JP2018021841A - 検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、予め形状が既知の探索対象面上に存在する光学的異性状態を検出するに際し、奥行き方向の光電磁界の再構成計算量を削減する。
【解決手段】
照明光束に被検対象物が作用することによって生成された総合出力光束に対し、参照光束を重畳することによって生じる干渉像を撮像して干渉像の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データを生成する撮像光学系を有し、処理装置は、探索対象面の形状に関する情報を保有し、干渉像データに基づくディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算による光電磁界の再構成を行うに際し、探索対象面の形状に関する情報を利用して、再構成を行う場所を、被検対象物が存在する3次元的な空間のなかから探索対象面の近傍を選択し、光学的異性状態を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を応用して、不透明、または少なくとも一部が透明部材から構成された被検対象物の表面、もしくはその内部にある貼り合わせ面に存在する、キズ・欠け・凹み・突起・泡・塵・付着汚損物質などの光学的異性状態を検出するための検出装置に関する。
前記した光学的異性状態が存在する面が平面の場合は、例えば、その平面に全体にピントを合わせたカメラによってその平面の画像を撮像し、その画像を解析することによって前記した光学的異性状態を検出すればよいから、そのような検出手段は比較的容易に構成できる。
しかし、このような検出手段を用いた検出対象がカメラの焦点深度を超える傾きや凹凸、曲がりを有する探索対象面である場合は、例えば、カメラを光軸方向に移動するための移動機構を追加するなどして、ピント位置を細かく変えながら、多数枚の画像を撮像して解析しなければならず、構成が大掛かりになり、撮像や解析に時間が掛かる問題がある。
このような状況に対しては、ピントという概念が撮像時には存在せず、撮像後の再構成の段階において、奥行き方向の任意の場所における光電磁界を調べることが可能な、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に有用性がある。
例えば、特開2007−263864号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、3次元空間内に分布する気泡などの微小物の径・位置・密度などを計測する計測装置が記載されている。
また、特開2016−133466号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、ある体積の水中に存在する微生物の個数を数えたり、種類を同定したりする水質検査システムが記載されている。
さらに、特開2003−097922号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、光軸方向の複数位置における被測定物の反射光の位相を示す位相データ、または振幅を示す振幅データを求め、合焦法の原理により、被測定物の表面形状のデータ求める表面形状測定装置が記載されている。
さらに、特開2003−098040号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術により光学系の評価を行う評価装置が記載されており、被検光学系(レンズ)通過光波を数値的に再生し、光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求めることが記載されている。
また、再生した光波のビーム径および分布形状などを調べることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データの他に、レンズの内部屈折率分布データを併せて用いて光線追跡シミュレーションを行って、等位相面データを求めることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データと内部屈折率分布データに基づいて光線追跡シミュレーションにより求めた等位相面データと、ホログラム画像データに基づいて再生した光波面の等位相面データとの差異に基づき、レンズの内部の複屈折がレンズの通過光波面に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、被検光学系通過光波を数値的に再生し、また被検光学系通過光波の光軸方向において、その光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求めことが記載されている
さらに、走査光学系で使用されるレンズそれぞれの内部不均一性が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、光学系で使用されるレンズそれぞれの複屈折が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
ここでディジタル・ホログラフィ・イメージングとは、元々の光学的ホログラフィにおいては、写真乾板にホログラム干渉縞を記録し、それに光を当てて照明することにより立体像を再構成していたものを、写真乾板の代わりに、撮像素子を用いて撮像することによって、ディジタルデータとしてホログラム干渉縞を取得し、それに光を当てた場合に生ずるであろう光学現象を、コンピュータを用いてシミュレーションを行うことによって立体像を再構成する技術である。
シミュレーションの内容は、濃度型回折格子、すなわち光透過率が平面上の位置に依存して変化するフィルタであるホログラム、を透過した光、すなわち平面上の位置に依存して振幅変調を受けた光が、波として空間中を伝播して実像または虚像を形成する光学現象であり、これは、伝播距離条件によってフレネル回折、あるいはフラウンホーファー回折と呼ばれる回折現象であり、キルヒホッフ・ホンゲンスの回折積分公式と呼ばれるものに、可能な近似を適用して計算を行う。
なお、歴史を含め、ディジタル・ホログラフィ・イメージングの方法に関しては、WO2008/123408号公報に説明がある。
ところが、いま述べた従来技術は、検出すべき対象を、3次元空間全体の中から見出したり、表面形状そのものを測定するものであるため、視野角方向のみならず、奥行き方向についても、網羅的に位置を設定して光電磁界の再構成計算を行っており、膨大な計算量が必要になってしまう問題がある。
特開2007−263864号 特開2016−133466号 特開2003−097922号 特開2003−098040号 WO2008/123408号
本発明が解決しようとする課題は、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、予め形状が既知の探索対象面上に存在する光学的異性状態を検出するに際し、奥行き方向の光電磁界の再構成計算量を削減することを達成した検出装置を提供することにある。
本発明における第1の発明の検出装置は、被検対象物(Ot)に属する、予め形状が既知の探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出する検出装置であって、前記被検対象物(Ot)の少なくとも一部に照射する照明光束(Fi)を生成する照明光束生成光学系(Gi)と、前記照明光束(Fi)に前記被検対象物(Ot)が作用することによって生成された総合出力光束(Fo)に対し、これと可干渉であり、かつ該総合出力光束(Fo)と重畳する参照光束(Fr)を生成する参照光束生成光学系(Gr)と、前記参照光束(Fr)を前記総合出力光束(Fo)と重畳することによって生じる干渉像(If)を撮像して該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する撮像素子(Uf)を有する撮像光学系(Gf)と、前記干渉像データ(Df)を受信して記憶するとともに、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して規定の計算処理を行うことが可能な処理装置(Up)とを有し、前記探索対象面(St)は前記撮像素子(Uf)の撮像面に対向する平面以外の面であり、該処理装置(Up)は、前記探索対象面(St)の形状に関する情報を保有し、前記干渉像データ(Df)に基づくディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算による光電磁界の再構成を行うに際し、前記した前記探索対象面(St)の形状に関する情報を利用して、再構成を行う場所を、前記被検対象物(Ot)が存在する3次元的な空間のなかから前記探索対象面(St)の近傍を選択し、前記光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第2の発明の検出装置は、前記参照光束(Fr)が重畳する対象を、前記総合出力光束(Fo)に替えて、前記総合出力光束(Fo)に変倍光学系を作用させて生成した変倍総合出力光束(Fo’)としたことを特徴とするものである。
本発明における第3の発明の検出装置は、前記処理装置(Up)は、再構成した光電磁界の強度が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出して前記光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第4の発明の検出装置は、前記処理装置(Up)は、再構成した光電磁界の位相が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出して前記光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第5の発明の検出装置は、前記撮像光学系(Gf)と前記被検対象物(Ot)との相対的な配置を変化させるための配置変化機構(Uxy)を有することを特徴とするものである。
本発明における第6の発明の検出装置は、前記被検対象物(Ot)の、前記撮像光学系(Gf)に近い側の表面を前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第7の発明の検出装置は、前記被検対象物(Ot)の少なくとも一部が透明部材から構成されており、前記透明部材を通して前記撮像光学系(Gf)の側から光学的観察可能である前記透明部材の表面を前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第8の発明の検出装置は、前記被検対象物(Ot)が結像光学素子であり、該被検対象物(Ot)を配置するための位置決め台を有し、前記被検対象物(Ot)に含まれる光学的機能面の少なくとも一つを前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とするものである。
本発明における第9の発明の検出装置は、前記被検対象物(Ot)に光学的異性状態箇所が存在しないと仮定した場合に、前記被検対象物(Ot)を発して前記撮像素子(Uf)に入射する光束が、前記撮像素子(Uf)の撮像面に垂直な平行光束となるよう、前記照明光束(Fi)を形成して前記被検対象物(Ot)に照射することを特徴とするものである。
上で述べた事項につき、若干補足しておく。
「前記撮像素子(Uf)の撮像面に対向する平面」とは、「その面から前記撮像面までの光伝播経路に存在する光学素子による、その面の像が前記撮像面と平行である平面」を指す。
ここで、「その面の像」とは、その面から前記撮像面までの光伝播経路に存在する光学素子が、存在しない場合はその面そのもの、平面ミラーである場合はその面の鏡映、レンズや球面ミラーなどから成る結像光学系の場合はその共役像を指す。
したがって、「前記探索対象面(St)は前記撮像素子(Uf)の撮像面に対向する平面以外の面である」とは、前記探索対象面(St)から前記撮像素子(Uf)の撮像面までの光伝播経路に存在する光学素子、例えば前記変倍光学系や後述するビームスプリッタ(BS2)などによる前記探索対象面(St)の像が、前記撮像面に対して傾いた平面、または多面体の表面の一部のような複数の平面から構成される面、あるいは曲面を含む面などである事を指す。
ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術を用いて、予め形状が既知の探索対象面上に存在する光学的異性状態を検出するに際し、奥行き方向の光電磁界の再構成計算量を削減することを達成した検出装置を提供することができる。
本発明の検出装置を簡略化して示すブロック図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の検出装置の一部を簡略化して示す概念図を表す。
本発明に関する説明において、共役という用語に関しては、幾何光学分野における一般用語として、例えば、AとBとは共役である、と言うとき、少なくとも近軸理論に基づき、レンズ等の結像機能を有する光学素子の作用によってAがBに、またはBがAに結像されることを意味する。
このとき、A,Bは像であって、孤立した点像が対象として含まれることは当然として、複数の点像からなる集合や、点像が連続的に分布した拡がりのある像も対象として含める。
ここで、点像あるいは像点(すなわち像)とは、幾何光学分野における一般用語として、実際に光がその点から放射されているもの、光がその点に向かって収束して行ってスクリーンを置くと明るい点が映るもの、光がその点に向かって収束して行くように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、光がその点から放射されているように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、の何れをも含み、区別しない。
一般のカメラレンズを例にとると、通常は開口絞りがレンズの内部に存在するが、光が入る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を入射瞳、光が出る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を射出瞳、入射瞳の中心に向かう、または射出瞳の中心から出て来る光線(通常は子午光線)を主光線と呼ぶ。
また広義には、主光線以外の光線は周辺光線と呼ばれる。
ただし、レーザのような指向性を有する光を扱う光学系では、開口絞りによって光束を切り出す必要が無いために開口絞りが存在しない場合が多く、その場合は、光学系における光の存在形態によって、それらが定義される。
通常は、放射点からの放射光束における、光の方向分布の中心光線を主光線とし、光学系に入射する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に入射瞳があり、光学系から射出する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に射出瞳があると考える。
ただし、厳密な話をすると、このように定義した主光線と光軸とが、例えば調整誤差のために交わらず、ねじれの位置にあるに過ぎない場合も考えられる。
しかし、このような現象は本質とは無関係であり、また議論しても不毛であるため、以下においては、このような現象は生じないと見なす、あるいは、主光線と光軸とが最接近する位置において交わっていると見なすことにする。
また、光学系のなかの隣接する2個の部分光学系AとBに注目し、Aの直後にBが隣接しているとしたとき、(Aの出力像がBの入力像となるのと同様に)Aの射出瞳はBの入射瞳となるし、そもそも光学系のなかに任意に定義した部分光学系の入射瞳・射出瞳は、(開口絞りが存在すれば全てそれの像であるし、存在しなくても)全て共役のはずであるから、特に区別が必要無ければ、入射瞳・射出瞳を単に瞳と呼ぶ。
本発明の説明および図面においては、光学系の光軸をz軸と呼んでいるが、もし反射鏡によって光軸が折り曲げられた場合は、元のz軸に沿う光線が反射されて進む方向もz軸と呼び、新たな座標軸を取ることはしない。
先ず、本発明の検出装置を簡略化して示すブロック図である図1を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
本検出装置は照明光束生成光学系(Gi)を有しており、これは、照明光束(Fi)を生成して、被検対象物(Ot)に存在する探索対象面(St)の全部または一部を照明する。
前記照明光束(Fi)に前記探索対象面(St)に存在する光学的異性状態箇所(P1,P2,…)が作用することによって光学的異性状態像を形成する光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)がそれぞれ生成され、それらの集合からなる総合出力光束(Fo)が生成される。
本発明において、光学的異性状態とは、前記したようにキズ・欠け・凹み・突起・泡・塵・付着汚損物質など、光学的に検出可能なものを指し、普通、欠陥の類がこれに該当するが、必ずしも有害なもののみに限定されない。
ここで、前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)が光に作用するとは、光が前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)によって屈折・反射・散乱・吸収・回折されたりなどすることを意味する。
当然、前記探索対象面(St)上における、このような光学的異性状態の無い箇所も、前記照明光束(Fi)に屈折・反射・散乱・吸収・回折などの作用を行うであろうし、このようにして生成された光束も前記総合出力光束(Fo)には含まれる。
別の言い方をすると、前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)とは、前記総合出力光束(Fo)のうち、前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)による擾乱を受けた、前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)に関する情報を有する成分を指す。
本検出装置は撮像光学系(Gf)を有しており、これのCCDやCMOSイメージセンサ等からなる撮像素子(Uf)の撮像面に対し、前記総合出力光束(Fo)が照射される。
さらに、本検出装置は参照光束生成光学系(Gr)を有しており、これは前記総合出力光束(Fo)と可干渉な参照光束(Fr)を生成し、該参照光束(Fr)は、前記総合出力光束(Fo)と重畳するように前記撮像素子(Uf)の撮像面に対して照射され、結果として前記撮像素子(Uf)の撮像面上に干渉像(If)が形成される。
前記撮像光学系(Gf)は前記干渉像(If)を撮像して、該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する。
さらに、本検出装置は処理装置(Up)を有しており、これは前記撮像光学系(Gf)から前記干渉像データ(Df)を受信して記憶する。
前記処理装置(Up)は、前記撮像光学系(Gf)から前記干渉像データ(Df)を受信するためのインターフェイスやCPU、前記干渉像データ(Df)を始め、OSや計算に必要な処理プログラム等を記憶する不揮発性メモリ、前記したOSや計算に必要な処理プログラム等がロードされ、処理計算の遂行に必要なデータを記憶する揮発性メモリなどを備えたコンピュータによって実現することができ、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算によって光電磁界の再構成を行う。
なお、光電磁界の再構成のためのディジタル・ホログラフィ・イメージングにおける計算内容については、先にシミュレーションの内容として説明した通りである。
ここで前記処理装置(Up)は、前記被検対象物(Ot)における前記探索対象面(St)の位置および形状に関する情報を保有しており、したがって前記処理装置(Up)は、該情報を利用して、再構成を行う場所を、前記被検対象物(Ot)が存在する3次元的な空間のなかから前記探索対象面(St)の近傍を選択的に設定することができる。
そのため、前記撮像光学系(Gf)の光軸方向、すなわち奥行き方向における光電磁界の再構成計算を行う必要のある領域を極めて狭い範囲に制限することが可能となるから、再構成のための計算量を削減することができる。
そして前記処理装置(Up)は、再構成された前記探索対象面(St)の近傍の像から前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)を抽出することによって、検出対象とする光学的異性状態を検出することができる。
ただし、この検出工程が正しく遂行できるためには、前記撮像光学系(Gf)と相対的な前記被検対象物(Ot)の配置は、前記処理装置(Up)が保持する前記探索対象面(St)の位置および形状に関する情報に合致するように、正しく行われる必要がある。
そのためには、例えば、前記被検対象物(Ot)の位置と向きが必ず正しく配置されるよう、型枠を設けた専用の位置決め台を設置するとよい。
あるいは、前記した前記探索対象面(St)の位置および形状に関する情報が、前記被検対象物(Ot)の形状に対して相対的に記述されているとともに、前記被検対象物(Ot)の形状に関する情報も含むようにした上で、前記処理装置(Up)は、先ず前記被検対象物(Ot)の形状を測定して前記被検対象物(Ot)の位置と向きを認識し、次に前記被検対象物(Ot)の位置と向きの認識結果に基づき、前記探索対象面(St)の位置および形状を割り出すようにしてもよい。
補足すると、前記処理装置(Up)は、検出した光学的異性状態の種類、位置、大きさ等の測定を行うことができ、測定・評価した結果をディジタルデータとして外部に送信したり、前記被検対象物(Ot)における前記探索対象面(St)の位置および形状に関する情報や、測定条件等に関する情報等を外部から受信したりするためのインターフェイスを備えることができる。
さらに前記処理装置(Up)は、必要に応じ、オペレータからの必要な操作を受付け、情報表示を行うヒューマンインターフェイスを備えることができる。
図1に関し、若干補足しておく。ここでは、前記撮像素子(Uf)に対して、前記総合出力光束(Fo)と前記参照光束(Fr)とが、異なる方向から直接的に照射されて重畳されるように描いてあるが、普通はビームスプリッタを使用してこれらを合波し、重畳することが多い。
また前記総合出力光束(Fo)については、これを前記撮像素子(Uf)に照射する前に変倍光学系を作用させ、変倍総合出力光束に変換したものを前記撮像素子(Uf)に照射するようにしてもよい。
前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とが独立のものであるように描いてあるが、前記照明光束生成光学系(Gi)から生成される前記総合出力光束(Fo)と、前記参照光束生成光学系(Gr)から生成される前記参照光束(Fr)とは可干渉でなければならないから、普通は前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)の光源は共通である。
また前記参照光束(Fr)は、前記総合出力光束(Fo)に対して空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタを作用させて生成してもよい。
次に、前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の具体的な構成について、本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図である図2を参照して説明する。
ヘリウム−ネオンレーザ等の可干渉光源(Us)からの光源ビーム(As)は、ビーム分割のためのビームスプリッタ(BS1)によって、照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とに分割される。
前記参照光束生成光学系(Gr)はミラー(Mr)およびビームエキスパンダ(BEr)から構成されており、前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)は、前記ミラー(Mr)によって反射された後、集光レンズ(Lrf)とコリメータレンズ(Lrc)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEr)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として参照光束(Fr)が生成される。
なお、前記集光レンズ(Lrf)の集光点に一致するようピンホール開口(Ua)を設置すれば、前記ビームエキスパンダ(BEr)に空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタの機能を兼ね備えさせることができ、これにより、前記ピンホール開口(Ua)に至るまでの光路に存在する光学素子の表面に付着した塵などが生む光ノイズを除去して、前記参照光束(Fr)を浄化することができる。
一方、前記照明光束生成光学系(Gi)はミラー(Mi)およびビームエキスパンダ(BEi)から構成されており、前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)は、前記ミラー(Mi)によって反射された後、集光レンズ(Lif)とコリメータレンズ(Lic)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEi)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として照明光束(Fi)が生成される。
なお、前記ビームエキスパンダ(BEi)に対しても前記ピンホール開口(Ua)と同様のピンホール開口を設置するとよいが、本図においては省略してある。
また、これ以降に示す図においては、照明光束生成光学系および参照光束生成光学系とも、ピンホール開口を省略してある。
生成された前記照明光束(Fi)は,先ずビームスプリッタ(BS2)に入射され、それを透過して、被検対象物(Ot)を照明する。
前記照明光束(Fi)の、前記被検対象物(Ot)の前記探索対象面において反射、散乱などされ、光学的異性状態箇所の作用を受けた、および受けなかったた成分が、前記照明光束(Fi)と逆方向に進む総合出力光束(Fo)としてビームスプリッタ(BS2)で反射され、撮像素子(Uf)の撮像面に照射される。
撮像光学系(Gf)の光軸は前記撮像素子(Uf)の撮像面に垂直に設定するとして、前記総合出力光束(Fo)の光軸が前記撮像光学系(Gf)の光軸に一致するように前記ビームスプリッタ(BS2)の角度を設定することが好適である。
一方、前記参照光束(Fr)は、前記ビームスプリッタ(BS2)を透過して、同じく撮像素子(Uf)の撮像面に対し、前記総合出力光束(Fo)と重畳して照射され、前記撮像素子(Uf)の撮像面に干渉像(If)が形成されてそれが撮像される。
ただし、本図の場合、前記参照光束(Fr)の光軸を、撮像素子(Uf)の撮像面に対して垂直ではなく、傾けて設定することにより、前記総合出力光束(Fo)の光軸と同軸にしない、いわゆるオフアクシス型とするものを想定している。
正弦波的な濃度型回折格子からは、+1次,0次,−1次の回折光が発生することに対応して、(ディジタル・ホログラフィ・イメージングを含む)ホログラフィにおいては、再構成される像も、正規像である+1次像,0次像(透過光),−1次像(共役像)の3種類が発生する。
オフアクシス型にしない場合(インライン型の場合)は、これら3種類の像を形成する光束が全て同じ方向に出力され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される結果となる。
オフアクシス型にする目的は、そのようにすることによって、これら3種類の像を形成する光束の方向が分離され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することにある。
ただし、オフアクシス型にすると干渉像(If)の干渉縞が細かくなるため、撮像素子(Uf)として、画素寸法が微細で大画素数のものを使う必要が生じ、計算処理も重くなる欠点がある。
この問題を回避したい場合は、インライン型とした上で、前記した正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することが必要であるが、これに関しては従来より多種類の提案が行われている。
例えば、一例を挙げれば、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせた、複数枚の前記干渉像(If)を撮像し、そのデータを用いた計算によって像を再構成する方法がある。(OPTICS LETTERS, Vol.22, No.16, Aug.15, 1997 p1268-1270, Yamaguchi I. et al: "Phase-shifting digital holography")
本発明の検出装置においても、これを適用することが可能であり、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせるために、例えば、ピエゾ素子等による微動機構を用いて前記ミラー(Mr)を移動可能なように改造することにより実現できる。
ここで、図2の光学系に関して補足しておく。
本図の光学系には、前記ビームエキスパンダ(BEi)および前記ビームエキスパンダ(BEr)なる2個のビームエキスパンダが存在するが、これを前記ビームスプリッタ(BS1)への入射側に1個のビームエキスパンダを配置するように変更することにより、部品点数を減らし、コスト低減を図れると考えるかも知れない。
確かにそういう側面もあるが、ビームエキスパンダを通過後の太い光束を反射するミラーには高い平面精度が要求されるし、それを保持する角度微調整機構付きのミラーホルダは、ミラーを歪ませないように構成したものでなければならなず、場合によっては、そのためのコスト増加分が、ビームエキスパンダの数を減らしたことによるコスト低減分を超える可能性もある。
また、前記した前記ピンホール開口(Ua)による空間周波数フィルタを設置しても、それより後の光路の長さが、2個のビームエキスパンダを設ける場合よりも長くなるため、光束浄化の効果が減殺されてしまう欠点もある。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系の他の構成について、本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図である図3を参照して説明する。
図2のものと同様に、可干渉光源(Us)からの光源ビーム(As)は、ビーム分割のためのビームスプリッタ(BS1)によって、照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とに分割された上で、ビームエキスパンダ(BEr)を介して、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として参照光束(Fr)が生成される。
照明光束(Fi)についても、同様にビームエキスパンダ(BEi)を介して、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として生成されるが、図2のものと相違して、先ず前記照明光束(Fi)が被検対象物(Ot)を照明し、前記照明光束(Fi)の、前記被検対象物(Ot)の前記探索対象面において屈折、位相付加などされ、光学的異性状態箇所の作用を受けた、および受けなかったた成分を含む透過光が、次に総合出力光束(Fo)としてビームスプリッタ(BS2)に入射する。
これ以降の前記総合出力光束(Fo)の扱いは、図2のものと全く同様であり、前記ビームスプリッタ(BS2)で反射されて、前記撮像光学系(Gf)のz軸に沿って伝播し、前記参照光束(Fr)と重畳されて撮像素子(Uf)の撮像面上に干渉像(If)を形成する。
ここで図2および図3の光学系における前記照明光束(Fi)についての補足を述べる。
前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的でない反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的でない屈折体であるときに、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分については、これが前記撮像素子(Uf)に入射しないようにするのが良い場合と、逆に入射するようにするのが良い場合がある。
例えばキズなどのように、光学的異性状態が光を散乱する性質を有するものの場合は、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分が、前記撮像素子(Uf)に入射しないようにするのが良いことが多い。
その理由は、このようにして撮像した干渉像データの光電磁界の再構成を行うと、光学的異性状態箇所では光強度が存在するが、それ以外の箇所では光強度がほぼゼロになり、光学的異性状態箇所の検出が容易になるからである。
因みに、これを実現するには、暗視野顕微鏡(限外顕微鏡)の原理や構造に習って、前記照明光束(Fi)の角度を、後段の光学系のNAを超えるように調整すれば良い。
また前記照明光束(Fi)は、複数の方向から照射するように構成することが望ましい。
一方、例えばなだらかな高さ変化や屈折率差などのように、光学的異性状態が、光を散乱しない性質を有するものの場合は、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分も含めて、前記撮像素子(Uf)に入射するようにするのが良い。
その理由は、そのようにしないと、光学的異性状態の情報を含む光が前記撮像素子(Uf)に全く入射されなくなるからである。
このように、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分を、前記撮像素子(Uf)に入射させるか否かについては、検出すべき光学的異性状態の性質に応じて決める必要があり、前記撮像素子(Uf)に入射させるか否かの設定は、前記照明光束(Fi)を前記被検対象物(Ot)に当てる際の角度によって制御可能である。
ただし、前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的な反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的な屈折体であるときは、その限りではない。
なお、図2および図3の光学系では、前記照明光束(Fi)が平行光束とする場合について説明したが、状況に応じて発散的光束または集束的光束とすることも可能である。
ところで、いま述べたように、前記照明光束(Fi)を前記被検対象物(Ot)に当てる際の角度を調整して、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分を、前記撮像素子(Uf)に入射させないようにした場合、前記総合出力光束(Fo)のうちの前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)の主光線は、前記撮像光学系(Gf)の光軸に平行、すなわち前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)はテレセントリックであると考えてよい。
その理由は、このように前記照明光束(Fi)の角度を調整するのは、前記したように光学的異性状態が光を散乱する性質を有する場合であるから、前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)は指向性の弱い、もしくはほとんど無い光束となり、よって主光線を勝手に決めてよく、それであれば、前記撮像光学系(Gf)の光軸に平行にとることが自然だからである。
また、前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的な反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的な屈折体であるときも同様に、前記撮像光学系(Gf)の光軸に平行にとることが自然であり、よって前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)はテレセントリックであると考えてよい。
一方、前記した前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的でない反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的でない屈折体であるときで、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分が前記撮像素子(Uf)に入射するようにする場合は、前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)の主光線は、前記照明光束(Fi)の形状(平行・発散的・集束的)と、前記被検対象物(Ot)の表面形状に依存する反射の様子、または前記被検対象物(Ot)の体積的形状に依存する屈折の様子に従って考える必要がある。
前記被検対象物(Ot)の前記探索対象面(St)近傍における光電磁界の再構成の分解能を向上させようとする場合、その方法の一つは、前記干渉像(If)の撮像分解能を上げることであり、そのためには、前記したインライン型ディジタル・ホログラフィ・イメージングとしたり、前記撮像素子(Uf)として画素寸法の小さいものを選択する必要がある。
他の方法は、光学的な拡大機能を利用することであるが、ここまで図2および図3によって具体的に構成を示した光学系は、その機能を有していなかった。
この機能を付与することは、前記総合出力光束(Fo)が生成されてから、前記参照光束(Fr)と重畳されるまでの光路部分に対し、レンズ等から構成される変倍光学系を挿入して、前記総合出力光束(Fo)を拡大された光束、すなわち変倍総合出力光束に変換することにより実現することが可能である。
ただし、その際、挿入した変倍光学系によって、前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)の主光線が前記撮像光学系(Gf)の光軸に対して不都合な角度を有する光線に変換されないように注意する必要がある。
前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)がテレセントリックである場合、前記変倍総合出力光束においてもテレセントリック性が維持されるようにすることが望ましく、それを実現するためには、挿入する変倍光学系をアフォーカル系(望遠系)とすればよいことが容易に理解できる。
一方、前記した前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的でない反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的でない屈折体であるときで、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分が前記撮像素子(Uf)に入射するようにする場合は、挿入した変倍光学系によって、前記光学的異性状態像光束(Fo1,Fo2,…)の主光線が前記撮像光学系(Gf)の光軸に対して好都合な角度を有する光線に変換されるよう、状況に応じて前記変倍光学系を設計する必要がある。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの構成について、本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図である図4を参照して説明する。
本図の光学系は、図3のものに比して、正の光学的パワーを有するレンズ(Lg1,Lg2)を共焦点配置することによって、アフォーカル系として構成した変倍光学系(Lg)を、被検対象物(Ot)とビームスプリッタ(BS2)との間に挿入してある点が相違している。
このように構成することにより、テレセントリックの前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)に変換され、該変倍総合出力光束(Fo’)と参照光束(Fr)とがビームスプリッタ(BS2)によって重畳されて撮像素子(Uf)に照射され、干渉像(If)が撮像される。
当然、このようにして取得した干渉像データ(Df)に基づいて再構成された光学的異性状態箇所(P1,P2,…)の像は、分解能が前記変倍光学系の倍率の分だけ向上する。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの、他の構成について、本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図である図5を参照して説明する。
本図の光学系は、図2のものに比して、正と負の光学的パワーを有するレンズ(Lg1’,Lg2’)を共焦点配置することによって、アフォーカル系として構成した変倍光学系(Lg’)を、被検対象物(Ot)とビームスプリッタ(BS2)との間に挿入してある点が相違している。
このように構成することにより、ビームエキスパンダ(BEi)からの平行光束の照明光束(Fi)が前記変倍光学系(Lg’)によって太さが縮小された平行光束の照明光束(Fi)となって図2のものと同様に前記被検対象物(Ot)を照明し、反射結像による総合出力光束(Fo)を生成する。
前記変倍光学系(Lg’)が前記総合出力光束(Fo)に作用することにより、テレセントリックの前記総合出力光束(Fo)がテレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)に変換され、該変倍総合出力光束(Fo’)と参照光束(Fr)とがビームスプリッタ(BS2)によって重畳されて撮像素子(Uf)に照射され、干渉像(If)が撮像される。
なお、変倍光学系として、図4の光学系では正と正の光学的パワーを有する2個の前記レンズ(Lg1,Lg2)を共焦点配置した前記変倍光学系(Lg)を、図5の光学系では正と負の光学的パワーを有する2個の前記レンズ(Lg1’,Lg2’)を共焦点配置した前記変倍光学系(Lg’)を使用したが、図4のものを正と負の光学的パワーを有するレンズによるもの、図5のものを正と正の光学的パワーを有するレンズによるものとしても構わず、それぞれの光学系の特徴に合わせて設計すればよい。
前記照明光束生成光学系(Gi)および前記参照光束生成光学系(Gr)、前記撮像光学系(Gf)(の一部)からなる光学系で、光学的拡大機能を有するものの、さらなる構成について、本発明の検出装置の一部を簡略化して示す模式図である図6および図7を参照して説明する。
図4および図5の光学系では、平行光束の前記参照光束(Fr)と、テレセントリックの前記変倍総合出力光束(Fo’)とを、それぞれ前記ビームスプリッタ(BS2)に入射させたが、図6および図7の光学系では、ビームスプリッタ(BS2’)と撮像素子(Uf)との間に挿入した共通のレンズ(Lc)を経ることによって、平行光束の参照光束(Fr)と、テレセントリックの変倍総合出力光束(Fo’)とが、それぞれ生成されるようにしてある。
すなわち、レンズ(Lr)とコリメータレンズとしての前記レンズ(Lc)とを共焦点配置することによってビームエキスパンダが形成されて前記参照光束(Fr)が生成されており、また、拡大用負レンズ(Lgs)と前記レンズ(Lc)とを共焦点配置することによってアフォーカル系の変倍光学系が形成され、これに被検対象物(Ot)からの総合出力光束(Fo)を入力することにより、変倍総合出力光束(Fo’)が生成されるのである。
ただし、図7の光学系では、レンズ(Li1,Li2)から構成されるレンズ系(Lpi)は、光束を一旦太くして前方で集光する照明用集束光束(Fi’)を生成するもので、前記レンズ系(Lpi)と前記拡大用負レンズ(Lgs)とを共焦点配置することによって、平行光束の照明光束(Fi)を生成している。
このとき前記レンズ系(Lpi)はビームエキスパンダではないが、前記レンズ(Li1)の集光点にピンホール開口を設け、空間周波数フィルタの機能を付与することが可能である。
なお、平行光束でない参照光用光束(Fr’)や前記照明用集束光束(Fi’)が透過するビームスプリッタ(BS2’)は、プリズム型のものを使用することが望ましい。
その理由は、プリズム型ビームスプリッタであれば、透過・反射両方に際して、光軸に垂直な平行平板と同じ働きをするため、非点収差的な収差が発生しないからである。
ただし、厚い平行平板が挿入される訳であるから、狭義球面収差は発生するため、必要に応じて収差補正をすべきである。
一方、図3、図2、図4、図5に記載したハーフミラー型の前記ビームスプリッタ(BS2)の場合、反射に際しては収差は発生しないものの、透過に際しては、平行平板が光軸に対して45度傾いて挿入されているため、非点収差的な収差が発生する可能性があるが、これらの図の光学系では、透過させるものを、平行光束である前記参照光束(Fr)とすることによって収差の問題を回避している。
以上においては、前記変倍光学系が拡大光学系である場合について述べたが、例えば前記被検対象物(Ot)が大き過ぎて前記撮像素子(Uf)による撮像が困難で、逆に前記総合出力光束(Fo)を縮小したい場合には、前記変倍光学系を縮小光学系とすればよく、その場合の光学系の設計の指針は、これまでに述べた指針に対して、概念を拡大から縮小に変更して同様に適用可能である。
先に、前記処理装置(Up)は、再構成された前記探索対象面(St)の近傍の像から前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)を抽出することによって、検出対象とする光学的異性状態を検出する旨を述べたが、ここでは、その抽出の要領について説明する。
光電磁界の再構成を行った際、光学的異性状態の例として先に列挙したキズ・欠け・凹み・突起・泡・塵・付着汚損物質などの大部分は、光電磁界の強度の変化をもたらす。
前記した、前記被検対象物(Ot)の表面が拡散的でない反射面であるとき、または前記被検対象物(Ot)が拡散的でない屈折体であるときで、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分が前記撮像素子(Uf)に入射しないようにする場合と、そうでない場合とでは、光学的異性状態の箇所における再構成した光電磁界の、周囲に比した強度は、前者の場合は局所的に増加する傾向があり、後者の場合は局所的に減少する傾向がある。
その理由は、列挙した光学的異性状態は光を散乱する可能性があり、前者の場合は散乱光を再構成し、後者の場合は散乱しなかった光を再構成するからである。
ただし、光学的異性状態が付着汚損物質で、光を吸収するもののときは、前者の場合は減少するが、後者の場合は増加も減少もせず、散乱も吸収もしないもののときは、何れの場合でも増加も減少もしない。
したがって、前記光学的異性状態箇所(P1,P2,…)を抽出しようとする際は、先ず再構成した光電磁界の強度が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出することを試行することが好適である。
前記した散乱も吸収もしない付着汚損物質のような、なだらかな高さ変化や屈折率差の類の光学的異性状態は、再構成した光電磁界の強度は変化させないが、位相を変化させる可能性がある。
したがって、再構成した光電磁界の位相が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出することも試行するべきである。
因みに、この場合、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分を含めて前記撮像素子(Uf)に入射させて干渉像データを取得することが必要で、光電磁界の再構成を行った後、光学的異性状態の抽出を試行する前に、空間周波数のハイパスフィルタ処理を用いて、位相分布のなだらかな変化を除いておくことが好適である。
前記撮像素子(Uf)としては、通常、市販品を選択して使用するため、撮像面の寸法の大きさには限度があるが、被測定対象の前記被検対象物(Ot)の大きさは様々であるため、検出装置としては、可及的大きい被検対象物を受容できることが望ましい。
その上、前記総合出力光束(Fo)に対して拡大光学系を適用することもあるため、前記被検対象物(Ot)1個に関する前記干渉像(If)の撮像を1回で済ませることが出来ず、よって複数回に分割した撮像を行うことが可能なように、予め考慮しておく必要がある。
このことは、前記撮像光学系(Gf)と前記被検対象物(Ot)との相対的な配置を変化させる配置変化機構(Uxy)を本検出装置の光学系に設けることにより実現することができる。
前記照明光束(Fi)が、前記被検対象物(Ot)の形状と整合した特定条件の波面である必要が無い場合は、前記被検対象物(Ot)との相対位置を自由に移動できるため、図5に2点鎖線で記載したように、前記配置変化機構(Uxy)として、精密な位置決めが可能な、回転または/および平行移動台を設けて、それに前記被検対象物(Ot)を保持するマウント機構を設置する構成をとることが好適である。
一方、前記照明光束(Fi)が、前記被検対象物(Ot)の形状と整合した特定条件の波面である必要がある場合は、前記照明光束(Fi)と前記被検対象物(Ot)との相対位置を自由に移動できないため、前記配置変化機構(Uxy)として、精密な位置決めが可能な、回転または/および平行移動台を設けて、それに撮像素子(Uf)を設置する構成をとることが好適である。
ここで、前記照明光束(Fi)が、前記被検対象物(Ot)の形状と整合した特定条件の波面である必要がある場合とは、例えば後述するように、前記被検対象物(Ot)がレンズであって、前記照明光束(Fi)が、前記レンズの焦点を波源とする光束でなければならない場合などである。
当然ながら、前記処理装置(Up)が、前記した、前記探索対象面(St)の形状に関する情報を利用した光電磁界の再構成を行えるよう、撮像時点における前記配置変化機構(Uxy)による前記撮像素子(Uf)と相対的な前記被検対象物(Ot)の配置状態に関する情報を、前記処理装置(Up)が取得できる必要がある。
そのためには、前記配置変化機構(Uxy)を制御する位置決め信号を、前記処理装置(Up)自身が発生して前記配置変化機構(Uxy)に送出するよう、本検出装置を構成することが好適である。
あるいは、本検出装置内の制御装置が、前記配置変化機構(Uxy)を制御する位置決め信号を前記配置変化機構(Uxy)に送出するとともに、前記撮像素子(Uf)と相対的な前記被検対象物(Ot)の配置状態に関する情報を前記処理装置(Up)に送出するようにしてもよい。
ここで、前記探索対象面(St)について説明しておく。
図1には、前記探索対象面(St)が、前記被検対象物(Ot)の前記撮像光学系(Gf)に対向する表面である場合を描いてあり、この場合、前記被検対象物(Ot)は不透明であっても透明であっても構わない。
前記被検対象物(Ot)が不透明の場合は、前記照明光束(Fi)は、本図に描いたように前記撮像光学系(Gf)の側から照射する必要がある。
前記被検対象物(Ot)が透明の場合は、前記照明光束(Fi)は、前記撮像光学系(Gf)の側から、または前記撮像光学系(Gf)と反対の側から前記探索対象面(St)に照射することができる。
ただし、前記撮像光学系(Gf)と反対の側から照射する場合、前記被検対象物(Ot)に不透明な部分があるときは、その影ができる前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
一方、図8のaは、光学的異性状態箇所(P1,P2,…)が存在する探索対象面(St)が、前記被検対象物(Ot)の前記撮像光学系(Gf)と反対側の表面にある場合を描いたものである。
この場合は、前記被検対象物(Ot)は、(少なくとも一部が)透明である透明部材から構成されている必要があって、前記撮像光学系(Gf)は、前記被検対象物(Ot)の透明な部分を通して前記探索対象面(St)に関する撮像を行うことになり、したがってこの場合、前記探索対象面(St)の形状に関する情報は、前記被検対象物(Ot)による屈折の効果、すなわちレンズ効果を見込んだものでなければならない。
前記照明光束(Fi)は、前記撮像光学系(Gf)の側から、または前記撮像光学系(Gf)と反対の側から前記探索対象面(St)に照射することができる。
ただし、前記撮像光学系(Gf)の側から照射する場合、前記被検対象物(Ot)に不透明な部分があるときは、その影ができる前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
また、前記被検対象物(Ot)に不透明な部分があるときは、それに隠される前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
さらに図8のbは、前記被検対象物(Ot)が、(少なくとも一部が)透明である部材(Ot1)と、透明または不透明の部材(Ot2)とから構成されており、図8のaと同様に、探索対象面(St)が、前記部材(Ot1)の前記撮像光学系(Gf)と反対側の表面にある場合を描いたものである。
つまりこの場合、前記探索対象面(St)は、前記被検対象物(Ot)の内部に存在する、別部材の接合面である。
また同様に、前記撮像光学系(Gf)は、前記部材(Ot1)の透明な部分を通して前記探索対象面(St)に関する撮像を行うことになり、したがってこの場合、前記探索対象面(St)の形状に関する情報は、前記部材(Ot1)による屈折の効果、すなわちレンズ効果を見込んだものでなければならない。
前記部材(Ot2)が不透明でなければ、前記照明光束(Fi)は、前記撮像光学系(Gf)の側から、または前記撮像光学系(Gf)と反対の側から前記探索対象面(St)に照射することができる。
ただし、前記撮像光学系(Gf)の側から照射する場合、前記部材(Ot1)に不透明な部分があるときは、その影ができる前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
また、前記部材(Ot1)に不透明な部分があるときは、それに隠される前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
前記撮像光学系(Gf)と反対の側から照射する場合、前記部材(Ot2)に不透明な部分があるときは、その影ができる前記探索対象面(St)の部分に存在する光学的異性状態は検出できない。
当然、前記部材(Ot2)が不透明の場合は、前記照明光束(Fi)は、前記撮像光学系(Gf)の側から前記探索対象面(St)に照射する必要がある。
当然ながら、図8のbの前記部材(Ot1)に相当するものが、図8のcに示したように、部材(Ot1’)と部材(Ot1”)の2個の部材を、あるいはそれ以上の個数の複数の部材を接合して構成されていても構わない。
同様に、図8のbの前記部材(Ot2)に相当するものが、複数の部材を接合して構成されていても構わない。
このように、前記探索対象面(St)が前記被検対象物(Ot)の内部に存在する場合、前記撮像光学系(Gf)の側から見て前記探索対象面(St)の手前側または向う側が空間(空気)であっても構わないし、当然ながら、光学的異性状態を検出する探索対象面を複数設定しても構わない。
本発明の検出装置の応用例の一つに、被検対象物(Ot)を結像光学素子とし、キズ・凹み・塵・汚れなどの光学的異性状態を検出する検査装置を挙げることができる。
ここで結像光学素子とは、レンズまたはミラー、それらの組合せ体を指し、したがって被検対象物たる結像光学素子として、単レンズや凹または凸面ミラーは当然として、複数枚の単レンズを接着した貼り合わせレンズ、あるいは複数枚のレンズやミラーを金枠等に収納して組立てた組合せ光学部品を対象とすることができ、これら結像光学素子に含まれる光学的機能面の光学的異性状態を検出することができる。
ここで光学的機能面とは、屈折面または反射面を指し、したがって単レンズや貼り合わせレンズの空気ガラス界面または貼り合わせ面、ミラーの反射面を対象とすることができる。
このとき本検出装置には、前記結像光学素子の位置と向きが必ず正しく配置されるよう、位置決め台を設置する。
位置決め台としては、例えば被検結像光学素子が前記組合せ光学部品であれば、その金枠を位置決めするVブロック、被検結像光学素子がレンズやミラーであれば、被検結像光学素子の側面の円柱部に適合した円筒形穴の底面に曲面芯出し機構を設け、これに被検結像光学素子を落とし込むものや、2個の曲面芯出し機構で被検結像光学素子を挟むものを採用することができる。
ここで曲面芯出し機構とは、曲面が自動的に正しい位置に収まるようにした円形穴または3点支持構造などを指す。
当然、被検結像光学素子が大きい場合は、先に説明した配置変化機構(Uxy)の上に前記位置決め台を設置することができる。
先に述べたように、前記照明光束(Fi)を前記被検対象物(Ot)に当てる際の角度を調整して、前記照明光束(Fi)のうちの光学的異性状態箇所の作用を受けずに前記総合出力光束(Fo)となった成分を、前記撮像素子(Uf)に入射させないように構成することによって、光電磁界の再構成を行った際に、光学的異性状態箇所では光強度が存在するが、それ以外の箇所では光強度がほぼゼロになり、光学的異性状態箇所の検出が容易になる。
一方、再構成した光電磁界の位相が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出する検出方法の場合は、光学的異性状態箇所以外では、視野内の位相が一様になるようにすることで、同様に光学的異性状態箇所の検出が容易になるが、これは、前記被検対象物(Ot)を発して前記撮像素子(Uf)に入射する光束が、前記撮像素子(Uf)の撮像面に垂直な平行光束となる状況に対応する。
前記被検対象物(Ot)が前記結像光学素子の場合は、何時でもこれを実現することができ、具体的には、前記変倍光学系が存在する場合は前記被検対象物(Ot)と前記変倍光学系との合成光学系の入力側焦点に、前記変倍光学系が存在しない場合は前記被検対象物(Ot)の入力側焦点に位置する点光源から発する光束を、照明光束(Fi)として前記被検対象物(Ot)に照射するように構成すればよい。
言うまでもないが、いま述べた入力側焦点が無限遠の場合は、光軸に平行な平行光束を照射するようにすればよい。
本発明の検出装置の特に光学系の構成につき、若干補足しておく。
前記撮像素子(Uf)のダイナミックレンジを有効に利用するためには、前記撮像素子(Uf)の撮像面における、前記総合出力光束(Fo)や前記変倍総合出力光束(Fo’)の照度と、前記参照光束(Fr)の照度とは概ね等しいことが望ましく、よって、条件に応じて前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)と前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)の強度のバランスを変化させることができるよう、一方に対し他方を減光させる光減衰器などを設けるとよい。
前記参照光束(Fr)と前記総合出力光束(Fo)や前記変倍総合出力光束(Fo’)とを合波するための前記ビームスプリッタ(BS2’)等については、これを偏光ビームスプリッタとすることによって、透過させたい光束と反射させたい光束とで偏波面を90度相違させ、透過させたい光束の反射や、反射させたい光束の透過を抑えることにより、光の利用効率を高めたり、迷光を防止したりすることができ、そのために2分の1波長版や4分の1波長版を利用するとよい。
図示した光学系においては、前記光源ビーム(As)を前記ビームスプリッタ(BS1)で分離して生成した前記照明光束生成光学系用ビーム(Ai)と前記参照光束生成光学系用ビーム(Ar)とを、空中を飛ばすことによって、前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とに導くものを例示したが、例えば光ファイバを使用した光回路技術を利用して、光ファイバ中に導かれた光源からの光に対し、方向性結合器によって照明光用の光と参照光用の光とに分離し、光ファイバによって前記照明光束生成光学系(Gi)と前記参照光束生成光学系(Gr)とに導くようにしてもよい。
その際に用いる光ファイバの種類としては、偏波保存型シングルモードファイバを選択することが好適である。
本発明は、被検対象物の表面、もしくはその内部にある貼り合わせ面に存在する、キズ・欠け・凹み・突起・泡・塵・付着汚損物質などの光学的異性状態を検出するための検出装置を設計・製造する産業において利用可能である。
Ai 照明光束生成光学系用ビーム
Ar 参照光束生成光学系用ビーム
As 光源ビーム
BEi ビームエキスパンダ
BEr ビームエキスパンダ
BS1 ビームスプリッタ
BS2 ビームスプリッタ
BS2’ ビームスプリッタ
Df 干渉像データ
Fi 照明光束
Fi’ 照明用集束光束
Fo 総合出力光束
Fo’ 変倍総合出力光束
Fo1 光学的異性状態像光束
Fo2 光学的異性状態像光束
Fr 参照光束
Fr’ 参照光用光束
Gf 撮像光学系
Gi 照明光束生成光学系
Gr 参照光束生成光学系
If 干渉像
Lc レンズ
Lg 変倍光学系
Lg’ 変倍光学系
Lg1 レンズ
Lg1’ レンズ
Lg2 レンズ
Lg2’ レンズ
Lgs 拡大用負レンズ
Li1 レンズ
Li2 レンズ
Lic コリメータレンズ
Lif 集光レンズ
Lpi レンズ系
Lr レンズ
Lrc コリメータレンズ
Lrf 集光レンズ
Mi ミラー
Mr ミラー
Ot 被検対象物
Ot1 部材
Ot1’ 部材
Ot1” 部材
Ot2 部材
P1 光学的異性状態箇所
P2 光学的異性状態箇所
St 探索対象面
Ua ピンホール開口
Uf 撮像素子
Up 処理装置
Us 可干渉光源
Uxy 配置変化機構

Claims (9)

  1. 被検対象物(Ot)に属する、予め形状が既知の探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出する検出装置であって、前記被検対象物(Ot)の少なくとも一部に照射する照明光束(Fi)を生成する照明光束生成光学系(Gi)と、前記照明光束(Fi)に前記被検対象物(Ot)が作用することによって生成された総合出力光束(Fo)に対し、これと可干渉であり、かつ該総合出力光束(Fo)と重畳する参照光束(Fr)を生成する参照光束生成光学系(Gr)と、前記参照光束(Fr)を前記総合出力光束(Fo)と重畳することによって生じる干渉像(If)を撮像して該干渉像(If)の明るさ分布をディジタルデータ化した干渉像データ(Df)を生成する撮像素子(Uf)を有する撮像光学系(Gf)と、前記干渉像データ(Df)を受信して記憶するとともに、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して規定の計算処理を行うことが可能な処理装置(Up)とを有し、前記探索対象面(St)は前記撮像素子(Uf)の撮像面に対向する平面以外の面であり、該処理装置(Up)は、前記探索対象面(St)の形状に関する情報を保有し、前記干渉像データ(Df)に基づくディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算による光電磁界の再構成を行うに際し、前記した前記探索対象面(St)の形状に関する情報を利用して、再構成を行う場所を、前記被検対象物(Ot)が存在する3次元的な空間のなかから前記探索対象面(St)の近傍を選択し、前記光学的異性状態を検出することを特徴とする検出装置。
  2. 前記参照光束(Fr)が重畳する対象を、前記総合出力光束(Fo)に替えて、前記総合出力光束(Fo)に変倍光学系を作用させて生成した変倍総合出力光束(Fo’)としたことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記処理装置(Up)は、再構成した光電磁界の強度が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出して前記光学的異性状態を検出することを特徴とする請求項1から2に記載の検出装置。
  4. 前記処理装置(Up)は、再構成した光電磁界の位相が、周囲に比して局所的に相違する箇所を抽出して前記光学的異性状態を検出することを特徴とする請求項1から2に記載の検出装置。
  5. 前記撮像光学系(Gf)と前記被検対象物(Ot)との相対的な配置を変化させるための配置変化機構(Uxy)を有することを特徴とする請求項1から2に記載の検出装置。
  6. 前記被検対象物(Ot)の、前記撮像光学系(Gf)に近い側の表面を前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とする請求項1から2に記載の検出装置。
  7. 前記被検対象物(Ot)の少なくとも一部が透明部材から構成されており、前記透明部材を通して前記撮像光学系(Gf)の側から光学的観察可能である前記透明部材の表面を前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とする請求項1から2に記載の検出装置。
  8. 前記被検対象物(Ot)が結像光学素子であり、該被検対象物(Ot)を配置するための位置決め台を有し、前記被検対象物(Ot)に含まれる光学的機能面の少なくとも一つを前記探索対象面(St)とし、該探索対象面(St)上に存在する光学的異性状態を検出することを特徴とする請求項6から7に記載の検出装置。
  9. 前記被検対象物(Ot)に光学的異性状態箇所が存在しないと仮定した場合に、前記被検対象物(Ot)を発して前記撮像素子(Uf)に入射する光束が、前記撮像素子(Uf)の撮像面に垂直な平行光束となるよう、前記照明光束(Fi)を形成して前記被検対象物(Ot)に照射することを特徴とする請求項8に記載の検出装置。
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