JP2018019561A - 2相ハイブリッド型ステッピングモータ - Google Patents

2相ハイブリッド型ステッピングモータ Download PDF

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敦 太郎田
Atsushi Taroda
敦 太郎田
昭夫 金沢
Akio Kanazawa
昭夫 金沢
吉田 直弘
Naohiro Yoshida
直弘 吉田
裕郎 池谷
Hiroo Iketani
裕郎 池谷
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Abstract

【課題】高速回転することができ、かつ振動及び騒音を低減することができる2相ハイブリッド型ステッピングモータを提供する。
【解決手段】8本の主磁極7を備え、各主磁極7の先端に4個の小歯5を有するステータコア2と、ステータコア2の内側に配置され、外周に30個の小歯11を備えたロータコア10とを有し、ステップ角が3°において、ステータコア2の小歯5のピッチθ(°)、ステータコア2の小歯5の歯幅W、ロータコア10の小歯11の歯幅Wとしたとき、11.5°≦θ<12°で、0.73≦W/W≦1.11 である2相ハイブリッド型ステッピングモータ。
【選択図】図2

Description

本発明は、2相ハイブリッド型ステッピングモータに関する。
ハイブリッド型ステッピングモータは、プリンタ等のOA機器や搬送装置等の産業用機器のアクチュエータとして使用され、高精度な位置決め用モータとして広く使用されている。この高精度な位置決めを行うためには、1パルス入力した時の回転角であるステップ角を小さくして分解能を高くする必要がある。
現在、2相ハイブリッド型ステッピングモータではステップ角が1.8°構成のハイブリッド型ステッピングモータが多用されている。ステップ角が1.8°の2相ハイブリッド型ステッピングモータとして、例えば、特許文献1がある。
しかし、ステップ角が1.8°では、ステップ角が小さいため、高速回転ができない。このため、高速回転でき、かつトルクを低下させることのない2相ハイブリッド型ステッピングモータがある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、2相ハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個のステータポールを有し、それぞれのステータポールの先端に4個の小歯を有し、前記ロータの外周に30個の小歯を有して、ステップ角が3°であることを特徴とするモータ構造が記載されている。
特開2008−228442号公報 特開2012−044826号公報
しかしながら、特許文献2に記載の2相ハイブリッド型ステッピングモータは、ステップ角が3°であるため、2相ハイブリッド型ステッピングモータで多用されているステップ角が1.8°構成のハイブリッド型ステッピングモータに比べて高速回転することができるが、ステップ角を大きくして高速回転する構成のため、振動及び騒音については考慮していない。
このような背景において、本発明は、高速回転することができ、かつ振動及び騒音を低減することができる2相ハイブリッド型ステッピングモータを提供することを目的とする。
本発明は、8本の主磁極を備え、前記各主磁極の先端に4個の小歯を有するステータコアと、前記ステータコアの内側に配置され、外周に30個の小歯を備えたロータコアとを有し、ステップ角が3°において、前記ステータコアの前記小歯のピッチθ(°)、前記ステータコアの前記小歯の歯幅W、前記ロータコアの前記小歯の歯幅W、としたとき、11.5°≦θ<12°で、 0.73≦W/W≦1.11 である2相ハイブリッド型ステッピングモータである。
本発明によれば、高速回転することができ、かつ振動及び騒音を低減することができる2相ハイブリッド型ステッピングモータが得られる。
実施形態の2相ハイブリッド型ステッピングモータの構造を示した図である。 図1に示したステータコアの小歯とロータコアの小歯の部分拡大図である。
図1は、実施形態の2相ハイブリッド型ステッピングモータの構造を示した図である。図2は、図1に示したステータコアの小歯とロータコアの小歯の部分拡大図である。図1には、本実施形態におけるステッピングモータ1が示されている。ステッピングモータ1は、ステップ角が3°の2相ハイブリッド型ステッピングモータである。
ステッピングモータ1は、ステータコア2を有している。この例において、ステータコア2の外径(矩形形状の一辺の寸法)は、42mmである。ステータコア2は、環状磁性体であり、図1に示す形状の磁性鋼板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した構造を有している。ステータコア2は、回転中心の方向に延在した8個の主磁極7を有している。主磁極7は、延在部3と先端部4を有している。延在部3には、図示省略したステータコイルを構成する巻線が巻かれている。先端部4は、後述するロータコア10の回転中心を中心とする円弧に沿って延在した形状を有している。図2に示すように、先端部4のロータコア10と対向する側には、4個の小歯5が設けられている。小歯5は、周方向において一定のピッチで設けられている。小歯5は、軸方向に延在し、隣接する小歯5の間には、軸方向に延在する溝6が設けられている。
ステータコア2の内側には、略円筒形状のロータコア10が配置されている。ロータコア10は、回転軸13を備え、回転軸13を中心として回転自在な状態で配置されている。ロータコア10は、永久磁石をロータコアAとロータコアBで挟持した構成で、ロータコアAとロータコアBともに磁性鋼板からなるコアを所定枚数、積層して構成されている。ロータコアAとロータコアB、それぞれの外周面には均等配置された30個の小歯11を備え、ロータコアAとロータコアBの小歯11は互いに電気角で180°位相がずれるように配置されている。小歯11は、軸方向に延在し、隣接する小歯11の間には、軸方向に延在する溝12が設けられている。
図2において、θはステータコア2の各主磁極7の小歯5のピッチ(°)、Wはステータコア2の各主磁極7の小歯5の歯幅、Wはロータコア10の小歯11の歯幅である。なお、ロータコア10の小歯11のピッチθは、小歯11の数が30個であるので、θ=360°÷30=12°である。
(1)解析結果
ハイブリッド型ステッピングモータの振動及び騒音を低減するために、ステッピングモータ1におけるステータコア2の小歯5とロータコア10の小歯11の関係を、表1のモデルA〜Nについて磁界解析を実施し、磁界解析に基づいたステッピングモータ1のホールディングトルクおよび最大ホールディングトルクの変化率を調べた。変化率(%)は、モデルBを基準とし、モデルBに対して、各モデルにおける最大ホールディングトルクの相違を変化率(%)として示したものである。
Figure 2018019561
(2)ステータコアの小歯のピッチθと、小歯の歯幅の比率W/Wについて
ステータコア2の小歯5のピッチθを一定にし、小歯5とロータコア10の小歯11の歯幅の比率W/Wを可変した。表2に示すように、ピッチθ=10.5°の場合、ステッピングモータ1のホールディングトルクはモデルBよりも小さく、そのため変化率が大きくなっている。また、隣接する主磁極7の間のスロット幅が大きくなり、ステータコア2の小歯5は、効率的な配置とはならない。
Figure 2018019561
表3に示すように、ピッチθ=11.0°の場合、ホールディングトルク及び変化率は、表2の結果よりは改善傾向を示すが、モデルBに対して劣っている。
Figure 2018019561
表4に示すように、ピッチθ=11.5°の場合、ホールディングトルクおよび変化率は、モデルBに対して改善される結果を示している。表4の結果から、ステータコア2の小歯5とロータコア10の小歯11の歯幅の比率W/Wは、その値が大きい方が改善傾向を有していると認められる。また、磁界解析によって得られたホールディングトルク波形を見ると、ホールディングトルクの値が大きくなると、ホールディングトルク波形におけるひずみが減少していることが観察された。これは、ホールディングトルクの基本波に含まれる高調波成分(コギングトルクなどによる高調波成分)が減少していることによるものと思われる。
Figure 2018019561
表5に示すように、ピッチθ=12.0°の場合、ホールディングトルクが小さくなり、歯幅の比率も小さくなるほど、ホールディングトルクが小さくなる傾向を示している。ピッチθ=12°でステータコア2の小歯5とロータコア10の小歯11の歯幅の比率WS/を大きくすると、隣接する主磁極7の間のスロット幅が小さくなり、主磁極7に巻線を巻回する作業に支障をきたす虞がある。なお、ピッチθ=12°よりも少し小さくしたモデルL(ピッチθ=11.8°)の場合、ホールディングトルクおよび変化率は、モデルBに対して改善される結果を示している。このことから、ピッチθ=11.8°に設定すること、すなわちは、θを12°より僅かに小さくすることは、ホールディングトルクを改善するための有効手段となり得る。
Figure 2018019561
(3)結論
上記の表1〜表5の結果に基づいた結果、表6に示すモデルA、I、M、Lの構成が、ホールディングトルクを大きくすることができ、ひずみを減少したホールディングトルクの基本波形を得られる。この結果、低振動、低騒音のハイブリッド型ステッピングモータを得ることができる。したがって、11.5°≦θ<12°、好ましくは11.5°≦θ<11.8°で、 0.73≦W/W≦1.11 に設定することによって、ホールディングトルクを大きくすることができ、その結果、低振動、低騒音の2相ハイブリッド型ステッピングモータを提供することができる。
Figure 2018019561
上記の各サンプルにおいて、ロータコア10の小歯11のピッチθは、小歯11の数が30個であるので、θ=360°÷30=12°である。よって、上記表5のθの好ましい範囲の下限は、11.5°÷12°≒0.96より、θの0.96倍程度となる。また、θの好ましい範囲の上限は、ロータコア10の小歯11のピッチよりも小さい値(すなわちθ<θ)、より好ましくは、11.8÷12≒0.98より、θの0.98倍程度となる。このことから、θの好ましい範囲は、ロータコア10の小歯11のピッチをθとして、0.96θ≦θ<θ、より好ましくは0.96θ≦θ≦0.98θと表現できる。
(むすび)
以上述べたように、2相ハイブリッド型のステッピングモータ1は、8本の主磁極7を備え、各主磁極7の先端に4個の小歯5を有するステータコア2と、ステータコア2の内側に配置され、外周に30個の小歯11を備えたロータコア10とを有し、ステップ角が3°において、ステータコア2の小歯5のピッチθ(°)、ステータコア2の小歯5の歯幅W、ロータコア10の小歯11の歯幅Wとしたとき、11.5°≦θ<12°で、 0.73≦W/W≦1.11とすることで、高速回転することができ、かつ振動及び騒音を低減することができる。

Claims (1)

  1. 8本の主磁極を備え、前記各主磁極の先端に4個の小歯を有するステータコアと、
    前記ステータコアの内側に配置され、外周に30個の小歯を備えたロータコアと
    を有し、
    ステップ角が3°において、
    前記ステータコアの前記小歯のピッチθ(°)、前記ステータコアの前記小歯の歯幅W、前記ロータコアの前記小歯の歯幅W、としたとき、
    11.5°≦θ<12°で、0.73≦W/W≦1.11 である2相ハイブリッド型ステッピングモータ。

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119037A (ja) * 2000-08-03 2002-04-19 Japan Servo Co Ltd 2相ハイブリッド形ステッピングモータ
JP2012044826A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Minebea Motor Manufacturing Corp ハイブリッド型ステッピングモータ

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