1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(所定の演出手段に相当)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
本形態では、大当たりに当選した場合には例えば「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には例えば「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握することが可能である。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像(特図保留画像)9Aを表示する第1演出保留表示エリア(第1保留表示領域17A、第2保留表示領域17B、第3保留表示領域17Cおよび第4保留表示領域17D)と、後述の第2特図保留の記憶数(本形態では、最大1個)に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。このうちの第1演出保留表示エリア(第1保留表示領域17A、第2保留表示領域17B、第3保留表示領域17Cおよび第4保留表示領域17D)が表示領域に相当する。
第1保留表示領域17Aにのみ演出保留画像9Aが表示されていれば、第1特図保留の数が1つであることを示している。第1保留表示領域17Aおよび第2保留表示領域17Bに演出保留画像9Aが表示されていれば、第1特図保留の数が2つであることを示している。第1保留表示領域17A、第2保留表示領域17Bおよび第3保留表示領域17Cに演出保留画像9Aが表示されていれば、特図保留の数が3つであることを示している。全ての保留表示領域17A〜17Dに演出保留画像9Aが表示されていれば、第1特図保留の数が4つであることを示している。また、表示画面7aに演出保留画像9Bが表示されていれば、第2特図保留の数が1つであることを示している。表示画面7aに演出保留画像9Bが表示されていなければ、第2特図保留がないことを示している。
こうして特図保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口に相当、第1始動入賞口、第1入球口ともいう)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(入球口に相当、第2始動入賞口、第2入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4,図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(記憶手段に相当)85a(図4,図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4,図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85aが4個、第2特図保留記憶部85bが1個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図4および図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4および図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御手段に相当)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御手段、演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。具体的には、第1特図保留記憶部85aは、図6(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域(第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域および第4記憶領域)からなる。また、図6(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した1つの記憶領域(第1記憶領域)からなる。各記憶領域は図6(c)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域および変動パターン乱数を記憶する領域である。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
また、RAM94には、図7(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図7(b)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域および第4記憶領域)に分けられている。また、第2特図保留演出記憶部95bは、図7(c)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して1つの記憶領域(第1記憶領域)からなる。
さらに各記憶領域には、図7(d)に示すように、2つの記憶領域が含まれている。これらの2つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド記憶領域、および、演出保留画像9A,9Bの表示態様を示すデータ(特図保留表示態様データ)を記憶する保留表示態様データ記憶領域である。なお、当該変動用演出記憶部95cにもこれら2つの記憶領域が含まれている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」がある。詳細には、第1特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」があり、第2特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」がある。すなわち、第2特別図柄の抽選で「ハズレ」となることはない。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図8に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」と「4R時短大当たり」と「15R時短大当たり」とがある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」および「4R時短大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
一方、特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従って、このときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
より詳細には、本形態では、図8に示すように、小当たりの種別として「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」とがある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「16R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には図8に示すように、時短小当たりAではおよそ4.6秒、時短小当たりBでは21秒、時短小当たりCおよび通常小当たりでは0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。なお、通過開放パターンは、通過用開放パターンに相当する。また、非通過開放パターンは、非通過用開放パターンに相当する。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「16R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
また、「16R時短小当たりB」および「16R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「16R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「16R通常小当たり」は、6R目から16R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。すなわち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
また、「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、16R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、16R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(a)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(b)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(e)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および、普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、図8に示すように、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」又は「16R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、「15R通常大当たり」又は「16R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(図8参照)。この遊技状態を特に「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するようにいわゆる先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づき特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前に、その始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。図12に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。また、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報、通常確率状態と高確率状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの遊技状態情報が含まれている。なお始動入賞コマンドは、少なくとも大当たりか否かの当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
次に、図14〜図31に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図32〜図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]図13に示すメイン側タイマ割り込み処理では遊技制御用マイコン81は、まず乱数更新処理(S101)を行う。この乱数更新処理(S101)では、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する。
次に、入力処理(S102)を行う。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a,第1大入賞口センサ30a,第2大入賞口センサ35a,普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、タイマ更新処理(S103)を行う。タイマ更新処理(S103)では、遊技の進行に用いられるタイマ類の更新を行う。
次いで、いずれも後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)および特定領域センサ検出処理(S108)を行う。その後、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S110)を行う。
[始動口センサ検出処理]図15に示すように、始動口センサ検出処理(S104)では遊技制御用マイコン81は、まずゲート28に遊技球が通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」に達していれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」未満であれば(S202でNO)、普通図柄保留球数に1加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図9(b))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞(入球)したか否か、すなわち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS211に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S206でYES)には、ステップS211に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に1加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(a)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域(図6(a)参照)に格納する。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には第1記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「2」の場合には第2記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「3」の場合には第3記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「4」の場合には第4記憶領域に取得した乱数値群を格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S209)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S209)では、ステップS208で第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納した乱数値群に基づき、始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定(生成)する。具体的には例えば、図12に示すような始動入賞コマンド特定テーブルを参照して、現在の特図1保留球数の値、現在の遊技状態、大当たり乱数の値、当たり種別乱数の値、リーチ乱数の値、および、変動パターン乱数の値から第1始動入賞コマンドを特定する。
なお本形態の第1始動入賞コマンドには、第1始動口20への入賞(入球)である旨の情報に加え、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS209で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S210)。
続いて、第2始動口21に遊技球が入賞(入球)したか否か、すなわち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S211)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合には(S211でNO)本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S211でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「1」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S212)。そして、特図2保留球数が「1」に達している場合には(S212でYES)本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S212でNO)、特図2保留球数に1加算する(S213)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S214)を行う。特図2関係乱数取得処理(S214)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(a)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(図6(b)参照)に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S215)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S215)では、ステップS214で第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納した乱数値群に基づき、始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定(生成)する。
なお本形態の第2始動入賞コマンドには、第2始動口21への入賞(入球)である旨の情報に加え、上述の第1始動入賞コマンドと同じく、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている。
続いて、ステップS215で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S216)、本処理を終える。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図16に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では遊技制御用マイコン81は、まず電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S304でYES)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(d)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図10(e)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S308)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ本処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図17に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図18に示すように、特別図柄待機処理(S902)では遊技制御用マイコン81は、まず第2始動口21の保留球数(すなわち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、すなわち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(すなわち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、すなわち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、すなわち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)および特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける特図2の保留情報をクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、すなわち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)および特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にはハズレがなく、大当たり当選となる場合を除けば必ず小当たり当選となる上、小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選がなされれば必ず大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)ようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは処理の流れが同じであるため、図19に基づいてまとめて説明する。図19に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)では遊技制御用マイコン81は、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また、特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(a))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図10(a)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(b)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「65299」の何れかと一致するか否か判定する(図10(a)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3500」の何れかと一致するか否か判定する(図10(a)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(b)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定した(S1109)後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)本処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。本形態では、特図1の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがある一方、特図2の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがないように、各抽選における小当たり当選確率が設定されている(図10(a)参照)。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れがほぼ同じであるため図20および図21に基づいてまとめて説明する。図20に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)では遊技制御用マイコン81は、まず遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて状態移行フラグがONかどうかを判定する(S1302)。状態移行フラグとは、非時短状態B、又は、時短状態Bであることを示すためのものである。非時短状態で状態移行フラグがONであれば、時短状態Bであることを示し、OFFであれば、時短状態Aであることを示す。なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)の場合にだけ行う。特図2変動パターン選択処理(S1003)の場合にはこの処理をスキップして、ステップS1305に進む。
特図1変動パターン選択処理(S1009)で状態移行フラグがONであれば(S1302でYES)、図11(a)に示す第1特別図柄の変動パターン判定テーブルから変動パターンとして「P51」を選択する(S1303)。この変動パターン「P51」は、変動時間が45000msで、演出内容が「SPリーチ」である。SPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、大当たり当選に対する期待度がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。
次いで、ステップS1304では、状態移行フラグをOFFにして、ステップS1322に進む。なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)で状態移行フラグがONでなければ(S1302でNO)、つまり状態移行フラグがOFFであれば、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1305)。ONであれば(S1305でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1306)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
またステップS1305において、大当たりフラグがONでなければ(S1305でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1307)。ONであれば(S1307でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。
またステップS1307において、小当たりフラグがONでなければ(S1307でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1309)。図10(c)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1309でYES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1309でNO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1311)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図21に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1311と同様の流れで処理(S1312〜S1321)を行う。すなわち、状態移行フラグがONかどうかを判定する(S1312)。なお、上述したように特図1変動パターン選択処理(S1009)の場合にだけ行い、特図2変動パターン選択処理(S1003)の場合には、この処理をスキップして、ステップS1315に進む。
特図1変動パターン選択処理(S1009)で状態移行フラグがONであれば(S1312でYES)、図11(a)に示す第1特別図柄の変動パターン判定テーブルから変動パターンとして「P61」を選択する(S1313)。この変動パターン「P61」は、変動時間が45000msで、演出内容が「SPリーチ」である。次いで、ステップS1314では、状態移行フラグをOFFにして、ステップS1322に進む。なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)で状態移行フラグがONでなければ(S1312でNO)、つまり状態移行フラグがOFFであれば、ステップS1315に進む。
ステップS1315では、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1315)。大当たりフラグがONであれば(S1315でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1316)。
また小当たりフラグがONであれば(S1317でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1318)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1319でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1320)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1319でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1321)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11(a),(b)に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図20に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1322)、本処理を終える。ステップS1322でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図22に示すように、特別図柄変動中処理(S904)では遊技制御用マイコン81は、まず特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、本処理を終える。
[特別図柄確定処理]図23に示すように、特別図柄確定処理(S906)では遊技制御用マイコン81は、まず特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)、ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。次いで、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする(S1610)。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1611)。小当たりフラグがONであれば(S1611でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1612)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1613)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1614)。
ステップS1614に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1615)。次いで、開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする(S1616)。その後、遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1617)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1611において小当たりフラグがONでなければ(S1611でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1618)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図24に示すように、遊技状態管理処理(S1602)では遊技制御用マイコン81は、まず時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている(図26参照)。この点については後述する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図25に示すように、特別電動役物処理1(S908)では遊技制御用マイコン81は、まず大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
続くステップS2005では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2005)では、ステップS2004での大入賞口の開放がラウンド遊技1回の中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2005では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2007)。規定入賞個数に達していなければ(S2007でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2008)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2008でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2007でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2008でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2009)。そして、開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2010)、開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2011)。「0」でなければ(S2011でNO)、次の開放を開始するためにそのまま本処理を終える。
一方、「0」であれば(S2011でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2012)、大当たりのエンディングを開始する(S2013)。そして、大当たり終了フラグをセットして本処理を終える(S2014)。
また、ステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2015)、エンディング時間が経過していなければ(S2015でNO)本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2015でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2016)、大当たりフラグをOFFする(S2017)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2018)、後述の遊技状態設定処理(S2019)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図26に示すように、遊技状態設定処理(S2019)では遊技制御用マイコン81は、まず今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「15R時短大当たり」又は「16R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は、次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、ステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102,S2103を行うことなく、本処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図27および図28に示すように、特別電動役物処理2(S909)では遊技制御用マイコン81は、まず小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入賞個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2306でYES)、又は、第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2307でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2308)。そして、開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2309)小当たり終了フラグをセットして(S2310)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図28に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2311)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2311でNO)本処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2311でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2312)、小当たりフラグをOFFして(S2313)、ステップS2314に進む。
ステップS2314では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図30参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2314でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、開放カウンタの当たりを「0」にクリアするとともに(S2315)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2316)。
続いて、実行した小当たり遊技が「16R時短小当たりA」の当選によるものかどうかを判定する(S2317)。本形態では、特図1での抽選結果が「16R時短小当たりA」の場合には、その小当たり遊技の実行後に非時短状態Aから非時短状態B、或いは、時短状態Aから時短状態Bに移行させる。非時短状態Bに移行した場合には、変動パターンに「P51」が選択されることになる。また、時短状態Bに移行した場合には、変動パターンに「P61」が選択されることになる。本形態では、遊技状態が非時短状態Bの場合には、後述の「SPモード」になる。SPモードでは、必ずSPリーチを含む変動演出が実行される。
実行した小当たり遊技が「16R時短小当たりA」の当選によるものでなければ(S2317でNO)、本処理を終えるが、「16R時短小当たりA」の当選によるものであれば(S2317 でYES)、上述した状態移行フラグをONして(S2318)本処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2314でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2319)、大当たりフラグをONして(S2320)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2321)。続いて、時短フラグがONであれば(S2322でYES)時短フラグをOFFする(S2323)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2324)、大当たりのオープニングを開始する(S2325)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、図14に示すように、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う。振分部材制御処理(S107)では図29に示すように、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始していることになるため(図23参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図42(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図42(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図42(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図42に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図42(b),図42(e)および図42(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、図42(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図42(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「16R時短小当たりC」又は「16R通常小当たり」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図42(b)および図42(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図42(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりB」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図42(e)および図42(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
図42(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりA」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図42(f)および図42(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図42に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図42(b)の特2V通過小当たりおよび図42(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図42(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお、仮に第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとした場合には、通過開放パターンと非通過開放パターンとを設けようとすると、第2大入賞口35の開放時間が4秒程度以上は必要となる。例えば、図42(c)に示すように振分部材を動作させた場合に、図42(a)に示すように第2大入賞口を開放させることで通過開放パターンとし、図42(b)に示すように第2大入賞口を開放させることで非通過開放パターンとする。するとこれでは、図42(a)に示すように通過開放パターンにおける第2大入賞口の開放時間を長く設定する必要が生じ、本形態のような1.6秒という短時間の開放とした場合に両方の開放パターンを設けることができない。そこで本形態では、小当たり遊技のオープニングの開始から振分部材71の一定動作を開始することとしている(図42参照)。このようにすれば、1.6秒という短時間の開放であっても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能となる。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39aおよび非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図14参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図30に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)本処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図29)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図42(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)本処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603およびS2604の処理を行うことなく、本処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
7.演出制御用マイコン91の動作
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は、図31〜図41に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図31に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。
次に、スイッチ処理(S4302)を行う。スイッチ処理(S4302)では、演出ボタン63を用いたSW演出の実行にあわせて、演出ボタン63の操作が有効な期間(操作有効期間)を設定する。また、その操作有効期間中に演出ボタン63の操作を検出した場合には、その検出に基づいて実行する演出用データをRAM94の所定の記憶領域にセットする。
続いて、後述のタイマ更新処理(S4303)を行う。次いで、コマンド送信処理(S4304)を行う。コマンド送信処理(S4304)では、受信コマンド解析処理等でRAM94の出力バッファにセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて各種演出を実行する。各種演出とは、例えば、後述の変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)や客待ち演出などである。
続いて、後述の特図保留演出制御処理(S4305)を行う。次いで、駆動制御処理(S4306)を行う。駆動制御処理(S4306)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データの作成や出力を行う。
次に、ランプ制御処理(S4307)を行う。ランプ制御処理(S4307)では、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行う。
続いて、音声制御処理(S4308)を行う。音声制御処理(S4308)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106にデータを出力したりする。
[受信コマンド解析処理]図32に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第1始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する第1始動入賞コマンド受信処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第2始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば第2始動入賞コマンド受信処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4414)。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、本処理を終える。
[第1始動入賞コマンド受信処理(第2始動入賞コマンド受信処理)]第1始動入賞コマンド受信処理(S4402)と第2始動入賞コマンド受信処理(S4404)とは処理の流れがほぼ同じであるため、図33に基づいてまとめて説明する。図33に示すように、第1先読み保留演出判定処理(S4402)又は第2先読み保留演出判定処理(S4404)では演出制御用マイコン91は、まず主制御基板80から受信した始動入賞コマンドを解析する(S4601)。次いで、受信した始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部に記憶(格納)する(S4602)。
具体的に、始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドの場合にはRAM94の第1特図保留演出記憶部95aに、第2始動入賞コマンドの場合にはRAM94の第2特図保留演出記憶部95bに記憶する。このとき、第1特図保留演出記憶部95a(第2特図保留演出記憶部95b)において第1記憶領域〜第4記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も小さい番号の記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
また、始動入賞コマンドが第2始動入賞コマンドの場合にはRAM94の第2特図保留演出記憶部95bに記憶する。すなわち、第2特図保留演出記憶部95bの第1記憶領域に当該コマンドが記憶されていない場合には、受信した第2始動入賞コマンドをその第1記憶領域に記憶する。
なお、始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド,第2始動入賞コマンド)には、上述したように始動口20,21への入球(入賞)情報、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている(図12参照)。
本形態では、始動入賞コマンドの保留球数に関する情報に基づいて、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値および第2特図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持するようにしている。第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。また、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。
また本形態では、演出制御用マイコン91は、始動入賞コマンドを記憶した記憶領域の保留表示態様データ記憶領域(図7(d)参照)に、特図保留表示態様データとして、演出保留画像9の通常の表示態様(通常態様)に対応する通常態様データを記憶する。始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドの場合の通常態様データとは、円形のオブジェクト画像である演出保留画像9Aを表示するためのデータである。また、始動入賞コマンドが第2始動入賞コマンドの場合の通常態様データとは、三角形のオブジェクト画像である演出保留画像9Bを表示するためのデータである。
続いて、後述する先読み保留演出判定処理(S4603)を行う。次に、始動入賞コマンドを実行契機とする演出(例えば、先読み連続演出)の実行制御処理など、その他の処理を行い(S4604)、本処理を終える。
[先読み保留演出判定処理]図34に示すように、先読み保留演出判定処理(S4603)では演出制御用マイコン91は、まず大当たり遊技や小当たり遊技といった当たり遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する(S4801)。当たり遊技の実行中であれば(S4801でYES)、そのまま本処理を終える。一方、当たり遊技の実行中でなければ(S4801でNO)、先読み演出乱数を取得する(S4802)。
続いて、取得した先読み演出乱数に基づいて、先読み保留演出の実行抽選を行う(S4803)。抽選の結果、先読み保留演出を行わない場合には(S4804でNO)、そのまま本処理を終える。一方、先読み保留演出を行う場合には(S4804でYES)、先読み保留演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4805)。
ステップS4805でセットされた先読み保留演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて先読み保留演出を行う。
本形態の先読み保留演出は、図50(c)に示すような、有色星形のオブジェクト画像である特別演出画像を用いた画像演出である。なお、オブジェクト画像の色には「青」、「黄」、「赤」の3種類がある。大当たりの当選期待度に応じて色が異なっている。すなわち「青」→「黄」→「赤」の順で、大当たりの当選期待度を高くしている。具体的に例えば、格納した始動入賞コマンドの大当たりの当否に関する情報が大当たり当選についてのものであれば、「青」よりも「黄」,「赤」が選択され易い構成にしている。一方、ハズレについてのものであれば、「黄」,「赤」よりも「青」が選択され易い構成にしている。
ステップS4806では、先読み保留演出の実行決定に伴い、特図保留表示態様データを通常態様データから特殊態様データに変更する。具体的に例えば、RAM94の第1特図保留演出記憶部95aの保留表示態様データ記憶領域(図7(d)参照)に記憶している通常態様データを特殊態様データに変更する。
[変動演出開始処理]図35に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図11参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。次に演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照する(S5002)。
モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスおよび変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS5002で参照したモードステータスおよびステップS5001で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S5003)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S5004)。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ演出やチャンスアップ演出などの先読み演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5005)、開始させる変動演出に対応した特図保留演出記憶部の記憶領域をシフトする(S5006)。すなわち、第1特別図柄の変動演出の場合には、第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域をシフトする。また、第2特別図柄の変動演出の場合には、第2特図保留演出記憶部95bの記憶領域から当該変動用演出記憶部95cにシフトする。また、このシフトに伴い、上記特図保留演出カウンタ(第1特図保留演出カウンタ,第2特図保留演出カウンタ)の値を更新する。
ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
本形態では、モードステータスに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードステータスが「1」であれば、図44(a)に示すように、背景画像として昼の画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「2」であれば、図44(b)に示すように、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する夜背景モードにて変動演出を実行する。
夜背景モードは、大当たりを獲得し易い状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。つまりこの夜背景モードは、遊技者にとって有利な演出モード(有利モード)であるといえる。詳しく述べれば、夜背景モードは、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)であるとき、又は、例外として、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるが大当たり遊技の終了時点で第2特図保留があったときに実行される。これらの場合は、第2特図保留に基づく小当たり当選から、V通過を経て大当たり遊技を実行させることが可能である。つまり、大当たりを獲得し易い状態といえる。
これに対して昼背景モードは、大当たりを獲得し易い状態ではないことを遊技者に対して報知する演出モードである。つまりこの昼背景モードは、上記「夜背景モード」よりも遊技者に有利ではない演出モード(通常モード)であるといえる。詳しく述べれば、通常モードは、原則として現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるときに実行される。なお、例外は既に述べたとおりである。大当たり遊技の終了時点で第2特図保留がなく通常遊技状態に制御された場合や、通常遊技状態において第2特図保留がなくなった場合には、特図1の抽選にて大当たりを獲得しなければならない。そのため、特図2の抽選のように容易に大当たりを獲得することはできない。つまり、第2特図保留のない通常遊技状態は、大当たりを獲得し易い状態ではない。
[変動演出終了処理]図36に示すように、変動演出終了処理(S4408)では演出制御用マイコン91は、まず変動停止コマンドを解析するとともに(S5201)、モードステータスを参照する(S5202)。次に、モードステータスが「1」か否か、すなわち昼背景モードか否かを判定する(S5203)。そして、モードステータスが「1」であれば(S5203でYES)、ステップS5210に進む。
一方、モードステータスが「1」でなければ(S5203でNO)、続いて特2保留有りフラグがONであるか否かを判定する(S5204)。特2保留有りフラグは、第2特図保留がある状態で大当たり遊技の終了後に通常遊技状態に制御されたことを示すフラグであり、後述するモードステータス設定処理(図39参照)のステップS5503でセットされるフラグである。
ステップS5204において特2保留有りフラグがONでなければ、時短状態且つ高ベース状態であるため、RAM94に設けられた演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S5205)、その値Mが「0」になったか否かを判定する(S5206)。演出モードカウンタは、時短状態且つ高ベース状態にて実行した変動演出の回数をカウントするためのカウンタである。ステップS5206において「0」でなければ(S5206でNO)、そのままステップS5210に進む。これに対して、「0」であれば(S5206でYES)、時短状態且つ高ベース状態は終わりであるため、昼背景モードに戻すべくモードステータスに「1」をセットしてから(S5207)ステップS5210に進む。
また、ステップS5204で特2保留有りフラグがONであれば、続いて現在の第2特図保留が「0」か否かを判定する(S5208)。この判定では、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値を参照する。なお以降の処理においても、演出制御用マイコン91が第2特図保留の有無を確認する際には、第2特図保留演出カウンタの値が参照される。ステップS5208において現在の第2特図保留が「0」でないと判定した場合には、そのままステップS5210に進む。これに対して、現在の第2特図保留が「0」であると判定した場合には、通常遊技状態において大当たり遊技の終了時点で記憶されていた第2特図保留が消化されたため、特2保留有りフラグをOFFするとともに(S5209)、モードステータスに「1」をセットしてから(S5207)、ステップS5210に進む。このような制御により、大当たり遊技の終了時点で記憶されていた第2特図保留に基づいて次の大当たり遊技が実行されなかった場合には、昼背景モードに移行するようになっている。
ステップS5210では、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
[特別遊技演出選択処理]図37に示す特別遊技演出選択処理(S4410)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出とが含まれている。
図37に示すように、特別遊技演出選択処理(S4410)では演出制御用マイコン91は、まずオープニングコマンドを解析する(S5301)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。
続いて、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「16R時短小当たりA」であるか否か、すなわち特図1の抽選にて当選し得る、V通過が実質不可能な小当たりか否かを判定する(S5302)。「16R時短小当たりA」であれば(S5302でYES)、後述するSPモードに移行する旨を表示画面7aに表示するSPモード移行演出の演出パターンを選択する(S5303)。SPモード移行演出は、具体的には、図50(b)〜(d)又は図51(b)〜(d)に示すように、表示画面7aの周縁について、炎を模したエフェクト画像FEを段階的に増やしていく画像演出である。
本形態では、16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行中にSPモード移行演出を実行する。上述したように16R時短小当たりAは、特定領域39への通過(V通過)が実質的に不可能な小当たりである。このため、V通過が必ず可能な小当たりである「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」よりも、遊技者にとって利益が少ない、有利でない小当たりである。そこで、その16R時短小当たりA当選による小当たり遊技の実行中にSPモード移行演出を実行することで、そのSPモード移行演出に遊技者の注目を集めることが可能であり、その結果、V通過が見込めない小当たり遊技の実行に遊技者の注意が向きづらい。かくして、遊技者にとって利益が少ない小当たり遊技の実行がなされた場合に、その実行を遊技者が気に留めづらいパチンコ遊技機1とすることが可能である。
しかも本形態では、小当たりとして、V通過が必ず可能な「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」および「16R通常小当たり」を設けており、図8に示すように、第1特別図柄での16R時短小当たりAの振分率を99%にしている。そのため、通常遊技状態にて当選する小当たりのほとんどが16R時短小当たりAになる。また、図10(a)によれば、第1特別図柄での判定結果が小当たりとなる確率の方が大当たりとなる確率よりも高くなっている。従って、遊技状態が通常遊技状態の場合には、大当たり当選までに16R時短小当たりAが複数回当選し易い。大当たり当選までにV通過できない小当たりの当選が繰り返されると、遊技者の遊技意欲が徐々に低下してしまうおそれがある。
これに対し、16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行中にSPモード移行演出を実行することで、その小当たり遊技の実行が繰り返されたとしても、その都度、SPモード移行演出が実行されることにより、そのSPモード移行演出の実行に遊技者の注意が行き易い。従って、遊技者の注意が小当たり遊技に向きづらいため、V通過できない小当たりの遊技が繰り返されたとしても、遊技者の遊技意欲がさほど損なわれない。かくして、その小当たりの繰り返し当選に伴い遊技者の遊技意欲が低下するのを防止可能となっている。
上記ステップS5303の実行後、演出開始タイマに所定値(本形態では「4.0」秒)をセットして(S5304)、ステップS5308に進む。演出開始タイマは、演出保留画像9A,9Bを表示している場合には、その演出保留画像9A,9Bを後述の第1特別保留画像9Sに変更するタイミングを計測し、演出保留画像9A,9Bを表示していない場合には、第2特別保留画像9Tを出現させるタイミングを計測するためのタイマである。具体的に例えば、表示画面7a上に演出保留画像9Bを表示しているときに演出開始タイマの値が「0」になった場合には、その表示中の演出保留画像9Bを第1特別保留画像9Sに変更する。また例えば、表示画面7a上に演出保留画像9Aも演出保留画像9Bも表示されていないときに演出開始タイマの値が「0」になった場合には、第2特別保留画像9Tを表示画面7a上に出現させる。
なお、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「16R時短小当たりA」でない場合には(S5302でNO)、当たり種別が「16R時短小当たりB」であるか否か、すなわち、特図1の抽選にて当選し得るV通過可能な小当たりか否かを判定する(S5305)。「16R時短小当たりB」であれば(S5305でYES)、オープニング演出として打込報知演出を伴う特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5306)、ステップS5308に進む。
打込報知演出とは、図45に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。図45に示す演出画像は、第2大入賞装置36を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。つまり、第2大入賞口35への入賞(さらには特定領域39への通過)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。この打込報知演出は、「16R時短小当たりB」のオープニング中に表示される。つまり、「16R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(図42(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。
なお、右打ち報知を小当たり当選時の変動演出の一部として行う構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、まだ小当たり遊技も開始されていないのに遊技者が右打ちを始め、いわゆるムダ球(第2大入賞口35に入ることのない遊技球)を多数生じさせてしまうおそれがある。これに対して本形態では、小当たり遊技のオープニング中に右打ち報知を行うため、そのような構成よりもムダ球の発生を抑えることが可能となっている。
ステップS5305において「16R時短小当たりB」でないと判定した場合には(S5305でNO)、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5307)、ステップS5308に進む。ステップS5308では演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
ステップS5308でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
[エンディング演出選択処理]図38に示すエンディング演出選択処理(S4412)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図38に示すように、エンディング演出選択処理(S4412)では演出制御用マイコン91は、まずエンディングコマンドを解析する(S5401)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、後述するモードステータス設定処理を行う(S5402)。次いで演出制御用マイコン91は、ステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5403)。時短当たりとは、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」又は「15R時短大当たり」である。ステップS5403で時短当たりであると判定した場合には(S5403でYES)、続いて、非時短状態における特図1の抽選にて当選した時短当たりであるか否かを判定する(S5404)。つまり、いわゆる「初当たり」であるか否かを判定する。そして、「初当たり」であれば、第1エンディング演出の演出パターンを選択する(S5405)。第1エンディング演出は、図46(a)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「夜背景モード突入!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に移行する旨を報知することができる。
一方、ステップS5404において「初当たり」でないと判定した場合には(S5404でNO)、第2エンディング演出の演出パターンを選択する(S5406)。第2エンディング演出は、図46(b)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「夜背景モード継続!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して再び時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に制御される旨を報知することができる。
またステップS5403において時短当たりでないと判定した場合には(S5403でNO)、続いて、第2特図保留(特2保留)があるか否かを判定する(S5407)。第2特図保留があれば(S5407でYES)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であるが、まだ第2特図保留に基づく小当たり当選からV通過を経て2種大当たり遊技を獲得する機会が残っている。従って、演出制御用マイコン91は、第3エンディング演出の演出パターンを選択する(S5408)。第3エンディング演出は、図46(c)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「残り1回!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対してまだ2種大当たり遊技を容易に獲得可能であることを示唆することができる。なお、この演出は、夜背景モードへの移行示唆にもなっている。
一方、ステップS5407において第2特図保留がないと判定した場合には(S5407でNO)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であり第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得の機会も残っていない。従って、演出制御用マイコン91は、第4エンディング演出の演出パターンを選択する(S5409)。第4エンディング演出は、図46(d)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「またね!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して2種大当たり遊技を容易に獲得可能な状態ではないことを示唆することができる。なお、この演出は、昼背景モードへの移行示唆にもなっている。
上記のようにしてエンディング演出の演出パターンを選択した後は、演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5410)。ステップS5410でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、図46に示す各演出画像のいずれかが表示画面7aに表示されることとなる。
[モードステータス設定処理]図39に示すように、モードステータス設定処理(S5402)では演出制御用マイコン91は、まずステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5501)。そして、時短当たりであれば(S5501でYES)、モードステータスを「2」にセットする(S5504)。モードステータスが「2」であることは、夜背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図44(b)に示す夜の背景画像が表示される。
一方、時短当たりでなければ、続いて、第2特図保留があるか否かを判定する(S5502)。第2特図保留があれば(S5502でYES)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であるが、まだ第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得機会が残っている。従って、演出制御用マイコン91は、特2保留有りフラグをONするとともに(S5503)、モードステータスを「2」にセットする(S5504)。よって、その後の変動演出では、背景画像として図44(b)に示す夜の背景画像が表示される。
またステップS5502において第2特図保留がなければ(S5502でNO)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は非時短状態であり、第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得機会も残っていない。従って、演出制御用マイコン91は、モードステータスを「1」にセットする(S5506)。モードステータスが「1」であることは、昼背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図44(a)に示す昼の背景画像が表示される。
[タイマ更新処理]図40に示すように、タイマ更新処理(S4303)では演出制御用マイコン91は、まず演出開始タイマの値が「0」よりも大きいかどうかを判定する(S5601)。演出開始タイマの値が「0」よりも大きくないと判定した場合(S5601でNO)、つまり演出開始タイマが作動していない場合には、ステップS5609に進む。一方、演出開始タイマの値が「0」よりも大きいと判定した場合(S5601でYES)、つまり演出開始タイマが作動している場合には、演出開始タイマの値を減算する(S5602)。
その後、減算した演出開始タイマの値が「0」か否かを判定する(S5603)。本形態では、演出開始タイマには「4.6」秒がセットされて減算される。つまり演出開始タイマは、特別遊技演出選択処理(図37)のステップS5304で値がセットされてから4.6秒後に「0」となる。図8に示すように16R時短小当たりAの小当たり遊技のOP時間は同じ「4.6」秒であるため、その小当たり遊技のオープニング終了直後、つまり第2大入賞口35の開放開始時に演出開始タイマの値が「0」になる。
演出開始タイマの値が「0」でないと判定した場合には(S5603でNO)、ステップS5609に進むが、演出開始タイマの値が「0」と判定した場合には(S5603でYES)、続いて、第2特図保留演出記憶部95bに数値情報があるかどうかを判定する(S5604)。すなわち、表示画面7aに演出保留画像9Bが表示されているかどうかを判定する。
本形態では、上述したように第2特図保留の消化が第1特図保留の消化よりも優先される。よって、小当たり遊技の実行中の演出開始タイマの値が「0」になったタイミングで、演出保留画像9Bが表示画面7a上に表示されていれば、演出保留画像9Aの有無によらず、その演出保留画像9Bに対応する特図変動が、その後のSPモードの期間中に行われることになる。そこで、そのSPモード中に特図変動することになる演出保留画像9Bを第1特別保留画像9Sに変更する。
第2特図保留演出記憶部95bの第1記憶領域に数値情報がある場合には(S5604でYES)、表示画面7aに演出保留画像9Bを表示しているので、その演出保留画像9Bを第1特別保留画像9Sに変更するコマンドをセットする(S5605)。
セットされた上記コマンドがコマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第1特別保留画像9Sに関するデータをROM103から読み出して、表示画面7aに表示している演出保留画像9Bを第1特別保留画像9Sに変更する。
第1特別保留画像9Sは、図50(c)に示す赤色の星形のオブジェクト画像である。この画像は、上述した先読み保留演出において当選期待度が最も高い画像(赤色の星形のオブジェクト画像)と同じ表示態様である。よって、演出保留画像9Bが第1特別保留画像9Sに変更されることで、先読み保留演出として、演出保留画像9Bの表示態様が変化したのではないかと遊技者に思わせることが可能となっている。従って遊技者は、大当たり当選を期待しつつSPモードを堪能可能である。しかも、第1特別保留画像9Sは、先読み保留演出に用いられる演出保留画像9Bの表示態様の中で最も当選期待度が高い表示態様と同じであるため、SPモードになる前の、演出保留画像9Bから第1特別保留画像9Sへの変更時点で、遊技者がSPモードに高い期待を寄せ易い。
一方、第2特図保留演出記憶部95bに数値情報がない場合には(S5604でNO)、続いて第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に数値情報があるかどうかを判定する(S5606)。すなわち、表示画面7aの第1保留表示領域17Aに演出保留画像9Aが表示されているかどうかを判定する。
本形態では、小当たり遊技の実行中の演出開始タイマの値が「0」になったタイミングで、演出保留画像9Bが表示画面7a上になく、演出保留画像9Aが第1保留表示領域17Aにあれば、その演出保留画像9Aに対応する特図変動が、その後のSPモードの期間中に行われることになる。そこで、そのSPモード中に特図変動することになる演出保留画像9Aを第1特別保留画像9Sに変更する。
第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に数値情報がある場合には(S5606でYES)、表示画面7aの第1保留表示領域17Aに演出保留画像9Aを表示しているので、その演出保留画像9Aを第1特別保留画像9Sに変更するコマンドをセットする(S5607)。
セットされた上記コマンドがコマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第1特別保留画像9Sに関するデータをROM103から読み出して、表示画面7aの第1保留表示領域17Aに表示している演出保留画像9Aを第1特別保留画像9Sに変更する。
上述したように、第1特別保留画像9Sは、図50(c)に示す赤色の星形のオブジェクト画像である。よって、演出保留画像9Aが第1特別保留画像9Sに変更されることで、先読み保留演出として、演出保留画像9Bの表示態様が変化したのではないかと遊技者に思わせることが可能であり、大当たり当選を期待させつつSPモードを堪能させることが可能である。しかも、第1特別保留画像9Sは、先読み保留演出に用いられる演出保留画像9Aの表示態様の中で最も当選期待度が高い表示態様と同じであるため、SPモードになる前の、演出保留画像9Aから第1特別保留画像9Sへの変更時点で、遊技者がSPモードに高い期待を寄せ易い。
一方、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に数値情報がない場合には(S5606でNO)、表示画面7a上に演出保留画像9A,9Bが表示されていないことになるので、第2特別保留画像9Tを第1保留表示領域17Aに表示するコマンドをセットする(S5608)。
セットされた上記コマンドがコマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第2特別保留画像9Tに関するデータをROM103から読み出して、表示画面7aの第1保留表示領域17Aに第2特別保留画像9Tを表示する。第2特別保留画像9Tは、図51(c)に示すように、有色(具体的には「薄い赤」)星形のオブジェクト画像である。つまり、上述した第1特別保留画像9Sを薄くした画像である。
このように、それまで表示画面7aには演出保留画像9A,9Bが表示されていなかったにもかかわらず第2特別保留画像9Tを突如表示することで、遊技者に驚きを与えることが可能である。しかも、第2特別保留画像9Tは、演出保留画像9A,9Bの先読み保留演出の表示態様の中で最も当選期待度が高い特別な表示態様の類似画像であるため、何か特別なことが起こるのではないかと遊技者に期待させることが可能となっている。特に、特図変動でSPリーチ演出が発生するのではないかと遊技者に容易に連想させることが可能となっている。つまり、特図変動のための保留が1つもない(すなわち、現時点で第1特図保留演出記憶部の記憶領域(第1記憶領域)に情報(コマンド)を格納していない)にもかかわらず、SPモードに移行後の次の特図変動でSPリーチ演出の発生を遊技者に示唆することが可能となっている。
ステップS5609では、演出開始タイマ以外の演出用タイマの処理(その他の処理)を行い、本処理を終える。
[特図保留演出制御処理]図41に示すように、特図保留演出制御処理(S4305)では演出制御用マイコン91は、直前の受信コマンド解析処理(図32)で変動演出開始処理(図35)を行って、始動入賞コマンドについて記憶領域をシフトしたかどうかを判定する(S5701)。本形態では、記憶領域をシフトしたタイミングで、演出保留画像9の表示を変更する。
始動入賞コマンドについて記憶領域をシフトしている場合には(S5701でYES)、ステップS5703に進むが、始動入賞コマンドについて記憶領域をシフトしていない場合には(S5701でNO)、直前の受信コマンド解析処理(図32)で先読み保留演出判定処理(図34)を行って、始動入賞コマンドを記憶領域に新たに格納したかどうかを判定する(S5702)。本形態では、始動入賞コマンドを記憶領域に新たに格納したタイミングで演出保留画像9の表示を変更する。
始動入賞コマンドを記憶領域に新たに格納していない場合には(S5702でNO)本処理を終えるが、始動入賞コマンドを記憶領域に新たに格納した場合には(S5702でYES)、ステップS5703に進む。
ステップS5703では、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値および第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を確認する。これにより、特図保留の数の変化によって特図保留の数がいくつになるのかを確認する。
続いて、ステップS5703で確認した第1特図保留演出カウンタおよび第2特図保留演出カウンタのカウンタ値、および、保留表示態様データ記憶領域に格納された特図保留表示態様データ(通常態様データ又は特殊態様データ)に基づいて、演出保留画像9の表示制御の内容を示す特図保留演出制御コマンドを生成する(S5704)。そして、この特図保留演出制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5705)。
ステップS5705でセットされた特図保留演出制御コマンドが、コマンド送信処理(S4304)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7a上の各保留表示領域17A〜17D(図1参照)にて演出保留画像9の表示制御を行う。
8.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図47に基づいて説明する。図47に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「16R小当たりB」(図8参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。この遊技開始時点の通常遊技状態では昼背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、図44(a)に示す昼の背景画像が表示される。なお、この昼の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが通常大当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、時短当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが通常大当たりであった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
これに対して、時短当たりであった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特図2の抽選にハズレはなく(図10(a)参照)、大当たり当選となる場合を除けば全て小当たり当選となる。しかも、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(図42(b),(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選が実行されれば必ず大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特図2の抽選における直撃大当たりは時短大当たりである(図8参照)。
また、この時短状態では、特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特図2の変動表示中に第2特図保留を1つ貯めることができる。この1つの第2特図保留は、大当たり遊技を経たその後の遊技において消化されることとなる。
また、この時短状態では夜背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、図44(b)に示す夜の背景画像が表示される。なお、この夜の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「16R通常小当たり」(図8参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「16R時短小当たりC」(図8参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。当選した小当たりが時短小当たりであった場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても大当たり遊技を実行させることができる。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、一度、時短図柄(時短状態に制御されることとなる図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されると、それ以降で2回の大当たり遊技の実行が見込める遊技機となっている。言い換えれば、いわゆる2回ループの遊技機となっている。
これに対して、特図2の抽選にて当選した小当たりが通常小当たりであった場合には、通常遊技状態に制御される。この場合には、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている。よって、この第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる。つまり、この状態は、通常遊技状態ではあるもののまだ大当たり遊技を実行させ易い状態(遊技者に有利な状態)である。よって、この状態では、夜背景モードに設定される。従って、第2特図保留に基づく変動演出中は、表示画面7aには図44(b)に示す夜の背景画像が表示される。この夜の背景画像の表示によれば、遊技者に対してまだ有利な状態であることを示唆することが可能である。このように本形態では、時短状態中の演出モードと、時短状態ではなく通遊技状態ではあるが第2特図保留が残っているときの演出モードを同じ演出モードとしている。これにより、両方の遊技期間に遊技者にとって有利な状態である遊技期間としての統一感をもたせるようにしている。
そして、この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短小当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となり、以降2回の大当たりが確定する。
これに対して、通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、通常小当たりに当選した場合には、もう第2特図保留も残っておらず、新たに第2特図保留を発生させることもできない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状態は終了したこととなる。従って、この状態では、昼背景モードに設定される。よって、表示画面7aには図44(a)に示す昼の背景画像が表示される。この昼の背景画像の表示によれば、遊技者に対して有利な状態が終了したことを示唆することが可能である。
なお図47に示すように、時短状態において第2特図保留を貯めていない状態で通常小当たりに基づく大当たり遊技を実行させてしまうと、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、昼背景モードに設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
また、夜背景モードに設定された通常遊技状態において第2特図保留に基づく処理が終了したものの大当たり遊技を実行させられなかった場合(つまり特定領域39へ遊技球を通過させなかった場合)にも、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よって、この場合にも、昼背景モードに設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
ここで、本パチンコ遊技機1における時短状態への制御後の連チャン終了の仕組みについてまとめて説明する。なお、連チャンの終了は、大当たり遊技が実行され易い状態でなくなることである。まず、連チャンが終了する場合について説明する。連チャンが終了する場合は、図48に示すように、時短状態における当該変動(実行中の変動)としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との両方がともに通常小当たりである場合である。このような状況となれば、もはや時短状態に制御されることはなく、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られない。よって、2回の大当たり遊技が実行されて連チャンが終了することとなる。
これに対して、連チャンが続く場合は、図49(a),(b)に示すように、時短状態における当該変動としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との少なくともいずれか一方が、時短当たりである場合である。図49(a)に示すように、当該変動としての特図2の変動が時短当たりであれば、時短状態で当選した1回目の大当たり遊技の終了後に再び時短状態に制御されて、追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、3回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
また、図49(b)に示すように、当該変動としての特図2の変動が通常小当たりであり、特図2の変動中に貯められた第2特図保留が時短小当たり(時短大当たりでもよい)であれば、通常小当たりへの当選に基づく大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されて第2特図保留を貯めることはできないものの、残っている第2特図保留に基づく大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。そしてその時短状態において、再び特図2の変動を実行させつつ、第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、4回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
次に、第1特図保留の数が1つのときに16R時短小当たりAに当選した場合の小当たり遊技に伴う演出について、図50を用いて説明する。図50(a)に示すように、16R時短小当たりAに当選すると、表示画面7aにはチャンス目(「135」)で演出図柄が停止表示される。このとき、第1保留表示領域17Aにのみ演出保留画像9Aが通常の表示態様(通常態様)で表示されている(図50(a)参照)。
図50(b)に示すように、16R時短小当たりAの小当たり遊技に伴って、上記SPモード移行演出が開始される。具体的には、その小当たり遊技のオープニングが開始されると、表示画面7aの周囲に上記エフェクト画像FEが表示される。このエフェクト画像FEは、表示画面7aの右端、下端、左端および上端の順に段階的に出現する。また、エフェクト画像FEは小当たり遊技全体にわたって出現する(図50(b),図50(c)および図50(d))。このように、小当たり遊技中にエフェクト画像FEが徐々に出現する、変化を伴う画像演出になっているので、小当たり遊技中、そのSPモード移行演出に遊技者が注目し易い。
また、図50(c)に示すように、小当たり遊技中の第2大入賞口35が開放するタイミングで、第1保留表示領域17Aに表示されていた通常態様の演出保留画像9Aが第1特別保留画像9Sに変化する。上述したように、第1特別保留画像9Sは、先読み保留演出において当選期待度が最も高い画像と同じ表示態様であるため、先読み保留演出として演出保留画像9Aの表示態様が変化したのではないかと遊技者に思わせることが可能な上、SPモード前の時点で、そのSPモードに遊技者が高い期待を寄せ易い。つまり遊技者が高い関心を持ってSPモードでの遊技に臨むことが可能であり、小当たり遊技後の遊技興趣を向上可能となっている。
また、図50(d)に示すように、小当たり遊技の終了時点で、表示画面7aの中央に文字列「SPモード突入!」を表示する。これにより、この後にSPモードになることを遊技者が認識できる。上述したように、SPモードでは必ずSPリーチを含む変動演出が実行されることになるので、遊技者は大当たり当選への高い期待感を持って遊技可能となっている。
次に、第1特図保留も第2特図保留もないときに16R時短小当たりAに当選した場合の小当たり遊技に伴う演出について、図51を用いて説明する。図51(a)に示すように、16R時短小当たりAに当選すると、表示画面7aにはチャンス目(「135」)で演出図柄が停止表示される。図51(b),図51(c)および図51(d)に示すように、16R時短小当たりAの小当たり遊技に伴って、上記SPモード移行演出が開始される。よって、特図保留の有無にかかわらず、段階的に表示されるエフェクト画像FEを用いた画像演出になっているので、小当たり遊技中、そのSPモード移行演出に遊技者が注目し易い。
特図保留の表示がない場合には、図51(c)に示すように、小当たり遊技中の第2大入賞口35が開放するタイミングで、第1保留表示領域17Aに第2特別保留画像9Tが表示される。上述したように、第2特別保留画像9Tは、先読み保留演出において当選期待度が最も高い画像に似た画像であるため、先読み保留演出として演出保留画像9Bの表示態様が変化したのではないかと遊技者に思わせることが可能な上、何か特別なことが起こるのではないかと遊技者に期待させることが可能となっている。つまり遊技者が高い関心を持ってSPモードでの遊技に臨むことが可能であり、小当たり遊技後の遊技興趣を向上可能となっている。
また、図51(d)に示すように、小当たり遊技の終了時点で、表示画面7aの中央に文字列「SPモード突入!」を表示する。これにより、この後にSPモードになることを遊技者が認識できる。上述したように、SPモードでは必ずSPリーチを含む変動演出が実行されることになるので、遊技者は大当たり当選への高い期待感を持って遊技可能となっている。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特定の遊技状態である「SPモード」に制御されると、1回分の特図変動について、特定の演出として「SPリーチ」が行なわれる。また、16R時短小当たりAの小当たり遊技中に、「SPリーチ」の実行を示唆する第1特別保留画像9Sを用いた示唆演出、或いは、第2特別保留画像9Tを用いた示唆演出が実行される。よって、16R時短小当たりAに応じた図柄が停止表示されることが決定されれば、次の図柄変動の実行契機となる入球の前であっても、各種示唆演出により、高い期待度が示されるという新たな興趣を提供可能となっている。
また、パチンコ遊技機1によれば、SPモードのときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶が特図保留記憶部95にある場合には、その判定用情報に対応した表示中の演出保留画像9A,9Bを第1特別保留画像9Sに変化させる示唆演出を実行する。演出保留画像9A,9Bを第1特別保留画像9Sに変化させることで、遊技者の注目をその第1特別保留画像9Sに集めることが可能であるとともに、その第1特別保留画像9Sに対応した当たりの判定結果を示す図柄の変動表示に伴って、SPリーチを含む変動演出の実行がなされることを遊技者に連想させ易い。よって、そのような示唆演出を通じて、SPモードに制御される前に、高い期待感を遊技者に確実に持たせることが可能となっている。
また、パチンコ遊技機1によれば、SPモードのときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶が特図保留記憶部95にない場合には、第2特別保留画像9Tを用いた示唆演出を実行する。そのような示唆演出を実行することで、演出保留画像9A,9Bが仮にあれば、その演出保留画像9A,9Bの表示態様が特別な表示態様になっていたことを遊技者に連想させることが可能である。従って、特定の遊技状態のときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶がなく演出保留画像がない場合であっても、SPモードに制御される前に、高い期待感を遊技者に確実に持たせることが可能となっている。
また、パチンコ遊技機1によれば、特定領域39に通過不可能(実質的に通過不可能)な16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行後の遊技状態をSPモードに制御するので、遊技者にとって利益の少ない16R時短小当たりAの小当たり遊技を活用することが可能である。
また、パチンコ遊技機1によれば、SPモードの制御契機となる16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行中に上述した示唆演出を実行する。よって、そのような小当たり遊技の実行中の興趣を向上可能となっている。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、示唆演出として、第1特別保留画像9Sを用いた示唆演出、および、第2特別保留画像9Tを用いた示唆演出の両方を設けた構成とした。しかしながら、どちらか一方の示唆演出を実行可能とした構成でもよい。
また上記形態では、16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行中に示唆演出を実行する構成とした。しかしながら、その小当たり遊技の実行中以外、例えば、16R時短小当たりAを示す特別図柄の変動表示中に示唆演出を実行する構成でもよい。この構成の場合に例えば、当該変動開始コマンドを受信した演出制御用マイコンは、変動演出開始処理(図35)のステップS5001の処理で16R時短小当たりAであれば、上記演出開始タイマをセットする構成としてもよい。また例えば、示唆演出を先読み演出としてもよい。この構成の場合に例えば、16R時短小当たりAとなる始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコンは、ステップS4402の第1先読み保留演出判定処理で上記演出開始タイマをセットする構成としてもよい。また例えば、16R時短小当たりAの小当たり遊技の実行後、特別図柄の変動開始前に示唆演出を実行する構成でもよい。
また上記形態では、演出保留画像9Aとは表示態様が異なる演出保留画像(第1特別保留画像9S,第2特別保留画像9T)を用いた示唆演出とした。しかしながら、演出保留画像の表示態様を異ならせる構成以外の示唆演出でもよい。そのような示唆演出として、具体的に例えば、小当たり遊技の実行中であれば、通常とは異なる特別な小当たり演出を実行したり、カットイン演出を実行したりしてもよい。また、特別図柄の変動表示中であれば、通常とは異なる特別なステップアップ演出(連続演出)や、カットイン演出を実行したりしてもよい。
また上記形態では、いわゆる1種2種混合機とした。しかしながら、1種2種混合機でなくてもよい。例えば、小当たりを含む1種遊技機(いわゆる「デジパチ」)でもよい。
また上記形態では、特図1の抽選にて当選する小当たりとして、「時短小当たり」しかない構成とした。しかしながら、「時短小当たり」に加えて「通常小当たり」もある構成でもよい。また、「通常小当たり」しかない構成でもよい。また、特図1の抽選にて当選する「時短小当たり」を「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」の2種類としたが、1種類だけ、又は、3種類以上としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選にて当選する小当たりとして、「時短小当たり」および「通常小当たり」の両方がある構成とした。しかしながら、「時短小当たり」および「通常小当たり」のどちらか一方しかない構成でもよい。また、特図2の抽選にて当選する「時短小当たり」を「16R時短小当たりC」の1種類だけとしたが、2種類以上としてもよい。また、特図2の抽選にて当選する「通常小当たり」を「16R通常小当たり」の1種類だけとしたが、2種類以上としてもよい。
上記形態では、特図2の抽選にはハズレがないように構成したが、特図2の抽選においてもハズレがあるように構成してもよい。この場合、特図2の抽選にて当選した小当たりは、必ず時短小当たりとなるように構成してもよい。このように構成すれば、時短状態の上限実行回数に第2特図保留の上限記憶数を加えた数の変動表示が、2種大当たり遊技を獲得し易いチャンス変動となる。なおこの場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御される連続回数に制限を設けてもよい。つまり所定の上限回数の時短リミッタを設けてもよい。この場合、時短リミッタの上限回数に到達すれば、大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されることとなる。
また上記形態では、第2特図保留の上限記憶数を「1」としたが、2以上としてもよい。例えば、上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低5回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低6回となる遊技機)を構成することができる。なお、第2特図保留の上限記憶数を2以上とする場合には、時短状態における初回の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数まで貯まるように、時短状態における初回の変動表示の変動時間を設定するとよい。
また上記形態では、特図1の抽選において「16R時短小当たりA」に当選した場合には、遊技球が第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な開放パターンに設定するように構成した。これに対して、特定領域39を通過することが完全に不可能な開放パターン(例えば、振分部材71の第1V開放の終了直後に、1.6秒にわたる第2大入賞口35の開放が開始される開放パターン)としてもよい。
また上記形態では、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選し得るように構成したが、第1特別図柄の抽選における小当たりの当選確率を「0」にしてもよい。この場合、特図1大当たり判定処理(S1008)において、ステップS1107〜S1110までの処理を行わず、ステップS1103でNOであれば、ステップS1111に進むように構成する。
また上記形態では、第1特別図柄の抽選にて当選し得る小当たりとして、V通過不可能な「16R時短小当たりA」と、V通過可能な「16R時短小当たりB」とを設けたが、V通過不可能な小当たりだけとしてもよい。
また上記形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、いわゆる同時変動を行う遊技機として構成してもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、および変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
また上記形態では、普図保留の上限記憶数を4個としたが、普図保留のない構成としてもよい。この場合、ゲート28への遊技球の通過検知時に、普通図柄の変動表示の実行中でなく、補助遊技の実行中(電チュー22の作動中)でもなければ、普通図柄乱数を取得するように構成すればよい。
また上記形態では、非時短状態中に右打ちがなされると、特図2の抽選に基づいて2種大当たりに当選してしまう(特定領域39への通過が発生してしまう)おそれがある。そこで、時短状態中又は特別遊技中ではないのに右打ちされた場合には、左打ちで遊技するべき旨を報知する警告画像を表示画面7aに表示する等の注意喚起を行うようにしてもよい。この場合には、例えばゲートセンサ28aを右打ち検知センサとして機能させてもよいし(つまりゲートセンサ28aによる検知に基づいて警告画像を表示画面7aに表示するようにしてもよいし)、別途、右打ち検知センサを設けてもよい。また、非時短状態において右打ちされても電チュー22に係る第2始動口21への入賞が発生することのないように、非時短状態中の普通図柄抽選の当選確率を零に設定してもよい。
また上記形態では、エンディング演出選択処理を図38に示すように実行することで、図46(a)〜(d)の各演出画面が表示されるように構成した。これに対して、エンディング演出選択処理を以下のような処理としてもよい。すなわち、エンディングコマンドを受信した演出制御用マイコン91が、まず時短当たりか否かを判定する。そして、時短当たりであれば、続いて、背景データ(例えば昼背景であれば「1」、夜背景であれば「2」、その他の背景であれば「3」等の値が設定されている)を参照する。そして、その背景データが昼背景に対応する背景データ(通常背景データ)であれば、初当たりの終了時であるため、第1エンディング演出パターン(図46(a)に示す「夜背景モード突入!」を表示するパターン)を選択する。一方、通常背景データでなければ、初当たり終了時ではないため、第2エンディング演出パターン(図46(b)に示す「夜背景モード継続!」を表示するパターン)を選択する。
また時短当たりでない場合も、背景データを参照する。そして、その背景データが通常背景データでなければ、続いて、特2保留の有無を判定する。そして、特2保留があれば第3エンディング演出パターン(図46(c)に示す「残り1回!」を表示するパターン)を選択する。一方、特2保留がなければ第4エンディング演出パターン(図46(d)に示す「またね!」を表示するパターン)を選択する。
時短当たりでなく且つ通常背景である場合にも、特2保留の有無を判定する。そして、特2保留があれば第3エンディング演出パターン(図46(c)に示す「残り1回!」を表示するパターン)を選択する。これは、大当たり遊技の実行中には正常な遊技により特2保留が発生し得ることを考慮した処理である。一方、特2保留がなければ第4エンディング演出パターン(図46(d)に示す「またね!」を表示するパターン)を選択する。勿論、各エンディング演出パターンを選択した後は、選択したエンディング演出パターンのエンディング演出を実行するべく、エンディング演出開始コマンドをセットする。
また上記形態では、SPリーチを1種類としたが、複数種類(2種類以上)のSPリーチを設けてもよい。
また上記形態の特図2では「ハズレ」を全く含まない構成としたが、実質的にハズレを含まない構成でもよい。実質的にハズレを含まない構成とは、ハズレの確率が例えば1/2000以下であるなど、ハズレとなることがほとんどない構成である。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
遊技領域(3)に配された入球口(第1始動口20)への入球に基づいて、当たりの判定を行う当たり判定手段(ステップS1008を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当たり判定手段による判定結果を示す図柄を、変動表示を経て停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS904を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄が前記当たりへの当選を示す特定の停止態様で停止表示された後、特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS908を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特別遊技の実行後の遊技状態を特定の遊技状態(SPモード)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS1009を実行する遊技制御用マイコン81)と、
所定の演出手段(画像表示装置7)に演出を実行させることが可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備え、
前記特定の遊技状態の制御契機となる図柄の種類が予め定められている遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記演出制御手段は、
前記特定の遊技状態では前記図柄の変動表示に従って、遊技者に有利な状態に制御される期待度が高いことを示す特定の演出(SPリーチを含む変動演出)を、前記演出手段に実行させるものであって、
前記特定の遊技状態の制御契機となる図柄が停止表示されることが決定されてから、前記特定の遊技状態において図柄の変動表示が実行されるまでの間に、前記特定の演出の実行を示唆する示唆演出(第1特別保留画像9Sを用いた示唆演出や第2特別保留画像9Tを用いた示唆演出)を実行するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態に制御されると特定の演出が実行される。また、特定の遊技状態の制御契機となる図柄(特定の図柄)が停止表示されることが決定されたときには、特定の演出の実行を示唆する示唆演出が実行される。よって、特定の図柄が表示されることが決定されれば、次の図柄変動の実行契機となる入球の前であっても、示唆演出によって高い期待度が遊技者に示されるという新たな興趣を提供可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記当たりの判定を行うための判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(第1特図保留記憶部85a)を備え、
前記演出制御手段は、
前記上限数に応じた数の表示領域(第1保留表示領域17A、第2保留表示領域17B、第3保留表示領域17Cおよび第4保留表示領域17D)の各々に、前記判定用情報の記憶があることを示す演出保留画像(9A)を表示可能な演出保留表示手段(ステップS4305を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記特定の遊技状態のときに前記当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶が前記記憶手段にある場合には、前記示唆演出として、その判定用情報に対応した表示中の前記演出保留画像の少なくとも1個の表示態様を、通常の表示態様とは異なる特別な表示態様に変化させる演出(第1特別保留画像9Sを用いた示唆演出)を実行するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態のときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶がある場合には、その判定用情報に対応した表示中の演出保留画像の少なくとも1個の表示態様を特別な表示態様に変化させる示唆演出を実行する。演出保留画像を特別な表示態様に変化させることで、遊技者の注目をその演出保留画像に集めることが可能であるとともに、その演出保留画像に対応した当たりの判定結果を示す図柄の変動表示に伴って、特定の演出の実行がなされることを遊技者に連想させ易い。よって、そのような示唆演出を通じて、特定の遊技状態に制御される前に、高い期待感を遊技者に確実に持たせることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特定の遊技状態のときに前記当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶が前記記憶手段にない場合には、前記示唆演出として、その判定用情報に対応する前記演出保留画像が前記特別な表示態様で表示されることになるのを示す演出(第2特別保留画像9Tを用いた示唆演出)を実行するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態のときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶が記憶手段にない場合には、その判定用情報に対応する演出保留画像が特別な表示態様で表示されることになるのを示す示唆演出を実行する。そのような示唆演出を実行することで、演出保留画像が仮にあれば、その演出保留画像の表示態様を特別な表示態様になっていたことを遊技者に連想させることが可能である。従って、特定の遊技状態のときに当たりの判定が行われることになる判定用情報の記憶がなく演出保留画像がない場合であっても、特定の遊技状態に制御される前に、高い期待感を遊技者に確実に持たせることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1、手段A2又は手段A3に記載の遊技機であって、
前記遊技領域に配された特別入賞口(第2大入賞口35)、前記特別入賞口を開閉する特別入賞口開閉部材(開閉部材37)、および、前記特別入賞口に入賞した遊技球が通過可能であって、その通過の可否が予め定められたタイミングで切り替えられる特定領域(39)、を備え、
前記特別遊技実行手段は、
前記特定の停止態様の図柄として第1特定図柄(「特図1_時短有り小当たり図柄2」)が停止表示された場合には、前記特別入賞口への入賞が可能であって前記特別入賞口への入賞球が前記特定領域を通過可能な通過用開放パターンにて前記特別入賞口開閉部材を開放させる特別遊技を実行し、
前記特定の停止態様の図柄として第2特定図柄(「特図1_時短有り小当たり図柄1」)が停止表示された場合には、遊技球が前記特別入賞口へ入賞しても前記特定領域を通過することが不可能又は実質的に不可能な非通過用開放パターンにて前記特別入賞口開閉部材を開放させる特別遊技を実行するものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記第2特定図柄が停止表示された前記特別遊技の実行後の遊技状態を前記特定の遊技状態に制御する場合があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定領域に通過不可能(実質的に通過不可能)な特別遊技の実行後の遊技状態を特定の遊技状態に制御する場合があるので、遊技者にとって利益の少ない上記特別遊技を活用することが可能である。よって、興趣を向上可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特定の遊技状態の制御契機となる第2特定図柄が停止表示された前記特別遊技の実行中に、前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態の制御契機となる第2特定図柄が停止表示された特別遊技の実行中に示唆演出を実行する。よって、そのような特別遊技の実行中の興趣を向上可能である。