以下、添付図面を参照して、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置及び画像処理装置について、詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置100を示す図である。被検体P(図1において点線の枠内)は、磁気共鳴イメージング装置100に含まれない。
静磁場磁石1は、中空の円筒状に形成され、内部の空間に一様な静磁場を発生する。静磁場磁石1は、たとえば、永久磁石、超伝導磁石等である。傾斜磁場コイル2は、中空の円筒状に形成され、内部の空間に傾斜磁場を発生する。
具体的には、傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配置され、傾斜磁場電源3から傾斜磁場パルスの供給を受けて、傾斜磁場を発生する。傾斜磁場電源3は、シーケンス制御回路10から送信される制御信号に従って、傾斜磁場パルスを傾斜磁場コイル2に供給する。
寝台4は、被検体Pが載置される天板4aを備え、天板4aを、被検体Pが載置された状態で、撮像口である傾斜磁場コイル2の空洞内へ挿入する。通常、寝台4は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。
寝台制御回路5は、寝台4を駆動して、天板4aを長手方向及び上下方向へ移動する。
送信コイル6は、磁場を発生する。具体的には、送信コイル6は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、送信回路7からRF(Radio Frequency)パルスの供給を受けて、磁場を発生する。送信回路7は、シーケンス制御回路10から送信される制御信号に従って、ラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル6に供給する。
受信コイル8は、磁気共鳴信号(以下、MR(Magnetic Resonance)信号)を受信する。具体的には、受信コイル8は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、磁場の影響によって被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。また、受信コイル8は、受信した磁気共鳴信号を受信回路9に出力する。
受信回路9は、シーケンス制御回路10から送られる制御信号に従って、受信コイル8から出力された磁気共鳴信号に基づき磁気共鳴信号データを生成する。具体的には、受信回路9は、受信コイル8から出力された磁気共鳴信号をデジタル変換することによって磁気共鳴信号データを生成し、生成した磁気共鳴信号データを、シーケンス制御回路10を介して画像処理装置200に送信する。なお、受信回路9は、静磁場磁石1や傾斜磁場コイル2等を備える架台装置側に備えられていてもよい。
シーケンス制御回路10(撮像部)は、傾斜磁場電源3、送信回路7、及び受信回路9を制御する。具体的には、シーケンス制御回路10は、画像処理装置200から送信されたパルスシーケンス実行データに基づく制御信号を、傾斜磁場電源3、送信回路7、及び受信回路9に送信する。たとえば、シーケンス制御回路10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
画像処理装置200は、処理回路150と、メモリ132と、入力インタフェース134と、ディスプレイ135とを備える。また、処理回路150は、制御機能150a、生成機能150b、推定機能150c及び図示しないインタフェース機能、受付機能、判定機能を有する。制御機能150a、生成機能150b、推定機能150cの詳細な処理については省略する。
制御機能150a、生成機能150b、推定機能150cにて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ132へ記憶されている。処理回路150はプログラムをメモリ132から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図1の処理回路150内に示された各機能を有することになる。なお、図1においては単一の処理回路150にて、制御機能150a、生成機能150b、推定機能150cにて行われる処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路が各プログラムを実行する場合であってもよいし、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。なお、処理回路150の有する制御機能150a、生成機能150b、推定機能150c、受付機能、判定機能は、それぞれ制御部、生成部、推定部、受付部(制御部)、判定部の一例である。また、ディスプレイ135は、表示部の一例である。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ132に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ132にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。例えば、メモリ132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
メモリ132は、生成機能150bによって格納された画像データや、磁気共鳴イメージング装置100において用いられるその他のデータを記憶する。たとえば、メモリ132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等で構成される。
入力インタフェース134は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力インタフェース134は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。
ディスプレイ135は、処理回路150による制御のもと、画像データ等の各種の情報を表示する。ディスプレイ135、例えば、液晶表示器等の表示デバイスである。
処理回路150は、図示しないインタフェース機能により、シーケンス制御回路10に接続され、シーケンス制御回路10と画像処理装置200との間で送受信されるデータの入出力を制御する。
処理回路150は、制御機能150aにより、磁気共鳴イメージング装置100の全体制御を行い、撮像や画像の生成、画像の表示などを制御する。たとえば、制御機能150aは、ASIC、FPGA等の集積回路、CPU、MPU等の電子回路である。
なお、処理回路150は、制御機能150aにより、後述するように、基準断面の撮像位置の決定と、その決定した基準断面位置での画質に関する情報を効率的に確認・修正する。
処理回路150は、生成機能150bにより、シーケンス制御回路10から送信された磁気共鳴信号データから画像データを再構成し、再構成した画像データをメモリ132に格納する。また、処理回路150は、生成機能150bにより、被検体Pの撮像最小を含む3次元データと、入力インタフェース134を介して設定中の断面位置をメモリ132から取得し、対応するMPR(Multi Planar)画像を生成する。生成したMPR画像は、メモリ132に保存される。
処理回路150は、推定機能150cにより、被検体Pを含む3次元データと設定中の断面位置及び撮像パラメータとを入力インタフェース134を介してメモリ132から取得して、診断のための画像の画質に関する情報を推定する。推定した画質情報は、メモリ132に保存される。
続いて、実施形態に係る背景について簡単に説明する。
磁気共鳴イメージングによる検査の手順としては、例えば、心臓を例に取ると、スカウト像(Scout)またはロケータ像(Locator)と呼ばれる体軸横断面像(Axial)、矢状断面像(Sagittal)、及び冠状断面像(Coronal)を撮像した後に、複数の体軸横断面であるマルチスライス像(Axial multi-slice)を撮像し、その後、基準断面を撮像する流れ等がある。ここで、基準断面とは、解剖学的な特徴に基づく断面像であり、心臓の場合は左室垂直長軸像(Left ventricular vertical long-axis)、左室水平長軸像(Left ventricular horizontal long-axis)、左室短軸像(Left ventricular short-axis)、左室二腔長軸像(Left ventricular 2-chamber long-axis)、左室三腔長軸像(Left ventricular 3-chamber long-axis)、左室四腔長軸像(Left ventricular 4-chamber long-axis)等である。検査において、例えば基準断面の断面位置が設定される必要がある。なお、基準断面や基準断面の設定方法は、心臓に限らず、脳、肩、膝など様々な対象でも定められている。
また、検査においては、上述した断面位置の設定だけでなく、様々な撮像パラメータが設定される必要がある。ここで、撮像パラメータとは、例えば、FOVや位相エンコード数、スライス枚数、サンプリングを間引いて高速に撮像するSENSE(Sensitivity Encoding)法などのパラレルイメージング(Parallel Imaging)の加速率(Reduction Factor)、等である。
断面位置の形態に関する情報に基づいて、断面位置等を設定する方法が知られている。しかし、これらの技術では、画質に関する情報が含まれていないため、例えば、経験の浅い診療放射線技師の場合、画質に関する情報を事前に考慮できず撮像した結果、画質不良で取り直しとなる場合が多く、結果として検査スループットが低下する場合もある。
かかる背景のもとで、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置100は、画質に関する情報を推定し、推定した情報を、画像データ又は断面画像に重畳させて表示部(ディスプレイ135)に表示させる。
図2は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の行う処理の手順について示したフローチャートである。図3〜10は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の行う処理について説明した図である。
シーケンス制御回路10は、第1の撮像を実行する(ステップS100)。続いて、処理回路150は、図示しない取得部により、ステップS100においてシーケンス制御回路10が実行した第1の撮像をもとに、画像データ(例えば3次元データ)を取得する(ステップS110)。
ここで、かかる画像データの例としては、撮像対象である被検体Pの形態情報を示すロケータ画像である。この時、シーケンス制御回路10は、ステップS100において、ロケータ画像を取得するための撮像を第1の撮像として実行する。ここで、ロケータ画像を取得するための撮像である第1の撮像の具体例としては、例えば、GE(Gradient Echo)系のパルスシーケンスである、3D FFE(Fast Field Echo)シーケンスや、3D SSFP(Steady-state Free Precession)シーケンスである。また、シーケンス制御回路10は、3D FFEシーケンスや3D SSFPシーケンスに先立ち、T2プリパレーション(preparation)パルスを印加するパルスシーケンスを付加してもよい。シーケンス制御回路10がT2プリパレーションパルスを印加することで、処理回路150は、生成機能150bにより、組織コントラストが強調された画像を生成することができる。
また、例えば、かかる画像データの別の例としては、受信コイル8の感度分布を表す画像(感度マップ)が挙げられる。この時、シーケンス制御回路10は、ステップS100において、感度マップを取得するための撮像を第1の撮像として実行する。具体的には、シーケンス制御回路10は、例えば、空間均一性の高いボディコイルと、空間均一性の低い受信コイル8(マルチコイル)とをそれぞれ用いて撮像を行う。
続いて、処理回路150は、生成機能150bにより、ボディコイルを用いて行われた撮像から、ボディコイルに係る画像を生成する。また、処理回路150は、生成機能150bにより、受信コイル8を用いて行われた撮像から、複数の画像を、受信コイル8のエレメントごとに生成する。ステップS110において、処理回路150は、ボディコイルに係る画像と、受信コイル8のエレメントごとに生成された複数の画像との比を取ることで、受信コイル8の感度分布を表す画像(感度マップ)を取得する。
また、例えば、かかる画像データの別の例としては、静磁場(B0)あるいは高周波磁場(B1)の磁場分布を表すシミング画像が挙げられる。すなわち、シーケンス制御回路10は、ステップS100において、シミング画像を得るための撮像を行う。続いて、処理回路150は、生成機能150bにより、ステップS100で行われた撮像に基づいて、シミング画像を生成する。例えば、処理回路150は、生成機能150bにより、静磁場の強度分布であるB0の分布を表す画像を、異なるエコー時間の複数の磁気共鳴イメージング画像の位相差から計算する。また、例えば、処理回路150は、生成機能150bにより、高周波磁場の強度分布であるB1の分布を表す画像を、例えば、異なる励起パルスを印加した複数の磁気共鳴イメージング画像の強度比から計算する。
続いて、シーケンス制御回路10は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS120)。シーケンス制御回路10は、処理すべき検査用シーケンスが残っておらず、処理を終了すると判定した場合(ステップS120 Yes)、処理を終了する。一方、シーケンス制御回路10は、処理すべき検査用シーケンスが残っている場合、処理を終了しないと判定し(ステップS120 No)、処理はステップS130に移る。
続いて、処理回路150は、検査用シーケンスの断面位置及び、撮像パラメータを設定する(ステップS130)。具体的には、はじめに、処理回路150は、入力インタフェース134を通じて、検査用シーケンスの断面位置を特定する情報及び撮像パラメータに関する情報(第1の撮像よりも後段の第2の撮像を実行した場合の画質に関する情報)の入力を受け付ける。
処理回路150は、検査用シーケンスの断面位置を特定する情報の入力を受け付ける。ここで、処理回路150は、入力インタフェース134を通じて、検査用シーケンスの断面位置を特定する情報の例として、例えば、断面上の一つの点oの位置と、平面を構成する2本の単位ベクトルu、vの方向の入力を受け付ける。なお、o、u、vの成分を具体的に書くと、例えば、以下の式(1)、(2)で表される。
かかる入力画面の一例が図3に示されている。画像13は、既に撮像済みの検査用シーケンスの再構成画像を表す。断面11は、処理回路150がステップS130で設定を行っている検査用シーケンスの断面を表す。処理回路150は、例えば、断面11の中心の位置(点o)及び断面11を構成する2本の単位ベクトルu、vの方向の入力を受け付ける。
また、処理回路150は、撮像パラメータに関する情報の入力を受け付ける。図4に、かかる状況が示されている。エディットボックス21は、マトリクスサイズに関する設定を行うエディットボックスである。チェックボックス22は、受信コイル8のエレメントごとの利用の有無に関する設定を行うチェックボックスである。エディットボックス23は、撮影範囲に関する設定を行うエディットボックスである。
処理回路150は、例えば読み出し方向(RO(Readout)方向)のマトリクスサイズ、位相エンコード方向(PE(Phase Encode)方向)のマトリクスサイズ、スライス(Slice)方向のマトリクスサイズに関する情報の入力を、エディットボックス21を通じて受け付ける。
処理回路150は、例えば受信コイル8のエレメントごとの利用の有無を、エディットボックス22を通じて受け付ける。
処理回路150は、例えば読み出し方向(RO方向)の撮像範囲及び例えば位相エンコード方向(PE方向)に関する情報の入力を、エディットボックス23を通じて受けつける。
処理回路150は、例えばパラレルイメージングのPE方向の加速率やスライス厚を、エディットボックス24等を通じて受け付ける。
処理回路150は、受け付けた情報をもとに、検査用シーケンスの断面位置及び撮像パラメータを設定する。処理回路150は、設定された検査用シーケンスの断面位置及び撮像パラメータを、メモリ132に保存する。
また、処理回路150は、例えば静磁場補正用コイルに流す電流値と、高周波磁場調整用の送信ポートごとの波形、位相、強度のなどのパラメータを、撮像パラメータとして扱ってもよい。
図2に戻り、処理回路150は、ステップS110で取得された画像データ(例えば3次元データ)から、所定の断面で所定の関心領域を含むMPR画像(断面画像)を生成する(ステップS140)。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS140で生成された断面画像(MPR画像)をディスプレイ135に表示させる(ステップS150)。
図5に、かかるMPR画像の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応するMPR画像が生成されている領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。処理回路150は、ステップS140において、例えば、設定中の撮像範囲である撮像範囲40よりも広い断面画像領域41であって、設定中の断面位置と同じ断面位置において、断面画像を生成する。
このように、例えば処理回路150は、設定中の撮像範囲である撮像範囲40よりも広い断面画像領域41で断面画像を生成することで、例えば設定中の撮像範囲の外から設定中の撮像範囲に入ってくるアーチファクトの大きさなどをユーザに予見しやすくする。
続いて、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、磁気共鳴イメージングによる撮像の設定に関するパラメータとに基づいて、撮像を行った場合の画質に関する情報を推定する(ステップS160)。すなわち、処理回路150は、第1の撮像よりも後段の第2の撮像を実行した場合の画質に関する情報を、第2の撮像に関して設定された撮像条件と、第1の撮像に係る磁気共鳴画像とに基づいて推定する。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した画質に関する情報を、前述の画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる(ステップS170)。すなわち、処理回路150は、制御機能150aにより、当該第1の撮像に係る磁気共鳴画像に推定結果を重畳してディスプレイ135に表示させる。
ここで、ステップS170において、磁気共鳴画像に推定結果を重畳するのは、形態画像や機能画像などに画質に関する情報が重畳されて表示されることにより、例えば画質に関する情報の、腫瘍の位置に対する相対的位置関係などがより直観的にわかりやすくなるからである。
図6に、かかる場合の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応するMPR画像の領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。折り返り領域42a、42bは、撮像範囲40の外からの折り返しアーチファクトを表す。また、矢印Dは、設定中の位相エンコードの方向を表す。
ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、磁気共鳴イメージングによる撮像の撮像範囲40(第2の撮像を行った場合の撮像範囲40)とに基づいて、撮像(第2の撮像)を行った場合の画質に関する情報である、撮像範囲外からの折り返り領域42a、42bに関する情報を推定する。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した画質に関する情報を、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
また、処理回路150は、設定中の位相エンコード方向Dを矢印で表示し、想定される撮像範囲の外からの折り返りアーチファクトを推定する。処理回路150は、制御機能150aにより、推定した折り返りアーチファクトを、ディスプレイ135に、例えば強調表示させる。
このような処理を行うことで、ユーザは、折り返りアーチファクトの有無をより簡単にかつ直観的に予測できるようになる。この結果、ユーザは、折り返りアーチファクトが起こらないように、撮像条件を調整することができる。例えば、ユーザは、撮像範囲40の拡大、位相エンコード方向Dの向きの変更、サチュレーションパルスの印加等を行うことで、撮像条件を調整することができる。ユーザは、撮像条件の調整を、少ない視点の移動で、直観的に、行うことができる。この点は、例えば、いつも決まった体位で被検体Pを寝台4に固定しづらい、肘や膝などの部位の撮像の場合に有利である。
図6においては、ステップS160で推定機能150cにより推定した画質に関する情報が重畳される断面画像がMPR画像である場合について説明したが、実施形態にはこれに限られない。例えば、推定された画質に関する情報が重畳される断面画像は、マルチスライス撮像において収集された1スライス分の画像であってもよい。また、推定された画質に関する情報が重畳される断面画像は、例えば、3次元ボリュームデータに対してMIP(Maximum Intensity Projection)法による投影を行うことにより得られた投影画像データであってもよい。また、図6においては、ステップS160で推定機能150cにより推定した画質に関する情報が、断面画像に重畳される場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、推定した画質に関する情報が、MPR等の断面画像ではなく、例えば断面を切り出す前のオリジナルデータである画像データに対して重畳されてもよい。
図7に、図6とは異なる場合における処理の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応するMPR画像の領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。折り返り領域42は、撮像範囲40の外からの折り返しアーチファクトを表す。また、矢印Dは、設定中の位相エンコードの方向を表す。画質情報50は、断面画像領域41(あるいは撮像範囲40)における磁場強度に関する情報である。
図7の例では、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、静磁場または高周波磁場のシミング調整値とに基づいて、撮影範囲における磁場強度に関する情報を推定する。すなわち、処理回路150は、推定機能150cにより、第2の撮像を実行した場合の画質に関する情報として、例えば静磁場の不均一性の分布に関する情報を推定する。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した撮影範囲における磁場強度に関する情報を、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。すなわち、処理回路150は、制御機能150aにより、第1の撮像に係る磁気共鳴画像に、ステップS160において推定された静磁場の不均一性の分布に関する情報を重畳してディスプレイ135に表示させる。例えば、処理回路150は、制御機能150aにより、第1の撮像に係る磁気共鳴画像に、第2の撮像における関心領域を含む領域に対して、静磁場の等高線マップを重畳してディスプレイ135に表示させる。また、別の例として、静磁場の値に通常とは異なる値である外れ値があった場合、処理回路150は、制御機能150aにより、第1の撮像に係る磁気共鳴画像に、静磁場の値が外れ値になっている位置に関する情報を重畳してディスプレイ135に表示させる。
このような処理を行うことで、撮像範囲における磁場強度に関する情報が、例えばB0あるいはB1マップのMPR画像であった場合、B0あるいはB1マップのMPR画像が、ステップS140で生成された断面画像に重ねあわされて表示されることで、静磁場や高周波磁場が注目箇所で十分均一になっているか否かが容易に把握可能になる。
また、別の例として、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、パラレルイメージングの加速率とに基づいて、g−factorに関する情報を推定してもよい。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定されたg−factorに関する情報を、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
このように、処理回路150は推定機能150cにより、感度マップ、撮像範囲、及びパラレルイメージングの加速率に基づいて、g−factorを計算し、制御機能150aにより、例えば断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。このことで、注目箇所が折り返りアーチファクトが起こりやすい位置となっているか否かが容易に把握可能となる。
また、別の例として、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、磁気共鳴イメージングによる撮像の撮像範囲(第2の撮像を行った場合の撮像範囲)とに基づいて、受信コイルの感度の分布に関する情報を推定してもよい。
この場合、続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定された受信コイルの感度の分布に関する情報を、例えば断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。このことにより、撮像断面上の各位置で、コイル感度がどの程度あるかの把握が可能になる。
また、別の例として、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、受信コイル8の各エレメントの撮像範囲の情報とに基づいて、磁場中心からの距離に関する情報を推定してもよい。この場合、続いて、処理回路150は、例えば、制御機能150aにより、ステップS160において推定機能150cにより推定した情報を、例えば断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
このことにより、例えば、ユーザは、設定中の断面位置が、どの程度磁場中心から離れているかを確認することができる。
図8に、図6及び図7とは異なる場合における処理の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応するMPR画像の領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。折り返り領域51及び折り返り領域52は、折り返しアーチファクトが起こる領域を表す。
図8の例では、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、パラレルイメージングの加速率とに基づいて、アンフォールド前の折り返し画像に関する情報を推定する。続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した情報を、例えば断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
以上のように、処理回路150は、制御機能150aにより、撮像範囲とパラレルイメージングの加速率から推定されるパラレルイメージングのアンフォールド前の折り返り画像をディスプレイ135に表示させる。このことにより、ユーザは、注目箇所が折り返りアーチファクトが起こりやすい位置となっていないかどうかを確認できる。
図9に、図6〜図8とは異なる処理の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応する画像の領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。番号53a、番号53b、番号53c及び番号53dは、MPR画像(断面画像)上に表示されるコイルエレメントの番号を表す。例えば、番号53aは、該当する場所付近にあるコイルエレメントの番号が「3」であることを意味する。また、例えば、番号53bは、該当する場所付近にあるコイルエレメントの番号が「4」であることを意味する。
図9の例では、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、撮像において使用される受信コイルの位置に関する情報を推定する。続いて、ステップS170において、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した情報を、例えば断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
以上のように、処理回路150は、制御機能150aにより、MPR画像(断面画像)上に受信コイル8のコイルエレメントの番号を表示させる。このことにより、ユーザは、設定画面位置上でコイルエレメントの配置を確認することができる。その結果、ユーザは、コイルエレメントが正しく選択できているかを判断することが容易になる。
なお、ステップS170において、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した情報を、コイルエレメントが断面位置を基準として奥にあるか手前にあるかの情報が数値や形状で表現された情報と併せて、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させてもよい。
また、処理回路150は、入力インタフェース134のコイルエレメントの選択、非選択の変更の入力を受け付け、受け付けた入力に基づいて、推定機能150cを実行してもよい。かかる場合、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、断面画像と、受信コイル8の各エレメントを使用するか否かの情報とに基づいて、撮像(第2の撮像)において使用される受信コイル8の位置に関する情報を推定する。続いて、ステップS170において、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した情報を、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
図10に、図6〜図9とは異なる場合における処理の一例が示されている。断面画像領域41は、設定中の断面位置に対応するMPR画像(断面画像)の領域を表す。これに対して、撮像範囲40は、設定中の撮像範囲を表す。磁気歪補正画像54は、MPR画像(断面画像)上に表示された、磁気歪補正の画像を指す。ここで、磁場歪補正とは、読み出し方向などエンコードする際の傾斜磁場が、設計上の制約などにより理想的な直線とならない場合に画像が歪む(例えば、正円の物体が楕円として撮像される)現象に対して、画像変形などの後処理によって補正することである。
図10の例では、ステップS160において、処理回路150は、推定機能150cにより、ステップS140で生成された断面画像と、受信コイルの各エレメントごとの撮像範囲の情報とに基づいて、磁場歪補正の画像を推定する。続いて、ステップS170において、処理回路150は、制御機能150aにより、ステップS160で推定機能150cにより推定した情報を、画像データ又は断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。
以上のように、処理回路150は、制御機能150aにより、撮像範囲と磁気歪補正後の画像とをディスプレイ135に表示させる。特に、肩・肘・手など、磁場中心から遠い箇所に被検体Pをセッティングする場合、磁場歪補正の補正量が大きくなり、撮像位置を設定した時のユーザの想定と、磁場歪補正後の画像の位置が異なる場合が起きやすい。このような場合でも、ユーザは磁場歪補正前後の画像の変化を事前に確認することができる。
ステップS170のタイミング、すなわち、処理回路150が制御機能150aにより、画質に関する情報を断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示するタイミングには、様々な可能性が考えられる。
かかる可能性の例として、例えば、処理回路150は、図示しない受付機能により、磁気共鳴イメージングによる撮像の設定に関するパラメータの修正入力をユーザから受け付ける。受付機能により修正入力を受け付けている間、処理回路150は、制御機能150aにより、画質に関する情報を断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。一方、受付機能により修正入力を受け付けていない間、処理回路150は、制御機能150aにより、画質に関する情報を非表示にさせる。
また、かかる可能性の別の例として、例えば、処理回路150は、図示しない受付機能により、磁気共鳴イメージングによる撮像の設定に関するパラメータの修正入力をユーザから受け付ける。修正入力の受付が完了した後、処理回路150は、制御機能150aにより、画質に関する情報を断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。また、処理回路150は、制御機能150aにより、例えば、所定のボタンを押した場合や、修正入力が完了してから一定時間経過したあと、自動的に画質に関する情報を非表示にしてもよい。
また、かかる可能性の別の例として、例えば、処理回路150は、図示しない判定機能により、画質に関する情報を表す値と所定の閾値とを比較して判定を行う。処理回路150は、制御機能150aにより、判定機能による判定結果に基づいて、画質に関する情報を断面画像に重畳させてディスプレイ135に表示させる。例えば、処理回路150は、推定した画質に関する情報が、予め定めた閾値を超えた場合に、断面画像及び画質情報を自動的に表示させる。
図2のフローチャートに戻り、処理回路150は、入力インタフェース134を通じて、ステップS170においてディスプレイ135に断面画像に重畳されて表示された画質に関する情報を見たユーザから、パラメータの修正の入力を受け付ける(ステップS180)。すなわち、処理回路150は、受付機能により、入力インタフェース134を通じて、第1の磁気共鳴画像に対する指定操作を操作者から受け付ける。パラメータの修正の入力を受け付けた場合(ステップS180 Yes)、処理はステップS130へと戻る。すなわち、処理回路150は、指定操作に基づいて、第2の撮像に関する撮像条件の設定を変更する。パラメータの修正を行わない場合(ステップS180 No)、処理はステップS190へと進む。
すなわち、処理回路150は、受付機能により、ステップS180において、例えば、シミングのための関心領域の指定を操作者から受け付ける。例えば、処理回路150は、受付機能により、例えば、撮像において着目する領域の指定を操作者から受け付ける。かかる場合、操作者は、例えば心臓に着目する場合、心臓周辺の領域を画面上で選択することにより、関心領域の指定を行う。また、別の例として、処理回路150は、受付機能により、例えばシミングにおいて計算処理の対象外とする領域の指定を操作者から受け付ける。すなわち、例えばステップS170において、磁気共鳴画像に、静磁場の等高線マップが重畳されてディスプレイ135に表示されている場合、操作者は、ディスプレイ135に表示されている等高線マップから、外れ値を読み取り、読み取りの結果に基づいて、シミングにおいて計算処理の対象外とする領域を指定する。このことにより、選択された領域が計算処理の対象外とされることで、画像のアーチファクトを低減することができる。
続いて、処理回路150は、制御機能150aにより、関心領域の指定に基づいて、シミングのための値を計算し、計算した値を適用するように、第2の撮像の撮像条件の設定を変更する。例えば、前述のステップで、操作者が、シミングにおいて計算処理の対象外とする領域を指定した場合、処理回路150は、制御機能150aにより、指定された領域については、静磁場の値を、周辺の領域の値から内挿した値に置き換え、置き換えた値に基づいて、第2の撮像の撮像条件の設定を変更する。
なお、処理回路150は、ステップS140で生成されたMPR画像や、ステップS160で推定された画像情報に基づいて、自動的に撮像パラメータの修正を行っても良い。一例として、例えば、処理回路150は、設定中の断面位置におけるB0分布やB1分布の値に基づいて、静磁場補正用コイルに流す電流値や、マルチ送信コイルの強度・波形・位相などの情報を調整してもよい(シミング)。また、例えば、処理回路150は、磁場歪後の画像の空気以外の領域の重心を計算し、磁場歪後に対象物が撮像範囲の中心に来るように撮像位置を修正してもよい。また、処理回路150は、例えば、入力インタフェース134を通じて断面画像上で注目領域を指定し、その範囲で画質情報がより改善するように、パラレルイメージングの折り返りがかからないように撮像範囲、エンコード方向、シミング、撮像位置の修正を行ってもよい。
最後に、シーケンス制御回路10は、決定された断面位置や撮像パラメータに基づいて、診断用の撮像(検査用シーケンスの撮像)である第2の撮像を実行する(ステップS190)。第2の撮像は、例えば第1の撮像よりも後段の撮像である。ステップS190の終了後、処理はステップS120へと戻る。
なお、上述した画質情報は、検査部位や検査用シーケンスによって、有効な情報は異なる。例えば、乳房の造影ダイナミック検査であれば、脂肪抑制性能と相関が高いB0、B1マップの情報が有効である。また、例えば、肩、肘、手などは被検体Pの状態によってセッティング体位が変わることが多いので、FOV外の折り返りや、受信コイルの感度分布画像、磁場歪前後の画像の情報が有効である。また、一般的な磁気共鳴イメージングによる検査では、メモリ132が、検査部位や検査内容ごとにグループ化されたシーケンスごとの撮像パラメータを予め調整したものを保持する。続いて、シーケンス制御回路10が、検査内容に応じて保持している撮像シーケンス群を選択し、患者の状況に合わせて断面位置の設定や撮像パラメータの微調整をして検査を始める。このような背景から、メモリ132は、あらかじめ保持している撮像シーケンスごとに、断面画像や画質情報の表示の有無や、表示する画質情報の種類を設定してもよい。
なお、実施形態はこれに限られない。
処理回路150がロケータ画像を生成する場合の例において、実施形態では、ロケータ画像が3次元データである場合を例にとり説明した。しかしながら、例えば、ステップS100において、シーケンス制御回路10は、例えば2Dのシーケンスを用いたマルチスライス撮像を実行してもよい。かかる場合、ステップS110において、処理回路150は、ステップS100においてシーケンス制御回路10が実行したマルチスライス撮像に基づいて、ロケータ画像を生成する。
ステップS110の3次元データが感度マップである場合の例において、例えば、ステップS110において、処理回路150は、コイル8のエレメントごとの画像と全エレメント画像のSOS(Sum of Squares)との比を用いて、感度マップを生成してもよい。
ステップS110の3次元データがシミング画像である場合の例において、ステップS110において、処理回路150は、B0分布を、MRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)画像から計算しても良い。
ステップS110の3次元データをシミング画像として生成する場合の例において、ステップS110において、処理回路150は、B1分布を、複数のタギング画像のずれに基づいて算出してもよい。
また、例えば、ステップS110において取得される3次元データは、複数の役割を有していてもよい。例えば、ステップS110において取得される3次元データは、感度マップを表す画像データとしての役割と、形態情報を示すロケータ画像としての役割とを兼ね備えてもよい。また、例えば、ステップS110において取得される3次元データは、シミングマップを表す画像データとしての役割と、形態情報を示すロケータ画像としての役割とを兼ね備えてもよい。
ステップS130において、処理回路150は、入力装置134を通じて、検査用シーケンスの断面の場所を特定する情報の例として、例えば、断面上の3点を指定してもよい。
ステップS130における検査用シーケンスの断面位置の入力インタフェースとして、既に撮像済みの検査用シーケンスの再構成画像と、設定断面が直交しない場合、処理回路150は、制御機能150aにより、FOVを平行四辺形にすることにより再構成画像と設定断面との位置関係を、ディスプレイ135に表示させてもよい。
ステップS130において、処理回路150は、複数の再構成画像をディスプレイ135に表示させて設定断面に関する情報の入力を受け付けても良い。
実施形態における3次元データや画質情報のデータ形式に関しては、上述の例に限られない。例えば、B0/B1マップ、磁場中心からの距離画像については、任意の閾値を危険水域基準として設け、OKの領域かNGの領域かの2値画像としても良い。また、NG領域がそもそも存在するかどうか、どの程度の体積NG領域が存在するかが数値で表示されることにより構成されたデータ形式であってもよい。
ステップS170において、処理回路150が、磁気共鳴画像に推定結果を重畳させてディスプレイ135に表示させるのは、形態画像や機能画像などに画質に関する情報が重畳されて表示されることにより、例えば画質に関する情報の、腫瘍の位置に対する相対的位置関係などがより直観的にわかりやすくからである等の説明をしたが、実施形態はこれに限られない。すなわち、処理回路150は、推定結果を単独でディスプレイ135に表示させてもよい。かかる場合、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置100は、シーケンス制御回路120及び処理回路150を備える。シーケンス制御回路120は、被検体を対象に、第1の撮像、及び、第1の撮像よりも後段の第2の撮像を実行する。処理回路150は、第2の撮像を実行した場合の画質に関する情報を、第1の撮像に係る磁気共鳴画像と、第2の撮像に関して設定された撮像条件とに基づいて推定する。処理回路150は、推定した結果をディスプレイ135に表示させる。処理回路150は、当該磁気共鳴画像に対する指定操作を操作者から受け付ける。処理回路150は、当該指定操作に基づいて、第2の撮像に関する撮像条件の設定を変更する。
(プログラム)
上述した実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した実施形態の磁気共鳴イメージング装置や画像処理装置による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述した実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータ又は組み込みシステムが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の磁気共鳴イメージング装置や画像処理装置と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記憶媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が、上述した実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、記憶媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限られず、複数の媒体から、上述した実施形態における処理が実行される場合も、実施形態における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
なお、実施形態におけるコンピュータ又は組み込みシステムは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上述した実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
(ハードウェア構成)
図11は、実施形態に係る画像処理装置200のハードウェア構成を示す図である。上述した実施形態に係る画像処理装置200は、CPU(Central Processing Unit)310等の制御装置と、ROM(Read Only Memory)320やRAM(Random Access Memory)330等の記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信インタフェース340と、各部を接続するバス301とを備えている。上述した実施形態に係る画像処理装置200で実行されるプログラムは、例えばROM320等に予め組み込まれて提供される。また、上述した実施形態に係る画像処理装置200で実行されるプログラムは、コンピュータを上述した画像処理装置200の各部として機能させ得る。このコンピュータは、CPU310がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
実施形態においては、磁気共鳴イメージング装置100について説明したが、実施形態は画像処理装置200についても同様に適用可能である。例えば、実施形態に係る画像処理装置200は、処理回路150を備える。処理回路150は、推定機能150cにより、第1の撮像よりも後段の第2の撮像を実行した場合の画質に関する情報を、第1の撮像に係る磁気共鳴画像と、第2の撮像に関して設定された撮像条件とに基づいて推定する。処理回路150は、制御機能150aにより、推定した結果を当該磁気共鳴画像に重畳してディスプレイ135に表示させ、磁気共鳴画像に対する指定操作を操作者から受け付け、指定操作に基づいて、前記第2の撮像に関する撮像条件の設定を変更する。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置及び画像処理装置によれば、画質に関する情報を確認することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。