S1301)。そして、各有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせが、「役」に応じた図柄の組み合わせ(図7参照)と一致するか否かを判定する(S1302)。有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせに、「役」に応じた図柄の組み合わせがあれば(S1302でYES)、その「役」の入賞が成立しているため、入賞した役(入賞役)に応じた入賞フラグをONする(S1303)。
そして遊技制御用マイコン61は、再遊技役の入賞があったか否か(つまり再遊技役の入賞フラグがONであるか否か)を判定する(S1304)。この判定結果がYESである場合には、自動ベットフラグをONして(S1305)、ステップS1307に進む。これにより、次のベット・スタート処理(ステップS203、図13参照)において自動ベット処理(S402)が実行されることとなる。
一方、ステップS1304において再遊技役の入賞フラグがONでない場合は、再遊技役以外のいずれかの役の入賞が成立している(再遊技役以外のいずれかの役の入賞フラグがONである)ため、入賞役に応じた払出枚数を払出枚数カウンタにセットして(S1306)、ステップS1307に進む。具体的には例えば、小役2(スイカ)の入賞フラグがONである場合には、払出枚数カウンタに「14」をセットする(図7参照)。なお、BB(BB1又はBB2)の入賞時の払出枚数は「0」であるため(図7参照)、BBの入賞フラグがONである場合には、払出枚数カウンタの値は「0」のまま更新されない。
また、ステップS1302において有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせに、「役」に応じた図柄の組み合わせがないと判定した場合には、直ちにステップS1307に進む。ステップS1307では、役の入賞判定の結果の情報(入賞した役の情報やいずれの役の入賞も成立していないことの情報)を含む入賞判定コマンドを所定の記憶領域にセットする。
[払出処理]図22に示すように、払出処理(S208)ではまず、払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する(S1501)。払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きい場合には、続いて、遊技状態フラグの値がBB遊技状態に対応する値「01」であるか否かを判定する(S1502)。つまり、現在の遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判定する。BB遊技状態である場合には、払出枚数カウンタの値に基づいてボーナス終了枚数カウンタの値を減算して(S1503)、ステップS1504に進む。ボーナス終了枚数カウンタは、BB遊技状態における払出可能枚数の残数をカウントするカウンタであり、後述するようにBB遊技状態の開始時に「310」にセットされるカウンタである。ステップS1502においてBB遊技状態でないと判定した場合には、ステップS1503を行わずに、ステップS1504に進む。
続いて遊技制御用マイコン61は、クレジット加算処理(S1504)およびメダル払出処理(S1505)を行う。クレジット加算処理(S1504)では、払出枚数カウンタの値の分だけ、クレジットの値を加算する。クレジットの値の加算は、「50」を越えない範囲で行われる。払出枚数カウンタの値をクレジットの値に加算すると「50」を越える場合には、メダル払出処理(S1505)において、その超える分のメダルをメダル払出口38から払い出す。つまりメダル払出処理(S1505)では、必要に応じてホッパー用モータ51の駆動制御信号がセットされる。次に遊技制御用マイコン61は、払出枚数カウンタの値を「0」にクリアして(S1506)、本処理を終える。なお、ステップS1501において払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きくないと判定した場合には、ステップS1502〜S1506の処理を行うことなく直ちに本処理を終える。
[RT処理]図23に示すように、RT処理(S209)ではまず、遊技状態フラグの値がRT遊技状態に対応する値「10」であるか否かを判定する(S1601)。つまり、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判定する。RT遊技状態中でなければ(S1601でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、RT遊技状態中であれば(S1601でYES)、RT回数カウンタの値を1減算するとともに(S1602)、RT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1603)。
RT回数カウンタの値が「0」でなければ(S1603でNO)、RT遊技状態を継続するため、直ちに本処理を終える。これに対して、RT回数カウンタの値が「0」であれば(S1603でYES)、RT遊技状態を終了して非RT遊技状態に移行させるべく、遊技状態フラグの値を非RT遊技状態に対応する値「00」にセットする(S1604)。そして、RT遊技状態の終了を示すRT終了コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1605)、本処理を終える。
[BB処理]図24に示すように、BB処理(S210)ではまず、遊技状態フラグの値がBB遊技状態に対応する値「01」であるか否かを判定する(S1701)。判定結果がNOであれば、非RT遊技状態中もしくはRT遊技状態中である。この場合には、続いて、BB(BB1又はBB2)の入賞フラグがONであるか否かを判定する(S1702)。つまり、BBの入賞が成立したか否かを判定する。BBの入賞が成立していなければ(S1702でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、BBの入賞が成立していれば(S1702でYES)、ボーナス終了枚数カウンタの値を「310」にセットする(S1703)。
続いて遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値が非RT遊技状態に対応する値「00」であるか否かを判定する(S1704)。判定結果がYESであれば、つまり遊技状態が非RT遊技状態であれば、RT回数カウンタの値を「50」にセットして(S1705)、ステップS1706に進む。つまり本形態では、非RT遊技状態でのBB当選からBB入賞を経てRT遊技状態に移行する場合のRT回数の初期設定値を、50回としている。ステップS1704において遊技状態フラグの値が非RT遊技状態に対応する値「00」ではないと判定した場合には、RT遊技状態におけるBB当選からのBB入賞となるため、ステップS1705の処理を行うことなく、ステップS1706に進む。
ステップS1706では、遊技状態フラグの値をBB遊技状態に対応する値「01」にセットする。そして、BB(BB1又はBB2)の持越役フラグをOFFするとともに(S1707)、BB遊技状態への移行開始を示すBB開始コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1708)、本処理を終える。
これに対して、ステップS1701においてBB遊技状態であると判定した場合には(S1701でYES)、続いて、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」よりも小さいか否かを判定する(S1709)。ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」以上である場合には(S1709でNO)、まだBB遊技状態における払出枚数の総数が310枚を越えていないため、BB遊技状態を継続するべく、直ちに本処理を終える。
一方、ステップS1709においてボーナス終了枚数カウンタの値が「0」よりも小さいと判定した場合には(S1709でYES)、BB遊技状態における払出枚数の総数が310枚を越えているため、BB遊技状態を終了してRT遊技状態に移行させるべく、遊技状態フラグの値をRT遊技状態に対応する値「10」にセットする(S1710)。そして、RT遊技状態への移行開始を示すRT開始コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1711)、本処理を終える。
6.演出制御用マイコン71の動作
[サブ制御側メイン処理]次に図25〜図29に基づいて演出制御用マイコン71の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン71の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス等は、RAM74に設けられている。サブ制御基板70に備えられた演出制御用マイコン71は、スロットマシン1の電源がオンされると、ROM73から図25に示すサブ制御側メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御側メイン処理ではまず、電源投入時処理(S4001)を行う。電源投入時処理では、RAM74の記憶内容のエラーチェックや、RAM74の初期設定などを行う。次に、後述する期間フラグ設定処理(S4002)を行う。なお、期間フラグ設定処理は、RTC99(図6参照)が計測している日時の情報に基づいて、現在がどの期間に属するかを特定する処理である。
その後、演出制御用マイコン71は、後述する受信コマンド解析処理(S4003)を行う。なお、受信コマンド解析処理は、主制御基板60から受信した各種のコマンドに応じて、実行すべき演出の設定等を行う処理である。次に演出制御用マイコン71は、演出ボタン処理(S4004)を行う。演出ボタン処理では、演出ボタン検出スイッチ46aからの信号を読み込んで、演出ボタン46の操作がなされたか否かを判定する。そして、演出ボタン検出スイッチ46aからの信号に基づいて、実行すべき演出の設定等を行う。
続いて演出制御用マイコン71は、音声制御処理(S4005)を行う。音声制御処理では、受信コマンド解析処理(S4003)や演出ボタン処理(S4004)での演出設定(受信コマンド解析処理(S4003)や演出ボタン処理(S4004)で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出設定に対応する音をスピーカ41から出力させる。次に演出制御用マイコン71は、ランプ制御処理(S4006)を行う。ランプ制御処理では、受信コマンド解析処理(S4003)や演出ボタン処理(S4004)での演出設定に基づいて、その演出設定に対応する発光態様で演出用ランプ40やバックランプ58L,58C,58Rを点灯させたり消灯させたりする。
次いで演出制御用マイコン71は、画像制御処理(S4007)を行う。画像制御処理では、受信コマンド解析処理(S4003)や演出ボタン処理(S4004)での演出設定(受信コマンド解析処理(S4003)や演出ボタン処理(S4004)で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出設定に対応する演出画像を画像表示装置42の表示画面42aに表示させるべく、画像制御基板80に画像制御に関するコマンドを出力する。このコマンドを受信した画像制御基板80のCPU82は、コマンドが示す演出画像を画像表示装置42に表示させる。ステップS4005〜S4007の処理が実行されることにより、スピーカ41からの音、ランプ(演出用ランプ40やバックランプ58L,58C,58R)の発光、および、画像表示装置42による演出画像の表示などが組み合わされた遊技演出が実行される。以降、演出制御用マイコン71は、ステップS4003からS4007までの処理を繰り返し実行する。
なお、受信コマンド解析処理(S4003)、演出ボタン処理(S4004)、音声制御処理(S4005)、ランプ制御処理(S4006)、及び画像制御処理(S4007)のうちの全部又は一部を、サブ制御側メイン処理におけるループ処理として行うのではなく、サブ制御側メイン処理に対するタイマ割込処理として行うように構成してもよい。
[期間フラグ設定処理]図26に示すように、期間フラグ設定処理(S4002)ではまず、演出制御用マイコン71は、RTC99によって計測されている日時の情報(RTC情報)を取得する(S4101)。そして、現在の日付が第1期間内の日付であれば(S4102でYES)、現在の期間を示す期間フラグの値を「1」にセットする(S4103)。また、現在の日付が第2期間内の日付であれば(S4104でYES)、期間フラグの値を「2」にセットする(S4105)。また、現在の日付が第3期間内の日付であれば(S4106でYES)、期間フラグの値を「3」にセットする(S4107)。また、現在の日付が第1期間〜第3期間のいずれの期間内の日付でもなければ(S4102,S4104,及びS4106の全てでNO)、第4期間内の日付であるため、期間フラグの値を「4」にセットする(S4108)。
ここで、図30(B)に示すように、第1期間は導入開始日から7日目までの期間である。本スロットマシン1は、2016年12月1日にホールへの導入が開始される予定の遊技機であるとする。つまり本スロットマシン1は、2016年12月1日からホールで遊技者が遊技することができる予定の遊技機であるとする。よって具体的には、第1期間は、2016年12月1日から2016年12月7日までの期間に設定されている。既に述べた通り、RTC99が示す日付がこの第1期間内の日付であれば、期間フラグの値は「1」にセットされる。
また、第2期間は導入8日目から14日目までの期間である。つまり第2期間は、2016年12月8日(詳細には2016年12月8日午前0時00分00秒)から2016年12月14日までの期間に設定されている。RTC99が示す日付がこの第2期間内の日付であれば、期間フラグの値は「2」にセットされる。また、第3期間は導入15日目から21日目までの期間である。つまり第3期間は、2016年12月15日(詳細には2016年12月15日午前0時00分00秒)から2016年12月21日までの期間に設定されている。RTC99が示す日付がこの第3期間内の日付であれば、期間フラグの値は「3」にセットされる。また、第4期間は導入22日目以降の期間である。つまり第4期間は、2016年12月22日(詳細には2016年12月22日午前0時00分00秒)以降の期間に設定されている。RTC99が示す日付がこの第4期間内の日付であれば、期間フラグの値は「4」にセットされる。なお、第2期間の開始日時や、第3期間の開始日時、第4期間の開始日時は、特定日時の一例である。
後に詳述するが、本形態のスロットマシン1は、導入開始からの期間の経過に応じて、実行される演出の振り分け率が変化するように構成されている(図30(A)参照)。このため、演出制御用マイコン71は、スロットマシン1の電源投入時にRTC情報を読み出して、このRTC情報に基づいて現在が第1期間から第4期間のうちのいずれの期間であるかを特定し、その情報を保持することとしている。
[受信コマンド解析処理]図27に示すように、受信コマンド解析処理(S4003)ではまず、役決定結果コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。役決定結果コマンドを受信している場合には(S4401でYES)、後述する役決定結果コマンド受信時処理(S4402)を行って、本処理を終える。
役決定結果コマンドを受信していない場合には(S4401でNO)、リール停止コマンド(左リール停止コマンド、中リール停止コマンド、又は右リール停止コマンド)を受信したか否かを判定する(S4403)。リール停止コマンドを受信している場合には(S4403でYES)、後述するリール停止コマンド受信時処理(S4404)を行って、本処理を終える。
リール停止コマンドを受信していない場合には(S4403でNO)、BB開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。BB開始コマンドを受信している場合には(S4405でYES)、BB開始コマンド受信時処理(S4406)を行って、本処理を終える。BB開始コマンド受信時処理(S4406)では、現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値をBB遊技状態に対応する値「01」にセットする処理や、BB遊技状態中の演出を設定する処理等を行う。
BB開始コマンドを受信していない場合には(S4405でNO)、RT開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。RT開始コマンドを受信している場合には(S4407でYES)、RT開始コマンド受信時処理(S4408)を行って、本処理を終える。RT開始コマンド受信時処理(S4408)では、現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値をRT遊技状態に対応する値「10」にセットする処理や、RT遊技状態中の演出を設定する処理等を行う。
RT開始コマンドを受信していない場合には(S4407でNO)、RT終了コマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。RT終了コマンドを受信している場合には(S4409でYES)、RT終了コマンド受信時処理(S4410)を行って、本処理を終える。RT終了コマンド受信時処理(S4410)では、現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を非RT遊技状態に対応する値「00」にセットする処理や、非RT遊技状態中の演出を設定する処理等を行う。
RT終了コマンドを受信していない場合には(S4409でNO)、その他のコマンドの受信時処理(S4411)を行って、本処理を終える。その他のコマンドの受信時処理(S4411)では、上記のコマンド以外のコマンド(メダル投入コマンドや、リール回転開始コマンド、上乗せコマンド、入賞判定コマンドなど)を受信しているか否かを判定し、受信していれば、その受信コマンドに応じた処理を行う。
[役決定結果コマンド受信時処理]図28に示すように、役決定結果コマンド受信時処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン71は、演出用乱数を取得する(S4501)。本形態では演出用乱数は、ハードウェア乱数であり、0〜65535の範囲で値をとる。なお演出用乱数を、ソフトウェア乱数(つまり演出制御用マイコン71による乱数更新処理により値が更新される乱数)としてもよい。この場合、乱数値の更新方法や更新タイミングは公知のものを適宜利用できる。また、演出用乱数の値の範囲は、0〜65535でなくてもよく、適宜変更可能である。
続いて演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンドに示された内部当選役の情報と、期間フラグの値とに基づいて、演出内容決定テーブルを選択する(S4502)。例えば、小役1(チェリー)に当選している場合には、図30(A)に示す演出内容決定テーブルのうち期間フラグの値に対応するテーブルを選択する。なお本形態では、小役1(チェリー)に当選する場合として、小役1(チェリー)とBB1との重複当選である場合、小役1(チェリー)とBB2との重複当選である場合、および、小役1(チェリー)の単独当選である場合の3つの場合がある(図8参照)。
図30(A)に示すように、内部当選役が小役1(チェリー)である場合には、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うバトルチャンス演出を選択する。バトルチャンス演出には、勝利のバトルチャンス演出と、敗北のバトルチャンス演出とがある。勝利のバトルチャンス演出は、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出である。敗北のバトルチャンス演出は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出である。
小役1(チェリー)とBB(BB1又はBB2)との重複当選時には勝利のバトルチャンス演出を選択する。一方、小役1(チェリー)の単独当選時には敗北のバトルチャンス演出を選択する。つまり、勝利のバトルチャンス演出は、ボーナス当選(BBの当選)を報知する演出となっており、敗北のバトルチャンス演出は、ボーナスに当選していないことを報知する演出となっている。
また、バトルチャンス演出には、敵キャラクタの種類がそれぞれ異なる4種類の演出がある。具体的には、味方キャラクタ「ロゴ」と敵キャラクタ「キョウ」がバトルを行う演出(図31(B1)参照)と、味方キャラクタ「ロゴ」と敵キャラクタ「ヨウ」がバトルを行う演出(図31(B2)参照)と、味方キャラクタ「ロゴ」と敵キャラクタ「ミー」がバトルを行う演出(図31(B3)参照)と、味方キャラクタ「ロゴ」と敵キャラクタ「セイ」がバトルを行う演出(図32(B)参照)がある。
より詳細には、勝利のバトルチャンス演出には、敵キャラクタが「キョウ」となる演出(図30(A)の演出No.1の遊技演出)、「ヨウ」となる演出(図30(A)の演出No.2の遊技演出)、「ミー」となる演出(図30(A)の演出No.3の遊技演出)、「セイ」となる演出(図30(A)の演出No.4の遊技演出)の4種類がある。一方、敗北のバトルチャンス演出には、敵キャラクタが「セイ」となる演出はなく、敵キャラクタが「キョウ」となる演出(図30(A)の演出No.5の遊技演出)、「ヨウ」となる演出(図30(A)の演出No.6の遊技演出)、「ミー」となる演出(図30(A)の演出No.7の遊技演出)の3種類がある。つまり、敵キャラクタが「セイ」であるバトルチャンス演出は、勝利確定(ボーナス当選確定)の演出となっている。
本形態では、図30(A)に示すように、小役1(チェリー)の当選時にバトルチャンス演出としてどの演出が選択されるかの振り分け率が、第1期間〜第4期間のいずれの期間であるかに応じて変化するようになっている。具体的には、第1期間用の演出内容決定テーブル(図30(A)の第1期間の欄参照、第1の演出決定基準データの一例)では、勝利のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」、「セイ」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、34%、33%、33%、0%に設定されている。つまり、「セイ」を除いて、どの敵キャラクタの出現率もほぼ同じに設定されている。なお、敵キャラクタとして「セイ」が出現する確率は0%に設定されており、これは第2期間及び第3期間についても同じである。敵キャラクタとして「セイ」が出現し得るのは、第4期間になってからである。
また第1期間用の演出内容決定テーブルでは、敗北のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、33%、33%、34%に設定されている。つまり、どの敵キャラクタの出現率もほぼ同じに設定されている。したがって第1期間では、バトルチャンス演出におけるボーナス当選の期待度は、どの敵キャラクタが出現した場合であっても、ほぼ同じとなっている。
第2期間用の演出内容決定テーブル(図30(A)の第2期間の欄参照、第2の演出決定基準データの一例)では、勝利のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、45%、35%、20%に設定されている。また、敗北のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、20%、35%、45%に設定されている。つまり、ボーナス当選時には、敵キャラクタとして「キョウ」が最も選択され易く、「ミー」が最も選択され難くなっている。また、ボーナス非当選時には、敵キャラクタとして「ミー」が最も選択され易くなっており、「キョウ」が最も選択され難くなっている。よって、バトルチャンス演出におけるボーナス当選の期待度は、敵キャラクタが「キョウ」である場合が最も高く、敵キャラクタが「ミー」である場合が最も低くなっている。よって第2期間になると、遊技者は、バトルチャンス演出の敵キャラクタとしてどのキャラクタが出現するのかに関心を抱くようになる。
第3期間用の演出内容決定テーブル(図30(A)の第3期間の欄参照)では、バトルチャンス演出における敵キャラクタの振り分け率の差が第2期間用の演出内容決定テーブルよりも大きく設定されている。つまり、第3期間用の演出内容決定テーブルでは、勝利のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、60%、30%、10%に設定されている。また、敗北のバトルチャンス演出における敵キャラクタが「キョウ」、「ヨウ」、「ミー」のいずれとなるかの確率はそれぞれ、10%、30%、60%に設定されている。このように第3期間では、敵キャラクタとして「キョウ」が選択された場合のボーナス当選の期待度が、第2期間のときよりも高くなり、敵キャラクタとして「ミー」が選択された場合のボーナス当選の期待度が、第2期間のときよりも低くなる。よって、第3期間では、第2期間よりも振り分け率の差が顕著になる分、バトルチャンス演出の敵キャラクタとしてどのキャラクタが出現するのかに対する関心を、第2期間よりも一層強めることが可能となっている。
第4期間用の演出内容決定テーブル(図30(A)の第4期間の欄参照)には、敵キャラクタとして「セイ」が選択される場合が設けられている。敵キャラクタとして「セイ」が選択されるのは、ボーナス当選時に限られる上、選択される割合も他の敵キャラクタが選択される割合に比べて極端に小さく設定されている(本形態では振り分け率1%)。つまり第4期間では、ボーナス当選確定の所謂プレミア演出として、敵キャラクタが「セイ」であるバトルチャンス演出が選択され得るようになっている。したがって第4期間になると、第3期間まででは見ることができなかったボーナス当選確定のプレミア演出を見ることが可能となるため、これにより、バトルチャンス演出の敵キャラクタとしてどのキャラクタが出現するのかに対する関心を、第3期間までよりもさらに一層強めることが可能となっている。なお、第4期間における敗北のバトルチャンス演出の敵キャラクタの振り分け率は、第3期間と同じに設定されている。
なおこれらの演出の振り分け率は一例であり、上記の効果等を考慮して、適宜変更することが可能である。また、演出の振り分け率の変化日時をいつに設定するかも、適宜変更することが可能である。
このように本形態のスロットマシン1では、バトルチャンス演出が示唆するボーナス当選の期待度が、最終的には図30(C)の表に示す具合となるように構成されている。すなわち、「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出が示すボーナス当選の期待度が最も低く、「ロゴvsヨウ」のバトルチャンス演出が示すボーナス当選の期待度が中程度であり、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出が示すボーナス当選の期待度が高く、「ロゴvsセイ」のバトルチャンス演出が示すボーナス当選の期待度が最高(ボーナス当選確定)、となるように構成されている。よって、スロットマシン1の導入開始時には、どの敵キャラクタのバトルチャンス演出が実行されてもボーナス当選の期待度には大差がないように設定されていても、導入開始から期間が経過するにつれて、ボーナス当選の期待度に差をつけることが可能となっている。つまり導入開始から期間が経過すると、実行されるバトルチャンス演出の敵キャラクタの種類によって、遊技者に対してボーナス当選の期待度を示唆することができるように変化する(期待度示唆という演出の意義を重視した設定に変化する)ため、バトルチャンス演出の演出効果を高めることが可能となっている。
なお本スロットマシン1は、導入開始時にはバトルチャンス演出においてどの敵キャラクタもほぼ均等に出現するように設定されている。このためスロットマシン1の導入開始時には、遊技者がいろいろな敵キャラクタのバトルチャンス演出を見易くなっている。つまり、導入開始時にはいろいろな敵キャラクタのバトルチャンス演出を遊技者が体験できるような設定(体験重視の設定)となっている。よって、バトルチャンス演出において出現する敵キャラクタが特定のキャラクタに偏ってしまい、同じ演出ばかりで面白くないとの感情を遊技者に抱かせてしまうのを抑制することが可能となっており、スロットマシン1の導入当初の遊技興趣を高めることが可能となっている。
図28に戻って、役決定結果コマンド受信時処理(S4402)の説明を続ける。役決定結果コマンド受信時処理(S4402)のステップS4502において、内部当選役の情報と期間フラグの値とに基づいて演出内容決定テーブルを選択した後は、演出制御用マイコン71は、ステップS4501で取得した演出用乱数を、ステップS4502で選択した演出内容決定テーブルに基づいて判定する(S4503)。これにより、実行する演出を決定する。そして、ステップS4503の処理によって決定した演出を示す演出情報(例えば図30(A)に示す「演出No.」の情報)を、RAM74の所定の記憶領域(演出情報バッファ)に格納する(S4504)。
次いで演出制御用マイコン71は、格納した演出情報に対応する開始用演出の演出データ(開始用演出データ)をセットする(S4505)。開始用演出とは、スタートレバー8の操作から第1停止操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。なお本形態では、バトルチャンス演出は、スタートレバー8の操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時の4つのタイミングで演出を順次切り替えて、一連の内容を遊技者に認識させる演出となっている。ステップS4504においてバトルチャンス演出の演出情報がセットされてステップS4505が実行された後、図25に示す画像制御処理(S4007)が実行されると、表示画面42aには図31(A)若しくは図32(A)に示す演出画像(バトルチャンス演出の導入画像)が表示される。
続いて演出制御用マイコン71は、回転中のリールの数を示す回転リール数カウンタの値を「3」にセットする(S4506)。そして、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判定し(S4507)、RT遊技状態でなければ、本処理を終える。一方、RT遊技状態であれば、続いて、役決定結果コマンドが示す内部当選役が「押し順ベル」であるか否かを判定する(S4508)。判定結果がNOであれば、本処理を終える。一方判定結果がYESであれば、当選した押し順ベルの正解押し順を報知する押し順報知演出の演出データをセットして(S4509)、本処理を終える。
ステップS4509が実行された後、図25に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、押し順報知演出(アシスト演出)の演出画像が表示画面42aに表示される。図33(A)に示す押し順報知演出は、小役5,7,9の重複当選時に実行される押し順報知演出であり、中リール6Cを最初に停止させることを報知する演出である。図33(A)に示すように、本形態の押し順報知演出では、最初に停止すべきリールに対応する表示画面42a上の領域に数字の「1」をデザインした演出画像を表示し、最初に停止すべきリール以外のリールに対応する表示画面42a上の領域に菱形をデザインした演出画像を表示する。
そして、正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが操作された場合には、操作されたストップボタンに対応する表示画面42a上の領域の演出画像を非表示としていく(図33(A)〜(D)参照)。これに対して、正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが操作されなかった場合には、全てのリール6L,6C,6Rが停止されるまで、「MISS!」の文字画像を表示画面42aに表示する(図33(E)参照)。なお、押し順報知演出は、演出画像の表示とともに、又は演出画像の表示に代えて、正解押し順を音声により報知するものでもよい。この場合には、ステップS4509が実行された後、図25に示す音声制御処理(S4005)が実行されることにより、「左」、「中」、又は「右」といった音声がスピーカ41から出力されることとなる。
[リール停止コマンド受信時処理]図29に示すように、リール停止コマンド受信時処理(S4404)ではまず、回転リール数カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(S4701)。回転リール数カウンタの値が「3」であれば、第1停止操作がなされたタイミングであるため、ステップS4504で格納した演出情報に対応する第1停止操作用演出の演出データ(第1停止操作用演出データ)をセットして(S4702)、ステップS4706に進む。第1停止操作用演出とは、第1停止操作から第2停止操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。ステップS4504においてバトルチャンス演出の演出情報がセットされてステップS4702が実行された場合には、図25に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図31(B1)、(B2)、(B3)、又は図32(B)に示す演出画像(バトルチャンス演出の敵キャラクタを報知する画像)が表示されることとなる。現在の期間が第2期間以降であれば、この時点で遊技者はボーナス当選の期待度を把握することが可能である。
図29に示すリール停止コマンド受信時処理(S4404)におけるステップS4706では、回転リール数カウンタの値を1減算する。そして、演出制御用マイコン71は、押し順報知演出の実行中であるか否かを判定する(S4707)。押し順報知演出の実行中であれば(S4707でYES)、今回の停止操作が第1停止操作〜第3停止操作のいずれであるかに応じて、押し順報知演出の演出データを更新して(S4708)、本処理を終える。一方、押し順報知演出の実行中でなければ(S4707でNO)、ステップS4708の処理を行うことなく、本処理を終える。
ステップS4708において今回の停止操作が第1停止操作であれば、その停止操作が正解押し順の通りであるのか否かに応じて、押し順報知演出の演出データを更新する。具体的には、正解押し順の通りであれば例えば、図33(B)に示す正解時の演出画像を表示するための演出データをセットする。一方、正解押し順の通りでなければ、図33(E)に示す誤り時の演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図33(B)又は(E)のいずれかの画面に制御されることになる。
またステップS4708において今回の停止操作が第2停止操作であり、第1停止操作が正解押し順の通りであった場合には例えば、図33(C)に示す演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図33(C)の画面に制御されることになる。一方、第1停止操作が正解押し順の通りでなかった場合には、第2停止操作がなされたタイミングでの押し順報知演出の演出データの更新は行わない。つまりこの場合には、図33(E)に示す演出画像が表示され続けることになる。
またステップS4708において今回の停止操作が第3停止操作であり、第1停止操作が正解押し順の通りであった場合には例えば、図33(D)に示す演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図33(D)の画面に制御されることになる。一方、第1停止操作が正解押し順の通りでなかった場合には、第3停止操作がなされたタイミングでの押し順報知演出の演出データの更新は行わない。つまりこの場合には、図33(E)に示す演出画像が表示され続けることになる。
このように本形態では、押し順ナビが作動している間は、単に押し順報知ランプ30L,30C,30Rの点灯により遊技者に押し順を示すのみならず、画像表示装置42での押し順報知演出によっても遊技者に押し順を示している。よって、遊技者に押し順ベルの正解押し順をわかりやすく示すことが可能となっている。なおRT遊技状態中、つまりART中は、押し順ベルのみならず、他の役(チェリー、スイカ、リプレイ、ボーナスなど)の全部又は一部の当選も遊技者に報知する構成としてもよい。この場合、他の役の当選の報知は、主制御基板60側又はサブ制御基板70側のいずれか一方で行ってもよいし、両方で行ってもよい。
図29に示すリール停止コマンド受信時処理(S4404)のステップS4701において、回転リール数カウンタの値が「3」でなければ、続いて、回転リール数カウンタの値が「2」であるか否かを判定する(S4703)。回転リール数カウンタの値が「2」であれば、第2停止操作がなされたタイミングであるため、ステップS4504で格納した演出情報に対応する第2停止操作用演出の演出データ(第2停止操作用演出データ)をセットして(S4704)、ステップS4706に進む。第2停止操作用演出とは、第2停止操作から第3停止操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。ステップS4504においてバトルチャンス演出の演出情報がセットされてステップS4704が実行された場合には、図25に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図31(C)若しくは図32(C)に示す演出画像(味方キャラクタと敵キャラクタが戦っている画像)が表示されることとなる。
また、ステップS4703において回転リール数カウンタの値が「2」でなければ、回転リール数カウンタの値は「1」であり、第3停止操作がなされたタイミングであるため、ステップS4504で格納した演出情報に対応する第3停止操作用演出の演出データ(第3停止操作用演出データ)をセットして(S4705)、ステップS4706に進む。第3停止操作用演出とは、第3停止操作から次のゲームを開始するためのスタートレバー8の操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。ステップS4504においてバトルチャンス演出の演出情報がセットされてステップS4705が実行された場合には、図25に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図31(D1)若しくは(D2)、又は図32(D)に示す演出画像(バトルチャンス演出の勝敗を示す画像)が表示されることとなる。このように本形態では、小役1(チェリー)の当選時にはバトルチャンス演出が実行されて、そのバトルチャンス演出で味方キャラクタが勝利するのか敗北するのかによって、BBに重複当選しているのか否かが報知されるようになっている。
7.本形態の効果等
以上詳細に説明したように本形態のスロットマシン1では、特定日時(2016年12月8日午前0時00分00秒)になる前となった後とで、小役1(チェリー)とBBの重複当選時のバトルチャンス演出における敵キャラクタの出現率が変化する(図30(A)参照)。例えば、敵キャラクタ「キョウ」(第1演出の一例)の出現率は34%(第1の確率の一例)から45%(第3の確率の一例)に上がり、敵キャラクタ「ミー」(第2演出の一例)の出現率は33%(第2の確率の一例)から20%(第4の確率の一例)に下がる。したがって、実行可能な演出の内容を変えることなく、演出の意義付け(敵キャラクタ「キョウ」はボーナス当選時に他の敵キャラクタ「ミー」よりも選ばれやすいとか、敵キャラクタ「ミー」が選ばれて当選するのは稀であるとか)を変えることが可能となっている。よって、このように導入開始からの期間の経過に応じて演出の意義付けが変わることにより、演出に対する遊技者の飽きが生じ難い遊技機とすることが可能となっている。言い換えれば、導入開始からある程度の日数が経過しても遊技興趣が低下し難い遊技機となっている。その結果、製造コストをアップさせることなく、ホール設置後のスロットマシン1の稼働低下を生じ難くすることが可能となっている。
また本形態のスロットマシン1では、特定日時(2016年12月8日午前0時00分00秒)になる前は特定日時になった後よりも、敵キャラクタ「キョウ」のバトルチャンス演出によって示されるボーナス当選の期待度と、敵キャラクタ「ミー」のバトルチャンス演出によって示されるボーナス当選の期待度との差が小さい(図30(A)参照)。つまり、どちらのバトルチャンス演出も遊技者に披露され易くなっており、これにより導入開始直後の遊技興趣を高めることが可能となっている。
一方、特定日時(2016年12月8日午前0時00分00秒)になった後は特定日時になる前よりも、敵キャラクタ「キョウ」のバトルチャンス演出によって示されるボーナス当選の期待度と、敵キャラクタ「ミー」のバトルチャンス演出によって示されるボーナス当選の期待度との差が大きくなる。よって、どちらの演出が実行されるのかに対する遊技者の関心を強めることが可能となっており、このような演出の意義付けにより特定日時以降の遊技興趣を高めることが可能となっている。
8.変更例
次に、変更例(第2形態とその他の変更例)について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のスロットマシン1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
〈第2形態〉
第2形態の遊技機について図34〜図48に基づいて説明する。第2形態の遊技機はパチンコ遊技機である。このパチンコ遊技機では、第1期間、第2期間、第3期間、第4期間と移行していくにつれて、SPリーチの演出(遊技演出)としてどの種類の演出が選択されるかの振り分け率が変化するようになっている(図48参照)。
(パチンコ遊技機の構造)
図34に示すように、第2形態のパチンコ遊技機501は、遊技機枠550と、遊技機枠550内に取り付けられた遊技盤502とを備えている。遊技機枠550のうちの前面枠551には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)560、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)561、及び打球供給皿561に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)562が設けられている。また前面枠551には、装飾用の枠ランプ566、及び、音を出力するスピーカ567が設けられている。また前面枠551には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン563が設けられている。
次に、図35を参照して遊技盤502について説明する。図35に示すように、遊技盤502には、ハンドル560の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域503が、レール部材504で囲まれて形成されている。また遊技盤502には、装飾用の盤ランプ505(図37参照)が設けられている。遊技領域503には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域503の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段の一例)507が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置507の表示画面(表示部)507aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)508L,508C,508Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄508L,508C,508Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄508Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄508Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄508Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置507は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器541aおよび第2特別図柄表示器541bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器541aや第2特別図柄表示器541bにより把握するのではなく、画像表示装置507にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置507は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面507aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置507の表示画面507aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像509を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像509の表示により、後述の第1特図保留表示器543aにて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器543bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域503の中央付近であって画像表示装置507の前方には、センター装飾体510が配されている。センター装飾体510の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口520へと誘導可能なステージ部511が形成されている。またセンター装飾体510の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部511へ遊技球を流出させるワープ部512が設けられている。さらにセンター装飾体510の上部には、文字や図形等を表した装飾部材513が配されている。
遊技領域503における画像表示装置507の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)520を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)519が設けられている。第1始動口520への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域503における第1始動口520の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)521を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)522が設けられている。電チュー522を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口521への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー522は、前後に進退可能な開閉部材(可動部材)523を備え、開閉部材523の作動によって第2始動口521を開閉するものである。開閉部材523は、電チューソレノイド524(図36参照)により駆動される。開閉部材523が開状態(前方に進出した状態)にあるときには、第2始動口521への遊技球の入球が可能となり、閉状態(後方に退避した状態)にあるときには、第2始動口521への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口521は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、進退式ではない開閉部材を有するものでもよく、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域503における第1始動口520の右方には、大入賞口(特別入賞口)530を備えた大入賞装置(特別入賞手段や特別可変入賞装置ともいう)531が設けられている。大入賞装置531は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)532を備え、開閉部材532の作動により大入賞口530を開閉するものである。開閉部材532は、大入賞口ソレノイド533(図36参照)により駆動される。大入賞口530は、開閉部材532が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
センター装飾体510の右方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)528が設けられている。ゲート528への遊技球の通過は、電チュー522を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域503の下部には、複数の普通入賞口527が設けられている。また遊技領域503の最下部には、遊技領域503へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域503外へ排出するアウト口506が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域503には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)503Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)503Bとがある。左遊技領域503Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域503Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機501では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口520と、電チュー522と、アウト口506とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口520への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー522が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート528と、大入賞装置531と、電チュー522と、アウト口506とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート528への通過や、第2始動口521及び大入賞口530への入賞を狙うことができる。
また図35に示すように、遊技盤502の右下部には表示器類540が配置されている。表示器類540には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器541a(第1の図柄表示手段)、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器541b(第2の図柄表示手段)、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器542が含まれている。また表示器類540には、第1特別図柄表示器541aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器543a、第2特別図柄表示器541bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器543b、および普通図柄表示器542の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器544が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口520への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口521への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器541aおよび第2特別図柄表示器541bを総称して特別図柄表示器541ということがある。また、第1特図保留表示器543aおよび第2特図保留表示器543bを総称して特図保留表示器543ということがある。
特別図柄表示器541では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口520又は第2始動口521への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口530を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器541は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機501では、第1始動口520または第2始動口521への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部585(図36参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口520への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部585a(図36参照)に記憶され、第2始動口521への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部585b(図36参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部585に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部585に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機501では、第1始動口520または第2始動口521への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器543に表示される。具体的には特図保留表示器543はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート528への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器542では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート528への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口521を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口521の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器542は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機501では、ゲート528への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部586(図36参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部586に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部586に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機501では、ゲート528への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器544に表示される。具体的には普図保留表示器544は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
(パチンコ遊技機の電気的構成)
次に図36及び図37に基づいて、本パチンコ遊技機501における電気的な構成を説明する。図36及び図37に示すようにパチンコ遊技機501は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)580、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)590、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板610等を備えている。主制御基板580は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板590は、後述する画像制御基板600、サブ駆動基板607、および音声制御基板606とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板590を備え、演出手段(画像表示装置507や盤ランプ505、枠ランプ566、スピーカ567、後述する盤可動体等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機501は、電源基板690を備えている。電源基板690は、主制御基板580、サブ制御基板590、及び払出制御基板610に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板690には、バックアップ電源回路691が設けられている。バックアップ電源回路691は、本パチンコ遊技機501に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板580のRAM584やサブ制御基板590のRAM594に対して電力を供給する。従って、主制御基板580のRAM584やサブ制御基板590のRAM594に記憶されている情報は、パチンコ遊技機501の電断時であっても保持される。また、電源基板690には、電源スイッチ692が接続されている。電源スイッチ692のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板580のRAM584に対するバックアップ電源回路を主制御基板580に設けたり、サブ制御基板590のRAM594に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板590に設けたりしてもよい。
図36に示すように、主制御基板580には、プログラムに従ってパチンコ遊技機501の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)581が実装されている。遊技制御用マイコン581には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM583、ワークメモリとして使用されるRAM584、ROM583に記憶されたプログラムを実行するCPU582、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)587が含まれている。RAM584には、上述した特図保留記憶部585と普図保留記憶部586とが設けられている。なお、ROM583は外付けであってもよい。
また、主制御基板580には、中継基板588を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板580には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板580から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ520a、第2始動口センサ521a、ゲートセンサ528a、大入賞口センサ530a、および普通入賞口センサ527aが接続されている。
第1始動口センサ520aは、第1始動口520内に設けられて、第1始動口520に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ521aは、第2始動口521内に設けられて、第2始動口521に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ528aは、ゲート528内に設けられてゲート528を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ530aは、大入賞口530内に設けられて大入賞口530に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ527aは、各普通入賞口527内に設けられて普通入賞口527に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド524、および大入賞口ソレノイド533が接続されている。電チューソレノイド524は、電チュー522の開閉部材523を駆動するものである。大入賞口ソレノイド533は、大入賞装置531の開閉部材532を駆動するものである。
さらに主制御基板580には、特別図柄表示器541、普通図柄表示器542、特図保留表示器543、および普図保留表示器544が接続されている。すなわち、これらの表示器類540の表示制御は、遊技制御用マイコン581によりなされる。
また主制御基板580は、払出制御基板610に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板610から信号を受信する。払出制御基板610には、賞球払出装置620、貸球払出装置630およびカードユニット635(パチンコ遊技機501に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路611を介して発射装置612が接続されている。発射装置612には、ハンドル560(図34参照)が含まれる。
払出制御基板610は、遊技制御用マイコン581からの信号や、パチンコ遊技機501に接続されたカードユニット635からの信号に基づいて、賞球払出装置620の賞球モータ621を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置630の球貸モータ631を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ622により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ632により検知される。なお遊技者による発射装置612のハンドル560(図34参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ614がハンドル560への接触を検知し、発射ボリューム615がハンドル560の回転量を検知する。そして、発射ボリューム615の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ613が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機501においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板580は、サブ制御基板590に対し各種コマンドを送信する。主制御基板580とサブ制御基板590との接続は、主制御基板580からサブ制御基板590への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板580とサブ制御基板590との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図37に示すように、サブ制御基板590には、プログラムに従ってパチンコ遊技機501の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)591が実装されている。演出制御用マイコン591には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM593、ワークメモリとして使用されるRAM594、ROM593に記憶されたプログラムを実行するCPU592、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)597が含まれている。なお、ROM593は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板590には、リアルタイムクロック(RTC)599が実装されている。RTC599は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC599は、日時計測手段に相当する。RTC599は、パチンコ遊技機501に島電源供給装置(図示せず)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板690が備えるバックアップ電源回路691から供給される電力によって動作する。このため、RTC599は、パチンコ遊技機501の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC599に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板590に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
なお、ホールでは、複数台のパチンコ遊技機501が並設されて1つの遊技島が構成される。同じ遊技島に属する各パチンコ遊技機501は、共通の島電源供給装置に電気的に接続される。このため、遊技島内の各パチンコ遊技機501の個別の電源スイッチ692を「ON」にした状態で、島電源供給装置の電源を入れると、遊技島内の全てのパチンコ遊技機501を一斉に起動させることができる。
また、サブ制御基板590には、画像制御基板600、音声制御基板606、サブ駆動基板607が接続されている。サブ制御基板590の演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板600のCPU602に画像表示装置507の表示制御を行わせる。画像制御基板600のRAM604は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板600のROM603には、画像表示装置507に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板600のCPU602は、演出制御用マイコン591からの指令に基づいてROM603から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板606を介してスピーカ567から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ567から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板590のROM593に格納されている。なお、音声制御基板606にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板606にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ567を画像制御基板600に接続し、画像制御基板600のCPU602に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板600のROM603に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板607を介して枠ランプ566や盤ランプ505等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン591は、枠ランプ566や盤ランプ505等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ566や盤ランプ505などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板590のROM593に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板607に接続された盤可動体駆動モータ515aを駆動させる。盤可動体駆動モータ515aは、盤可動体の駆動源である。盤可動体は、図35では図示を省略したが、センター装飾体510に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン591は、盤可動体の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板590のROM593に格納されているデータを用いる。なお、サブ駆動基板607にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板607にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板590には、演出ボタン検出スイッチ(SW)563aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ563aは、演出ボタン563(図34参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン563が押されると演出ボタン検出スイッチ563aからサブ制御基板590に対して検知信号が出力される。
なお図36及び図37は、あくまで本パチンコ遊技機501における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図36及び図37に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板580を除いて、図36又は図37に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図36又は図37に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
(大当たり等の説明)
次に、本形態のパチンコ遊技機501における大当たり等に関して説明する。本形態のパチンコ遊技機501では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器541に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器541に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口530を開放させる「大当たり遊技」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図38に示す通りである。図38に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。「特定大当たり」は、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。「通常大当たり」は、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態)に制御する大当たりである。
より詳細には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「特定大当たり」及び「通常大当たり」は、1Rから8Rまでは大入賞口530を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口530を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器541aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。また、特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器541aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「特定大当たり」及び「通常大当たり」は、1Rから16Rまで大入賞口530を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器541bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。また、特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器541bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機501では、「特定大当たり」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、後述の高確率状態に制御される。また、高確率状態中は後述する時短状態にも制御される。なお、高確率状態は次の大当たりに当選するまで継続する。
一方、「通常大当たり」に当選した場合には、大当たり遊技の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)に制御される。通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ここで本パチンコ遊技機501では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図39(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口520又は第2始動口521への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面507a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート528への通過に基づいて取得される乱数には、図39(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー522を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
(遊技状態の説明)
次に、本形態のパチンコ遊技機501の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機501の特別図柄表示器541および普通図柄表示器542には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器541の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図40(A)参照)。つまり、特別図柄表示器541の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器541による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図41参照)。つまり、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器541の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器542の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器542の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図40(D)参照)。つまり、普通図柄表示器542の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器542による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(図40(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー522の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図42参照)。すなわち、電チュー522の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー522の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図42参照)。すなわち、電チュー522の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器542の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー522の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー522が頻繁に開放され、第2始動口521へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー522により第2始動口521への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器542の確率変動機能、普通図柄表示器542の変動時間短縮機能、電チュー522の開放時間延長機能、および電チュー522の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー522が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機501では、特定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。すなわち高確高ベース状態は、実質的には次の大当たりに当選するまで継続する。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機501を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域503B(図35参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー522が開放されやすくなっており、第1始動口520への入賞よりも第2始動口521への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート528へ遊技球を通過させつつ、第2始動口521へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機501では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域503A(図35参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー522が開放されにくくなっており、第2始動口521への入賞よりも第1始動口520への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口520へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
(遊技制御用マイコン581の動作)
次に、図43および図44に基づいて遊技制御用マイコン581の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン581の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM584に設けられている。
[主制御メイン処理]主制御基板580に備えられた遊技制御用マイコン581は、パチンコ遊技機501の電源がオンされると、ROM583から図43に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS7001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU582の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。なお初期設定(S7001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S7001)に次いで、割り込みを禁止し(S7002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)では、図39に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン581に内蔵されていてもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)が終了すると、割り込みを許可する(S7004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S7005)は、例えば4msec周期でCPU582に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S7005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU582に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S7004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)について説明する。図44に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)ではまず、遊技制御用マイコン581は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、当たりの種類を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S7101)。
次に、遊技制御用マイコン581は、入力処理を行う(S7102)。入力処理(S7102)では、主にパチンコ遊技機501に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ520a、第2始動口センサ521a、大入賞口センサ530a、普通入賞口センサ527a等(図36参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM584の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン581は、始動口センサ検出処理(S7103)、特別動作処理(S7104)、および普通動作処理(S7105)を実行する。始動口センサ検出処理(S7103)では、第1始動口センサ520a又は第2始動口センサ521aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図39(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ528aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図39(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S7104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(図40(A)(B)(C),図41参照)を用いて判定する。具体的にはまず、大当たり乱数を大当たり判定テーブル(図40(A)参照)を用いて判定する。この判定において大当たりに当選していれば、さらに、当たり種別乱数を当たり種別判定テーブル(図40(B)参照)を用いて判定する。
そして、大当たりに当選している場合も、ハズレの場合も、変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブル(図41参照)を用いて判定する。図41に示すように、変動パターンの判定では、時短状態であるか否かに応じて、異なるテーブルが用いられる。時短状態においても非時短状態においても、大当たりに当選している場合には、大当たり用の特図変動パターン判定テーブルに基づいて変動パターン乱数を判定する。これに対して、ハズレの場合には、リーチ乱数をリーチ判定テーブル(図40(C)参照)を用いて判定し、この判定において「リーチ有り」と判定した場合には、リーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルを用いて変動パターン乱数を判定し、「リーチ無し」と判定した場合には、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルを用いて変動パターン乱数を判定する。なお、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルは、保留球数が所定数以上(非時短状態では「3」以上、時短状態では「2」以上)の場合に、変動時間の短い変動パターン(P22やP52)が選択されるようになっている。
図41に示すように、大当たり当選時の変動パターンとしては、95%の割合で「SPリーチ」の変動パターン(P1やP31)が選択され、5%の割合で「ノーマルリーチ」の変動パターン(P2やP32)が選択される。これに対して、リーチ有りハズレ時の変動パターンとしては、35%の割合で「SPリーチ」の変動パターン(P11やP41)が選択され、65%の割合で「ノーマルリーチ」の変動パターン(P12やP42)が選択される。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されているリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
変動パターンの判定を終えると、遊技制御用マイコン581は、選択した変動パターンの情報(図41に示すP1等の情報)を含む変動開始コマンド(変動情報)をRAM584の出力バッファにセットする。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を特別図柄表示器541にて行う。大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たり図柄を停止表示した後に、大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図38参照)に従って大入賞口530を開放させる大当たり遊技を行う。
普通動作処理(S7105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図40(D)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄の変動表示における変動時間は、時短状態であるか否かに応じて異なる時間に設定される(図40(E)参照)。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図42参照)に従って電チュー522を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン581は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板590等に出力する出力処理(S7106)を行う。
(演出制御用マイコン591の動作)
以上の遊技制御用マイコン581における処理と並行して、演出制御用マイコン591は図45〜図47に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン591の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン591の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM594に設けられている。
[サブ制御メイン処理]サブ制御基板590に備えられた演出制御用マイコン591は、パチンコ遊技機501の電源がオンされると、ROM593から図45に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S8001)。CPU初期化処理(S8001)では、スタックの設定、定数設定、CPU592の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM594の内容が正常であるか否かを判定する(S8002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM594の初期化をして(S8003)、期間フラグ設定処理(S4002)を行う。一方、判定結果がYESであれば(S8002でYES)、RAM594の初期化をせずに、期間フラグ設定処理(S4002)を行う。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM594内容が正常でない場合には(S8002でNO)、RAM594を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM594内容が正常に保たれている場合には(S8002でYES)、RAM594を初期化しない。なお、RAM594を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。
期間フラグ設定処理(S4002)は、図26に示した第1形態のものと同じ処理である。つまり、演出制御用マイコン591は、RTC599(図37参照)が計測している日時の情報に基づいて、現在が第1期間〜第4期間(図30(B)参照)のうちのどの期間に属するかを特定し、その期間に対応する値に期間フラグの値を設定する。
続いて演出制御用マイコン591は、割り込みを禁止する(S8005)。次いで、乱数更新処理を実行する(S8006)。乱数更新処理(S8006)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板580が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板580が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S8006)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S8007)。コマンド送信処理では、サブ制御基板590のRAM594内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板600に送信する。コマンドを受信した画像制御基板600は、コマンドに従い画像表示装置507を用いて各種の演出(装飾図柄変動演出や、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、デモ演出等)を実行する。なお、画像制御基板600による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板590は、音声制御基板606を介してスピーカ567から音声を出力したり、サブ駆動基板607を介して盤ランプ505や枠ランプ566を発光させたり、盤可動体(盤可動体駆動モータ515a)を駆動させたりする。演出制御用マイコン591は続いて、割り込みを許可する(S8008)。以降、ステップS8005〜S8008をループさせる。割り込み許可中においては、サブ側タイマ割り込み処理(S8009)の実行が可能となる。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン591は、図46に示すサブ側タイマ割り込み処理(S8009)を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S8101)を行う。なお、受信コマンド解析処理は、主制御基板580から受信した各種のコマンドに応じて、実行すべき演出の設定等を行う処理である。
次に演出制御用マイコン71は、演出ボタン処理(S8102)を行う。演出ボタン処理では、演出ボタン検出スイッチ563a(図37参照)からの信号を読み込んで、演出ボタン563の操作がなされたか否かを判定する。そして、演出ボタン検出スイッチ563aからの信号に基づいて、実行すべき演出の設定等を行う。
続いて演出制御用マイコン591は、音声制御処理(S8103)を行う。音声制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定(受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出に合うタイミングで音声等をスピーカ567から出力させるべく、音声データ(スピーカ567からの音声の出力を制御するデータ)の作成や、音声制御基板606への出力を行う。
次に演出制御用マイコン591は、ランプ制御処理(S8104)を行う。ランプ制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定に基づいて、その演出に合うタイミングで盤ランプ505や枠ランプ566を発光させるべく、ランプデータ(盤ランプ505や枠ランプ566の点灯を制御するデータ)を作成したり、そのランプデータをサブ駆動基板607に出力したりする。つまり、ランプデータに従って、盤ランプ505や枠ランプ566を所定の発光態様で発光させる。
続いて演出制御用マイコン591は、可動体制御処理(S8105)を行う。可動体制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定に基づいて、その演出に合うタイミングで盤可動体(盤可動体駆動モータ515a)を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体の駆動ためのデータ)を作成したり、その駆動データをサブ駆動基板607に出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体を所定の動作態様で駆動させる。
[受信コマンド解析処理]図47に示すように、受信コマンド解析処理(S8101)では演出制御用マイコン591はまず、遊技制御用マイコン581から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S8201)。受信していなければ、ステップS8204に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S8202)を行う。
変動演出パターン選択処理では(S8202)、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果や期間フラグの値等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。具体的には例えば、変動開始コマンドの解析結果がSPリーチの変動パターン(P1,P11,P31,P41)を示している場合には、図48に示すSPリーチ時の変動演出パターン決定テーブルを用いて、変動演出パターンを決定する。
ここで、変動開始コマンドが示す変動パターンがP1又はP31である場合、つまり大当たり当選時のSPリーチの変動パターンである場合には、勝利のバトルチャンス演出を選択する。これに対して、変動開始コマンドが示す変動パターンがP11又はP41である場合、つまりリーチ有りハズレ時のSPリーチの変動パターンである場合には、敗北のバトルチャンス演出を選択する。バトルチャンス演出は、第1形態のものと同じである(図31及び図32参照)。つまり本形態では、所謂SPリーチの演出として、バトルチャンス演出が実行される。なおバトルチャンス演出中は、表示画面507aの左上隅の領域にてリーチ状態の演出図柄が小さく表示されるものとする。
バトルチャンス演出の種類も、第1形態と同様である。つまり、勝利のバトルチャンス演出としては、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ1)、「ロゴvsヨウ」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ2)、「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ3)、「ロゴvsセイ」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ4)の4種類があり、敗北のバトルチャンス演出としては、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ5)、「ロゴvsヨウ」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ6)、「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出(変動演出パターンQ7)の3種類がある。
そして第2形態のパチンコ遊技機501においても、第1形態のスロットマシン1と同様、バトルチャンス演出としてどの演出が選択されるかの振り分け率が、現在が第1期間〜第4期間のうちのいずれの期間であるかに応じて、変化するように構成されている。つまり、期間フラグの値が第1期間(2016年12月1日〜2016年12月7日)に対応する値「1」であれば、第1期間用の変動演出パターン決定テーブルを用いて変動演出パターンを選択する。また、期間フラグの値が第2期間(2016年12月8日〜2016年12月14日)に対応する値「2」であれば、第2期間用の変動演出パターン決定テーブルを用いて変動演出パターンを選択する。また、期間フラグの値が第3期間(2016年12月15日〜2016年12月21日)に対応する値「3」であれば、第3期間用の変動演出パターン決定テーブルを用いて変動演出パターンを選択する。また、期間フラグの値が第4期間(2016年12月22日以降)に対応する値「4」であれば、第4期間用の変動演出パターン決定テーブルを用いて変動演出パターンを選択する。なお、各期間における各演出の振り分け率は、第1形態と同様である。変動演出パターン選択処理(S8202)において選択された変動演出パターンの情報はRAM594の所定の記憶領域に格納される。なお、変動演出パターン選択処理(S8202)においては、変動演出パターン(変動演出の演出パターン)の選択とともに、変動演出に伴って実行する予告演出(リーチ状態になる期待度や大当たり当選の期待度を示す演出)の選択も行うものとする。
このような変動演出パターン選択処理(S8202)に続いて、演出制御用マイコン591は、ステップS8202で選択した変動演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドをRAM594の出力バッファにセットする(S8203)。そして、ステップS8204に進む。ステップS8204では、演出制御用マイコン591は、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行う。そして、本処理を終える。
変動演出パターン選択処理(S8202)でバトルチャンス演出の変動演出パターンが選択され、その変動演出パターンを示す変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S8007)にて画像制御基板600に送信されると、そのコマンドを受信した画像制御基板600は、所定のタイミングで、画像表示装置507の表示画面507aにバトルチャンス演出の演出画像(図31及び図32参照)を表示させることとなる。
(第2形態の効果等)
以上詳細に説明した第2形態のパチンコ遊技機501では、第1形態のスロットマシン1と同様の効果を奏する。つまり、第1期間においてはどの種類のSPリーチの演出(バトルチャンス演出)も、ほぼ同じ振り分け率で実行される(図48参照)。したがって、さまざまな種類の演出を遊技者に披露することが可能となっており、これにより導入開始直後の遊技興趣を高めることが可能となっている。
また、第2期間、第3期間と期間が経過していくと、バトルチャンス演出における敵キャラクタの意義付けがはっきりとなされていく。つまり、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出(SPリーチ演出Aとする)は大当たり期待度が高く、「ロゴvsヨウ」のバトルチャンス演出(SPリーチ演出Bとする)は大当たり期待度が中程度であり、「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出(SPリーチ演出Cとする)は大当たり期待度が低い、といった意義付けがなされていく。これにより、どの敵キャラクタのバトルチャンス演出が実行されるのかに遊技者の関心を持たせることが可能となり、このことによる遊技興趣の向上を期待することが可能となっている。
また、第4期間になると、それまでの期間では実行されることのなかった「ロゴvsセイ」のバトルチャンス演出(SPリーチ演出Dとする)が、勝利確定(大当たり確定)のプレミアム演出として実行され得るようになる。したがって、このプレミアム演出の実行に期待させることにより、遊技興趣のさらなる向上を図ることが可能となっている。
なお第2形態のパチンコ遊技機501では、非時短状態中のバトルチャンス演出の振り分け率も、時短状態中のバトルチャンス演出の振り分け率も、第1期間〜第4期間のいずれの期間であるかに応じて変化するように構成した。これに対して、非時短状態中若しくは時短状態中のいずれかの遊技状態におけるバトルチャンス演出の振り分け率のみ、第1期間〜第4期間のいずれの期間であるかに応じて変化するように構成してもよい。具体的には例えば、演出制御用マイコン591が受信した変動開始コマンドがP1やP11の変動パターンを示すとき、つまり非時短状態中であるときには、期間フラグの値に応じて異なるテーブルで変動演出パターンを決定するが、演出制御用マイコン591が受信した変動開始コマンドがP31やP41の変動パターンを示すとき、つまり時短状態中であるときには、第1期間〜第4期間のいずれであるかに関係なく、例えば第4期間用の変動演出パターン決定テーブルで変動演出パターンを決定する構成としてもよい。
また第2形態では、現在の日時に応じて振り分け率が変化する遊技演出を、SPリーチの演出としたが、変動演出に伴って実行される予告演出の振り分け率が、現在の日時に応じて変化する構成としてもよい。
また第2形態では、RTC599をサブ制御基板590に設けたが、遊技制御用マイコン581の処理負担の増加を許容すれば、RTCを主制御基板580に設けてもよい。この場合、主制御基板580の遊技制御用マイコン581によって選択される変動パターンとして、SPリーチの変動パターンを複数種類設け、RTC情報が示す日時が特定日時に至っているか否かで、複数種類のSPリーチの変動パターン(例えば第1SPリーチの変動パターン、第2SPリーチの変動パターン)のうちいずれが選択されるかの振り分け率を変化させるとよい。またこの場合、サブ制御基板70の演出制御用マイコン591は、受信した変動開始コマンドが示す変動パターンが例えば第1SPリーチの変動パターンであれば、必ず「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出を選択し、第2SPリーチの変動パターンであれば、必ず「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出を選択する構成としてもよいし、第1SPリーチの変動パターンである場合や第2SPリーチの変動パターンである場合において、さらに抽選により、実行するSPリーチの演出の種類を複数の演出の中から選択する構成としてもよい。なお、遊技制御用マイコン581が選択可能な複数種類のSPリーチの変動パターンは、互いに変動時間が異なるものであってもよい。
また第2形態では、第1始動口520又は第2始動口521への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また第2形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞装置内の特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記した第2形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
なお第2形態のパチンコ遊技機501では、特別動作処理(S7104)において大当たり抽選の処理を行う遊技制御用マイコン581が、本発明の「抽選手段」を構成する。また、変動演出を画像表示装置507に実行させ得る演出制御用マイコン591が、本発明の「演出制御手段」を構成する。また、変動演出パターン選択処理(S8202)を実行する演出制御用マイコン591が、本発明の「演出選択手段」を構成する。また、図48に示す第1期間用の変動演出パターン決定テーブル(第1期間用テーブル)が、本発明の「第1の演出決定基準データ」の一例であり、図48に示す第2期間用の変動演出パターン決定テーブル(第2期間用テーブル)が、本発明の「第2の演出決定基準データ」の一例である。また、ROM593が、本発明の「記憶手段」に相当する。また、RTC599が、本発明の「日時計測手段」に相当する。
なお、この第2形態には、以下に示す構成1〜構成3の遊技機の発明が示されている。以下の説明では、第2形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
(構成1の遊技機)
遊技領域(503)に配された入球口(第1始動口520又は第2始動口521)への入球に基づいて、特別入賞口(大入賞口530)を開放する特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かの抽選を実行可能な特別遊技抽選手段(特別動作処理(S7104)において大当たり抽選の処理を行う遊技制御用マイコン581)と、
前記特別遊技抽選手段による抽選の結果を示唆又は報知する遊技演出(変動演出)を、演出手段(画像表示装置507)に実行させ得る演出制御手段(ステップS8203,S8007等の処理により変動演出を画像表示装置507に実行させ得る演出制御用マイコン591)と、を備えている遊技機(パチンコ遊技機501)であって、
前記演出制御手段が実行させる前記遊技演出を、少なくとも第1演出(「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出)と第2演出(「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出)とを含む演出群の中から選択可能な演出選択手段(変動演出パターン選択処理(S8202)を実行する演出制御用マイコン591)と、
前記特別遊技抽選手段による抽選の結果が特定の抽選結果(大当たり当選)である場合に第1の確率で前記第1演出が選択され、第2の確率で前記第2演出が選択されるように規定された第1の演出決定基準データ(図48に示すSPリーチ時の変動演出パターン決定テーブルのうち第1期間用テーブル)と、前記特別遊技抽選手段による抽選の結果が前記特定の抽選結果(大当たり当選)である場合に前記第1の確率とは異なる第3の確率で前記第1演出が選択され、前記第2の確率とは異なる第4の確率で前記第2演出が選択されるように規定された第2の演出決定基準データ(図48に示すSPリーチ時の変動演出パターン決定テーブルのうち第1期間用テーブル)と、を記憶している記憶手段(ROM593)と、
現在の日時を計測可能な日時計測手段(RTC599)と、を備え、
前記演出選択手段は、
前記日時計測手段による現在の日時が予め定めた特定日時(2016年12月8日午前0時00分00秒)になるまでは、前記第1の演出決定基準データに基づいて前記遊技演出の選択を行う一方、
前記日時計測手段による現在の日時が前記特定日時になると、前記第2の演出決定基準データに基づいて前記遊技演出の選択を行うものであることを特徴とする遊技機。
構成1の遊技機によれば、特定日時になる前となった後とで、特別遊技抽選手段による抽選の結果が特定の抽選結果である場合の第1演出と第2演出の発生率が変化する。したがって、演出内容を変えることなく、演出の意義付けを変えることが可能となり、演出に対する遊技者の飽きが生じ難い遊技機とすることが可能となる。
なお、従来から、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、始動口(入球口)への入賞に基づいて、大入賞口(特別入賞口)を開放する特別遊技を実行するか否かを決める抽選を行っている。そして、その抽選の結果を遊技者に示すために種々の演出を実行している。例えば特開2016−129757号公報には、大当たり当選時には、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出を行い、ハズレ時には、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出を行う遊技機が記載されている。この遊技機は、敵キャラクタが異なる複数種類の演出を実行可能に構成されている。そして、どの敵キャラクタの演出が実行されるか次第で、特別遊技を実行する旨の抽選結果であることに対して、異なる期待度が遊技者に示されるようになっている。
しかしながら、上記文献に記載の遊技機では、複数種類の演出の中からどの演出を行うかの振り分け率は、ホール(遊技店)への導入からどのくらい日数が経過しているかにかかわらず常に一定であった。すなわち、ホールに導入されたばかりの頃であっても、導入からある程度の日数が経過した頃であっても、実行される演出のバランスに違いが生じることはなかった。よって、何度か遊技を行って演出を見慣れてきた遊技者にとっては、導入直後に比べて演出に面白味を感じられなくなってしまうことが起こり得た。
これに対して、構成1の遊技機では、演出の実行バランスに関する工夫により、導入開始からある程度の日数が経過しても遊技興趣が低下し難くなっている。
(構成2の遊技機)
構成1の遊技機であって、
遊技の進行を制御するメイン制御部(主制御基板580)と、
遊技の進行に伴って演出を制御するサブ制御部(サブ制御基板590等)と、を備え、
前記メイン制御部は、
前記特別遊技抽選手段と、
前記特別遊技抽選手段による抽選の結果を示す図柄(特別図柄)を所定の図柄表示手段(第1特別図柄表示器541a又は第2特別図柄表示器541b)にて変動表示を経て停止表示させる図柄表示制御手段(特別動作処理(S7104)において特別図柄を変動表示させたり停止表示させたりする処理を行う遊技制御用マイコン581)と、
前記図柄の変動表示における変動パターンを選択する変動パターン選択手段(特別動作処理(S7104)において特別図柄の変動パターンを選択する処理を行う遊技制御用マイコン581)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンの情報を含む変動情報(変動開始コマンド)を前記サブ制御部に送信する送信手段(出力処理(S7106)を行う遊技制御用マイコン581)と、を備え、
前記サブ制御部は、
前記演出制御手段と、
前記演出選択手段と、
前記記憶手段と、
前記日時計測手段と、を備え、
前記変動パターン選択手段は、
前記図柄の変動表示に伴ってSPリーチの遊技演出が行われる予定の特別変動パターン(図41に示す変動パターンP1,P11,P31,P41)を選択可能なものであり、
前記演出選択手段は、
前記送信手段により送信された変動情報が示す変動パターンが前記特別変動パターンである場合に、前記SPリーチの遊技演出として前記第1演出及び前記第2演出を含む演出群の中から演出を選択するものであることを特徴とする遊技機。
構成2の遊技機によれば、メイン制御部(変動パターン選択手段)が選択する変動パターンの振り分け率を特定日時の前後で変えなくても、サブ制御部(演出選択手段)が選択するSPリーチの遊技演出の振り分け率が特定日時の前後で変わる。したがって、メイン制御部の処理負担を増やすことなく、SPリーチの遊技演出として第1演出と第2演出のいずれが実行されるかの振り分け率を、特定日時の前後で変化させることが可能となる。
(構成3の遊技機)
構成1又は構成2の遊技機であって、
前記第2の演出決定基準データは、
前記特別遊技抽選手段による抽選の結果が前記特別遊技を実行する旨の特定の抽選結果であることに対する期待度が前記第1演出よりも前記第2演出の方が高く設定されており、
前記第1の演出決定基準データは、
前記第1演出と前記第2演出との前記期待度の差が前記第2の演出決定基準データにおける差よりも小さく設定されている(図48参照)ことを特徴とする遊技機。
構成3の遊技機によれば、特定日時になる前は特定日時になった後よりも第1演出および第2演出によって示される期待度(特別遊技を実行する旨の特定の抽選結果であることに対する期待度)の差が小さい。つまり、どちらの演出も遊技者に披露され易くなっており、これにより導入開始直後の遊技興趣を高めることが可能である。一方、特定日時になった後は特定日時になる前よりも第1演出および第2演出によって示される期待度の差が大きくなる。よって、どちらの演出が実行されるのかに対する遊技者の関心を強めることが可能となり、このような演出の意義付けにより特定日時以降の遊技興趣を高めることが可能となる。
〈その他の変更例〉
上記した各形態において、特定日時の前後で第1演出および第2演出によって示される特定の抽選結果に対する期待度の高低が逆となる構成としてもよい。例えば、第1期間中は、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出(第1演出)よりも「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出(第2演出)の方が期待度が高く、第2期間になると、「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出よりも「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出の方が期待度が低くなるように構成してもよい。
また上記した各形態において、第1演出も第2演出もボーナス確定演出であり、特定日時の到来前はどちらの演出もほぼ同じ振り分け率で選択される設定となっており、特定日時の到来以降は、第2演出の方が発生し難い設定に変化する構成としてもよい。これによれば、特定日時の到来以降は第2演出をプレミアム演出として意義付けることが可能となる。
また上記した各形態において、第1期間中の「ロゴvsキョウ」のバトルチャンス演出(第1演出)の振り分け率(第1の確率)と、「ロゴvsミー」のバトルチャンス演出(第2演出)の振り分け率(第2の確率)とが全く同じ確率に設定されていてもよい。
また上記した各形態では、第1演出も第2演出もバトルチャンス演出としたが、第1演出と第2演出のうちの一方をバトルチャンス演出とし、第1演出と第2演出のうちの他方をバトルチャンス演出ではない演出としてもよい。バトルチャンス演出ではない演出としては例えば、主人公キャラクタが犬を助ける等のミッションに挑み、成功すればボーナス(大当たり)に当選していることの報知となり、失敗すればボーナス(大当たり)に当選していないことの報知となるようなミッション演出などが挙げられる。さらには、第1演出と第2演出の両方が、バトルチャンス演出ではない演出であってもよい。
また上記した第1形態では、入賞可能な役にBB(ビッグボーナス)があるとともに、RT状態中に押し順ナビの機能が作動するARTの遊技期間がある所謂A+ARTタイプのスロットマシンとして構成した。しかしながら、押し順ナビの機能を搭載しておらず、BBやRB(レギュラーボーナス)への入賞によって獲得メダルを増やす所謂Aタイプのスロットマシン(ノーマルタイプのスロットマシン)として構成してもよい。また、押し順ナビの機能は搭載しているが、入賞可能な役にBBのない所謂ATタイプのスロットマシンとして構成してもよい。ATタイプのスロットマシンとして構成した場合には、AT当選(ATに移行することの確定)を報知する遊技演出の振り分け率を現在の日時に応じて変化させる構成とすればよい。この場合には、ATに移行させるか否かの抽選が「遊技者に特典を付与するか否かを決める抽選」に相当する。
また上記した第1形態では、現在の日時に応じて振り分け率が変化する遊技演出を、ボーナスに当選しているか否かを報知する演出としたが、演出の内容はこのようなものでなくてもよく、適宜選択可能である。具体的には例えば、複数のミニキャラクタのいずれかが背景画像を横切る演出によって、特定の抽選結果である期待度(例えば内部当選役が「スイカ」である期待度)を示唆する遊技機とし、この演出において登場する各ミニキャラクタの出現率を、現在の日時に応じて変化させる構成としてもよい。
また上記した第1形態では、バトルチャンス演出は、1回のゲームで完結する演出としたが、連続する複数のゲームにわたって実行される連続演出として構成してもよい。具体的には例えば、1ゲーム目の開始時に図31(A)に示す演出を行い、2ゲーム目の開始時に図31(B1)、(B2)、又は(B3)に示す演出を行い、3ゲーム目の開始時に図31(C)に示す演出を行い、4ゲーム目の開始時に図31(D1)又は(D2)に示す演出を行う構成としてもよい。
また上記した第1形態では、バトルチャンス演出は、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作と操作を進めるにつれて演出が進行する構成としたが、スタートレバー8の操作を契機に、図31に示す一連の動画が全て再生される構成としてもよい。
また上記した第1形態では、BB当選後であってBB入賞前の遊技状態を非RT遊技状態としたが、BBに当選するとRT遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合のRT遊技状態は、押し順ナビを伴わないRT遊技状態、すなわち非ARTの状態とするとよい。
また上記した第1形態では、BB遊技状態の終了を条件に、押し順ナビを伴うRT遊技状態(ARTの状態)に移行する構成としたが、BB遊技状態が終了するとまず、押し順ナビを伴わないRT遊技状態(非ARTの状態、第1のRT遊技状態)に移行し、このRT遊技状態中に、特定の図柄の組み合わせが表示窓5L,5C,5R内の有効ラインL1〜L5上に表示されると、押し順ナビを伴うRT遊技状態(ARTの状態、第2のRT遊技状態)に移行する構成としてもよい。この場合、特定の図柄の組み合わせは、特定の役(例えば「特殊リプレイ」)に対応する図柄の組み合わせでもよいし、特定の役(例えば、押し順に正解すると入賞可能な「押し順リプレイ」)の取りこぼし目であってもよい。
また上記した第1形態では、設定されたRT回数のゲームが消化されると、押し順ナビを伴うRT遊技状態(ARTの状態)から非RT遊技状態に移行する構成としたが、押し順ナビを伴うRT遊技状態(第2のRT遊技状態)において、設定された回数のゲームが消化されると、まず押し順ナビが非作動となり、この押し順ナビを伴わないRT遊技状態(第3のRT遊技状態)において、特定の図柄の組み合わせが表示窓5L,5C,5R内の有効ラインL1〜L5上に表示されると、非RT遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合の特定の図柄の組み合わせは、特定の役(例えば、押し順に正解すると入賞可能な「押し順リプレイ」)の取りこぼし目など、任意の図柄の組み合わせとすればよい。
RT遊技状態の開始および終了と、押し順ナビの作動開始および作動終了とが別の条件にて行われる構成では、押し順ナビが作動するゲーム数(初期設定ゲーム数および上乗せゲーム数)を適宜抽選により決定する構成としてもよい。この場合の抽選は、遊技制御用マイコン61が行ってもよいし、演出制御用マイコン71が行ってもよい。抽選のタイミングは例えば、特定の遊技状態において特定の役に当選したときとすればよい。
また上記した第1形態では、RT回数の上乗せ抽選を行う構成としたが、RT回数の上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。
なお、本発明の始動条件とは、上記した第1形態のスロットマシン1では、遊技開始可能枚数(3枚)のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されることである。また上記した第2形態のパチンコ遊技機501では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、特図保留の数が「0」でないことである。
なお、本発明の始動条件とは、上記した第1形態のスロットマシン1では、遊技開始可能枚数(3枚)のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されることである。また上記した第2形態のパチンコ遊技機501では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、特図保留の数が「0」でないことである。
以下に、本発明について、[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記しつつ説明する。但し、本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉本発明に係る遊技機は、
所定の始動条件(例えば遊技開始可能枚数のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されること)が成立すると、遊技者に特典を付与するか否かを決める抽選を行う抽選手段(ステップS501〜S503等を実行する遊技制御用マイコン61)と、
前記抽選手段による抽選の結果を示唆又は報知する遊技演出(例えばバトルチャンス演出)を、演出手段(例えば画像表示装置42)に実行させ得る演出制御手段(ステップS4007等を実行する演出制御用マイコン71)と、を備えている遊技機(スロットマシン1)であって、
前記演出制御手段が実行させる前記遊技演出を、少なくとも第1演出(図30(A)のロゴvsキョウのバトルチャンス演出)と第2演出(図30(A)のロゴvsミーのバトルチャンス演出)とを含む演出群の中から選択可能な演出選択手段(ステップS4501〜S4503等を実行する演出制御用マイコン71)と、
前記抽選手段による抽選の結果が特定の抽選結果(例えば小役1とBBとの重複当選)である場合に第1の確率(34%)で前記第1演出が選択され、第2の確率(33%)で前記第2演出が選択されるように規定された第1の演出決定基準データ(図30(A)に示す小役1当選時の演出内容決定テーブルのうち第1期間用テーブル)と、前記抽選手段による抽選の結果が前記特定の抽選結果である場合に前記第1の確率とは異なる第3の確率(45%)で前記第1演出が選択され、前記第2の確率とは異なる第4の確率(20%)で前記第2演出が選択されるように規定された第2の演出決定基準データ(図30(A)に示す小役1当選時の演出内容決定テーブルのうち第2期間用テーブル)と、を記憶している記憶手段(ROM73)と、
現在の日時を計測可能な日時計測手段(RTC99)と、を備え、
前記演出選択手段は、
前記日時計測手段による現在の日時が予め定めた特定日時(2016年12月8日午前0時00分00秒)になるまでは、前記第1の演出決定基準データに基づいて前記遊技演出の選択を行う一方、
前記日時計測手段による現在の日時が前記特定日時になると、前記第2の演出決定基準データに基づいて前記遊技演出の選択を行うものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定日時になる前となった後とで、抽選手段による抽選の結果が特定の抽選結果である場合の第1演出と第2演出の発生率が変化する。したがって、演出内容を変えることなく、演出の意義付けを変えることが可能となり、演出に対する遊技者の飽きが生じ難い遊技機とすることが可能となる。
〈B〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記第2の演出決定基準データは、
前記抽選手段による抽選の結果が特定の抽選結果であることに対する期待度が前記第1演出よりも前記第2演出の方が高く設定されており、
前記第1の演出決定基準データは、
前記第1演出と前記第2演出との前記期待度の差が前記第2の演出決定基準データにおける差よりも小さく設定されている(図30(A)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定日時になる前は特定日時になった後よりも第1演出および第2演出によって示される期待度(特定の抽選結果であることに対する期待度)の差が小さい。つまり、どちらの演出も遊技者に披露され易くなっており、これにより導入開始直後の遊技興趣を高めることが可能である。一方、特定日時になった後は特定日時になる前よりも第1演出および第2演出によって示される期待度の差が大きくなる。よって、どちらの演出が実行されるのかに対する遊技者の関心を強めることが可能となり、このような演出の意義付けにより特定日時以降の遊技興趣を高めることが可能となる。