JP2018019687A - 植物発酵ペーストの製造方法および経口摂取用植物発酵ペースト、ならびに経口摂取用組成物 - Google Patents

植物発酵ペーストの製造方法および経口摂取用植物発酵ペースト、ならびに経口摂取用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】人間が摂取しやすいペースト状の形態に加工されており、かつ抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含む植物発酵食品に係る技術を提供する。【解決手段】非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から植物エキスを抽出する工程と、前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、前記第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる水分蒸発工程と、をこの順で含み、前記植物原材料が、にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、植物発酵ペーストの製造方法および植物発酵ペースト、ならびに抗酸化組成物および肌質改善用組成物に関する。
近年、植物原材料から抽出したエキスを含む健康食品の需要は、消費者による健康志向の高まりを受けて増大している傾向にある。これに伴い、近年においては、植物原材料から抽出したエキス(以下、植物エキスとも示す。)を含む健康食品について、その機能性を改善することに着眼した技術が数多く報告されている(たとえば、特許文献1等)。
特開2009−178084号公報
日本調理科学会誌,Vol.44(2011)No.5,323〜330 日本食生活学会誌,Vol.20(2009)No.1,11〜16 日本農芸化学会誌,Vol.73(1999)No.12,1283〜1288
特許文献1等に記載されている従来の健康食品は、通常、人体の機能を正常な状態に保持する目的や、人体の機能に異変が生じることを予防する目的で摂取されることがほとんどである。
ここで、人間の体内で生成した活性酸素種による酸化ストレスが、人体の機能に異変を生じさせる諸要因の1つとなっていることについて、これまでに種々の報告がなされている(非特許文献1等)。非特許文献1には、抗酸化成分を含む食材を摂取することにより、活性酸素種による酸化ストレスが人体の機能に及ぼす影響を軽減させることができる点についても記載されている。
ここで、酸化ストレスとは、生体内において活性酸素による酸化反応とそれに対抗する抗酸化能のバランスが崩れ、活性酸素過多の状態に傾くことを指す。過剰な活性酸素は脂質酸化やDNA損傷、ミトコンドリア機能障害を引き起こす。紫外線は活性酸素を発生させる要因の一つであり、皮膚は紫外線をもっとも多く受ける組織である。活性酸素は皮膚の老化に関与し、これまでにヒト皮膚線維芽細胞や表皮細胞を用いた実験で活性酸素が皮膚に及ぼす影響が確認されている。活性酸素による皮膚の老化現象に関する研究では、過酸化水素や紫外線、リポポリサッカライドなどによる刺激方法が利用されている。
肌にみられる老化はシワやシミ等が挙げられる。皮膚組織の真皮にあるコラーゲンの分解が活性酸素によって促進されると、真皮の構造が脆弱になり、皮膚表面にシワが現れる。また、シミはメラニン色素の沈着が原因であり、紫外線や活性酸素によってメラニン色素が発生すると、通常の場合は肌の新陳代謝(ターンオーバー)によりメラニン色素が体外に排出される。しかし、肌のターンオーバーは加齢の影響を受けやすく、活性酸素によって発生した肌の色素沈着の排出が遅れるため、肌にシミとして残る。疲労については、酸化ストレスが原因の一つと考えられており、疲労は酸化ストレスにより助長される。これまでの先行研究から、皮膚細胞における酸化ストレスや老化現象は抗酸化物質を用いることで、改善または進行を遅らせることができると明らかになっている。そのため、活性酸素除去能の高い食品の摂取は、皮膚改善効果および抗老化作用、疲労回復効果が期待されている。
しかし、特許文献1等に記載されている従来の健康食品中に含まれている植物エキスは、各種植物原材料に由来する食物酵素をバランスよく含有させる観点において調製されたものがほとんどであった。そのため、本発明者は、従来の健康食品中に含まれている植物エキスは、抗酸化作用という観点において改善の余地があることを見出した。また従来の植物エキス抽出方法は、各種植物原材料に由来する抗酸化成分をバランスよく十分に抽出するという観点において具体的な報告がなされていないのが実情であった。
本発明者は、市場に流通している従来の健康食品の多くが粉末状であることに着眼した結果、従来の健康食品が、粉末状であるが故に摂取する際に水を要し、そのため摂取の簡便性という点で改善の余地を有することを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、人間が摂取しやすいペースト状の形態に加工されており、かつ抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含む植物発酵食品に係る技術を提供するものである。本発明はまた、このような発酵エキスが、抗酸化作用や肌質改善効果を有することを見出し、完成されたものである。
本発明によれば、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から植物エキスを抽出する工程と、
前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、
前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、
前記第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる水分蒸発工程と、
をこの順で含み、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
を含み、
前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程、前記第二の発酵工程および前記水分蒸発工程を実施する環境温度は、常時、50℃以下となるように保持されており、
前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、
前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、
前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させる、植物発酵ペーストの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、植物原材料に由来する発酵エキスを含む植物発酵ペーストであって、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
を含む、植物発酵ペーストが提供される。
またさらに、本発明によれば、植物原材料に由来する発酵エキスを含む組成物であって、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む、組成物が提供される。
本発明によれば、人間が摂取しやすいペースト状の形態に加工されており、かつ抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含む植物発酵食品に係る技術を提供することができる。また、本発明によれば、抗酸化作用や肌質改善効果を有する組成物を提供することができる。
実施例2の細胞毒性試験の結果を示す。 実施例2の抗酸化能試験の結果を示す。 実施例2の褐色脂肪細胞におけるミトコンドリア賦活試験の結果を示す。 実施例2の骨格筋細胞におけるミトコンドリア賦活試験の結果を示す。 実施例2の酸化ストレス試験および紫外線ストレス試験の結果を示す。 実施例2の成長因子発現解析試験の結果を示す。 実施例3に記載の試験参加者の追跡フローチャートである。
<植物発酵ペースト>
本発明に係る植物発酵ペースト(以下、本ペーストともいう。)は、植物原材料に由来する発酵エキスを含むものである。また、本発明において上記発酵エキスは、にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む植物原材料に由来するものである。
上記発明が解決しようとする課題の項で述べたとおり、活性酸素種による酸化ストレスが人体の機能に及ぼす影響を軽減させるためには、抗酸化成分を含む食材を摂取することが有効である点について、これまでに種々の報告がなされている。
一方で、人体の機能を正常な状態に保持する目的や、人体の機能に異変が生じることを予防する目的で摂取されることが多い健康食品中に含まれている植物エキスの多くは、各種植物原材料に由来する食物酵素をバランスよく含有させる観点において調製されたものであった。すなわち、従来の植物エキスの多くは、各種植物原材料に由来する食物酵素をバランスよく含有させる観点で選択された複数種の植物原材料を用いて調製されたものであった。
こうした事情に鑑みて、本発明者は、活性酸素種による酸化ストレスが人体の機能に及ぼす影響を軽減させるという観点から、従来の植物エキスが各種植物原材料に由来する抗酸化成分をバランスよく十分に含んでいない可能性があることを見出した。
くわえて、本発明者は、摂取の簡便性という観点から、従来の健康食品の形態についても改善の余地があることを見出した。
本ペーストは、上述したように、下記3つの群からそれぞれ選択された合計10種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことを特徴としている。
第1の群は、にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる4種以上。
第2の群は、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる3種以上。
第3の群は、バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる3種以上。
ここで、上述した3つの群は、それぞれ、以下の基準を満たすように選択された植物原材料により構成されている。
上記第1の群は、非特許文献2に記載されているデザイナーズフーズピラミッド中に挙げられている37種に含まれており、かつXYZ系微弱発光法による活性酸素消去能について報告されている非特許文献3中の図2に活性酸素の消去物質として例示されている39種に含まれていることを基準としている。
上記第2の群は、非特許文献2に記載されているデザイナーズフーズピラミッド中に挙げられている37種に含まれているものの、XYZ系微弱発光法による活性酸素消去能について報告されている非特許文献3中の図2に活性酸素の消去物質として例示されている39種には含まれていないことを基準としている。
上記第3の群は、非特許文献2に記載されているデザイナーズフーズピラミッド中に挙げられている37種には含まれていないものの、XYZ系微弱発光法による活性酸素消去能について報告されている非特許文献3中の図2に活性酸素の消去物質として例示されている39種に含まれていることを基準としている。
上述したデザイナーズフーズピラミッドとは、1990年代にアメリカ国立がん研究所が、当時、ガンの予防効果を期待されていた食材群を重要度別に分類分けして発表したものである。そのため、上記デザイナーズフーズピラミッド中に挙げられている食材は、いずれも、生活習慣病の1種であるガンに対する予防効果という点において、人体の機能に異変が生じることを抑制できる食材であると考えられる。
次に、XYZ系微弱発光法とは、活性酸素を消去する際に生じる発光という現象に着目し、各種食材の有する機能性効果を定量的に測定できる手法である。なお、かかる手法に基づくX成分は、活性酸素種を指し、Y成分は活性酸素を消去できる機能を有した抗酸化成分を指し、Z成分は上記Y成分による活性酸素消去能を促進する成分のことを指す。そのため、上記Y成分に分類される食材の内、活性酸素消去能の高い食材は、抗酸化能の高い食材であるといえる。
また、本ペーストは、各種抗酸化成分をバランスよく含有させる観点から、上記第1の群に属する6種全ての植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましく、上記第1の群に属する6種と、上記第2の群に属する14種と、上記第3の群に属する13種とからなる合計33種すべての植物原材料に由来する発酵エキスを含むことがさらに好ましい。なお、体内において活性酸素を消去することができる上記抗酸化成分の具体例としては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カロテノイド、アントシアニン、カテキンを含むポリフェノール等が挙げられる。
また、本ペーストは、栄養学的観点においてもバランスのよい健康食品を実現する観点から、菌茸類に分類される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスと、根菜類に分類される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスと、葉茎類に分類される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスと、果菜類に分類される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスと、果実類に分類される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスとを含むものであることが好ましい。
上記菌茸類に分類される植物原材料としては、シイタケ、マイタケ、エノキタケ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサダケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギダケ、チチタケ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ポルチーニ茸、ホンシメジ、マツタケ、ヤマブシタケ等が挙げられる。
上記根菜類に分類される植物原材料としては、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、レンコン、ショウガ、ナガイモ、カブ、ヤマイモ、サツマイモ、サトイモ、ユリ根、ラッキョウ、ハツカダイコン、ビート、ワサビ、ホースラディッシュ、チョロギ等が挙げられる。
上記葉茎類に分類される植物原材料としては、タマネギ、ミョウガ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニク、キャベツ、菜の花、ニラ、アスパラガス、ホウレンソウ、小松菜、水菜、芽キャベツ、ルッコラ、レタス、白菜、高菜、パセリ、春菊、ネギ、ウド、タラの芽、フキ、クレソン、つまみ菜、かつお菜、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、サニーレタス、茶葉、こごみ、エシャロット、クマザサ、青ジソ、アシタバ、ミツバ、モロヘイヤ、チャービル、ワケギ、ヨモギ、ローズマリー、バジル、オレガノ、セージ、わかめ、ケール、サンチュ、セリ、セロリ、タアサイ、スズシロ、チンゲン菜、野沢菜、浅葱、タケノコ、アーティチョーク、フキノトウ等が挙げられる。
上記果菜類に分類される植物原材料としては、ナス、トマト、ミニトマト、緑ピーマン、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガン、ウリ、シシトウ、オクラ、黒ゴマ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、クレススプラウト、大豆モヤシ、イチゴ、メロン、スイカ、サンチュ、緑豆モヤシ、アボカド、インゲン、ゴーヤ、モロッコインゲン、小豆、トウモロコシ、エダマメ、ソラマメ、大豆、ラッカセイ等が挙げられる。
また、上記果実類に分類される植物原材料としては、リンゴ、パイナップル、バナナ、ビワ、サクランボ、マンゴー、ブドウ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、ザクロ、モモ、ナシ、梅、柿、ブルーベリー、ラズベリー、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、プルーン、カリン、洋ナシ、サクランボ、アンズ、スモモ、カシス、クランベリー、ハスカップ、オリーブ、マキベリー、アサイー等が挙げられる。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化性能をバランスよく増大させる観点から、グレープフルーツ、イチゴ、レモン、キウイ、オレンジ、キャベツ、パセリ、緑ピーマン、ブロッコリーおよびホウレンソウからなるビタミンCを多く含む食材群より選択される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化性能をバランスよく増大させる観点から、アボカド、大豆、ピーマン、ホウレンソウ、パセリ、ヨモギ、アシタバ、ニラおよび春菊からなるビタミンEを多く含む食材群より選択される少なくとも1種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化性能をバランスよく増大させる観点から、ニンジン、カボチャ、春菊、ニラおよび青ジソからなるビタミンAおよびカロテノイドを多く含む食材群より選択される少なくとも3種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化性能をバランスよく増大させる観点から、ブルーベリー、ビルベリー、カシス、黒豆、ナス、ブドウ、紫キャベツ、紫タマネギ、シソからなるアントシアニンを多く含む食材群より選択される少なくとも1種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化性能をバランスよく増大させる観点から、タマネギ、茶葉、ゴボウ、レンコン、ナス、ブロッコリー、緑ピーマン、セロリおよびホウレンソウからなるポリフェノールを多く含む食材群より選択される少なくとも1種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストの嗜好性を高める観点から、上述した果実類に分類される少なくとも7種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化作用を増大させる観点から、バナナ、プルーン、アボカド、キャベツ、ニンニク、わかめ、イチゴ、ホウレンソウ、ラズベリー、芽キャベツ、ブロッコリー、ビート、オレンジ、ブドウ、キウイ、グレープフルーツ、タマネギおよびナスからなる、一般に抗酸化力の強いことが知られている食材群より選択される少なくとも10種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
そして、上述した抗酸化成分の働きは、一般に、カリウムやマグネシウムなどのミネラル分を摂取することにより増強されることが知られている。そのため、本ペーストは、かかるペーストが示す抗酸化作用を増大させる観点から、タマネギ、パセリ、菜の花、ホウレンソウ、アボカド、およびラズベリーからなる、一般にカリウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含むことが知られている食材群より選択される少なくとも5種以上の植物原材料に由来する発酵エキスを含むことが好ましい。
また、本発明に係る上記植物原材料の具体例としては、リンゴ、パイナップル、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、シイタケ、バナナ、レンコン、ニンニク、茶葉、キャベツ、ショウガ、しどけ、ホウレンソウ、ニラ、アスパラガス、こごみ、マイタケ、ミョウガ、緑豆モヤシ、ナガイモ、フキ、小松菜、ビワ、サクランボ、タラの芽、マンゴー、アボカド、ブドウ、エノキタケ、トマト、インゲン、メロン、イチゴ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、わかめ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ナス、緑ピーマン、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、キュウリ、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カブ、カボチャ、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、ヤマイモ、パセリ、ネギ、レタス、ザクロ、ラディッシュ、クレソン、高菜、白菜、つまみ菜、菜の花、ルッコラ、水菜、かつお菜、モモ、ナシ、スイカ、梅、エシャロット、オクラ、ゴーヤ、クマザサ、青ジソ、春菊、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、サンチュ、クレススプラウト、サニーレタス、柿、ブルーベリー、ラズベリー、アシタバ、ビート、ミニトマト、ミツバ、チャービル、モロヘイヤ、ズッキーニ、サツマイモ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、ラッキョウ、ウド、シシトウ、ワケギ、大豆モヤシ、モロッコインゲン、ユリ根、ヨモギ、サトイモ、トウガン、ウリ、黒ゴマ、ローズマリー、バジル、オレガノ、セージ、プルーン、マキベリー、カイラン、わさび、からし菜、ケール、チンゲンサイ、かいわれ大根、ザーサイ、タアサイ、山東菜、サイシン、カーボロネーロ、サンチュ、マスタードスプラウト、プラム、セロリ、とうもろこし、クランベリー、ブラックベリー、ミント、パッションフルーツ、ライム、小豆、ひじき、こんぶ、のり、ローリエ、マジョラム、タイム、レモングラス、アカザ、ウコン、ドクダミ、イチョウ葉、ウコギ、エゾウコギ、タンポポ、カキドオシ、キダチアロエ、エビス草、オオバコ、カワラケツメイ、ツルナ、ツチアケビ、ナルコユリ、レンセンソウ、アカメガシワ、甘茶ヅル、オトギリソウ、クコ葉、クコの実、スイカズラ、スギナ、ツユ草、ハブ草、マタタビ、ナンテン葉、シナモン、ハトムギ、ハブクサ、松葉、高麗ニンジン、ショウブ、レイシ、アマチャヅル、トチュウ葉、アマドコロ、マカ、トンカットアリ、ラカンカ、ニンドウ、ベニバナ、エンメイ草、セッコツボク、カミツレ、カリン、田七人参、キキョウ根、ナツメ、アシュワガンダー、紅参、アガリクス、ルイボス、アムラの実、アザミ根、キャッツクロー、白米、玄米、もち米、アワ、大麦、キビ、白ゴマ、黒豆、黒大豆、小麦、プルーン、山桃、イタドリ、カワツラケツメイ、コナラ、たんぽぽの根、モモの葉、ケツメイシ、イチジク葉、ビワ葉、シャゼン草、マツ葉、朝鮮人参、ツユクサ、メグスリノキ、カキ葉、シソ葉、チンピ、ショウブ葉、クワ葉、キンカン、イチイの実、アザミ、アケビの実、キダチアロエ葉、スギナ、ツルナ、ナタマメ、ナンテン葉、ハブ茶、ごぼう根、オレンジ、カキの実、麦芽、スモモ、マサボン、アケビ、山ぶどう、ヒジキ、エビスグサの種子、ニンドウ、ツルナ、ミカンの皮、センシンレン、タマネギ外皮、サラシア、ハッショウマメ、ムイラプアマ、イボナシツヅラフジ、ツボクサ、トゥルシー、フノリ、アンズ等が挙げられる。
ここで、本ペーストは、その名の通り、ペースト状に加工されたものである。そのため、本ペーストは、粉末状である従来品のように水を用いることなく摂取することができる。このように、本ペーストは、粉末状である従来品と比べて、摂取の簡便性に優れたものである。また、本ペーストは、飲料等に混合して摂取する、アイスクリームなどのデザート類に塗布して摂取する、料理中に調味料の一種として含有させて摂取する、ドレッシングに調味料の一種として含有させて摂取する、甘味料の1種として他の食材と共に摂取する等の手法で摂取することも可能である。そのため、本ペーストは、粉末状である従来品と比べて、摂取方法の汎用性という観点においても優れている。
本ペーストは、食用粉体をさらに含んでいてもよい。かかる食用粉体は、人間が食すことができる粉末であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。中でも、食用粉体は、上述した発酵ペーストの粘度を向上させる観点から、多孔質の粉体、すなわち多孔質体であることが好ましい。そして、上記食用粉体としては、粉末状であり、かつ多孔質体である難消化性デキストリンを好適に使用することができる。こうすることで、本ペーストを消費者が摂取した場合に、消化促進効果や、腸内環境改善効果等の種々の体質改善乃至健康維持効果を奏することを期待できる。また、本ペーストは、上述したように、各種抗酸化成分をバランスよく含むものであるが故に、本ペーストを消費者が摂取した場合には、シミやソバカス等といった老化現象の抑制効果や美肌効果を奏することも期待できる。
ここで、本ペーストは、上述したように、食品が示す抗酸化力という観点において、所定の基準を満たすように選択された各種植物原材料に由来する発酵エキスをバランスよく含むものである。つまり、本ペーストは、抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含むものである。
そして、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カロテノイド、アントシアニン、カテキンを含むポリフェノール等の抗酸化成分については、一般に、50℃程度の熱履歴が加わった場合においても変性しにくい物質であるとされている。この点を踏まえると、本ペーストは、使用した植物原材料に由来する各種抗酸化成分をバランスよく含んだものであるともいえる。
また、本ペーストは、各種植物原材料に由来する発酵エキスをバランスよく含むものであるため、かかる植物原材料本来の旨味や甘味を呈することができるという点で、嗜好性に優れた植物発酵食品とすることができる。
<植物発酵ペーストの製造方法>
本発明に係る植物発酵ペーストの製造方法(以下、本ペーストの製造方法ともいう。)は、以下に挙げる4つの工程を、この順で含むものである。
第1の工程は、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、上記植物原材料から植物エキスを抽出する工程である。
第2の工程は、上記第1の工程により得られた植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程である。
第3の工程は、上記第2の工程により得られた第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程である。
第4の工程は、上記第3の工程により得られた第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる水分蒸発工程である。
そして、本ペーストの製造方法において、上記植物エキスを抽出する工程、上記第一の発酵工程、上記第二の発酵工程および上記水分蒸発工程における処理温度は、常時、50℃以下となるように保持する必要がある。また、本ペーストの製造方法における第一の発酵温度は10℃以上50℃以下であり、第二の発酵温度は上記第一の発酵温度よりも低い温度である。さらに、本ペーストの製造方法においては、上記第一の発酵工程の前段階で、上記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させている。
また、本ペーストの製造方法において使用する植物原材料は、下記3つの群からそれぞれ選択された合計10種以上の食材を含むことを前提としている。
第1の群は、にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる4種以上。
第2の群は、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる3種以上。
第3の群は、バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる3種以上。
こうすることで、本ペーストの製造方法によれば、抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含むペースト状の植物発酵食品を得ることができる。
以下、本発明に係る植物発酵ペーストの製造方法について、詳細に説明する。
(植物エキスを抽出する工程)
本ペーストの製造方法に係る植物エキスを抽出する工程(以下、本抽出工程とも示す。)においては、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、上記植物原材料から植物エキスを抽出する。特に、本ペーストの製造方法においては、非加熱状態にある植物原材料を使用することが重要である。こうすることで、仕込み段階において植物原材料中に含まれている各種成分が熱変性してしまうことを防ぐことができる。なお、本ペーストの製造方法における「非加熱状態にある植物原材料」とは、50℃より高い温度となるような加熱処理を施していない植物原材料のことを指す。
そして、本ペーストの製造方法に使用する植物原材料の形態は、非加熱状態にあるものであれば、収穫直後の状態、すなわち生の状態であっても、収穫直後の植物原材料を切り刻んだ状態であってもよいし、乾燥状態であってもよい。
本抽出工程において、上述した第一の容器内に対して、植物原材料および糖を導入する順序は、特に限定されず、植物原材料を導入した後に糖を導入してもよいし、糖を導入した後に植物原材料を導入してもよく、植物原材料と糖を同時に導入してもよい。さらには、上述した第一の容器内に対して、植物原材料と糖とを、それぞれ順不同に複数回に分けて第一の容器内に導入してもよい。
本抽出工程においては、糖の浸透圧を利用して、植物原材料から植物エキスを抽出している。本抽出工程において使用できる糖の具体例としては、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本抽出工程において系内に混入させる糖は、後述する発酵工程において、乳酸菌や酵母の細胞内において生じる乳酸発酵やアルコール発酵により、乳酸、二酸化炭素およびエタノールなどの代謝生成物に分解されることになる。このことから、後述する発酵工程において得られる植物発酵液中には、本抽出工程において系内に混入させる糖が分解されて得られた代謝生成物が含まれているといえる。そして、乳酸菌や酵母による乳酸発酵やアルコール発酵が進むにつれ、後述する発酵工程において得られる植物発酵液中の上記代謝生成物含有量は増えることになる。本ペーストの製造方法によれば、この代謝生成物が植物発酵液中に含有しているが故、乳酸菌や酵母とは異なる汚染細菌(雑菌)の増殖を抑制することが可能である。そのため、本ペーストの製造方法によれば、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすことが可能であり、後述する第二の発酵工程により得られる第二の植物発酵液に対して、たとえば、アミノ酸などの旨味成分量を、結果としてより多く含有させることが可能となる。
本抽出工程において使用する第一の容器は、乳酸菌または酵母が付着した容器であることが好ましい。こうすることで、本抽出工程において植物エキスを植物原材料から抽出すると同時に、得られた植物エキス中に乳酸菌又は酵母を混入させることが可能となる。そのため、本ペーストの製造効率を向上させることができる。また、上記乳酸菌または酵母が付着した容器としては、酵母または乳酸菌のいずれかが棲みついたヒノキ樽を使用することが好ましい。
本抽出工程における植物エキスの抽出温度は、50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母とは異なる雑菌の増殖を抑制しつつ、効率よく植物エキスを抽出する観点から、後述する第一の発酵温度より低い温度であることが好ましい。植物エキスの抽出温度は、4℃以上30℃以下に制御することが好ましく、10℃以上25℃以下に制御するとさらに好ましい。
本抽出工程における植物エキスの抽出時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく植物エキスを抽出できるのであれば、特に限定されないが、効率よく植物エキスを抽出する観点から、少なくとも4日間以上であることが好ましい。一方、本抽出工程における植物エキスの抽出時間は、植物エキスの腐敗を防ぐ観点から、たとえば、30日以下としてもよい。
本抽出工程において使用する植物原材料は、下記3つの群からそれぞれ選択された合計10種以上の食材を含む。ただし、本抽出工程において使用することができる植物原材料の詳細は、前述したとおりである。
第1の群は、にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる4種以上。
第2の群は、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる3種以上。
第3の群は、バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる3種以上。
また、本抽出工程において得られた植物エキスについては、後述する第一の発酵工程に使用する前段階において、一度、不織布等を用いて濾しておくことが好ましい。こうすることにより、本抽出工程において使用した植物原材料と、得られた植物エキスとを分離することができる。そのため、植物エキスを抽出した後の植物原材料が、後述する第一の発酵工程、第二の発酵工程および水分蒸発工程において腐敗してしまうことを防ぐことが可能となる。
(第一の発酵工程)
本ペーストの製造方法に係る第一の発酵工程においては、植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する。こうすることで、系内に存在している植物原材料に由来する抗酸化成分量を増大させることができる。ここで、第一の発酵工程においては、系内(植物エキス)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加しないことが好ましい。こうすることで、菌体あたりの発酵量を増大させつつ、自然界の流れに沿った本来の発酵処理を実施することができる。また、第一の発酵工程において系内(植物エキス)に乳酸菌または酵母を添加しなかった場合、植物原材料に由来しない成分が系外から系内に混入することを防ぐことができる。
他方、本ペーストの製造コストを削減する観点においては、第一の発酵工程を実施している最中に、系内(植物エキス)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりの発酵量を増大させること、すなわち、系全体の発酵速度を促進させることができるため、本ペーストの生産効率を向上させることができる。
また、第一の発酵処理については、たとえば、植物エキスの抽出に使用したヒノキ樽以外の容器であればどのような容器を使用しても問題ない。
ここで、「発酵」とは、系内に存在する成分を微生物の菌体内に存在する酵素により分解する現象を指す。なお、「熟成」とは、系内に存在する成分を、微生物の菌体内に存在する酵素ではない当該系内に存在する他の酵素で分解する現象を指す。
以上を踏まえれば、本ペーストの製造方法における第一の発酵工程においてなされる発酵処理とは、第一の発酵工程の前段階において植物エキス中に混入させた乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素によって、植物エキス中に含まれる糖やタンパク質等の成分を分解するものであるといえる。本発明においては、この第一の発酵工程によって、植物原材料に由来する抗酸化成分量を増大させつつ、植物原材料に由来するアミノ酸等の旨味成分量をも増大させることもできる。
第一の発酵工程における第一の発酵温度は、10℃以上50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、30℃以上50℃以下に制御することが好ましく、35℃以上45℃以下に制御するとさらに好ましい。なお、第一の発酵工程においては、植物エキスの液温が、酵母や乳酸菌による発酵に伴い生じた発酵熱による影響で、2〜3℃程度上昇することがある。ただし、植物エキスの液温が、50℃より高い温度とならなければ、系内に存在している植物原材料に由来する各種成分が熱変性することはない。
第一の発酵工程における植物エキスの発酵時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく発酵させることが可能であり、かつ上述した熟成が生じない条件に制御できるのであれば、特に限定されないが、好ましくは、1か月半以上5年以内であり、より好ましくは、1か月半以上1年以内であり、さらに好ましくは、1か月半以上3か月以内である。
(第二の発酵工程)
本ペーストの製造方法における第二の発酵工程においては、上述した第一の発酵工程により得られた第一の植物発酵液を、第一の発酵温度よりも低い温度の第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する。こうすることで、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態で、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすこと可能となる。これにより、系内に存在している植物原材料に由来する抗酸化成分量を飛躍的に増大させることができる。
以上のように、第二の発酵工程においては、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態で発酵処理を施すことが重要である。そのため、第二の発酵処理については、たとえば、ステンレス製等の抗菌作用を有する容器(第二の容器)を用いて行うことが好ましい。こうすることで、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖をより一層高度に抑制することが可能となる。
ここで、第二の発酵工程においては、系内(第一の植物発酵液)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加しないことが好ましい。こうすることで、菌体あたりの発酵量を増大させつつ、自然界の流れに沿った本来の発酵処理を実施することができる。また、第二の発酵工程において系内(植物エキス)に乳酸菌または酵母を添加しなかった場合、植物原材料に由来しない成分が系外から系内に混入することを防ぐことができる。
他方、本ペーストの製造コストを削減する観点においては、第二の発酵工程を実施している最中に、系内(第一の植物発酵液)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりの発酵量を増大させること、すなわち、系全体の発酵速度を促進させることができるため、本ペーストの生産効率を向上させることができる。
本ペーストの製造方法によれば、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態、すなわち乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすことが可能な状態で2度目の発酵処理を行うことができる。そのため、本ペーストの製造方法によれば、従来品と比べて、植物原材料に由来する抗酸化成分量や、たとえば、アミノ酸等の旨味成分量に富んだ植物発酵ペーストを作製することができる。
第二の発酵工程における第二の発酵温度は、50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、4℃以上30℃未満に制御することが好ましく、4℃以上20℃以下に制御するとさらに好ましい。
第二の発酵工程における発酵時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく発酵させることが可能であり、かつ上述した熟成が生じない条件に制御できるのであれば、特に限定されないが、好ましくは、3日以上1か月以内であり、より好ましくは、7日以上1か月以内である。
ここで、系内に存在する乳酸菌または酵母は、一般的に、無酸素状態でも生育することが可能な嫌気性細菌であるといわれている。しかし、乳酸菌や酵母の生育状態は、好気性条件下である方が良好であるといわれている。そのため、第二の発酵工程においては、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かす観点から、たとえば、第一の植物発酵液を撹拌したりするなどの処置を施して酸素を導入しながら第二の発酵処理を行うことが好ましい。
(水分蒸発工程)
本ペーストの製造方法に係る水分蒸発工程においては、上述した第二の発酵工程により得られた第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる。こうすることで、第二の植物発酵液を濃縮することが可能であり、結果として、かかる第二の植物発酵液中に含まれている各種成分の濃度を向上させることができる。
そして、上記水分蒸発工程を実施する環境温度は、50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、第二の植物発酵液中の水分を蒸発させると同時に、かかる第二の植物発酵液を熟成させる観点から、好ましくは、5℃以上40℃以下であり、より好ましくは、15℃以上35℃以下であり、さらに好ましくは、25℃以上35℃以下である。こうすることで、最終的に得られる本ペースト中の栄養成分量や旨味成分量を飛躍的に増大させることができる。
また、水分蒸発工程については、第二の植物発酵液中の水分を蒸発させると同時に、上述した第二の植物発酵液の熟成を十分に進行させる観点から、たとえば、ステンレス製等の抗菌作用を有する容器(第二の容器)を用いて行うことが好ましい。こうすることで、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えることができる。
また、水分蒸発工程における水分蒸発期間は、第二の植物発酵液中の水分を蒸発させると同時に、上述した第二の植物発酵液の熟成を十分に進行させる観点から、14日以上3年以内であり、より好ましくは、20日以上1年以内であり、さらに好ましくは、25日以上3か月以内である。
また、水分蒸発工程においては、第二の植物発酵液中の水分を蒸発させると同時に、上述した第二の植物発酵液の熟成を十分に進行させる観点から、該第二の植物発酵液に対して1日3回、約3分間の撹拌処理を施すことが好ましい。
(水分蒸発工程の後工程)
本ペーストの製造方法においては、上記水分蒸発工程を実施した後、かかる工程により濃縮された第二の植物発酵液を、食用粉体と混合する工程を含む。こうすることで、第二の植物発酵液の粘性を向上させることができる。かかる食用粉体は、人間が食すことができる粉末であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。中でも、食用粉体は、第二の植物発酵液中に残存している水分を吸収させる観点から、多孔質の粉体、すなわち多孔質体であることが好ましい。そして、上記多孔質体としては、最終的に得られる本ペーストに消化促進効果や、腸内環境改善効果等の種々の体質改善乃至健康維持効果を付与する観点から、粉末状であり、かつ多孔質体である難消化性デキストリンを好適に使用することができる。
また、本ペーストの粘性を向上させる観点から、上述した食用粉体と混合する工程において、該食用粉体とともに、たとえば、プルーンエキス、ザクロエキス、マキベリーエキス、ブルーベリーエキスおよび混合果汁等の粘性の高い果実エキスを、上記水分蒸発工程により濃縮された第二の植物発酵液と混合することが好ましい。中でも、一般的に抗酸化成分の含有量が他の果実エキスと比べて高いとされているプルーンエキスを好適に使用することができる。
本ペーストの製造方法においては、上述した製造プロセスにて目的の植物発酵ペーストを作製することができる。
また、本ペーストの製造方法は、上述した植物エキスを抽出する工程から水分蒸発工程までに至る製造プロセスにおいて、各工程の実施温度条件を厳密に制御している。そのため、本ペーストの製造方法によれば、上記植物エキスを抽出する工程において、使用した植物原材料から抽出された酵素(植物原材料に由来する酵素)が、上記水分蒸発工程を完了するまでに間に失活してしまうことを抑制できる。そのため、本ペーストの製造方法によれば、結果として、上述した植物原材料に由来する酵素による影響を受けて、該植物原材料に由来する抗酸化成分や旨味成分、さらには各種栄養成分を存分に引き出すことができる。
また、本発明に係る製造方法により得られた植物発酵ペーストは、前述した所定の条件を満たす植物原材料に由来する発酵エキスを含むものであるが故に、従来品と比べて、抗酸化力の高い植物原材料に由来する発酵エキスをバランス良く含むものとすることができる。本発明に係る製造方法においては、使用する植物原材料の組み合わせを最適化することにより、最終的に得られる植物発酵ペーストに対して、消化促進効果や、腸内環境改善効果等の種々の体質改善乃至健康維持効果を付与することや、シミやソバカス等といった老化現象の抑制効果や美肌効果を付与することが可能である。
本実施形態の植物発酵ペーストは、抗酸化作用や肌質改善効果を謳った、美容食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品の表示を付した製品として消費者に提供されてもよい。本実施形態において、肌質改善とは、当該植物発酵ペーストを経口摂取することにより、肌のシワ、シミ、潤い等を予防および/または改善することをいう。このような製品は、植物発酵ペースト組成物として提供され、組成物は、ペーストの形態であっても、カプセル化された形態であってもよい。当該組成物は、目的に応じて容器に充填されて消費者に提供される。この植物発酵ペースト組成物は、抗酸化組成物、老化防止用組成物、酸化ストレス低減用組成物、肌質改善用組成物、体質改善用組成物、色素沈着改善用組成物、シワ改善用組成物、および肌キメ改善用組成物として提供される。ここで、肌質改善とは、肌の赤味、水分、油分、シミ、シワ、潤いを改善することをいう。
本発明はさらに、以下に例示する態様を含む。
1.植物原材料に由来する発酵エキスを含む組成物であって、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む、組成物。
2.当該組成物が、表皮細胞における酸化および紫外線ストレスに対する抗酸化作用を有する抗酸化組成物である、1.に記載の組成物。
3.当該組成物が、老化防止作用を有する老化防止用組成物である、1.に記載の組成物。
4.当該組成物が、活性酸素による酸化ストレスを低減する作用を有する酸化ストレス低減用組成物である、1.に記載の組成物。
5.当該組成物が、化粧のノリ、肌の弾力、肌の潤い、肌のべとつき、肌のきめ、はだのくすみ、肌のたるみ、顔のクマおよびくすみから選択される少なくとも1つの症状を改善する作用を有する肌質改善作用を有する肌質改善用組成物である、1.に記載の組成物。
6.当該組成物が、身体の代謝、体が疲れやすい、寝てもつかれがとれない、むくみやすい、倦怠感がある、体調不良に陥りやすい、口内炎ができやすい、または頭がすっきりしない等の症状を改善する作用を有する体質改善用組成物である、1.に記載の組成物。
7.当該組成物が、眼下のシワおよび目じりのシワを含む顔のシワの低減する効果を有するシワ改善用組成物である、1.に記載の組成物。
8.当該組成物が、肌の色素沈着を改善する作用を有する色素沈着改善用組成物である、1.に記載の組成物。
9.当該組成物が、肌のキメを改善する作用を有する肌キメ改善用組成物である、1.に記載の組成物。
10.当該組成物が、ペースト、粉末、液体、顆粒、タブレット、またはカプセルの形態を有する、1.〜9.のいずれかに記載の組成物。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、酵母および乳酸菌が棲みついたヒノキ樽に、以下に示す非加熱状態にある植物原材料125種と、粗糖とを充填した後、25℃(環境温度)の条件で15日間静置した。その後、ヒノキ樽から植物原材料を取り出し、樽内に残存している溶液を植物エキスとした。
植物原材料は、リンゴ、パイナップル、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、シイタケ、バナナ、レンコン、ニンニク、茶葉、キャベツ、ショウガ、しどけ、ホウレンソウ、ニラ、アスパラガス、こごみ、マイタケ、ミョウガ、緑豆モヤシ、ナガイモ、フキ、小松菜、ビワ、サクランボ、タラの芽、マンゴー、アボカド、ブドウ、エノキタケ、トマト、インゲン、メロン、イチゴ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、わかめ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ナス、緑ピーマン、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、キュウリ、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カブ、カボチャ、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、ヤマイモ、パセリ、ネギ、レタス、ザクロ、ラディッシュ、クレソン、高菜、白菜、つまみ菜、菜の花、ルッコラ、水菜、かつお菜、モモ、ナシ、スイカ、梅、エシャロット、オクラ、ゴーヤ、クマザサ、青ジソ、春菊、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、サンチュ、クレススプラウト、サニーレタス、柿、ブルーベリー、ラズベリー、アシタバ、ビート、ミニトマト、ミツバ、チャービル、モロヘイヤ、ズッキーニ、サツマイモ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、ラッキョウ、ウド、シシトウ、ワケギ、大豆モヤシ、モロッコインゲン、ユリ根、ヨモギ、サトイモ、トウガン、ウリ、黒ゴマ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージの全125種をバランスよく使用した。
次に、得られた植物エキスを上記ヒノキ樽とは異なるタンクへ移した後、該植物エキスを40℃(環境温度)の条件で2か月間静置することにより、第一の植物発酵液を調製した。なお、上述した植物エキスを2か月間静置している際には、該植物エキスの液温が、酵母及び乳酸菌による発酵に伴い生じた発酵熱による影響で、2〜3℃程度上昇することがあった。
次いで、得られた第一の植物発酵液をステンレス製の容器に移し、上記第一の植物発酵液を撹拌しながら、25℃(環境温度)の条件で1週間保存し、第二の植物発酵液を調製した。
次いで、ステンレス製の容器中の第二の植物発酵液を、室温(環境温度)が30℃となるように制御された部屋内で1か月間保存した。かかる第二の植物発酵液の保存期間中においては、毎日、午前9時半、午後2時、午後6時に、ステンレス製の容器内に保管されている該第二の植物発酵液を約3分間撹拌した。こうすることで、第二の植物発酵液中に含まれている水分を自然蒸発させつつ、該第二の植物発酵液を熟成させることに成功した。
次に、上述した方法で濃縮された第二の植物発酵液と、プルーンエキスと、多孔質体である難消化性デキストリン粉末とを混合することにより、実施例1の植物発酵ペーストを得た。
その結果、得られた実施例1の植物発酵ペーストは、水を要することなく摂取できる程度にペースト化されたものであることが確認された。また、実施例1の植物発酵ペーストは、実用上問題ないレベルにペースト化されたものである、使用した植物原材料が呈する自然な甘みや旨みの強さという点において、嗜好性に優れたものであることが確認された。
また、実施例1の植物発酵ペーストは、植物原材料が発現する抗酸化力に着目し、適切に選択された合計126種の植物原材料を用いて作製したものである。そして、一般に、植物原材料に由来する抗酸化成分は、熱などによる影響を受けにくい成分であることを踏まえると、実施例1の植物発酵ペーストは、合計126種の植物原材料に由来する抗酸化成分をバランスよく含んだものであるといえる。そのため、実施例1の植物発酵ペーストは、従来品と比べて、結果として、抗酸化力の高い植物発酵食品であると考えられる。
また、実施例1の植物発酵ペースト中の各種栄養成分含有量は、以下の通りであった。
・マグネシウム:19.2mg/100g(ICP発光分析法により定量)
・鉄:0.51mg/100g(ICP発光分析法により定量)
・カリウム:323mg/100g(ICP発光分析法により定量)
・カルシウム:17.9mg/100g(原子吸光光度法により定量)
(比較例1)
ステンレス製の容器中の第二の植物発酵液を、室温(環境温度)が30℃となるように制御された部屋内で1か月間保存することなく、該第二の植物発酵液と、プルーンエキスと、多孔質体である難消化性デキストリン粉末とを混合した点以外は、実施例と同様の方法で、比較例1の植物発酵ペーストを作製した。かかる比較例1の植物発酵ペーストは、水分量が多いために、十分にペースト化されていないことが確認された。そのため、比較例1の植物発酵ペーストは、ペースト品として市場に流通させるには実用上問題があることが確認された。また、比較例1の植物発酵ペーストは、上述したように、水分量が多いため、呈味の嗜好性という点においても改善の余地があるものであった。
(比較例2)
第一の植物発酵液を調製した温度と同一温度、すなわち、40℃(環境温度)の温度条件で第二の植物発酵液を調製した点以外は、実施例と同様の方法で、比較例2の植物発酵ペーストを作製した。かかる比較例2の植物発酵ペーストは、使用した植物原材料本来の呈味とは異なる雑味が感じられるものであった。そのため、比較例2の植物発酵ペーストは、呈味の嗜好性という点において、改善の余地を有するものであった。
(比較例3)
非加熱状態にある植物原材料125種と、粗糖とを充填したヒノキ樽を40℃(環境温度)で15日間静置することにより植物エキスを調製した点、すなわち、25℃(環境温度)ではなく、第一の植物発酵液を調製した温度と同一の40℃(環境温度)で植物エキスを調製した点以外は、実施例と同様の方法で、比較例3の植物発酵ペーストを作製した。かかる比較例3の植物発酵ペーストは、使用した植物原材料本来の呈味とは異なる雑味が感じられるものであった。そのため、比較例3の植物発酵ペーストは、呈味の嗜好性という点において、改善の余地を有するものであった。
(比較例4)
得られた第一の植物発酵液をステンレス製の容器に移すことなく、上記第一の植物発酵液を撹拌しながら、25℃(環境温度)の条件で1週間保存し、第二の植物発酵液を調製した点以外は、実施例と同様の方法で、比較例4の植物発酵ペーストを作製した。かかる比較例4の植物発酵ペーストは、使用した植物原材料本来の呈味とは異なる雑味が感じられるものであった。そのため、比較例4の植物発酵ペーストは、呈味の嗜好性という点において、改善の余地を有するものであった。
(参考例)
ステンレス製の容器中の第二の植物発酵液を、室温(環境温度)が30℃となるように制御された部屋内で1か月間保存することなく、該第二の植物発酵液を多孔質体である難消化性デキストリン粉末に吸着させた点以外は、実施例と同様の方法で、ペースト状ではなく、粉末状である参考例の植物発酵粉末を作製した。かかる参考例の植物発酵粉末中の各種栄養成分含有量は、以下の通りであった。
・マグネシウム:1.7mg/100g(ICP発光分析法により定量)
・鉄:未検出(ICP発光分析法により定量、定量下限値:0.1mg/mg)
・カリウム:5.7mg/100g(ICP発光分析法により定量)
・カルシウム:9.3mg/100g(原子吸光光度法により定量)
実施例1の植物発酵ペーストは、第二の植物発酵液の水分含有量を低減させることなく用いて作製した参考例の植物発酵粉末と比べて、鉄分や、マグネシウム、カリウムおよびカルシウムなどのミネラル分に富んだものであった。
(実施例2)
本実施例では、実施例1の植物発酵ペーストの抗酸化能を検証するとともに、表皮細胞を用いて酸化ストレスに対する効果を調査した。また、活性酸素を多量に産生するミトコンドリアに対しても植物発酵ペーストが及ぼす影響を調査した。
(I.材料と方法)
(1.細胞毒性試験)
細胞毒性試験では次に記述した細胞および試薬を用いた。
正常ヒト表皮細胞[クラボウ、NHEK(AD)、Cat.No.KK−4109]、ラット褐色脂肪細胞(コスモバイオ、褐色脂肪細胞培養キットF−8)、骨格筋細胞(L6)(ATCC、Cat.No.CRL−1458)、ヒト単球系細胞THP−1(ATCC、ATCC TIB−202)、HuMedia−KG2(クラボウ、KK−2150S)、褐色脂肪細胞培養キット付属専用培地(分化誘導培地、細胞維持培地、増殖用培地)、MEM培地(nacalai tesque,Cat.No.21442−25)、FETAL BOVINE SERUM(FBS)(Cell Culture Bioscience, Cat.No.171012)、RPMI−1640培地(SIGMA,R8758)、FBS(Invitrogen,Cat.No.10091−148)、生細胞数測定試薬SF(nacalai tesque,Cat.No.07553)。
正常ヒト表皮細胞はHuMedia−KG2培地(クラボウ、KK−2150S)、ラット褐色脂肪細胞はキット付属専用培地(分化誘導培地、細胞維持培地、増殖用培地)、骨格筋細(L6)は10%FBSおよび1%抗生物質を含むMEM培地、マクロファージ前駆細胞(THP−1)は10%FBSおよび1%抗生物質を含むRPMI−1640培地にて、37℃、5%CO条件下で培養した。細胞の継代にはトリプシン/EDTA溶液を用いて細胞をフラスコから剥離し、試験培地でトリプシンを中和した後に遠心(200×g、10分)、で細胞を回収し、再び試験培地に細胞を懸濁し細胞懸濁液として使用した。以後、全ての試験において細胞の継代は上述の作業を行った。
植物発酵ペーストを10%(100mg/mL)となるように各試験培地に溶解・撹拌した後、遠心分離(12000rpm、3分)にて不溶性物質を除去し、上清を濾過滅菌したものを実験に用いた。
正常ヒト表皮細胞は1.0×10cells/well、ラット褐色脂肪細胞は1.0×10cells/well、骨格筋細胞(L6)は4.0×10cells/well、マクロファージ前駆細胞(THP−1)は7.5×10cells/wellとなるように96ウェルプレートに播種した。培養した翌日、各ウェルから培養上清を除去した後、調整した植物発酵ペーストを添加した各種培地に置換し、さらに24時間培養した。培養終了後、各ウェルから培養上清を除去し、100μLの生細胞数測定試薬SFを含む培地に交換し、30分後と90分後のウェル上清の吸光度(測定波長450nm、参照波長660nm)をプレートリーダー(Varioskan Flash,Thermo Scientific,型番5250040)を用いて測定し,両値から1時間当たりの吸光度変化量を算出し生細胞数とした。
(2.抗酸化能試験)
抗酸化試験では次に記述した試薬を用いた。
SOD Assay Kit−WST (同仁化学研究所、Cat.No.S311)、OxiSelect Hydroxyl Radical Antioxidant Capacity(HORAC)、Activity assay(Cell Biolabs, Inc.,STA−346)、OxiSelect Catalase Activity Assay Kit、Colorimetric(Cell Biolabs,Inc.,STA−341)、2,2−Diphenyl−1−picrylhydrazyl(DPPH)(SIGMA,Cat.No.D9132−1G)、L−Ascorbic acid Phosphate Magnesium Salt n−Hydrate(Wako,Cat.No.013−19641)、Ethanol(99.5%)(Wako,Cat.No.057−00456)、Acetic acid(Wako.Cat.No.012−00245)、Sodium Acetate Trihydrate (Wako,Cat.No.198−01055)。
各試験に用いた測定用緩衝液に植物発酵ペーストを溶解し、撹拌後に遠心分離した(12000rpm、3分)。遠心分離後に不溶性物質を除去し、上清を濾過滅菌して各試験に使用した。
カタラーゼ様活性はOxiSelect Catalase Activity Assay Kit,Colorimetricを用いて測定した。96ウェルマイクロプレートの各ウェルに20μLの標準試料または測定用緩衝液で調整した植物発酵ペースト試料を添加し、さらに各ウェルに50μLのHydrogen Peroxide Working Solution(12mM)を添加した後、緩やかに撹拌し、1分間反応させた。反応後、各ウェルに50μLのCatalase Quencherを添加し、緩やかに撹拌させ反応を停止させた。反応停止後の溶液を新たな別のプレートに5μLずつ移した。各ウェルに250μLのChromogenic Working Solutionを添加し、60分間緩やかに撹拌し、プレートリーダー(Assay Plate 96 well Flat Bottom,Costar,Cat.No.3370)で520nmの吸光度を測定した。
抗ラジカル試験では、植物発酵ペーストを0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解し、調整した。調整した植物発酵ペースト試料2mLとエタノール2mLを混合して撹拌した後、5mM DPPHエタノール溶液1mLを加えて、30分間室温に静置した。反応後の溶液を517nmの吸光度で測定した(Precision microplate reader,Molecular Devices)。
ヒドロキシルラジカル消去能はOxiSelect Hydroxyl Radical Antioxidant Capacity(HORAC) Activity assayを用いて測定した。標準曲線は、抗ヒドロキシラジカル剤として知られるGallic Acidを用いて算出した。キットに付属される5mM Gallic acidと測定希釈溶液を用いて900、800、700、600、500、400、300、200、100μM溶液を作製した。植物発酵ペーストはキットに付属される測定希釈溶液を用いて調整した。作製したGallic acid溶液または植物発酵ペースト試料20μLを96ウェルプレートの各ウェルに添加し、さらに各ウェルに140μLの1 X Fluorescein Solutionを加え、室温で30分間反応させた。反応後、20μLの1 X Hydroxyl Radical Inhibitorを添加した直後に20μLのFenton Reagentを添加し、15秒間撹拌した。マイクロプレートリーダー(Varioskan Flash,Thermo Scientific,型番5250040)にて各ウェルの蛍光(励起波長480nm、蛍光波長530nm)を0〜70分間、3分ごとに測定した。測定データからGallic acid溶液または植物発酵ペーストの上清液のAUC(Area under the curve)およびNet AUC値を算出し、HORAC値を求めた。
Superoxide dismutase(SOD)様活性は、SOD Assay Kit−WSTを用いて測定した。96ウェルマイクロプレートの各ウェルに調整した植物発酵ペースト溶液(Sample,blank2)または純水(blank1, blank3)を20μL添加した。各ウェルにWST Working solutionを200μL添加し、プレートミキサーを用いて撹拌した。撹拌後、Blank2とBlank3のウェルにDilution bufferを20μL添加した。植物発酵ペースト溶液を添加したウェルとBlank1のウェルにEnzyme working solutionを20μL添加する。37℃で20分間インキュベートする。プレートリーダー(Assay Plate 96 well Flat Bottom,Costar,Cat.No.3370)で450nmの吸光度を測定した。SOD様活性は次の式から求めた。
SOD様活性値=[(blank1−blank3)−(sample−blank2)]/(blank1−blank3)×100
(3.褐色脂肪細胞および骨格筋細胞におけるミトコンドリア賦活試験)
(3.1. 細胞および試薬)
ミトコンドリア賦活試験では次に記述した細胞および試薬を用いた。
ラット褐色脂肪細胞 (コスモバイオ、キットF−8)、骨格筋細胞(L6)(ATCC,Cat.No.CRL−1458)、褐色脂肪細胞培養キット付属専用培地(分化誘導培地、細胞維持培地、増殖用培地)、MEM培地(nacalai tesque, Cat.No. 21442−25)、FETAL BOVINE SERUM(FBS)(Cell Culture Bioscience,Cat.No.171012)、Penicillin−streptomycin solution(nacalai tesque,Cat.No.26253−84)、0.25% trypsin−EDTA solution(nacalai tesque,Cat.No.32777−44)、Albumin,from Bovine Serum, Fatty Acid Free (Wako,Cat.No.011−15144)、生細胞数測定試薬SF(nacalai tesque,Cat.No. 07553−44)、Dulbecco's PBS (日水製薬株式会社、Code No.05913)、MitoTracker Mitochondrion−Selective Probes(Invitrogen,M7512)、Thiazolyl Blue Tetrazolium Bromide(SIGMA,M5655−1G)、Sodium Dodecyl sulfate(SDS)(Wako,Cat.No.191−07145)、2mol/L Hydrochloric acid(SIGMA, Cat.No.13−1690)、Hoechist 33342 solution(DOJINDO,Cat.No.346−07951)、Resveratrol(SIGMA,Cat.No.R5010−100MG)。
未分化の褐色脂肪細胞を増殖用培地で調整後、96ウェルプレート(蛍光観察用ブラックプレート)に細胞が1.0×10cells/wellとなるように播種した。24時間培養後に培養上清を分化誘導用培地に置換し、さらに48時間培養した。その後、脂肪細胞維持培地に置換後、3日間培養し、分化した細胞を褐色脂肪細胞として使用した。植物発酵ペースト(終濃度1%)を含む培地に置換後3日間および7日間さらに培養した。培養終了後に培養上清を除去した後、PBSで2回細胞を洗浄した。洗浄後、1000倍希釈したHoechist 33342 solution(核染色用試薬)と2000倍希釈したMitoTracker Mitochondrion−Selective Probes(ミトコンドリア染色試薬)を含む脂肪細胞維持培地を添加し、30分間、37℃にて培養した。その後、培養上清を除去し、PBSにて2回洗浄した。洗浄後、新たなPBSを添加し蛍光顕微鏡下にて核染色(生細胞)およびミトコンドリア染色画像を撮影し、その後、同プレートを蛍光プレートリーダーにて各蛍光強度を測定した(ヘキスト:励起波長 356nm、蛍光波長 465nm、MitoTracker:励起波長 579nm、蛍光波長 599nm)。蛍光強度測定後に各ウェルの反応液を除去し、細胞をPBSで1回洗浄した後、0.5mg/mL MTTを含むPBS 100μLを添加し、5時間、37℃にて反応させた。反応後に各ウェルに10%SDSを含む0.01M HCl 100 μLを添加し、室温にて24時間反応させ、MTTのホルマゾンを溶解させた。その後、プレートリーダーにて吸光度(測定波長 550nm、参照波長660nm)を測定した。
骨格筋細胞(L6)を10%FBSおよび1%抗生物質を含むMEM培地で調整後、各ウェルに細胞が1.0×10cells/well(蛍光観察用ブラックプレート、96ウェルプレート)となるように播種し、2日間培養後に培養上清を2%FBSおよび1%抗生物質を含むMEM培地(筋管形成培地)に置換し、さらに5日間培養した。その後、植物発酵ペースト(終濃度0.1%)を含む筋管形成培地に置換し2、5、24、48時間培養した。培養終了後に培養上清を除去した後、生細胞数測定およびミトコンドリア染色、ミトコンドリア活性は褐色脂肪細胞試験と同手法にて測定した。
(4.表皮細胞における酸化・紫外線ストレス試験)
酸化・紫外線ストレス試験では次に記述した細胞および試薬を用いた。
正常ヒト表皮細胞[クラボウ、NHEK(AD),Cat.No.KK−4109]、HuMedia−KG2(クラボウ、KK−2150S)、Hyaluronic acid sodium salt from Streptococcus equi(SIGMA,53747−1G)、2.5g/l−Trypsin/1mmol/l−EDTA Solution(nacalai tesque、Cat.No.32777−44)、生細胞数測定試薬SF(nacalai tesque,Cat. No.07553−44)、L−Ascorbic acid phosphate magnesium salt n−hydrate(ビタミンC)(Wako,013−19641)、Hydrogen Peroxide(Wako,Cat.No.081−04215)。
表皮細胞は試験培地を用いて培養フラスコにて、必要細胞数に達するまで37℃、5% CO条件下で前培養した。
植物発酵ペーストを1%(10mg/mL)となるように表皮細胞専用培地に溶解し、十分撹拌した後に濾過滅菌し、使用した。なお、各試験区の陽性対照には0.1mMアスコルビン酸を用いた。
過酸化水素による酸化ストレス回避試験では、96ウェルプレートの各ウェルに細胞を2.0×10cells/0.1mLの濃度で播種し、培養した。植物発酵ペースト処理および過酸化水素処理は以下の通りに実施した。植物発酵ペーストを含む培地に置換後、24時間培養、その後、植物発酵ペーストと0.25mM過酸化水素を含む培地に置換、5時間培養、その後、培養上清を、植物発酵ペーストを含む培地に置換後、24時間培養し生細胞数を生細胞数測定試薬SFにて測定した。
UV−Bによる酸化ストレス回避試験では、96ウェルプレートの各ウェルに細胞を2.0×10cells/wellの濃度で播種し、培養した。翌日100%コンフルエントな状態で、UV−Bを照射(総光量84mJ/cm:試験時実測値:1500mW/cm、56秒照射)した。植物発酵ペースト処理および紫外線照射処理は以下の通りに実施した。新鮮な培地に置換後、24時間培養、その後、植物発酵ペーストを含む培地に置換し、同時に紫外線照射処理、さらに24時間培養し生細胞数を生細胞数測定試薬にて測定した。
(5.成長因子発現解析試験)
成長因子発現解析試験では次に記述した細胞および試薬を用いた。
正常ヒト表皮細胞[クラボウ、NHEK(AD),Cat.No.KK−4109]、ヒト単球系細胞THP−1(ATCC社製、ATCC TIB−202)、HuMedia−KG2(クラボウ、KK−2150S)、RPMI−1640培地(SIGMA,R8758)、FBS(Invitrogen,Cat.No.10091−148)、Penicillin−streptmycin solution(nacalai tesque,Cat.No.26253−84)、生細胞数測定試薬SF(nacalai tesque,Cat.No.07553)、Phorbol 12−Myristate 13−Acetate(Wako,Cat.No.162−23591)、FastLane Cell cDNA for use in real−time RT−PCR(QIAGEN,Cat.No.215011)、SYBER Premix Ex Taq 5mL(Takara,RR041L)、Oligo nucleotides(primers)(FASMAC)。
ヒト単球系細胞THP−1は、10%FBS、1%抗生物質添加RPMI−1640培地を用い、必要細胞数に達するまで37℃、5%CO条件下で培養した。マクロファージ分化誘導処理は次の通りに行った。ヒト単球系細胞THP−1を48ウェルプレートの各ウェルに3.0×10cells/wellとなるように播種し、播種と同時に終濃度0.5μg/mLとなるようにPhorbol 12−Myristate 13−Acetate(PMA)を添加後、4日間、37℃、5% CO条件下で培養した。マクロファージへと分化したことを確認するために、非特異的エステラーゼ染色を実施した。
植物発酵ペーストを1%(w/v)の濃度となるようにTHP−1培養培地に添加、10分間撹拌後に遠心分離(12,000rpm、5分)により不溶性成分(沈殿)を除去する。その後、上清を滅菌フィルターにて濾過滅菌し試験に使用した。
正常ヒト表皮細胞を48ウェルプレートの各ウェルに5.0×10cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO条件下で1日間培養後、1%植物発酵ペーストを含む試験培地に交換した。1%植物発酵ペースト添加後、2、10、24時間培養した。ヒト単球系細胞THP−1を48ウェルプレートの各ウェルに3.0×10cells/wellとなるように播種した。同時に終濃度0.5μg/mLとなるようにPhorbol 12−Myristate 13−Acetate(PMA)を添加し、4日間、37℃、5%CO条件下で培養した。その後、濃度を振り分けた植物発酵ペーストを含む培地に交換し、2時間、5時間、24時間培養した。
各細胞からトータルRNAを回収し、real−timePCR法により各種成長因子遺伝子発現解析を実施した。RNA抽出およびcDNA化はFastLane Cell cDNA for use in real−time RT−PCR を用い、付属のマニュアルに従い行った。線維芽細胞成長因子(FGF)−1およびFGF−2、表皮成長因子(EGF)のプライマー配列を表1に示した。反応条件は、はじめに熱変性95°C、30秒を行い、その後熱変性95°C、10秒およびアニーリング/伸張60°C、30秒のサイクルを60回行った。
Figure 2018019687
(6.統計解析)
各値にて、平均値および標準誤差を算出した。また、比較試験区間では有意差検定を実施した。検定はStudent t検定として行いP<0.05を有意差ありと判断した。
(II.結果)
(1.細胞毒性試験)
各細胞種の植物発酵ペースト存在下での生細胞数の結果を図1に示す。正常ヒト表皮細胞および褐色脂肪細胞、マクロファージは10%濃度において細胞毒性を示した。骨格筋細胞1%以上の濃度において毒性を示した。なお図中における「植物発酵ペーストAO」は、実施例1で作製した植物発酵ペーストを指す。
(2.抗酸化能試験)
抗過酸化水素試験(カタラーゼ様活性試験)では、事前に濃度検討試験を実施し植物発酵ペーストの最高濃度を10%とした。その結果、10%濃度において約14%の過酸化水素阻害を示した。陽性対照であるカタラーゼは25U/mLの濃度において約50%の過酸化水素阻害を示した(図2A)。
抗ラジカル試験では、濃度予備検討試験により4%濃度を最高濃度として本試験を実施した。0.5%濃度以上において著しく高い(90%以上)ラジカル消去能を示した。これは陽性対照であるアスコルビン酸(ビタミンC)と比較しても高いラジカル消去能であった。植物発酵ペーストの50%阻害濃度(IC50)は0.15%であった。陽性対照であるアスコルビン酸は1.08mMを濃度換算すると0.019%であったことから、植物発酵ペーストはアスコルビン酸の約8分の1の抗ラジカル能であると考えられる(図2B)。
抗ヒドロキシラジカル試験(HORAC assay)では、予備検討試験の結果から植物発酵ペーストの最高濃度を1%とした。スタンダードであるGallic acidのラジカル消去をもとに標準曲線を作成し、植物発酵ペーストのヒドロキシラジカル能をGallic acidによる消去能として算出した結果(HORAC値)、47.3μMole GAE/gであった(図2C)。
抗スーパーオキシドラジカル試験では、予備検討試験の結果から本試験での植物発酵ペーストの最高濃度を0.83%とした。0.083%以上において高い抗酸化能を示し、植物発酵ペーストの50%阻害濃度(IC50)は0.018%であった(図2D)。陽性対照であるアスコルビン酸は1.04 mMを濃度換算すると0.0183%であったことから、植物発酵ペーストはアスコルビン酸とほぼ同程度の抗酸化能を有すると考えられる。
(3.褐色脂肪細胞および骨格筋細胞におけるミトコンドリア賦活試験)
褐色脂肪細胞では植物発酵ペーストの3日間処理において1%植物発酵ペースト処理でミトコンドリア量(MitoTracker染色測定)およびミトコンドリア活性(MTT測定)(いずれも生細胞数において補正した場合)に有意に増大していた(図3A)。一方、陽性対照であるレスベラトロールは培養3日間において、いずれにおいても有意な増加は認められなかった。さらに植物発酵ペーストを7日間処理した場合、植物発酵ペーストのミトコンドリア量および活性に及ぼす促進効果は顕著であった(図3B)。処理培養期間が3日間から7日間にかけて未処理細胞においてミトコンドリア量は経時的な減少はあまり認められなかった(図3A)。しかし、ミトコンドリア活性では未処理細胞において顕著な経時的減少が認められた(図3B)。これは時間経過とともにミトコンドリア活性が減少する「劣化」と考えられる。植物発酵ペースト処理細胞において、この経時的ミトコンドリア劣化が顕著に抑制されていた(図3B)。
骨格筋細胞において、0.1%植物発酵ペーストによる2時間、5時間、24時間、48時間処理におけるミトコンドリア量および活性を比較したところ、0.1%植物発酵ペースト48時間処理においてミトコンドリア量がもっとも増大していた(図4A)。一方、ミトコンドリア活性はコントロールと有意な差異は認められなかった(図4B)。これらの結果から植物発酵ペーストには骨格筋細胞におけるミトコンドリア量を増大させる機能があることが考えられる。しかし、褐色脂肪細胞での試験結果と異なりミトコンドリア活性においては、促進効果は認められなかった。
(4.表皮細胞における酸化・紫外線ストレス試験)
酸化ストレス試験を実施するにあたり、至適過酸化水素濃度を決定した。その結果、無刺激の約50%の生細胞数を示す0.25mM 過酸化水素濃度が適していると判断した(データ表示なし)。紫外線ストレス試験を実施するにあたり、至適紫外線ストレス強度を検証した。その結果、UV−Bを52秒間(83.2mJ/cm)照射することで約50%の細胞障害率を示した(データ表示なし)。
本試験において植物発酵ペーストの酸化・紫外線ストレス保護能を評価するため、植物発酵ペーストの処理時期を3パターン設定した。(1)ストレス前処理:植物発酵ペーストによる保護効果が細胞内に充分に存在する状態にて検証した。これにより植物発酵ペーストによる抗酸化系遺伝子の発現誘導も含めた抗酸化能を検証した。(2)ストレス同時処理:植物発酵ペースト自体の抗酸化能を検証した。(3)ストレス後処理:ストレスを受けた細胞が植物発酵ペーストによってどの程度修復できるかを主に検証した。
酸化ストレス試験では、(1ストレス前処理にてもっとも顕著な酸化ストレス保護性を示した(図5A)。これは、陽性対照であるビタミンCより顕著であった。一方、(2)ストレス同時および(3)ストレス後処理では保護性は認められなかったことから、植物発酵ペーストの直接的な抗酸化能の可能性は低いと思われる。これらの結果から植物発酵ペーストには細胞内の抗酸化遺伝子を誘導し、それにより酸化耐性をもたらしたものと考えられる((2)、(3)試験においてはデータ表示なし)。
紫外線ストレス試験では、(1)ストレス前処理区および(3)ストレス後処理区においては植物発酵ペーストによるストレス保護性は認められなかったが、(2)ストレス同時処理区において有意な保護性が認められた(図5B)((1)、(2)試験においてデータ表示なし)。これは植物発酵ペーストによる紫外線遮蔽もしくは紫外線照射により発生した活性酸素を消去することで、細胞を紫外線ストレスから保護した可能性が考えられる。
(5.成長因子発現解析試験)
表皮細胞に植物発酵ペーストを含む培地を処理し、処理後2、10、24時間後の細胞からトータルRNAを抽出しFGF−1、FGF−2遺伝子発現解析を実施した。FGF−1遺伝子発現では培地置換後2時間でFGF−1の発現が上昇していたが(図6A)、植物発酵ペースト含有培地でも同じ傾向にあったことから新鮮な培地への置換により発現が上昇していると思われる。FGF−1遺伝子発現においては植物発酵ペーストによる発現誘導は認められてなかった。FGF−2遺伝子発現において培地置換後2時間、10時間において発現上昇を示し、植物発酵ペースト含有培地において置換2時間後に未処理細胞と比較して顕著に発現の上昇を示した(図6B)。一方、置換10、24時間後において未処理細胞と発現差異はなくなっていた。これらの結果から植物発酵ペーストにFGF−2発現促進作用があることが考えられる。
マクロファージは免疫の重要な因子であるが、皮膚組織においては皮膚の再生において重要な働きを担う。マクロファージから分泌された線維芽細胞成長因子(FGF)や表皮成長因子(EGF)が皮膚組織の線維芽細胞や表皮細胞の細胞分裂を促進し、皮膚の再生を行うとされる。マクロファージからの成長因子遺伝子発現における植物発酵ペーストの作用を検証したところ、植物発酵ペーストによりFGF−1およびEGF遺伝子の発現が促進した(図6C〜E)。これらの結果は、植物発酵ペーストがマクロファージからの成長因子分泌を促進させ、皮膚細胞の増殖を促進、皮膚の健全性を維持していることが考えられる。
(III.考察)
活性酸素とは、酸素分子が紫外線や電子供与などの外部刺激により活性化した状態を指す。一般に細胞内では酸素を大量に消費するミトコンドリアや代謝過程で生じる。まず、酸素が紫外線などで励起した状態が一重酸素であり、これに電子が供与されるとスーパーオキシドアニオンラジカルとなる。スーパーオキシドアニオンラジカルが2分子重合すると過酸化水素となり、過酸化水素が均等分裂した状態がヒドロキシラジカルとなる。一重酸素およびスーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカルの分子種が活性酸素と呼ばれる一方で、他の分子種がこれらの活性酸素により電子(ラジカル)転移を受けて活性化した分子をフリーラジカルと呼ぶ。本研究では、植物発酵ペーストによるスーパーオキシドラジカルおよび過酸化水素、ヒドロキシラジカル、フリーラジカルの消去能を評価した結果、いずれの活性酸素ならびにフリーラジカルに対しても消去能を示した。なかでも、スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシラジカル、フリーラジカル消去能において優れた効果を示した。しかし、過酸化水素については消去能を示すものの、その効果は強力ではないと考えられる。
抗酸化作用を示す植物発酵ペーストは細胞のストレス耐性をもたらす可能性がある。そこで、ヒト表皮細胞を用いて酸化ストレス耐性試験を行ったところ、植物発酵ペーストの抗酸化作用によってストレスが抑制される結果が確認された。また、紫外線は活性酸素やフリーラジカルを発生させる要因となり、皮膚は紫外線による刺激をもっとも多く受ける組織である。そこで、過酸化水素や紫外線(UV−B)で刺激した表皮細胞に対して、植物発酵ペーストが抗酸化作用を発揮するかどうか検証した。過酸化水素を用いて表皮細胞における酸化ストレスを再現した場合、植物発酵ペーストは事前に表皮細胞と合わせることで酸化ストレスから保護する効果を示した。一方で、植物発酵ペーストを過酸化水素とともに表皮細胞に添加した場合には酸化ストレスに対する保護性を示さなかった。これらの結果から、植物発酵ペーストは細胞内の抗酸化関連遺伝子を誘導することで酸化ストレス耐性を示すと考えられる。次に、表皮細胞に紫外線(UV−B)を照射して酸化ストレス状態を再現した試験において、紫外線照射および植物発酵ペーストを表皮細胞に同時添加・処理した際に、酸化ストレスからの保護性を示した。UV−Bはミトコンドリアの呼吸反応連鎖を刺激することで、スーパーオキシドラジカルを生成し、スーパーオキシドラジカルは自然発生的に過酸化水素へと変化する。植物発酵ペーストは過酸化水素に対しても消去能を示したことから、紫外線照射によって発生した活性酸素を除去したことで、細胞の保護性を示したと考えられる。
ミトコンドリアは非ストレス下においても大量に活性酸素が発生していることから、非ストレス下にあるミトコンドリアに対しても植物発酵ペーストが機能する可能性がある。そこで、ミトコンドリアを多く含む骨格筋細胞や褐色脂肪細胞においてミトコンドリア活性を評価した。両細胞において、植物発酵ペーストを添加することで、ミトコンドリア量が増大し、褐色脂肪細胞においては、ミトコンドリア活性の増大も認められた。これらの結果から植物発酵ペーストには褐色脂肪細胞のミトコンドリア量および活性を促進させる機能があり、さらにミトコンドリアの経時的劣化を抑制させることができると考えられる。ミトコンドリア活性の上昇には、ミトコンドリアの糖取込み機能の亢進が原因の一つと考えられるが、本研究では骨格筋細胞および褐色脂肪細胞のどちらにおいても、植物発酵ペーストによる糖取込み機能の亢進が認められなかった(データ表示なし)。このことから、植物発酵ペーストによるミトコンドリア賦活作用は糖取込み機能以外の経路によってもたらされたと考えられる。
ミトコンドリアの賦活化によってATP産生が増大することから、植物発酵ペーストにより細胞機能が亢進した可能性があった。そこで、細胞機能を確認するため表皮細胞やマクロファージにおいて成長因子の発現量を確認したところ、EGFやFGFの発現促進が認められた。本試験では、植物発酵ペーストによるストレス耐性が確認されており、これらの作用にEGFやFGFが関与している可能性がある。
以上の結果より、植物発酵ペーストがスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシラジカル、フリーラジカル消去能を示すことが確認され、その作用によって紫外線や酸化ストレスなどの刺激に対して、表皮細胞を保護する働きを示した。皮膚組織は、肌表面から表皮、基底膜、真皮の順に構成されている。表皮の表皮細胞は乾燥や紫外線から肌を守り、真皮の線維芽細胞は肌の張りや弾力のもととなるコラーゲンやヒアルロン酸を生成する。また、真皮にはマクロファージが存在し、皮膚の新陳代謝や免疫を制御している。表皮細胞やマクロファージから線維芽細胞成長因子(FGF)や表皮成長因子(EGF)が分泌され、それら成長因子が線維芽細胞や表皮細胞を活性化することで皮膚の健全性が維持されている。本研究では、抗酸化作用を示す植物発酵ペーストの添加により、表皮細胞やマクロファージからの成長因子の遺伝子発現量が増大したことから、成長因子の分泌が促進された可能性があった。したがって、植物発酵ペーストは抗酸化作用を発揮することで、紫外線や酸化ストレスなどの刺激によって生成された活性酸素を除去し、細胞機能を維持および亢進することで、皮膚機能の維持または向上をもたらすことが示唆される。
(結論)
植物発酵ペーストの抗酸化能によりミトコンドリアの賦活性がもたらされた。また、ミトコンドリア賦活によって細胞機能が促進し、皮膚におけるFGFやEGFの産生促進がもたらされ、肌機能の維持または向上に繋がることが示唆された。
(実施例3)
本実施例では、日ごろ疲れやすいと自覚している健常な日本人成人女性を対象に、植物発酵物を含む植物発酵ペーストの抗酸化作用および肌の状態に与える影響を検証した。
(I.対象と方法)
(1.研究デザイン)
本研究は、非盲検試験で実施した。試験実施計画書は、医療法人社団盛心会タカラクリニック(東京都品川区)の倫理委員会にて2016年6月13日に承認(1606−1605−YK01−02−TC)を得た後、UMIN臨床試験登録システム(UMIN−CTR)に登録した(UMIN000022761)。また、ヘルシンキ宣言(2013)および人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の趣旨に則り、医学倫理に十分配慮し実施した。試験参加者の募集は、株式会社オルトメディコ(東京都文京区)が運営するモニター募集サイトGO106(http://monitor−touroku.jp/)で2016年6月18日から8月13日まで行い、試験参加を希望する者に、試験内容を十分に説明した上でインフォームドコンセントを書面にて取得した。本研究の実施期間は、2016年8月15日から11月19日であった。
(2.研究参加者)
本研究は、登録基準として健常な日本人成人女性で、日ごろ疲れやすいと自覚している者を対象とした。また、試験参加にあたり次の条件を除外基準とした。(a)悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞の治療の既往歴がある者、(b)疾患等による除外(心房細動、肝障害、腎障害、脳血管障害、リウマチ、糖尿病、脂質異常症、高血圧、過敏性腸症候群、その他の慢性疾患)、(c)医薬品(漢方薬を含む)・サプリメント・特定保健用食品、機能性表示食品を常用している者、(d)アレルギー(大豆、りんご、バナナ、もも、キウイフルーツ、やまいも、ごま、医薬品・試験食品関連食品)がある者、(e)妊娠中、授乳中、あるいは試験期間中に妊娠する意思のある者、(f)3ヶ月以内に他の臨床試験に参加した者、(g)その他、試験責任医師が本試験の対象として不適切と判断した者。
試験責任医師が試験参加に問題ないと判断した者のうち、尿中8−OHdGが相対的に高値および血中PAOが相対的に低値の者を選抜し、試験適格者とした。症例数はR(ver.3.3.1)とpwrパッケージ(ver.1.1−4)を用いて決定した。植物発酵ペーストをヒトに摂取させ、抗酸化能を測定した研究はこれまでにない。そこで、本試験では試験食品群と対照食品群の差が大きいと仮定した。Cohenの示唆に基づくと効果量dは0.80となる。よって、α値を0.05、β値を0.80とし症例数を計算すると、1グループ当たりの症例数は約26名となった。また、試験期間中の脱落を考慮して1名を追加し、27名を試験に組み入れた。
(3.介入)
試験食品は1包あたり5gの植物発酵ペーストであり、含有成分として植物発酵液が含まれる。試験参加者には、上記の植物発酵ペーストを朝食前に1日1包摂取させた。介入期間は8週間であった。
(4.評価項目)
主要アウトカム:酸化ストレスマーカー(尿中8−OHdG、尿中PRL、尿中HEL、血中PAO)
摂取前、摂取8週間後の検査日に、尿中8−OHdGと尿中PRL、尿中HEL、血中PAOを測定した。採尿および血液採集は広尾皮フ科クリニック(東京都渋谷区)において行われた。尿中8−OHdGと血中PAOの検査は日研ザイル株式会社(静岡県袋井市)に委託され、全自動マイクロプレートEIA分析装置AP−960および臨床化学自動分析装置7020(協和メデックス株式会社、東京都中央区)を用いて行われた。尿中PRLと尿中HELの検査は株式会社ヘルスケアシステムズ(愛知県名古屋市)に委託され、化学発光検出解析装置Lumi Vision (アイシン精機株式会社、愛知県刈谷市)を用いて行われた。
主要アウトカム:簡易酸化ストレスプロファイル
摂取前、摂取8週間後に簡易酸化ストレスプロファイルを評価した。簡易酸化ストレスプロファイルは、体内の酸化損傷度と抗酸化能のバランス(酸化ストレス)の検査で、老化や疾病の原因となる酸化ストレスの状態を調べることができる。簡易酸化ストレスプロファイルは、日研ザイル株式会社にて摂取前、摂取8週間後に採集した尿と血清から、その成分のバランスを分析することで酸化ストレスプロファイル(総合評価、酸化ストレスの状態、抗酸化能の状態)が評価された。総合評価では、「危険ゾーン(酸化ストレスが高く、抗酸化能が低い状態)」を1、「警告ゾーン(抗酸化能が高いが、酸化ストレスも高い状態)」を2、「低活性ゾーン(抗酸化能は低いが、酸化ストレスも低い状態)」を3、「良好ゾーン(酸化ストレスは少なく、抗酸化能が高い状態)」を4と得点化して評価した。また、酸化ストレスの状態および抗酸化能の状態は、「低い」を1、「平均的」を2、「高い」を3と得点化して評価した。
副次アウトカム:肌測定
摂取前、摂取8週間後の検査日に肌評価を行った。試験参加者の顔面画像を撮影した後、画像解析を行い、シミ、シワしみ、シワ、肌のきめ、うるおい、赤味等を数値化し評価した。項目は色素沈着数、色素沈着総面積、シワ総長さ、シワ総面積、赤味数、赤味総面積、水分値、油分値、きめであった。測定はロボスキンアナライザーCS50(株式会社インフォワード、東京都渋谷区)を用い、広尾皮フ科クリニックにおいて行われた。
副次アウトカム:肌弾力測定
摂取前、摂取8週間後の検査日に、肌弾力性を定量的に測定し、年齢別の平均データと比較した数値として測定した。測定部位は左右の3箇所(目尻、頬、顎)であった。測定はトリプルセンス(株式会社モリテックス、埼玉県朝霞市)を用い、広尾皮フ科クリニックにおいて行われた。
副次アウトカム:自覚症状
摂取前、摂取8週間後の検査日に、リッカートスケール法を用い、自覚症状を評価した。調査項目は「化粧のノリが悪い」「肌に弾力がない」「肌に潤いがない」「肌がべとついている」「肌のキメが悪い」「肌がくすんでいる」「肌がたるんでいる」「よく冷えを感じる」「クマ、くすみが気になる」「代謝が悪い」「体が疲れやすい」「寝ても疲れがとれない」「むくみやすい」「倦怠感がある」「体調不良に陥りやすい」「口内炎ができやすい」「頭がすっきりしない」であった。選択肢は、1.「まったくあてはまらない」、2.「ほとんどあてはまらない」、3.「あまりあてはまらない」、4.「少しあてはまる」、5.「かなりあてはまる」、6.「非常によくあてはまる」であり、選択肢番号を得点化して評価した。測定は広尾皮フ科クリニックにおいて行われた。
安全性項目
身体測定・理学検査では、身長、体重、BMI、体脂肪率、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数を測定した。身長のみ、事前説明会終了後に測定した。そのほかは摂取前、摂取8週間後の検査日に測定した。身長は手動身長計(HP−I、TTM、東京)、体重と体脂肪率はInner Scan 50 BC−309−PR(株式会社タニタ、東京都板橋区)、血圧と心拍数は電子血圧計ES−P370(テルモ株式会社、東京都渋谷区)を使用して測定した。またBMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で除して求めた。測定は株式会社オルトメディコおよび広尾皮フ科クリニックにて実施した。
尿検査では、摂取前、摂取8週間後の検査日に約50mL採尿し、蛋白質、ブドウ糖、ウロビリノーゲン、ビリルビン、pH、潜血、ケトン体を測定した。採尿は広尾皮フ科クリニックで行われた。検査は株式会社LSIメディエンス(東京都板橋区)に委託され、US−3100R(栄研化学株式会社、東京都文京区)を用いて行われた。
末梢血液検査では、摂取前、摂取8週間後に静脈血を約1mL採血した。血液学検査では、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値、血小板数、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球色素量)、MCHC(平均赤血球色素濃度)、白血球像(好中球率、リンパ球率、単球率、好酸球率、好塩基球率、好中球数、リンパ球数、単球数、好酸球数、好塩基球数)を測定した。血液採取は広尾皮フ科クリニックで行われた。検査は株式会社LSIメディエンスに委託され、XE−2100、HEG−L(シスメックス株式会社、兵庫県神戸市)、光学顕微鏡BX41(オリンパス株式会社、東京都新宿区)を用いて行われた。血液生化学検査では、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ−GT(γ−GTP)、ALP、LD(LDH)、LAP、総ビリルビン、直接ビリルビン、間接ビリルビン、コリンエステラーゼ(ChE)、ZTT、総蛋白、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、CK、カルシウム、血清アミラーゼ、総コレステロール、HDL−コレステロール、LDL−コレステロール、トリグリセリド(TG:中性脂肪)、遊離脂肪酸、グリコアルブミン、血清鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、無機リン(IP)、グルコース、ヘモグロビンA1c(HbA1c:NGSP)を測定した。検査は株式会社LSIメディエンスに委託され、H7700(株式会社日立ハイテクノロジーズ、東京都港区)とJCA−BM9130(日本電子株式会社、東京都昭島市)を用いて行われた。
(5.統計解析)
酸化ストレスマーカーおよび肌測定、肌弾力測定、身体測定・理学検査、末梢血液検査については、摂取前ならびに摂取8週間後の測定値を対応のあるt検定を用いて比較した。簡易ストレスプロファイルおよび自覚症状の評価については、摂取前ならびに摂取8週間後の測定値をWilcoxonの符号付き順位検定を用いて比較した。尿検査については、摂取前ならびに摂取8週間後の測定値をMcNemar検定を用いて比較した。なお、多項目の検定に対する多重性の補正は行わなかった。全ての統計解析は両側検定で行い、有意水準は5%に設定した。対応のあるt検定はMicrosoft Excel 2013(日本マイクロソフト株式会社、東京都港区)、Wilcoxonの符号付き順位検定およびMcNemar検定はIBM SPSS ver23.0(日本アイ・ビー・エム、東京都中央区)を用いた。また、摂取率が90%に満たないなど遵守事項が守れなかった者は解析から除外した。
(II.結果)
(1.分析対象)
図7に試験参加者の追跡フローチャートを示した。本試験は日ごろ疲れやすいと自覚している健常な日本人成人女性を対象とした。試験参加に同意した39名のうち試験責任医師の問診や選抜基準により12名を除外し、27名を本試験に組み入れた。試験食品の摂取率が90%を下回る者はおらず、解析対象者は計27名(51.1±9.8歳)であった。
また、肌の状態とBMIは関連が深く、BMIが18.5kg/m以上25.0kg/m未満の間(標準体型)の者は安定した肌の状態が示唆されている。そこで、本試験の解析対象者27名のうち、体型が標準体型(BMI 18.5kg/m以上25.0kg/m未満)の者17名(52.2±9.9歳)についても解析を行った。
(2.酸化ストレスマーカーおよび簡易ストレスプロファイル)
酸化ストレスおよび抗酸化関連の平均値と標準偏差、中央値と四分位範囲の統計解析の結果を表2と表3に示した。
Figure 2018019687
Figure 2018019687
試験参加者全体で解析を行ったところ、摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は、尿中8−OHdG(P<0.001)、尿中8−OHd (クレアチニン補正)(P<0.001)、尿中クレアチニン(P=0.017)、酸化ストレスの状態(P<0.001)であった。また、有意に上昇した項目はPAO(P=0.033)、総合評価(P<0.001)であった。
標準体型の者を対象とした解析では、摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は、尿中8−OHdG(P=0.011)、尿中8−OHdG(クレアチニン補正)(P<0.001)、酸化ストレスの状態(P<0.001)であった。また、有意に上昇した項目は、PAO(P=0.006)、総合評価(P<0.001)であった。
(3.肌測定)
肌測定の平均値と標準偏差、統計解析の結果を表4に示した。
試験参加者全体で解析を行ったところ、摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は、目尻のシワの総長さ(P=0.015)、目尻のシワの総面積(P=0.041)であった。また有意に上昇した項目は、赤味数(合計)(P=0.005)、赤味数(平均)(P=0.005)、赤味面積(合計)(P=0.002)、赤味面積(平均)(P=0.002)であった。
追加解析を行ったところ、摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は色素沈着数(小)(P=0.021)、色素沈着面積(小)(P=0.041)、目尻のシワの総面積(P=0.029)であった。また、有意に上昇した項目は赤味数(合計)(P=0.028)、赤味数(平均)(P=0.028)、赤味面積(合計)(P=0.015)、赤味面積(平均)(P=0.015)であった。
Figure 2018019687
(4.肌弾力測定)
簡易肌弾力測定の平均値と標準偏差、統計解析の結果を表5に示した。
摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は、目尻(左右平均)(P=0.006)、頬(左右平均)(P<0.001)、顎(左右平均)(P=0.033)であった。
Figure 2018019687
(5.自覚症状(リッカートスケール法))
自覚症状(リッカートスケール法)の中央値と四分位範囲、統計解析の結果を表6に示した。
摂取前と比較して摂取8週間後に有意に低下した項目は、「化粧のノリが悪い」(P=0.012)、「肌に弾力がない」(P=0.021)、「肌がべとついている」(P<0.001)、「肌のキメが悪い」(P=0.001)、「肌がくすんでいる」(P=0.003)、「肌がたるんでいる」(P<0.001)、「クマ、くすみが気になる」(P=0.005)、「体が疲れやすい」(P=0.001)、「寝ても疲れがとれない」(P=0.002)、「むくみやすい」(P=0.025)、「倦怠感がある」(P=0.001)、「体調不良に陥りやすい」(P=0.008)、「口内炎ができやすい」(P<0.001)、「頭がすっきりしない」(P=0.018)であった。
Figure 2018019687
(6.安全性の評価)
身体測定・理学検査、尿検査、末梢血液検査の平均値と標準偏差、統計解析の結果を表7−1〜表7−3に示した。
摂取前と比較して、摂取8週間後に軽微な変動が散見されたものの、試験食品摂取に伴う医学的に問題のある変化ではないことが試験責任医師により判断された。
Figure 2018019687
Figure 2018019687
Figure 2018019687
(III.考察)
本試験では、植物発酵ペーストの継続摂取が日ごろ疲れやすいと自覚している健常な日本人成人女性に及ぼす影響を検討した。主要アウトカムとして、酸化ストレスマーカーとして尿中の8−OHdG、PRL、HEL、血中PAOを測定し、酸化ストレスと抗酸化能のバランスを簡易酸化ストレスプロファイルについても評価した。副次アウトカムとして、自覚症状(リッカートスケール法)および肌の弾力、肌の状態について評価した。
先行研究において、ビタミン類やポリフェノール類を含有する食品は抗酸化作用を示すことが知られている。本研究で用いた植物発酵ペーストは、ビタミン類やポリフェノール類を成分として含むニンジンおよびバナナ、トマト、茶葉、りんご、ぶどう等が含有される。そのため、植物発酵ペーストは抗酸化作用を示す食品として期待される。事実、本試験ではDNA酸化損傷マーカーである尿中8−OHdG濃度が有意に低下し、血中の抗酸化能を表すPAOの数値が上昇した。また、体内における酸化ストレスと抗酸化能のバランスについても調査したところ、これらのバランスが有意に改善された。これらの結果から、植物発酵ペーストは抗酸化作用を示す食品であることが確認された。
肌のシミ、シワ、きめ、うるおい、赤味、弾力等の肌状態を評価したところ、植物発酵ペーストの摂取後、目尻のシワの改善と赤味の増加、目尻と頬、顎における肌の弾力の低下が認められた。肌の状態は活性酸素との関連もあり、活性酸素によってコラーゲンに特異的な酵素の発現が促進され、コラーゲンの分解が促進される。コラーゲンが分解されると、真皮の構造が脆弱になり、皮膚表面にシワが生じる。したがって、植物発酵ペーストの抗酸化作用によって活性酸素が除去され、コラーゲンの分解が抑制されたことで肌のコラーゲンの合成が正常に行われ、シワの改善に至ったと考えられる。顔面の赤味については、三浦らの研究において抗酸化作用に優れた食品は血流を改善することが確認されている。また、他の先行研究においても、血流の増加は顔面の赤味を増加させることが報告されている。したがって、植物発酵ペーストの摂取によって顔面における血流が改善されたことで、顔面の赤味が増したと示唆される。目尻と頬、顎における肌の弾力の低下は、顔面のむくみが解消されたことが原因と考えられる。血行不良による顔のむくみに悩む女性は多く、むくみは血行をよくすることで解消されることが知られている。本試験も女性を対象としており、植物発酵ペーストの摂取によって顔面の赤味が増したことは顔面の血流の向上を示唆しており、自覚症状の評価ではむくみに対する自覚が緩和された。したがって、植物発酵ペーストの摂取によって顔面のむくみが改善されたことで、肌の弾力が低下したと推察される。これらの結果から、植物発酵ペーストの摂取が肌状態の向上に寄与することが確認された。
本試験では、肌の状態に関する多くの自覚症状が改善し、客観的な評価だけでなく主観的な評価においても植物発酵ペーストの肌改善効果が確認された。また、「体が疲れやすい」や「寝ても疲れがとれない」等の疲労に関する項目も改善された。抗酸化作用を示す食品の摂取は疲労回復をもたらすことが知られている。したがって、本試験においても植物発酵ペーストの抗酸化作用によって疲労に関する自覚症状が緩和されたと考えられる。
本試験では日ごろ疲れやすいと自覚している健常な日本人成人女性を対象としたが、近年の研究から、肌の状態はBMIと関連があることが明らかにされている。BMI 18.5kg/m未満の痩せ型には乾燥肌が多く、BMI 25.0kg/m以上の肥満型には脂性肌が多いことが報告されている。痩せ型にみられる乾燥肌の原因の一つには食事量の不足による栄養素量の低下と、それが原因で生じる新陳代謝(ターンオーバー)の異常が考えられている。また、脂性肌において皮脂は体内の水分の蒸発を保護する働きもあるが、多量にある場合に吹き出物の原因になることや、皮脂の過酸化反応によって肌の状態を悪化させることが知られ、これらはターンオーバーの異常に繋がる原因とされている。つまり、痩せ型(BMI 18.5kg/m未満)および肥満型(BMI 25.0kg/m以上)の体型の者は、肌の状態が不安定であると考えられる。そこで、肌の状態が安定した者においても植物発酵ペーストが示す抗酸化作用や肌改善効果が認められるか検証するために、安定した肌の状態と示唆されているBMI 18.5以上25kg/m未満の者を対象に解析を行った。結果として、尿中8−OHdG濃度の有意な低下や血中PAOの有意な上昇、脂質損傷マーカーのPRLの減少傾向が認められた。また、体内における酸化損傷度と抗酸化能のバランスについても酸化ストレスの状態が有意に改善された。肌状態の評価では、シワの減少と赤味の増加の他に、シミの数を表す色素沈着数に有意な減少が認められた。ヒトを対象にした研究において、抗酸化作用を示すサプリメントの摂取によってシミが減少することが報告されている。したがって、顔のシワやシミの減少と赤味の増加は、植物発酵ペーストの抗酸化作用による影響であると示唆される。
以上の結果より、植物発酵ペーストの摂取は日ごろ疲れやすいと自覚している健常な日本人成人女性の抗酸化能を向上させ、酸化損傷度と抗酸化能のバランスを良好な状態に改善することで、肌状態の向上および肌に関する自覚症状を改善させることが示唆された。また、これらの効果は安定した肌の状態においても確認され、酸化損傷度と抗酸化能のバランスの改善とシワの減少、赤味の増加の他に、シミの減少が示された。しかし、本研究は非盲検試験にて行われたことから、植物発酵ペーストが示す抗酸化作用や肌改善効果についてより詳細に検証するために、今後は比較対照群を設定する二重盲検ランダム化比較試験やランダム化クロスオーバー比較試験の実施を検討していきたい。
(IV.結論)
本研究の結果から、植物発酵ペーストの継続摂取は体内の酸化ストレスおよび抗酸化能のバランスを改善し、シワやシミを減少させるとともに肌や疲労に関する自覚症状を改善することが示唆された。
本発明によれば、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から植物エキスを抽出する工程と、
前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、
前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、
前記第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる水分蒸発工程と、
をこの順で含み、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
を含み、
前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程、前記第二の発酵工程および前記水分蒸発工程を実施する環境温度は、常時、50℃以下となるように保持されており、
前記植物エキスを抽出する抽出温度が、4℃以上30℃以下であり、
前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、
前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、
前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させ
前記第二の発酵工程および前記水分蒸発工程が、抗菌作用を有する第二の容器内で行われる、植物発酵ペーストの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、植物原材料に由来する発酵エキスと、抗酸化成分と、ミネラル分とを含む経口摂取用植物発酵ペーストであって、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
を含む、経口摂取用植物発酵ペーストが提供される。
またさらに、本発明によれば、植物原材料に由来する発酵エキスと、抗酸化成分と、ミネラル分とを含む経口摂取用組成物であって、
前記植物原材料が、
にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む、経口摂取用組成物が提供される。

Claims (26)

  1. 非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から植物エキスを抽出する工程と、
    前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、
    前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、
    前記第二の植物発酵液中の水分含有量を低減させる水分蒸発工程と、
    をこの順で含み、
    前記植物原材料が、
    にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
    ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
    バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
    を含み、
    前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程、前記第二の発酵工程および前記水分蒸発工程を実施する環境温度は、常時、50℃以下となるように保持されており、
    前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、
    前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、
    前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させる、植物発酵ペーストの製造方法。
  2. 前記第一の発酵工程においては、前記植物エキスに対して、乳酸菌または酵母を添加しない、請求項1に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  3. 前記第二の発酵工程においては、前記第一の植物発酵液に対して、乳酸菌または酵母を添加しない、請求項1または2に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  4. 前記第一の容器が、乳酸菌または酵母が付着した容器である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  5. 前記第二の発酵工程および前記水分蒸発工程が、抗菌作用を有する第二の容器内で行われる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  6. 前記糖が、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  7. 前記第一の発酵温度が、30℃以上50℃以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  8. 前記第二の発酵温度が、4℃以上30℃未満である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  9. 前記水分蒸発工程を実施する環境温度が5℃以上40℃以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  10. 前記植物エキスを抽出する工程における、前記植物エキスの抽出温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  11. 前記水分蒸発工程の後、前記第二の植物発酵液を食用粉体と混合する工程をさらに含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  12. 前記食用粉体が多孔質体である、請求項11に記載の植物発酵ペーストの製造方法。
  13. 植物原材料に由来する発酵エキスを含む植物発酵ペーストであって、
    前記植物原材料が、
    にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
    ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
    バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
    を含む、植物発酵ペースト。
  14. 食用粉体をさらに含む、請求項13に記載の植物発酵ペースト。
  15. 前記食用粉体が多孔質体である、請求項14に記載の植物発酵ペースト。
  16. 前記植物原材料が、菌茸類、根菜類、葉茎類、果菜類および果実類に分類される植物を、それぞれ、少なくとも3種ずつ含む、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の植物発酵ペースト。
  17. 植物原材料に由来する発酵エキスを含む組成物であって、
    前記植物原材料が、
    にんにく、たまねぎ、茶葉、トマト、メロンおよびグレープフルーツからなる群より選択される少なくとも4種以上と、
    ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ、ショウガ、カリフラワー、なす、緑ピーマン、レモン、キュウリ、大豆モヤシ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージからなる群より選択される少なくとも3種以上と、
    バナナ、レンコン、しどけ、ホウレンソウ、ニンジン、ニラ、アスパラガス、シイタケ、ゴボウ、こごみ、マイタケ、ミョウガおよび緑豆モヤシからなる群より選択される少なくとも3種以上と、を含む、組成物。
  18. 抗酸化作用を有する抗酸化組成物である、請求項17に記載の組成物。
  19. 老化防止作用を有する老化防止用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  20. 活性酸素による酸化ストレスを低減する作用を有する酸化ストレス低減用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  21. 肌質改善作用を有する肌質改善用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  22. 体質改善作用を有する体質改善用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  23. 顔のシワを低減する作用を有するシワ改善用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  24. 肌の色素沈着を改善する作用を有する色素沈着改善用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  25. 肌のキメを改善する作用を有する肌キメ改善用組成物である、請求項17に記載の組成物。
  26. ペースト、粉末、液体、顆粒、タブレット、またはカプセルの形態を有する、請求項17乃至25のいずれか一項に記載の組成物。
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