JP2012044826A - ハイブリッド型ステッピングモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転でき、且つトルクを低下させることのないハイブリッド型ステッピングモータを提供することである。
【解決手段】環状磁性体から内側に放射状に延びる複数個のステータポールを設けたステータと、前記ステータポールと空隙を介して内側に配置されたロータからなり、前記ステータポールの先端に複数個の小歯を有し、前記ロータの外周に複数個の小歯を有してなるハイブリッド型ステッピングモータにおいて、前記ハイブリッド型ステッピングモータは2相であって、前記ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個のステータポールを有し、それぞれのステータポールの先端に4個の小歯を有し、前記ロータの外周に30個の小歯を有して、基本ステップ角が3°であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステッピングモータに関し、特に、ハイブリッド型ステッピングモータに関する。
ハイブリッド型ステッピングモータは、プリンタ等のOA機器や搬送装置等の産業用機器のアクチュエータとして使用され、高精度な位置決め用モータとして広く使用されている。
この高精度な位置決めを行うためには、1パルス入力した時の回転角である基本ステップ角を小さくして分解能を高くする必要があり、基本ステップ角を小さくするためには小歯を増やす必要がある。モータの相数をm、回転子の小歯数をNrとすると、基本ステップ角θは、θ=180/(m・Nr)で表すことができる。基本ステップ角θを小さくすると分解能を高くすることができる。
例えば、現在最も一般的な2相のハイブリッド型ステッピングモータで基本ステップ角が1.8°では、回転子の小歯数Nrは50となる(例えば、特許文献1参照)。
図3は、特許文献1に記載のインナーロータ型の2相ハイブリッド型ステッピングモータの一例を示した図である。
ロータ1の外周には、7.2°のピッチ(θR)で50個の小歯11が設けられている。ステータ2はヨーク21の内周側に等間隔で8個のステータポール22a〜22hを有しており、ステータポール22a〜22hの磁極部23a〜23hの内部側にはそれぞれ6個の小歯24を有している。各ステータポール22a〜22hの間に形成された巻線巻回用スロット25a〜25hには、巻線絶縁用のスロットインシュレータ26がそれぞれ嵌合されている。そして各ステータポール22a〜22hには巻線27がそれぞれ巻回されている。
しかし、この特許文献1に記載のモータでは、基本ステップ角を小さくして分解能を高くする一方で、基本ステップ角が小さいために速度を上げることができないという問題がある。このため、基本ステップ角を大きくしたものとして、基本ステップ角が3.75°のステッピングモータがある(例えば、特許文献2参照)。
図4は、特許文献2に記載のインナーロータ型の3相ハイブリッド型ステッピングモータの一例を示した図である。
固定子15の内面から円中心に向け求心状に等ピッチで6個の固定子極15Aを有しており、固定子極15Aの先端部には3個の小歯15aを有している。ヨーク部15bにはコイル12が巻装されている。5は回転軸で、回転子16の外周には16個の小歯16aが設けられている。
特開平4−210761号公報、図1 特開2001−025212号公報
上述の特許文献2に記載のハイブリッド型ステッピングモータは、基本ステップ角が3.75°であるため、特許文献1に記載の基本ステップ角が1.8°のハイブリッド型ステッピングモータに比べて回転速度を上げることができる。
しかしながら、特許文献2に記載のハイブリッド型ステッピングモータは3相であるため、2相式に比べて駆動回路が複雑となり、コストアップの要因となる。
また、一般に固定子は珪素鋼板を打ち抜いて使用されている。そして、固定子は珪素鋼板の圧延方向による方向性をキャンセルして磁気バランスを改善し、ギャップ磁束密度も正弦波に近づけ高調波を低減するために90°回転積層が広く行なわれている。
しかし、特許文献2に記載の3相ハイブリッド型ステッピングモータでは、6個の固定子極15Aを備えた構成のため、固定子15の90°回転積層では固定子極15Aの位置が一致しなくなるが、60°ごとの回転積層が可能である。しかしながら、この特許文献2に記載のハイブリッド型ステッピングモータは、外形が丸形状のため、角型に比べて磁路面積の制約からトルクが低く、角型と同等のトルクを得るためには外径の増加を招くことになり、結果、ステッピングモータが大型になるという点で好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速回転でき、且つトルクを低下させることのないハイブリッド型ステッピングモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、環状磁性体から内側に放射状に延びる複数個の突極を設けたステータと、前記磁極と空隙を介して内側に配置されたロータからなり、前記突極の先端に複数個の小歯を有し、前記ロータの外周に複数個の小歯を有してなるハイブリッド型ステッピングモータにおいて、前記ハイブリッド型ステッピングモータは2相であって、前記ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個の突極を有し、それぞれの突極の先端に4個の小歯を有し、前記ロータの外周に30個の小歯を有して、基本ステップ角が3°であることを特徴とする。
本発明によれば、ステップ角度を大きくして高速回転でき、角型を採用することによりトルクを低下させることなく、かつ、低振動なハイブリッド型ステッピングモータを提供することができる。
また、本発明によれば、2相のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、基本ステップ角が例えば3°であるため、高速駆動することができる。
また、本発明によれば、従来から使用されている2相の駆動回路をそのまま使用することができるため、コストアップを抑制することができる。
また、本発明によれば、角型コアで例えば90°回転積層できるため、トルクを低下させることなく低コギングトルクで低振動化できる。
また、本発明によれば、円型コアで例えば45°回転積層できるため、コギングトルクを低減して低振動化できる。
本発明によるハイブリッド型ステッピングモータの構造を示した図である。 図1に示したステータコアの突極の小歯とロータコアの小歯の部分拡大図である。 従来のハイブリッド型ステッピングモータの構造を示した図である。 他の従来のハイブリッド型ステッピングモータの構造を示した図である。
以下、本発明のハイブリッド型ステッピングモータの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明によるハイブリッド型ステッピングモータであって、インナーロータ型の2相ハイブリッド型ステッピングモータの構造を示す図である。
図2は、図1に示したステータコアのポールの小歯とロータコアの小歯の部分拡大図である。
ハイブリッド型ステッピングモータ101のステータコア102は、四角形の角型コアであって4つのコーナー部は円弧形を有し、珪素鋼板をプレス加工したものである。
ステータコア102の内側には等間隔で放射状に8個のステータポール103が設けられており、それぞれのステータポール103の先端には等ピッチで4個の小歯104を有している。そしてステータコア102は所定枚数積層して構成され、それぞれのステータポール103にはA相コイル(図示せず)とB相コイル(図示せず)が巻回されて2相ハイブリッド型ステッピングモータを構成している。そして、ステータポール103の小歯104と所定のギャップを介してロータ105が配設されている。109はステータコア102の各コーナー部に形成されたボルト挿通孔である。
ロータ105は、回転軸106と、回転軸106に装着されたマグネット(図示せず)とロータコア107とから構成されている。ロータコア107は所定枚数積層して構成され、軸方向にN極とS極に着磁されたマグネットを挟持するように両側に配置されている。そして、ロータコア107の外周には12°の等ピッチで30個の小歯108が設けられており、一方側のロータコア107の小歯108と他方側のロータコア107の小歯108とは円周方向に1/2ピッチ(電気角で180°)ずれるように配置されている。
そして、このハイブリッド型ステッピングモータ101は、基本ステップ角が3°でステップ駆動する構成となっている。このため、現在最も一般的な基本ステップ角が1.8°でステップ駆動する2相ハイブリッド型ステッピングモータに比べて速度を上げて高速駆動できる。
また、従来の基本ステップ角が1.8°のステッピングモータでは、ステータポールの小歯が6個であるが、本実施例では図1に示すようにステータポール103は4個の小歯104を有し、ロータ105との対向面積は、従来の小歯が6個におけるロータとの対向面積に比べて大きくなっている。このため、本実施例ではトルクに寄与する磁束が増加するため、従来の基本ステップ角が1.8°でステップ駆動される2相ハイブリッド型ステッピングモータに比べてトルクを大きくすることができる。
また、本実施例ではステータコア102は等間隔で放射状に8個のステータポール103を設け、かつ、4個の小歯を対称形状としている。このため、90°回転積層してもステータポール103および小歯104が一致する。したがって、90°で回転積層できるので、珪素鋼板の圧延方向による方向性をキャンセルして磁気バランスを改善し、ギャップ磁束密度も正弦波に近づけ高調波を低減できる結果、コギングトルクを低減して低振動化できる。さらに、従来から使用されている2相の駆動回路をそのまま使用することができるため、コストアップを抑制することができる。
また、本実施例ではステータコア102の内側には等間隔で放射状に8個のステータポール103が設けられており、それぞれのステータポール103の先端には等ピッチで4個の小歯104を有し、基本ステップ角が3°の2相ハイブリッド型ステッピングモータ101を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステータコア102の内側には等間隔で放射状に8個のステータポール103を設け、それぞれのステータポール103の先端には等ピッチで3個の小歯104を有した構成であってもよい。この場合の基本ステップ角は約4.09°でロータコア107の外周には等ピッチで22個の小歯108を有している。この構成によれば、基本ステップ角が3°よりもさらに高速駆動ができる。
また、それぞれのステータポール103の先端には等ピッチで5個の小歯104を有した構成であってもよい。この場合の基本ステップ角は約2.14°で、ロータコア107の外周には等ピッチで42個の小歯108を有している。この構成によれば、従来の基本ステップ角が1.8°に比べて高速駆動できる。
以上、本発明のハイブリッド型ステッピングモータについて説明したが、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲において数々の変形が可能である。
例えば、ステータコア102は角型に限定されるものではなく、円形で構成してもよい。この場合、角型に比べてトルクは若干低くなるが、ステータコア102は90°回転積層ではなく、45°回転積層が可能となり、よりコギングトルクを低減して低振動化できると共に、従来の基本ステップ角が1.8°に比べて高速駆動することができる。
101 ステッピングモータ
102 ステータコア
103 ステータポール
104 小歯
105 ロータ
106 回転軸
107 ロータコア
108 小歯
109 ボルト挿通孔

Claims (5)

  1. 環状磁性体から内側に放射状に延びる複数個のステータポールを設けたステータと、前記ステータポールと空隙を介して内側に配置されたロータからなり、前記ステータポールの先端に複数個の小歯を有し、前記ロータの外周に複数個の小歯を有してなるハイブリッド型ステッピングモータにおいて、
    前記ハイブリッド型ステッピングモータは2相であって、前記ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個のステータポールを有し、それぞれのステータポールの先端に4個の小歯を有し、前記ロータの外周に30個の小歯を有して、基本ステップ角が3°であることを特徴とするハイブリッド型ステッピングモータ。
  2. 環状磁性体から内側に放射状に延びる複数個のステータポールを設けたステータと、前記ステータポールと空隙を介して内側に配置されたロータからなり、前記ステータポールの先端に複数個の小歯を有し、前記ロータの外周に複数個の小歯を有してなるハイブリッド型ステッピングモータにおいて、
    前記ハイブリッド型ステッピングモータは2相であって、前記ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個のステータポールを有し、それぞれのステータポールの先端に3個の小歯を有し、前記ロータの外周に22個の小歯を有して、基本ステップ角が4.09°であることを特徴とするハイブリッド型ステッピングモータ。
  3. 環状磁性体から内側に放射状に延びる複数個のステータポールを設けたステータと、前記ステータポールと空隙を介して内側に配置されたロータからなり、前記ステータポールの先端に複数個の小歯を有し、前記ロータの外周に複数個の小歯を有してなるハイブリッド型ステッピングモータにおいて、
    前記ハイブリッド型ステッピングモータは2相であって、前記ステータは環状磁性体から内側に放射状に延びる8個のステータポールを有し、それぞれのステータポールの先端に5個の小歯を有し、前記ロータの外周に42個の小歯を有して、基本ステップ角が2.14°であることを特徴とするハイブリッド型ステッピングモータ。
  4. 前記ステータが角型コアにて構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載のハイブリッド型ステッピングモータ。
  5. 前記ステータが円型コアにて構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載のハイブリッド型ステッピングモータ。
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