JP2018021335A - 杭の施工管理システム、及び、施工管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
機器を使用した杭の施工に関する施工管理データを計測可能な計測装置と、
前記杭の施工現場に配置され、前記計測装置によって計測された前記施工管理データを受け取り可能であり、且つ、前記施工管理データに基づいて報告書用データを出力可能な施工管理装置と、
前記杭の施工現場に配置され、前記計測装置によって計測された施工管理データを、施工現場名及び施工日時とともに少なくとも1組のデータとして記録可能であり、且つ、記録した前記少なくとも1組のデータを前記杭の施工現場の外へ送信可能な記録装置と、
前記杭の施工現場の外に配置され、前記記録装置から送信された前記少なくとも1組のデータを保存可能なファイル管理装置と、
を備え、
前記計測装置は、前記機器の電源投入に対応して前記施工管理データの計測を自動的に開始するように構成され、
前記記録装置は、前記少なくとも1組のデータを前記ファイル管理装置に向けて定時に自動的に送信するように構成されている。
前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定可能な情報処理装置を更に備える。
この点、上記構成(2)によれば、情報処理装置によって、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否か判定される。判定結果が一致すれば、報告書用データに重複があることに気付くことができる。このため、上記構成(2)によれば、過去に計測された施工管理データが、報告書に誤って添付されることを防止可能であり、或いは、既に報告書に添付された重複する施工管理データを発見することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データ及び当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データのグラフを重ね合わせて表示可能である。
上記構成(3)によれば、グラフを重ね合わせて表示することで、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを目視によってより一層的確に判定することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと前記記録装置に記録された前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定可能である。
上記構成(4)では、情報処理装置が、施工管理装置が出力した報告書用データと記録装置に記録された施工管理データとが相互に一致するか否か判定する。判定の結果、施工管理装置が出力した報告書用データと記録装置に記録された施工管理データとが相互に一致すれば、報告書用データが適正なものであることがわかる。このため上記構成(4)によれば、適正な報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを判定することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致しないと判定された場合に、当該判定結果を証明する証明書を発行するように構成されている。
上記構成(5)によれば、証明書を発行することで、証明書に基づいて、施工管理装置が出力した報告書用データとファイル管理装置に保存された施工管理データとの間で重複がないことを、杭の施工管理者等、杭の施工に責任を有する者が容易に知ることができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの2つのグラフを複数のピクセルに分割し、前記複数のピクセル同士を比較することによって判定可能である。
上記構成(6)によれば、グラフを複数のピクセルに分割し、複数のピクセル同士を比較することで、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの近似式に基づいて判定可能である。
上記構成(7)によれば、近似式同士を比較することによって、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データと前記施工管理データの相関係数に基づいて判定可能である。
上記構成(8)によれば、相関係数に基づいて、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データのフーリエ変換スペクトルに基づいて判定可能である。
上記構成(9)によれば、フーリエ変換スペクトル同士を比較することによって、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記施工管理データは、前記杭のための杭孔を掘削する際の地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、前記杭孔に注入されたセメント量に関するデータである。
上記構成(10)によれば、地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、杭孔に注入されたセメント量に関するデータを、漏れなく確実に取得可能であるとともに、これらデータのバックアップデータも保存可能である。
機器を使用した杭の施工に関する施工管理データを、計測装置を使用して計測する計測工程と、
前記杭の施工現場に配置された施工管理装置によって、前記計測装置によって計測された前記施工管理データを受け取る施工管理データ受け取り工程と、
前記施工管理装置によって、前記施工管理データに基づいて報告書用データを出力する報告書用データ出力工程と、
前記杭の施工現場に配置された記録装置によって、前記計測装置によって計測された施工管理データを、施工現場名及び施工日時とともに少なくとも1組のデータとして記録し、且つ、記録した前記少なくとも1組のデータを前記杭の施工現場の外へ送信する記録送信工程と、
前記杭の施工現場の外に配置されたファイル管理装置によって、前記記録装置から送信された前記少なくとも1組のデータを保存する保存工程と、
を備え、
前記計測工程において、前記計測装置は、前記機器の電源投入に対応して前記施工管理データの計測を自動的に開始し、
前記記録送信工程において、前記記録装置は、前記少なくとも1組のデータを前記ファイル管理装置に向かって定時に自動的に送信する。
前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定する判定工程を更に備える。
この点、上記構成(12)によれば、判定工程において、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否か判定される。判定結果が一致すれば、報告書用データに重複があることに気付くことができる。このため、上記構成(12)によれば、過去に計測された施工管理データが、報告書に誤って添付されることを防止可能であり、或いは、既に報告書に添付された重複する施工管理データを発見することができる。
前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データ及び当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データのグラフを重ね合わせて表示する。
上記構成(13)によれば、グラフを重ね合わせて表示することで、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを目視によってより一層的確に判定することができる。
前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと前記記録装置に記録された前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定する予備判定工程を更に備える。
上記構成(14)では、予備判定工程において、施工管理装置が出力した報告書用データと記録装置に記録された施工管理データとが相互に一致するか否か判定する。判定の結果、施工管理装置が出力した報告書用データと記録装置に記録された施工管理データとが相互に一致すれば、報告書用データが適正なものであることがわかる。このため上記構成(14)によれば、適正な報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを判定することができる。
前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致しないと判定された場合に、当該判定結果を証明する証明書を発行する証明書発行工程を更に備える。
上記構成(15)によれば、証明書を発行することで、証明書に基づいて、施工管理装置が出力した報告書用データとファイル管理装置に保存された施工管理データとの間で重複がないことを、杭の施工管理者等、杭の施工に責任を有する者が容易に知ることができる。
前記判定工程は、
前記報告書用データ及び前記施工管理データの2つのグラフを複数のピクセルに分割する工程と、
前記複数のピクセル同士を比較する工程と
を含む。
上記構成(16)によれば、グラフを複数のピクセルに分割し、複数のピクセル同士を比較することで、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの近似式に基づいて判定する。
上記構成(17)によれば、近似式同士を比較することによって、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データと前記施工管理データの相関係数に基づいて判定する。
上記構成(18)によれば、相関係数に基づいて、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データのフーリエ変換スペクトルに基づいて判定する。
上記構成(19)によれば、フーリエ変換スペクトル同士を比較することによって、施工管理装置が出力した報告書用データと、報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを的確に判定することができる。
前記施工管理データは、前記杭のための杭孔を掘削する際の地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、前記杭孔に注入されたセメント量に関するデータである。
上記構成(20)によれば、地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、杭孔に注入されたセメント量に関するデータを、漏れなく確実に取得可能であるとともに、これらデータのバックアップデータも保存可能である。
図1に示したように、杭の施工管理システム1は、計測装置10(10a,10b)と、施工管理装置12と、記録装置14と、ファイル管理装置16とを有している。
そのために、例えば、計測装置10、施工管理装置12及び記録装置14は、機器2の電源回路20に接続され、機器2の電源投入に連動して動作開始可能に構成される。
施工管理データ受け取り工程S2においては、杭の施工現場に配置された施工管理装置12によって、計測装置10によって計測された施工管理データを受け取る。
保存工程S5においては、杭の施工現場の外に配置されたファイル管理装置16によって、記録装置14から送信された少なくとも1組のデータを保存する。
なお、情報処理装置22は、インターネット18等を通じて報告書用データのグラフを取得して判定に用いてもよいし、報告書用データの数値データを取得して判定に用いてもよい。
図1を参照すると、判定工程S6においては、施工管理装置12が出力した報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置16に保存された少なくとも1組のデータに含まれる施工管理データとが相互に一致するか否か判定する。
なお例えば、2つのグラフを識別し易くするために、重ね合わされる2つのグラフの色を異ならせてもよい。
また、2つのグラフを重ね合わせる際に、一方のグラフの縦横の縮尺を変更したり、縦横の零点位置を変更してもよい。
上記構成では、情報処理装置22が、施工管理装置12が出力した報告書用データと記録装置14に記録された施工管理データとが相互に一致するか否か判定する。判定の結果、施工管理装置12が出力した報告書用データと記録装置14に記録された施工管理データとが相互に一致すれば、報告書用データが適正なものであることがわかる。このため上記構成によれば、適正な報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置に保存された施工管理データとが相互に一致するか否かを判定することができる。
なおこの場合、情報処理装置22は、インターネット18等を通じて記録装置14に記録された施工管理データを取得可能である。
図4に示した杭の施工管理方法は、図3に示した杭の施工管理方法と比べたときに、予備判定工程S7を更に有している。予備判定工程S7においては、施工管理装置12が出力した報告書用データと記録装置14に記録された施工管理データとが相互に一致するか否か判定する。
判定対象確認工程S8では、杭の施工現場名や当該施工現場で構築される杭の本数等を確認することによって、施工管理装置12が出力した報告書用データが判定対象として適正なものであるか確認し、必要に応じて適正なものを用意することができる。
なお、情報処理装置22が、当該判定対象確認工程S8を実行可能に構成されていてもよい。
幾つかの実施形態では、杭の施工管理方法は、図5に示したように、警告工程S10を更に有していてもよい。警告工程S10では、判定工程S6において施工管理装置12が出力した報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置16に保存された少なくとも1組のデータに含まれる施工管理データとが相互に一致すると判定された場合に、画像や音声にて警告を発する。
幾つかの実施形態では、杭の施工管理方法の判定工程S6は、前記報告書用データ及び前記施工管理データの2つのグラフを複数のピクセルpに分割する工程と、前記複数のピクセルp同士を比較する工程とを有している。
なお例えば、各ピクセルpには、1又は0の2つの値が割り当てられ、ピクセル同士でこれらの値が一致するか否かで、報告書用データと施工管理データの間に相互に一致するものがあるか否かを判定することができる。
幾つかの実施形態では、杭の施工管理方法の判定工程S6において、施工管理装置12が出力した報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置16に保存された少なくとも1組のデータに含まれる施工管理データとが相互に一致するか否か、報告書用データ及び施工管理データの近似式に基づいて判定する。
図7及び図8に示した判定工程S6は、工程S11,S12,S14,S16,S18,S20,S22,S24,S26,S28,S30,S32,S34,S36,S38を有している。
工程S14では、工程S12で分離して得られた支持層区間の報告書用データについて、直線近似式:
y=a0x+b0
を算出する。ただし、係数a及び定数bの添字0は、判定対象の孔を表す。xは深度に相当し、yは電流値iに相当する。なお、変曲点がある場合には、直線近似式ではなく、曲線近似式を算出してもよい。
工程S18では、全ての孔(1〜N)の支持層区間の施工管理データについて、直線近似式:
y=anx+bn
を算出する。ただし、係数a及び定数bの添字nは、孔の番号1〜Nを表す。xは深度に相当し、yは電流値iに相当する。なお、変曲点がある場合には、直線近似式ではなく、曲線近似式を算出してもよい。
工程S20の判定結果が肯定的なものである場合、即ち、a0=aiである場合、工程S22にて、類似する孔iの支持層区間のデータについて標準偏差σ1iを算出する。
工程S24では、定数b0と定数biの差の絶対値が、標準偏差σ1iのα1倍未満であるか否かが判定される。なお、α1は適当な定数であり、例えば、0.5〜2の範囲の値である。
y=c0x+d0
を算出する。ただし、係数c及び定数dの添字0は、判定対象の孔のものであることを表している。xは深度に相当し、yは電流値iに相当する。なお、変曲点がある場合には、直線近似式ではなく、曲線近似式を算出してもよい。
そして工程S28において、孔iの非支持層区間の施工管理データについて直線近似式:
y=cix+di
を算出する。ただし、係数c及び定数dの添字iは、孔の番号iを表している。xは深度に相当し、yは電流値iに相当する。なお、変曲点がある場合には、直線近似式ではなく、曲線近似式を算出してもよい。
工程S30の判定結果が肯定的なものである場合、即ち、c0=ciである場合、工程S32にて、孔iの非支持層区間のデータについて標準偏差σ2iを算出する。
工程S34では、定数d0と定数diの差の絶対値が、標準偏差σ2iのα2倍未満であるか否かが判定される。なお、α2は適当な定数であり、例えば、0.5〜2の範囲の値である。
工程S34の判定結果が肯定的なものである場合、即ち|di−d0|<α2σ2iである場合、工程S36において、判定対象の報告書用データと、ファイル管理装置16に保存された施工管理データが相互に類似又は一致すると判定する。
幾つかの実施形態では、杭の施工管理方法の判定工程S6において、施工管理装置12が出力した報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置16に保存された少なくとも1組のデータに含まれる施工管理データとが相互に一致するか否か、報告書用データと施工管理データの相関係数に基づいて判定する。
なお相関係数は、ピアソンの相関係数であってもよいし、スピアマンの相関係数であってもよい。
図10に示した判定工程S6は、工程S11,S12,S16,S40,S42,S44,S46,S36,S38を有している。
工程S12では、工程S12では、工程S11で用意した報告書用データを支持層区間と非支持層区間に分離する。
工程S16では、ファイル管理装置16に保存されている全ての孔(1〜N)で取得された施工管理データを支持層区間と非支持層区間に分離する。
工程S42の判定結果の少なくとも一部に肯定的なものがある場合、すなわち特定の番号iについてR10i>R1thである場合、工程S44にて、非支持層区間の報告書用データと、孔iの非支持層区間の施工管理データについて、相関係数R20iを算出する。ただし、相関係数R20iの添字2は、非支持層区間での相関係数であることを表し、添字0は判定対象の孔を表し、添字iは孔の番号を表している。
工程S46の判定結果が肯定的なものである場合、即ちR20i>R2thである場合、工程S36において、判定対象の報告書用データと、ファイル管理装置16に保存された施工管理データが相互に類似又は一致すると判定する。
幾つかの実施形態では、杭の施工管理方法の判定工程S6において、施工管理装置12が出力した報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前にファイル管理装置16に保存された少なくとも1組のデータに含まれる施工管理データとが相互に一致するか否か、報告書用データ及び施工管理データのフーリエ変換スペクトルに基づいて判定する。
図11及び図12に示した判定工程S6は、工程S11,S12,S48,S16,S50,S52,S54,S56,S58,S60,S62,S36,S38を有している。
工程S12では、工程S12では、工程S11で用意した報告書用データを支持層区間と非支持層区間に分離する。
工程S48では、工程S12で分離して得られた支持層区間の報告書用データについて、フーリエ変換スペクトル、すなわち周波数スペクトルF10を算出する。ただし、周波数スペクトルF10の添字1は、支持層区間での周波数スペクトルであることを表し、添字0は判定対象の孔のものであることを表している。
工程S50では、全ての孔(1〜N)の支持層区間の施工管理データについて、フーリエ変換スペクトル、すなわち周波数スペクトルF11〜F1Nを算出する。ただし、周波数スペクトルF11〜F1Nの添字1は、支持層区間での周波数スペクトルであることを表し、添字1〜Nは、孔の番号を表している。
工程S54では、全ての距離L10nについて、距離L10nが、閾値L1thよりも小さいか否か判定する。閾値L1thは、適宜設定可能である。
そして、工程S58にて、孔iの非支持層区間の施工管理データについて、フーリエ変換スペクトル、すなわち周波数スペクトルF2iを算出する。周波数スペクトルF2iの添字2は、非支持層区間での周波数スペクトルであることを表し、添字iは孔の番号を表している。
工程S62では、距離L20iが、閾値L2thよりも小さいか否か判定する。閾値L2thは、適宜設定可能である。
例えば、上述した実施形態では、施工管理データは、杭のための杭孔を掘削する際の地盤の抵抗値を表す、深度と電流値からなる深さ方向プロファイルに関するデータであったが、地盤の抵抗値を表す指標として、電流値の外に、積分電流値や油圧等を用いてもよい。また、施工管理データとして、杭孔に注入されたセメント量に関するデータを採用してもよく、施工管理データは、杭の施工に関するものであれば、特に限定されることはない。
更に、上述した実施形態では、予備判定工程S7においても、判定工程S6と同様の判定方法を採用可能である。
2 機器
10,10a,10b 計測装置
12 施工管理装置
14 記録装置
16 ファイル管理装置
18 インターネット
20 電源回路
22 情報処理装置
p ピクセル
S1 計測工程
S2 施工管理データ受け取り工程
S3 報告書用データ出力工程
S4 記録送信工程
S5 保存工程
S6 判定工程
S7 予備判定工程
S8 判定対象確認工程
S9 証明書発行工程
S10 警告工程
Claims (20)
- 機器を使用した杭の施工に関する施工管理データを計測可能な計測装置と、
前記杭の施工現場に配置され、前記計測装置によって計測された前記施工管理データを受け取り可能であり、且つ、前記施工管理データに基づいて報告書用データを出力可能な施工管理装置と、
前記杭の施工現場に配置され、前記計測装置によって計測された施工管理データを、施工現場名及び施工日時とともに少なくとも1組のデータとして記録可能であり、且つ、記録した前記少なくとも1組のデータを前記杭の施工現場の外へ送信可能な記録装置と、
前記杭の施工現場の外に配置され、前記記録装置から送信された前記少なくとも1組のデータを保存可能なファイル管理装置と、
を備え、
前記計測装置は、前記機器の電源投入に対応して前記施工管理データの計測を自動的に開始するように構成され、
前記記録装置は、前記少なくとも1組のデータを前記ファイル管理装置に向けて定時に自動的に送信するように構成されている
ことを特徴とする杭の施工管理システム。 - 前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定可能な情報処理装置を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データ及び当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データのグラフを重ね合わせて表示可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと前記記録装置に記録された前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定可能である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致しないと判定された場合に、当該判定結果を証明する証明書を発行するように構成されている
ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの2つのグラフを複数のピクセルに分割し、前記複数のピクセル同士を比較することによって判定可能である
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの近似式に基づいて判定可能である
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データと前記施工管理データの相関係数に基づいて判定可能である
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データのフーリエ変換スペクトルに基づいて判定可能である
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 前記施工管理データは、前記杭のための杭孔を掘削する際の地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、前記杭孔に注入されたセメント量に関するデータである
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の杭の施工管理システム。 - 機器を使用した杭の施工に関する施工管理データを、計測装置を使用して計測する計測工程と、
前記杭の施工現場に配置された施工管理装置によって、前記計測装置によって計測された前記施工管理データを受け取る施工管理データ受け取り工程と、
前記施工管理装置によって、前記施工管理データに基づいて報告書用データを出力する報告書用データ出力工程と、
前記杭の施工現場に配置された記録装置によって、前記計測装置によって計測された施工管理データを、施工現場名及び施工日時とともに少なくとも1組のデータとして記録し、且つ、記録した前記少なくとも1組のデータを前記杭の施工現場の外へ送信する記録送信工程と、
前記杭の施工現場の外に配置されたファイル管理装置によって、前記記録装置から送信された前記少なくとも1組のデータを保存する保存工程と、
を備え、
前記計測工程において、前記計測装置は、前記機器の電源投入に対応して前記施工管理データの計測を自動的に開始し、
前記記録送信工程において、前記記録装置は、前記少なくとも1組のデータを前記ファイル管理装置に向かって定時に自動的に送信する
ことを特徴とする杭の施工管理方法。 - 前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定する判定工程を更に備える
ことを特徴とする請求項11に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データ及び当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データのグラフを重ね合わせて表示する
ことを特徴とする請求項12に記載の杭の施工管理方法。 - 前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと前記記録装置に記録された前記施工管理データとが相互に一致するか否か判定する予備判定工程を更に備える
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致しないと判定された場合に、当該判定結果を証明する証明書を発行する証明書発行工程を更に備える
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程は、
前記報告書用データ及び前記施工管理データの2つのグラフを複数のピクセルに分割する工程と、
前記複数のピクセル同士を比較する工程と
を含む
ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データの近似式に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データと前記施工管理データの相関係数に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。 - 前記判定工程において、前記施工管理装置が出力した前記報告書用データと、当該報告書用データが出力される以前に前記ファイル管理装置に保存された前記少なくとも1組のデータに含まれる前記施工管理データとが相互に一致するか否か、前記報告書用データ及び前記施工管理データのフーリエ変換スペクトルに基づいて判定する
ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。 - 前記施工管理データは、前記杭のための杭孔を掘削する際の地盤の抵抗値の深さ方向プロファイル、又は、前記杭孔に注入されたセメント量に関するデータである
ことを特徴とする請求項11乃至19の何れか1項に記載の杭の施工管理方法。
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