1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3(A)参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3(A)参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材に相当)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口に相当)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材に相当)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。第2流路R2を転動した遊技球が第1始動口20へ入賞することはない。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3(A)に示すように、遊技盤2の右下部には第1の表示器類40が配置されている。また図1および図3(B)に示すように、センター装飾体10の右上部には第2の表示器類46が配置されている。第1の表示器類40は、後述する遊技制御用マイコン81によって点灯を制御される表示器類である。これに対して、第2の表示器類46は、後述する演出制御用マイコン91によって点灯を制御される表示器類である。
第1の表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また第1の表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また第1の表示器類40には、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であることを示す右打ち表示器45が含まれている。出玉率とは、遊技領域3に打ち込んだ遊技球の数に対する払出賞球数の割合である。具体的には右打ち表示器45は、例えば1つのLEDから構成されており、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であるときにはLEDを点灯させ、そうでないときにはLEDを消灯させる。但し右打ち表示器45は比較的小さく、遊技者の目に留まりにくい。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85aが4個、第2特図保留記憶部85bが1個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3(A)参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
次に、図3(B)に示す第2の表示器類46について説明する。第2の表示器類46には、右打ちランプ47が含まれている。右打ちランプ47は、第1の表示器類40の右打ち表示器45(図3(A)参照)と同様、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であることを示すためのものである。また第2の表示器類46には、第1特別図柄の可変表示中か否かを示す特1変動ランプ48a、第2特別図柄の可変表示中か否かを示す特2変動ランプ48b、第1特図保留の記憶数を示す特1保留ランプ49a、および第2特図保留の記憶数を示す特2保留ランプ49bが含まれている。
右打ちランプ47は、1つのLEDからなり、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であるときには点灯し、そうでなければ消灯する。特1変動ランプ48aおよび特2変動ランプ48bは、それぞれ1つのLEDからなり、特別図柄の可変表示中であれば点灯し、そうでなければ消灯する。また、特1保留ランプ49aおよび特2保留ランプ49bは、それぞれ2つのLEDからなり、特図保留の数が「0」であれば両方を消灯させ、「1」であれば両方を点灯させ、「2」であれば一方を点灯させるとともに他方を点滅させ、「3」であれば一方を点滅させるとともに他方を点灯させ、「4」であれば両方を点滅させる。第2の表示器類46によれば、表示画面7aをブラックアウトさせたとき等であっても各種の情報を遊技者に対して示すことが可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第2特図保留記憶部85bは、第2入球口用記憶手段に相当する。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、および右打ち表示器45が接続されている。すなわち、これらの第1の表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5、第2の表示器類46(右打ちランプ47、特1変動ランプ48a、特2変動ランプ48b、特1保留ランプ49a、及び特2保留ランプ49b)の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5、第2の表示器類46といった各種ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各種ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。詳細には、第1特別図柄(特図1)の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」があり、第2特別図柄(特図2)の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」がある。すなわち、第2特別図柄の抽選で「はずれ」となることはない。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、「小当たり」は「特定当たり」に相当する。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(第2特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技、大当たり開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図6に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」と「4R時短大当たり」と「15R時短大当たり」とがある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」及び「4R時短大当たり」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従ってこのときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
より詳細には本形態では、図6に示すように、小当たりの種別として「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、及び「16R通常小当たり」とがある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「16R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過やV入賞ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、及び「16R通常小当たり」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には図6に示すように、時短小当たりAではおよそ4.6秒、時短小当たりBでは21秒、時短小当たりCおよび通常小当たりでは0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「16R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
また、「16R時短小当たりB」及び「16R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「16R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「16R通常小当たり」は、6R目から16R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。すなわち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
また、「16R時短小当たりA」及び「16R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「16R時短小当たりC」及び「16R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。なお、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、及び「16R時短小当たりC」は「特典付き小当たり」に相当し、「16R通常小当たり」は「特典なし小当たり」に相当する。また、「16R時短小当たりB」は「第1当たり」に相当し、「16R時短小当たりA」は「第2当たり」に相当する。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、16R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、16R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図10参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「特典遊技状態」に相当する。
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、又は「16R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、「15R通常大当たり」、又は「16R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(図6参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。なお、特別遊技の実行中の状態を、「特別遊技状態」と称することとする。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図11〜図28に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図11に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図12に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))の検知による検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図11の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図11参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図13に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」以上であるか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」以上であれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」以上でなければ(S202でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS211に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S206でYES)には、ステップS211に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。そして、特図1保留球数が増加したことを示す特図1保留増加コマンドを所定の出力バッファにセットする(S209)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S211)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S211でNO)には本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S211でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「1」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S212)。そして、特図2保留球数が「1」に達している場合(S212でYES)には本処理を終えるが、特図2保留球数が「1」未満である場合(つまりない場合)には(S212でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S213)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S214)を行う。特図2関係乱数取得処理(S214)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。そして、特図2保留球数が増加したことを示す特図2保留増加コマンドを所定の出力バッファにセットする(S215)。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図14に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S304でYES)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図8(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S308)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図15に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図16に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける特図2の保留情報をクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にはハズレがなく、大当たり当選となる場合を除けば必ず小当たり当選となる上、小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選がなされれば必ず大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)ようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図17に基づいてまとめて説明する。図17に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「65299」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3500」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。本形態では、特図1の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがある一方、特図2の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがないように、各抽選における小当たり当選確率が設定されている(図8(A)参照)。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図18及び図19に基づいてまとめて説明する。図18に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図19に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図18に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図20に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図21に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次いで遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための右打ち指定コマンド(第1打方指定コマンドに相当)を所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させる(S1607)。このようにするのは、大当たり遊技の実行により第2流路R2上に設けられた第1大入賞口30が開放されるからである。その後、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1608)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1609)。ステップS1609に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1610)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1611)。小当たりフラグがONであれば(S1611でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1612)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。
次いで遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための右打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させる(S1613)。このようにするのは、小当たり遊技の実行により第2流路R2上に設けられた第2大入賞口35が開放されるからである。その後、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1614)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1615)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1616)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1617)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1611において小当たりフラグがONでなければ(S1611でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1618)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図22に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONでなければ、ステップS1708に進む。一方、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動(特図変動)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。
ステップS1703において「0」でなければ、ステップS1708に進む。これに対して、「0」であれば、時短フラグをOFFするとともに(S1704)、第2特図保留(特2保留ともいう)があるか否か、つまり特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1705)。特図2保留球数が「0」でなければ(S1705でYES)、特2保留ありフラグをONして(S1706)、ステップS1708に進む。特2保留ありフラグは、通常遊技状態への制御が開始されたが特図2保留球数が「0」ではないことを示すフラグである。
一方、特図2保留球数が「0」であれば(S1705でNO)、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンド(第2打方指定コマンドに相当)を所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させ(S1707)、ステップS1708に進む。このようにするのは、時短状態の終了とともに遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。なお左打ち指定コマンドのセット後にステップS1613の処理を行って右打ち指定コマンドをセットした場合には、左打ち指定コマンドを送信せず、右打ち指定コマンドを送信するよう構成されている。
ステップS1708では、特2保留ありフラグがONか否かを判定する。ONでなければ本処理を終えるが、ONであれば、続いて第2特図保留があるか否か、つまり特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1709)。そして特図2保留球数が「0」でなければ(S1709でNO)、本処理を終える。これに対して、特図2保留球数が「0」であれば(S1709でYES)、時短状態の終了時(通常遊技状態への制御開始時)に残っていた第2特図保留に基づく特別図柄の変動が終了しているため、ステップS1707と同様、左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させる(S1710)。このようにするのは、時短状態の終了時や大当たり遊技の終了時に残っていた全ての第2特図保留に基づく処理の終了とともに、遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。その後遊技制御用マイコン81は、特2保留ありフラグをOFFして(S1711)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図23に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口の開放がラウンド遊技1回の中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンド(図6参照)を、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、そのラウンド遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2006)。規定入賞個数に達していなければ(S2006でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2007)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2007でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2006でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2007でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2008)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2009)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2010)。「0」でなければ(S2010でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2010でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2011)、大当たりのエンディングを開始する(S2012)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2013)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2014)、エンディング時間が経過していなければ(S2014でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2014でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2015)、大当たりフラグをOFFする(S2016)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2017)、後述の遊技状態設定処理(S2018)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図24に示すように、遊技状態設定処理(S2018)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「15R時短大当たり」、又は「16R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102及びS2103を行わず、ステップS2104に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非時短状態且つ低ベース状態(通常遊技状態)になる。ステップS2104では、第2特図保留があるか否か、すなわち特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する。そして特図2保留球数が「0」でなければ(S2104でYES)、特2保留ありフラグをONして(S2105)、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」であれば(S2104でNO)、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させて(S2106)、本処理を終える。このようにするのは、大当たり遊技の終了とともに遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図25及び図26に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図26に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図28参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)、ステップS2316に進む。
そしてステップS2316では、時短フラグがONであるか否かを判定する。ONであれば、本処理を終えるが、ONでなければ、続いて第2特図保留があるか否か、すなわち特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S2317)。そして特図2保留球数が「0」でなければ(S2317でYES)、本処理を終えるが、「0」であれば(S2317でNO)、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させて(S2318)、本処理を終える。このようにするのは、小当たり遊技が終了して、特図2保留球数が「0」の状態で通常遊技状態での遊技が開始されるのに伴って、遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。
一方ステップS2313においてVフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2319)、大当たりフラグをONして(S2320)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2321)。続いて、時短フラグがONであれば(S2322でYES)時短フラグをOFFする(S2323)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2324)、大当たりのオープニングを開始する(S2325)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図12参照)。振分部材制御処理(S107)では図27に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図21参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図42(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が、振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図42(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図42(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図42に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図42(b),(e),及び(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、図42(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図42(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「16R時短小当たりC」又は「16R通常小当たり」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図42(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図42(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりB」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図42(e)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
図42(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりA」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図42(f)及び(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図42に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図42(b)の特2V通過小当たり及び図42(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図42(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお、仮に第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとした場合には、通過開放パターンと非通過開放パターンとを設けようとすると、第2大入賞口35の開放時間が4秒程度以上は必要となる。例えば、図43(c)に示すように振分部材を動作させ、これに対して、図43(a)に示すように第2大入賞口を開放させることで通過開放パターンとし、図43(b)に示すように第2大入賞口を開放させることで非通過開放パターンとするといった具合である。これでは、図43(a)に示すように通過開放パターンにおける第2大入賞口の開放時間を長く設定する必要が生じ、本形態のような1.6秒という短時間の開放とした場合に両方の開放パターンを設けることができない。そこで本形態では、小当たり遊技のオープニングの開始から振分部材71の一定動作を開始することとしている(図42参照)。このようにすれば、1.6秒という短時間の開放であっても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能となる。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図12参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図28に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図27)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図42(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図29〜図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図29に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出(開放遊技演出)、エンディング演出や、小当たり演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図30に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図31に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理にて作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり(S4304)、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたりする(S4305)。そして、後述する右打ち画像表示処理(S4306)を行い、各種の演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行して(S4307)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図33に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留増加コマンド(特図1保留増加コマンド又は特図2保留増加コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば保留球数増加処理を行う(S4402)。保留球数増加処理(S4402)では、受信したコマンドが特図1保留増加コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を1インクリメントする。また、受信したコマンドが特図2保留増加コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を1インクリメントする。この処理と後述する保留球数減算処理(S4410)とにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも特図1保留球数及び特図2保留球数の情報を保持するようにしている。
なお、第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。また、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4408)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行うとともに(S4409)、保留球数減算処理を行う(S4410)。保留球数減算処理(S4410)では、受信したコマンドが特図1変動開始コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を1ディクリメントする。また、受信したコマンドが特図2変動開始コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を1ディクリメントする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理を行う(S4416)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4418)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4419)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4420)を行う。V通過報知演出開始処理(S4420)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から左打ち指定コマンドを受信したか否か判定し(S4421)、受信していなければステップS4424に進む。これに対して受信していれば、右打ちランプ47(図3(B)参照)を消灯させるための右打ちランプ消灯データをセットする(S4422)。右打ちランプ47の点灯中に、ステップS4422でセットされた右打ちランプ消灯データに基づいて上述のランプデータ出力処理(図31のステップS4202)が実行されると、右打ちランプ47は消灯する。
続いて演出制御用マイコン91は、左打ち画像表示処理(S4423)を行う。左打ち画像表示処理(S4423)では、所定の左打ち画像を表示画面7aに表示するための左打ち画像表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。但し、特1V非通過小当たりの小当たり遊技の終了時であれば、左打ち画像表示コマンドをセットしない。特1V非通過小当たりの小当たり遊技中は、後述の右矢印画像RI(例えば図47(a)参照)の表示がなされないからである。
ステップS4423でセットされた左打ち画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の左打ち画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。このとき、後述の右矢印画像RIの表示は終了する。本形態では左打ち画像は、図50に示すように、左向きの矢印と「左打ち」の文字からなる左矢印画像LI1と、「左打ちに戻してください」の文字画像LI2とからなる。なお、左打ち画像の表示と共に、又は左打ち画像の表示に代えて、「左打ちに戻してください」の音声をスピーカ67から出力するようにしてもよい。左打ち画像の表示等による左打ち報知は、「打方変更演出」や「打込変更報知」に相当する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から右打ち指定コマンドを受信したか否か判定し(S4424)、受信していなければステップS4427に進む。これに対して受信していれば、右打ちランプ47(図3(B)参照)を点灯させるための右打ちランプ点灯データをセットする(S4425)。ステップS4425でセットされた右打ちランプ点灯データに基づいて上述のランプデータ出力処理(図31のステップS4202)が実行されると、右打ちランプ47は点灯する。
続いて演出制御用マイコン91は、右矢印画像表示処理(S4426)を行う。右矢印画像表示処理(S4426)では、所定の右矢印画像RI(例えば図47(a)参照)を表示画面7aに表示するための右矢印画像表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。但し、特1小当たり(特1V非通過小当たり及び特1V通過小当たり)の小当たり遊技の開始時であれば、右矢印画像表示コマンドをセットしない。特1V非通過小当たりの当選時には右矢印画像RIの表示を行わず、特1V通過小当たりの当選時には、後述する右打ち画像表示処理(S4306,図41)にて、右矢印画像RIを含む所定の右打ち画像(図51(b)のRI及びNI)を表示するからである。
ステップS4426でセットされた右矢印画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、右向きの矢印と「右打ち」の文字からなる右矢印画像RIを、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。右矢印画像RIの表示による右打ち報知は、「打込報知」に相当する。本形態では、原則として、右矢印画像RIの表示は、右打ち指定コマンドの受信時に開始され、左打ち指定コマンドの受信時に終了する。つまり、大当たり遊技中や特図2の抽選に基づく小当たり遊技中、時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)中、第2特図保留がある状態で通常遊技状態に制御されたときには、右矢印画像RIが表示されることとなる。なお、大当たり遊技中であってもエンディング中は表示しないようにしている。
続いて、その他の処理(S4427)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普図変動開始コマンドや普図変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図34に示すように、変動演出開始処理(S4409)では、演出制御用マイコン91は、後述する背景処理(S4801)および変動演出パターン選択処理(S4802)を行う。
[背景処理]図35に示すように、背景処理(S4801)ではまず、演出制御用マイコン91は、背景データを参照する(S4901)。背景データとは、表示画面7aに表示する背景画像を示すデータである。本形態では、背景画像として、図44に示す4つの背景画像(「通常背景」、「特別背景」、「ラストチャンス背景」、及び「チャンス終了直後背景」)を表示することが可能となっている。
「通常背景」は、図45(a)に示す昼の背景である。また、「特別背景」は、図45(b)に示す夜の背景(月の演出画像あり、ラストチャンスの文字画像なし)である。また、「ラストチャンス背景」は、図45(c)に示す夜の背景(月の演出画像なし、ラストチャンスの文字画像あり)である。また、「チャンス終了直後背景」は、図45(d)に示す夜明けの背景である。図45(b)に示す夜の背景を第1夜背景とも称し、図45(c)に示す夜の背景を第2夜背景とも称する。
なお、「通常背景」を表示する演出モードを「昼背景モード」という。また、「第1夜背景」を表示する演出モードを「第1夜背景モード」という。また、「第2夜背景」を表示する演出モードを「第2夜背景モード」という。また、「チャンス終了直後背景」を表示する演出モードを「夜明け背景モード」という。「第1夜背景モード」及び「第2夜背景モード」は、大当たり遊技を獲得し易い有利状態(言い換えれば大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者に有利な有利状態)であることを示唆する「有利演出態様」に相当する。これに対して、「昼背景モード」及び「夜明け背景モード」は、有利状態よりも大当たり遊技を獲得し難い非有利状態であることを示唆する「非有利演出態様」に相当する。有利演出態様において表示画面7aに表示される背景画像を「有利背景画像」とも称し、非有利演出態様において表示画面7aに表示される背景画像を「非有利背景画像」とも称する。なお演出モードとは、本形態では画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、上述の通り背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
各背景画像が表示されるシチュエーションは、図44の備考欄に示す通りである。つまり本形態では、遊技開始時には「通常背景」に制御されており、大当たり遊技を経て特典遊技状態に制御されると「特別背景」に制御される。そして、大当たり遊技の終了後に通常遊技状態に制御される際に第2特図保留(特2保留)があれば「ラストチャンス背景」に制御され、特2保留がなければ「チャンス終了直後背景」に制御される。「チャンス終了直後背景」にて特別図柄の変動表示が20回実行されると、再び「通常背景」に制御される。なお、各背景画像に対応する背景データの値、及び、各背景画像の表示時の遊技状態は、図44に示す通りである。また、本形態では、大当たり当選時の滞在背景を参照することにより、後述する初当たりか否かの判定を行うこととしている(図44の「初当たりor継続当たりの別」の欄参照)。
図35の背景処理では、ステップS4901で参照した背景データが通常背景の背景データであるか否か、すなわち現在の滞在背景が通常背景であるか否かを判定する(S4902)。通常背景であれば、本処理を終える。これに対して、通常背景でなければ、続いてRAM94に設けた背景カウンタの値が「0」か否かを判定する(S4903)。背景カウンタとは、特定の背景(通常背景以外の背景)における特別図柄の変動表示の実行回数をカウントするためのカウンタである。本形態では、背景カウンタを用いたカウントにより、特定の背景への滞在期間を管理している。なお、背景カウンタの値は、「特別背景」への制御開始時に「99」にセットされ、「ラストチャンス背景」への制御開始時に「1」にセットされ、「チャンス終了直後背景」への制御開始時に「20」にセットされる。この点については後述する。
ステップS4903において背景カウンタの値が「0」でなければ本処理を終える。これに対して、背景カウンタの値が「0」であれば(S4903でYES)、続いて特2保留(第2特図保留)があるか否かを判定する(S4904)。特2保留の有無の判定は、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値に基づいて行う。なお以降の処理においても、演出制御用マイコン91が特2保留の有無を確認する際には、第2特図保留演出カウンタの値が参照される。特2保留がなければ(S4904でYES)、滞在背景を通常背景にセットする、すなわち、背景データの値を通常背景の背景データの値(01H、図44参照)にセットする(S4905)。これは、遊技者に対して有利状態が終了したことを示すためである。これに対して、特2保留があれば(S4904でNO)、滞在背景をラストチャンス背景にセットする、すなわち、背景データの値をラストチャンス背景の背景データの値(03H、図44参照)にセットするとともに(S4906)、背景カウンタの値に「1」をセットする(S4907)。これは、遊技者に対して特典遊技状態の終了を示すためである。
[変動演出パターン選択処理]図36に示すように、変動演出パターン選択処理(S4802)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン91は、背景データを参照する(S5002)。
続いて演出制御用マイコン91は、背景データ及び変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS5002で参照した背景データ及びステップS5001で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S5003)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S5004)。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5005)。
ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
本形態では、背景データに応じた背景画像で変動演出が実行される。具体的には、背景データが「01H」であれば、図45(a)に示すように、背景画像として昼背景の画像を表示画面7aに表示した上で変動演出を実行する。また、背景データが「02H」であれば、図45(b)に示すように、背景画像として第1夜背景の画像を表示画面7aに表示した上で変動演出を実行する。また、背景データが「03H」であれば、図45(c)に示すように、背景画像として第2夜背景の画像を表示画面7aに表示した上で変動演出を実行する。また、背景データが「04H」であれば、図45(d)に示すように、背景画像として夜明け背景の画像を表示画面7aに表示した上で変動演出を実行する。
第1夜背景や第2夜背景の画像は、大当たりを獲得し易い状態であることを遊技者に対して報知する画像である。詳しく述べれば、第1夜背景の画像は、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)であるときに表示される。また、第2夜背景の画像は、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるがその通常遊技状態への移行時点で第2特図保留があったときに表示される。これらの場合は、第2特図保留に基づく小当たり当選から、V通過(V入賞)を経て大当たり遊技を実行させることが可能である。つまり、大当たりを獲得し易い状態といえる。
これに対して昼背景や夜明け背景の画像は、大当たりを獲得し易い状態ではないことを遊技者に対して報知する画像である。詳しく述べれば、これらの画像は、現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であり第2特図保留もないときに表示される。大当たり遊技の終了時点で第2特図保留がなく通常遊技状態に制御された場合や、通常遊技状態において第2特図保留がなくなった場合には、特図1の抽選にて大当たりを獲得しなければならない。そのため、特図2の抽選のように容易に大当たりを獲得することはできない。つまり、第2特図保留のない通常遊技状態は、大当たりを獲得し易い状態ではない。
図36に戻り、ステップS5005に続いて演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特図2の小当たり変動(小当たり当選の判定結果に基づく変動)の開始時か否かを判定する(S5006)。ステップS5006の判定結果がNOであれば本処理を終える。一方、ステップS5006の判定結果がYESであればV打込指示演出を行うための演出コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5007)。
ステップS5007でセットした演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、V入賞(特定領域39への通過)を促す演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。具体的には本形態では、V打込指示演出として、まず図46(a)に示す「Vチャンススタート」の文字画像MIを表示する。これにより、まもなく小当たり遊技が実行されることが遊技者に示唆される。この文字画像MIの表示は第2示唆演出に相当する。なお第1示唆演出に相当する演出は、図49に示すカウントダウン演出CEである。この演出については後述する。
V打込指示演出では、次いで図46(b)に示すV打込指示画像NIを表示する。これにより、遊技者に対して第2大入賞装置36(Vアタッカー)を狙って遊技球を打ち込むべき旨を報知する。このV打込指示画像NIの表示は打込報知演出に相当する。なお、これらの画像(文字画像MIやV打込指示画像NI)は、背景画像に重ねて表示する。このようなV打込指示演出を特図2の変動表示中の演出として行うことで、小当たり遊技の開始後に遊技者が慌てることなく確実にV入賞させることができるようにしている。このV打込指示演出は、通常遊技状態であっても特典遊技状態であっても実行される。
ここで本形態では、打込報知演出として、V打込指示画像NIの表示(打込指示表示)を行うだけでなく、スピーカ67から所定の効果音(打込指示音)を出力するようにしている。つまり、本形態では、打込報知演出は、打込指示表示を行う表示演出と、打込指示音を出力する音出力演出とからなっている。これにより、表示画面7aから目をそらしている遊技者に対しても確実にV入賞を促すことが可能となっている。なお打込指示音の出力は、具体的にはステップS5007の処理後に音声制御処理(図32のステップS4305)を迎えたときに行う。
[変動演出終了処理]図37に示すように、変動演出終了処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析するとともに(S5201)、背景データを参照する(S5202)。次に、背景データの値が「01H」か否か、即ち滞在背景が通常背景(昼背景)か否かを判定する(S5203)。そして、滞在背景が通常背景であれば、ステップS5205に進む。
一方、滞在背景が通常背景でなければ(S5203でNO)、背景カウンタの値を1ディクリメントしてから、ステップS5205に進む。ステップS5205では、演出制御用マイコン91は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
[オープニング演出選択処理]図38に示すオープニング演出選択処理(S4414)は、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出、又は小当たり遊技中に実行する小当たり演出のパターン(内容)を選択する処理である。図38に示すように、オープニング演出選択処理(S4414)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5501)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図6参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが小当たり遊技の開始を示すコマンドであるか否かを判定する(S5502)。小当たり遊技の開始を示すコマンドでなければ(S5502でNO)、大当たり遊技の開始時であるため、当選した大当たりの種別に応じた大当たりのオープニング演出(OP演出)を選択して(S5503)、ステップS5510に進む。
これに対して、小当たり遊技の開始を示すコマンドであれば(S5502でYES)、続いて、特図1の抽選に基づいて当選した小当たりであるか否かを判定する(S5504)。特図1の抽選に基づく小当たり当選でなければ(S5504でNO)、特図2の抽選に基づく小当たり(図6に示す16R時短小当たりC又は16R通常小当たり)の演出(特2小当たり用演出)を選択して(S5505)、ステップS5510に進む。
ステップS5504において特図1の抽選に基づく小当たり当選であれば(S5504でYES)、続いて、V通過可能な小当たりであるか否かを判定する(S5506)。すなわち、図6に示す「16R時短小当たりB」であるか否かを判定する。V通過可能な小当たりでなければ(S5506でNO)、特図1の抽選に基づくV通過不可能な小当たり(16R時短小当たりA)の演出(特1V非通過小当たり用演出)を選択して(S5507)、ステップS5510に進む。
ステップS5506においてV通過可能な小当たりであれば(S5506でYES)、特図1の抽選に基づくV通過可能な小当たり(16R時短小当たりB)の演出(特1V通過小当たり用演出)を選択するとともに(S5508)、右打ち表示タイマに4000msをセットして(S5509)、ステップS5510に進む。右打ち表示タイマとは、16R時短小当たりB(特1V通過小当たり)の小当たり遊技において、右打ち画像(図51(b)参照)の表示を開始するタイミングを計るためのタイマである。本形態では、小当たり遊技のオープニングから4000ms経過したときに、右打ち画像の表示を行うようにしている。この点については後述する。
ステップS5510では、上述した各処理にて選択した演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
ステップS5510でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、オープニング演出開始コマンドに応じた演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
[ラウンド演出選択処理]図39に示すラウンド演出選択処理(S4416)は、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する処理である。本形態では、大当たり遊技におけるラウンド遊技中にバトル演出を行う。バトル演出とは例えば、味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行い、勝敗を決する演出である。各大当たり遊技は、導入ラウンド(バトル前ラウンド)と、バトルラウンドと、バトル後ラウンドからなる。何ラウンド目のラウンド遊技が導入ラウンド、バトルラウンド、又はバトル後ラウンドに相当するかは、当たりの種別に応じて定められている。
図39に示すように、ラウンド演出選択処理(S4416)ではまず、ラウンド指定コマンドを解析する(S5601)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図6参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したラウンド指定コマンドが導入ラウンドを示すコマンドであるか否かを判定する(S5602)。導入ラウンドを示すコマンドであれば、ラウンド演出として導入演出を選択して(S5603)、ステップS5612に進む。
導入ラウンドを示すコマンドでなければ(S5602でNO)、続いてバトルラウンドを示すコマンドであるか否かを判定する(S5604)。バトルラウンドを示すコマンドであれば、続いて、実行中の大当たり遊技が時短当たりへの当選に基づく大当たり遊技であるか否かを判定する(S5605)。時短当たりとは、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、又は「15R時短大当たり」である。ステップS5605において時短当たりであれば、味方キャラクタがバトルに勝利するバトル演出を選択して(S5606)、ステップS5612に進む。この勝利のバトル演出により遊技者に対して、時短当たりへの当選(つまり大当たり遊技の終了後に特典遊技状態に移行する旨)が報知される。一方、ステップS5605において時短当たりでなければ、味方キャラクタがバトルに敗北するバトル演出を選択して(S5607)、ステップS5612に進む。この敗北のバトル演出により遊技者に対して非時短当たりへの当選が報知される。非時短当たりとは、「15R通常大当たり」又は「16R通常小当たり」である。
ステップS5604においてバトルラウンドを示すコマンドでなければ、バトル後ラウンドであるため、続いて、実行中の大当たり遊技が時短当たりへの当選に基づく大当たり遊技であるか否かを判定する(S5608)。時短当たりへの当選に基づく大当たり遊技であれば、ラウンド演出として、チャンス突入示唆演出を選択して(S5609)、ステップS5612に進む。
これに対して、時短当たりへの当選に基づく大当たり遊技でなければ(S5608でNO)、続いて、第2特図保留(特2保留)の有無を判定する(S5610)。第2特図保留があれば、当選した当たりの種別は時短当たりではないが、実行中の大当たり遊技の終了後も第2特図保留に基づいてV通過小当たりへの当選が可能である。よって、時短当たりであった場合と同様、チャンス突入示唆演出を選択して(S5609)、ステップS5612に進む。つまり、本形態では、チャンス突入示唆演出は、実行中の大当たり遊技の終了後に大当たり遊技を獲得し易い有利な状態となることを示唆する演出である。具体的には例えば、図47(a)に示す流れている星の演出画像を表示する。なお、チャンス突入示唆演出は、第1開放遊技演出に相当する。
一方、ステップS5610において第2特図保留がなければ、チャンス非突入示唆演出を選択して(S5611)、ステップS5612に進む。チャンス非突入示唆演出は、実行中の大当たり遊技の終了後に大当たり遊技を獲得し易い有利な状態とならないこと(非有利状態となること)を示唆する演出である。具体的には例えば、図47(b)に示す流れていない星の演出画像を表示する。なお、チャンス非突入示唆演出は、第2開放遊技演出に相当する。
ステップS5612では、上述した各処理にて選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
ステップS5612でセットされたラウンド演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出開始コマンドに応じた演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。なお画像制御基板100は、ラウンド遊技中は右矢印画像RIを表示画面7aに表示している(図47参照)。
[エンディング演出選択処理]図40に示すエンディング演出選択処理(S4418)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図40に示すように、エンディング演出選択処理(S4418)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5701)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図6参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS5701で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5702)。ステップS5702で時短当たりであると判定した場合には(S5702でYES)、続いて、その時短当たりへの当選時の滞在背景が通常背景であるか否かを判定する(S5703)。つまり、所謂「初当たり」であるか否かを判定する(図44参照)。当選時の滞在背景が通常背景であれば、「初当たり」であるため、第1エンディング演出の演出パターンを選択する(S5704)。第1エンディング演出は、図48(a)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「夜背景モード突入!」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に移行する旨を報知することができる。
一方、ステップS5703において当選時の滞在背景が通常背景でなければ(S5703でNO)、「初当たり」ではなく「継続当たり」であるため、第2エンディング演出の演出パターンを選択する(S5705)。第2エンディング演出は、図48(b)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「夜背景モード継続!」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して再び時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に制御される旨を報知することができる。
ステップS5704又はステップS5705に続いて演出制御用マイコン91は、滞在背景を特別背景(図44参照)にセットするとともに(S5706)、背景カウンタの値を「99」にセットして(S5707)、ステップS5717に進む。
またステップS5702において時短当たりでないと判定した場合には(S5702でNO)、続いて、第2特図保留(特2保留)があるか否かを判定する(S5708)。第2特図保留があれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であるが、まだ第2特図保留に基づく小当たり当選からV通過を経て2種大当たり遊技を獲得する機会が残っている。従って、演出制御用マイコン91は、第3エンディング演出の演出パターンを選択する(S5709)。第3エンディング演出は、図48(c)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「夜背景モード残り1回!」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対してまだ2種大当たり遊技を容易に獲得可能であることを示唆することができる。この第3エンディング演出については、後に詳述する。なお、第1エンディング演出(図48(a))、第2エンディング演出(図48(b))、及び第3エンディング演出図48(c)は、エンディング後に有利演出態様にて演出が実行される旨を示唆する有利演出態様実行示唆演出に相当する。
ステップS5709に続いて演出制御用マイコン91は、滞在背景をラストチャンス背景(図44参照)にセットするとともに(S5710)、背景カウンタの値を「1」にセットして(S5711)、ステップS5717に進む。
一方、ステップS5708において第2特図保留がないと判定した場合には(S5708でNO)、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態であり第2特図保留に基づく2種大当たり遊技の獲得の機会も残っていない。そのため演出制御用マイコン91は、このエンディング演出選択処理に係る大当たりへの当選時の滞在背景が通常背景であるか否かを判定する(S5712)。すなわち、「初当たり」であるか否かを判定する(図44参照)。
そして、当選時の滞在背景が通常背景でなければ(S5712でNO)、「初当たり」ではなく「継続当たり」であるため、第4エンディング演出の演出パターンを選択する(S5713)。第4エンディング演出は、図48(d)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「またね!」の文字画像と獲得ポイント数とを含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して2種大当たり遊技を容易に獲得可能な状態ではないことを示唆することができる。なお獲得ポイント数とは、初当たりの開始から今回の大当たりの終了までの間に遊技者が獲得した賞球の総数を示す数である。
一方、ステップS5712において当選時の滞在背景が通常背景であれば(S5712でYES)、「初当たり」であるため、第5エンディング演出の演出パターンを選択する(S5714)。第5エンディング演出は、図48(e)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。すなわち、「またね!」の文字画像を含む演出画像を表示画面7aに表示する演出である。この第5エンディング演出では、獲得ポイント数は表示画面7aに表示されない。この第5エンディング演出によっても、遊技者に対して2種大当たり遊技を容易に獲得可能な状態ではないことを示唆することができる。なお、第4エンディング演出(図48(d))及び第5エンディング演出(図48(e))は、エンディング後に非有利演出態様にて演出が実行される旨を示唆する非有利演出態様実行示唆演出に相当する。
ステップS5713又はステップS5714に続いて演出制御用マイコン91は、滞在背景をチャンス終了直後背景(図44参照)にセットするとともに(S5715)、背景カウンタの値を「20」にセットして(S5716)、ステップS5717に進む。なお本形態では、チャンス終了直後背景に設定されている際に当選した大当たりは、所謂「引き戻し」として扱う。つまり、「初当たり」ではなく「継続当たり」として扱う。すなわち本形態における「初当たり」とは、通常遊技状態における特図1の抽選にて当選した当たりであって、大当たり遊技の終了直後の20回の変動にて当選したものでない当たりである。
上記のようにしてエンディング演出の演出パターンを選択した後は、演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5717)。ステップS5717でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、エンディング演出開始コマンドに応じたエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、図48に示す各演出画像のいずれかが表示画面7aに表示されることとなる。
なお本形態では、エンディング演出開始コマンドには、上記の処理により設定した滞在背景に関する情報が含まれており、エンディング演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、エンディング演出の終了とともに、そのコマンドが示す滞在背景を表示画面7aに表示する。また画像制御基板100は、エンディング演出の実行中は右矢印画像RIの表示を行わない。右矢印画像RIの表示は、エンディング演出後の特別背景(図45(b))やラストチャンス背景(図45(c))の表示とともに再開される。なお、夜明け背景(図45(d))の表示時には、左打ち画像(図50)の表示が行われる。
ここで、図48(c)に示した第3エンディング演出について詳細に説明する。第3エンディング演出は、「夜背景モード残り1回!」の文字画像を表示した後、図49(a)及び(b)に示すように、表示画面7aの右下部において、エンディング演出の終了(つまりは第2特図保留に基づく変動演出の開始)までの時間をカウントダウンにて表示するカウントダウン演出CEを行う演出である。具体的には、「FinalVチャンスまで○○秒」という表示を行っている。これにより、遊技者に対して、V通過の機会が付与されるまで(すなわち第2特図保留に基づく小当たり遊技の実行まで)の残時間が少ないことが示される。このようにしているのは、遊技者がV通過の機会を逃してしまうのを防ぐためである。このカウントダウン演出CEは、第1示唆演出に相当する。なお、このカウントダウン演出CEが終了するとラストチャンス背景(図45(c))の下で、図46(a)に示した「Vチャンススタート」の文字画像MIが表示されることとなる。つまり本形態では、特2V通過小当たり当選時の変動開始から小当たり遊技の終了までの遊技をV通過を狙える「Vチャンス」という演出名としており、その「Vチャンス」の開始までの時間を、第3エンディング演出ではカウントダウン表示することとしている。
[右打ち画像表示処理]次に、10msタイマ割り込み処理(図32)中の右打ち画像表示処理(S4306)について説明する。図41に示すように、右打ち画像表示処理(S4306)ではまず、右打ち表示タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S6001)。大きくなければ本処理を終える。一方、「0」より大きければ、右打ち表示タイマを減算する(S6002)。続いて、右打ち表示タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S6003)。「0」でなければ本処理を終える。一方、「0」であれば、特1V通過小当たり用演出の開始から4000ms経過しているので(図38のステップS5508及びS5509参照)、右打ち画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6004)、本処理を終える。
ステップS6004でセットされた右打ち画像表示コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の右打ち画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。本形態における右打ち画像は、図51(b)に示すように、右矢印画像RIと、V打込指示画像NIとからなる。右打ち画像(図51(b)のRI及びNI)におけるV打込指示画像NIは、特図2の小当たり変動時に表示されるV打込指示画像NI(図46(b))と同じ画像である。なお、右打ち画像の表示と共に、又は右打ち画像の表示に代えて、「Vアタッカーを狙え」の音声をスピーカ67から出力するようにしてもよい。右打ち画像の表示等による右打ち報知を「第2打込報知」という。これに対して、右打ちランプ47の点灯による右打ち報知を「第1打込報知」という。
このような右打ち画像(図51(b)のRI及びNI)の表示により、遊技者に対して第2大入賞装置36(Vアタッカー)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を報知している。つまり、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を報知している。このような右打ち画像の表示は、「16R時短小当たりB」のオープニング中に行われる。つまり、「16R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(図42(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能となっている。
ここで、特1V通過小当たり(16R時短小当たりB)への当選時における右打ち報知と、特1V非通過小当たり(16R時短小当たりA)への当選時における右打ち報知とを、図52に基づいて説明する。図52では、(a)から(d)が特1V非通過小当たりへの当選時のタイミングチャートとなっており、(e)から(h)が特1V通過小当たりへの当選時のタイミングチャートとなっている。図52中の(a)及び(e)は、第2大入賞口35の開放タイミングを示しており、(b)及び(f)は、小当たり演出を示しており、(c)及び(g)は、右打ちランプ47(図3(B)参照)の点灯タイミングを示しており、(d)及び(h)は、右打ち画像(図51(b)のRI及びNI)の表示タイミングを示している。
特1V非通過小当たり又は特1V通過小当たりへの当選時における右打ち報知について説明する前に、各小当たりへの当選時における小当たり演出(特1V非通過小当たり用演出及び特1V通過小当たり用演出)についてまず説明する。本形態では図52(b)に示すように、特1V非通過小当たり用演出は、特1V通過小当たり用演出と共通する共通演出を経て、非Vチャンス報知演出を行う演出となっている。一方特1V通過小当たり用演出は、図52(f)に示すように共通演出を経て、Vチャンス報知演出を行う演出となっている。非Vチャンス報知演出とは、V通過のチャンスである旨の報知を行わない演出であり、Vチャンス報知演出とは、V通過のチャンスである旨の報知を行う演出である。
具体的には例えば、特1V非通過小当たり用演出として、カードを持ったキャラクタKIの画像を表示する共通演出(図51(a)参照)と、そのキャラクタKIがカードを裏返してそのカードに「・・・。」等のV通過のチャンスではないことを示す内容が記載されているといった非Vチャンス報知演出(図51(c)参照)とを行う。また、特1V通過小当たり用演出として、同様の共通演出(図51(a)参照)と、キャラクタKIが裏返したカードに「V獲得チャンス」等のV通過のチャンスであることを示す内容が記載されているといったVチャンス報知演出(図51(b)参照)を行う。なお、Vチャンス報知演出は、所定の報知音をスピーカ67から出力したり、所定の装飾可動体を駆動させたり、これらの演出を複合的に行ったりするなど、適宜変更可能である。
共通演出の演出尺は、4000msである。すなわち本形態では、特図1の抽選によって小当たりに当選した場合には、小当たり遊技のオープニングの開始から4000ms経過後に、V通過小当たりであるか否かが遊技者に対して報知されるようになっている。
次に、特1V非通過小当たり又は特1V通過小当たりへの当選時における右打ち報知について説明する。図52の(c)及び(g)に示すように、どちらの小当たり当選時においても、右打ちランプ47は小当たり遊技のオープニングの開始時から点灯される。なお、右打ちランプ47の点灯は、小当たり遊技のオープニングの開始時に主制御基板80から送信される右打ち指定コマンドに基づいて行われる(図33のステップS4425参照)。但し、右打ちランプ47は、表示画面7aに比して著しく小さい。そのため、この右打ちランプ47の点灯による右打ち報知(第1打込報知)は、遊技者が気付き難い右打ち報知である。
これに対して、右打ち画像(図51(b)のRI及びNI)の表示は、図52の(d)及び(h)に示すように、特1V非通過小当たり当選時には行われることがなく、特1V通過小当たり当選時には小当たり遊技のオープニングの開始から4000ms経過後に行われる。この4000msという時間は、両小当たり演出(特1V非通過小当たり用演出と特1V通過小当たり用演出)における共通演出の演出尺と同じである(図52(b)及び(f)参照)。つまり本形態では、特1V通過小当たり当選時には図51(b)に示すように、Vチャンス報知演出の実行開始とともに、右打ち画像(右矢印画像RI及びV打込指示画像NI)が表示されるようになっている(図52(f)及び(h)参照)。この右打ち画像の表示は、表示画面7a上で比較的大きく行われる。そのため、この右打ち画像の表示による右打ち報知(第2打込報知)は、遊技者が容易に認識できる右打ち報知である。このように本形態によれば、特1V通過小当たり当選時には右打ち画像の表示により遊技者に対してV入賞を促す一方で、特1V非通過小当たり時には右打ち画像を表示しないことにより、遊技者が無駄に(V入賞が不可能なのに)右打ちをしないようにしている。
なお本形態では、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行期間のうち、共通演出が実行される期間(小当たり遊技のオープニング開始から4000ms経過するまで)を第1期間とし、それ以降の期間を第2期間としている。また、共通演出は、第1演出態様の演出に相当し、Vチャンス報知演出は、第2演出態様の演出に相当する。さらに、非Vチャンス報知演出は、第3演出態様の演出に相当する。
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図53に基づいて説明する。図53に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「16R小当たりB」(図6参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。この遊技開始時点の通常遊技状態では通常背景(昼背景)に設定されている。従って、表示画面7aには、図45(a)に示す昼背景の画像が表示される。なお、この昼背景の画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが通常大当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、時短当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが通常大当たりであった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。なおこのときには、大当たり遊技の終了直後の20回の特図変動にわたってチャンス終了直後背景(夜明け背景、図45(d)参照)が表示される。
これに対して、時短当たりであった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特図2の抽選にハズレはなく(図8(A)参照)、大当たり当選となる場合を除けば全て小当たり当選となる。しかも、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(本形態では、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(図42(b),(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選が実行されれば必ず大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特図2の抽選における直撃大当たりは時短大当たりである(図6参照)。
また、この時短状態では、特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特図2の変動表示中に第2特図保留を1つ貯めることができる。この1つの第2特図保留は、大当たり遊技を経たその後の遊技において消化されることとなる。
また、この時短状態では特別背景(第1夜背景)に設定されている。従って、表示画面7aには、図45(b)に示す第1夜背景の画像が表示される。なお、この第1夜背景の画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「16R通常小当たり」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「16R時短小当たりC」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。当選した小当たりが時短小当たりであった場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても大当たり遊技を実行させることができる。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、一度、時短図柄(時短状態に制御されることとなる図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されると、それ以降で2回の大当たり遊技の実行が見込める遊技機となっている。言い換えれば、所謂2回ループの遊技機となっている。
これに対して、特図2の抽選にて当選した小当たりが通常小当たりであった場合には、通常遊技状態に制御される。この場合には、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている。よって、この第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる。つまり、この状態は、通常遊技状態ではあるもののまだ大当たり遊技を実行させ易い状態(遊技者に有利な状態)である。よって、この状態では、ラストチャンス背景(第2夜背景)に設定される。従って、第2特図保留に基づく変動演出中は、表示画面7aには図45(c)に示す第2夜背景の画像が表示される。この第2夜背景の画像の表示によれば、遊技者に対してまだ有利な状態であることを示唆することが可能である。
そして、この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短小当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となり、以降2回の大当たりが確定する。
これに対して、通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、通常小当たりに当選した場合には、もう第2特図保留も残っておらず、新たに第2特図保留を発生させることもできない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状態は終了したこととなる。従って、この状態では、チャンス終了直後背景(夜明け背景)に設定される。よって、表示画面7aには図45(d)に示す夜明け背景の画像が表示される。この夜明け背景の画像の表示によれば、遊技者に対して有利な状態が終了したことを示唆することが可能である。その後、チャンス終了直後背景(夜明け背景)において20回の特図変動が実行されると、再び通常背景(昼背景)に設定される。
なお図53に示すように、時短状態において第2特図保留を貯めていない状態で通常小当たりに基づく大当たり遊技を実行させてしまうと、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、チャンス終了直後背景(夜明け背景)に設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
また、ラストチャンス背景(第2夜背景)に設定された通常遊技状態において第2特図保留に基づく処理が終了したものの大当たり遊技を実行させられなかった場合(つまり特定領域39へ遊技球を通過させなかった場合)にも、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、通常背景(昼背景)に設定され、遊技者に対して有利な状態が終了したことが示唆される。
ここで、本パチンコ遊技機1における時短状態への制御後の連チャン終了の仕組みについてまとめて説明する。なお、連チャンの終了は、大当たり遊技が実行され易い状態でなくなることである。まず、連チャンが終了する場合について説明する。連チャンが終了する場合は、図54に示すように、時短状態における当該変動(実行中の変動)としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との両方がともに通常小当たりである場合である。このような状況となれば、もはや時短状態に制御されることはなく、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られない。よって、2回の大当たり遊技が実行されて連チャンが終了することとなる。
これに対して、連チャンが続く場合は、図55(a),(b)に示すように、時短状態における当該変動としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との少なくともいずれか一方が、時短当たりである場合である。図55(a)に示すように、当該変動としての特図2の変動が時短当たりであれば、時短状態で当選した1回目の大当たり遊技の終了後に再び時短状態に制御されて、追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、3回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
また、図55(b)に示すように、当該変動としての特図2の変動が通常小当たりであり、特図2の変動中に貯められた第2特図保留が時短小当たり(時短大当たりでもよい)であれば、通常小当たりへの当選に基づく大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されて第2特図保留を貯めることはできないものの、残っている第2特図保留に基づく大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。そしてその時短状態において、再び特図2の変動を実行させつつ、第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、4回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
8.本形態の効果
〈8−1.本形態の効果1〉
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)では第2始動口21への入球が容易となる。そして、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに関わらず特定領域39を通過する(図42(b),(c)参照)。つまり、特図2の抽選において小当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。従って、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、大当たり当選と同等の遊技上の意味を持つこととなる。つまり、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選確定である。よって、大当たりの当選確率に依らず、特図2の抽選における小当たりの当選確率の設定次第で、高ベース状態における大当たり当選確定(実質的を含む)の第2特図保留の発生確率を自在に高めることが可能である。つまり、高ベース状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能である。言い換えれば、高ベース状態において小当たりには当選するものの、なかなか特定領域39に遊技球を通過させることができずに大当たり遊技が実行されず、大当たり遊技の実行という利益を獲得するまでの遊技期間が長くなるのを防ぐことが可能である。つまり、利益獲得に対するスピード感の低下により遊技興趣が低下するのを防ぐことが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選にはハズレがない(図8(A)参照)。つまり小当たり当選確率を最大限に高めている。そのため、特図2の抽選がなされれば実質的には必ず大当たり遊技が実行されることとなる。従って、一旦高ベース状態に制御されれば原則的には、特図2の当該変動分と第2特図保留の全てが通常小当たりに振り分けられない限り、大当たり遊技の実行という利益を獲得し続けられる(大当たりに当選し続けられる)という新たな遊技性を提供することが可能である。つまり、第2特図保留の上限記憶数+1回(特図2の当該変動分)のループ機を提供することが可能である。なお本形態では、第2特図保留の上限記憶数は「1」である。よって、一旦高ベース状態に制御されればその後2回の大当たり遊技の実行が確定する所謂2回ループの遊技機を、所謂1種2種混合機として好適に実現することが可能である。ちなみに本形態では、大当たり遊技後の特図2の抽選による連チャンは、所謂1G連(大当たり遊技の終了後の一変動目で再び大当たりに当選する連チャン)となる。このことも、本形態のパチンコ遊技機1における斬新な遊技性の1つである。
なお、所定の遊技状態に制御された後の大当たり当選までのスピードを早めるためには、その遊技状態における大当たり当選確率自体を高める構成が考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合に本形態のようなスピード感を実現しようとすると、高確率状態ではない通常確率状態での大当たり当選確率まである程度高く設定しておく必要が生じる。高確率状態と通常確率状態との大当たり当選確率の確率差が大きくなり過ぎないようにする必要があるからである。また、このように両遊技状態において高い大当たり当選確率に設定すると、一回の大当たり遊技において払い出される賞球数を少なく設定する必要が生じる。あまりにも多数の賞球を遊技者が獲得可能となると適正な遊技性が害されてしまうからである。但しこれでは、遊技者にとって所謂出玉感(十分な賞球を得ているという感覚)の感じられない面白みの少ない遊技機になる虞もある。
これに対して本形態では、大当たり当選確率を高めることなく、特図2の抽選の小当たり当選確率を高め、且つ、特図2の抽選で当選する小当たりを必ず大当たり遊技を獲得できる当たりとすることで、特図2の抽選が頻繁に生じる高ベース状態における実質的な大当たり発生確率を高めている。よって、大当たり当選確率(1種大当たりの当選確率)自体を高める場合とは異なり、小当たりに当選してもV通過できない場合を設けておくことで(本形態のように特1V非通過小当たりを設けておくことで)、大当たり発生確率と賞球数との適正なバランスを保つことが可能である。従って、大当たり遊技において払い出される賞球数を上記のようにあえて少なく設定する必要はない。そのため本形態では、特図2の抽選が頻繁に生じる特定の遊技期間(高ベース状態に制御されている期間)においては、実質的な大当たり発生確率の向上と高い出玉感との両立が可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される(図16参照)。そのため、高ベース状態において第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の変動表示ばかりが実行されることにより、高ベース状態にて実行される変動表示の残回数がいたずらに減少してしまう不利益の発生を防止することが可能である。また特図1の抽選によって、遊技者にとって望ましくない「15R通常大当たり」に当選するのを防ぐことが可能である。つまり、特図2の抽選に基づく小当たり当選という利益(実質的には大当たり当選と同等の利益)の獲得機会が適正に遊技者に与えられることなく高ベース状態が終了してしまうのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングに関わらず特定領域39を通過可能な第1通過開放パターン(図42(b)参照)に設定される。一方、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な非通過開放パターン(図42(f)参照)に設定され得る。従って、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が不当に高くなるのを抑制することが可能である。
より詳細には、本形態では、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20であり、特図2の抽選における小当たり当選確率がほぼ100%である(図8(A)参照)。また、特図1の抽選におけるV通過可能な小当たりとV通過不可能な小当たりとの振分率は1:99であり、特図2の抽選におけるV通過可能な小当たりの振分率は100%である(図8(B)参照)。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合でも、特定領域39を通過可能な第2通過開放パターン(図42(e)参照)にて第2大入賞口35が開放されることがある。よって、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合にも、2種大当たり遊技が実行される可能性に期待させることが可能である。従って、第1始動口20への入球に基づいて遊技を進行している通常遊技状態における遊技興趣を向上することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、小当たり遊技では第2大入賞口35が開放されるが、大当たり遊技では第1大入賞口30が開放される。そのため、どちらの特別遊技が実行されているかを遊技者に明確に認識させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、小当たり遊技の開放前インターバル(オープニング)の開始から振分部材71は一定の動作で動いている(図42(c)参照)。この振分部材71の一定の動作中には、第1V開放(第1通過許容制御)と、この第1V開放の後で開放間インターバル(通過阻止制御)を経て行われる第2V開放(第2通過許容制御)とが含まれている。そして、特図1の抽選にてV通過小当たりに当選した場合には、第2V開放に合わせて小当たり開放遊技が実行されてV通過が可能となる(図42(e)参照)。これに対して、特図2の抽選にてV通過小当たりに当選した場合には、第1V開放に合わせて小当たり開放遊技が実行されてV通過が可能となる(図42(b)参照)。従って、特図1の抽選による小当たり当選時には、開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が21秒と比較的長く確保されることとなる。そのため、この開放前インターバルの時間を利用して、余裕をもって遊技者に対して遊技方法を示すことが可能となっている。
具体的には本形態では、この開放前インターバルの間に、特1V通過小当たり用演出(図52(f)に示す共通演出及びVチャンス報知演出)と、第2大入賞装置口35を狙って遊技球を打ち込む旨を報知する右打ち画像の表示(図52(h))とを行っている。従って、この右打ち画像の表示により、遊技方法について遊技者に対して十分に報知することが可能である。特に、特図1の抽選によって遊技を進行させている通常遊技状態では、小当たり当選となる特図1の変動停止から第2大入賞口35の開放までの間に十分な時間がなかったり、上記のような右打ち画像の表示を行わなかったりすると、特定領域39へ遊技球を通過させる機会を遊技者が逃してしまうおそれがある。しかし本形態によれば、右打ち画像の表示がなされる上、左打ちから右打ちに変更するための十分な時間(特1V通過小当たりのオープニング時間21000msと共通演出の演出時間4000msとの差の17000ms)が確保されているため、このような事態の発生を確実に防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選による小当たり当選時には、開放前インターバルの時間が0.008秒と比較的短い。そのため、遊技のスムーズな進行を維持することが可能である。特に本形態では、特図2の抽選は高ベース状態においてなされる。よって本形態によれば、高ベース状態における遊技のスムーズな進行を確保することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2大入賞口35の開放タイミングと特定領域39への通過タイミングとが異なる複数種類の小当たりを設けているにもかかわらず、振分部材71の作動パターンは一つだけである。そのため、振分部材71の作動を制御するための制御データの量を、複数の作動パターンを設けた場合に比して少なく抑えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、小当たり遊技における開放前インターバル(オープニング)の開始から振分部材71の一定動作が開始される(図42参照)。したがって、第2大入賞口35の開放パターンとして特定領域39への通過のし易さが異なる複数の開放パターン(具体的には図42(b)の通過開放パターンと図42(e)の非通過開放パターン)を設ける際に、その設計の自由度を高めることが可能である。
特に第2大入賞口35の開放時間を1.6秒程度と比較的短くした場合には、第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとすると、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが難しい(図43参照)。しかしながら本形態によれば、開放前インターバルの開始から始まる振分部材71の一定の動作を基準として、小当たり開放遊技中に振分部材71が通過許容状態をとっている時間が異なるように小当たりの種別に応じて第2大入賞口35の開放タイミングを変えている(図42(b),(c),及び(e)参照)。そのため、第2大入賞口35の開放時間を1.6秒と比較的短く設定したとしても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能である。
〈8−2.本形態の効果2〉
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、2種大当たり遊技の獲得機会が得られる小当たりの当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高い(図8(A)参照)。そのため、大当たり遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に制御された場合であっても、第2特図保留があれば、大当たり遊技の実行という利益を獲得しやすい状態(有利状態)にある。よって本形態では、このような有利状態のときには、有利演出態様(図45(c)の第2夜背景を表示画面7aに表示する演出態様)にて演出を実行するようにしている。そのため、遊技者に対してまだ有利状態にあることを報知することが可能となっている。その結果、遊技者がもう有利状態ではないと勘違いして、不用意に2種大当たり遊技の獲得機会を失うのを防ぐことが可能となっている。特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、比較的注目され易い表示画面7aの背景画像によって有利状態か否かを報知している。そのため、遊技者に対して有利状態か否かをわかりやすく示すことが可能となっている。
また本形態によれば、通常遊技状態に制御されても有利演出態様にて演出が実行される場合があることで、通常遊技状態に復帰した場合の遊技興趣を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技の終了後に通常遊技状態に制御される場合に、第2特図保留があるときと第2特図保留がないときとで、エンディング演出が異なっている(図40のステップS5708等参照)。第2特図保留があるときには、図48(c)に示す第3エンディング演出が実行され、遊技者に対して有利演出態様に制御されることが報知される。これに対して第2特図保留が無いときには、図48(d)に示す第4エンディング演出又は図48(e)に示す第5エンディング演出が実行され、遊技者に対して非有利演出態様(図45(d)の夜明け背景を表示画面7aに表示する演出態様)に制御されることが報知される。従って、大当たり遊技のエンディング中にどのエンディング演出が実行されるのかに遊技者の意識を向けさせることが可能となっており、大当たり遊技のエンディング中の興趣を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技の開始時には第2特図保留がない場合でも、バトル後ラウンドのラウンド遊技の実行までに第2特図保留が発生したときには、有利演出態様に制御されることを示唆するチャンス突入示唆演出(図47(a)参照)が実行される(図39のステップS5610等参照)。よって、大当たり遊技中のラウンド演出と、大当たり遊技後の演出態様との整合を図ることが可能となっている。また、バトル後ラウンドのラウンド遊技に伴ってチャンス突入示唆演出とチャンス非突入示唆演出(図47(b)参照)とのどちらが実行されるかに遊技者の意識を向けさせることが可能となっており、ラウンド遊技中の興趣を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態において有利演出態様(図45(c)参照)で演出が実行された場合でも、大当たり遊技が実行されることなく第2特図保留がなくなれば、非有利演出態様(図45(a)参照)で演出が実行されるようになる(図35のステップS4904及びS4905参照)。そのため、遊技者に対して大当たり遊技の実行という利益を獲得しやすい状態ではなくなったことを確実に報知することが可能となっている。その結果、遊技者がいつまでも有利な状態であると誤解するのを防ぐことが可能となっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、画像表示装置7を用いた画像表示演出の演出態様を非有利演出態様又は有利演出態様に変える(表示画面7aの背景画像を変える)構成としたが、液晶表示装置を有しない遊技機として構成した場合には、遊技盤に設けられた盤ランプの演出態様を変えるようにしてもよい。例えば、非有利演出態様では、盤ランプを青色に発光させているのに対して、有利演出態様では、盤ランプを緑色に発光させる等としてもよい。
また上記形態では、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御するか否かを、当選した特別図柄の種類(当たりの種類)のみに応じて決定するように構成したが、特別図柄の種類および当選時の遊技状態に応じて決めるようにしてもよい。
また上記形態では、ラウンド演出としてのチャンス突入示唆演出(図47(a))を、時短当たりである場合も、非時短当たりだが第2特図保留が有る場合も同じ演出としたが、有利演出態様に制御されることが示唆できれば、異なる演出としてもよい。また、有利演出態様としての背景画像を1種類としてもよく、また、非有利演出態様としての背景画像を1種類としてもよい。
また上記形態では、特図1の抽選においても小当たりの当否判定を行うように構成したが、特図1の抽選では小当たりの当否判定を行わない構成としてもよい。つまり、特図2の抽選においてのみ小当たりに当選する可能性がある構成としてもよい。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、2種大当たりのみの遊技機(1種大当たりのない遊技機、所謂羽根物)として構成してもよい。
また上記形態では、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングに関わらず特定領域39への通過が可能な通過開放パターンにて第2大入賞口35を開放する構成とした。これに対して、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に、第2大入賞口35へ入賞した遊技球が特定領域39を通過する可能性はあるが、通過しないこともある開放パターンにて第2大入賞口35が開放され得るように構成してもよい。
また上記形態では、遊技状態に応じて右打ちを行う遊技機としたが、左打ちのみにより遊技を進行する遊技機としてもよい。つまり、第1流路R1上に、ゲート28や電チュー22、第1大入賞装置31、第2大入賞装置36が配置されている構成としてもよい。
また上記形態では、非時短当たりの当選時であっても、所定のラウンドのラウンド演出の実行開始時に特2保留があればチャンス突入示唆演出(図47(a))を行い(図39)、また、エンディング演出の実行開始時に特2保留があれば第3エンディング演出(図48(c))を行うように構成した(図40)。これに対して、非時短当たり当選時のオープニング演出の実行開始時に特2保留があることに基づいて、チャンス突入示唆演出や第3エンディング演出を行うように構成してもよい。
また、背景画像の表示制御に関して、演出制御用マイコン91から画像制御基板100に対して、演出制御用マイコン91がセットした背景画像を示す背景コマンドを送信し、画像制御基板100がその背景コマンドに基づいて、背景画像を表示するようにしてもよい。また、右矢印画像RIの表示制御に関して、右打ち指定コマンドに基づく表示制御としなくてもよい。例えば、画像制御基板100が受信したオープニング演出開始コマンドが大当たりOP演出又は特2小当たり用演出に係るものであれば、画像制御基板100がそのコマンドに基づいて、右矢印画像RIを表示するように構成してもよい。但しこの場合であっても、エンディング演出の実行中は右矢印画像RIを表示しないように構成するとよい。
また上記形態では、特1V通過小当たり当選時において、Vチャンス報知演出の実行タイミングと右打ち画像の表示タイミングとを一致させたが(図52(f)及び(h)参照)、Vチャンス報知演出の実行後に所定時間が経過してから右打ち画像を表示してもよい。この場合、右打ち画像を構成するV打込指示画像NI(図51(b)参照)を表示画面7aの全域に表示することとしてもよい。また、特1小当たり当選時における共通演出(図51(a)参照)を、遊技者に対して演出ボタン63の押下を促すSW演出とし、その演出ボタンの押下に基づいてVチャンス報知演出又は非Vチャンス報知演出のいずれかを実行する構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。
また上記形態では、特図2の抽選にはハズレがないように構成したが、特図2の抽選においてもハズレがあるように構成してもよい。この場合、特図2の抽選にて当選した小当たりは、必ず時短小当たりとなるように構成してもよい。このように構成すれば、時短状態の上限実行回数に第2特図保留の上限記憶数を加えた数の変動表示が、2種大当たり遊技を獲得し易いチャンス変動となる。なおこの場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御される連続回数に制限を設けてもよい。つまり所定の上限回数の時短リミッタを設けてもよい。この場合、時短リミッタの上限回数に到達すれば、大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されることとなる。より具体的には、遊技状態設定処理(図24参照)において時短フラグをONする度に時短状態への制御回数をカウントする連続時短カウンタを1加算するとともに、時短フラグをONする前にこの連続時短カウンタの値が予め定めた上限回数(時短リミッタ回数)に至っているかを確認し、至っていれば時短フラグをONせず、至っていなければ時短フラグをONする構成とすればよい。なお、連続時短カウンタの値は、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御しないときにはリセットする。
また上記形態では、第2特図保留の上限記憶数を「1」としたが、2以上としてもよい。例えば、上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低5回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低6回となる遊技機)を構成することができる。なお、第2特図保留の上限記憶数を2以上とする場合には、時短状態における初回の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数まで貯まるように、時短状態における初回の変動表示の変動時間を設定するとよい。
また上記形態では、特図1の抽選において「16R時短小当たりA」に当選した場合には、遊技球が第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な開放パターンに設定するように構成した。これに対して、特定領域39を通過することが完全に不可能な開放パターン(例えば、振分部材71の第1V開放の終了直後に、1.6秒にわたる第2大入賞口35の開放が開始される開放パターン)としてもよい。
また上記形態では、第1特別図柄の抽選にて当選し得る小当たりとして、V通過不可能な「16R時短小当たりA」と、V通過可能な「16R時短小当たりB」とを設けたが、V通過不可能な小当たりだけとしてもよい。
また上記形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
また上記形態では、普図保留の上限記憶数を4個としたが、普図保留のない構成としてもよい。この場合、ゲート28への遊技球の通過検知時に、普通図柄の変動表示の実行中でなく、補助遊技の実行中(電チュー22の作動中)でもなければ、普通図柄乱数を取得するように構成すればよい。
また上記形態では、非時短状態中に右打ちがなされると、特図2の抽選に基づいて2種大当たりに当選してしまう(特定領域39への通過が発生してしまう)おそれがある。そこで、時短状態中又は特別遊技中ではないのに右打ちされた場合には、左打ちで遊技するべき旨を報知する警告画像を表示画面7aに表示する等の注意喚起を行うようにしてもよい。この場合には、例えばゲートセンサ28aを右打ち検知センサとして機能させてもよいし(つまりゲートセンサ28aによる検知に基づいて警告画像を表示画面7aに表示するようにしてもよいし)、別途、右打ち検知センサを設けてもよい。また、非時短状態において右打ちされても電チュー22に係る第2始動口21への入賞が発生することのないように、非時短状態中の普通図柄抽選の当選確率を零に設定してもよい。
なお上記形態では、特2保留ありの状態で時短当たりの大当たり遊技が終了した場合に右打ちを続けていると、その後の時短状態において追加的に特2保留を発生させるよりも前に、大当たり遊技の終了時点で残っていた特2保留に基づいて2種大当たり遊技が開始されてしまう可能性もある。大当たり遊技中に普通図柄の変動表示が開始されると、その普通図柄の変動表示の時間は30秒と長いため(図8(E))、電チュー22が開放されるよりも前に2種大当たり遊技が開始され得るからである。そうなると、時短状態において容易に特2保留を発生させる機会を失ってしまう可能性がある。そのため、特2保留ありの状態で時短状態に移行した場合には、その特2保留に基づく小当たり遊技ではV入賞させず、新たに第2始動口21へ2回入賞させる方が好ましい。そこで、時短当たりの大当たり遊技中に普通図柄の変動表示が実行されたときには、その旨を遊技者に対して報知するとよい。具体的には、演出制御用マイコン91が、普図変動開始コマンド(図14のステップS310でセットされるコマンド)の受信時に大当たり遊技中か否かを判定し、そうであれば普通図柄の変動表示中である旨を報知する(例えば表示画面7aに表示する)ようにするとよい。このように構成すれば、この報知を見た遊技者は上記のようなことにならないように注意して遊技を進行することが可能となる。
また上記形態において、遊技制御用マイコン81は、左打ち指定期間中(電源投入時や、左打ち指定コマンドの送信後であって右打ち指定コマンドの送信前)に、第2始動口21への入賞及び特定領域39への通過が生じれば、異常と判断して、異常コマンドをサブ制御基板90に送信するとよい。そして、このような異常な遊技により生じた2種大当たり遊技の終了時には、時短状態に制御される場合や、非時短状態に制御されるが第2特図保留が有る場合であっても、左打ち指定コマンドを送信するとよい。そしてこれを受信した演出制御用マイコン91は、左打ち画像を表示するとともに、通常背景を表示するとよい。さらに演出制御用マイコン91は、異常コマンドに基づいて異常報知(不正報知)を行うようにするとよい。このように構成すれば、意図しない不正な遊技が行われるのを抑制することが可能となる。なお右打ち指定期間中(右打ち指定コマンドの送信後であって左打ち指定コマンドの送信前)であれば、第2始動口21への入賞及び特定領域39への通過があっても異常と判断しないようにする。そうすれば、第2特図保留ありの状態で大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された場合や、大当たり遊技の実行中は、右打ち指定期間中となるため、第2始動口21への入賞があっても正常と判断されることとなる。
また上記形態において、大当たり遊技中に電断が生じた場合には、演出制御用マイコン91は、エンディング演出の開始時に時短当たりか否かを判定し、時短当たりであれば「夜背景モード突入!」の表示を行い(つまり図48(a)の第1エンディング演出を行い)、そうでなければ、続いて特2保留の有無を判定し、有れば「夜背景モード残り1回!」の表示を行い(つまり図48(c)の第3エンディング演出を行い)、無ければ「またね!」の表示を行う(つまり図48(e)の第5エンディング演出を行う)ようにするとよい。このように構成すれば、演出制御用マイコン91が電断時に背景データのバックアップをとらない構成(つまり「初当たり」であるか否かの判定ができない構成)としても、遊技機の状態に適したエンディング演出を実行することが可能となる。
なお、本発明の「第1の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「第2の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「所定の終了条件」とは、上記実施形態では、大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了することである。
また、本発明の「第2当否判定の結果は、小当たり当選又は大当たり当選のいずれかであり、」には、上記形態のようにハズレを全く含まない構成のみならず、実質的にハズレを含まない構成も含むものとする。実質的にハズレを含まない構成とは、ハズレの確率が例えば1/2000以下であるなど、ハズレとなることがほとんどない構成である。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下の手段1〜9の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された第1入球口(第1始動口20)、及び第2入球口(第2始動口21)と、
前記第2入球口へ遊技球が入球可能な開状態と、前記第2入球口への入球が不可能又は前記開状態よりも困難な閉状態とをとる入球口開閉部材(可動部材23)と、
前記遊技領域に配された特別入賞口(第2大入賞口35)と、前記特別入賞口を開閉する特別入賞口開閉部材(開閉部材37)と、前記特別入賞口に入賞した遊技球が通過可能であって、その通過の可否が予め定められたタイミングで切り替えられる特定領域(39)と、を有する特別入賞手段(第2大入賞装置36)と、
前記第1入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する第1数値情報取得手段(ステップS208を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する第2数値情報取得手段(ステップS214を実行する遊技制御用マイコン81)と、
予め定めた第1の判定条件が成立すると、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて第1当否判定(ステップS1008)を行い、予め定めた第2の判定条件が成立すると、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて第2当否判定(ステップS1002)を行う当否判定手段(遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定結果が特定当たり(小当たり)への当選である場合に、前記特別入賞口開閉部材を開放する第1特別遊技(小当たり遊技)を行う第1特別遊技実行手段(ステップS909を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域へ遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な第2特別遊技(大当たり遊技)を行う第2特別遊技実行手段(ステップS908を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2特別遊技後の遊技状態を所定の終了条件が成立するまで通常遊技状態よりも前記第2入球口へ遊技球が入球し易い特典遊技状態(高ベース状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2102等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報を、その数値情報に基づく前記第2当否判定が実行されるまでの間、所定の上限記憶数(例えば「1」)を限度として記憶可能な第2入球口用記憶手段(第2特図保留記憶部85b)と、
所定の演出手段(画像表示装置7)を用いて演出を実行する演出実行手段(演出制御用マイコン91)と、
前記演出実行手段により実行される演出の態様を、前記第2特別遊技の実行され易さの点で有利な有利状態であることを示唆する有利演出態様(図45(b)や(c))、又は、前記有利状態よりも有利でない非有利状態であることを示唆する非有利演出態様(図45(a)や(d))に設定可能な演出態様設定手段(ステップS5706、S5710、S5715等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記第1当否判定よりも前記第2当否判定の方が前記特定当たりへの当選確率が高く設定されている遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記演出態様設定手段は、
前記第2特別遊技の終了後に前記特典遊技状態に制御される場合には、前記第2入球口用記憶手段に数値情報の記憶があるか否かにかかわらず前記有利演出態様に設定する(ステップS5706を行う)一方、
前記第2特別遊技の終了後に前記通常遊技状態に制御される場合には、その第2特別遊技の終了時に前記第2入球口用記憶手段に数値情報の記憶があれば前記有利演出態様に設定し、なければ前記非有利演出態様に設定する(ステップS5708でYESならS5710を行い、NOならS5715を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、第2特別遊技の獲得機会が得られる特定当たりの当選確率は、第1当否判定よりも第2当否判定の方が高い。そのため、第2特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に制御された場合であっても、第2入球口保留記憶(第2入球口用記憶手段による数値情報の記憶)があれば、第2特別遊技の実行という利益を獲得しやすい状態にある。よって本発明では、このような状態のときには、非有利演出態様ではなく有利演出態様にて演出を実行するようにしている。そのため、遊技者に対してまだ第2特別遊技の実行という利益を獲得しやすい状態にあることを報知することが可能となる。その結果、遊技者が不用意に第2特別遊技の獲得機会を失うのを防ぐことが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記第1特別遊技実行手段は、前記第2当否判定での特定当たり当選に基づく前記第1特別遊技では、前記特別入賞口への入賞が可能であって前記特別入賞口へ入賞した遊技球がその入賞のタイミングに関わらず前記特定領域を通過可能な通過開放パターン(図42(b)に示す開放パターン)にて前記特別入賞口開閉部材を開放するものであることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、第2入球口への入球に基づく第2当否判定において特定当たりに当選した場合には、特別入賞口へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに関わらず特定領域を通過する。つまり、第2当否判定において特定当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な第2特別遊技が実行される。従って、第2入球口への入球が容易となる特典遊技状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機であって、
前記第2当否判定は、前記特定当たりである小当たりの当否判定(ステップS1107)と、前記特定当たりではない大当たりの当否判定(ステップS1103)とを含んでおり、
前記第1当否判定は、少なくとも前記大当たりの当否判定(ステップS1103)を含んでおり、
前記第2特別遊技実行手段は、前記当否判定手段による判定結果が大当たり当選である場合にも前記第2特別遊技を行うものであり、
前記第2当否判定の結果は、小当たり当選又は大当たり当選のいずれかであり、
前記第2当否判定にて当選する小当たりの種別には、その小当たり当選に基づく第1特別遊技中の前記特定領域への通過を実行契機とする第2特別遊技後の遊技状態が前記特典遊技状態に制御される特典付き小当たり(図6に示す16R時短小当たりC)と、前記通常遊技状態に制御される特典なし小当たり(図6に示す16R通常小当たり)とがあることを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、第2当否判定がなされれば実質的には必ず第2特別遊技が実行されることとなる。つまり大当たりに当選する(ここでは特定領域への通過も大当たり当選という)こととなる。従って、一旦特典遊技状態に制御されれば原則的には、第2入球口用記憶手段の数値情報の記憶の全てが特典なし小当たりに振り分けられない限り、第2特別遊技の実行という利益を獲得し続けられる(大当たりに当選し続けられる)という新たな遊技性を提供することが可能となる。つまり、第2入球口用記憶手段の上限記憶数+1回の所謂ループ機を提供することが可能となる。
手段4に係る発明は、
手段3に記載の遊技機であって、
前記第1当否判定は、前記小当たりの当否判定(ステップS1107)を含んでおり、
前記第1特別遊技実行手段は、前記第1当否判定での小当たり当選に基づく前記第1特別遊技では、遊技球が前記特別入賞口へ入賞しても前記特定領域を通過することが不可能又は実質的に不可能な非通過開放パターン(図42(f)に示す開放パターン)を少なくとも含む開放パターンの中から選択した開放パターンにて前記特別入賞口開閉部材を開放するものであることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、第2当否判定にて小当たりに当選した場合には、特別入賞口への入賞タイミングに関わらず特定領域を通過可能な通過開放パターンにて第1特別遊技が実行される。一方、第1当否判定にて小当たりに当選した場合には、特別入賞口へ入賞しても特定領域を通過することが不可能又は実質的に不可能な非通過開放パターンにて第1特別遊技が実行され得る。従って、遊技機全体として特別入賞口へ入賞した遊技球の特定領域への通過率が不当に高くなるのを抑制することが可能となる。
手段5に係る発明は、
手段1から手段4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2特別遊技には、前記特別入賞口(第2大入賞口35)又はこれとは異なる他の特別入賞口(第1大入賞口30)を開放する複数回の開放遊技(ラウンド遊技)と、前記複数回の開放遊技の終了後のエンディングとが含まれており、
実行中の第2特別遊技の終了後に前記有利演出態様にて演出が実行される場合には、その旨を示唆する有利演出態様実行示唆演出(図48(a),(b),又は(c))を前記エンディング中に行う一方、実行中の第2特別遊技の終了後に前記非有利演出態様にて演出が実行される場合には、その旨を示唆する非有利演出態様実行示唆演出(図48(d)又は(e))を前記エンディング中に行うエンディング演出実行手段(ステップS5717等を実行する演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、第2特別遊技の終了後に通常遊技状態に制御される場合に、第2入球口保留記憶があるときと第2入球口保留記憶がないときとで、第2特別遊技のエンディング中に実行される演出が異なる。第2入球口保留記憶があるときには、有利演出態様実行示唆演出によって有利演出態様に制御されることが遊技者に報知される。これに対して第2入球口保留記憶が無いときには、非有利演出態様実行示唆演出によって非有利演出態様に制御されることが遊技者に報知される。従って、第2特別遊技のエンディング中にどちらの演出が実行されるのかに遊技者の意識を向けさせることが可能となり、第2特別遊技のエンディング中の興趣を高めることが可能となる。
手段6に係る発明は、
手段1から手段5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2特別遊技には、前記特別入賞口又はこれとは異なる他の特別入賞口を開放する複数回の開放遊技と、前記複数回の開放遊技の終了後のエンディングとが含まれており、
前記複数回の開放遊技のうちの所定の開放遊技の実行に伴って、実行中の第2特別遊技の終了後に前記有利演出態様にて演出が実行されることを示唆する第1開放遊技演出(図47(a))、又は、前記非有利演出態様にて演出が実行されることを示唆する第2開放遊技演出(図47(b))のいずれかを実行可能な開放遊技演出実行手段(ステップS5609,S5611,S5612等を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記開放遊技演出実行手段は、
実行中の第2特別遊技の終了後に前記特典遊技状態に制御される場合には、前記第2入球口用記憶手段に数値情報の記憶があるか否かにかかわらず前記第1開放遊技演出を実行する(ステップS5608でYESならS5609を行う)一方、
実行中の第2特別遊技の終了後に前記通常遊技状態に制御される場合には、前記所定の開放遊技の実行開始時に前記第2入球口用記憶手段に数値情報の記憶があれば前記第1開放遊技演出を実行し、なければ前記第2開放遊技演出を実行する(ステップS5608でNOならS5610を行い、S5610でYESならS5609を行ってNOならS5611を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段6に係る発明によれば、第2特別遊技の開始時には第2入球口保留記憶がない場合でも、所定の開放遊技の実行までに第2入球口保留記憶が発生したときには、所定の開放遊技に伴って、有利演出態様に制御されることを示唆する第1開放遊技演出が実行される。よって、開放遊技に伴う演出と、第2特別遊技後の演出態様との整合を図ることが可能となる。
手段7に係る発明は、
手段1から手段6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1当否判定が行われると、その第1当否判定の結果を示す第1図柄(第1特別図柄)を変動表示を経て停止表示し、前記第2当否判定が行われると、その第2当否判定の結果を示す第2図柄(第2特別図柄)を変動表示を経て停止表示する図柄表示手段(ステップS904等を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記図柄表示手段は、前記第2図柄の変動表示と前記第1図柄の変動表示とを同時に実行することがなく、前記第2図柄の変動表示を前記第1図柄の変動表示よりも優先して実行する(ステップS1001でYESならステップS1007に進む)ものであり、
前記第1特別遊技実行手段は、前記特定当たりへの当選を示す所定の停止態様(小当たり停止態様)で前記図柄表示手段により図柄が停止表示されたあと、前記第1特別遊技を実行するものであり、
前記遊技状態制御手段は、前記特典遊技状態において予め定められた上限実行回数(例えば「99」回)の前記変動表示が終了すると、前記終了条件が成立したとして前記特典遊技状態を終了させるものであることを特徴とする遊技機である。
手段7に係る発明によれば、第2図柄の変動表示が第1図柄の変動表示よりも優先して実行される。そのため、特典遊技状態において第2図柄の変動表示が実行されずに第1図柄の変動表示ばかりが実行されることにより、特典遊技状態にて実行される変動表示の残回数がいたずらに減少してしまう不利益の発生を防止することが可能となる。つまり、第2当否判定に基づく特定当たり当選という利益の獲得機会が適正に遊技者に与えられることなく特典遊技状態の終了条件が成立してしまうのを防ぐことが可能となる。
手段8に係る発明は、
手段7に記載の遊技機であって、
前記演出態様設定手段は、前記第2特別遊技の終了時に前記第2入球口用記憶手段に数値情報の記憶があってその第2特別遊技の終了後に前記通常遊技状態に制御された場合には、その第2入球口用記憶手段に記憶されている全ての数値情報に基づく前記第2図柄の変動表示の終了時以降、前記第2特別遊技を経ることなく実行される前記第1図柄の変動表示の開始時までに、前記非有利演出態様に設定する(ステップS4904でYESならS4905を行う)ことを特徴とする遊技機である。
手段8に係る発明によれば、通常遊技状態において有利演出態様で演出が実行された場合でも、第2特別遊技が実行されることなく第2入球口保留記憶がなくなれば、非有利演出態様で演出が実行されるようになる。そのため、遊技者に対して第2特別遊技の実行という利益を獲得しやすい状態ではなくなったことを確実に報知することが可能となる。その結果、遊技者がいつまでも有利な状態であると誤解するのを防ぐことが可能となる。
手段9に係る発明は、
手段1から手段8までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出手段は、表示画面(7a)を有する画像表示装置(7)であり、
前記有利演出態様は、前記表示画面に予め定めた有利背景画像(図45(b)の第1夜背景の画像や図45(c)の第2夜背景の画像)を表示する演出態様であり、
前記非有利演出態様は、前記表示画面に前記有利背景画像とは異なる非有利背景画像(図45(a)の昼背景の画像や図45(d)の夜明け背景の画像)を表示する演出態様であることを特徴とする遊技機である。
手段9に係る発明によれば、比較的注目され易い表示画面の背景画像を変えているため、遊技者に対して第2特別遊技の実行という利益を獲得しやすい状態か否かをわかりやすく示すことが可能である。