JP2018023298A - 飲料、飲料の製造方法、並びに飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法 - Google Patents

飲料、飲料の製造方法、並びに飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法 Download PDF

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【課題】キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強い飲料を提供すること。【解決手段】難消化性グルカン、及び起泡剤を含有する、飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料、飲料の製造方法、並びに飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法に関する。
難消化性デキストリンは、飲料にボディ感を付与する食物繊維として知られている。一方、起泡剤は、飲料(特に、発泡性飲料)の泡立ち、泡持ち等の泡品質を良くするために用いられる。特許文献1には、これら難消化性デキストリンと起泡剤とを含有する、ビールテイスト飲料が開示されている。
特開2016−7138号公報
しかし、難消化性デキストリンと起泡剤とを組み合わせた飲料は、飲料に味の厚み、複雑味をポジティブに付与するワイン様の渋み、すなわち、タンニン様の刺激の強さが不十分であること、また、当該飲料において難消化性デキストリンの含有量を多くすると、タンニン様の刺激は強くなるものの、キレが悪くなることが、本発明者らにより新たな課題として見出された。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強い飲料を提供することを目的とする。
本発明は、難消化性グルカン、及び起泡剤を含有する、飲料を提供する。本発明の飲料は、難消化性グルカンと、起泡剤とを含有することで、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が強いものとなる。
上記起泡剤は、アルギン酸類、オクテニルコハク酸デンプン、グリセリン脂肪酸エステル及びサポニンからなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。これらの起泡剤であれば、タンニン様の刺激をより強くすることができる。
上記飲料は、酸味料及び/又はミネラルを更に含有してもよい。本発明の飲料が酸味料を含むことによって、キレがより良好なものとなる。また、本発明の飲料がミネラルを含むことによって、キレがより良好なものとなり、かつタンニン様の刺激がより強くなる。
上記酸味料は、クエン酸、乳酸、リン酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。これらの酸味料であれば、キレをより一層良好なものとすることができる。
上記ミネラルは、カルシウムイオン又はナトリウムイオンであってもよい。これらのミネラルであれば、タンニン様の刺激をより一層強くすることができる。
上記難消化性グルカンの含有量は、0.5〜20g/100mLであってもよい。これにより、タンニン様の刺激が一層強いものとなる。
上記飲料は、アルコール飲料であってもよい。また、上記飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。さらに、上記飲料は、原料が麦原料を含んでもよい。
本発明はまた、難消化性グルカン、及び起泡剤を配合する工程を含む、飲料の製造方法を提供する。
本発明はまた、飲料に、難消化性グルカン、及び起泡剤を配合することを含む、飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法を提供する。
本発明によれば、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強い飲料、及びそれらの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る飲料は、難消化性グルカン、及び起泡剤を含有する。
本明細書において質量ppmとは、10−4質量%を意味する。
本明細書において難消化性グルカンとは、澱粉分解物(好ましくは、デキストロース当量(DE)が70〜100の澱粉分解物)を加熱重合させて得られる難消化性の食物繊維を意味する。この際、原料には、グルコース以外の単糖又はこれらの単糖を含むオリゴ糖等が含まれていてもよい。このような難消化性グルカンとしては、例えば、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。なお、本明細書における「難消化性グルカン」は、難消化性グルカンそのものであってよく、難消化性グルカンを糖質分解酵素で処理した難消化性グルカン酵素処理物であってもよく、上記難消化性グルカン酵素処理物を分画処理した難消化性グルカン分画処理物であってもよく、難消化性グルカンにおける還元末端のアルデヒド基を水酸基に還元した難消化性グルカン還元処理物であってもよい。
本実施形態に係る飲料において、難消化性グルカンの含有量は、0.5〜20g/100mLであってもよい。難消化性グルカンの含有量が上記範囲内であれば、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激を十分に強いものとすることができる。難消化性グルカンの含有量は、タンニン様の刺激を一層強くすることができる観点から、0.5g/100mL以上、1.0g/100mL以上、1.5g/100mL以上、又は2.0g/100mL以上であってもよく、20g/100mL以下、15g/100mL以下、10g/100mL以下、5.0g/100mL以下、4.0g/100mL以下、3.0g/100mL以下、2.5g/100mL以下、又は2.0g/100mL以下であってもよい。難消化性グルカンの含有量は、日本食品分析センター「栄養表示のための成分分析のポイント(2007年10月20日発行)」第76〜78頁に記載された方法に基づいて測定することができる。
起泡剤としては、例えば、アルギン酸類(例:アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸エステル(例:アルギン酸プロピレングリコールエステル)等)、オクテニルコハク酸デンプン(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム)、グリセリン脂肪酸エステル(例:ラウリン酸デカグリセリン等)、サポニン(例:キラヤサポニン、大豆サポニン等)、大豆食物繊維、大豆レシチン、大豆ペプチドなどが挙げられる。これら起泡剤の中でも、タンニン様の刺激を一層強くすることができる観点から、アルギン酸類(好ましくは、アルギン酸エステル)、オクテニルコハク酸デンプン、グリセリン脂肪酸エステル(好ましくは、ラウリン酸デカグリセリン)及びサポニン(好ましくは、キラヤサポニン)からなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、アルギン酸類(好ましくは、アルギン酸エステル)がより好ましい。起泡剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る飲料において、起泡剤の含有量は、タンニン様の刺激をより一層強くすることができる観点から、以下のように設定してもよい。起泡剤としてアルギン酸類を用いる場合、起泡剤の含有量は、0.001g/100mL以上、0.005g/100mL以上、0.01g/100mL以上、0.015g/100mL以上、又は0.02g/100mL以上であってもよく、0.1g/100mL以下、0.07g/100mL以下、又は0.05g/100mL以下であってもよい。起泡剤としてオクテニルコハク酸デンプンを用いる場合、起泡剤の含有量は、0.005g/100mL以上、0.025g/100mL以上、0.05g/100mL以上、0.075g/100mL以上、又は0.1g/100mL以上であってもよく、0.5g/100mL以下、0.35g/100mL以下、又は0.25g/100mL以下であってもよい。起泡剤としてグリセリン脂肪酸エステルを用いる場合、起泡剤の含有量は、0.00025g/100mL以上、0.00125g/100mL以上、0.0025g/100mL以上、0.00375g/100mL以上、又は0.005g/100mL以上であってもよく、0.025g/100mL以下、0.0175g/100mL以下、又は0.0125g/100mL以下であってもよい。起泡剤としてサポニンを用いる場合、起泡剤の含有量は、0.00005g/100mL以上、0.00025g/100mL以上、0.0005g/100mL以上、0.00075g/100mL以上、又は0.001g/100mL以上であってもよく、0.005g/100mL以下、0.0035g/100mL以下、又は0.0025g/100mL以下であってもよい。
本実施形態に係る飲料は、酸味料及び/又はミネラルを更に含有してもよい。
本明細書において酸味料とは、食品に酸味を付与し、又は食品の酸味を増強する食品添加物を意味する。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸(DL−リンゴ酸)、酒石酸(DL−酒石酸、L−酒石酸)、アジピン酸、グルコン酸、グルコノデルタラクトン、コハク酸、酢酸(氷酢酸)、フマル酸、及びこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が挙げられる。中でも、キレをより一層良好なものとする観点から、クエン酸、乳酸、リン酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、クエン酸がより好ましい。酸味料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸味料の酸味度は相互に換算が可能であるとされており、その一例として、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度を換算したクエン酸換算量が挙げられる。クエン酸換算量は、クエン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、又は酢酸から算出されることができる。具体的には、乳酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は120質量ppmであり、リン酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は200質量ppmであり、リンゴ酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は125質量ppmであり、酒石酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は130質量ppmであり、コハク酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は115質量ppmであり、フマル酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は180質量ppmであり、酢酸100質量ppmに相当するクエン酸換算量は100質量ppmである。
酸味料の含有量は、飲料全体に対して、クエン酸換算量として50質量ppm以上、100質量ppm以上、又は150質量ppm以上であってもよく、クエン酸換算量として2000質量ppm未満、1800質量ppm以下、1500質量ppm以下、1300質量ppm以下、1000質量ppm以下、800質量ppm以下、又は600質量ppm以下であってもよい。なお、酸味料を2種以上含有する場合は、各酸味料の合計含有量が上記範囲であればよい。酸味料の含有量が上記範囲内であれば、キレをより一層良好なものとすることができる。
換算前の酸味料の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.24.2 キャピラリー電気泳動法」に記載されている方法によって測定することができる。
ミネラルとしては、例えば、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンが挙げられる。ミネラルは、タンニン様の刺激がより一層強くなる点から、カルシウムイオン又はナトリウムイオンが好ましく、カルシウムイオンがより好ましい。ミネラルは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。飲料中にミネラルを含有させるには、これらの塩類を用いればよい。塩類の具体例としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムが挙げられる。
ミネラルの含有量は、飲料全体に対して、10質量ppm以上、20質量ppm以上、又は30質量ppm以上であってもよく、1000質量ppm以下、500質量ppm以下、300質量ppm以下、100質量ppm以下、90質量ppm以下、又は80質量ppm以下であってもよい。ミネラルの含有量が上記範囲内であれば、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激をより一層強くすることができる。
ミネラルの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.12 無機物」に記載されている方法によって測定することができる。
本実施形態に係る飲料は、本発明による効果を阻害しない限り、飲料に通常配合される着色料、甘味料、酸化防止剤、香料等の添加剤を含有してもよい。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素が挙げられる。甘味料としては、例えば、糖類(果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプン等)、高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム等)が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料(実質的にアルコールが含まれていない飲料)であってもよい。本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合、当該アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1〜20%であってよい。具体的には、1%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、3.5%以上、又は4%以上であってよく、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、又は5%以下であってよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
本実施形態に係る飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。本明細書においてビールテイスト飲料とは、ビールのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。ビールテイストアルコール飲料としては、例えば、日本国酒税法(昭和二十八年二月二十八日法律第六号)上のビール、発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、原料が麦原料を含んでもよい。本明細書において「麦原料」とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。本実施形態に係る飲料において、原料が麦原料を含無場合、当該麦原料は、麦芽を含むことが好ましい。また、本実施形態に係る飲料の原料が麦原料を含む場合、原料(水、ホップを除く)における麦芽の使用比率は、50%未満であってよく、25%未満であることが好ましい。
本実施形態に係る飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、本実施形態における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.235MPa(2.4kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態の飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器であってもよい。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等であってもよい。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器であってもよい。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、難消化性グルカン及び起泡剤を配合する工程を含む。本工程で配合する難消化性グルカン及び起泡剤の量は、適宜設定することができ、例えば、上記記載の範囲になるように配合してもよい。
配合工程は、飲料の製造工程中のいずれかの段階で行えばよい。例えば、飲料の原料を混合する混合タンクに配合することができる。当該混合タンクには、難消化性グルカン及び起泡剤の配合前、配合と同時及び配合後のいずれかのタイミングで、所定量の水、酸味料、ミネラル、アルコール、各種添加剤等を配合することができる。これらの配合の有無及び配合量は、適宜設定することができる。
以下、本実施形態に係る飲料の製造方法の一例を説明する。製造方法は、水等の原料液、及び必要に応じて酸味料、ミネラル、蒸留アルコール、苦味成分、各種添加剤等が投入された混合タンクに、難消化性グルカンと起泡剤とを配合する配合工程と、配合工程において各成分が混合した混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ビン、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を含む。なお、本実施形態に係る飲料において、原料が麦原料を含む場合、当該麦原料に含まれる有機酸等の酸味物質を酸味料として用いてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一の殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
本実施形態に係る飲料は、当該飲料におけるタンニン様の刺激が十分に強いという効果を奏する。したがって、本発明の一実施形態として、飲料に、難消化性グルカン、及び起泡剤を添加することを含む、飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法が提供される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:食物繊維と起泡剤との組み合わせによるタンニン様の刺激の強さ及びキレの効果〕
水に、食物繊維(難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製)又はポリデキストロース(CJ CheilJedang Corporation製))、及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを表1に示す含有量となるように添加して調製したサンプル1−1〜1−14の飲料について官能評価を行った。
官能評価は、訓練された4名のパネルにより、タンニン様の刺激の強さ及びキレの評価について、5段階(5:良好〜1:不十分)で行い、その平均値を評価スコアとした。なお、評価スコアが2を超えるサンプルは、実用上の問題なく、タンニン様の刺激が十分に強い、又はキレが維持されているものと評価される。結果を表1に示す。
Figure 2018023298
食物繊維として0.5g/100mLの難消化性デキストリンを含有し、起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有するサンプル1−9では、タンニン様の刺激の強さが不十分であったところ、難消化性デキストリンの含有量を増量すると、タンニン様の刺激は強くなる一方、キレが悪くなることが確認された(サンプル1−10及び1−11)。食物繊維としてポリデキストロースを含有し、起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有するサンプル1−12〜1−14についても、難消化性デキストリンを含有するサンプルと同様の傾向が見られた。これに対し、食物繊維として難消化性グルカンを含有し、起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有するサンプル1−2〜1−8ではキレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強いことが確認された。
〔試験例2:起泡剤の種類によるタンニン様の刺激の強さ及びキレの効果〕
水に、難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、及び起泡剤(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(乳華L、日澱化学社製)、ラウリン酸デカグリセリン(リョートーポリグリエステル(L−7D)、三菱化学フーズ社製)、ラウリン酸デカグリセリン(リョートーポリグリエステル(L−10D)、三菱化学フーズ社製)、キラヤサポニン(キラヤニンC−100、丸善製薬社製))を表2に示す含有量となるように添加して調製したサンプル2−1〜2−4の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2018023298
起泡剤としてオクテニルコハク酸デンプンナトリウム、ラウリン酸デカグリセリン(L−7D)、ラウリン酸デカグリセリン(L−10D)又はキラヤサポニンを含有するサンプル2−1〜2−4についても、アルギン酸プロピレングリコールエステルを用いたときと同様に、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強いことが確認された。
〔試験例3:食物繊維、起泡剤及び酸味料の組み合わせによるタンニン様の刺激の強さ及びキレの効果〕
水に、難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、アルギン酸プロピレングリコールエステル及び酸味料(クエン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸)を表3に示す含有量となるように添加して調製したサンプル3−1〜3−7の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018023298
酸味料を含有するサンプル3−1〜3−7の飲料においても、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強いことが確認された。特に、酸味料としてクエン酸を含有するサンプル3−1〜3−3の飲料は、酸味料を含有しないサンプル1−3の飲料と比較して、キレがより良好なものとなった。
〔試験例4:食物繊維、起泡剤及びミネラルの組み合わせによるタンニン様の刺激の強さ及びキレの効果〕
水に、難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、アルギン酸プロピレングリコールエステル及びミネラル(カルシウムイオン(塩化カルシウム)、ナトリウムイオン(塩化ナトリウム))を表4に示す含有量となるように添加して調製したサンプル4−1〜4−4の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2018023298
ミネラルを含有するサンプル4−1〜4−4の飲料においても、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強いことが確認された。特に、ミネラルとしてカルシウムイオンを含有するサンプル4−1及び4−2の飲料は、ミネラルを含有しないサンプル1−3の飲料と比較して、キレがより良好なものとなり、かつタンニン様の刺激がより強くなった。
〔試験例5:ビールテイスト飲料における難消化性デキストリンと起泡剤との組み合わせによるタンニン様の刺激の強さ及びキレの効果〕
ビールテイスト飲料(原料(水、ホップを除く)における麦芽の使用比率:25%以下、アルコール度数:5%)を常法により調製し、得られたビールテイスト飲料に難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)、及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを表5に示す含有量となるように添加して調製したサンプル5−1の飲料について、試験例1と同様の方法で官能評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2018023298
難消化性デキストリンと起泡剤とを組み合わせて用いることにより、ビールテイスト飲料においても、キレを維持しつつ、タンニン様の刺激が十分に強いものであることが確認された。

Claims (11)

  1. 難消化性グルカン、及び起泡剤を含有する、飲料。
  2. 起泡剤が、アルギン酸類、オクテニルコハク酸デンプン、グリセリン脂肪酸エステル及びサポニンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の飲料。
  3. 酸味料及び/又はミネラルを更に含有する、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 酸味料が、クエン酸、乳酸、リン酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項3に記載の飲料。
  5. ミネラルが、カルシウムイオン又はナトリウムイオンである、請求項3に記載の飲料。
  6. 難消化性グルカンの含有量が0.5〜20g/100mLである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料。
  7. アルコール飲料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料。
  8. ビールテイスト飲料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料。
  9. 原料が麦原料を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料。
  10. 難消化性グルカン、及び起泡剤を配合する工程を含む、飲料の製造方法。
  11. 飲料に、難消化性グルカン、及び起泡剤を配合することを含む、飲料にタンニン様の刺激の強さを付与する方法。
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